JP2009241696A - バーハンドル車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の総重量によらず、好適な制動制御を可能にする。
【解決手段】車両に設けられた加速度センサの検出結果に基づいて車両の旋回状態を判定し、車両の制動制御を行うバーハンドル車両用ブレーキ制御装置である。ブレーキ制御装置は、車両の前後方向に発生する前後方向加速度αlongを取得する前後方向加速度取得手段と、加速度センサの検出結果に基づいて車両の横方向に発生する横加速度αlatを取得する横加速度取得手段と、横加速度取得手段が取得した横加速度αlatに基づいて、制動により発生する前後方向加速度αlongの大きさの上限を規定する閾値AFthを設定する閾値設定手段26と、閾値AFthを用いて車両の制動力を制御する制動力制御手段とを備えて構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置に関し、特に、車両の総重量によらず好適な制動制御を可能にするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置に関する。
自動二輪車などのバーハンドル車両において旋回時に制動を行うと、車輪は、路面から前後方向に摩擦力を受けるだけでなく、旋回していることにより左右方向へも摩擦力を受ける。車輪と路面との間に働く摩擦力は、この前後方向の摩擦力と左右方向の摩擦力の合力となるため、旋回中の制動力の限界を設定するための指標として、タイヤ摩擦円が一般に知られている。タイヤ摩擦円は、前記した前後方向の摩擦力Flongを縦軸、左右方向の摩擦力Flatを横軸に取って、この合力が、車輪の最大摩擦力F=μmg(μ:路面摩擦係数、m:乗員などを含む車両質量(総重量)、g:重力加速度)を半径とする円内に収まるべきである、という指標であり、次式(1)により与えられる。
2≧Flong 2+Flat 2 ・・・(1)
(1)式において、前後方向の摩擦力Flongは、ブレーキによる制動力により定まることから、次式(2)で求めることができる。
long=PSμ′(r/R) ・・・(2)
(P:キャリパの液圧、S:キャリパピストン面積、μ′:キャリパの摩擦係数、r:ブレーキディスクの有効半径、R:車輪の半径)
一方、旋回中の横加速度をαlatとすると、この横加速度による遠心力を支えている左右方向の摩擦力Flatは、次式(3)で求めることができる。
lat=mαlat ・・・(3)
式(2)および式(3)を式(1)に代入し、また、F=μmgを式(1)に代入すれば、次式(4)の関係が得られる。
(μmg)2≧(PSμ′(r/R))2+(mαlat2 ・・・(4)
一方、自動二輪車の傾斜姿勢角度をφとすると、αlat=g・tanφであるから、(4)式は、次式(5)のようになる。
(μmg)2≧(PSμ′(r/R))2+(mg・tanφ)2 ・・・(5)
この(5)式は、車両の前後左右の制動力がタイヤ摩擦円内にあることを示すから、(5)式を満たすようなキャリパの液圧(以下、「キャリパ圧」という)Pで制動を行えば、タイヤの摩擦力の範囲内で制動できることになる。
従来技術においては、特許文献1のように、この(5)式を満たすようなPで、最大許容前輪圧力Pabを決定し、キャリパ圧が傾斜姿勢角度φに応じたPabを超えないようにすべきことを開示している。
特開平7−002077号公報
ところで、前記したようにキャリパ圧に着目して制動力の制御を行う場合、(5)式には車両質量mの項があるため、キャリパ圧Pの限界値は車両質量mに依存する。すなわち、車両質量mが大きければ、キャリパ圧Pの限界値は大きくなり、車両質量mが小さければ、キャリパ圧Pの限界値は小さくなる。
しかしながら、従来技術においては、車両質量mの変化は考慮されておらず、想定した一定値で設定されているため、実際の積載重量が小さい場合には、制動力が大きすぎる可能性があり、逆に積載重量が大きい場合には、制動力を抑えてしまう可能性がある。
そこで、本発明では、車両の総重量によらず、好適な制動制御を可能にするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、車両に設けられた加速度センサの検出結果に基づいて車両の旋回状態を判定し、当該車両の制動制御を行うバーハンドル車両用ブレーキ制御装置であって、前記車両の前後方向に発生する前後方向加速度を取得する前後方向加速度取得手段と、前記加速度センサの検出結果に基づいて前記車両の横方向に発生する横加速度を取得する横加速度取得手段と、前記横加速度取得手段が取得した横加速度に基づいて、制動により発生する前後方向加速度の大きさの上限を規定する閾値を設定する閾値設定手段と、前記前後方向加速度および前記閾値を用いて車両の制動力を制御する制動力制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、前後方向加速度取得手段により前後方向加速度が取得され、横加速度取得手段により、横加速度が取得される。そして、前後方向加速度が閾値を超えないように車両の制動力が制御される。
