JP4720724B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の吸気通路又は燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
燃料噴射弁から噴射された燃料の微粒化を促進させるため、燃料噴射弁内でキャビテーション現象を発生させて燃料噴射弁内を流れている燃料中に気泡を生成し、その気泡を含んだ燃料を噴孔から噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、燃料噴射弁内を流れる燃料にキャビテーション気泡を発生させるためのキャビテーション発生流路と、そのキャビテーション発生流路及び噴孔と連通し、燃料中に発生したキャビテーション気泡を保持する気泡保持流路とを備え、気泡保持流路の断面積がキャビテーション発生流路の断面積よりも大きく設定された燃料噴射弁が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開2006−177174号公報 特開2005−140055号公報 特開2005−113889号公報 特開2004−316598号公報
燃料中にキャビテーション気泡を発生させる方法としては、燃料噴射弁内の燃料流路に流路断面積の狭い部分とその下流に設ける流路断面積の広い部分とを設け、流路断面積の狭い部分から流出する燃料と流路断面積の広い部分に滞留している燃料との速度差によって生じる剪断力によりキャビテーション発生流路の出口部にてキャビテーション気泡を発生させる方法がある。また、燃料噴射弁内の燃料流路に流路断面積の狭い部分を設け、燃料がこの部分を流れる際にこの部分の入口部と出口部とに生じる圧力差によってこの流路断面積の狭い部分の入口部においてキャビテーション気泡を発生させる方法がある。特許文献1の燃料噴射弁においては、弁内の燃料流路内に凸部を突出させて流路断面積の狭いキャビテーション発生流路を形成し、このキャビテーション発生流路を流れる燃料の流速を速めてキャビテーション発生流路の出口における燃料間の速度差を大きくするべく凸部の上流側角部に曲面いわゆるRを形成したり、燃料流れに沿って流路断面積が漸次狭くなるようにテーパ状の凸部を設け、これによりキャビテーション気泡の発生量を増加させている。しかしながら、これらはキャビテーション発生流路の出口部におけるキャビテーション気泡の発生を促進させるものであり、キャビテーション発生流路の入口部におけるキャビテーション気泡の発生の促進については考慮されていない。
そこで、本発明は、燃料噴射弁内を流れる燃料中に従来よりもさらに多くのキャビテーション気泡を生成することが可能な燃料噴射弁を提供することを目的とする。
本発明の燃料噴射弁は、バルブボディと前記バルブボディ内に往復動自在に設けられたニードル部との間に形成される燃料流路を経由し、前記燃料流路にて発生したキャビテーション気泡を含んだ燃料を前記バルブボディの先端に設けられた噴孔から噴射する内燃機関の燃料噴射弁において、前記燃料流路を形成する前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面の少なくともいずれか一方の壁面には、前記燃料流路を流れる燃料中にキャビテーション気泡を発生させるべく前記燃料流路の流路断面積が燃料の流れ方向の前後と比較して減少するキャビテーション生成通路が形成されるように前記燃料流路内に突出する凸部が設けられ、前記凸部は、前記キャビテーション生成通路の入口部よりも下流において前記キャビテーション生成通路の流路断面積が拡がるように前記キャビテーション生成通路の燃料流れに沿って設けられる前記凸部の側面を前記凸部が設けられた壁面に達しない範囲で後退させた後退部を備えていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の燃料噴射弁によれば、凸部をキャビテーション生成通路の入口部の下流において後退させて後退部を設け、その部分のキャビテーション生成通路の流路断面積を拡げたので、その部分において燃料流れに剥離を生じさせ、燃料流れに速度差を生じさせることができる。そのため、キャビテーション生成通路の入口部と出口部とに生じる圧力差及びこの剥離によって燃料流れにキャビテーション現象を生じさせ、燃料中にキャビテーション気泡をより多く生成することができる。また、凸部は、凸部が設けられた壁面に達しない範囲で後退しているため、キャビテーション生成通路の出口部においては燃料流れに速度差を生じさせ、剪断力によってキャビテーション気泡を発生させることができる。このように、本発明の燃料噴射弁によれば、燃料流れの剥離によってもキャビテーション気泡が生成されるので、従来よりもさらに多くのキャビテーション気泡を燃料中に生成することができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記凸部の前記キャビテーション生成通路の燃料流れに沿って設けられる側面は、前記キャビテーション生成通路の入口部から前記凸部が設けられた壁面側に漸次後退していてもよい(請求項2)。このように凸部を入口部から漸次後退させることにより、キャビテーション生成通路の入口部において燃料流れに剥離を生じさせて燃料中にキャビテーション気泡を生じさせることができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記凸部は、前記キャビテーション生成通路の出口部を形成する端部から前記燃料流路の燃料流れ上流側に向かって漸次後退しつつ前記凸部が設けられた壁面に後退していてもよい(請求項3)。