JP2009236048A - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビテーションの発生量を増加させると共に発生したキャビテーションの分布を均一にする内燃機関の燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】ニードル4とスリット状噴孔2とを備えた内燃機関の燃料噴射弁1において、スリット状噴孔2の燃料流路内にキャビテーション発生部材6,7を形成すると共に、キャビテーション発生部材6,7の下流端をスリット状噴孔の流出端から近接して配置することによってキャビテーション発生部材6,7とスリット状噴孔2の流出端との間にキャビテーション拡散領域20を形成する。燃料噴射時に燃料流路内を流れる燃料がキャビテーション発生部材6,7周りを流れたときに、キャビテーション発生部材6,7がその下流にキャビテーションを発生させ、キャビテーションがキャビテーション拡散領域20内で拡散する。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の燃料噴射弁に関する。
筒内噴射式火花点火内燃機関においては、燃料噴射弁から燃焼室に噴射される燃料噴霧の微粒化が排気性状及び機関出力に大きく影響する。即ち、燃料噴霧の微粒化が促進されると、燃料の着火性が向上して良好な燃焼が確保されるため、排気ガスに含まれる有害成分を低減でき、且つ、燃費の向上にとって有利である。
ところで、スリット状噴孔を備えた燃料噴射弁として、スリット状噴孔の中途部分に隔壁を設けることによって、スリット状噴孔の長手寸法及び短手寸法を小さくすることなく、スリット状噴孔の流路断面積を小さくした燃料噴射弁が公知である(特許文献1参照)。
特開2001−27168号公報
この燃料噴射弁に依れば、燃料の噴射率を比較的小さな値に維持しつつ、燃料噴霧の広がり角度を比較的大きな値に維持することが可能となるが、燃料噴霧の微粒化について考慮がされていない。即ち、燃料噴霧の微粒化の手法として、燃料噴射弁においてキャビテーションを発生させ、それによって燃料噴霧の微粒化を行う方法が考えられる。キャビテーションは、消滅するときに衝撃圧力を発生し、それによって燃料噴霧の微粒化を促進する役割を果たす。しかし、特許文献1に記載の燃料噴射弁において、キャビテーションを発生させることは考慮されておらず、従って偶発的にキャビテーションが発生したとしても、発生量は非常に微量であり且つその分布が均一にならない。
ここで、キャビテーション分布について図11及び図12を用いて説明する。図11は、一般的な燃料噴射弁先端部の概略縦断面図を示す。図11において、901は燃料噴射弁、902はスリット状噴孔、903は噴射弁本体、904はニードル、905は球状壁面によって形成されたサック部である。図12は、図11の線III−IIIにおける断面図であり、スリット状噴孔902の流出端近傍のキャビテーション分布を説明するため燃料噴射時の状態を示す。Aは燃料中にキャビテーションが発生している領域を示し、Bは燃料中にキャビテーションが発生していないか又は発生量が少ない領域を示す。
図12から明らかなように、特許文献1に記載された燃料噴射弁を含む一般的なスリット状噴孔を備えた燃料噴射弁は、キャビテーションの発生量が微量で且つスリット状噴孔の内壁面に集中した不均一な分布を示す。そのため、噴射される燃料の噴霧の粒径にばらつきが生じ、内燃機関の燃焼室内の燃料の濃度が不均一となり、その結果、安定した燃焼が得られないという問題がある。
そこで本発明は、キャビテーションの発生量を増加させると共に発生したキャビテーションの分布を均一にする内燃機関の燃料噴射弁を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明によれば、ニードルとスリット状噴孔とを備えた内燃機関の燃料噴射弁において、前記スリット状噴孔の燃料流路内に少なくとも1つのキャビテーション発生部材を形成すると共に、該キャビテーション発生部材の下流端を前記スリット状噴孔の流出端から近接して配置することによって前記キャビテーション発生部材と前記スリット状噴孔の流出端との間にキャビテーション拡散領域を形成し、燃料噴射時に燃料流路内を流れる燃料が前記キャビテーション発生部材周りを流れたときに、該キャビテーション発生部材がその下流にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションが前記キャビテーション拡散領域内で拡散する内燃機関の燃料噴射弁が提供される。
即ち、請求項1に記載の発明では、スリット状噴孔の燃料流路内にキャビテーション発生部材を形成することによって、多量のキャビテーションを発生させることが可能となる。更に、前記キャビテーション発生部材と前記スリット状噴孔の流出端との間にキャビテーション拡散領域を形成することで燃料全体にキャビテーションを拡散させることが可能となる。更に、キャビテーション拡散領域を形成するに際し、該キャビテーション発生部材の下流端を前記スリット状噴孔の流出端から近接して配置することによって、発生したキャビテーションが消滅する前にスリット状噴孔から燃料が噴射され、燃料噴霧の微粒化が促進される。
