JP2009241522A - 透明基板 - Google Patents

透明基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2009241522A
JP2009241522A JP2008093591A JP2008093591A JP2009241522A JP 2009241522 A JP2009241522 A JP 2009241522A JP 2008093591 A JP2008093591 A JP 2008093591A JP 2008093591 A JP2008093591 A JP 2008093591A JP 2009241522 A JP2009241522 A JP 2009241522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
resin
transparent
glass fiber
transparent substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008093591A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kishimoto
広次 岸本
Masaya Tsujimoto
雅哉 辻本
Naemi Minami
名栄美 南
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2008093591A priority Critical patent/JP2009241522A/ja
Publication of JP2009241522A publication Critical patent/JP2009241522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】表面の平滑性が高い透明基板を提供する。
【解決手段】ガラス繊維より屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調整された樹脂組成物を、ガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明積層板1を備える。表面を平滑に形成するための透明な平滑化層2が、硬化収縮率が5%未満のコーティング剤の塗装によって透明積層板1の表面に形成されている。コーティング剤の塗装によって透明積層板1の凹凸を埋めて平坦にならした状態で平滑化層2を形成することができ、表面の平滑性を高めることができる。しかも平滑化層2を形成するコーティング剤は硬化収縮率が5%未満であるため、硬化収縮によって平滑化層2に生じる凹凸を低減することができ、平滑化層2による平滑性の効果をより高く得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイなどに用いられる透明基板に関するものである。
透明積層板によって形成される透明基板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイなどにおいて、ガラス板に代わる材料として検討されている(例えば特許文献1等)。
透明基板として用いられるこのような透明積層板の一例として、ガラスクロスなどガラス繊維からなる基材に、ガラス繊維と屈折率が近似する透明熱硬化性樹脂を含浸してプリプレグを調製し、このプリプレグを加熱加圧成形することによって作製したものを挙げることができる。透明熱硬化性樹脂としては一般にエポキシ樹脂が使用されているが、樹脂の屈折率をガラス繊維の屈折率に近似させるために、ガラス繊維より屈折率の大きいエポキシ樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さいエポキシ樹脂とを混合し、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように混合比率を調整した樹脂組成物を用いるようにしている。このように基材のガラス繊維とマトリクス樹脂の屈折率を合わせることによって、透明積層板内での光の屈折を抑え、視認性に優れたディスプレイの透明基板として使用することができるものである。
図2はこのような透明積層板によって形成される透明基板Aを用いて作製した液晶ディスプレイの概略構成の一例を示すものであり、一対の透明基板Aを平行に配置し、この透明基板A間に駆動素子10が搭載されるようになっている。この駆動素子10は、一方の透明基板Aに設けられた画素電極11とTFT12、他方の透明基板Aに設けられた共通電極13、透明基板A間に充填される液晶分子14などを備えて形成されるものである。
特開2004−307851号公報
上記のような液晶ディスプレイにあって、対向して配置される透明基板Aの間隔が不均一であると、充填されている液晶分子14の厚みが不均一になって、液晶分子14の配向性が部分的に乱れ、光の散乱が生じるおそれがある。
しかし透明基板Aは、ガラス基材に樹脂を含浸・硬化して作製した透明積層板によって形成されているため、表面の平滑性をガラス基板のように高く形成することは困難であり、特にガラスクロスなどで形成されるガラス基材の凹凸が表面に表れて、平滑性が低くなる傾向にある。従ってこのような透明基板Aを液晶ディスプレイの基板として用いると、対向して配置される透明基板Aの間隔が不均一になって、充填されている液晶分子14に配向の乱れが生じて光の散乱が起こり、鮮明な画像を得ることができなくなるおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、表面の平滑性が高い透明基板を提供することを目的とするものである。
本発明に係る透明基板は、ガラス繊維より屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調整された樹脂組成物を、ガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明積層板1を備え、表面を平滑に形成するための透明な平滑化層2が、硬化収縮率が5%未満のコーティング剤の塗装によって透明積層板1の表面に形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、コーティング剤の塗装によって透明積層板1の凹凸を埋めて平坦にならした状態で平滑化層2を形成することができ、表面の平滑性を高めることができるものであり、しかも平滑化層2を形成するコーティング剤は硬化収縮率が5%未満であるため、硬化収縮によって平滑化層2に生じる凹凸を低減することができ、平滑化層2による平滑性向上の効果をより高く得ることができるものである。
