JP6270096B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6270096B2
JP6270096B2 JP2013091409A JP2013091409A JP6270096B2 JP 6270096 B2 JP6270096 B2 JP 6270096B2 JP 2013091409 A JP2013091409 A JP 2013091409A JP 2013091409 A JP2013091409 A JP 2013091409A JP 6270096 B2 JP6270096 B2 JP 6270096B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
brake
yaw rate
ecu
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013091409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014213679A (ja
Inventor
俊秀 飯場
俊秀 飯場
ハーゲンロッヒャー,ニルス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Robert Bosch GmbH
Original Assignee
Robert Bosch GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Robert Bosch GmbH filed Critical Robert Bosch GmbH
Priority to JP2013091409A priority Critical patent/JP6270096B2/ja
Priority to US14/260,424 priority patent/US9283937B2/en
Publication of JP2014213679A publication Critical patent/JP2014213679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6270096B2 publication Critical patent/JP6270096B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/1755Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、ブレーキ制御装置に関するものである。
従来、自動車等の車両にはブレーキ制御装置が搭載されており、ブレーキ制御装置によって、各種のブレーキ制御が行われている。
例えば、ブレーキ制御装置は、車輪がロックしそうになると、これを感知して、ブレーキを弱めることによって車輪のロックを抑制するABS(Antilock Brake System)制御を行う。また、ABS制御の他、ブレーキ制御装置は、車両のブレーキ操作が行われたら、制動力を車輪に対して最適に分配することによって車両の運動を安定化させる制御などを行う。
例えば特許文献1には、車両の速度、ヨーレートセンサによって検出されたヨーレート、操舵角度などのデータを用いて、車両の運動を安定化させるブレーキ制御について言及されている。
特表2004−516194号公報
ところで近年、ブレーキ制御装置によるブレーキ制御に加えて、車両に搭載された他の制御装置(外部制御装置)から送信されるブレーキ制御信号に基づいてブレーキ制御を行うことが要求されるようになってきた。
すなわち、車両にはブレーキ制御装置だけではなく、外部制御装置(サードパーティーの制御装置)も搭載され、この外部制御装置からブレーキ制御装置に対して、外部制御装置に組み込まれた制御ロジックに基づくブレーキ制御信号が出力される場合がある。この場合、ブレーキ制御装置は、外部制御装置からのブレーキ制御信号の介入を受け付け、受け付けたブレーキ制御信号に基づいて車両のブレーキを制御することが考えられる。
しかしながら、外部制御装置から送信されたブレーキ制御信号に基づいて車両のブレーキを制御した結果、車両の挙動が不安定になる場合も考えられる。このため、外部制御装置から出力されたブレーキ制御信号の介入をそのまま受けてブレーキ制御を行うことが適当でない場合も考えられる。
そこで本願発明は、外部制御装置から出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度を適切に制御することができるブレーキ制御装置を実現することを課題とする。
車両のブレーキを制御する本願発明のブレーキ制御装置は、上記課題に鑑みなされたもので、前記ブレーキ制御装置の外部に配置された外部制御装置から送信された前記車両のブレーキに関する制御信号を受信する受信部と、前記車両の速度と前記車両のハンドル又は車輪の切れ角を示す舵角とに基づいて前記車両のヨーレートを推定する推定部と、前記推定部によって推定されたヨーレートとヨーレートセンサによって計測された実ヨーレートとの偏差に基づいて、前記受信部によって受信された制御信号によるブレーキ制御の介入度を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記制御部は、前記偏差に基づいて、前記制御信号によるブレーキ制御を有効にするか否かを決定する、ことができる。
また、前記制御部は、前記偏差があらかじめ設定された偏差しきい値を超えた場合に、前記制御信号によるブレーキ制御を無効にする、ことができる。
また、前記制御部は、前記車両の速度の増加に応じて、前記偏差しきい値を小さく設定する、ことができる。
また、前記制御部は、前記偏差が前記偏差しきい値を超えてから、前記偏差が前記偏差しきい値を継続して超えている時間があらかじめ設定された時間しきい値を超えた場合に、前記制御信号によるブレーキ制御を無効にする、ことができる。
また、前記車両の舵角と、前記車両のハンドル又は車輪を切る速度を示す舵角速度と、に基づいて、前記車両の直進度合を求める直進度合判定部をさらに備え、前記制御部は、前記直進度合判定部によって求められた直進度合の増加に応じて、前記偏差しきい値を小さく設定するか、又は前記時間しきい値を小さく設定する、ことができる。
かかる本願発明によれば、外部制御装置から出力されたブレーキ制御信号の介入度を適切に制御することができるブレーキ制御装置を実現することができる。
