JP2009242201A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マトリックス樹脂、炭素数6〜20の長鎖カルボン酸及び可塑剤を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記長鎖カルボン酸の分子容積が145cm3/mol以上で、かつ、前記長鎖カルボン酸の含有量がマトリックス樹脂1kgに対して0.02〜12mmolである合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、酸化マグネシウムや酸化亜鉛と、ポリビニルアセタール樹脂とを含有する合わせガラス用中間膜とした場合、該合わせガラス用中間膜とガラス板との界面に金属コーティング層を有する合わせガラスでは、金属コーティング層中に外観不良の原因となる斑点が発生してしまうという問題は解決されていなかった。
以下に本発明を説明する。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記長鎖カルボン酸の分子容積が145cm3/mol未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜を用いて熱線反射合わせガラスや低反射合わせガラスを製造したときに、外観不良の原因となる斑点が発生する。上記長鎖カルボン酸の分子容積は、290cm3/mol以上であることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、炭素数6〜20の長鎖カルボン酸を特定の割合で含有し、更に、特定の分子容積の長鎖カルボン酸を選択している。そのため、銀層等の金属コーティング層が設けられたガラスを用いて合わせガラスとしても、外観不良の原因となる斑点の発生を抑制することができる。
なお、上記分子容積は、Fedorの方法に従って、下記式(1)により求めることができる。なお、ViはFedorのパラメーターで定義された数値である。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ−ヘプタノエート等の液状可塑剤や、一塩基性有機酸エステル可塑剤、多塩基性有機酸エステル可塑剤等の有機可塑剤や、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記接着力調整剤は、本発明の合わせガラス用中間膜の製造過程において、上述したマトリックス樹脂と可塑剤とを含有する混合物中に、上記接着力調整剤の有機酸塩として添加される。具体的には、例えば、上記接着力調整剤がマグネシウムイオンの場合、酢酸マグネシウム、ヘプタン酸マグネシウム、オクタン酸マグネシウム、ノナン酸マグネシウム、デカン酸マグネシウム等の有機酸塩の水溶液として添加される。
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、前記合わせガラス用中間膜を挟持する2枚のガラス板とを有する合わせガラスであって、少なくとも一方の前記ガラス板と合わせガラス用中間膜との界面に、銀層等の金属コーティング層が設けられている合わせガラスである。
(1)合わせガラス用中間膜の製造
ポリビニルブチラール樹脂100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート40重量部、添加剤としてt−ブチルヒドロキシトルエン0.1重量部、アセチルアセトン0.06重量部、2−エチル酪酸マグネシウム0.3重量部を添加した。さらに、長鎖カルボン酸として2−ヘキシルデカン酸(分子容積=293.3cm3/mol)をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して599mg(2.335mmol)を加えてプラスト混練機にて120℃で溶融混練した。得られた樹脂組成物をプレス成型機にて150℃、100kgf/cm2で20分間プレス成形し、厚さ0.8mmの合わせガラス用中間膜を得た。
得られた合わせガラス用中間膜を、合わせガラス用中間膜に接触する面に金属コーティング層が施されたフロートガラス(縦7.5cm×横7.5cm×厚さ2.5mm)と、合わせガラス用中間膜に接触する面に金属コーティング層が施されていないフロートガラス(縦7.5cm×横7.5cm×厚さ2.5mm)とで挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した。ゴムバック内の温度を90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ処理し、135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
2−ヘキシルデカン酸の添加量をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して300mg(1.168mmol)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
2−ヘキシルデカン酸の添加量をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して5mg(0.02mmol)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
2−ヘキシルデカン酸の添加量をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して3000mg(11.68mmol)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
長鎖カルボン酸としてヘプタン酸(分子容積=148.4cm3/mol)をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して304mg(2.335mmol)添加した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
長鎖カルボン酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
2−ヘキシルデカン酸の添加量をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して3mg(0.0117mmol)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
2−ヘキシルデカン酸の添加量をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して3400mg(13.26mmol)とした以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
長鎖カルボン酸として2−メチル−n−吉草酸(分子容積=116.2cm3/mol)をポリビニルブチラール樹脂1kgに対して271mg(2.335mmol)添加した以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を製造し、該合わせガラス用中間膜を用いた以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
実施例1〜5及び比較例1〜4で製造した合わせガラスの外観不良の原因となる斑点の有無を目視で確認した後、100℃のドライオーブンに入れ、24時間、48時間、60時間、120時間、200時間経過後における外観不良の原因となる斑点の有無を目視にて確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「◎」は、5cm四方内に外観不良の原因となる斑点が確認されなかったことを示し、「○」は、5cm四方内に1mm以上の外観不良の原因となる斑点が確認されなかったが、1mm以下の外観不良の原因となる斑点が3個以下であったことを示し、「×」は、5cm四方内に1mm以上の外観不良の原因となる斑点が確認されたか、又は、1mm未満の外観不良の原因となる斑点が4個以上確認されたことを示す。
Claims (2)
- マトリックス樹脂、炭素数6〜20の長鎖カルボン酸及び可塑剤を含有する合わせガラス用中間膜であって、前記長鎖カルボン酸の分子容積が145cm3/mol以上であり、かつ、前記長鎖カルボン酸の含有量が前記マトリックス樹脂1kgに対して0.02〜12mmolである
ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 請求項1記載の合わせガラス用中間膜と、前記合わせガラス用中間膜を狭持する2枚のガラス板とを有する合わせガラスであって、少なくとも一方の前記合わせガラス用中間膜と前記ガラス板との界面に金属コーティング層を有することを特徴とする合わせガラス。
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JPH0741340A (ja) * | 1993-07-29 | 1995-02-10 | Sekisui Chem Co Ltd | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
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