JP2009238390A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池へ供給する空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化が改善された燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、冷却量調整手段により、給気経路を流通する供給空気の温度に応じて、上流側熱交換器による排気に対する冷却量が調整されるので、下流側熱交換器へ流入する排気の温度を、給気経路を流通する供給空気の温度に応じた温度に調整することができ、その結果、下流側熱交換器において供給空気の温度を調整することができる。よって、外気温が低い場合に、燃料電池内での生成水の凍結を防止することができる。また、排気の熱量を利用して、供給空気の温度調整を行うことができるので、供給空気の温度調整のために使用する補機による消費電力を抑制でき、供給空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化を改善できるという効果がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池を含む燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池の単位セルは、燃料極(水素極、アノード極)と空気極(酸素極、カソード極)との間に固体高分子電解質膜を挟持した構成を有し、燃料極へ供給される燃料ガス(例えば、水素)と空気極へ供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う。
この発電に伴い発熱した空気極を冷却すると共に固体高分子電解質膜の乾燥を防ぎ発電性能を高める目的で、例えば、特開平11−242962号公報(特許文献1)において、空気極に液体水を霧状に噴射する直噴水タイプの燃料電池システム(燃料電池装置)が提案されている。
ここで、図7を参照して、従来における直噴水タイプの燃料電池システムの概略を説明する。図7は、従来の直噴水タイプの燃料電池システム200の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、従来の燃料電池システム200は、複数の単位セルが積層されて構成される燃料電池スタック140と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック140を構成する各単位セルの燃料極へ供給するための水素ガス供給系150と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック140を構成する各単位セルの空気極へ常圧で供給するための空気供給系160と、燃料電池スタック140の空気極へ霧状の液体水を供給して単位セルを冷却し加湿(湿潤)する水供給系180と、燃料電池スタック140の空気極から排出された排気を排出する排気系120とを備えている。
かかる燃料電池システム200では、水素供給系150において水素貯蔵タンク151に貯蔵される水素を燃料電池スタック140における各単位セルの燃料極へ供給すると共に、空気供給系160において送風機161により取り入れた外気(空気)を、空気マニホールド162を介して各単位セルの空気極へ常圧で供給することによって発電を行う。
その一方で、水供給系180において水タンク181に貯留されている液体水を給水ポンプ180によってノズル182へ圧送し、このノズル182から、液体水を空気マニホールド162に向けて噴射する。このように空気マニホールド162へ噴射された液体水は、空気供給系162を流通する空気流によって霧状となって燃料電池スタック140に送り込まれ、空気極を冷却し、固体高分子電解質膜を加湿する。
この燃料電池システム200のように、外気を酸化剤ガスとして利用するシステムでは、外気温が低い場合に、燃料電池スタック140において発電の結果として生成される生成水や、ノズル182から噴射される加湿水が、燃料電池スタック140へ供給された低温の空気によって凍結する虞がある。
そのため、外気温が低い場合には、取り入れた外気を燃料電池スタックへ供給する前に温める必要がある。ここで、図7に示すように、常圧の空気を供給する燃料電池システム200の場合には、取り込んだ空気の流通経路(給気経路)上にヒータ163を設け、かかるヒータ163によって予め暖気する方式が一般的である。なお、外気をコンプレッサにより圧送する方式の燃料電池システムでは、空気の圧縮に伴う温度上昇によって、外気が暖められる。
特開平11−242962号公報
しかしながら、暖気のためにヒータ163等の加熱装置を用いたり、コンプレッサを用いたりすると、かかる加熱装置やコンプレッサがエネルギーを大きく消費するので、それによってエネルギー効率が悪化するという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、燃料電池(燃料電池スタック)へ供給する空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化が改善された燃料電池システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、系外から取り入れた供給空気を、給気経路を介して前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を系外へ導出する排気経路の前記燃料電池側に位置し、前記排気の温度を熱交換によって冷却する上流側熱交換器と、その上流側熱交換器より前記排気経路の出口側に位置すると共に、前記給気経路上に位置し、前記排気及び前記給気経路を流通する供給空気の温度を熱交換によって調整する下流側熱交換器と、前記給気経路を流通する供給空気の温度に応じて、前記上流側熱交換器による前記排気に対する冷却量を調整する冷却量調整手段と、を備えている。
請求項2記載の燃料電池システムは、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、液体水を霧状に噴射して前記空気極へ前記液体水を供給する水供給手段を備えている。
請求項3記載の燃料電池システムは、請求項1又は2に記載の燃料電池システムにおいて、前記給気経路を流通する供給空気の温度を前記下流側熱交換器より前記空気極側にて検出する給気温度検出手段を備え、前記上流側熱交換器は、放熱用のファンを有しており、前記冷却量調整手段は、前記ファンの作動と停止とを、又は、前記ファンの回転数を、前記給気温度検出手段により検出された温度に基づいて制御する。