図1は、本実施形態の車両用ブレーキ液圧回路を示す図である。 図2は、本実施形態のECUのブロック図である。 図3は、本実施形態のECUによる、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度の制御の一例を示す図である。 図4は、偏差しきい値の設定の一例を示す図である。 図5は、本実施形態のECUによる、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度の制御の一例を示す図である。 図6は、ストレートドライビングインジケータと車両速度とに応じて設定される偏差しきい値の一例を示す図である。 図7は、High−μの場合における、ストレートドライビングインジケータに応じて設定されるカウンタ上限の一例を示す図である。 図8は、Low−μの場合における、ストレートドライビングインジケータに応じて設定されるカウンタ上限の一例を示す図である。 図9は、本実施形態のECUによる処理のフローを示す図である。 図10は、感応評価結果の設定の一例を示す図である。 図11Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。 図11Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。 図12Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。 図12Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。 図13Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。 図13Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。 図14Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。 図14Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。 図15Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。 図15Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。 図16Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。 図16Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。 図17Aは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ1473Nm)。 図17Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ1842Nm)。 図17Cは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ2210Nm)。 図17Dは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ2946Nm)。 図17Eは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ4419Nm)。 図17Fは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ5892Nm)。
以下、図面を参照して、本願発明の実施形態について説明する。まず、図1を用いて、本願発明のブレーキ制御装置が適用される車両におけるブレーキ液圧回路の概略を説明する。
図1に示すように、本実施形態のブレーキ液圧回路は、2つのブレーキ系統を備え、各系統で1つの前輪及びそれと対角の位置にある後輪を1組として制動する、いわゆるX型配管方式の液圧回路であるが、本願発明はこれには限られない。また、本実施形態は、四輪車を一例として挙げて説明するが、本願発明は4輪車に限らず、二輪車も含む車両に広く適用することができる。
図1に示される液圧回路10において、ブレーキペダル1に加えられた踏力は、倍力装置3により増幅されて、液圧発生源としてのマスタシリンダ4に伝達される。マスタシリンダ4内には、図示されないプライマリピストン及びセカンダリピストンにより画定される2つの加圧室が形成されている。ブレーキペダル操作に応じて各ピストンが押圧され、各加圧室に連通する液圧ポートP1、P2を介してブレーキ液が液圧回路10内へ移動するようになされている。
なお、倍力装置3は、例えば気圧式倍力装置であり、入力ロッド(図示せず)を介してブレーキペダル1側に接続され、増幅された踏力は、プライマリピストンに連結されたプッシュロッド(図示せず)を介して、マスタシリンダ4に伝達される。また、従来の倍力装置と同様に、倍力装置3は、所謂ジャンプイン特性を有しており、倍力装置3の入力ロッドがマスタシリンダ4のプッシュロッドに機械的に連結されるまでの間に反力が極小さくなる領域を形成するように、入力ロッドと、プッシュロッドに取り付けられるリアクションディスクとの間には、所定の隙間(換言すれば、ジャンプイン領域)が設けられている。
マスタシリンダ4の液圧ポートP1、P2からは、それぞれ、各車輪(RF、LR、LF、RR)のホイールシリンダに向けてブレーキ管路MC1、MC2が延びている。上記したように、本実施形態のブレーキ装置における液圧回路は、X型配管方式であり、図1の例では、右前輪(RF)液圧ブレーキ19のホイールシリンダ及び左後輪(LR)液圧ブレーキ18のホイールシリンダには、ブレーキ管路MC2を通してブレーキ液が供給されるように液圧回路10が構成されている。一方、左前輪(LF)液圧ブレーキ20のホイールシリンダ及び右後輪(RR)液圧ブレーキ21のホイールシリンダには、ブレーキ管路MC1を通してブレーキ液が供給されるように液圧回路10が構成されている。これにより、各ブレーキ18,19,20,21は、液圧でホイールシリンダが動作することにより、車輪に制動力を生じさせることができるようになっている。
各系統の液圧回路は、電磁弁として、常開型でリニア制御可能な回路制御弁11と、常閉型でオンオフ制御される吸入弁12と、常開型でリニア制御可能な増圧弁13f,13rと、常閉型でオンオフ制御される減圧弁14f,14rとを含み、さらに、ポンプモータ15により駆動されるポンプ16、及び低圧アキュムレータ17を備える。
ブレーキ管路MC1の系統の液圧回路とブレーキ管路MC2の系統の液圧回路は同様であるので、代表的にブレーキ管路MC2の系統の液圧回路を説明する。
回路制御弁11は、マスタシリンダ4と増圧弁13f,13rとの間を連通、遮断するように配設された弁である。
吸入弁12は、マスタシリンダ4とポンプ16の吸引側との間を連通、遮断させるように配設された弁である。増圧弁13f及び減圧弁14fは、右前輪液圧ブレーキ19に隣接して設けられている。増圧弁13f及び減圧弁14fは、右前輪液圧ブレーキ19のABS制御に用いられる。増圧弁13r及び減圧弁14rは、左後輪液圧ブレーキ18に隣接して設けられている。増圧弁13r及び減圧弁14rは、左後輪液圧ブレーキ18のABS制御に用いられる。
増圧弁13fは、回路制御弁11と右前輪液圧ブレーキ19との間に設けられている。増圧弁13fは、リニア制御可能になっており、マスタシリンダ4及び回路制御弁11側から右前輪液圧ブレーキ19のホイールシリンダ側へのブレーキ液の流量を連続的に調整できるようになっている。増圧弁13fは、増圧弁13fが閉じた状態において、ブレーキ液が右前輪液圧ブレーキ19側からマスタシリンダ4及び回路制御弁11側へ流れるが、その逆向きには流れないチェックバルブを備えたバイパス流路が設けられている。
減圧弁14fは、弁を全開あるいは全閉のみが可能なソレノイドバルブであり、右前輪液圧ブレーキ19のホイールシリンダとアキュムレータ17との間に設けられている。減圧弁14fは、開いたときに右前輪液圧ブレーキ19のホイールシリンダに供給されたブレーキ液を減圧できるようになっている。なお、減圧弁14fは、弁の開閉を断続的に繰り返すことにより右前輪液圧ブレーキ19のホイールシリンダからアキュムレータ17に流れるブレーキ液の流量を調整することができる。
