JP2009240615A - 生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステント1は、ステント1の中心軸に対して斜めに延びる複数本のファイバー3により織られたものである。ステント1は、軸方向に対して斜めにファイバーが交差する多数のファイバー交差部4と、多数のファイバー交差部4のうちの複数のファイバー交差部4に設けられた交差部固定部材5とを備える。そして、ファイバー3は、生分解性材料により形成されている。また、交差部固定部材5は、ステント1の拡張時に交差部4の変形に追従し塑性変形し、かつ、交差部4の変形形態を保持するものとなっている。
【選択図】図2
Description
ステントは、体外から体内に挿入するため、そのときは直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
ステント留置の目的は、PTCA等の手技を施した後に起こる再狭窄の予防、およびその低減化を図るものである。そして、近年では、このステントに生理活性物質を担持させることによって、管腔の留置部位で長期にわたって局所的にこの生理活性物質を放出させ、再狭窄率の低減化を図るものが利用されている。
例えば、特開平8−33718号公報(特許文献1)にはステント本体の表面に治療のための物質とポリマーの混合物をコーティングしたステントが開示されており、特開平9−56807号公報(特許文献2)には、ステント本体の表面に薬剤層を設け、さらにこの薬剤層の表面に生分解性ポリマー層を設けたステントが提案されている。
本願発明者が鋭意検討したところ、ステントが保有する血管拡張保持力(強度)に再狭窄の一因がある可能性があることがわかった。しかし、血管拡張保持力の低いステントでは、留置時に十分な血管狭窄部の改善を行うことができない。
また、特開2002−200176号公報(特許文献3)には、生体吸収性繊維の編み物または組紐状織物であり、繊維の端部を有しない筒状の生体管路ステントが開示されている。さらに、特許文献3は、合成水溶性高分子、天然水溶性高分子、合成生体吸収性高分子、あるいは天然生体吸収性高分子により交差点が接着されていること、また、縮径時に繊維の交差点を接合あるいは接着することを開示している。
本発明の目的は、生体内管腔への挿入のための圧縮状態においては、十分な小径状態維持力を保有し、かつステント留置時においては、十分な血管拡張保持力を備え、狭窄部を良好に改善でき、かつ、所定期間経過後においては、ステントの基体を形成するファイバーが生体に吸収されるため、再度のステントの留置を可能とする生体内留置用ステントおよびそれを備える生体器官拡張器具を提供するものである。
(1)略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための外径を有し、かつ、内部より半径方向に広がる力が付加されることにより拡張し、生体内組織に密着する生体内留置用ステントであって、
前記ステントは、該ステントの中心軸に対して斜めに延びる複数本のファイバーにより織られたあるいは編まれたものであり、かつ、前記ステントの軸方向に対して斜めに前記ファイバーが交差する多数のファイバー交差部と、該多数のファイバー交差部のすべてもしくは前記多数のファイバー交差部のうちの複数の前記ファイバー交差部に設けられた交差部固定部材を備え、さらに、前記ファイバーは、生分解性材料により形成され、前記交差部固定部材は、前記ステントの拡張時に前記ファイバー交差部の変形に追従し塑性変形し、かつ、前記ファイバー交差部の変形形態を保持するものである生体内留置用ステント。
(2)前記ステントは、圧縮されることにより生体内管腔への挿入のための小径状態となり、かつ、内部より半径方向に広がる力が付加されることにより拡張し、生体内組織に密着する生体内留置用ステントであり、前記交差部固定部材は、前記ステントの圧縮時に前記ファイバー交差部の変形にともない変形し、かつ、前記ステントの拡張時に前記ファイバー交差部の変形に追従し再変形するものである上記(1)に記載の生体内留置用ステント。
(3)前記ステントは、該ステントの中心軸に対して少なくとも3つの前記ファイバー交差部がほぼ環状となるようにならんだ環状ファイバー交差部列を前記ステントの軸方向に多数有しており、多数の前記環状ファイバー交差部列のうちの少なくとも複数の前記環状ファイバー交差部列は、前記交差部固定部材を保有する少なくとも2つの固定部材保有ファイバー交差部と、前記交差部固定部材を保有しない少なくとも1つの固定部材非保有ファイバー交差部を備えている上記(1)または(2)に記載の生体内留置用ステント。
