JP2001040436A - インジウムの回収及び精製方法 - Google Patents

インジウムの回収及び精製方法

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JP2001040436A
JP2001040436A JP21523599A JP21523599A JP2001040436A JP 2001040436 A JP2001040436 A JP 2001040436A JP 21523599 A JP21523599 A JP 21523599A JP 21523599 A JP21523599 A JP 21523599A JP 2001040436 A JP2001040436 A JP 2001040436A
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indium
ito
aqueous solution
solution
recovered
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Shinji Fujiwara
進治 藤原
Kunio Saegusa
邦夫 三枝
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】インジウム含有物、例えば、ITOスクラップ
等からの簡便で安全、かつインジウムに対するジルコニ
ウム濃度を低減して高純度なインジウム含有水溶液とし
て回収するインジウムの回収・精製方法を提供する。 【解決手段】(1)インジウム酸化物を含有する物質を
酸性水溶液に溶解して、次いで該溶解液のpHを2以上
4以下の範囲に調整して、生成した沈殿物を分離除去し
て、インジウム含有水溶液として回収することにより、
回収されるインジウム中のジルコニウム濃度を低減させ
ることを特徴とするインジウムの回収及び精製方法。 (2)インジウム酸化物を含有する物質がITOスクラ
ップである上記(1)記載のインジウムの回収及び精製
方法で得られる、インジウムに対するジルコニウムの濃
度が40ppm以下であるインジウム含有水溶液を原料
とするITO粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インジウム酸化物
を含有する物質、例えば、酸化インジウム−酸化錫スク
ラップ等からの高純度なインジウム含有水溶液の回収方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化錫を2〜20重量%含有する、酸化
インジウム−酸化錫(Indium−Tin−Oxid
e、以下ITOと略す)薄膜は、高い導電性と優れた透
光性を有するために、液晶ディスプレ−用の透明導電性
膜として利用されている。このようなITO薄膜は、主
にITOターゲットを用いたスパッタリング法より形成
されており、ITOターゲットとしては、ITO原料粉
末を成形、焼結して得た焼結体が用いられている。
【0003】しかしながら、このようにITOターゲッ
トを用いて透明導電性膜を形成する際の問題点の一つと
して、ITOターゲットの使用効率が低いことが挙げら
れる。一般にスパッタリングにて、約20〜30重量%
程度を使用した後のITOターゲットはスクラップとし
て回収されるが、このスクラップ中には有価物であるイ
ンジウムが多量に含まれていることから、このスクラッ
プから高純度の金属インジウムまたはインジウム化合物
を回収することが行われる。
【0004】インジウムは通常亜鉛鉱中に微量含まれて
いるインジウムを亜鉛製錬の副産物として回収し、電解
法等により精製し、高純度な、例えば純度99.99%
以上の金属インジウムとしているが、その生産量は亜鉛
の生産高により大きく左右され、またその生産高にもお
のずと限界がある。かかる背景からして、ITOスクラ
ップから金属インジウムを高収率で回収することは、稀
少資源の有効活用の観点から重要な意味を持つものであ
る。
【0005】このようにしてITOスクラップから回収
された高純度の金属インジウムまたはインジウム化合物
からは、再度ITOターゲットの原料となる酸化インジ
ウムあるいはITO粉末が製造される.その製造方法と
しては、インジウム水溶液とアルカリ水溶液とを混合し
て、インジウムを含む沈殿を得て焼成することによる酸
化インジウム製造方法、あるいはインジウム水溶液に錫
水溶液を混合して、更にアルカリ水溶液とを混合して、
インジウムと錫を含む沈殿を得て焼成するITO粉末製
造方法等が挙げられる。
【0006】ITOスクラップからの高純度の金属イン
ジウムまたはインジウム化合物の回収方法としては、こ
れまでにいくつかの提案がなされている。例えば、IT