請求項1記載の燃料電池システムによれば、固体高分子型燃料電池の燃料極には、燃料ガス供給手段によって燃料ガスが供給される一方で、空気極には、酸化剤ガス供給手段によって系外から取り入れられた空気(供給空気)が常圧で供給される。その結果、燃料電池は、燃料ガスと空気との電気化学的反応により発電する。
燃料電池における空気極から排出された排気は、発電時の反応熱によって高温であり、排気経路上に位置する上流側熱交換器に流入されて冷却された後、同じく排気経路上に位置する下流側熱交換器に流入されて温度の調節が行われる。そして、下流側熱交換器から流出した排気は、最終的に、排気経路の出口から系外へ導出される。
一方、系外から取り入れられた供給空気は、酸化剤ガス供給手段により燃料電池の空気極へと供給するための流路である給気経路上に位置する下流側熱交換器に流入されて温度の調節が行われた後、最終的に、空気極へと供給される。
ここで、請求項1記載の燃料電池システムによれば、冷却量調整手段により、給気経路を流通する供給空気の温度に応じて、上流側熱交換器による排気に対する冷却量が調整される。従って、上流側熱交換器から流出された後に下流側熱交換器へ流入する排気の温度を、給気経路を流通する供給空気の温度に応じた温度に調整することができる。
下流側熱交換器には、排気と供給空気との両方が流入されるので、流入された排気の温度に応じて、下流側熱交換器における供給空気に対する熱交換量が変化する。よって、冷却量調整手段によって上流側熱交換器による排気の冷却量を調整することによって、下流側熱交換器において供給空気の温度を調整することができる。
従って、例えば、給気経路を流通する供給空気の温度が低い場合には、上流側熱交換器から高い温度の排気が流出されるように、上流側熱交換器による排気に対する冷却量を調整することによって、下流側熱交換器において供給空気の温度を上昇させることができる。同様に、給気経路を流通する供給空気の温度が高い場合には、上流側熱交換器からできるだけ低い温度の排気が流出されるように、上流側熱交換器による排気に対する冷却量を調整することによって、燃料電池へ供給される空気の温度が過剰に上昇することを防ぐことができる。
このように、請求項1記載の燃料電池システムによれば、給気経路を流通する供給空気の温度に応じて、下流側熱交換器において供給空気の温度を調整することができるという効果がある。よって、外気温(環境温度)が低い場合に、燃料電池内での生成水の凍結を防止することができると共に、外気温が高い場合に、燃料電池システム全体の過熱を抑制することができるという効果がある。
また、請求項1記載の燃料電池システムによれば、排気の熱量を利用して、供給空気の温度調整を行うことができるので、供給空気の温度調整のために使用する補機による消費電力を抑制することができ、供給空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化を改善できるという効果がある。
請求項2記載の燃料電池システムによれば、請求項1記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。水供給手段により、液体水が冷却水及び加湿水として空気極へ霧状に噴射されるので、空気極の冷却と加湿とを行うことができる。外気温が低い場合には、水供給手段によって噴射される水が凍結する虞があるが、請求項2記載の燃料電池システムによれば、給気経路を流通する供給空気の温度が低い場合であっても、下流側熱交換器において供給空気の温度を上昇させることができるので、低温の供給空気による燃料電池内での冷却水の凍結を防止することができるという効果がある。
請求項3記載の燃料電池システムによれば、請求項1又は2に記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。冷却量調整手段によって上流側熱交換器による排気に対する冷却量を調整する場合には、下流側熱交換器より空気極側にて給気温度検出手段によって検出された空気の温度に応じて、上流側熱交換器に設けられた放熱用のファンを作動(オン)又は停止(オフ)するか、又は、該ファンの回転数を制御することによって行われる。
即ち、放熱用のファンを作動させれば、上流側熱交換器による排気に対する冷却量を大きくすることができ、該ファンを停止させれば、該冷却量を小さくすることができる。あるいは、放熱用のファンの回転数を増加させれば、上流側熱交換器による排気に対する冷却量を大きくすることができ、該ファンの回転数を減少させれば、該冷却量を小さくすることができる。
よって、上流側熱交換器に設けられた放熱用のファンを用いて供給空気の温度調整を行うので、供給空気の温度調整を省電力にて行うことができ、供給空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化を好適に改善できるという効果がある。また、上流側熱交換器に設けられた放熱用のファンのオン/オフ又は回転数の制御によって供給空気の温度調整を行うので、一般的な熱交換器を使用することができ、供給空気の温度調整に伴う設備コストの増大を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池システムである燃料電池システム100の一実施形態を示すブロック図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池スタック40と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10(図4など参照)の燃料極(水素極、アノード極)13(図4参照)へ供給するための水素ガス供給系50と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極(酸素極、カソード極)12(図4参照)へ供給するための空気供給系60と、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極12へ霧状の液体水を供給して単位セル10を冷却し加湿する水供給系80と、燃料電池スタック40(各単位セル10の空気極12)から排出される排気を系外へ排出する排気系110とを備えている。
