JP2005340179A - セパレータ及びそれを用いた燃料電池装置 - Google Patents

セパレータ及びそれを用いた燃料電池装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空気極側に供給する空気を利用して単セルを冷却する方式の燃料電池において、単純な構成で冷却効率を向上させる。
【解決手段】電解質11を電極12、13で挟んだ単セル10Aの間に冷却空間Aを形成すべく、単セル10Aの間に介挿される燃料電池装置のセパレータ10Bは、単セル10Aの電極12、13に当接する多孔(こう)の放熱板14を備える。これにより、放熱板14と供給空気の接触面が孔の形成によって広くなるため、電極12、13の熱を冷却空間Aを流れる空気流に伝達する放熱フィンとしての機能が向上する。
【選択図】図10

Description

本発明は、燃料電池装置に関し、特に、その単セル間に介挿されるセパレータを利用した燃料電池装置の冷却技術に関する。
燃料電池には種々の形式のものがあるが、それらのうち、特に、反応温度が低いことで小型に構成可能なため、車両への搭載に適するものとして高分子電解質形燃料電池がある。この形式の燃料電池は、高分子電解質膜をガス拡散電極(触媒層と多孔(こう)質支持層(ガス拡散層)から成る。)で挟んだ膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を単セル(単電池)とし、その外側に水素(燃料ガス)や酸素(酸化剤ガス)等の反応ガスの供給通路を形成するセパレータを配した積層構造とされている。このセパレータは、積層方向に隣り合うMEAへの反応ガスの透過を防止するとともに、発生した電流を外部へ取り出すための集電を行う。上記のようなMEAとセパレータとを多数積層してセルスタックが構成される。
燃料電池では、電解反応によって発生電力にほぼ相当する熱量の熱が発生するため、特に、低温で作動する高分子電解質形燃料電池においては、単セルが過度にヒートアップすることを防止する冷却手段を必須とする。この冷却手段としては、一般に、セルスタック中に反応ガスの供給路とは別の冷却通路を設け、この通路に冷却水を流す等の手段が用いられる。
出願人は、先に、前記のような電解質膜の冷却のために、空気極へ供給する酸化剤ガスとしての空気の供給を、本来反応に必要とする量よりはるかに多くして、単セルを直接空冷する技術を提案している。この提案に係る技術では、更に、電解質膜の湿潤のために、空気極へ供給する空気中に加湿水を霧状に混在させて、ガス拡散電極に供給する方式が採用されている。詳しくは、この技術では、前記セパレータの加工性の向上と、燃料電池の薄肉化を狙(ねら)って、セパレータのスペーサ部を波板状の薄板金属板とし、波板の波山と波山裾(すそ)との中間部分に通気孔を設け、該通気孔を経て空気とセパレータからの加熱によって蒸気化した加湿水を、ガス拡散電極に供給する構成を採っている。
この構成によれば、セパレータのスペーサ部の波形形状によって、ガス供給路を細分化して電極に対する空気の供給を均一化することができ、しかも加湿水のガス供給通路内での蒸発を潜熱冷却にも利用することで、気流による冷却と相俟(ま)って冷却効率を向上させることができる。
ところで、電極が保湿を要しない溶融炭酸塩形燃料電池においては、セパレータのスペーサ部を薄板金属板で構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術では、電極に当接させる部分(集電体)を平板状孔(あな)開き金属板とし、ガス供給路を構成する部分(スペーサとして機能する流路板)を、波状にプレス加工した孔開き金属板としている。
同様の構成が特開平6−44981号公報に記載の技術にもみられる。この技術では、固体電解質板の両面に各電極を一体形成したものを、有孔性通電平板、通電性スペーサとしての有孔性波板及び両面に平底状凹部等を設けたセパレータを介して集積した構成が採られている。
特開平5−29009号公報 特開平6−44981号公報
前記特許文献1や特許文献2に記載の技術は、溶融炭酸塩形燃料電池に関するものであり、酸化極側への空気の供給と同時に二酸化炭素の供給を必須とすることから、出願人の提案に係るような常圧の空気の供給による単セルの冷却を意図するものではない。
また、これらの技術では、流路板又は通電スペーサが集電体又は通電平板を介して電極に接する構成であるため、これらが重なり合う部分で、孔位置のずれによって電極面と空気流との接触面が狭められることから、仮にこれらの構成を空冷に用いたとしても、十分な冷却効果を期待することはできない。
本発明は、上記の事情に鑑みて案出されたものであり、空気極側に供給する空気を利用して単セルを冷却する方式の燃料電池において、単純な構成で冷却効率を向上させることを主要な目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、電解質(11)を電極(12、13)で挟んだ単セル(10A)の間に冷却空間(A)を形成すべく、単セル(10A)の間に介挿される燃料電池装置のセパレータ(10B)において、前記単セル(10A)の電極(12、13)に当接する多孔の放熱板(14)を備えてなることを特徴とする。
次に、本発明は、電解質(11)を電極(12、13)で挟んだ単セル(10A)の間に常圧の気流を流動させる冷却空間(A)を形成すべく、単セル(10A)の間にセパレータ(10B)が介挿された燃料電池装置において、前記セパレータ(10B)は、前記単セル(10A)の電極(12、13)に当接する多孔の放熱板(14)を備えてなることを特徴とする。
