JP2009238393A - 燃料電池システム - Google Patents

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英美 加藤
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Abstract

【課題】霧状に噴霧された液体水による空気極表面の冷却及び固体高分子電解質膜の保湿を限られた流路空間において効率的に行い得る直噴水タイプの燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、燃料電池システム又はその周辺において放熱される廃熱によって加温された空気が、酸化剤ガス供給手段によって空気極へ供給される構成とされている。かかる構成により、空気極の入口側における液体水の蒸発量が増えて蒸発潜熱による冷却効果を高くでき、空気極の入口側から出口側に向かう温度勾配を小さくすることができる。その結果、空気極の出口側における温度を比較的低い温度に抑制することができると共に、空気極における出口側の湿度を高く保持することができるので、霧状に噴霧された液体水を空気極表面へ供給するための流路空間の拡大とは無関係に、高い発電性能を得ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池を含む直噴水タイプの燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池の単位セルは、燃料極(水素極、アノード極)と空気極(酸素極、カソード極)との間に固体高分子電解質膜を挟持した構成を有し、燃料極へ供給される燃料ガス(例えば、水素)と空気極へ供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う。
このような固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」と称する)を含む燃料電池システムとして、空気極の表面に液体水を霧状に噴射する直噴水タイプの燃料電池システム(燃料電池装置)が、特開平11−242962号公報(特許文献1)にて提案されている。
かかる直噴水タイプの燃料電池システムでは、霧状に噴霧された液体水が空気極表面やその周囲の空気から潜熱を奪って蒸発することにより、空気極を冷却すると共に、固体高分子電解質膜の乾燥を防ぐことができるので、高い発電性能を得られるという利点がある。
特開平11−242962号公報
ところで、かかる直噴水タイプの燃料電池システムでは、霧状に噴霧された液体水を空気極表面へ供給するための流路空間を拡大し、霧状に噴霧された液体水と空気極表面との接触領域を大きくする程、空気極表面から潜熱を奪い易くなり、より高い冷却効果及び乾燥防止(保湿)効果を得ることができる。
しかしながら、燃料電池や燃料電池システムの小型化の観点からいえば、霧状に噴霧された液体水を空気極表面へ供給するための流路空間の拡大には限界がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、霧状に噴霧された液体水による空気極表面の冷却及び固体高分子電解質膜の保湿を限られた流路空間において効率的に行い得る直噴水タイプの燃料電池システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、系外から取り入れた空気を前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、液体水を霧状に噴射して前記空気極へ前記液体水を供給する水供給手段と、を備えているものであって、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池又はその周辺において放熱される廃熱によって加温された空気を前記空気極へ供給する。
請求項2記載の燃料電池システムは、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池から排出された排気を熱交換によって冷却する熱交換器を備え、前記廃熱は、前記熱交換器による前記排気の冷却に伴って放出された熱である。
請求項1記載の燃料電池システムによれば、固体高分子型燃料電池の燃料極には、燃料ガス供給手段によって燃料ガスが供給される一方で、空気極には、酸化剤ガス供給手段によって空気が供給される。その結果、燃料電池は、燃料ガスと空気との電気化学的反応により発電する。
このとき、水供給手段により、液体水が空気極へ霧状に噴射(噴霧)される。即ち、請求項1記載の燃料電池システムは、直噴水タイプの燃料電池システムとして構成されるものであり、かかる霧状の液体水(直噴水)によって空気極が冷却され加湿される。
ここで、請求項1記載の燃料電池システムによれば、燃料電池又はその周辺において放熱される廃熱によって加温された空気が、酸化剤ガス供給手段によって空気極へ供給される構成とされている。
空気の温度が高い程、空気の飽和蒸気圧は高い。よって、加温された空気を空気極へ供給することにより、空気極の入口側(空気の供給側)において、液体水を蒸発しやすい環境を作ることができる。
よって、空気極の入口側(空気の供給側)における液体水の蒸発量が増えて蒸発潜熱による冷却効果を高くでき、空気極の入口側から出口側(空気の排出側)に向かう温度勾配を小さくすることができる。その結果、空気極の出口側における温度を比較的低い温度に抑制することができると共に、空気極における出口側の湿度を高く保持することができるので、霧状に噴霧された液体水を空気極表面へ供給するための流路空間の拡大とは無関係に、高い発電性能を得ることができるという効果がある。