また本発明において、平滑化層2の膜厚は、30〜100μmであることを特徴とするものである。
平滑化層2の膜厚をこの範囲に設定することによって、平滑化層2に反りや割れ等の問題が生じることなく、平滑化の効果を高く得ることができるものである。
また本発明において、透明積層板1を作製する樹脂組成物の高屈折率樹脂として、シアネートエステル樹脂を用いることを特徴とするものである。
本発明によれば、シアネートエステル樹脂によって透明積層板1の樹脂のガラス転移温度を高めることができ、耐熱性に優れた透明基板を得ることができるものである。
また本発明において、平滑化層2を形成するコーティング剤にシアネートエステル樹脂を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、シアネートエステル樹脂によって平滑化層2のガラス転移温度を高めることができ、耐熱性に優れた透明基板を得ることができるものである。
また本発明において、平滑化層2のガラス転移温度が200℃以上であることを特徴とするものであり、耐熱性に優れた透明基板を得ることができるものである。
また本発明は、平滑化層2によって形成される表面の粗さ(Ra)が30nm以下であることを特徴とするものである。
透明基板の表面の平滑性が粗さ(Ra)30nm以下であることによって、透明基板を平行に配置してディスプレイの駆動素子の液晶分子を充填するにあたって、液晶分子に配向の乱れが生じることをより有効に防いで光の散乱を防止することができ、鮮明な画像を得ることができるものである。
本発明によれば、コーティング剤の塗装によって透明積層板1の凹凸を埋めて平坦にならした状態で平滑化層2を形成することができ、表面の平滑性を高めることができるものである。しかも平滑化層2を形成するコーティング剤は硬化収縮率が5%未満であるため、硬化収縮によって平滑化層2に生じる凹凸を低減することができ、平滑化層2による平滑性向上の効果をより高く得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明において使用する透明積層板について説明する。この透明積層板は、ガラス繊維より屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調整された樹脂組成物を、ガラス繊維基材に含浸・硬化して作製されるものである。
上記のガラス繊維より高屈折率の樹脂として、シアネートエステル樹脂を用いるのが好ましい。シアネートエステル樹脂は、1分子中に2個以上のシアネート基を有するシアネートエステル化合物が3量化でトリアジン環を生成して重合したものであり、シアネートエステル化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等、あるいはこれらの誘導体など、芳香族シアネートエステル化合物を用いることができる。これらは単独で用いる他、複数種を組み合わせて用いるようにしてもよい。このシアネートエステル樹脂は剛直な分子骨格を有するものであり、このため、硬化物に高いガラス転移温度を与えるものである。またシアネートエステル樹脂は常温で固形であるので、後述のように樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸して乾燥することによってプリプレグを調製する際に、指触乾燥することが容易になるので、プリプレグの取り扱い性が良好になるものである。
ここで、ガラス繊維の屈折率が例えば1.562である場合、高屈折率樹脂として用いるシアネートエステル樹脂は屈折率が1.6前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲のものであることが望ましい。尚、本発明において、樹脂の屈折率は、いずれも硬化した樹脂の状態での屈折率をいうものであり、ASTM D542で試験した値である。
一方、上記のガラス繊維より低屈折率の樹脂としては、低屈折率であれば任意のエポキシ樹脂を用いることができるが、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。ガラス繊維の屈折率が例えば1.562である場合、この低屈折率のエポキシ樹脂としては屈折率が1.5前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.04〜n−0.08の範囲のものであることが望ましい。
低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂において、ビスフェノール型としては、ビスフェノールA型の他に、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型などを用いることもできる。
また、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、常温で固形の固形型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。常温で液状の液状型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することもできるが、プリプレグを調製する際に、指触で粘着性のある状態にまでしか乾燥することができず、プリプレグの取り扱い性が悪くなるので、固形型水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用するのが好ましいのである。さらに、低屈折率のエポキシ樹脂として、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂以外のものを併用することも可能であり、例えば1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂を併用することができる。このエポキシ樹脂は屈折率を微調整するために併用するものであり、また常温で固体であるために透明積層板の製造を容易にするためにも最適な樹脂である。