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、前記キャビテーション発生部材の上流端を前記スリット状噴孔の流入端から離間して配置することによって前記キャビテーション発生部材と前記スリット状噴孔の流入端との間に燃料を整流する整流領域を形成した内燃機関の燃料噴射弁が提供される。即ち、請求項2に記載の発明では、整流された燃料によってサイクル間のキャビテーションの発生量の変動が少なくなるという効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、前記キャビテーション発生部材の前記スリット状噴孔長手方向に沿った断面が楔形であり、該楔形の先端が上流を向いて形成される内燃機関の燃料噴射弁が提供される。即ち、請求項3に記載の発明では、キャビテーション発生部材のスリット状噴孔長手方向に沿った断面を楔形とすることによって、後述するようにキャビテーションの発生に必要な剥離及び負圧の発生が促進されるという効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか1つに記載の発明において、前記キャビテーション発生部材が前記スリット状噴孔の長手方向内壁面から延び、燃料流路を分割する隔壁である内燃機関の燃料噴射弁が提供される。
また、請求項5に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか1つに記載の発明において、前記キャビテーション発生部材が前記スリット状噴孔の長手方向内壁面から延びる突起である内燃機関の燃料噴射弁が提供される。
また、請求項6に記載の発明によれば請求項1から5のいずれか1つに記載の発明において、燃料の流れ方向に対して並列に形成された少なくとも3つの前記キャビテーション発生部材を備え、噴射中心軸線に近い内側に形成された前記キャビテーション発生部材が外側に形成された前記キャビテーション発生部材よりも燃料の流れ方向に短い形状を有する内燃機関の燃料噴射弁が提供される。
後で詳述するが、通常、スリット状噴孔は噴射中心軸線近傍の流速が最も遅く、外側に行くにつれて流速が速くなる。そして流速が速い方がキャビテーション発生部材によるキャビテーションの発生量が多い。また、キャビテーション発生部材の形状を燃料の流れ方向に短くすることによって、後述するように、助走距離が短くなり、キャビテーションがより多く発生する。従って、請求項3に記載の発明では、噴射中心軸線に近い内側に形成されたキャビテーション発生部材が外側に形成されたキャビテーション発生部材よりも燃料の流れ方向に短い形状を有することによって、外側のキャビテーション発生部材によるキャビテーション発生量を減らすと共に内側のキャビテーション発生部材によるキャビテーション発生量を増加させることで、キャビテーション分布を均一にすることが可能となる。
また、請求項7に記載の発明によれば請求項1から6のいずれか1つに記載の発明において、前記ニードルが環状の凹部を備え、該凹部に沿って燃料が流れることによって、前記スリット状噴孔の噴射中心軸線近傍に燃料の流れを誘導する内燃機関の燃料噴射弁が提供される。即ち、請求項7に記載の発明では、スリット状噴孔の噴射中心軸線近傍に燃料の流れを誘導することで、その噴射中心軸線近傍の流速を速くし、それによってキャビテーション発生量を増やすことでキャビテーション分布を均一にすることが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、キャビテーションの発生量を増加させると共に発生したキャビテーション分布を均一にすることができるという共通の効果を奏する。
図1は本発明の第1の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図1を参照すると、1は燃料噴射弁、2はスリット状噴孔、3は噴射弁本体、4はニードル、5は球状壁面によって形成されたサック部、6、7はスリット状噴孔2の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材である。
本実施形態において、キャビテーション発生部材6、7は、同じ形状及び大きさであり、図1に示すようにスリット状噴孔長手方向に沿った断面が二等辺三角形をした楔形であり、且つ、スリット状噴孔2の長手方向内壁面から延び、燃料流路内を分割する三角柱の隔壁である。本実施形態では、スリット状噴孔2の中央部分に配置されたキャビテーション発生部材6と、その両側に配置された2つのキャビテーション発生部材7を備える。
中央のキャビテーション発生部材6は、その楔形の中心軸線が、扇形のスリット状噴孔2の幾何学中心である噴射中心軸線10と、図1において一致するように形成される。また、その両側のキャビテーション発生部材7は、その楔形の中心軸線が、スリット状噴孔2内のキャビテーション発生部材7近傍を流れる燃料の流線と、略平行となるように形成される。また、これらキャビテーション発生部材6,7は、スリット状噴孔2流出端までの距離がそれぞれ略等しくなるよう形成される。なお、以下の実施形態においては、噴射中心軸線に近い方を内側と称し、それに対して遠い方を外側と称す。