また、空気極へ供給する空気の加温は、廃熱によって行うので、空気極へ供給する空気を加温する専用の補機(加温装置)が不要であり、かかる補機に要する消費電力によるエネルギー効率の悪化を伴うことなく、燃料電池の発電性能を高めることができるという効果がある。
請求項2記載の燃料電池システムによれば、請求項1記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。燃料電池から排出された排気は、熱交換器において熱交換されることによって冷却される。ここで、該冷却に伴って熱交換器から放出された熱が、空気極へ供給される空気を加温するための廃熱として利用される。よって、簡単な構成により、廃熱によって加温された空気を空気極へ供給することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池システムである燃料電池システム100の一実施形態を示すブロック図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池スタック40と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10(図2参照)の燃料極(水素極、アノード極)13(図2参照)へ供給するための水素ガス供給系50と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極(酸素極、カソード極)12(図2参照)へ供給するための空気供給系60と、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極12へ霧状の液体水を供給して単位セル10を冷却し加湿する水供給系80と、燃料電池スタック40(各単位セル10の空気極12)から排出される排気を系外へ排出する排気系110とを備えている。
なお、図1に示す燃料電池システム100では、空気(供給空気、排気)の流通経路(空気供給路63、空気排出路111)を最も太い実線により表しており、水素ガスの流通経路(水素ガス供給流路51)を次に太い実線で表しており、水の流通経路(導水路81a、給水路81b)を点線で表している。
燃料電池スタック40は、単位セル10(図2参照)の複数個を、導電性のセパレータ20を介して厚み方向に積層し、隣接する単位セル間を電気的に直列接続した構成とされている。なお、この燃料電池スタック40(各単位セル10)は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料電池に該当する。
水素ガス供給系50は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料ガス供給手段に該当し、水素源となる水素ボンベ(図示せず)から供給される水素ガスの流量を調整する電磁弁(図示せず)を含む水素ガス供給流路51を介して、燃料電池スタック40のガス取入口41から図示されない水素ガス流路に接続されて、かかる水素ガス流路に水素ガスを供給する。なお、この水素ガス供給系50は、燃料電池スタック40から排出された未反応水素ガスを、図示されない経路を介して水素ガス供給流路に戻して循環できるように構成されている。
空気供給系60は、給気経路である空気供給路63と、燃料電池スタック40における図示されない空気流路の上流側に設けられ、空気供給路63の出口側の端部が接続される空気マニホールド62とを含んで構成される。空気供給路63には、系外から空気(外気)を取り入れる開口である空気取入口63aから、空気の流通する方向に向かって順に、フィルタ64と、シロッコファンやターボファンなどの空気ファン61と、入口空気温度センサSE1とが設けられている。なお、この空気供給系60は、本発明の燃料電池システムを構成する酸化剤ガス供給手段に該当する。
かかる空気供給系60は、空気ファン61を駆動させることにより、空気取入口63aから取り入れた空気を、空気供給路63及び空気マニホールド62を介して、燃料電池スタック40の空気流路へ供給する。
ここで、図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100では、空気取入口63aが、燃料電池スタック40からの排気を冷却する凝縮器112の近傍に設けられており、凝縮器112からの放熱によって加温された空気(外気)を取り込み可能に構成されている。
かかる構成により、燃料電池スタック40へ温かい空気(加温された空気)を供給することができる。詳細は後述するが、燃料電池スタック40へ温かい空気を供給することにより、ノズル83から霧状に噴射された液体水による燃料電池スタック40の冷却及び保湿に対する高い効果を得ることができ、それによって、燃料電池スタック40(各単位セル10)の発電性能を向上させることができる。
排気系110は、燃料電池スタック40における空気流路の下流側に設けられた図示されない排気マニホールドに一端側が接続される排気経路として空気排出路111を含んで構成される。
この空気排出路111の経路上には、燃料電池スタック40の側から空気(排気)の流通方向に向かって、出口空気温度センサSE2と、凝縮器112と、フィルタ113とが順に設けられ、フィルタ113を通過した排気が系外へと排出される。
凝縮器112は、外気温との熱交換によって排気を冷却し、排気中に含まれる水分を凝縮により分離して回収するものである。燃料電池スタック40から排出された排気は、この凝縮器112へと流入し、該排気中に含まれる水分が液体水として分離され、後述する水供給系80により回収されて水タンク82へと戻される。
凝縮器112には、放熱ファン112aが設けられており、この放熱ファン112aの旋回駆動により凝縮器112から放出される熱が拡散され、凝縮器112における排気の冷却を促進する。