(4)前記ステントは、該ステントの軸方向に複数の前記ファイバー交差部がほぼ直線上にならんだ軸方向ファイバー交差部列を複数有しており、前記ステントは、前記交差部固定部材を保有する複数の固定部材保有軸方向ファイバー交差部列と、前記交差部固定部材を保有しない複数の固定部材非保有軸方向ファイバー交差部列とを備えている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(6)前記交差部固定部材は、交差する各ファイバーをそれぞれ2カ所にて把持する4つのファイバー把持部を備えている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(7)各前記交差部固定部材には、該交差部固定部材の前記ファイバー交差部からの離脱を抑制する保持部材が固定されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(8)前記交差部固定部材の形成材料は、塑性変形性金属もしくは塑性変形性樹脂である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(10)前記ファイバーは、生理活性物質を担持している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(11)前記ファイバーは、前記交差部固定部材が設けられていない部分にのみ生理活性物質を担持している上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(12)前記交差部固定部材は、前記生理活性物質を担持していない上記(10)または(11)に記載の生体内留置用ステント。
(14)前記生分解性材料は、生分解性金属もしくは生分解性ポリマーである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(15)前記生分解性金属は、純マグネシウムまたはマグネシウム合金である上記(14)に記載の生体内留置用ステント。
(16)前記生分解性ポリマーが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、セルロース、ポリヒドロキシブチレイト吉草酸、多糖類、ポリサリチル酸、およびポリオルソエステルからなる群から選択される少なくとも1つ、もしくは、これらの共重合体、混合物、または複合物である上記(14)に記載の生体内留置用ステント。
(17)チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張される上記(1)ないし(16)のいずれかに記載のステントとを備える生体器官拡張器具。
このため、生体内管腔への挿入のための圧縮状態においては、ファイバー交差部の変形に追従して塑性変形するため、圧縮状態において十分な小径状態維持力を保有し、さらにステント留置時であるステントの拡張時において、ファイバー交差部は塑性変形した交差部固定部材により拡張時の変形形態が保持されるので、十分な血管拡張保持力を発揮し、狭窄部を良好に改善できる。さらに、ステントの主な部分を構成するファイバーは、生分解性材料にて形成されているので、所定期間経過後に生体に吸収され消失するため、再度のステントの留置を可能とする。
図1は、本発明の一実施例の生体内留置用ステントの拡張状態の正面図である。図2は、図1の生体内留置用ステントの展開図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、図3の交差部固定部材付近を説明するための拡大図である。図5は、図4の交差部固定部材付近の背面状態を説明するための拡大図である。図6は、図4のA−A線拡大断面図である。図7は、図1に示した生体内留置用ステントが圧縮され縮径化した状態の正面図である。図8は、図7の展開図である。図9は、図8の交差部固定部材付近を説明するための拡大図である。
ステント1は、ステント1の中心軸に対して斜めに延びる複数本のファイバー3により織られたあるいは編まれたものである。ステント1は、ステント1の軸方向に対して斜めにファイバーが交差する多数のファイバー交差部4と、多数のファイバー交差部4のすべてもしくは多数のファイバー交差部4のうちの複数のファイバー交差部4に設けられた交差部固定部材5とを備える。そして、ファイバー3は、生分解性材料により形成されている。また、交差部固定部材5は、ステント1の拡張時に交差部4の変形に追従し塑性変形し、かつ、交差部4の変形形態を保持するものとなっている。
ステント基体2は、図1および図2に示すように、螺旋状(ステント1の中心軸に対して斜め)に巻かれた複数本のファイバー3により構成されている。そして、この実施例のステント基体2は、螺旋状に同一方向に巻かれた(言い換えれば、ほぼ平行となるように巻かれた)複数のファイバー3と、この複数のファイバー3と逆方向に巻かれるとともに、上記のファイバーと織られた複数のファイバー3により構成されている。そして、ステント基体は、ファイバーが交差する多数のファイバー交差部4を備えている。そして、ファイバー3が螺旋状(ステント1の中心軸に対して斜め)に巻かれているため、ファイバー交差部4は、ステント1の軸方向に対して斜めにファイバーが交差する交差部となっている。なお、ステント基体2としては、上記のようにファイバーにより編まれたものであることが好ましいが、網状のものであってもよい。
そして、ステント基体2を構成するファイバー3は、生分解性材料により形成されている。