そして、上記の高屈折率のシアネートエステル樹脂と、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などエポキシ樹脂とを混合して、ガラス繊維の屈折率に近似した樹脂組成物を調製して用いるものである。高屈折率のシアネートエステル樹脂と低屈折率のエポキシ樹脂の混合比率は、ガラス繊維の屈折率に近似させるように、任意に調整されるものである。ここで、樹脂組成物の屈折率はガラス繊維の屈折率にできるだけ近いことが望ましいが、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.02〜n+0.02の範囲で近似するように調整するのが好ましい。
またこの樹脂組成物は、その硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)が170℃以上になるように調製されるのが好ましい。ガラス転移温度が170℃以上であることによって、透明積層板の耐熱性を高めることができるものである。ガラス転移温度の上限は特に設定されるものではないが、実用的には280℃程度がガラス転移温度の上限である。ガラス転移温度の調整は、樹脂組成物中の上記のシアネートエステル樹脂の配合比率を変えることによって行なうことができるものであり、併用する低屈折率樹脂の種類に左右されるが、樹脂組成物の樹脂分中、シアネートエステル樹脂が約30質量%以上であれば、樹脂組成物のガラス転移温度を170℃以上に調整することができる。ここで、本発明において、ガラス転移温度は、JIS C6481 TMA法に準拠して測定した値である。
さらに樹脂組成物には、硬化開始剤(硬化剤)を配合することができる。この硬化開始剤としては、有機金属塩を用いることができる。この有機金属塩としては、例えば、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、サリチル酸等の有機酸と、Zn、Cu、Fe等の金属との塩を挙げることができる。これらは一種を単独で用いる他に、二種以上を併用することもできるが、中でも、オクタン酸亜鉛が好ましい。硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を用いることによって、硬化樹脂のガラス転移温度を高めることができるものである。樹脂組成物中のオクタン酸亜鉛など有機金属塩の含有量は、特に限定されるものではないが、0.01〜0.1PHRの範囲が好ましい。
また硬化開始剤として、カチオン系硬化剤を用いることもできる。このようにカチオン系硬化剤を用いることによって樹脂の透明性を高めることができるものである。カチオン系硬化剤としては、特に限定されるものではないが、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体などを用いることができる。樹脂組成物中のカチオン系硬化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、0.2〜3.0PHRの範囲が好ましい。
さらに硬化開始剤として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダゾール(2E4MZ)などの硬化触媒を用いることもできる。樹脂組成物中の硬化触媒の含有量は、特に限定されるものではないが、0.5〜5PHRの範囲が好ましい。
上記のように高屈折率のシアネートエステル樹脂、低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などエポキシ樹脂、硬化開始剤を配合することによって樹脂組成物を調製することができるものである。この樹脂組成物は、必要に応じて溶剤に溶解乃至分散して樹脂ワニスとして使用するものである。この溶剤としては、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。
一方、ガラス繊維としては、透明積層板の耐衝撃性を高める効果の点からEガラスやNEガラスであることが好ましい。Eガラスは無アルカリガラスとも称され、樹脂強化用ガラス繊維として汎用されるガラスであり、NEガラスはNewEガラスのことである。またガラス繊維には、耐衝撃性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常使用されているシランカップリング剤によって表面処理しておくことが好ましい。ガラス繊維の屈折率は1.55〜1.57の範囲であることが好ましく、1.555〜1.565の範囲であることがさらに好ましい。ガラス繊維の屈折率がこの範囲であれば、視認性に優れた透明積層板を得ることができるものである。ガラス繊維の基材としては、ガラス繊維の織布あるいは不織布を使用することができる。
そしてガラス繊維の基材に樹脂組成物のワニスを含浸し、加熱して乾燥することによって、プリプレグを調製することができる。乾燥条件は特に限定されるものではないが、乾燥温度100〜160℃、乾燥時間1〜10分間の範囲が好ましい。
次にこのプリプレグを1枚、あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形することによって、樹脂組成物を硬化させて、透明積層板を得ることができるものである。加熱加圧成形の条件は、特に限定されるものではないが、温度150〜200℃、圧力1〜4MPa、時間10〜120分間の範囲が好ましい。
上記のようにして得られる透明積層板にあって、高屈折率のシアネートエステル樹脂と低屈折率の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が重合して形成される樹脂マトリクスは、シアネートエステル樹脂を含有することによってガラス転移温度が高いものであり、耐熱性に優れた透明積層板を得ることができるものである。またシアネートエステル樹脂や水添ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂はいずれも透明性に優れるものであり、高い透明性を確保した透明積層板を得ることができるものである。この透明積層板において、ガラス繊維の基材の含有率は25〜65質量%の範囲であることが好ましく、この範囲であれば、ガラス繊維による補強効果で高い耐衝撃性を得ることができると共に、十分な透明性を得ることができるものである。