なお、図1に示す燃料電池システム100では、空気(供給空気、排気)の流通経路(空気供給路63や空気排出路111など)を最も太い実線により表しており、水素ガスの流通経路(水素ガス供給流路51aやガス導出路51dなど)を次に太い実線で表しており、水の流通経路(導水路81aや給水路81cなど)を点線で表している。また、燃料電池スタック40からの電気的な出力経路を二点鎖線で表している。
燃料電池スタック40は、単位セル10(図4など参照)と、隣接する単位セル10の間に介装されて隣接する単位セル10を電気的に接続するセパレータ20(図4など参照)とを、単位セル10及びセパレータ20の厚み方向に積層した構成とされている。なお、燃料電池スタック40(各単位セル10)は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料電池に該当する。
水素ガス供給系50は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料ガス供給手段に該当し、水素源となる水素ボンベである水素貯蔵タンク52と、その水素貯蔵タンク52に一端側が接続される水素ガス供給流路51aと、その水素ガス供給流路51aに一端側が接続され、他端側が燃料電池スタック40のガス取入口41に接続される水素ガス供給流路51bとを含んで構成される。
なお、水素ガス供給流路51aには、水素貯蔵タンク52の側から水素ガスの流通方向に向かって、水素元電磁弁(図示せず)と、一次圧センサ(図示せず)と、レギュレータ(図示せず)と、二次圧センサSE1と、並列接続される水素調圧弁53a及び水素起動電磁弁(図示せず)と、ガス供給弁53bと、三次圧センサSE2とが順に設けられている。
また、水素ガス供給系50は、燃料電池スタック40のガス排出口42に一端側が接続されるガス排出流路51cと、そのガス排出流路51cの他端側に接続され、ガス排出口42から排出された水素ガスに含まれる水を回収するためのトラップ54とを含んでいる。
さらに、水素ガス供給系50は、トラップ53に一端側が接続され、他端側が後述する排気流路111に接続されて、燃料電池スタック40から排出された水素ガスを系外へ導出するためのガス導出路51dを含んでいる。このガス導出路51dには、排気電磁弁53fが設けられている。
加えて、水素ガス供給系50は、トラップ53に一端側が接続されて、燃料電池スタック40から排出された水素ガスを循環させる循環流路51eを有している。なお、この循環流路51eには、トラップ54の側からガスの流通方向に向かって、循環ポンプ55と、循環調圧弁53cとが順に設けられている。
また、水素ガス供給系50は、一端側が水素ガス供給流路51bに接続される外気導入路51gを有している。この外気導入路51gの他端側は外部に開口している。外気導入路51gには、開口側から順に、フィルタ56と、外気導入電磁弁53dとが設けられている。なお、循環流路51eにおけるガスの出口側の端部は、外気導入路51gにおける外気導入電磁弁53dよりも水素ガス供給流路51bの側に接続されている。
また、水素ガス供給系50は、減圧排出路51fを有している。この減圧排出路51fは、循環流路51eにおける循環ポンプ55と循環調圧弁53cとの間に一端側が接続され、他端側が後述する排気流路111に接続されている。この減圧排出路51fには、減圧電磁弁53eが設けられている。
空気供給系60は、給気経路である空気供給路63と、燃料電池スタック40における図示されない空気流路の上流側に設けられ、空気供給路63の出口側の端部が接続される空気マニホールド62とを含んで構成される。
空気供給路63には、外気の取入口側から空気の流通方向に向かって、フィルタ64と、外気温センサSE6と、シロッコファンやターボファンなどの空気ファン61と、空気入口温度センサSE5とが順に設けられている。なお、空気入口温度センサSE5は、本発明の燃料電池システムにおける給気温度検出手段に該当する。
かかる構成を有する空気供給系60は、空気ファン61の駆動によって系外から取り入れた外気を、空気供給路63及び空気マニホールド62を介して、燃料電池スタック40の空気流路へ供給する。よって、本実施形態の燃料電池システム100は、常圧の空気(酸化剤ガス)を燃料電池スタック40に供給するシステムである。なお、この空気供給系60は、本発明の燃料電池システムを構成する酸化剤ガス供給手段に該当する。
また、図1に示すように、空気供給路63の経路上(具体的には、フィルタ64と空気ファン61との間)に、下流側熱交換器としての下流側凝縮器113が配設されている。詳細は後述するが、本実施形態の燃料電池システム100では、空気供給路63の経路上に、下流側凝縮器113を配設したことにより、燃料電池スタック40へ供給する空気の温度調整を省エネルギーで行うことができるように構成されている。
排気系110は、燃料電池スタック40における空気流路の下流側に設けられた図示されない排気マニホールドに一端側が接続される排気経路として空気排出路111を含んで構成される。
この空気排出路111の経路上には、燃料電池スタック40の側から空気(排気)の流通方向に向かって、排気温度センサSE9と、上流側熱交換器としての上流側凝縮器112と、下流側熱交換器としての下流側凝縮器113と、凝縮器排気温センサ(図示せず)と、フィルタ114とが順に設けられ、フィルタ114を通過した排気が系外へと排出される。
上流側凝縮器112及び下流側凝縮器113は、どちらも、外気温との熱交換によって排気の温度を冷却(調整)し、排気中に含まれる水分を分離して回収するものである。なお、ノズル83から噴射された水も、これらの凝縮器112,113により回収される。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100では、上流側凝縮器112の容量の方が、下流側凝縮器113の容量より大きく、それによって、上流側凝縮器112の熱交換容量の方が、下流側凝縮器113の熱交換容量より大きくなるように構成されている。
よって、燃料電池スタック40から排出された高温の排気を、まず、上流側凝縮器112にて十分に冷却した後、下流側凝縮器113へ流入させることができる。詳細は後述するが、本実施形態の燃料電池システム100では、下流側凝縮器113において、排気の温度を利用して、燃料電池スタック40へ供給する空気(供給空気)の温度調整を行うので、燃料電池スタック40から排出された高温の排気を上流側凝縮器112にて十分に冷却することによって、下流側凝縮器113における供給空気の温度制御を容易に行うことが可能となる。