増圧弁13rは、回路制御弁11と増圧弁13fとを接続する管路と、左後輪液圧ブレーキ18のホイールシリンダとの間に設けられている。増圧弁13rは、リニア制御可能になっており、マスタシリンダ4、回路制御弁11、増圧弁13f及び右前輪液圧ブレーキ19のホイールシリンダ側から左後輪液圧ブレーキ18のホイールシリンダ側へのブレーキ液の流量を連続的に調整できるようになっている。増圧弁13rは、増圧弁13rが閉じた状態において、ブレーキ液が左後輪液圧ブレーキ18側から左後輪液圧ブレーキ19側へ流れるが、その逆向きには流れないチェックバルブを備えたバイパス流路が設けられている。
左後輪側の減圧弁14rは、弁を全開あるいは全閉のみが可能なソレノイドバルブであり、左後輪液圧ブレーキ18のホイールシリンダとアキュムレータ17との間に設けられている。減圧弁14rは、開いたときに左後輪液圧ブレーキ18のホイールシリンダに供給されたブレーキ液を、アキュムレータ17に供給することにより減圧できるようになっている。なお、減圧弁14rは、弁の開閉を断続的に繰り返すことにより左後輪液圧ブレーキ18のホイールシリンダからアキュムレータ17に流れるブレーキ液の流量を調整することができる。
以下、本願発明のブレーキ制御装置の実施形態を説明する。図2は、本実施形態のECUのブロック図である。図2に示すように、本実施形態のECU(Engine Control Unit:ブレーキ制御装置)100は、液圧回路10、及び外部ECU(サードパーティ)300に接続されている。また、ECU100には、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ210と、車両の加速度を検出する加速度センサ220と、車両の速度を検出する速度センサ230と、車両のハンドル又は車輪の切れ角を検出する舵角センサ240とが接続され、各センサによって検出された値が入力される。
ECU100は、受信部110、ヨーレート推定部120、制御部130、及び直進度合判定部140を備える。
受信部110は、ECU100の外部に配置された外部ECU300から送信された、車両のブレーキに関する制御信号を受信する。
ヨーレート推定部120は、速度センサ230によって検出された車両の速度、及び舵角センサ240によって検出された舵角、に基づいて車両のヨーレートを推定する。ヨーレート推定部120は、例えば、以下の数1式でアッカーマンヨーレート(Ackermann_Yaw_Rate)を求め、求めたアッカーマンを車両のヨーレートの規範ヨーレートとして用いる。
Figure 0006270096
なお、Vxは、車両の速度を示しており、Vchは、車両安定特性速度を示しており、Ixは、車両の前後輪の軸間距離を示しており、SWAは、車両のハンドルの切れ角を示している。
制御部130は、ヨーレート推定部120によって推定されたヨーレートと、ヨーレートセンサ210によって計測された実ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差)を求め、求めたヨーレート偏差に基づいて、受信部110によって受信された制御信号(要求信号)によるブレーキ制御の介入度を制御する。
具体的には、制御部130は、求めた偏差に基づいて、受信された制御信号(要求信号)によるブレーキ制御を有効にするか否かを決定する。
例えば、制御部130は、求めた偏差が、あらかじめ設定された偏差しきい値を超えた場合に、受信された制御信号(要求信号)によるブレーキ制御を無効にする。この点について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態のECUによる、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度の制御の一例を示す図である。図3において、横軸は時間経過を示しており、縦軸は、上から順に、外部ECU(サードパーティー)からの要求信号402、ヨーレート偏差404、液圧回路への出力信号408、を示している。
制御部130は、受信部110によって外部ECU300からのブレーキに関する要求信号402が受信されたら、ヨーレート推定部120によって推定されたヨーレートと、ヨーレートセンサ210によって計測された実ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差404)を求め、求めた偏差(ヨーレート偏差404)と偏差しきい値406とを比較する。制御部130は、例えば、要求信号402を受信した際には、ヨーレート偏差404が偏差しきい値406より小さいので、外部ECU300からの要求信号402をそのまま液圧回路への出力信号408として、液圧回路10へ出力する。
外部ECU300からの要求信号402をそのまま液圧回路10へ出力したことによって、車両の挙動が不安定になり、その結果、ヨーレート偏差404が徐々に大きくなったとする。この場合、制御部130は、ヨーレート偏差404と偏差しきい値406とを比較し、ヨーレート偏差404が偏差しきい値406より大きくなったら、出力信号408に示すように、外部ECU300からの要求信号402を液圧回路10へ出力するのを停止する。これにより、制御部130は、受信された制御信号によるブレーキ制御を無効にすることができる。
本実施形態によれば、制御部130は、外部ECU300からの要求信号402をそのまま液圧回路10へ出力したことに起因して車両の挙動が不安定になった場合に、要求信号402の介入を無効にすることができる。すなわち、ヨーレート推定部120によって推定されたヨーレートとヨーレートセンサ210によって計測された実ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差)は、車両の挙動の不安定度を示しているので、制御部130は、このヨーレート偏差404が偏差しきい値406より大きくなったら、要求信号402の介入を無効にすることができる。その結果、本実施形態によれば、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度を適切に制御することができる。
ところで、上記では、偏差しきい値406を一定にした場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。図4は、偏差しきい値の設定の一例を示す図である。
図4に示すように、制御部130は、速度センサ230によって検出された車両の速度の増加に応じて、偏差しきい値406を小さく設定することができる。すなわち、車両の速度が速くなるほど、車両の挙動が不安定になった場合に挙動を安定状態へ戻すのが難しくなる。そこで、車両の速度の増加に応じて偏差しきい値406を小さく設定することによって、外部ECU300から出力された要求信号402の介入を早めに無効にすることができる。
また、上記では、ヨーレート偏差404が偏差しきい値406より大きくなったら、要求信号402の介入を無効にする場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。図5は、本実施形態のECUによる、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度の制御の一例を示す図である。
図5において、横軸は時間経過を示しており、縦軸は、上から順に、外部ECU(サードパーティー)からの要求信号422、カウント値424、ヨーレート偏差428、液圧回路への出力信号434、を示している。