ここで、ガラス繊維の基材としては、透明性を高く得るために、厚みの薄いものを複数枚重ねて用いるのが好ましい。具体的には、ガラス繊維基材として厚み50μm以下のものを用い、この50μm以下の厚みのガラス繊維基材を2枚以上重ねて使用するのが好ましい。ガラス繊維基材の厚みの下限は特に限定されるものではないが、10μm程度が実用上の下限である。またガラス繊維基材の枚数も特に限定されるものではないが、20枚程度が実用上の上限である。このように複数枚のガラス繊維基材を用いて透明積層板を製造する場合、各ガラス繊維基材に樹脂組成物を含浸・乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねて加熱加圧成形することによって透明積層板を得ることができるが、複数枚のガラス繊維基材を重ねた状態で樹脂組成物を含浸・乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形して透明積層板を得るようにしてもよい。
そして、上記のように作製した透明積層板1の表面に透明な平滑化層2を形成することによって、図1に示すような本発明に係る透明基板Aを得ることができるものである。
コーティング剤の材料としては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド、セルロースなど、任意のものを用いることができる。
ここで本発明では、コーティング剤として、硬化収縮率が5%未満のものを用いるものである。コーティング剤の硬化収縮率が大きいと、透明積層板1にコーティング剤を塗布して硬化させる際の平滑化層2の硬化収縮で、平滑化層2の表面に凹凸が発生したりクラックが発生したりするおそれがあり、また透明基板Aに反り変形が生じたりするおそれがある。これに対して本発明のように硬化収縮率が5%未満のコーティング剤を用いて平滑化層2を形成することによって、平滑化層2に硬化時の収縮で生じる凹凸やクラック、さらに反り変形を低減することができ、表面の平滑性が高い平滑化層2を得ることができるものである。コーティング剤の硬化収縮率は低ければ低いほど望ましいものであり、下限は特に設定されない。
尚、本発明において硬化収縮率とは、硬化の前後の体積減少率として定義されるものである。具体的には、コーティング剤を塗布して乾燥させて得られる固形の未硬化樹脂と、この未硬化樹脂を硬化させて得られる硬化樹脂の各比重を、25℃で比重瓶を用いて測定し、この比重の測定値から、単位質量当りの体積減少率を求め、この体積減少率を硬化収縮率とするものである。
また本発明では、コーティング剤の樹脂成分の少なくとも一部を、シアネートエステル樹脂で形成し、コーティング剤中にシアネートエステル樹脂を含有するようにするのが好ましい。このようにシアネートエステル樹脂を含有して平滑化層2を形成することによって、平滑化層2のガラス転移温度を高めることができ、平滑化層2の耐熱性を高めて、透明基板Aの耐熱性を向上することができるものである。平滑化層2のガラス転移温度は、透明基板Aの耐熱性を向上する効果を高く得るため、200℃以上であることが望ましい。平滑化層2のガラス転移温度の上限は特に設定されるものではないが、実用的には300℃程度を上限とするのが好ましい。
このようなシアネートエステル樹脂を含有するコーティング剤としては、例えば、上記の透明積層板1の製造に用いた樹脂組成物を使用することができる。
そして、このコーティング剤を透明積層板1の表面に塗布し、加熱乾燥した後に、さらに硬化させることによって、平滑化層2を形成することができるものである。コーティング剤の塗布は、スプレー、グラビア等の印刷、ロールコート、スピンコーティング、バーコートなど適宜の手法を用いて行なうことができる。平滑化層2の膜厚は、特に限定されるものではないが、30〜100μmの範囲が好ましい。平滑化層2の膜厚が30μm未満であると、平滑化層2の形成による透明基板Aの表面の平滑化の効果が不十分になるおそれがある。逆に平滑化層2の膜厚が100μmを超えると、コーティング剤を塗布・硬化させて平滑化層2を形成する際に、平滑化層2に反りやクラックが発生し易くなり、この場合も平滑化層2の形成による透明基板Aの表面の平滑化の効果が不十分になるおそれがある。
上記のように透明積層板1の表面に平滑化層2を積層することによって形成される透明基板Aにあって、平滑化層2はコーティング剤の塗装によって形成されているため、透明積層板1の凹凸を埋めて平坦にならした状態で形成することができるものであり、平滑化層2によって高い平滑性を有する透明基板Aを得ることができるものである。このように透明基板Aの表面の平滑性を高めることによって、既述の図2のように一対の透明基板Aを平行に配置して駆動素子10の液晶分子14を充填するにあたって、透明基板A間の間隔を均一な寸法に設定することができ、液晶分子14に配向の乱れが生じることを防いで、光の散乱が発生することを防止することができるものであり、鮮明な画像のディスプレイを作製することができるものである。
平滑化層2によって形成される透明基板Aの表面の平滑性は、表面粗さRaが30nm以下であることが望ましい。表面粗さRaが30nm以下であることによって、透明基板A間の間隔をより均一に設定することができ、液晶分子14に配向の乱れが生じることをより確実に防いで、光の散乱が発生することを防止することができるものである。表面粗さRaは小さければ小さいほど望ましいのはいうまでもない。ここで、表面粗さRaはJIS B0601(1994)で規定される算術平均粗さである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
高屈折率樹脂として、固形型のシアネートエステル樹脂(Lonza社製「BADCy」、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン:屈折率1.59)を52質量部、低屈折率樹脂として、固形型の1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」:屈折率1.51)を48質量部配合し、さらに硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を0.02質量部配合し、これにトルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加して、温度70℃で攪拌溶解することによって、樹脂組成物のワニスを調製した。この樹脂組成物の硬化物の屈折率は1.56であった。
次に、厚み25μmのガラス繊維クロス(旭化成エレクトロニクス(株)製品番「1037」、Eガラス、屈折率1.562)に、上記の樹脂組成物のワニスを含浸し、150℃で5分間加熱することによって、溶剤を除去すると共に樹脂を半硬化させてプリプレグを調製した。