生分解性金属としては、純マグネシウムまたはマグネシウム合金、カルシウム、亜鉛、リチウムなどが使用される。好ましくは、純マグネシウムまたはマグネシウム合金である。マグネシウム合金としては、マグネシウムを主成分とし、Zr、Y、Ti、Ta、Nd、Nb、Zn、Ca、Al、Li、およびMnからなる生体適合性元素群から選択される少なくとも1つの元素を含有するものが好ましい。
マグネシウム合金としては、例えば、マグネシウムが50〜98%、リチウム(Li)が0〜40%、鉄が0〜5%、その他の金属または希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム等)が0〜5%であるものを挙げることができる。また、例えば、マグネシウムが79〜97%、アルミニウムが2〜5%、リチウム(Li)が0〜12%、希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム等)が1〜4%であるものを挙げることができる。また、例えば、マグネシウムが85〜91%、アルミニウムが2%、リチウム(Li)が6〜12%、希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム等)が1%であるものを挙げることができる。また、例えば、マグネシウムが86〜97%、アルミニウムが2〜4%、リチウム(Li)が0〜8%、希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム等)が1〜2%であるものを挙げることができる。また、例えば、アルミニウムが8.5〜9.5%、マンガン(Mn)が0.15〜0.4%、亜鉛が0.45〜0.9%、残りがマグネシウムであるものを挙げることができる。また、例えば、アルミニウムが4.5〜5.3%、マンガン(Mn)が0.28〜0.5%、残りがマグネシウムであるものを挙げることができる。また、例えば、マグネシウムが55〜65%、リチウム(Li)が30〜40%、その他の金属および/または希土類元素(セリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム等)が0〜5%であるものを挙げることができる。
また、ファイバーは、生理活性物質を担持しているものであってもよい。そして、この場合、ファイバーは、後述する交差部固定部材が設けられていない部分にのみ生理活性物質を担持しているものであってもよい。また、後述する交差部固定部材は、生理活性物質を担持していないものであってもよい。ファイバーへの生理活性物質の担持方法としては、ファイバー表面への塗布、ファイバー形成材料中への添加などにより行うことができる。
また、この実施例のステント1は、圧縮されることにより生体内管腔への挿入のための小径状態となり、かつ、内部より半径方向に広がる力が付加されることにより拡張し、生体内組織に密着するバルーン拡張型ステントであり、交差部固定部材5は、ステント1のバルーンへの装着のための圧縮時にファイバー交差部4の変形にともない変形し、かつ、ステント1の拡張時(バルーンの拡張時、ステントの内部より半径方向に広がる力の付加時)にファイバー交差部4の変形に追従し再変形するものとなっている。
そして、交差部固定部材5は、ファイバー3の形成材料より塑性変形性の高い材料により形成され、ステント1の拡張時に交差部4の変形に追従し塑性変形し、かつ、交差部4の変形形態を保持するものとなっている。
易塑性変形性金属としては、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ニオブ合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。
このステント1では、ステント基体2は、ステント1の中心軸に対して少なくとも3つのファイバー交差部4がほぼ環状となるようにならんだ環状ファイバー交差部列をステント1の軸方向に多数有している。特に、図示するステント1では、各環状ファイバー交差部列は、複数(具体的には、8つ)のファイバー交差部4をステント1の中心軸に対してほぼ等角度となるように有している。環状ファイバー交差部列におけるファイバー交差部4の数としては、3〜16程度が好ましく、特に、6〜12が好ましい。そして、ステント1は、この環状ファイバー交差部列をステント1の軸方向にほぼ平行に多数(具体的には、40)有している。ステント1における環状ファイバー交差部列の数としては、10〜60程度が好適である。好ましくは、20〜40である。そして、隣り合う環状ファイバー交差部列では、ファイバー交差部が、ステントの周方向にずれたものとなっている。また、一つおきの環状ファイバー交差部列では、各ファイバー交差部4は、ステントの軸方向にほぼ直線状に並ぶものとなっている。
図1、図2、図7および図8に示す実施例のステント1では、交差部固定部材5を保有する複数の環状ファイバー交差部列を備えている。そして、交差部固定部材5を保有する複数の環状ファイバー交差部列は、すべての交差部に固定部材5を備えるものではなく、少なくとも2つの固定部材保有ファイバー交差部と、交差部固定部材を保有しない少なくとも1つの固定部材非保有ファイバー交差部を備えるものとなっている。また、固定部材非保有交差部では、交差するファイバーは固定されていない。このように、固定部材非保有交差部を有することにより、図7および図8に示す圧縮状態(縮径化状態)から図1および図2に示す拡張状態および圧縮前状態への変形を容易なものとしている。また、固定部材非保有交差部を有することにより、図1および図2に示す拡張状態および圧縮前状態から、図7および図8に示す圧縮状態(縮径化状態)への変形も容易なものとしている。