Oスクラップを750〜1200℃の範囲で水素ガス等
の還元性ガスにより還元して金属インジウムとした後、
該インジウムを電解精製して高純度の金属インジウムを
回収する方法が、特開平7−145432号公報に開示
されている。しかしながらこの方法では、爆発の危険性
の高い水素ガスを高温で使用する為に、安全上の問題点
がある。
【0007】また、ITOスクラップを酸に溶解した、
強酸およびハロゲンイオンが共存するインジウムと錫を
含む水溶液にハロゲノ錫酸イオンの対イオンを添加し、
ハロゲノ錫酸塩を生成させて分離するインジウム水溶液
の精製方法が特開平3−75224号公報に開示されて
いる。しかしながらこの方法は主に、ITOスクラップ
を酸に溶解した水溶液から錫を除去する方法に関するも
ので、元来ITOターゲットに含まれてるZr等の不純
物を除去することができず、該精製方法と、イオン交換
法、電解析出法、化学的精製法等を組み合わせて、高純
度の金属インジウム及び/またはインジウム化合物を得
る必要がある。
【0008】特開平3−199122号公報には、IT
Oを鉱酸に溶解した水溶液から、そのpHが0〜3の領
域でインジウムを蓚酸塩として回収、焼成することによ
って酸化インジウムとし、この酸化インジウムを硝酸に
溶解して得たインジウムを含む硝酸水溶液のpHを調整
して水酸化インジウムを生成させこの水酸化インジウム
を焼成する酸化インジウムの回収方法が開示されてい
る。しかし、この方法で製造されるインジウムの蓚酸塩
および酸化インジウムは高純度であるが、一旦回収した
インジウム蓚酸塩を焼成、硝酸に再溶解する等工程が複
雑であり、またインジウムの蓚酸塩を得る工程で蓚酸お
よび不純物金属を含んだ排水が発生するため、その排水
処理に問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ジウム含有物、例えば、ITOスクラップ等からの簡便
で安全、かつインジウムに対するジルコニウム濃度を低
減して高純度なインジウム含有水溶液として回収するイ
ンジウムの回収・精製方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、係る状況
下、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イ
ンジウム酸化物を含有する物質を酸性水溶液に溶解後、
特定のpH条件下にて生成する沈殿物を分離除去して、
インジウム含有水溶液としてを回収することにより、高
純度なインジウムとして回収及び精製できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は以下(1)〜(3)に
関するものである。 (1)インジウム酸化物を含有する物質を酸性水溶液に
溶解して、次いで該溶解液のpHを2以上4以下の範囲
に調整して、生成した沈殿物を分離除去して、インジウ
ム含有水溶液として回収することにより、回収されるイ
ンジウム中のジルコニウム濃度を低減させることを特徴
とするインジウムの回収及び精製方法。 (2)インジウム酸化物を含有する物質がITOスクラ
ップである上記(1)記載のインジウムの回収及び精製
方法。 (3)上記(2)記載の回収及び精製方法で得られる、
インジウムに対するジルコニウムの濃度が40ppm以
下であるインジウム含有水溶液を原料とするITO粉
末。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明で使用されるインジウム酸化物を含有する
物質としては、特に限定するものではないが、例えば、
不純物を多く含む未精製の酸化インジウム−酸化錫、I
TOスクラップ(スパッタリングに使用した後のターゲ
ット材、ITO焼結体製造工程で発生する研削屑や規格
外品等)、In−Zn系の酸化物のスクラップ、In2
3蒸着用ペレットのスクラップ等が挙げられる。
【0013】本発明において、インジウム酸化物を含有
する物質の溶解に用いる酸性水溶液の酸としては塩酸、
硫酸、王水、硝酸等が挙げられる。ITOスクラップの
場合は、溶解速度が最も速い塩酸が好ましい。
【0014】インジウム酸化物を含有する物質が、例え
ば、ITOスクラップである場合について以下に説明す
る。スパッタリングに使用した後のターゲットからの回
収の場合、ITOターゲットはバッキングプレートと接
合されているために、バッキングプレートから取外した
ITOターゲット材にはろう材やバッキングプレートの
Cu等が付着している場合が多く、このような場合に
は、これら付着物を予め塩酸、硝酸、硫酸等の酸性水溶
液で除去しておくことが好ましい。
【0015】また、ITOスクラップは酸性水溶液への
溶解を行うに先立って、酸性水溶液への溶解を促進させ