図2は、図1の線I−Iにおける断面図であり、スリット状噴孔2の流出端近傍のキャビテーション分布を説明するため燃料噴射時の状態を示す。Aは燃料中にキャビテーションが発生している領域を示し、Bは燃料中にキャビテーションが発生していないか又は発生量が少ない領域を示す。図2を参照すると、前述した図12に示される従来の燃料噴射弁に比べ、キャビテーションがより多量に発生し且つより均一に分布していることが分かる。
次に、図3を参照しながらキャビテーション発生部材6を例に、キャビテーション発生部材によるキャビテーションの発生について説明する。Aは燃料中にキャビテーションが発生している領域を示し、Cはキャビテーション発生部材6近傍を流れる燃料の流線を示す。燃料は、キャビテーション発生部材6に達するとその上流端である先端角部6aにおいて左右に分配され、キャビテーション発生部材6の助走壁面6bに沿って移動する。その後、助走壁面6bに沿って流れた燃料は、キャビテーション発生部材6の下流側の下流角部6cにおいて剥離する。下流角部6cで剥離した流れは、キャビテーション発生部材6の下流端である後壁6d下流領域において剥離渦Dを形成する。その剥離渦Dによって後壁6d下流領域には負圧が発生し、それによってキャビテーションが発生する。
先端角部6aの角度を楔角θとすると、楔角θが大きいほど、即ち、楔形の長さが短いほど剥離が発生しやすく、従って、キャビテーションもより多く発生する。逆に、楔角θが小さいほど、即ち、楔形の長さが長いほど剥離が発生しにくく、更に、助走壁面6bに沿って燃料が流れる距離である助走距離が長くなることによって剥離が発生しにくくなる。即ち、助走距離が長くなると、助走壁面6bに沿って流れる燃料が整流され、それによって、下流角部6cにおける剥離が発生しにくくなる。
各キャビテーション発生部材6,7において発生したキャビテーションは、各キャビテーション発生部材6,7の下流端である後壁と、スリット状噴孔2の流出端との間に形成されたキャビテーション拡散領域20において拡散する。その結果、図2に示されるようなキャビテーション分布が得られる。
なお、キャビテーションは、燃料がスリット状噴孔2から噴射されるまで消滅しないでいることが微粒化の観点から望ましい。従って、キャビテーション発生部材6,7の下流端である後壁と、スリット状噴孔2の流出端との間の距離が長いと、燃料がスリット状噴孔2から噴射される前に、発生させたキャビテーションが消滅してしまう。従って、キャビテーション発生部材6,7の下流端である後壁と、スリット状噴孔2の流出端とが近接して配置されていることが好ましい。一方で、距離が短いとキャビテーションが十分に拡散しない。キャビテーションが消滅せず、且つ、十分拡散されるような最適な距離は、予め実験又は計算によって求められる。
一方、本実施形態では、キャビテーション発生部材6,7の上流端である先端角部と前記スリット状噴孔の流入端との間に整流領域30を形成している。整流領域30は、キャビテーション発生部材6,7に燃料が到達する前にスリット状噴孔2に流入した燃料を整流する役割を果たす。燃料を整流することによって、サイクル間のキャビテーションの発生量の変動が少なくなるという利点がある。
本実施形態では、スリット状噴孔内での加工性の観点からキャビテーション発生部材として楔形を用いたが、その他の形状とすることも可能である。即ち、キャビテーション発生部材は、剥離が発生しやすい形状とすることが望ましく、更に剥離した流れが剥離渦を形成する領域があることが望ましい。具体的には、キャビテーション発生部材が、燃料が沿って流れる助走壁面6bのような助走壁面と、剥離を促進する下流角部6cのような鋭角の下流角部と、剥離渦の形成スペースを提供する後壁6dのような後壁とを有する形状であることが望ましい。
キャビテーション発生部材のその他の形状の例として、図4(A)及び図4(B)に示される縦断面形状を有するキャビテーション発生部材が考えられる。また、図4(C)に示されるように、キャビテーション発生部材が三角柱等の隔壁でなく、スリット状噴孔2の対向する一方又は両方の長手方向内壁面から突出した三角柱等の突起であってもよい。
また、本実施形態では、中央のキャビテーション発生部材6と、その外側に配置された2つのキャビテーション発生部材7を備えるが、キャビテーション発生部材は1つ若しくは2つ又は4つ以上であってもよい。この場合、キャビテーション発生部材の配置は、キャビテーション分布が均一となるように、予め実験又は計算によって求める。
以下の実施形態においては、第1の実施形態と同様にキャビテーション発生部材として3つの楔形の隔壁を例に用いて説明する。
ところで、図2から明らかなように、第1の実施形態におけるキャビテーション分布は、その中央部分においてキャビテーションの発生量が少ない領域Bが存在し、キャビテーション分布が一部均一ではない。これは、スリット状噴孔2内の燃料の流速が、スリット状噴孔2の噴射中心軸線10近傍である内側が最も遅く、そこから外側に離れるに従って速くなることに起因する。即ち、燃料の流速が遅いということは、それだけ剥離が発生しにくく、従ってキャビテーションの発生量も少なくなる。この問題を以下の実施形態で解決する。
図5は本発明の第2の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図5を参照すると、101は燃料噴射弁、102はスリット状噴孔、103は噴射弁本体、104はニードル、105は球状壁面によって形成されたサック部、106、107はスリット状噴孔102の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材、110はスリット状噴孔102の噴射中心軸線、120はキャビテーション拡散領域、130は整流領域である。