図15は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。図16は、図15に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。図17は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。
そして、ステント1としては、上述したステント1ならびに上述したすべての実施例のステントを用いることができる。
この実施例の生体器官拡張器具100は、上述したステント1と、ステント1が装着されたチューブ状の生体器官拡張器具本体101とからなる。
ステント1としては、上述したすべての実施例のステントを用いることができる。なお、ここで使用されるステントは、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能ないわゆるバルーン拡張型ステントが用いられる。
この生体器官拡張器具本体101は、シャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に固定されたステント拡張用バルーン103とを備え、このバルーン103上にステント1が装着されている。シャフト本体部102は、内管112と外管113と分岐ハブ110とを備えている。
この実施例の生体器官拡張器具100では、外管113は、先端側外管113aと本体側外管113bにより形成され、両者が接合されている。そして、先端側外管113aは、本体側外管113bとの接合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、このテーパー部より先端側が細径となっている。
先端側外管113aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管113aの基端部および本体側外管113bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
内管112および外管113の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
バルーン103は、バルーン103の内面と内管112の外面との間に拡張空間103cを形成する。この拡張空間103cは、後端部ではその全周において拡張用ルーメン116と連通している。このように、バルーン103の後端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン116よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
X線造影性部材117、118は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
内管112と外管113との間(バルーン拡張用ルーメン116内)には、線状の剛性付与体(図示せず)が挿入されていてもよい。剛性付与体は、生体器官拡張器具100の可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位での生体器官拡張器具100の本体部102の極度の折れ曲がりを防止するとともに、生体器官拡張器具100の先端部の押し込みを容易にする。剛性付与体の先端部は、他の部分より研磨などの方法により細径となっていることが好ましい。また、剛性付与体は、細径部分の先端が、本体部外管113の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾性合金線である。
なお、生体器官拡張器具の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、生体器官拡張器具の中間部分にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤー挿入口を有するものであってもよい。
2 ステント基体
3,3a,3b ファイバー
4 ファイバー交差部
5 交差部固定部材
Claims (17)
- 略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための外径を有し、かつ、内部より半径方向に広がる力が付加されることにより拡張し、生体内組織に密着する生体内留置用ステントであって、