そしてこのプリプレグを2枚重ね、離型処理をしたガラス板に挟んでプレス機にセットし、170℃、2MPa、15分の条件で加熱加圧成形することによって、樹脂の含有率が63質量%、厚みが80μmの透明積層板1を得た。
一方、アクリルウレタン樹脂(日本合成化学(株)製「UV−7550B」、硬化収縮率4%)75質量部に、メチルエチルケトン25質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル(株)「イルガキュア907」)3質量部を配合して混合することによって、コーティング剤を調製した。
そして上記の透明積層板1にこのコーティング液を、バーコーターにて溶剤乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗装し、80℃で5分間乾燥した後、500mJ/cmの強度の紫外光を照射して硬化させることによって、透明積層板1の表面に平滑化層2を形成した透明基板Aを得た。
(実施例2)
透明積層板1を作製するために調製した実施例1の樹脂組成物ワニス(シアネートエステル樹脂含有)を、平滑化層2を形成するためのコーティング剤として用いた。このコーティング液の硬化収縮率は2%であった。
そして実施例1で作製した透明積層板1の表面に、このコーティング液をバーコーターにて溶剤乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗装し、130℃で5分間乾燥した後、190℃で30分間加熱して硬化させることによって、透明積層板1の表面に平滑化層2を形成した透明基板Aを得た。
(実施例3)
固形型のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1006」)を62質量部、固形型の1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」)を38質量部、さらに硬化開始剤としてカチオン系硬化剤(三新化学工業(株)製「SI−150L」:SbF 系スルホニウム塩)を0.9質量部配合し、これにトルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加して、温度70℃で攪拌溶解することによって、コーティング剤を調製した。このコーティング液の硬化収縮率は1.6%であった。
そして実施例1で作製した透明積層板1にこのコーティング液を、バーコーターにて溶剤乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗装し、130℃で10分間乾燥した後、500mJ/cmの強度の紫外光を照射して硬化させることによって、透明積層板1の表面に平滑化層2を形成した透明基板Aを得た。
(比較例1)
実施例1で作製した透明積層板1に平滑化層を形成しないものをそのまま用いた。
(比較例2)
アクリルウレタン樹脂(日本合成化学(株)製「UV−7640B」、硬化収縮率7%)75質量部に、メチルエチルケトン25質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル(株)「イルガキュア907」)3質量部を配合して混合することによって、コーティング剤を調製した。
そして実施例1で作製した透明積層板1にこのコーティング液を、バーコーターにて溶剤乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗装し、80℃で5分間乾燥した後、500mJ/cmの強度の紫外光を照射して硬化させることによって、透明積層板1の表面に平滑化層2を形成した透明基板Aを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2において、透明積層板1及び平滑化層2のガラス転移温度(Tg)、透明基板Aに形成した平滑化層2の表面粗さRaを測定した。尚、比較例1については、透明積層板1の表面の粗さRaを直に測定した。また比較例2では平滑化層2にクラックが生じたので、クラック以外の測定可能な部分で表面粗さRaを測定した。結果を表1に示す。
表面粗さRaを測定は、株式会社東京精密製の蝕針式表面粗さ計「SURFCOM 130A」を用いて、表面凹凸を縦、横、45°バイアス方向についてそれぞれ3点測定することによって行ない、合計9点の測定値の平均値をRa値とした。
Figure 2009241522
表1にみられるように、各実施例のものは、平滑化層2を形成することによって表面粗さRaが小さくなっており、表面平滑性が向上していることが確認される。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 液晶ディスプレイの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 透明積層板
2 平滑化層

Claims (6)

  1. ガラス繊維より屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維より屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調整された樹脂組成物を、ガラス繊維基材に含浸・硬化して作製される透明積層板を備え、表面を平滑に形成するための透明な平滑化層が、硬化収縮率が5%未満のコーティング剤の塗装によって透明積層板の表面に形成されていることを特徴とする透明基板。
  2. 平滑化層の膜厚が、30〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
  3. 透明積層板を作製する樹脂組成物の高屈折率樹脂として、シアネートエステル樹脂を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明基板。
  4. 平滑化層を形成するコーティング剤にシアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明基板。
  5. 平滑化層のガラス転移温度が200℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透明基板。
  6. 表面の粗さ(Ra)が30nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の透明基板。