るために、粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に限
定されないが、公知のロールクラッシャー、ロールミ
ル、ハンマーミル、スタンプミルや振動ミル等を用いる
事ができる。粉砕機の材質としてはアルミナ、ジルコニ
ア等の耐酸性のものが好ましい。粉砕後のITOスクラ
ップの粒径は10mm以下、好ましくは1mm以下、更
に好ましくは0.5mm以下とする。
【0016】次いで、粉砕したITOスクラップを酸性
水溶液に溶解する。溶解に用いる酸性水溶液の酸として
塩酸を用いる場合、水溶液中の塩酸濃度は5重量%以
上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重
量%以上であり、高濃度の塩酸水溶液を用いる程、IT
Oスクラップの溶解速度が向上する。
【0017】ITOスクラップの溶解方法は特に限定さ
れるものではないが、加熱、攪拌下で行うことが好まし
い。溶解温度は30℃以上、好ましくは50℃以上、更
に好ましくは60℃以上である。溶解時間は酸性水溶液
の濃度および温度にも依存するので特に限定はされない
が、1時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましく
は6時間以上である。
【0018】以上の溶解工程にて得られたITO溶解液
に未溶解のITOが含まれる場合には濾過によって、未
溶解のITOを除去して透明な水溶液にすることもで
き、該溶解液にはインジウム、錫の他に、ITOスクラ
ップ中に含まれていたSn、Zr、Fe、Al等が含ま
れる。
【0019】次いで、上記によって得られたITO溶解
液は、pHを2〜4、好ましくは2〜3に調整して、I
TOターゲットに含まれる不純物を沈殿として析出させ
る。この場合に析出する不純物沈殿はSn、Zr、F
e、Al等を含むものである。
【0020】ITO溶解液のpHを調整する方法として
は特に限定されるものではないが、反応容器内のITO
溶解液にアルカリ水溶液を添加してpHを調整する方
法、反応容器内にイオン交換水等の水を仕込み、ITO
溶解液とアルカリ水溶液を同時に供給してpHを調整す
る方法等が挙げられる。
【0021】本発明において、インジウム酸化物を含有
する物質を酸性水溶液に溶解した溶解液にアルカリ水溶
液を添加してpHが2未満の場合、除去すべき不純物が
沈殿することなく、また、pHが4を超えると該溶解液
中のインジウムも沈殿として析出するため、インジウム
の回収率が低下し好ましくない。
【0022】該溶解液にアルカリ水溶液を添加して不純
物沈殿を析出させる温度としては10〜90℃程度で良
く、pH調整に使用するアルカリ水溶液としては、アン
モニア水や水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる
が、回収されるインジウム水溶液および酸化インジウム
−酸化錫にアルカリ金属イオンが混入しないアンモニア
水を用いることが好ましい。
【0023】該溶解液のpH調整を行うに当り、インジ
ウム酸化物を含有する物質を塩酸水溶液に溶解させた場
合には、pH調整後の該溶解液の塩素濃度を好ましくは
6mol/L以下、更に好ましくは3mol/L以下と
する。 pH調整後の該溶解液の塩素濃度が6mol/
Lを超える場合はpHを2〜4に調整しても、除去すべ
き不純物の沈殿する量が少ないか殆どない為、高純度の
インジウム水溶液を回収することができない。
【0024】pH調整後の該溶解液の塩素濃度の調整方
法としては、高濃度,例えば35重量%の塩酸水溶液に
ITOスクラップを溶解した後に、ITO溶解液と等容
量以上のイオン交換水や純水等を添加してpH調整前の
ITO溶解液の塩素濃度を予め調整する方法、あるいは
35重量%の塩酸水溶液にITOスクラップを溶解した
後にpH調整を行ってからITO溶解液と等容量以上の
イオン交換水等を添加して塩素濃度を調整する方法、ま
たは低濃度、例えば20重量%以下の塩酸水溶液にIT
Oスクラップを溶解した水溶液をそのままpH調整する
方法等が挙げられる。
【0025】本発明において、pH調整後の該溶解液の
塩素濃度は、pH調整後の該溶解液の濃度を分析するこ
とが最も好ましい。例えば、ITOスクラップの溶解に
使用した塩酸水溶液の塩素濃度と、pH調整に使用した
イオン交換水、アルカリ水溶液の容量から理論的に計算
しても良い。
【0026】次いで、pH調整によって生成した沈殿物
を分離してインジウム含有水溶液を回収する。沈殿の分
離の方法は特に限定されず、通常の方法、例えば、遠心
分離、加圧濾過、真空濾過、フィルタ−プレス等の方法
が挙げられる。
【0027】また、pH調整によって生成した沈殿物が
微粒子で濾過による固液分離が困難な場合には、公知の