前記ステントは、該ステントの中心軸に対して斜めに延びる複数本のファイバーにより織られたあるいは編まれたものであり、かつ、前記ステントの軸方向に対して斜めに前記ファイバーが交差する多数のファイバー交差部と、該多数のファイバー交差部のすべてもしくは前記多数のファイバー交差部のうちの複数の前記ファイバー交差部に設けられた交差部固定部材を備え、さらに、前記ファイバーは、生分解性材料により形成され、前記交差部固定部材は、前記ステントの拡張時に前記ファイバー交差部の変形に追従し塑性変形し、かつ、前記ファイバー交差部の変形形態を保持するものであることを特徴とする生体内留置用ステント。 - 前記ステントは、圧縮されることにより生体内管腔への挿入のための小径状態となり、かつ、内部より半径方向に広がる力が付加されることにより拡張し、生体内組織に密着する生体内留置用ステントであり、前記交差部固定部材は、前記ステントの圧縮時に前記ファイバー交差部の変形にともない変形し、かつ、前記ステントの拡張時に前記ファイバー交差部の変形に追従し再変形するものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
- 前記ステントは、該ステントの中心軸に対して少なくとも3つの前記ファイバー交差部がほぼ環状となるようにならんだ環状ファイバー交差部列を前記ステントの軸方向に多数有しており、多数の前記環状ファイバー交差部列のうちの少なくとも複数の前記環状ファイバー交差部列は、前記交差部固定部材を保有する少なくとも2つの固定部材保有ファイバー交差部と、前記交差部固定部材を保有しない少なくとも1つの固定部材非保有ファイバー交差部を備えている請求項1または2に記載の生体内留置用ステント。
- 前記ステントは、該ステントの軸方向に複数の前記ファイバー交差部がほぼ直線上にならんだ軸方向ファイバー交差部列を複数有しており、前記ステントは、前記交差部固定部材を保有する複数の固定部材保有軸方向ファイバー交差部列と、前記交差部固定部材を保有しない複数の固定部材非保有軸方向ファイバー交差部列とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記ステントは、該ステントの中心軸に対して複数の前記ファイバー交差部がほぼ環状となるようにならんだ環状ファイバー交差部列を前記ステントの軸方向に多数有しており、さらに、前記ステントは、前記交差部固定部材を保有する固定部材保有環状ファイバー交差部列と、前記交差部固定部材を保有しない固定部材非保有環状ファイバー交差部列とを交互に備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記交差部固定部材は、交差する各ファイバーをそれぞれ2カ所にて把持する4つのファイバー把持部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 各前記交差部固定部材には、該交差部固定部材の前記ファイバー交差部からの離脱を抑制する保持部材が固定されている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記交差部固定部材の形成材料は、塑性変形性金属もしくは塑性変形性樹脂である請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記交差部固定部材は、前記ファイバー交差部の外面および/または内面を被覆している請求項1ないし8のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記ファイバーは、生理活性物質を担持している請求項1ないし9のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記ファイバーは、前記交差部固定部材が設けられていない部分にのみ生理活性物質を担持している請求項1ないし10のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記交差部固定部材は、前記生理活性物質を担持していない請求項10または11に記載の生体内留置用ステント。
- 前記交差部固定部材は、造影性を有している請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記生分解性材料は、生分解性金属もしくは生分解性ポリマーである請求項1ないし13のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
- 前記生分解性金属は、純マグネシウムまたはマグネシウム合金である請求項14に記載の生体内留置用ステント。
- 前記生分解性ポリマーが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、セルロース、ポリヒドロキシブチレイト吉草酸、多糖類、ポリサリチル酸、およびポリオルソエステルからなる群から選択される少なくとも1つ、もしくは、これらの共重合体、混合物、または複合物である請求項14に記載の生体内留置用ステント。
- チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張される請求項1ないし16のいずれかに記載のステントとを備えることを特徴とする生体器官拡張器具。
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