前記の構成において、前記放熱板(14)は、前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)と、該伝熱部(141)から空間内に延び出す放熱部(14a)とを一体に備える構成とすることが望ましい。
また、前記放熱部(14a)は、前記冷却空間(A)を該冷却空間(A)の一端から他端に通じる多数の空間に分割する構成が望ましい。
また、前記放熱板(14)は、矩(く)形波波板状の金網部材で構成され、矩形波の波底部を前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)とする構成が有効である。
この場合、前記金網部材の開口率は、25〔%〕以上であることが望ましい。
また、前記金網部材の孔径は、1〔mm〕以下であることが望ましい。
前記いずれの構成も、前記単セル(10A)の電解質(11)が、水を含むものへの適用が有効である。
本発明によれば、単セルの電極に当接する放熱板が多孔とされていることで、孔部の重なり合いによって電極への空気の供給が規制されることがなくなる。また、放熱板と供給空気の接触面が孔の形成によって広くなるため、電極の熱を冷却空間を流れる空気流に伝達する放熱フィンとしての機能が向上する。このため、空気極側に供給する空気を利用して単セルを冷却する方式の燃料電池において、単純な構成で空気の拡散性と冷却効率を併せて向上させることができる。
また、放熱板を電極に接する伝熱部と、該伝熱部から空間内に延び出す放熱部とを一体に備える構成とした場合、放熱板と供給空気との接触面を一層広くすることができ、しかも電極から放熱板の放熱部への熱伝達が良好となる。
また、放熱部が冷却空間を該冷却空間の一端から他端に通じる多数の空間に分割する構成とした場合、放熱部を利用して冷却空間内を流れる空気の流れの偏りをなくすことができるため、空気の拡散の均一化が可能となり、電極に対する供給空気の拡散性が向上するとともに、電極の冷却の均一化による温度分布の平均化が可能となる。
さらに、放熱板を矩形波波板状の金網部材で構成した場合、電極と放熱板の接触部が矩形波の底部の平坦(たん)な網目となるため、矩形波の波底幅に対応する面部分で網目部分の接触によって接触圧が高い接触状態が確立され、放熱板による集電性能が向上し、しかも網目間の広い開口部によって供給空気の電極への拡散性も向上する。
本発明は、供給空気中に冷却水を直接噴射によって混入させて空気極側に供給する方式の燃料電池に適用して特に有効なものであり、これにより、空気流による冷却と併せて、多孔の放熱板に冷却水が均一に付着しかつ保持されることによって、電極全面にて反応生成熱を利用した均一な潜熱冷却が可能となり、冷却能が一層向上する。
金網部材の開口率は、十分な反応ガスを電極に供給する上で、大きいことが望ましく、機能達成上25〔%〕以上であることが望ましい。
また、前記金網部材の孔径は、反応ガスの拡散を均一化する上で、1〔mm〕以下であることが望ましい。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。まず、図1〜10は本発明の第1実施例を示す。図1は、この発明の適用に係る燃料電池スタック1を用いた車両用燃料電池装置の構成例を示す。この燃料電池装置は、燃料電池スタック1を主体とし、それに酸化剤と冷媒とを兼ねる空気を供給するファンであって空気供給手段としての空気ファン21を含む空気供給系(図に実線で示す)2及び水凝縮器31を含む空気排出系3とから成る燃料電池主体部と、燃料としての水素を供給する水素供給手段としての水素タンク41を含む燃料供給系(図に2点鎖線で示す)4と、反応部の湿潤と冷却のための水を供給する水供給系(図に破線で示す)6とから構成される。
燃料電池の主体部に配置された空気ファン21は、空気供給路20を介して空気マニホールド22に接続され、該空気マニホールド22は、燃料電池スタック1を収容する図示しない筐(きょう)体に接続されている。空気排出系3の水凝縮器31は、前記筐体の空気排出路30中に介挿して燃料電池スタック1に接続されている。空気排出路30には排気温度センサ32が配置されている。
燃料供給系4は、水素タンク41に貯蔵された水素を水素供給路40を介して燃料電池スタック1の水素通路へ送るべく設けられている。水素供給路40には、水素タンク41側から燃料電池スタック1側に向けて、水素圧センサとしての一次圧センサ42、水素供給調圧弁としての調圧弁43A、供給電磁弁44A、水素供給調圧弁としての調圧弁43B、供給電磁弁44B、水素圧センサとしての二次圧センサ45が設けられている。また、水素供給路40には付随的に水素帰還路40aと水素排出路50が設けられている。水素帰還路40aには、燃料電池スタック1側から順に、水素濃度センサ46A、46B、吸引ポンプ47、逆止弁48が配置され、該逆止弁48の下流が水素供給路40に接続されている。該水素帰還路40aにおける吸引ポンプ47と逆止弁48との間には、水素排出路50が接続されており、該水素排出路50には、逆止弁51と、排出電磁弁52と、燃焼器53が配置されている。