濾過助剤、例えばセルロース系、ケイソウ土等の濾過助
剤を併用した濾過操作(プレコート濾過、ボディーフィ
ード濾過)を行うことも出来る。濾過助剤としてケイソ
ウ土を用いる場合は、ケイソウ土からのFe,Ca等の
汚染を防止する為に、予め酸洗浄したものを用いること
が好ましい。
【0028】また、固液分離後の沈殿物にはインジウム
水溶液が付着しているので、濾過操作のみでインジウム
水溶液を回収した場合のインジウム回収率は50〜90
%と低いものあるが、例えば、インジウム水溶液が付着
した沈殿物をイオン交換水や純水等で洗浄して、この洗
浄液も回収することによって、インジウムの回収率は更
に向上するので好ましい方法の一つである。
【0029】本発明の方法によって、回収されるインジ
ウム中のジルコニウムの濃度を40ppm以下(Zr/
Inが40ppm以下)にすることができる。条件を駆
使することにより、より高純度のインジウムを回収でき
る。例えば、精製される原料の条件によっても異なる
が、インジウム酸化物を含有する物質を酸性水溶液に溶
解した溶解液のpHを2以上4以下で、塩素濃度を3m
ol/L以下の範囲で回収されるインジウム中のジルコ
ニウム濃度を10ppm以下、更には5ppm以下とす
ることも可能である。
【0030】このようにして回収したインジウム含有水
溶液は高純度であり、該インジウム含有水溶液をアンモ
ニア水溶液等のアルカリ水溶液を添加して中和し、生成
したインジウムと錫を含む沈殿を、固液分離後に乾燥、
焼成することによって、高純度な、具体的にはZr、F
e、Al、Si等の不純物元素の含有量が40ppm以
下、好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10p
pm以下の酸化インジウム−酸化錫粉末を得ることがで
きる。
【0031】また、本発明で回収したインジウム含有水
溶液中の酸化インジウム/酸化錫の重量比は99/1〜
97/3程度であり、通常スパッタターゲットとして使
用されるITOの酸化インジウム/酸化錫の重量比であ
る90/10のITO粉末を得たい場合には、回収した
インジウム含有水溶液に錫水溶液を添加して組成を調整
することもできる。この場合に使用する錫水溶液として
は水溶性の錫塩(塩化錫(SnCl4 、SnCl2
等)を水に溶解させたもの、金属錫を塩酸水溶液に溶解
させたもの等を用いることができる。
【0032】更に、インジウムと錫の混合水溶液とアル
カリ水溶液とを混合、中和してインジウムと錫を含む沈
殿を得る方法としては、インジウムと錫の混合水溶液中
にアルカリ水溶液添加する方法、あるいは温度範囲が4
0℃以上100℃未満の水中に、反応中のpHが4.0
〜6.0の範囲で一定に維持されるようにインジウムと
錫の混合水溶液とアルカリ水溶液とを同時に供給して反
応させて、インジウムと錫を含む沈殿を得る方法が挙げ
られる。
【0033】更に、上記方法で得られたインジウムと錫
を含む沈殿の乾燥物を焼成し、ITO粉末とする場合、
600〜1300℃の温度範囲で、焼成雰囲気として
は、空気、酸素、窒素あるいは塩化水素ガス等を用いる
ことができ、塩化水素ガス雰囲気中での焼成によって、
最も凝集性の弱いITO粉末を得ることができる。
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 ITO焼結体Aをスタンプミル(日陶科学株式会社製
ANS143型)にて粉砕して60メッシュ以下とした
粉末120.0gを35%塩酸水溶液400mlに添
加、攪拌下、60℃で8時間溶解処理を行い、吸引濾過
により未溶解ITOを除去し、濾過漏斗内の未溶解IT
Oをイオン交換水400mlにて洗浄してITO溶解液
802mlを回収した。回収したITO溶解液の濃度を
ICP発光装置にて分析した結果、 In=103.8g/L、 Sn=11.5g/L、 Zr=0.0101g/L、であった。 次いでこのITO溶解液66mlに28%アンモニア水
18mlを添加してpH=2.8、塩素濃度=3.5m
ol/Lに調整し、酸洗浄したケイソウ土10.0gを
添加した。次いで、定量濾紙5Cに酸洗浄したケイソウ
土6.0gをプレコートして吸引濾過を行って、インジ
ウム含有水溶液70mlを回収した。pH調整後の溶解
液の塩素イオン濃度をイオンメーター(堀場製作所製、
pH/イオンメーターF−23)にて測定した結果、塩
素イオン濃度は3.5mol/Lで、ITO溶解に使用し
た塩酸量等から計算される塩素濃度は4.4mol/L
であった。表1に回収したインジウム含有水溶液のイン
ジウム、錫、ジルコニウム濃度を示す。以上の結果から
インジウムの回収率は72%であった。
【0035】実施例2 ITO溶解液33mlにイオン交換水33ml添加し、
更に28%アンモニア水11mlを添加してpH=3.