ここで、Flongを、前記式(2)のようにキャリパ圧Pで表すのではなく、前後方向加速度αlongで表せば、Flong=mαlongとなる。これを式(1)に代入すれば、次式(6)が得られる。
(μmg)2≧(mαlong2+(mαlat2 ・・・(6)
したがって、次式(7)が得られる。
(μg)2−αlat 2≧αlong 2 ・・・(7)
本発明をこの式(7)に照らして見れば、閾値設定手段が、横加速度αlatに基づいて式(7)の左辺の値を求めることで、前後方向加速度αlongの大きさの上限値を規定する閾値を設定し、制動力制御手段は、この閾値と前後方向加速度に基づいて車両の制動力を制御する。
式(7)を見て明らかなように、式(7)は車両質量mの項を含まないので、本発明によれば、車両質量mに依存することなく、車両の制動力を制御することができる。
より簡単にいえば、本発明では、キャリパ圧に着目することなく、前後方向加速度に着目して車両の制動力を制御することにより、車両の総重量に関わらず、好適な制動力の制御が可能となる。
前記した本発明においては、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数推定手段が推定した路面摩擦係数と、前記横加速度取得手段が取得した横加速度に基づいて前記閾値を設定することができる。
このような構成によれば、路面摩擦係数推定手段により推定した路面摩擦係数を用いて、より適切な閾値を設定し、好適な制動力制御が可能となる。
前記した本発明においては、前記閾値設定手段は、前記閾値を随時更新して設定することが望ましい。閾値を随時更新することにより、より好適な制動力制御が可能となる。
前記した本発明においては、前記前後方向加速度取得手段は、前記車両の各車輪に設けられた車輪速センサから得られた車輪速度に基づいて前後方向加速度を算出することができる。すなわち、前後方向加速度は、前後方向の加速度を検出する加速度センサを用いることもできるが、車輪速度に基づいて算出することで、加速度センサを設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
本発明によれば、前後方向加速度が閾値設定手段で設定した閾値を超えないように制動力を制御することで、車両の総重量に関わらず、好適な制動力の制御が可能となる。
[第1実施形態]
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下においては、バーハンドル車両の一例として自動二輪車を例示して説明する。なお、本発明におけるバーハンドル車両は、ステアリングがバーハンドル状で、運転者が車体を傾けながら旋回する車両をすべて含み、例えば、前が一輪、後が二輪の自動三輪車なども含まれる。
参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ制御装置を構成する車両のブレーキ液圧回路図であり、図2は、車両に掛かる加速度による力と傾斜姿勢角度φを説明するための、自動二輪車の正面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ制御装置1(以下、単に「ブレーキ制御装置1」とする)には、運転者が右手で操作するブレーキレバーLの操作に応じて液圧を出力する第1マスタシリンダMFと、運転者が右足で操作するブレーキペダルPの操作に応じて液圧を出力する第2マスタシリンダMRが接続される。
ブレーキ制御装置1が搭載される自動二輪車V(図2参照)には、前輪に前輪ブレーキBFが設けられ、後輪に後輪ブレーキBRが設けられる。前輪ブレーキBFには、ブレーキディスクをブレーキパッドで挟んで制動力を発生させる前輪キャリパCFが設けられ、後輪ブレーキBRにも同様に後輪キャリパCRが設けられる。
液圧ユニット2は、図示しない基体に液圧通路が形成されると共に、この液圧通路に適宜電磁弁が設けられて構成された液圧回路10と、各電磁弁を制御する制御装置20とで構成されている。液圧回路10は、制御装置20により前輪、後輪のブレーキ液圧を減圧、保持または増圧する制御がされて制動力調整装置として機能する。
第1マスタシリンダMFは、配管81Fを介して液圧回路10の入口ポート11Fに接続され、前輪キャリパCFは、配管82Fを介して液圧回路10の出口ポート12Fに接続されている。同様に、第2マスタシリンダMRは、配管81Rを介して液圧回路10の入口ポート11Rに接続され、後輪キャリパCRは、配管82Rを介して液圧回路10の出口ポート12Rに接続されている。
入口ポート11Fと出口ポート12Fとは、液圧路91により接続され、液圧路91上には常開型の電磁弁である入口弁13が設けられている。また、入口弁13には、チェック弁13aが並列に設けられている。