水供給系6は、水タンク61に貯蔵された水を水供給路60を介して燃料電池スタック1の前記筐体の空気マニホールド22に配置されたノズル63へ送るべく設けられている。水供給路60には水ポンプ62が配置されている。また、水タンク61には、水位センサとしてのレベルセンサ64が配置されている。水供給系6には更に燃料電池スタック1の前記筐体と水タンク61をつなぐ水帰還路60aが設けられ、該水帰還路60aにはポンプ65と逆止弁66が配置されている。水帰還路60aは、ポンプ65の上流側で水凝縮器31に接続されている。なお、図において、符号71は燃料電池の起電圧をモニターする電圧計を示す。
図2は、図1に示す燃料電池装置の制御系をブロックで示す。図2の左列に示すブロックは、制御のための情報を取得する入力手段を示し、右列に示すブロックは、制御対象となる出力手段を示す。これらの手段をつなぐコンピュータから成る制御装置8は、メモリ81を備えるものとされ、燃料電池装置のコントロールボックス(図1に示されていない)に収納されている。メモリ81には制御装置8の動作を規定するコントロールプログラム、各種制御を実行するときのパラメータ及びルックアップテーブルが収納されている。
次に、本実施例の燃料電池装置の運転制御を説明する。この運転制御は、水素供給量制御と、空気供給量制御と、水供給量制御とで構成される。まず、燃料電池装置の起動時は、図3に示すフローを参照して、ステップS1で起動スイッチ(図1及び2には図示せず)をオンとすると、ステップS2によって水ポンプ62がオンとなる。このとき、所定の水噴射量となるように水ポンプ62の運転状態が調節され、ステップS3によってノズル63から空気マニホールド22内に水が噴射される。このときの水量は、異常反応から燃料電池スタック1を守るために空気極への供給水量が最大量となるようにされる。次のステップS4によって、空気供給系2がオンとなる。このとき空気ファン21の風量も最大とされ、単セルの冷却によって、異常反応の防止が図られる。次いでステップS5によって、水素供給系4がオンとなる。こうして燃料電池スタック1の空気極と燃料極との間に所望の出力が確認されたら、電力が外部に出力される。
前記のフローにおいて、空気供給系2の稼動(ステップS4)は、水供給系6の稼動(ステップS2及び3)に先行して成されても良いし、水素供給系4の稼動(ステップS5)の後に成されても良い。ただし、水供給系6の稼動は、水素供給系4を稼動させる前に成される必要がある。その理由は、単セルには空気供給系2の稼動の有無にかかわらず空気が存在しているため、電解質膜が乾燥した状態で水素を供給すると、異常燃焼が発生する可能性があるためである。つまり、この燃焼による異常熱が発生した場合でも、単セルがダメージを被らないように、水素を供給する前に水を噴射してあらかじめ空気極を濡(ぬ)らしておく。こうすることで、異常熱を水の蒸発熱に換え、更には電解質膜の湿潤を促進して、単セルのダメージを未然に防止することができる。
前記のようにして起動が完了した後は、水素供給量制御と、空気供給量制御と、水供給量制御とが並列に実行される。水素供給量制御においては、調圧弁43A、43Bが、爆発限界以下の所定の濃度で水素ガスが燃料極に供給されるように調整される。そして、起動時に閉状態の排出電磁弁52をあらかじめ定められた規則に基づいて開放し、水素分圧の低下したガスを排気し、燃料極の雰囲気ガスをリフレッシュする処理が行われる。この際のあらかじめ定められた規則は、メモリ81に保存されており、調圧弁43A、43Bの調整及び排出電磁弁52の開閉は、制御装置8がこの規則をメモリ81から読み出して実行される。このように排出電磁弁52を運転時に適宜開くのは、排出電磁弁52を閉じた状態で燃料電池装置を運転し続けると、空気極より透過するN2 、O2 あるいは生成水の影響で、燃料極で消費される水素の分圧が徐々に低下するため、これに従って出力電圧も低下し、安定した電圧が得られなくなるためである。
次に、空気供給量制御においては、図4のフローを参照して、ステップS41において燃料電池スタック1から排出された直後の排気空気の温度を排気温度センサ32によって検出する。その温度がステップS42の判断で80〔℃〕を超えていると、単セルが焼き付く恐れがあるため、ステップS43によって空気ファン21の回転数を増やして風量を増大し、熱発生源である空気極の温度を下げる。このとき、単セル間の冷却ガス流路には80〔℃〕を超えた単セルを冷却するのに必要な量の水が供給されているものとする。ステップS42の判断で検出された温度が80〔℃〕以下の場合には、ステップS44で単セルの負荷を検出する。そして、ステップS45で、燃料電池の負荷と、その状態で必要とする風量の関係をメモリ81にテーブル形式で保存されている関係に照らし合わせる風量最適判断を行い、風量最適判断が不成立のときに、ステップS46によって風量調節を行う。
次に、水供給量制御においては、水タンク61の水が水ポンプ62で圧送され、ノズル63から噴霧される。この噴霧の吐出圧力は、水ポンプ62に印加される電圧の調整によってなされる。これにより、所望の水量が得られる。この場合の水の供給量は、排気温度に応じてあらかじめ定められている。この量は、水ポンプ62による動力損をできる限り少なくするため、排気温度を維持するために必要な最小量とされる。なお、排気温度が所定の温度(例えば、30〔℃〕)以下になれば、水の供給を止めることもできる。排気温度とそのときに供給すべき水量、更には水量とポンプ吐出圧の関係は、メモリ81に保存されているルックアップテーブルを参照して演算処理される。