なお、図1に示すように、上述した空気供給系60における空気取入口63aは、放熱ファン112aに対向しており、放熱ファン112aにより拡散された熱(廃熱)により加温された外気を取り込むことができる。
水供給系80は、水タンク82と、その水タンク82に一端側が接続され、水タンク82に貯留されている水を燃料電池スタック40へ供給するための給水路81bを含んで構成される。なお、この水供給系80における給水路81bは、本発明の燃料電池システムを構成する水供給手段に該当する。
水タンク82は、燃料電池スタック40へ冷却水及び加湿水となる水を供給するための水を貯留するものであり、この水タンク82には、図示されない水位センサ及び水温センサが設けられている。
給水路81bには、水タンク81の側から水の流通方向に向かって、フィルタ84と、給水ポンプ85と、水供給電磁弁86と、給水路81bからの水の出口となるノズル83とが順に設けられている。
ノズル83の先端は、空気マニホールド62に向けられており、給水路81bを介して水タンク82から導かれた水は、ノズル83の先端から噴射される。ノズル83から空気マニホールド62へ向けて噴射された水は、空気供給系60を流通する供給空気の流れによって霧状となって燃料電池スタック40へ送り込まれる。
この霧状に噴射された水は、各単位セル10(図2参照)の空気極12へと流れ込み、燃料電池スタック40に対する冷却水及び加湿水として作用する。即ち、本実施形態の燃料電池システム100は、直噴水タイプの燃料電池システムとして構成されるものである。
図1に示すように、水供給系80はまた、凝縮器112により回収された水を水タンク82へ導く導水路81aを含んでいる。導水路81aは、その一端側が凝縮器112に接続され、他端側が水タンク82に接続された経路であり、この導水路81aには、回収ポンプ88が設けられている。
このように、水供給系80は、水タンク82に貯留される液体水を、給水路81bを介して燃料電池スタック40の冷却水及び加湿水として供給し、燃料電池スタック40から排出される排気中に含まれる水分を凝縮器112によって凝縮して液体水として分離し、かかる水を、導水路81aを介して水タンク82に戻す循環系として構成されている。
以上のように構成された燃料電池システム100を運転する場合には、空気ファン61を駆動させ、系外から取り入れた外気(空気)を燃料電池スタック40の空気流路内へ供給すると共に、水供給系80の給水ポンプ85を駆動させて水を供給する。一方で、水素ガス供給系50における図示されない電磁弁を調整し、水素ガスを所定の圧力として燃料電池スタック40の水素ガス流路内へ供給する。
その結果、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10にて水素と酸素とによる電気化学的な水生成反応(電極反応)が行われ、生じた電流が図示されない負荷系(モータなど)へ流れる。かかる燃料電池システム100の運転中は、霧状となって供給される水によって各単位セル10が冷却及び加湿される。
なお、本実施形態の燃料電池システム100は、図示されない制御装置を有している。この制御装置は、CPU、ROM、RAMなどを含んで構成され、各種センサにより検出される燃料電池スタック40へ供給されるガス(水素ガス及び空気)の流量や温度、又は、燃料電池スタック40からの出力電圧などに基づいて、空気供給系60における空気ファン61などの制御や、水素ガス供給系50における水素ガスの流量の制御や、水供給系80におけるポンプ83など、燃料電池システム100を運転するための各種制御を行う。
次に、図2を参照して、燃料電池スタック40を構成する単位セル10について説明する。図2は、単位セル10を模式的に示す断面図である。図2に示すように、単位セル10は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)15と、その膜電極接合体15における空気極12側に設けられた空気流路16と、膜電極接合体15における燃料極13側に設けられた水素ガス流路17と、空気流路16及び水素ガス流路17の外面側に配された導電性のセパレータ20と、シール材21とから構成される。
膜電極接合体15は、固体高分子電解質膜11と、その固体高分子電解質11の両面を挟持する空気極12及び燃料極13とから構成される積層体である。固体高分子電解質膜11としては、例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製)やAciplex(登録商標:旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。
空気極12は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層12aと、その触媒層12aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接する拡散層12bとから構成される。
また、燃料極13は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層13aと、その触媒層13aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接する拡散層13bとから構成される。
触媒層12aは、固体高分子電解質膜11に当接されて空気極12における電極反応を促進するための層であり、固体高分子電解質膜11における他方の面に当接する燃料極13の触媒層13aと共に、酸素と水素との水生成反応を促進する。触媒層12a,13aとしては、例えば、カーボン粒子にプラチナなどの触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを含んで構成された触媒層を採用することができる。