本実施形態における燃料噴射弁101は、ニードル104は凹部104a及び伸張した先端部104bを備える。凹部104a及び伸張した先端部104bによって、サック部105に流入する燃料の流れ方向を少ない抵抗で変化させ、スリット状噴孔102の噴射中心軸線110近傍に案内している。その結果、スリット状噴孔102の噴射中心軸線110近傍の流速が速くなり、流速が速くなることによって剥離の発生が増え、より多くのキャビテーションが発生する。
更に、本実施形態においては、中央のキャビテーション発生部材106の楔角が、外側のキャビテーション発生部材107の楔角に比べて大きい。前述のように、楔角が大きいほど剥離が発生しやすく、キャビテーションもより多く発生する。
図6は、図5の線II−IIにおける断面図であり、スリット状噴孔102の流出端近傍のキャビテーション分布を説明するため燃料噴射時の状態を示す。Aは燃料中にキャビテーションが発生している領域を示す。図6を参照すると、前述した図2に示される第1の実施形態による燃料噴射弁に比べ、キャビテーション分布が更に均一になっていることが分かる。
以上より、本実施形態においては、ニードル104の凹部104a及び先端部104bを備えることによってスリット状噴孔102の噴射中心軸線110近傍の流速を速くすると共に、中央のキャビテーション発生部材106の楔角を外側のキャビテーション発生部材107の楔角に比べて大きくすることによって、キャビテーション分布を均一にしている。なお、ニードル104が凹部104a及び先端部104bを備えること、又は、中央のキャビテーション発生部材106の楔角を外側のキャビテーション発生部材107の楔角に比べて大きくすることのいずれか一方によってキャビテーション分布を均一にしてもよい。
図7は本発明の第3の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図7を参照すると、201は燃料噴射弁、202はスリット状噴孔、203は噴射弁本体、204はニードル、205は球状壁面によって形成されたサック部、206、207はスリット状噴孔202の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材、210はスリット状噴孔202の噴射中心軸線、220はキャビテーション拡散領域、230は整流領域である。ニードル204は凹部204a及び伸張した先端部204bを備える。
本実施形態による燃料噴射弁201は、図5に示す第2の実施形態と略同様であるが、キャビテーション発生部材206,207が、対応する第2の実施形態のキャビテーション発生部材106,107よりも小さい楔角の縦断面形状を有する。楔角を小さくすることによって、前述のように助走距離が長くなり、剥離の発生が少なくなる。その結果、キャビテーションの発生量は第2の実施形態よりも少なくなるが、貫徹力(ペネトレーション)が得られる。従って、本実施形態による燃料噴射弁によれば、均一なキャビテーション分布を有しつつ貫徹力のある燃料噴霧が得られる。
図8は本発明の第4の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図8を参照すると、301は燃料噴射弁、302はスリット状噴孔、303は噴射弁本体、304はニードル、305は球状壁面によって形成されたサック部、306、307はスリット状噴孔302の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材、310はスリット状噴孔302の噴射中心軸線、320はキャビテーション拡散領域、330は整流領域である。
本実施形態による燃料噴射弁301は、図1に示す第1の実施形態と略同様であるが、ニードル304の先端が、凹部304aを有する截頭円錐形状である点において異なる。このような形状とすることによって、スリット状噴孔102の噴射中心軸線310から外側に離れるにつれ燃料の流速が更に速くなり、流量が増加する。それによって、キャビテーション発生量を増加させつつ、燃料噴射後の広がり角度がより大きい燃料噴霧を形成することができる。
図9は本発明の第5の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図9を参照すると、401は燃料噴射弁、402はスリット状噴孔、403は噴射弁本体、404はニードル、405は球状壁面によって形成されたサック部、406、407はスリット状噴孔402の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材、410はスリット状噴孔402の噴射中心軸線、420はキャビテーション拡散領域、430は整流領域である。
本実施形態による燃料噴射弁401は、スリット状噴孔402の燃料流路内に、流量を調整するため、スリット状噴孔402の流入端の内壁面に流量調整突起408が設けられている。その他の構成は、第2の実施形態と略同様であるが、ニードルは通常のものを用いている。流量調整突起408によってスリット状噴孔402内の外側の壁面近傍の流量を絞り込み、スリット状噴孔402の噴射中心軸線410近傍に燃料を集中させている。従って、スリット状噴孔402の噴射中心軸線410近傍の流速を速くすることが可能となり、結果としてより多くのキャビテーションを発生させつつ、均一なキャビテーション分布が得られる。