図1に示すように、上流側凝縮器112には、放熱用のファン112aが設けられている。かかるファン112aにより上流側凝縮器112からの熱の放出量を調整することができる。
水供給系80は、水タンク82と、その水タンク82に一端側が接続され、水タンク82に貯留されている水を燃料電池スタック40へ供給するための給水路81cを含んで構成される。なお、この水供給系80は、本発明の燃料電池システムを構成する水供給手段に該当する。
水タンク82は、燃料電池スタック40へ冷却水及び加湿水となる水を供給するための水を貯留するものであり、この水タンク82には、水温センサSE7と、水位センサSE8とが設けられている。
給水路81cには、水タンク82の側から水の流通方向に向かって、フィルタ84と、給水ポンプ85と、水供給電磁弁86と、給水路81cからの水の出口となるノズル83とが順に設けられている。
ノズル83の先端は、空気マニホールド62に向けられており、給水路81cを介して水タンク82から導かれた水は、ノズル83の先端から噴射される。ノズル83から空気マニホールド62へ向けて噴射された水は、空気供給系60を流通する空気流によって霧状となって燃料電池スタック40へ送り込まれる。この霧状に噴射された水は、各単位セル10(図4など参照)の空気極12へと流れ込み、燃料電池スタック40に対する冷却水及び加湿水として作用する。
また、給水路81cにおける水タンク82とフィルタ84との間には、外気取入路81dが接続されており、この外気取入路81には、外気取入電磁弁87が設けられている。
図1に示すように、水供給系80はまた、上流側凝縮器112により回収された水を水タンク82へ導く導水路81aと、下流側凝縮器113により回収された水を水タンク82へ導く導水路81bとを含んでいる。
導水路81aは、その一端側が上流側凝縮器112に接続され、他端側が水タンク82に接続された経路であり、この導水路81aには、回収ポンプ88が設けられている。また、導水路81bは、その一端側が下流側凝縮器113に接続され、他端側が導水路81aにおける上流側凝縮器112と回収ポンプ88との間に接続されている。
以上のように構成された燃料電池システム100を運転する場合には、空気ファン61を駆動させ、系外から取り入れた外気(空気)を燃料電池スタック40の空気流路内へ供給すると共に、水供給系80の給水ポンプ85を駆動させて水を供給する。一方で、水素ガス供給系50の各電磁弁(電磁弁51a〜51gなど)を調整し、水素ガスを所定の圧力として燃料電池スタック40の水素ガス流路内へ供給する。
その結果、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10にて水素と酸素とによる水生成反応(電極反応)が行われ、生じた電流が負荷系90へ流れる。かかる燃料電池システム100の運転中は、霧状となって供給される水によって各単位セル10が冷却及び加湿される。
上記構成を有する燃料電池システム100には、負荷系90が接続されており、燃料電池スタック40から出力される電力は、この負荷系90に供給される。燃料電池スタック40の電極は、配線91を介して、リレー92,93に接続されている。さらに、これらのリレー92,93には、インバータ94を介してモータ95に接続されている。また、インバータ94には、出力制御装置95を介して補助電源96が接続されている。この負荷系90には、燃料電池スタック40の出力電圧を検出する電圧センサSE4と、燃料電池スタック40の出力電流を検出する電流センサSE3とが設けられている。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池システム100の運転を制御する制御装置70をさらに有している。この制御装置70は、中央演算処理装置であるCPU71と、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM72と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するRAM73と、これらのCPU71、ROM72、及びRAM73とバスライン74を介して接続される入出力ポート75とから主に構成される。
この制御装置70の入出力ポート75には、図示されない配線によって、各センサ(センサSE1〜SE9など)、各電磁弁(電磁弁51a〜51f,86,87など)、各ポンプ85,88、空気ファン61、インバータ94、及び出力制御装置95などに接続されている。制御装置70は、各センサからの検出値の入力に基づいて、各電磁弁(電磁弁51a〜51f,86,87など)、各ポンプ85,88、空気ファン61、インバータ94、及び出力制御装置95などの制御等、燃料電池システム100を運転するための各種制御を行う。
また、図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100では、制御装置70の入出力ポート75が、空気供給系60における空気入口温度センサSE5と、排気系110における上流側凝縮器112に設けられている放熱用のファン112aとに接続されている。
詳細は後述するが、本実施形態の燃料電池システム100の制御装置70は、空気入口温度センサSE5により検出された温度(即ち、空気供給路63を流通する燃料電池スタック40への供給空気の温度)に応じて、ファン112aをオン/オフするように構成されている。かかる制御によって、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量が調整されて、この上流側凝縮器112から排出される排気の温度、延いては、下流側凝縮器113へ流入する排気の温度を調整することができる。
ここで、下流側凝縮器113へ流入する排気の温度は、同じく下流側凝縮器113へ流入する供給空気の熱交換量に影響するので、結果として、空気入口温度センサSE5により検出された温度に応じて、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量を調整することによって、燃料電池スタック40へ供給する供給空気の温度もまた調整できる。
このように、本実施形態の燃料電池システム100では、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量を、空気入口温度センサSE5により検出された温度に応じて調整し、それによって、燃料電池スタック40へ供給する供給空気の温度を調整するように構成されているので、燃料電池スタック40から排出される高温の排気を利用して、燃料電池スタック40へ供給する空気の温度調整を行うことができる。