前記水供給量制御については、他の方法もある。例えば、所定の時間経過(例えば、5〜10秒)毎に、一定の水圧で水供給系6を稼動させる方法でもよい。また、水噴出量を一定に保っておいて、排気温度その他の運転状況に応じて、そのオンオフ制御によって水の供給量を制御することもできる。更に、潜熱によるスタックの冷却に必要な水量以上に水を供給してもスタックの冷却能力が低下するものではないので、水ポンプ62のオン時には、最大風量(最大空気供給量)に対応した最大水供給量が常に供給されるようにしてもよい。また、排気温度が所定の温度(例えば、30〔℃〕)以下の場合は、最低量の水を間欠的に噴射させるようにして、水供給系6にかかる負荷をできるだけ小さくすることもできる。
前記の制御において、燃料供給系4では、一次圧センサ42によって水素タンク41側の水素圧がモニターされ、調圧弁43A、43Bによって、燃料電池スタック1へ供給するのに適した圧力に調整される。そして、供給電磁弁44A、44Bの開閉によって、水素の燃料電池スタック1への供給が制御される。水素ガスの供給の遮断は、供給電磁弁44A、44Bの閉鎖によってなされる。また、二次圧センサ45によって、燃料電池スタック1に供給される直前の水素ガス圧がモニターされる。
前記の構成から成る燃料電池システムにおいて燃料電池スタック1を構成する単位ユニットとしてのセルモジュール10の構成を図5〜10に示す。図5に上面(以下、セルモジュール10の配置姿勢に即して上下及び縦横の関係を説明する。)を示すように、セルモジュール10は、単セル(MEA)10Aと、単セル10A同士を電気的に接続するとともに単セル10Aに導入される水素ガスの流路と空気の流路とを分離するセパレータ10Bと、単セル10Aとセパレータ10Bを支持する2種類のフレーム17、18とを1セットとして、板厚方向に複数セット(図示の例では10セット)重ねて構成されている。なお、単セル10Aは、フレーム18の内側に位置するため、図5には明確に表されていない。セルモジュール10は、単セル10A同士が所定の間隙(げき)を隔てて配置されるように、単セル10Aとセパレータ10Bが、2種類のフレーム17、18を交互にスペーサとして多段に重ねられて積層されており、積層方向の一端(図5における上端面側)は、図6に示すように、セパレータ10Bの縦方向凸条形成面と一方のフレーム17の端面とで終端し、他端(図5における下端面側)は、図7に示すように、セパレータ10Bの横方向凸条形成面と他方のフレーム18の端面とで終端している。
図8及び9に拡大して断面構造を示すように、単セル10Aは、固体高分子電解質膜11と、この固体高分子電解質膜11の一側に設けられた酸化剤極である空気極12及び他側に設けられた燃料極13とで構成されている。これら空気極12と燃料極13とは、上述した反応ガスを拡散しながら透過する導電性材料から成る拡散層と、この拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜11と接触させて支持される触媒物質を含む触媒層とから成る。これらの部材のうち、空気極12と燃料極13は、それらの支持部材としてのフレーム18の開口部の幅より若干長い横方向寸法と、開口部の高さより若干短い縦方向寸法を有するものとされている。また、固体高分子電解質膜11は、開口部の縦横方向寸法より一回り大きな縦横寸法とされている。
セパレータ10Bは、単セル10A間のガス遮断部材としてのセパレータ基板16と、該セパレータ基板16の一側に設けられ、単セル10Aの空気極12側の電極拡散層に接触して集電するとともに空気と水の混合流を透過する多数の開口が形成された網目状の導電体(本発明における放熱板を構成する。以下「空気極側コレクタ」という。)14と、セパレータ基板16の他側に設けられ、単セル10Aの燃料極13側の電極拡散層に接触して同じく電流を外部に導出するための網目状の導電体(以下「燃料極側コレクタ」という。)15とで構成されている。そして、これらを単セル10Aも含めて所定の位置関係に保持すべく、空気極側コレクタ14の左右両側に配置されたフレーム17(最外側のもののみ上下端を相互にバックアッププレート17a、17bで連結されて枠状(図6参照)を成す。)と、燃料極側コレクタ15及び単セル10Aの周縁部にフレーム18が設けられている。コレクタ14、15は、この例では金属薄板、例えば、板厚が0.2〔mm〕程度のもので構成されている。また、セパレータ基板16は、板厚が更に薄い金属薄板で構成される。この構成金属としては、導電性と耐蝕(しょく)性を備えた金属、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金等に金メッキ等の耐蝕導電処理を施したものが挙げられる。また、フレーム17、18は、適宜の絶縁材料で構成される。
空気極側コレクタ14は、図6に示すように、全体形状を横長の矩形(ただし、底辺だけが水切り効果の向上のために傾斜辺とされている。)とされ、図10に一部を拡大して詳細を示すように、開口率59〔%〕の網目状の開口143を有する(板面形状の参照を容易にすべく、一部のみに網目形状を表記。)エキスパンドメタル板材から成り、プレス加工によって形成された細かい凸条14aを有する波板とされている。これら凸条14aは、板材の縦辺(図示の形態における短辺)に平行に等間隔で、板面を完全に縦断する配置とされている。これら凸条14aの断面形状は、大まかには矩形波状断面とされ、プレス加工の型抜きの関係から、根元側が若干裾広がりの形状とされている。これら凸条14aの高さは、フレーム17の厚さに実質上等しい高さとされ、それにより、積層状態で両側のフレーム17間を縦方向に貫通する所定の開口面積の空気流路(本発明における冷却空間としての機能も有する。)を確保している。各凸条14a間の底部141の平面は、空気極12側拡散層が接触する当接部となっており、凸条14aの頂部142は、セパレータ基板16との当接部とされている。