制御部130は、受信部110によって外部ECU300からのブレーキに関する要求信号402が受信されたら、ヨーレート推定部120によって推定されたヨーレートと、ヨーレートセンサ210によって計測された実ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差404)を求め、求めた偏差(ヨーレート偏差428)と偏差しきい値432とを比較する。また、制御部130は、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432を超えてから、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432を継続して超えている時間(カウント値424)をカウントする。そして、制御部130は、カウント値424と、あらかじめ設定された時間しきい値426とを比較する。制御部130は、例えば、要求信号402を受信した際には、カウント値424が時間しきい値426より小さいので、外部ECU300からの要求信号422をそのまま液圧回路への出力信号434として、液圧回路10へ出力する。
外部ECU300からの要求信号422をそのまま液圧回路10へ出力したことによって、車両の挙動が不安定になり、その結果、ヨーレート偏差428が徐々に大きくなったとする。この場合、制御部130は、ヨーレート偏差428と偏差しきい値432とを比較し、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432より大きくなったら、カウント値424のカウントを始める。カウント値424は、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432より大きい状態を継続している間はカウントアップされる。制御部130は、カウント値424と時間しきい値426とを比較し、カウント値424が時間しきい値426より大きくなったら、出力信号434に示すように、外部ECU300からの要求信号422を液圧回路10へ出力するのを停止する。これにより、制御部130は、受信された制御信号によるブレーキ制御を無効にすることができる。
本実施形態によれば、制御部130は、外部ECU300からの要求信号402をそのまま液圧回路10へ出力したことに起因して車両の挙動が確実に不安定になった場合に、要求信号402の介入を無効にすることができる。すなわち、制御部130は、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432を超えてから、ヨーレート偏差428が偏差しきい値432を継続して超えている時間(カウント値424)があらかじめ設定された時間しきい値426を超えた場合に、制御信号によるブレーキ制御を無効にする。したがって、制御部130は、車両の挙動が不安定になっていないにも関わらず、ヨーレート偏差428が何らかの影響で一時的に大きくなったとしても、要求信号402の介入を無効にしない。制御部130は、カウント値424が時間しきい値426を超えて、車両の挙動が確実に不安定になった場合に限り、要求信号402の介入を無効にすることができる。その結果、本実施形態によれば、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度を適切に制御することができる。
ところで、上記では、偏差しきい値432を一定にした場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。図6は、ストレートドライビングインジケータと車両速度とに応じて設定される偏差しきい値の一例を示す図である。
直進度合判定部140は、舵角センサ240によって検出された舵角と、車両のハンドル又は車輪を切る速度を示す舵角速度と、に基づいて、車両の直進度合(ストレートドライビングインジケータ)を求める。なお、直進度合判定部140は、舵角センサ240によって検出された舵角を時間微分することによって舵角速度を求める。
直進度合(ストレートドライビングインジケータ)は、例えば0.0〜1.0の範囲の値をリニアに取り得る。一例として、車両が直進している場合には、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)が0.0となり、車両が緩やかに曲進している場合には、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)が0.3となり、車両が急に曲進している場合には、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)が1.0となる。
図6に示すように、制御部130は、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて、偏差しきい値を小さく設定することができる。なお、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)の値が小さいほど、直進度合は増加することになる。
例えば、車両の時速が20Km/hの場合を説明すると、制御部130は、ストレートドライビングインジケータが1.0の場合には、偏差しきい値を6.3(deg/sec)に設定し、ストレートドライビングインジケータが0.3の場合には、偏差しきい値を3.2(deg/sec)に設定し、ストレートドライビングインジケータが0.0の場合には、偏差しきい値を2.1(deg/sec)に設定することができる。なお、車両の速度の増加に応じて偏差しきい値を小さく設定することについては、上記と同様である。
車両が急に曲進している状態(ストレートドライビングインジケータが1.0に近い状態)では、外部ECU300から不適切なブレーキ制御信号が入力されたとしても、車両の挙動は不安定になり難い。一方、車両が直進に近い状態(ストレートドライビングインジケータが0.0に近い状態)で運転されている場合に、外部ECU300から不適切なブレーキ制御信号が入力され、このブレーキ制御信号に基づいてブレーキ操作が行われると、車両の挙動が不安定になりやすい。この点、本実施形態によれば、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて偏差しきい値を小さい値に設定しているので、例えば車両が直進に近い状態で運転されている場合に外部ECU300から入力されたブレーキ制御信号によって車両の挙動が不安定になったら、早めにブレーキ制御信号を無効にすることができる。
また、上記では、時間しきい値426を一定にした場合を例に挙げて説明したが、これには限られない。図7は、High−μの場合における、ストレートドライビングインジケータに応じて設定されるカウンタ上限の一例を示す図である。図8は、Low−μの場合における、ストレートドライビングインジケータに応じて設定されるカウンタ上限の一例を示す図である。図7は、例えばアスファルトなどのHigh−μの場合のカウンタ上限の設定例であり、図8は、雪道などのLow−μの場合のカウンタ上限の設定例である。
図7,8に示すように、制御部130は、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて、時間しきい値(カウンタ上限)を小さく設定することができる。なお、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)の値が小さいほど、直進度合は増加することになる。