次に、図2〜図4を参照して、燃料電池スタック40の構成について説明する。図2(a)は、本実施形態における燃料電池スタック40を模式的に示す上面図であり、図2(b)は、燃料電池スタック40を構成するセルモジュール30を模式的に示す上面図である。なお、図2(a)では、2つのセルモジュール30を代表として図示し、その他のセルモジュール30の図示を省略している。また、図2(b)では、理解を容易にする目的で、単位セル10とセパレータ20との位置関係のみ図示し、具体的構成は省略している。
また、図3(a)は、セルモジュール30を空気極側から見た正面図であり、図3(b)は、セルモジュール30を燃料極側から見た正面図である。図4(a)は、図3(a)のIVa−IVa矢視要部断面図であり、図4(b)は、図3(a)の矢視要部断面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態における燃料電池スタック40は、セルモジュール30を複数積層して構成される。
セルモジュール30は、図2(b)に示すように、単位セル10と、隣接する単位セル10の間に介装されて隣接する単位セル10を電気的に接続するセパレータ20とを、単位セル10及びセパレータ20を支持するフレーム17,18を1セットとして、厚み方向に複数セット積層して構成される。なお、図2(b)に例示されるセルモジュール30は、単位セル10及びセパレータ20などを含む1セットが10セット積層されたものである。
セルモジュール30は、隣接する単位セル10が所定の間隔に離間されて配置されるように、単位セル10とセパレータ20とが、2種類のフレーム17,18を交互にスペーサとして多段に重ねられて積層されている。
セルモジュール30における積層方向の一端(図2(a)における上端面側)は、図3(a)に示すように、セパレータ20の空気極側コレクタ22の端面とフレーム17の端面とで終端している。一方で、セルモジュール30における積層方向の他端(図2(a)における下端面側)は、図3(b)に示すように、セパレータ20の燃料極側コレクタ23の端面とフレーム18の端面とで終端している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、単位セル10は、固体高分子電解質膜11と、その固体高分子電解質膜11の一方の面に当接する空気極12と、固体高分子電解質膜11の他方の面に当接する燃料極13とから構成されている。
固体高分子電解質膜11としては、例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製)やAciplex(登録商標:旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。
空気極12は、空気(酸化剤ガス)を拡散しながら透過する導電性材料からなる拡散層(図示せず)と、その拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜11に当接される反応層(図示せず)とから構成されている。
燃料極13は、水素ガス(燃料ガス)を拡散しながら透過する導電性材料からなる拡散層(図示せず)と、その拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜11に当接される反応層(図示せず)とから構成されている。
なお、空気極12及び燃料極13を構成する拡散層は、ガス拡散が可能なカーボン製の織物やカーボン製の紙等から構成されるものであり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン繊維からなる不織布等を用いることができる。また、空気極12及び燃料極13を構成する反応層しては、例えば、白金触媒が担持されたカーボンとPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とを含んで構成された反応層(触媒層)を採用することができる。
単位セル10を構成する部材のうち、空気極12及び燃料極13は、それらの支持部材とされるフレーム18開口部の横方向寸法(短手方向寸法)より若干長い横方向寸法と、開口部の縦方向寸法(長手方向寸法)より若干長い縦方向寸法を有するものとされている。また、固体高分子電解質膜11は、開口部の縦横方向寸法より一回り大きな縦横方向寸法を有するものとされている。
セパレータ20は、セパレータ本体21と、そのセパレータ本体21の一側に設けられ、単位セル10の空気極12の拡散層(図示せず)に当接される空気極側コレクタ22と、セパレータ本体21の他側に設けられ、単位セル10の燃料極13の拡散層(図示せず)に当接される燃料極側コレクタ23とから構成される。
セパレータ本体21は、隣接する単位セル10間のガス遮断部材として機能する板厚の薄い金属薄板である。セパレータ本体21を構成する金属としては、導電性と耐蝕性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金などに金メッキなどの耐蝕導電処理を施したものが挙げられる。
空気極側コレクタ22は、空気極12と接触して集電すると共に、空気極12への空気の供給と空気極12からの生成水の排出とを可能にする多数の孔を有する導電性部材である。また、空気極側コレクタ22は、放熱板としても機能し、水供給系80のノズル83(図1参照)から噴射される水によって冷却される。なお、この空気極側コレクタ22の詳細構成については、図5などを参照して後述する。
燃料極側コレクタ23は、燃料極13と接触して集電すると共に、燃料極13への水素ガスの供給を可能にする多数の孔を有する導電性部材である。なお、この燃料極側コレクタ23は、空気極側コレクタ22と同様に構成できるので、詳細な説明は省略する。
セパレータ20の外側には、単位セル10を含めて所定の位置関係に保持できるよう、フレーム17,18が配置される。これらのフレーム17,18は、絶縁性材料から構成される。