なお、空気極側コレクタ14には、親水性処理が施されている。処理方法としては、親水処理剤を、表面に塗布する方法が採られる。塗布される処理剤としては、ポリアクリルアミド、ポリウレタン系樹脂、酸化チタン(TiO2 )等が挙げられる。この他の親水性処理としては、金属表面の粗さを粗化する処理が挙げられる。例えば、プラズマ処理などがその例である。親水性処理は、最も温度が高くなる部位に施すことが好ましく、例えば、単セル10Aに接触している凸条14a間の底部141、特に、空気流路側に施される。このように、親水性処理を施すことによって、コレクタ14と空気極側拡散層との当接面の濡れが促進され、水の潜熱冷却による効果が向上する。また、これにより、網目の開口部に水が詰まり難くなるため、水が空気の供給を阻害する可能性も一層低くなる。
燃料極側コレクタ15は、空気極側コレクタ14と同様の寸法で網目状の開口153を有する(板面形状の参照を容易にすべく、一部のみに網目形状を表記。)エキスパンドメタルの矩形の板材から成り、プレス加工によって、複数の凸条15aが押し出し形成されている。凸条15aは、凸条間の底部151が平坦で、断面形状も、先の凸条14aの場合と同様に実質上矩形波状とされているが、このコレクタ15の場合の凸条15aは、横方向に板面を完全に横断して延びるものとして縦方向に一定のピッチで設けられている。これら凸条15a間の底部151の平面は、燃料極13が接触する当接部となっており、凸条15aの頂部152がセパレータ基板16との当接部とされている。これら凸条15aの断面形状も、大まかには矩形波状断面とされ、プレス加工の型抜きの関係から、根元側が若干裾広がりの形状とされている。これら凸条15aの高さは、単セル10Aの厚さと合わせてフレーム18の厚さに実質上相当する高さとされ、それにより、積層状態でフレーム18の内側を横方向に貫通する所定の開口面積の燃料流路を確保している。
上記の構成から成る両コレクタ14、15は、各底部141、151がともに外側となるようにセパレータ基板16を間に挟んで配置される。このとき、両コレクタ14、15の頂部142、152がセパレータ基板16と当接した状態となり、相互に通電可能な状態となる。また、コレクタ14、15がセパレータ基板16と重ね合わせることによって、セパレータ基板16の一方側に反応ガス供給路と冷却空間を兼ねる空気流路(図10に流れ方向を矢印Aで示す。)が構成され、他方側に燃料流路(同じく、図10に流れ方向を矢印Hで示す。)が構成されることになる。そして、この縦方向の空気流路Aから、単セル10Aの空気極12に空気と水が供給され、同様に、横方向の燃料流路Hから単セル10Aの燃料極13に水素が供給される。
前記の構成から成るセパレータ10Bの外側には、フレーム17、18がそれぞれ配置される。図8及び9に示すように、コレクタ14を囲むフレーム17は、外端(図8において最上部、図9において左端)のものを除き、コレクタ14の短辺に沿う両側を囲う縦枠部171のみを備えるものとされ、これら縦枠部171を板厚方向に貫通する長孔172が燃料流路形成のために設けられている。フレーム17の板厚は、前記のように波板状とされたコレクタ14の厚みに匹敵する厚さとされている。したがって、フレーム17がコレクタ14に組み合わされた状態では、コレクタ14の凸条間の底部141は、単セル10Aの空気極12に接触し、頂部142はセパレータ基板16を介してコレクタ15に接触する位置関係となる。なお、セパレータ基板16は、フレーム17の高さと全体幅に相当する外形寸法とされ、フレーム17の前記長孔172と重なる位置に同様の長孔162を備える構成とされている。かくして、フレーム17の両縦枠部171の間には、単セル10Aの空気極12面とセパレータ基板16とで囲われた縦方向に全通する空気流路が画定される。
コレクタ15と単セル10Aを囲むフレーム18は、フレーム17と同じ大きさに構成されているが、フレーム17とは異なり、左右縦枠部(図8では記載範囲より更に右外側に位置するため現れていないが、フレーム17の両縦枠部171の左右両側端と同じ位置に両側端を有する横方向幅が上下横枠部の略同じ枠部)と上下横枠部182を備える完全な枠状とされている。そして、フレーム18は、外端(図5において最下部、図7に示す面)のものを除き、左右縦枠部と平行に延び、コレクタ15の左右端に重なる薄板状のバックアッププレート18aと厚板状のバックアッププレート18bを備えるものとされ、これらバックアッププレート18aと縦枠部171で囲われる空間が前記フレーム17を板厚方向に貫通する長孔172と整列する燃料流路形成のための空間を構成している。フレーム18の板厚は、前記のように波板状とされたコレクタ15の厚みと単セル10Aの厚みにほぼ匹敵する厚さとされている。したがって、フレーム18がコレクタ15に組み合わされた状態では、コレクタ15の凸条間の底部151は、単セル10Aの燃料極13に接触し、頂部152はセパレータ基板16を介してコレクタ14に接触する位置関係となる。かくして、フレーム18の両縦枠部171とバックアッププレート18aとの間には、フレーム17の縦枠部171の長孔172と整列するフレーム積層方向の燃料流路が形成され、かつ、個々のフレーム18の内部において、コレクタ15の波形によってセパレータ基板16とバックアッププレート18aに挟まれる横方向流路としての燃料流路が画定される。