例えば、図7の例では、制御部130は、ストレートドライビングインジケータが0.0の場合には、時間しきい値426(カウンタ上限)をαと設定し、ストレートドライビングインジケータが1.0まで上昇するにしたがって、時間しきい値426(カウンタ上限)を、α+a、α+b、α+c(ただし、a<b<c)と設定することができる。
また、図8の例では、制御部130は、ストレートドライビングインジケータが0.0の場合には、時間しきい値426(カウンタ上限)をβと設定し、ストレートドライビングインジケータが1.0まで上昇するにしたがって、時間しきい値426(カウンタ上限)を、β+d、β+e、β+f(ただし、d<e<f)と設定することができる。
車両が急に曲進している状態(ストレートドライビングインジケータが1.0に近い状態)では、外部ECU300から不適切なブレーキ制御信号が入力されたとしても、車両の挙動は不安定になり難い。一方、車両が直進に近い状態(ストレートドライビングインジケータが0.0に近い状態)で運転されている場合に、外部ECU300から不適切なブレーキ制御信号が入力され、このブレーキ制御信号に基づいてブレーキ操作が行われると、車両の挙動が不安定になりやすい。この点、本実施形態によれば、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて時間しきい値を小さい値に設定しているので、例えば車両が直進に近い状態で運転されている場合に外部ECU300から入力されたブレーキ制御信号によって車両の挙動が不安定になったら、早めにブレーキ制御信号を無効にすることができる。
次に、本実施形態のECU100による処理の流れを説明する。図9は、本実施形態のECUによる処理のフローを示す図である。図9に示すように、まず、受信部110は、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号を受信する(ステップS101)。
続いて、ヨーレート推定部120は、速度センサ230によって検出された車両の速度、及び舵角センサ240によって検出された舵角、に基づいて車両のヨーレートを推定する(ステップS102)。
続いて、制御部130は、ヨーレートセンサ210によって検出された実ヨーレートを取得する(ステップS103)。続いて、制御部130は、ステップS102で推定された推定ヨーレートと、ステップS103で取得された実ヨーレートの偏差(ヨーレート偏差)を求める(ステップS104)。
続いて、直進度合判定部140は、舵角センサ240によって検出された舵角と、車両のハンドル又は車輪を切る速度を示す舵角速度と、に基づいて、車両の直進度合(ストレートドライビングインジケータ)を求める(ステップS105)。
続いて、制御部130は、速度センサ230によって検出された車両の速度、及びステップS105で求められた直進度合(ストレートドライビングインジケータ)に基づいて偏差しきい値を決定する(ステップS106)。
続いて、制御部130は、直進度合(ストレートドライビングインジケータ)に基づいて時間しきい値(カウンタ上限)を決定する(ステップS107)。
続いて、制御部130は、ステップS104で求めたヨーレート偏差と、ステップS106で決定した偏差しきい値とを比較し、ヨーレート偏差>偏差しきい値であるか否かを判定する(ステップS108)。
制御部130は、ヨーレート偏差>偏差しきい値であると判定したら(ステップS108,Yes)、カウンタのカウントアップを行う(ステップS109)。
続いて、制御部130は、ステップS109でカウントアップしたカウント値と、ステップS107で決定した時間しきい値(カウンタ上限)とを比較し、カウント値>時間しきい値であるか否かを判定する(ステップS110)。
制御部130は、カウント値>時間しきい値であると判定したら(ステップS110,Yes)、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号を無効にする(ステップS111)。すなわち、制御部130は、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号を液圧回路10へ出力するのを停止する。
一方、制御部130は、カウント値>時間しきい値ではないと判定したら(ステップS110,No)、ステップS108へ戻って処理を継続する。
また、ステップS108において、制御部130は、ヨーレート偏差>偏差しきい値ではないと判定したら(ステップS108,No)、カウンタのカウント値をリセットする(ステップS112)。これに続いて、制御部130は、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号を有効にする(ステップS113)。すなわち、制御部130は、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号をそのまま液圧回路10へ出力する。
なお、本実施形態では、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号をそのまま液圧回路10へ出力するか、又は外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号を液圧回路10へ出力するのを停止するか、を選択する例を示したが、これには限られない。例えば、制御部130は、カウント値を用いない場合は、ヨーレート偏差が大きくなるにしたがって、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号の介入度を小さくして液圧回路10へ出力することができる。また、制御部130は、カウント値を用いる場合は、カウント値が大きくなるにしたがって、外部ECU300から出力されたブレーキ制御信号の介入度を小さくして液圧回路10へ出力することができる。
次に、本実施形態のECU100を用いて行った実験結果について説明するが、その前に、感応評価結果の設定について説明する。図10は、感応評価結果の設定の一例を示す図である。
図10に示すように、感応評価結果は、車両の挙動が危険であるか否か、車両に搭乗したドライバがどのように感じるのか、等を「0」〜「10」の段階で区分けしたものである。
例えば、感応評価結果が「0」というのは、車両の挙動は全く危険なレベルではなく、また、車両の方向はほとんど変化しないのでドライバは危険を感じない、というものである。感応評価結果が大きくなるにしたがって、車両の挙動は危険であり、車両に搭乗したドライバが危険を感じる。
例えば、感応評価結果が「5」というのは、ドライバが修正操舵を行うことで、車両の操縦性を回復することができる。その時の車両の挙動は少し危険なレベルである。また、車両の制御性を回復させることができるが、ドライバは危険を感じる、というものである。
また、例えば、感応評価結果が「10」というのは、車両の挙動は非常に危険なレベルであり、また、ドライバは、車両を走行車線上に維持することができず車両の挙動を制御することもできない、というものである。
この感応評価結果の区割りを踏まえて、本実施形態のECU100を用いて行った実験結果について説明する。