拡散層12b,13bは、ガス拡散が可能なカーボン製の織物やカーボン製の紙等の多孔質基材から構成されるものであり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン繊維からなる不織布等を用いることができる。
空気流路16は、空気供給系60(図1参照)により供給された空気を流通させる流路であり、空気は紙面上側から下側方向(矢印A方向)に流通し、排出される。一方、水素ガス流路17は、水素供給系50により供給された水素ガスを流通させる流路であり、水素ガスは紙面手前側から奥側(紙面垂直方向)に流通し、排出される。
空気流路16に空気を供給し、水素ガス流路17に水素ガスを供給することにより、膜電極接合体15において酸素と水素との電気化学的反応が生じる。なお、空気流路16及び水素ガス流路17の具体的な構成は省略するが、これらの流路16,17は、導電性材料により構成されており、膜電極接合体15(空気極12、燃料極13)とセパレータ20とは電気的に接続されている。
次に、図3及び図4を参照して、直噴水タイプの燃料電池システム100において、空気取入口63aを凝縮器112の近傍に設け、凝縮器112からの放熱によって加温された空気(外気)を取り込み、燃料電池スタック40へ供給することの効果について説明する。
まず、燃料電池スタック40へ供給する空気の温度(入口空気温度)を変化させた場合に、燃料電池スタック40から排出される排気の温度(出口空気温度)、及び燃料電池スタック40から排出される排気の相対湿度(出口相対湿度)がどのように変化するかを実験的に確認した。
図3は、その実験結果を示すグラフである。図3において、横軸は、出口空気温度(図1における出口空気温度センサSE2に相当する位置で測定された温度)を示す軸であり、向かって右側に向かう程、温度が高いことを示す。一方で、縦軸は、出口相対湿度(図1における出口空気温度センサSE2に相当する位置で測定された相対湿度)を示す軸であり、上側に向かう程、相対湿度が高いことを示す。
図3のグラフにおけるシンボル「●」は、入口空気温度(図1における入口空気温度センサSE1に相当する位置で測定された温度)が27℃の場合における結果である。また、シンボル「○」は、入口空気温度が23℃の場合における結果であり、シンボル「▲」は、入口空気温度が21℃の場合における結果であり、シンボル「△」は、入口空気温度が18℃の場合における結果である。
図3のグラフは、入口空気温度が高い程、出口空気温度が低くなり、出口相対湿度が高くなることを示している。
次に、燃料電池スタック40へ供給された空気に対する、空気流路の入口から出口に至るまでの温度勾配について実験的に確認した。
図4は、その実験結果を模式的に示すグラフである。図4において、横軸は、空気流路上の位置を示す軸であり、向かって左端が空気流路の入口を示し、向かって右端が空気流路の出口を示す。一方で、縦軸は、空気温度を示す軸であり、上側に向かう程、温度が高いことを示す。この図4のグラフにおいて、実線Aは、点線Bの場合に比べて入口空気温度を高くした場合における実験結果である。
図4のグラフは、入口空気温度が高い場合(実線A)には、入口空気温度が低い場合(点線B)に比べ、空気流路の出口に至るまでの温度勾配が小さく、その結果として、出口空気温度の高低が、入口空気温度の高低と逆転することを示している。
この結果は、空気温度が高い程、飽和蒸気圧が高いことに起因すると考えられる。即ち、入口空気温度が高い程、空気流路の入口側において、ノズル83から噴霧された液体水を蒸発し易い環境を作ることができる。その結果として、空気極12における入口側における液体水の蒸発量が増えて蒸発潜熱による冷却効果が高くなるので、空気極12(又は空気流路)の入口側から出口側に向かう温度勾配が小さくなると考えられる(即ち、実線Aの挙動)。
一方で、入口空気温度が低い場合(即ち、点線Bの場合)には、飽和蒸気圧が実線Aの場合に比べて低くなるので、空気極12の入口側における液体水の蒸発量が少なくなり、蒸発潜熱による冷却効果が低く、顕熱によって空気の温度が上昇するため、立ち上がりの大きい温度勾配を示すと考えられる。
このように、本実施形態の直噴水タイプの燃料電池システム100によれば、本燃料電池システムの一部である凝縮器112からの廃熱(排気の冷却に伴う放熱)を用いて加温された空気を、燃料電池スタック40の空気極12へ供給することによって、空気極12の入口側における液体水の蒸発量が増える。すると、蒸発潜熱による冷却効果が高くなり、空気極12の入口側から出口側に向かう温度勾配が小さくなる。
その結果、霧状に噴霧された液体水を空気極12の表面へ供給するための流路空間の拡大とは無関係に、空気極12に対する有効な冷却効果を得ることができる。また、霧状に噴霧された液体水が潜熱によって蒸発する量が増える程、固体高分子電解質膜11からの水分の蒸発を抑制できるので、より高い保湿効果を得ることができる。よって、高い発電性能を得ることができる。
また、空気極12へ供給する空気の加温を、燃料電池システム100において放熱された廃熱(本実施形態では、凝縮器112からの廃熱)によって行うので、空気極12へ供給する空気を加温する専用の補機(加温装置)が不要であり、かかる補機に要する消費電力によるエネルギー効率の悪化を伴うことなく、燃料電池の発電性能を高めることができる。