0、塩素濃度=2.1mol/L に調整した以外は、
実施例1と同様な方法でインジウム含有水溶液72ml
を回収した。pH調整後の溶解液の塩素イオン濃度をイ
オンメーター(堀場製作所製、pH/イオンメーターF
−23)にて測定した結果、塩素イオン濃度は2.1m
ol/Lで、ITO溶解に使用した塩酸量等から計算さ
れる塩素濃度は2.4mol/Lであった。表1に回収
したインジウム水溶液のインジウム、錫、ジルコニウム
濃度を示す。以上の結果からインジウムの回収率は79
%であった。
【0036】実施例3 溶解液16mlにイオン交換水50ml添加して28%
アンモニア水4mlを添加してpH=2.9、塩素濃度
=1.1mol/Lに調整した以外は、実施例1と同様
な方法でインジウム含有水溶液70mlを回収した。
pH調整後の溶解液の塩素イオン濃度をイオンメーター
(堀場製作所製、pH/イオンメーターF−23)にて
測定した結果、塩素イオン濃度は1.1mol/Lで、
ITO溶解に使用した塩酸量等から計算される塩素濃度
は1.3mol/Lであった。表1に回収したインジウ
ム水溶液のインジウム、錫、ジルコニウム濃度を示す。
以上の結果からインジウムの回収率は84%であった。
【0037】実施例4 ITO焼結体Bをアルミナ製2Lアルミナポット(ニッ
カトー社製)および15φアルミナHDボール(ニッカ
トー社製、15mmφ、HDボール)を用いて振動ミル
(安川電気製作所社製、Vibo−Pot)にて粉砕し
て60メッシュ以下とした粉末213.3gを35%塩
酸水溶液400mlに添加、攪拌下、60℃で8時間溶
解させた。溶解処理後、未溶解ITOを濾過により除去
して、ITO溶解液412mlを回収した。回収したI
TO溶解液の濃度をICP発光法にて分析した結果、 In=351.7g/L、 Sn=45.0g/L、 Zr=0.019g/L、であった。 次いで、2Lフラスコにイオン交換水800mlを仕込
んで攪拌し50℃に昇温した。次に、このイオン交換水
中に反応中のpHが2.5を維持するようにITO溶解
液401mlおよび13%アンモニア水140mlを3
5分かけて同時に添加して沈殿を含むスラリー143
7.1gを得た。 ITO溶解に使用した塩酸量等から
pH調整後の溶解液の塩素濃度計算値は3.3mol/
Lであった。次いで、定量濾紙5Cに酸洗浄したケイソ
ウ土37.2gをプレコートして、沈殿を含むスラリー
1491.1gを吸引濾過を行って、インジウム含有水
溶液1240mlを回収した。表1に回収したインジウ
ム含有水溶液のインジウム、錫、ジルコニウム濃度を示
す。以上の結果から、インジウム回収率は89%であっ
た。
【0038】実施例5 実施例4の濾過操作後の沈殿にイオン交換水500ml
を流し込んで洗浄、濾過して、インジウム含有水溶液5
10mlを回収した。表1に回収したインジウム含有水
溶液のインジウム、錫、ジルコニウム濃度を示す。以上
の結果から、実施例4と実施例5の合計のインジウム回
収率は93%であった。
【0039】実施例6 SnO2=9.6%、Zr=130ppm、Al=10
ppm未満、Si=18ppm、Fe=14ppm、C
u=10ppm未満、Ca=10ppm未満、Na=1
0ppm未満を含有するITO焼結体Cをスタンプミル
にて粉砕して60メッシュ以下とした粉末60.0gを
19%塩酸水溶液400mlに添加、攪拌下、60℃で
40時間溶解させた。濾過によって未溶解ITOを除去
してインジウム含有水溶液410mlを回収した。未溶
解ITO重量から該水溶液中のインジウム濃度は91.