図11Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。図11Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。図11A,図11Bにおいて、横軸は、ヨーモーメントの大きさ(Nm)を示し、縦軸は感応評価結果を示している。なお、ビークルダイナミクスでは、ヨー方向をどのように制御するかが重要となるため、制御の強さをヨーモーメント(Mz)の大きさで表現することがある。そこで、図11A以降の実験結果(実車試験)においても制御の強さをヨーモーメントの大きさで考えている。「ヨーモーメントの大きさ」と「ブレーキの強さ」の関係性、すなわちヨーモーメントから各車輪のブレーキ圧への変換は、ヨーモーメントを幾何学的に変換することで、各車輪(本実験の場合は左右どちらか一方の前後輪)におけるブレーキ圧を算出することができる。
また、図11A,図11Bは、車両の時速が50Km/hであり、ポンプモータ15の回転数が1000(rpm),2000(rpm),3000(rpm),4000(rpm)それぞれの場合において、4輪のうちの同サイド前後輪に各ヨーモーメントに相当するブレーキ強さでブレーキをかけたときの感応評価結果を示している。なお、ポンプモータ15の回転数が1000(rpm)の場合の感応評価結果は、丸で示し、ポンプモータ15の回転数が2000(rpm)の場合の感応評価結果は、三角で示し、ポンプモータ15の回転数が3000(rpm)の場合の感応評価結果は、ひし形で示し、ポンプモータ15の回転数が4000(rpm)の場合の感応評価結果は、四角で示している。また、図11Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における実験結果であり、図11Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における実験結果である。
図11A,図11Bに示すように、感応評価結果は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図11B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図11A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
次に、図12Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。図12Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速50Km)。図12A,図12Bにおいて、横軸は最大ヨーレート(deg/s)を示しており、縦軸は感応評価結果を示している。
また、図12A,図12Bは、車両の時速が50Km/hであり、ポンプモータ15の回転数が1000(rpm),2000(rpm),3000(rpm),4000(rpm)それぞれの場合において、4輪のうちの同サイド前後輪に、1743(Nm)、1842(Nm)、2210(Nm)、2946(Nm)、4419(Nm)、5892(Nm)のヨーモーメントに相当するブレーキの強さのブレーキをかけたときの、車両の最大ヨーレート(deg/s)と感応評価結果を示している。
図12A,図12Bに示すように、車両の最大ヨーレート(deg/s)は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図12B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図12A)に比べて、全体的に小さくなっている。また、感応評価結果も、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図12B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図12A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の最大ヨーレートは低下するとともに、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
図13Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。図13Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。
図13A,図13Bの感応評価結果の実験結果は、図11A,図11Bと同様の実験を、車両の時速を80Kmに設定して行ったものであるので、詳細な説明は省略する。図11A,図11Bと同様に、感応評価結果は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図13B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図13A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
図14Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。図14Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速80Km)。
図14A,図14Bの最大ヨーレート及び感応評価結果の実験結果は、図12A,図12Bと同様の実験を、車両の時速を80Kmに設定して行ったものであるので、詳細な説明は省略する。図12A,図12Bと同様に、最大ヨーレート及び感応評価結果は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図14B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図14A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の最大ヨーレートは低下するとともに、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
図15Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。図15Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。
図15A,図15Bの感応評価結果の実験結果は、図11A,図11Bと同様の実験を、車両の時速を100Kmに設定して行ったものであるので、詳細な説明は省略する。図11A,図11Bと同様に、感応評価結果は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図15B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図15A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
図16Aは、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。図16Bは、本実施形態のECUによる制御を行った場合における、最大ヨーレートと感応評価結果の実験結果を示す図である(時速100Km)。