以上のように構成されたフレーム17、18によってコレクタ14、15及びセパレータ基板16を保持してセパレータ10Bが構成され、該セパレータ10Bと単セル10Aを交互に積層して、セルモジュール10が構成される。こうして積層されたセルモジュール10には、図5に示すように、フレーム18で挟まれる間の部分に、セルモジュール10の上面から縦方向にセルモジュール10の下面まで全通するスリット状の空気流路が形成される。
こうした構成から成るセルモジュール10を筐体内に複数個並べて配置することで構成される燃料電池スタック1(図1参照)は、その上部から空気マニホールド22で混合された空気と水を供給し、側方から水素を供給することで、発電作動する。空気流路に供給される空気と水は、空気流中に水滴が霧状に混入した状態(以下この状態を混合流という。)で空気流路の上部に入る。燃料電池の定常運転状態では、単セル10Aが反応によって発熱しているため、空気流路内の混合流が加熱される。該混合流中の水滴は、親水性処理によって一部が空気極側コレクタ14の網目状部分と単セル10Aの空気極12側に付着し、空気極側コレクタ14の網目状部分に付着しなかった水滴は、空気極側コレクタ14と電極拡散層との間の気相中で加熱されることによって、蒸発して空気極側コレクタ14から熱を奪う潜熱冷却作用が生じる。こうして蒸気となった水は、空気極12側からの固体高分子電解質膜11中の水分の蒸発を抑えて保湿させる。そして、空気流路に入った余剰の空気と蒸気は、セルスタックの下方の空気流路開口から排出される。
一方、燃料流路への水素の供給は、図7に示す最外側のフレーム18の縦枠部の長孔から、順次積層されたセパレータ基板16の長孔162、フレーム17の縦枠部171の長孔172を経て各フレーム18の縦枠部及びバックアッププレート18aによって囲まれる空間に流入し、セパレータ基板16とバックアッププレート18aによって挟まれる空間を経て単セル10Aの燃料極13側に供給される。これにより、単セル10Aの燃料極13への水素の供給が行われる。そして燃料極13に沿って横方向に流れる水素のうち、反応に関与しなかった余剰分が、反対側の水素流路に排出され、この水素流路につながる図1に示す配管によって循環され最終的に燃焼器53に排出される。
かくして燃料電池スタック1に空気とともに送り込まれた水は、先に説明したように、一部は空気極側コレクタ14の網目に付着して蒸発し、それ以外は気相中で網目に付着せずに蒸発して潜熱を奪うので、空気極12側の固体高分子電解質膜11からの水分の蒸発が防止される。したがって、固体高分子電解質膜11はその空気極12側で乾燥することなく、生成水によって常に均一な湿潤状態を維持する。また、空気極12の表面に供給された水は、空気極12自体からも熱を奪いこれを冷却する。これにより、燃料電池スタック1の温度を制御することができる。
燃料電池スタック1内での水素の流れは、先に説明した通りである。燃料供給系4において、燃料電池スタック1の水素通路から吸引ポンプ47の吸引によって排出される水素ガスは、水素濃度センサ46A、46Bによって濃度を計測され、所定の濃度以上のときは、排出電磁弁52の閉鎖によって逆止弁48を経て水素供給路40に還流される。また、所定の濃度に満たないときは、排出電磁弁52の間歇(けつ)的開放によって逆止弁51及び排出電磁弁52を経て燃焼器53に水素が排出され、燃焼器53で完全燃焼させた排気が大気へ放出される。
こうしてこの燃料電池装置では、燃料電池スタック1へ、特に、冷却水系を付設しなくても、空気流に乗せて水を供給することで、燃料電池スタック1を十分に湿潤し、かつ、冷却することができる。この際、燃料電池スタック1の温度は、排気温度センサ32で検出された排出空気の温度に対応して水ポンプ62の出力や運転間隔を適宜制御することで、ノズル63から空気マニホールド22内に噴出させる水の噴射量が制御され、所望の温度に維持される。具体的には、燃料電池スタック1内に供給する水量を増やせば蒸発量が増え、水量を減らせば蒸発量が減るとともに、風量を増やせば温度が下がり、風量を減らせば温度が上がるので、供給水量と風量を制御することで、運転温度を制御することができる。なお、燃料電池スタック1から空気とともに排出される水は、大部分が液体の状態を維持したまま排出されるため、水帰還路60aに流れポンプ65に吸引されて逆止弁66経由で水タンク61に戻され、蒸発して水蒸気状になったものや水帰還路60aに回収されなかったものについては、水凝縮器31で凝縮されて液状とされ、あるいはそのまま水凝縮器31を通って同様にポンプ65による吸引で水タンク61に戻される。なお、排気空気に含まれる水蒸気には燃料電池スタック1の発電反応に伴う反応水に起因するものもあると考えられる。この水タンク61の水位は、レベルセンサ64でモニターされる。
この燃料電池装置の特徴は、単セル10Aの空気極12に直接当接するコレクタ14が多孔の金網状とされていることで、冒頭に挙げた従来技術のように、孔部の重なり合いによって空気極12への空気の供給が規制されることがなくなる点にある。また、コレクタ14と供給空気の接触面が孔の形成と矩形波板状の屈曲によって広くなるため、コレクタ14における空気極12で発生する熱を冷却空間を流れる空気流に伝達する放熱フィンとしての機能が向上する。このため、空気極12側に供給する空気を利用して単セル10Aを冷却する方式の燃料電池において、単純な構成で空気の拡散性と冷却効率を併せて向上させることができる。