より具体的には、空気極側コレクタ22の左右両側にフレーム17が配置され、燃料極側コレクタ23の周縁部にフレーム18が設けられている。なお、最も外端に配置されるフレーム17は、図3に示すように、その上下端が相互にバックアッププレート17a及び17bによって連結されて枠状に構成されている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、空気極側コレクタ22側に配置されるフレーム17は、外端(図4(a)における最上端、図4(b)における左端)に配置されるものを除き、空気極側コレクタ22の短辺に沿う両側に配置される縦枠部171から構成されている。このフレーム17の板厚は、空気極側コレクタ22の厚みに匹敵する厚さとされている。
縦枠部171には、板厚方向に貫通する長孔172が水素ガス流路形成のために設けられている。なお、セパレータ本体21の面における縦横方向寸法は、フレーム17の面における縦横方向寸法に匹敵する大きさとされ、フレーム17の長孔172に重なる位置に、同様の長孔212を備える構成とされている。
かかるフレーム17の配置により、左右両側の縦枠部171の間には、単位セル10の空気極12とセパレータ本体21とで囲まれた空気室が形成される。なお、詳細は後述するが、かかる空気室内には、図4(a)における紙面垂直方向に延びる線状のリブ部材222(空気極側コレクタ22の一部)が、複数本、平行に立設されており、かかるリブ部材222の設置により、一方向(図4(a)における紙面垂直方向)に全通する空気流路が形成される。
一方、図4(b)に示すように、燃料極側コレクタ23及び単位セル10を囲むフレーム18は、左右縦枠部と上下横枠部182とを有する枠状部材であり、枠状に構成されたフレーム17(図3(a))と同じ大きさに構成されている。なお、フレーム18における左右縦枠部は、図4(a)の記載範囲よりさらに右側に位置するために図示されていないが、フレーム17の両縦枠部171の左右両側端と同じ位置に両側端を有し、短手方向長さ(幅)が上下横枠部182の短手方向長さと略同じに構成されている。
図4(a)に示すように、かかるフレーム18は、外端(図2(b)における最下端、図3(b)示す面)に配置されるものを除き、左右縦枠部と平行に延び、燃料極側コレクタ23の左右端(図4(a)における左右方向の端部)に重なる薄板状のバックアッププレート18aと厚板状のバックアッププレート18bとから構成されている。なお、フレーム18の板厚は、燃料極側コレクタ23の厚みに匹敵する厚さとされている。
バックアッププレート18aと縦枠部171とにより囲まれる空間が、上述したフレーム17を板厚方向に貫通する長孔172と共に、水素ガス流路形成のための空間を構成している。また、各フレーム18の内周側に、単位セル10の燃料極13とセパレータ本体21とで囲まれた燃料室が形成される。
なお、かかる燃料室内には、リブ部材222と直交する方向(即ち、図4(b)における紙面垂直方向、図4(a)における左右方向)に延びる線状のリブ部材232(燃料極側コレクタ23の一部)が、複数本、平行に立設されている。かかるリブ部材232の設置により、上述した空気流路に直交する方向に(図4(b)における紙面垂直方向)に全通する水素ガス流路が形成される。
次に、図5を参照して、空気極側コレクタ22の詳細構成について説明する。図5(a)は、空気極側コレクタ22をセパレータ本体21側から見た正面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるVb方向から見た側面図である。なお、図5(a)及び図5(b)では、ベースコレクタ221に開口される孔221a,221bの図示を省略している。
図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態の空気極側コレクタ22は、ベースコレクタ221と、複数本のリブ部材222とから構成される。
ベースコレクタ221は、単位セル10の空気極12に当接され、空気極12から集電する導電性の板状体である。かかるベースコレクタ221は、導電性と耐蝕性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金などに金メッキなどの耐蝕導電処理を施したものから作製される。
また、ベースコレクタ221は、多数の孔が開口された多孔体、例えば、エキスパンドメタルやパンチングメタルなどから構成される。なお、ベースコレクタ221に開口される孔の形状は、本実施形態では図示を省略するが、例えば、菱形や、正方形や、六角形や、円形等の形状を適宜採用することができる。
ベースコレクタ221に開口される孔は、その形状が菱形である場合には、例えば、短い方の対角寸法を約0.7mm〜約1.3mm程度に、長い方の対角寸法を約0.8mm〜約2.8mm程度に設計することができる。また、ベースコレクタ221に開口される孔の開口率は、約30〜約50%程度であることが好ましい。
一方、複数本のリブ部材222は、図5(a)及び図5(b)に示すように、各々、矩形状の断面を有する線状体であり、これらのリブ部材222は、ベースコレクタ221における空気極12との当接面とは反対側の面に、互いに略平行に配列された状態で立設される。リブ部材222は、例えば、拡散接合によってベースコレクタ221の表面に接合される。
このように、ベースコレクタ221上に立設されたリブ部材222は、空気極側コレクタ22において、ベースコレクタ221とセパレータ本体21との間に介挿されて、空気流路(空気室)となる空間を形成する。
燃料電池における高効率発電を実現すると共に、補機の動力損失を抑えるためには、空気流路の空気流れ抵抗を極力低くすることが好ましい。よって、単位セル10に空気を供給する流路の高さ、即ち、リブ部材222の高さ寸法を適切に確保する必要がある一方で、燃料電池スタック40の小型化、即ち、セルモジュール30の小型化を図るためには、リブ部材222の高さ寸法は低ければ低いほど好ましい。従って、リブ部材222の高さ寸法は、これらの条件を両立する高さに設定され、例えば、約0.5mm〜約0.9mm程度に設定される。
このリブ部材222は、導電性と耐蝕性とを有する金属から構成されている。なお、リブ部材222を構成する材料(材質)は、上述したベースコレクタ221と同材料であっても、相違する材料であってもよい。また、リブ部材222の断面形状は、図5(b)に示した矩形状に限らず、例えば、三角形や円形など、他の形状であってもよい。
なお、燃料極側コレクタ23も、空気極側コレクタ22と同様に構成することができる。即ち、燃料極側コレクタ23を、ベースコレクタ221に相当するベースコレクタ231(図4(b)参照)と、リブ部材222に相当するリブ部材232(図4(b)参照)とから構成すればよい。