図16A,図16Bの最大ヨーレート及び感応評価結果の実験結果は、図12A,図12Bと同様の実験を、車両の時速を100Kmに設定して行ったものであるので、詳細な説明は省略する。図12A,図12Bと同様に、最大ヨーレート及び感応評価結果は、本実施形態のECUによる制御を行った場合(図16B)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(図16A)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の最大ヨーレートは低下するとともに、車両の挙動の危険度は低下し、かつ、車両に搭乗したドライバは危険を感じ難くなったことを示している。
図17Aは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ1473Nm)。図17Aにおいて、横軸は車両速度(Km/h)を示しており、縦軸は車両の最大ヨーレート(deg/s)を示している。
また、図17Aは、4輪のうちの同サイド前後輪に1473(Nm)のヨーモーメントに相当するブレーキの強さでブレーキをかけた場合における、車両速度ごとの最大ヨーレートを示すものである。また、図17Aにおいて、グラフ610は、本実施形態のECUによる制御を行っていない場合の、車両の最大ヨーレートを示し、グラフ620は、本実施形態のECUによる制御を行った場合の、車両の最大ヨーレートを示している。
図17Aに示すように、車両の最大ヨーレートは、本実施形態のECUによる制御を行った場合(グラフ620)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(グラフ610)に比べて、車両速度80Km/hの場合の例外を除き、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の最大ヨーレートは低下したことを示している。
図17B〜図17Fは、本実施形態のECUによる制御を行った場合と行っていない場合における、車両の速度ごとの最大ヨーレートの実験結果を示す図である(ヨーモーメントの大きさ1842Nm,2210Nm,2946Nm,4419Nm,5892Nm)。
図17B〜図17Fの最大ヨーレートの実験結果は、図17Aと同様の実験を、ヨーモーメントの大きさをそれぞれ1842Nm,2210Nm,2946Nm,4419Nm,5892Nmに設定して行ったものであるので、詳細な説明は省略する。図17Aと同様に、最大ヨーレートは、本実施形態のECUによる制御を行った場合(グラフ620)のほうが、本実施形態のECUによる制御を行わなかった場合(グラフ610)に比べて、全体的に小さくなっている。これはつまり、本実施形態のECUによる制御を行ったことによって、車両の最大ヨーレートは低下したことを示している。
以上、本実施形態によれば、制御部130は、外部ECU300からの要求信号をそのまま液圧回路10へ出力したことに起因して車両の挙動が不安定になった場合に、要求信号の介入を無効にすることができる。すなわち、ヨーレート推定部120によって推定されたヨーレートとヨーレートセンサ210によって計測された実ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差)は、車両の挙動の不安定度を示しているので、制御部130は、このヨーレート偏差が偏差しきい値より大きくなったら、要求信号の介入を無効にすることができる。その結果、本実施形態によれば、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度を適切に制御することができる。
また、本実施形態によれば、制御部130は、外部ECU300からの要求信号をそのまま液圧回路10へ出力したことに起因して車両の挙動が確実に不安定になった場合に、要求信号の介入を無効にすることができる。すなわち、制御部130は、ヨーレート偏差が偏差しきい値を超えてから、ヨーレート偏差が偏差しきい値を継続して超えている時間(カウント値)があらかじめ設定された時間しきい値を超えた場合に、制御信号によるブレーキ制御を無効にする。したがって、制御部130は、車両の挙動が不安定になっていないにも関わらず、ヨーレート偏差が何らかの影響で一時的に大きくなったとしても、要求信号の介入を無効にしない。制御部130は、カウント値が時間しきい値を超えて、車両の挙動が確実に不安定になった場合に限り、要求信号の介入を無効にすることができる。その結果、本実施形態によれば、外部ECUから出力されたブレーキ制御信号によるブレーキ制御の介入度を適切に制御することができる。
また、本実施形態によれば、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて偏差しきい値を小さい値に設定しているので、例えば車両が直進に近い状態で運転されている場合に外部ECU300から入力されたブレーキ制御信号によって車両の挙動が不安定になったら、早めにブレーキ制御信号を無効にすることができる。
また、本実施形態によれば、直進度合判定部140によって求められた直進度合の増加に応じて時間しきい値を小さい値に設定しているので、例えば車両が直進に近い状態で運転されている場合に外部ECU300から入力されたブレーキ制御信号によって車両の挙動が不安定になったら、早めにブレーキ制御信号を無効にすることができる。
10 液圧回路
100 ECU(ブレーキ制御装置)
110 受信部
120 ヨーレート推定部
130 制御部
140 直進度合判定部
210 ヨーレートセンサ
220 加速度センサ
230 速度センサ
240 舵角センサ
300 外部ECU(外部制御装置)
402,422 要求信号
404,428 ヨーレート偏差
406,432 偏差しきい値
408,434 出力信号
424 カウント値
426 時間しきい値

Claims (3)

  1. 車両のブレーキを制御するブレーキ制御装置であって、
    前記ブレーキ制御装置の外部に配置された外部制御装置から送信された前記車両のブレーキに関する制御信号を受信する受信部と、
    前記車両の速度と前記車両のハンドル又は車輪の切れ角を示す舵角とに基づいて前記車両のヨーレートを推定する推定部と、
    前記推定部によって推定されたヨーレートとヨーレートセンサによって計測された実ヨーレートとの偏差に基づいて、前記受信部によって受信された制御信号によるブレーキ制御の介入度を制御する制御部とを備え
    前記制御部は、前記偏差があらかじめ設定された偏差しきい値を超えてから、前記偏差が前記偏差しきい値を継続して超えている時間があらかじめ設定された時間しきい値を超えた場合に、前記制御信号によるブレーキ制御を無効にする、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1のブレーキ制御装置において、
    前記制御部は、前記車両の速度の増加に応じて、前記偏差しきい値を小さく設定する、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項1または2のブレーキ制御装置において、
    前記車両の舵角と、前記車両のハンドル又は車輪を切る速度を示す舵角速度と、に基づいて、前記車両の直進度合を求める直進度合判定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記直進度合判定部によって求められた直進度合の増加に応じて、前記偏差しきい値を小さく設定するか、又は前記時間しきい値を小さく設定する、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