JP2008093591A 2008-03-31 2008-03-31 透明基板 Pending JP2009241522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008093591A JP2009241522A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 透明基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008093591A JP2009241522A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 透明基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009241522A true JP2009241522A (ja) 2009-10-22

Family

ID=41303988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008093591A Pending JP2009241522A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 透明基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009241522A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8941011B2 (en) 2011-08-16 2015-01-27 Samsung Display Co., Ltd. Flexible substrates and method of manufacturing the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319526A (ja) * 1999-05-07 2000-11-21 Kansai Paint Co Ltd 無溶剤型熱硬化性組成物及び該組成物を用いた熱硬化被膜の形成方法
JP2003098512A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
JP2007119630A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合シート、基板および電子デバイス

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319526A (ja) * 1999-05-07 2000-11-21 Kansai Paint Co Ltd 無溶剤型熱硬化性組成物及び該組成物を用いた熱硬化被膜の形成方法
JP2003098512A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 反射型液晶表示素子用プラスチック基板。
JP2007119630A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合シート、基板および電子デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8941011B2 (en) 2011-08-16 2015-01-27 Samsung Display Co., Ltd. Flexible substrates and method of manufacturing the same
US9480165B2 (en) 2011-08-16 2016-10-25 Samsung Display Co., Ltd. Flexible substrates and method of manufacturing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5599628B2 (ja) 透明フィルム
JP6327472B2 (ja) プリプレグ及びフィルム
JP5022265B2 (ja) 透明積層板
JP2009066931A (ja) 透明積層板
JP5595867B2 (ja) 透明フィルム
JP4496828B2 (ja) 透明複合基板の製造方法
JP5426330B2 (ja) 透明基板/ガラス板/透明基板複合フィルムとその用途
JP2009244757A (ja) 透明基板
WO2011149018A1 (ja) 透明フィルム
JP2006040864A (ja) 直下型バックライト用拡散板およびバックライトシステム
JP2010012754A (ja) 透明基板
JP2011105888A (ja) 透明フィルム
KR20120080050A (ko) 투명 기판
JP2009244756A (ja) 透明基板
JP5258163B2 (ja) 光学シート、画像表示装置用基板、液晶表示装置、有機el表示装置および太陽電池
JP2009241522A (ja) 透明基板
JP2012219155A (ja) 透明樹脂複合材
JP4273990B2 (ja) 透明複合基板の製造方法
JP2009241521A (ja) 透明基板
KR101716958B1 (ko) 접착제 조성물 및 이를 포함하는 편광판
JP2009242715A (ja) 透明積層板の平滑化処理方法
KR20130117958A (ko) 점착층을 포함하는 투명 플라스틱 필름 및 이의 제조방법
JP2009244755A (ja) 透明基板
JP2009244758A (ja) 透明基板
JP5732609B2 (ja) 透明フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100811

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120321

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20121113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130312

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02