出口ポート12Fには、前輪ブレーキBFのブレーキ液圧を減圧したときにブレーキ液を還流させ、貯留するリザーバ15が液圧路92を介して接続され、液圧路92上には、常閉型の電磁弁である出口弁14が設けられている。
したがって、通常時は、第1マスタシリンダMFから出力されるブレーキ液圧は、液圧路91を通って前輪キャリパCFに供給される。一方、アンチロックブレーキ(ABS)制御を行う場合など、前輪キャリパCFを減圧する場合には、入口弁13を閉め、出口弁14を開ける信号をそれぞれの弁に送ることで、前輪キャリパCF内のブレーキ液が出口弁14を介してリザーバ15へ還流して前輪キャリパCF内の液圧が下がることになる。
リザーバ15は、液圧路93により入口ポート11Fとも接続されている。液圧路93上にはリザーバ15側から第1マスタシリンダMFに向かって、順に吸入弁16a、リザーバ15からブレーキ液を汲み上げるポンプ16、吐出弁16b、ブレーキ液圧の変動を吸収するダンパ17およびオリフィス18が設けられている。ポンプ16は、モータ19により回転駆動されるようモータ19に接続されている。このような構成により、リザーバ15内の余分なブレーキ液は、ポンプ16により汲み出され、第1マスタシリンダMFへ還流されるようになっている。
以上に液圧回路10の前輪側の回路構成について説明したが、後輪側の構成も同様であるので、詳細な説明は省略する。
制御装置20は、入口弁13、出口弁14およびモータ19を制御して前輪キャリパCFおよび後輪キャリパCRの液圧を制御する装置である。前輪および後輪のそれぞれには、車輪速センサ31が設けられ、車輪速センサ31で検出した車輪の回転速度は、制御装置20に入力されている。また、自動二輪車Vには、加速度センサの一例として、車両の上下方向の加速度を検出する上下方向加速度センサ32が設けられ、上下方向加速度センサ32の出力は、制御装置20に入力されている。なお、ここでの上下方向は、車両が直立しているときの上下の方向を意味し、図2のように、自動二輪車Vが旋回中で地面に対し傾斜している場合では、図中のベクトルmαXの方向が上下方向となる。
図3は、第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
制御装置20は、図示しないCPUおよびROM,RAMなどを備え、これらの記憶装置に記憶されたプログラムに従い、液圧回路10を制御するように構成されている。
図3に示すように、前輪および後輪の各輪の車輪速センサ31で検出された車輪の回転速度は、それぞれ、前輪車輪速度演算部21aおよび後輪車輪速度演算部21bに入力される。
前輪車輪速度演算部21aは、入力された前輪の回転速度に基づき、前輪の外径を考慮して、前輪の転がる外周の速度(前輪車輪速度)に換算する。前輪車輪速度VFは、車体速度推定部22およびスリップ率演算部23に出力される。後輪車輪速度演算部21bも、前輪と同様にして後輪車輪速度VRを演算し、求められた後輪車輪速度VRはスリップ率演算部23に出力される。
車体速度推定部22は、前輪車輪速度VFに基づいて車体速度V0を推定するものである。車体速度V0は、原則として前輪車輪速度VFを車体速度V0とするとともに、前輪車輪速度VFの減速度の大きさが所定の減速度上限値Amaxの大きさを超えた場合には、車体速度V0の減速度Aが減速度上限値Amaxになるように、車体速度V0を換算する。この車体速度V0は、スリップ率演算部23および前後方向加速度演算部24に出力される。
なお、この減速度上限値Amaxは、一定値であってもよいし、前輪車輪速度VF、後輪車輪速度VRから推定される路面の状況、例えば、気温、路面の傾斜などに応じて適宜変更してもよい。
スリップ率演算部23は、車体速度V0と前輪車輪速度VFおよび後輪車輪速度VRから、前輪および後輪のスリップ率を算出するものである。スリップ率の計算方法について一例を挙げれば、例えば後輪については、
SLR=(V0−VR)×100/V0
により求めることができ、前輪については、
SLF=(V0−VF)×100/V0
により求めることができる。
前後方向加速度演算部24は、前後方向加速度取得手段の一例であり、車体速度V0に基づき、前後方向加速度αlongを算出する手段である。具体的には、前後方向加速度αlongは、車体速度推定部22から入力された車体速度V0を微分することにより求めることができる。
横加速度演算部25は、横加速度取得手段の一例であり、上下方向加速度センサ32で検出した加速度αxに基づいて、旋回する自動二輪車Vにかかる水平方向の横加速度αlatを導出する機能を有している。具体的に、横加速度演算部25は、上下方向加速度センサ32から加速度αxを取得すると、記憶装置29に予め記憶してある重力加速度gを読み込み、これらの値αx,gを用いて三平方の定理より横加速度αlatを算出する。すなわち、横加速度演算部25は、次式(8)より横加速度αlatを算出する。
αlat = √(αx 2−g2) ・・・(8)
そして、横加速度演算部25は、算出した横加速度αlatを、閾値設定手段26に出力する。