JP2013091409A 2013-04-24 2013-04-24 ブレーキ制御装置 Active JP6270096B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013091409A JP6270096B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 ブレーキ制御装置
US14/260,424 US9283937B2 (en) 2013-04-24 2014-04-24 Brake control unit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013091409A JP6270096B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 ブレーキ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014213679A JP2014213679A (ja) 2014-11-17
JP6270096B2 true JP6270096B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=51789921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013091409A Active JP6270096B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 ブレーキ制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9283937B2 (ja)
JP (1) JP6270096B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6649873B2 (ja) * 2016-12-14 2020-02-19 株式会社Soken 減速制御装置、減速制御方法
US10300897B2 (en) * 2017-05-15 2019-05-28 Goodrich Corporation Brake load balance and runway centering techniques
JP6944125B2 (ja) * 2017-11-17 2021-10-06 トヨタ自動車株式会社 車両の挙動制御装置
KR20200046792A (ko) * 2018-10-25 2020-05-07 현대자동차주식회사 Mdps 제어 방법
JP2020203654A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 制御装置及び制御方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3317205B2 (ja) * 1997-07-23 2002-08-26 トヨタ自動車株式会社 車輌の挙動制御装置
DE10065724A1 (de) * 2000-12-29 2002-07-04 Bosch Gmbh Robert Bremsregelsystem zur Stabilisierung der Bewegung eines Nutzfahrzeugs
US7359787B2 (en) * 2003-09-03 2008-04-15 Nsk Ltd. Stability control apparatus and load measuring instrument for wheel supporting rolling bearing unit
JP5228815B2 (ja) * 2008-11-11 2013-07-03 株式会社アドヴィックス ブレーキ制御装置
US8942889B2 (en) * 2010-01-10 2015-01-27 Ford Global Technologies, Llc Vehicle control system and method
JP5336445B2 (ja) * 2010-09-01 2013-11-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ制御装置
US8694207B2 (en) * 2011-04-12 2014-04-08 Robert Bosch Gmbh Vehicle dynamic control systems with center of gravity compensation based on cargo information

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014213679A (ja) 2014-11-17
US20140324311A1 (en) 2014-10-30
US9283937B2 (en) 2016-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8924116B2 (en) Motion control apparatus for vehicle
WO2012086289A1 (ja) ブレーキシステム及びブレーキ制御方法
JP6270096B2 (ja) ブレーキ制御装置
WO2014122786A1 (ja) 車両重心状態判定装置および車両挙動制御システム
JPH10167036A (ja) 車両運動制御装置
JP2000135974A (ja) 車両の運動制御装置
CN107848509A (zh) 用于在路面上积水打滑时辅助驾驶员的方法
JPH10167037A (ja) 車両運動制御装置
JP3425727B2 (ja) 車両の自動ブレーキ装置
JP5636825B2 (ja) 車重推定装置
JP5655447B2 (ja) 横転抑制制御装置の制御方法
US6964460B2 (en) Brake controller and method for controlling a brake system
CN110606068B (zh) 连结车辆的制动控制装置
JP4399145B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置、及び該装置を備えた車両の運動制御装置
JP4379039B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP5698089B2 (ja) 制動力制御装置
JP5839440B2 (ja) 制動力制御装置
JP3134716B2 (ja) 車輌の挙動制御装置
JP3697738B2 (ja) 車両の安定制御装置
JP2020060434A (ja) 車両重心位置推定装置
JP3627328B2 (ja) 車両の運動制御装置
KR20150082822A (ko) 직진 제동시 차량 제어 장치 및 그의 제어 방법
JP2010260488A (ja) 車両の制動制御装置
JP6301706B2 (ja) 車両用ブレーキ制御装置
JP5290935B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170216

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6270096

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250