さらに、コレクタ14が細かい網目状となっており、電極拡散層との接触面にも開口が形成されていることで、空気と水の混合流がこの開口を通過する際に攪拌(かくはん)されるとともに、電極拡散層のコレクタ14との接触面にも混合ガスが供給されるので、燃料電池スタック1における電極全面に均一に空気を供給することができ、それにより、濃度分極を少なくすることができる点にある。また、電極とコレクタとの網目状の接触によって、電極全体から均一に集電できるため、集電抵抗が減少する。更に、電極全体の触媒を有効に使用することができるため、活性化分極が少なくなる点にある。また、電極の有効面積を大きくすることができる利点も得られる。
以上説明した実施例1では、セパレータの電極拡散層との接触側、すなわち、コレクタ14、15をエキスパンドメタルで構成したものを例示したが、このコレクタ14、15の素材として、金属繊維や、金属多孔体、二次元金属織布、金属不織布、波状金属体、溝状金属体、金網、パンチングメタルなど、他のものを用いることもできる。次に、コレクタ素材を変更した他の実施例について説明する。
次の図11に示す実施例2は、両コレクタ14、15をパンチングメタルで構成した例である。更にこの例では、両コレクタ素材を共通化すべく波状寸法、すなわち、波の高さ及びピッチを実施例1における燃料極13側のコレクタ15と同一のものとしている。そして、この構成の採用に伴い、波高が低くなった空気極12側の流路断面積を確保すべく、セパレータ基板16にもコレクタ14の頂部142の配置ピッチに合わせたピッチでコレクタ14側に突出する凸条16aを形成して、セパレータ基板16も波板状としている。以下、この実施例における実施例1との共通部分については同様の参照符号を付して説明に代え、以下相違点のみ説明する。
この例では、実施例1のコレクタ14、15と同様の板厚の素材にパンチによる多数の孔を一面に形成している。ちなみに図示の例では、板厚0.2〔mm〕の板に縦横幅0.l〔mm〕の孔を0.1〔mm〕の間隔をおいて形成している。なお、図面では孔143、153の開口形状の向きを縦横平行としているが、この向きは、特に規制されるものではなく、実施例1と同様に斜め向きとすることも含めていかなる向きの配置も可能である。この実施例におけるセパレータ基板16の凸条16aの高さは、この高さとコレクタ14の凸条14aの高さとの和が実施例1におけるコレクタ14の凸条14aの高さと等しくなる設定とすることで、空気極12側の流路断面積を実施例1と同様とすることができる。
この実施例2によっても、実施例1と同様に拡散層に接するコレクタ14が細かい網目状かつ波板状となっていることで、実施例1と同様の効果を達成することができる。
次に図12に示す例は、両コレクタ14、15を実施例2と同様のパンチングメタルで構成しているが、燃料極13側のコレクタ15を波状を有しない平板で構成した例である。この例の場合は、空気極12側と燃料極13側の流路断面積をともに確保すべく、セパレータ基板16は、該基板の基準面に対して空気極12側と燃料極13側にともに突出する凸条16a、16bを形成した波板で構成されている。その他の構成についてはすべて実施例2と同様であるので、相当する部材に同様の参照符号を付して説明に代える。
次に図13に示す例は、空気極12に当接する放熱板として、実施例1と同様に、多数の開口が形成されたエキスパンドメタルで構成されている空気極側コレクタ14を使用しているのに対し、燃料極13に当接する放熱板として開口が形成されていない板材で構成された燃料極側コレクタ19を使用している例である。該燃料極側コレクタ19は、空気極側コレクタ14と同様の寸法であるが開口を備えていない矩形の金属板から成り、プレス加工によって、複数の凸条19aが押し出し形成されている。凸条19aは、凸条間の底部191が平坦で、断面形状も、先の凸条14aの場合と同様に実質上矩形波状とされているが、このコレクタ19の場合の凸条19aは、横方向に板面を完全に横断して延びるものとして縦方向に一定のピッチで設けられている。これら凸条19a間の底部191の平面は、燃料極13が接触する当接部となっており、凸条19aの頂部192がセパレータ基板16との当接部とされている。これら凸条19aの断面形状も、大まかには矩形波状断面とされ、プレス加工の型抜きの関係から、根元側が若干裾広がりの形状とされている。これら凸条19aの高さは、単セル10Aの厚さと合わせてフレーム18の厚さに実質上相当する高さとされ、それにより、積層状態でフレーム18の内側を横方向に貫通する所定の開口面積の燃料流路を確保している。
本実施例においては、燃料極13に当接する放熱板として開口が形成されていない金属板で構成された燃料極側コレクタ19を使用しているので、実施例1のようにエキスパンドメタルで構成された燃料極側コレクタ15を使用した場合よりも、伝熱性が向上し、放熱効果が高くなる。
また、燃料極13が接触する当接部として機能する底部191に開口が形成されていないので、単セル10Aの乾燥を抑制することができる。なお、単セル10Aの乾燥を抑制するという観点からは、少なくとも底部191に開口が形成されていなければよく、燃料極側コレクタ19の他の部分、例えば、凸条19a等の部分には、開口が形成されていてもよい。
さらに、燃料電池スタック1において乾燥し易い部分においては燃料極13に当接する放熱板として開口が形成されていない燃料極側コレクタ19を使用し、燃料電池スタック1において乾燥し難い部分においては開口が形成された空気極側コレクタ14を使用するようにすることもできる。