次に、図6を参照して、上記構成を有する燃料電池システム100において、燃料電池スタック40へ供給する空気(供給空気)の温度を調整する制御方法について説明する。図6は、燃料電池システム100における制御装置70において実行される供給空気温度調整処理を示すフローチャートである。なお、図6に示す供給空気温度調整処理は、本発明の燃料電池システムにおける冷却量調整手段に該当する。
この供給空気温度調整処理は、空気入口温度センサSE5により検出された温度に応じて、燃料電池スタック40へ供給する供給空気の温度を調整するための処理であり、制御装置70の電源が投入されている間、CPU71により定期的に(例えば、0.5s間隔で)繰り返し実行される。なお、この供給空気温度調整処理を実行する制御プログラムは、ROM72内に格納されている。
図6に示すように、この供給空気温度調整処理では、まず、空気入口温度センサSE5による検出値、即ち、空気供給路63を流通する空気(供給空気)の温度を示す検出値を取得し(S1)、取得された検出値が示す温度が第1閾値(例えば、0°)未満であるか否かを確認する(S2)。
S2の処理により確認した結果、温度が第1閾値未満である場合には(S2:Yes)、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aをオフし(S3)、この供給空気温度調整処理を終了する。
S3の処理の結果、ファン112aが停止し、上流側凝縮器112からの放熱量が小さくなる。それによって、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量が小さくなるので、上流側凝縮器112から流出する排気の温度が上昇する。このように、上流側凝縮器112から流出する排気の温度が上昇するので、下流側凝縮器113へ流入する排気の温度も上昇する。よって、燃料電池スタック40へ供給すべく取り入れられた外気は、下流側凝縮器113内にて、それ以前に比べて高温となって流入した排気と接触するので、その温度を上昇させることができ、燃料電池スタック40へ供給する供給空気の温度を上昇させることができる。
一方、S2の処理により確認した結果、温度が第1閾値以上である場合には(S2:No)、取得された検出値が示す温度が第2閾値(例えば、50°)以上であるか否かを確認する(S4)。
S4の処理により確認した結果、温度が第2閾値以上である場合には(S4:Yes)、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aをオンし(S5)、この供給空気温度調整処理を終了する。
S5の処理の結果、ファン112aが作動し、上流側凝縮器112からの放熱量が大きくなる。それによって、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量が大きくなるので、上流側凝縮器112から流出する排気の温度が低下する。このように、上流側凝縮器112から流出する排気の温度が低下するので、下流側凝縮器113へ流入する排気の温度も低下する。よって、燃料電池スタック40へ供給すべく取り入れられた外気は、下流側凝縮器113内にて、それ以前に比べて冷却された排気と接触するので、その温度の上昇を抑制することができる。従って、過剰に高温の空気が燃料電池スタック40へ供給されることを抑制できる。
一方、S4の処理により確認した結果、温度が第2閾値未満である場合には(S4:No)、何も行うことなく、即ち、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aの作動状態を維持したまま、この供給空気温度調整処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、給気経路としての空気供給路63を流通する供給空気の温度(即ち、給気温度検出手段としての空気入口温度センサSE5により検出される温度)に応じて、上流側熱交換器としての上流側凝縮器112に設けられている放熱用のファン112aが制御され、それによって、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量が調整される。よって、下流側熱交換器としての下流側凝縮器113へ流入する排気の温度が調整されることになり、その結果として、下流側凝縮器113内を流通する供給空気の温度を調整することができる。
具体的には、空気供給路63を流通する供給空気の温度が予め決められた温度(第1閾値)より低い場合には、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aをオフし、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量を小さくすることによって、上流側凝縮器112から、それ以前に比べて高い温度の排気を流出させて、下流側凝縮器113において供給空気の温度を上昇させる。
よって、外気温(環境温度)が低い場合であっても、燃料電池スタック40内で生じる電気化学的反応の結果として生じる生成水の凍結を防止することができる。また、本実施形態の燃料電池システム100は、ノズル83から噴射する液体水によって、燃料電池40の冷却と加湿を行う直噴水タイプのシステムであるので、かかる冷却水や加湿水の凍結も防止される。
一方で、空気供給路63を流通する供給空気の温度が予め決められた温度(第2閾値)以上である場合には、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aをオンし、上流側凝縮器112による排気に対する冷却量を大きくすることによって、上流側凝縮器112から、それ以前より比べて冷却された排気を流出させて、下流側凝縮器113において供給空気の温度を調整する。その結果、燃料電池スタック40へ供給される空気の温度が過剰に上昇することを防ぐことができる。よって、外気温(環境温度)が高い場合に、燃料電池システム100全体の過熱を抑制することができる。
このように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、燃料電池スタック40から排出される排気の熱量を利用して、供給空気の温度調整を行うことができるので、かかる供給空気の温度調整のために使用する補機による消費電力を抑制することができ、供給空気の温度調整に伴うエネルギー効率の悪化を改善できる。