閾値設定手段26は、横加速度演算部25が導出した水平方向の横加速度αlatに基づいて制動により発生する前後方向加速度の閾値AFthを設定する手段である。前後方向加速度αlongと横加速度αlatとは、これらにより発生する前後方向および横方向にかかる力の合力がタイヤ摩擦円内になければならないという、前記式(6)の関係を有し、この式(6)から、前記したように式(7)
(μg)2−αlat 2≧αlong 2 ・・・(7)
が導かれ、式(7)から、αlongの閾値AFthが求められる。例えば、閾値AFthは、式(7)の左辺(μg)2−αlat 2により決定することができる。具体的には、閾値AFthは、減速度の閾値として用いるため、負の値とする。すなわち、例えば、
AFth=−k√((μg)2−αlat 2) ・・・(9)
とすることができる。なお、kは1未満の値を有する安全係数である。なお、摩擦係数μは、一定値として記憶装置29に記憶してあったものを用いればよい。
ABS制御手段28は、スリップ率演算部23が演算したスリップ率SLF,SLRと、前後方向加速度演算部24が算出した前後方向加速度αlongおよび閾値AFthとに基づき、車両の制動力の制御の一例としてのABS制御を実行する手段である。ABS制御手段28は、前後方向加速度αlongが0以下であり、かつ、スリップ率SLF,SLRが所定の閾値以上であるか若しくは前後方向加速度αlongが閾値AFthより小さい場合に、車輪のロックを防止すべく、前輪キャリパCFまたは後輪キャリパCRの減圧制御を実行する。すなわち、ABS制御手段28は、減圧制御を開始する場合には、後述するように入口弁13を閉じて、出口弁14を開くことにより、キャリパCF,CR内のブレーキ液をリザーバ15に排出して、キャリパCF,CRを減圧する。
以上のような構成のブレーキ制御装置1の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ制御装置の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、前輪車輪速度演算部21aは、前輪の車輪速センサ31から前輪の回転速度を取得し、前輪車輪速度VFを演算する(S10)。そして、車体速度推定部22は、前輪車輪速度VFに基づいて、車体速度V0を推定する(S11)。次に、前後方向加速度演算部24は、車体速度V0を微分して、前後方向加速度αlongを演算する(S12)。
また、後輪車輪速度演算部21bは、後輪の車輪速センサ31から後輪の回転速度を取得し、後輪車輪速度VRを演算する(S13)。次に、スリップ率演算部23は、車体速度V0、前輪車輪速度VFおよび後輪車輪速度VRから、前後の車輪のスリップ率SLF,SLRを演算する(S14)。
一方、横加速度演算部25は、上下方向加速度センサ32から上下方向加速度を取得し(S15)、前記式(8)により水平方向の横加速度αlatを演算する(S16)。そして、閾値設定手段26は、横加速度αlatに基づいて、式(7)に基づき(例えば、式(9)に基づき)、前後方向加速度αlongの閾値AFthを設定する(S17)。
そして、ABS制御手段28は、前後方向加速度αlong、スリップ率SLF,SLRおよび閾値AFthに基づいてABS制御を実行する(S50)。すなわち、スリップ率SLF,SLRが所定の閾値以上であるか若しくは前後方向加速度αlongが閾値AFthより小さい場合に、前輪キャリパCFまたは後輪キャリパCRの減圧制御を実行する。
以上の処理は、自動二輪車Vが走行中、繰り返し実行される。すなわち、閾値AFthは、横加速度αlatの変化に応じて、適宜更新される。
このような処理により、ブレーキ制御装置1では、自動二輪車Vが旋回中においても、適切な前後方向加速度の閾値AFthを設定して、閾値AFthを見ながらこれに対応する制動力を超えないように自動二輪車Vの制動を制御することができる。すなわち、閾値AFthは、前記式(7)に基づき設定されるので、乗員の重量や荷物の重量の影響を受けることなく決定することができ、これらの要因に影響されることなく適切な制動力で制御することが可能となる。
そして、本実施形態においては、閾値AFthは、横加速度αlatの変化に応じて、適宜更新されるので、自動二輪車Vの旋回状態に応じて適切な閾値AFthを設定して、良好な制動力制御を実行することが可能である。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。参照する図において、図5は、第2実施形態に係る制御装置のブロック構成図であり、図6は、第2実施形態に係るブレーキ制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、第2実施形態のブレーキ制御装置は、第1実施形態のブレーキ制御装置1に対し、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段27をさらに備え、閾値設定手段26は、路面摩擦係数推定手段が推定した路面摩擦係数μと、横加速度演算部25が取得した横加速度αlatに基づいて閾値AFthを設定するように構成されている。