ここで、本実施形態の燃料電池システム100では、空気取入口63aを、凝縮器112の近傍に設け、凝縮器112からの放熱によって加温された空気(外気)を取り込む構成であるので、簡易な構成により、燃料電池の発電性能を高めることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム100は、水供給系80が、燃料電池スタック40から排出される排気中に含まれる水分を凝縮器112によって凝縮して液体水として分離し、その水を導水路81aを介して水タンク82に戻す循環系として構成されている。そのため、排気から液体水を回収するための凝縮器112は、燃料電池システム100において必須の構成であり、このような必須の構成からの廃熱を利用するので、装置コストの増大やシステムの大型化を抑制することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、凝縮器112からの廃熱を利用し、加温された空気を燃料電池スタック40へ供給する構成としたが、廃熱であれば、燃料電池システム100内のどの部分を利用してもよい。例えば、燃料電池スタック40から放熱される廃熱や、凝縮器112以外に凝縮器が設けられている場合にはその凝縮器の廃熱を利用する構成であってもよい。
あるいは、燃料電池システム100の周辺における廃熱を利用する構成としてもよい。例えば、この燃料電池システム100を搭載する車両から放熱される廃熱(例えば、モータ制御用インバータ、及び、DC−DCコンバータなどのインバータ類、バッテリー、ルームエアコンのコンデンサ、モータ、ブレーキなどの廃熱)を利用して、燃料電池スタック40へ供給する空気が加温される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、空気取入口63aを、凝縮器112の近傍に設け、凝縮器112からの放熱によって加温された空気を取り込む構成としたが、空気供給路63を熱伝導性のある材質から構成し、凝縮器112など廃熱を放出する部分の近傍を経由するように配管させ、空気供給路63内部を流通する空気(即ち、燃料電池スタック40へ供給される空気)を、廃熱により加温された空気との熱交換によって加温させる構成としてもよい。
あるいは、空気供給路63の経路上に加温手段としての熱交換器を設け、かかる熱交換器を、凝縮器112など廃熱を放出する部分の近傍に配置し、廃熱により加温された空気との熱交換により、燃料電池スタック40へ供給する空気を加温する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、空気取入口63aを放熱ファン112aに対向させる構成としたが、空気取入口63aの向きは特に限定されるものではない。しかし、空気取入口63aを放熱ファン112aに対向させることにより、放熱ファン112aからの廃熱により加温された外気を取り込み易い。
また、空気供給路63の経路上に冷却手段としての熱交換器を設け、入口空気温度センサSE1が所定の温度以上であることを示した場合に、廃熱によって加温された空気を熱交換によって冷却するように構成してもよい。過剰に高温(例えば、90℃以上)の空気は、燃料電池スタック40に不具合が生じるので、好ましくない。よって、このような場合には、冷却手段としての熱交換器によって空気温度を適切に下げた後、供給することが好ましい。なお、入口空気温度は、60℃以下であることが好ましい。
本発明の燃料電池システムである燃料電池システムの一実施形態を示すブロック図である。 単位セルを模式的に示す断面図である。 入口空気温度と出口空気温度と出口相対湿度との関係について実験した実験結果を示すグラフである。 燃料電池スタックへ供給された空気に対する、空気流路の入口から出口に至るまでの温度勾配について実験した実験結果を示すグラフである。
符号の説明
10 単位セル(燃料電池)
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
40 燃料電池スタック(燃料電池)
50 水素供給系(燃料ガス供給手段)
60 空気供給系(酸化剤ガス供給手段)
63 空気供給路(給気経路)
63a 空気取入口
80 水供給系(水供給手段)
100 燃料電池システム
112 凝縮器(熱交換器)

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、系外から取り入れた空気を前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、液体水を霧状に噴射して前記空気極へ前記液体水を供給する水供給手段と、を備えている燃料電池システムであって、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池又はその周辺において放熱される廃熱によって加温された空気を前記空気極へ供給することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池から排出された排気を熱交換によって冷却する熱交換器を備え、
    前記廃熱は、前記熱交換器による前記排気の冷却に伴って放出された熱であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10818941B2 (en) 2016-10-10 2020-10-27 Hyundai Motor Company System and device for water evaporation of fuel cell and control method thereof
CN112259762A (zh) * 2020-10-23 2021-01-22 广东能源集团科学技术研究院有限公司 一种燃料电池阴极增湿系统

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