4g/Lと推定される。次いで該溶解液100mlに、
28%アンモニア水22mlを添加してpH=2.5に
調整した。 ITO溶解に使用した塩酸量等から、pH
調整後の溶解液の塩素濃度計算値は2.3mol/Lで
ある。次いで、遠心分離器(国産遠心分離株式会社製、
H−1500F型)によって、生成した沈殿を沈降させ
て上澄み液のみを採取することで、インジウム含有水溶
液100mlを回収した。次いで回収したインジウム含
有水溶液に28%アンモニア水20mlを添加してイン
ジウムと錫を含む水酸化物析出させ、この水酸化物を空
気中900℃にて1時間焼成してITO粉末9.5gを
得た。表2に回収したITOのSnおよび不純物含有量
を示す。以上の結果からインジウムの回収率は75%で
あった。
【0040】比較例1 ITO焼結体Cをスタンプミルにて粉砕して60メッシ
ュ以下とした粉末60.1gを35%塩酸水溶液200
mlに添加、攪拌下、60℃で10時間溶解させ、該溶
解液に、28%アンモニア水100mlを添加してpH
=2.5に調整した。pH調整後の溶解液の塩素濃度計
算値は7.6mol/Lである。次いで吸引濾過を行っ
て、インジウム含有水溶液を回収した。回収したインジ
ウム含有水溶液に28%アンモニア水を添加してインジ
ウムと錫を含む水酸化物析出させ、この水酸化物を空気
中900℃にて1時間焼成してITO粉末52.2gを
得た。表2に回収したITOの錫、ジルコニウムおよび
その他金属の含有量を示す。
【0041】比較例2 ITO焼結体Cをスタンプミルにて粉砕して60メッシ
ュ以下とした粉末60.0gを19%塩酸水溶液400
mlに添加、攪拌下、60℃で10時間溶解させた。濾
過によって未溶解ITOを除去してインジウム含有水溶
液401mlを回収した。未溶解ITO重量から該水溶
液中のインジウム濃度は77.8g/Lと推定される。
次いで該溶解液100mlに、28%アンモニア水を添
加してpH=8に調整し、インジウムと錫を含む水酸化
物析出させ、この水酸化物を空気中900℃にて1時間
焼成してITO粉末7.3gを得た。表2に回収したI
TOのSnおよび不純物含有量を示す。
【0042】本発明により回収されるインジウム含有水
溶液は、ITO粉末製造用の原料として使用する場合に
は、高純度なITO粉末が得られる。
【0043】以上の実施例と比較例をまとめて表1およ
び表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明により、インジウム含有物、例え
ば、ITOスクラップ等からの簡便で安全、かつインジ
ウムに対するジルコニウム濃度を低減して40ppm以
下にする高純度なインジウム含有水溶液として回収する
ことができ、使用済みITOターゲットから高純度なI
TO粉末を再生することが低コストで可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インジウム酸化物を含有する物質を酸性水
    溶液に溶解して、次いで該溶解液のpHを2以上4以下
    の範囲に調整して、生成した沈殿物を分離除去して、イ
    ンジウム含有水溶液として回収することにより、回収さ
    れるインジウム中のジルコニウム濃度を低減させること
    を特徴とするインジウムの回収及び精製方法。
  2. 【請求項2】酸性水溶液が塩酸水溶液であり、該溶解液
    の塩素濃度を6mol/L以下に調整する請求項1記載
    のインジウムの回収及び精製方法。
  3. 【請求項3】インジウム酸化物を含有する物質がITO
    スクラップである請求項1または2記載のインジウムの
    回収及び精製方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の回収及び精製方法で得られ
    る、インジウムに対するジルコニウムの濃度が40pp
    m以下であるインジウム含有水溶液を原料とするITO
    粉末。
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