路面摩擦係数推定手段27は、車体速度推定部22が推定した車体速度V0に基づき、公知の方法により路面摩擦係数μを推定する。一例を挙げれば、自動二輪車Vが旋回中でない時点の減速中における減速度、すなわち前後方向加速度αlongを、随時現在の路面摩擦係数μとして推定することができる。推定された路面摩擦係数μは、閾値設定手段26に出力される。
そして、閾値設定手段26は、この路面摩擦係数推定手段27が推定した路面摩擦係数μと横加速度演算部25が演算した水平方向の横加速度αlatに基づいて、第1実施形態と同様に式(7)により閾値AFthを決定する。
図6に示すフローチャートにおいては、ステップS11の後に、路面摩擦係数μを推定するステップS20が追加されている他は、第1実施形態と同じである。このようなステップS20を含む処理により、随時推定されて更新される路面摩擦係数μに基づいて前後方向加速度の大きさの上限を規定するAFthが設定されるので、本実施形態のブレーキ制御装置によれば、路面の状況に応じた制動の制御が可能になる。
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、車両の制動力の制御の一例としてABS制御を採用した場合を説明したが、車両の制動力の制御としては、ABS制御に限らず、前方衝突防止のための自動ブレーキ制御などを採用することもできる。例えば、自動ブレーキ制御に本発明を適用する場合、横加速度αlatに基づいて前後方向加速度αlongの大きさの上限値を規定する閾値AFthを設定し、この閾値AFthに相当する制動力以下で制動制御を行うとよい。
前記実施形態では、前後方向加速度αlongを、前輪車輪速度VFから求めた車体速度V0に基づいて推定したが、前後方向加速度センサを別途設けて前後方向加速度αlongを取得するように構成してもよい。
図1は、第1実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ制御装置を構成する車両のブレーキ液圧回路図である。 車両に掛かる加速度による力と傾斜姿勢角度φを説明するための、自動二輪車の正面図である。 第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ制御装置の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置のブロック構成図である。 第2実施形態に係るブレーキ制御装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 自動二輪車用ブレーキ制御装置
10 液圧回路
20 制御装置
21a 前輪車輪速度演算部
21b 後輪車輪速度演算部
22 車体速度推定部
23 スリップ率演算部
24 前後方向加速度演算部
25 横加速度演算部
26 閾値設定手段
27 路面摩擦係数推定手段
28 ABS制御手段
29 記憶装置
31 車輪速センサ
32 上下方向加速度センサ

Claims (4)

  1. 車両に設けられた加速度センサの検出結果に基づいて車両の旋回状態を判定し、当該車両の制動制御を行うバーハンドル車両用ブレーキ制御装置であって、
    前記車両の前後方向に発生する前後方向加速度を取得する前後方向加速度取得手段と、
    前記加速度センサの検出結果に基づいて前記車両の横方向に発生する横加速度を取得する横加速度取得手段と、
    前記横加速度取得手段が取得した横加速度に基づいて、制動により発生する前後方向加速度の大きさの上限を規定する閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記前後方向加速度および前記閾値を用いて車両の制動力を制御する制動力制御手段とを備えたことを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  2. 路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、
    前記閾値設定手段は、前記路面摩擦係数推定手段が推定した路面摩擦係数と、前記横加速度取得手段が取得した横加速度に基づいて前記閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  3. 前記閾値設定手段は、前記閾値を随時更新して設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  4. 前記前後方向加速度取得手段は、前記車両の各車輪に設けられた車輪速センサから得られた車輪速度に基づいて前後方向加速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
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