特に、本実施形態の燃料電池システム100によれば、上流側凝縮器112に設けられている放熱用のファン112aを用いて、下流側凝縮器113内を流通する供給空気の温度を調整するので、供給空気の温度調整を省電力にて行うことができ、温度調整に伴うエネルギー効率の悪化が好適に改善される。また、上流側凝縮器112に設けられている放熱用のファン112aを用いた制御であるので、放熱用のファンを有する一般的な熱交換器を使用することができ、供給空気の温度調整に伴う設備コストの増大を抑制できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、上流側凝縮器112と下流側凝縮器113とを各々別体の凝縮器として構成した。これに換えて、1の凝縮器の内部を2区画に分離し、外気の導入部を2区画のうち、排気経路の出口側(即ち、排気経路の下流側)に位置する区画から導入するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、空気入口温度センサSE5により検出される温度に応じて、放熱用のファン112aを制御する構成としたが、放熱用のファン112aを制御するために参照される供給空気の温度の検出位置は、空気入口温度センサSE5の設置位置に限定されず、外気温センサSE6の設置位置などであってもよい。
なお、放熱用のファン112aを制御するために参照される供給空気の温度の検出位置は、空気入口温度センサSE5のように、下流側凝縮器113より燃料電池スタック40(空気極12)側であることが好ましい。かかる検出位置を下流側凝縮器113より燃料電池スタック40(空気極12)側にすることにより、燃料電池スタック40の空気極12に実際に供給される空気の温度が、過剰な低温又は過剰な高温とされることを防止することができる。よって、系外から取り入れた空気を好適な温度で燃料電池に供給することができる。
また、上記実施形態では、空気入口温度センサSE5により検出される温度に応じて、放熱用のファン112aをオン/オフ制御するように構成した。即ち、上記実施形態では、空気入口温度センサSE5により検出される温度に応じて、放熱用のファン112aを作動させて回転させるか、その回転数をゼロ(即ち、停止)させるかのいずれかとする構成であった。これに換えて、空気入口温度センサSE5により検出される温度に応じて、回転を維持したまま回転数を増減する構成としてもよい。
具体的には、空気入口温度センサSE5により検出される温度が予め決められた温度(第1閾値)より低い場合には、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aの回転数を下げ、その一方で、かかる検出温度が予め決められた温度(第2閾値)以上である場合には、上流側凝縮器112における放熱用のファン112aの回転数を上げるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、空気入口温度センサセンサSE5による検出値が示す温度と比較する閾値として、第1閾値と第2閾値との2つの閾値を用いる構成としたが、1つの閾値のみを用いて、その閾値以上であるか以下であるかに応じてファン112aのオン/オフを制御するように構成してもよい。あるいは、2つ以上の閾値を用いてファン112aのオン/オフをを制御する構成であってもよい。
本発明の燃料電池システムである燃料電池システムの一実施形態を示すブロック図である。 (a)は、燃料電池スタックを模式的に示す上面図であり、(b)は、燃料電池スタックを構成するセルモジュールを模式的に示す上面図である。 (a)は、セルモジュールを空気極側から見た正面図であり、(b)は、セルモジュールを燃料極側から見た正面図である。 (a)は、図3(a)のIVa−IVa矢視要部断面図であり、(b)は、図3(a)の矢視要部断面図である。 (a)は、空気極側コレクタをセパレータ本体側から見た正面図であり、(b)は、(a)におけるVb方向から見た側面図である。 制御装置において実行される供給空気温度調整処理を示すフローチャートである。 従来の直噴水タイプの燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 単位セル(燃料電池)
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
40 燃料電池スタック(燃料電池)
50 水素供給系(燃料ガス供給手段)
60 空気供給系(酸化剤ガス供給手段)
63 空気供給経路(給気経路)
80 水供給系(水供給手段)
100 燃料電池システム
111 空気排出路(排気経路)
112 上流側凝縮器(上流側熱交換器)
112a 放熱用のファン
113 下流側凝縮器(下流側熱交換器)
SE5 空気入口温度センサ(給気温度検出手段)

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池と、
    燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、
    系外から取り入れた供給空気を、給気経路を介して前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を系外へ導出する排気経路の前記燃料電池側に位置し、前記排気の温度を熱交換によって冷却する上流側熱交換器と、
    その上流側熱交換器より前記排気経路の出口側に位置すると共に、前記給気経路上に位置し、前記排気及び前記給気経路を流通する供給空気の温度を熱交換によって調整する下流側熱交換器と、
    前記給気経路を流通する供給空気の温度に応じて、前記上流側熱交換器による前記排気に対する冷却量を調整する冷却量調整手段と、を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 液体水を霧状に噴射して前記空気極へ前記液体水を供給する水供給手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記給気経路を流通する供給空気の温度を前記下流側熱交換器より前記空気極側にて検出する給気温度検出手段を備え、
    前記上流側熱交換器は、放熱用のファンを有しており、
    前記冷却量調整手段は、前記ファンの作動と停止とを、又は、前記ファンの回転数を、前記給気温度検出手段により検出された温度に基づいて制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。





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