図10は本発明の第6の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。図10を参照すると、501は燃料噴射弁、502はスリット状噴孔、503は噴射弁本体、504はニードル、505は球状壁面によって形成されたサック部、506、507はスリット状噴孔502の燃料流路内に形成されたキャビテーション発生部材、510はスリット状噴孔502の噴射中心軸線、520はキャビテーション拡散領域である。
本実施形態による燃料噴射弁501は、上述の実施形態のような整流領域を有していない。従って、燃料はサック部505から直ぐに助走壁面に沿って流れ、助走距離が長くなることによって、キャビテーションを発生させつつ貫徹力のある燃料噴霧が得られる。
本発明の第1の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 図1の線I−Iにおける断面図である。 キャビテーション発生部材によるキャビテーションの発生について説明する図である。 キャビテーション発生部材の形状の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 図1の線II−IIにおける断面図である。 本発明の第3の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 本発明の第4の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 本発明の第5の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 本発明の第6の実施形態による内燃機関の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 従来の燃料噴射弁先端部の概略縦断面図である。 図11の線III−IIIにおける燃料噴射時の断面図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁
2 スリット状噴孔
4 ニードル
6,7 キャビテーション発生部材
20 キャビテーション拡散領域

Claims (7)

  1. ニードルとスリット状噴孔とを備えた内燃機関の燃料噴射弁において、前記スリット状噴孔の燃料流路内に少なくとも1つのキャビテーション発生部材を形成すると共に、該キャビテーション発生部材の下流端を前記スリット状噴孔の流出端から近接して配置することによって前記キャビテーション発生部材と前記スリット状噴孔の流出端との間にキャビテーション拡散領域を形成し、燃料噴射時に燃料流路内を流れる燃料が前記キャビテーション発生部材周りを流れたときに、該キャビテーション発生部材がその下流にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションが前記キャビテーション拡散領域内で拡散する内燃機関の燃料噴射弁。
  2. 前記キャビテーション発生部材の上流端を前記スリット状噴孔の流入端から離間して配置することによって前記キャビテーション発生部材と前記スリット状噴孔の流入端との間に燃料を整流する整流領域を形成した請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射弁。
  3. 前記キャビテーション発生部材の前記スリット状噴孔長手方向に沿った断面が楔形であり、該楔形の先端が上流を向いて形成される請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射弁。
  4. 前記キャビテーション発生部材が前記スリット状噴孔の長手方向内壁面から延び、燃料流路を分割する隔壁である請求項1から3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射弁。
  5. 前記キャビテーション発生部材が前記スリット状噴孔の長手方向内壁面から延びる突起である請求項1から3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射弁。
  6. 燃料の流れ方向に対して並列に形成された少なくとも3つの前記キャビテーション発生部材を備え、噴射中心軸線に近い内側に形成された前記キャビテーション発生部材が外側に形成された前記キャビテーション発生部材よりも燃料の流れ方向に短い形状を有する請求項1から5のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射弁。
  7. 前記ニードルが環状の凹部を備え、該凹部に沿って燃料が流れることによって、前記スリット状噴孔の噴射中心軸線近傍に燃料の流れを誘導する請求項1から6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射弁。
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