その他の構成についてはすべて実施例1〜3と同様であるので、相当する部材に同様の参照符号を付して説明に代える。
燃料電池装置のシステム構成図である。 燃料電池装置の制御系のブロック図である。 燃料電池装置の起動制御のフローチャートである。 燃料電池装置の空気供給制御のフローチャートである。 本発明の実施例1に係る燃料電池スタックを構成するセルモジュールの上面図である。 セルモジュールを空気極側から見た正面図である。 セルモジュールを燃料極側から見た正面図である。 図6のB−B部分横断面を上から見た図である。 図6のA−A部分縦断面を横から見た図である。 セルモジュールのセパレータの分解部分斜視図である。 本発明の実施例2に係るセパレータの分解部分斜視図である。 本発明の実施例3に係るセパレータの分解部分斜視図である。 本発明の実施例4に係るセパレータの分解部分斜視図である。
符号の説明
10A 単セル
10B セパレータ
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
14 空気極側コレクタ
14a 凸条
15、19 燃料極側コレクタ
141 底部

Claims (18)

  1. 電解質(11)を電極(12、13)で挟んだ単セル(10A)の間に冷却空間(A)を形成すべく、単セル(10A)の間に介挿される燃料電池装置のセパレータ(10B)において、
    前記単セル(10A)の電極(12、13)に当接する多孔の放熱板(14)を備えてなることを特徴とするセパレータ(10B)。
  2. 前記放熱板(14)は、前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)と、該伝熱部(141)から空間内に延び出す放熱部(14a)とを一体に備える、請求項1に記載のセパレータ(10B)。
  3. 前記放熱部(14a)は、前記冷却空間(A)を該冷却空間(A)の一端から他端に通じる多数の空間に分割する、請求項2に記載のセパレータ(10B)。
  4. 前記放熱板(14)は、矩形波波板状の金網部材で構成され、矩形波の波底部を前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)とする、請求項2又は3に記載のセパレータ(10B)。
  5. 前記金網部材の開口率は、25〔%〕以上である、請求項4に記載のセパレータ(10B)。
  6. 前記金網部材の孔径は、1〔mm〕以下である、請求項4又は5に記載のセパレータ(10B)。
  7. 前記単セル(10A)の電解質(11)は、水を含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータ(10B)。
  8. 前記単セル(10A)の電極(12、13)は空気極(12)及び燃料極(13)から成り、前記空気極(12)に当接する放熱板(14)が多孔である請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータ(10B)。
  9. 前記単セル(10A)の電極(12、13)は空気極(12)及び燃料極(13)から成り、前記空気極(12)及び燃料極(13)に当接する放熱板(14、15)が多孔である請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータ(10B)。
  10. 電解質(11)を電極(12、13)で挟んだ単セル(10A)の間に常圧の気流を流動させる冷却空間(A)を形成すべく、単セル(10A)の間にセパレータ(10B)が介挿された燃料電池装置において、
    前記セパレータ(10B)は、前記単セル(10A)の電極(12、13)に当接する多孔の放熱板(14)を備えてなることを特徴とする燃料電池装置。
  11. 前記放熱板(14)は、前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)と、該伝熱部(141)から空間内に延び出す放熱部(14a)とを一体に備える、請求項10に記載の燃料電池装置。
  12. 前記放熱部(14a)は、前記冷却空間(A)を該冷却空間(A)の一端から他端に通じる多数の気流流動空間に分割する、請求項11に記載の燃料電池装置。
  13. 前記放熱板(14)は、矩形波波板状の金網部材で構成され、矩形波の波底部を前記電極(12、13)に接する伝熱部(141)とする、請求項11又は12に記載の燃料電池装置。
  14. 前記金網部材の開口率は、25〔%〕以上である、請求項13に記載の燃料電池装置。
  15. 前記金網部材の孔径は、1〔mm〕以下である、請求項13又は14に記載の燃料電池装置。
  16. 前記単セル(10A)の電解質(11)は、水を含むものである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の燃料電池装置。
  17. 前記単セル(10A)の電極(12、13)は空気極(12)及び燃料極(13)から成り、前記空気極(12)に当接する放熱板(14)が多孔である請求項10〜16のいずれか1項に記載の燃料電池装置。
  18. 前記単セル(10A)の電極(12、13)は空気極(12)及び燃料極(13)から成り、前記空気極(12)及び燃料極(13)に当接する放熱板(14、15)が多孔である請求項10〜16のいずれか1項に記載の燃料電池装置。
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