このように凸部を燃料流れ上流側に向かって後退させることにより、その部分に燃料を滞留させることができる。そのため、その部分に滞留している燃料とキャビテーション生成通路の出口部から流出した燃料との間に速度差を生じさせ、剪断力によって燃料中にキャビテーション気泡を生じさせることができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記キャビテーション生成通路の入口部を形成する前記凸部の端部には、前記燃料噴射弁の周方向に凹凸が形成されていてもよい(請求項4)。キャビテーション生成通路の入口部においてキャビテーション気泡は、その入口部を形成する凸部の端部から発生する。この形態では、入口部を形成する凸部の端部に凹凸を形成したので、端部の長さを長くすることができる。そのため、燃料中にキャビテーション気泡をより多く発生させることができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記凸部は、前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面の両方の壁面にそれぞれ対向するように設けられてもよい(請求項5)。この場合、バルブボディに設けた凸部及びニードル部に設けた凸部の両方においてキャビテーション気泡をそれぞれ生じさせることができる。そのため、燃料中にさらに多くのキャビテーション気泡を生じさせることができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記キャビテーション生成通路の入口部の流路断面積は、前記燃料噴射弁の燃料噴射時に前記バルブボディのシート部と前記ニードル部との間に形成される流路断面積及び前記噴孔の流路断面積よりも小さく設定されてもよい(請求項6)。このように流路断面積を設定することにより、キャビテーション生成通路の入口部において燃料の流速を速め、より確実に燃料流れの剥離を生じさせることができる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記燃料流路の前記キャビテーション生成通路の下流には、流路断面積が前記キャビテーション生成通路の流路断面積よりも広く、かつ前記キャビテーション生成通路にて発生したキャビテーション気泡と燃料とを混合するためのキャビテーション混合部が設けられていてもよい(請求項7)。この場合、キャビテーション混合部において燃料とキャビテーション気泡とが混合されるので、燃料中にキャビテーション気泡を分散させることができる。これにより燃料中にキャビテーション気泡が偏って含まれることを抑制できる。
本発明の燃料噴射弁の一形態において、前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面は、前記キャビテーション生成通路の出口部から前記キャビテーション混合部を経由して前記噴孔に至る燃料流路を形成する部分がそれぞれ滑らかに接続されていてもよい(請求項8)。キャビテーション気泡を含む燃料が燃料噴射弁内においてバルブボディなどの壁面と衝突すると、その衝突によってキャビテーション気泡が消えるおそれがある。この形態では、キャビテーション生成通路の出口部から噴孔に至る部分の壁面が滑らかに接続されているため、衝突によるキャビテーション気泡の消滅を抑制できる。そのため、キャビテーション気泡を含んだ燃料をより確実に噴孔から噴射させることができる。
以上に説明したように、本発明の燃料噴射弁によれば、キャビテーション生成通路の入口部にて発生するキャビテーション気泡を増加させることができるので、従来よりもさらに多くのキャビテーション気泡を燃料中に発生させることができる。
(第1の形態)
図1及び図2を参照して本発明の第1の形態に係る燃料噴射弁を説明する。なお、図1は図2のI−I線における燃料噴射弁1の断面図を、図2は図1のII−II線における燃料噴射弁1の断面図をそれぞれ示している。また、図1では燃料噴射弁の先端部分を拡大して示している。図1の燃料噴射弁1は、内燃機関の吸気通路や燃焼室に設けられ、これらの内部に燃料を噴射する周知のものである。燃料噴射弁1は、バルブボディ2と、バルブボディ2の内部に図1の上下方向に往復動自在に設けられるニードル3とを備えている。なお、図1に示した部分よりも上部の構造は周知の燃料噴射弁と同様でよいため、説明を省略する。ニードル3は、不図示のバネによってバルブボディ2のシート部2aと接触するように付勢されており、ニードル3がシート部2aと接触している場合はその接触部分よりも先端側(図1の下側)への燃料の流出が阻止される。一方、ニードル3が不図示の電磁石にて図1の上方向に駆動されると図1に示したようにニードル3がシート部2aと離間し、その離間した部分を介して燃料が燃料噴射弁1の先端側に送られる。この燃料は、その後バルブボディ2とニードル3との間に形成された燃料流路10を経由してバルブボディ2の先端に設けられた複数の噴孔4から外部に噴射される。
図1に示したようにバルブボディ2の内壁2bには、燃料流路10内に突出する凸部20が設けられている。図2に示したように凸部20は、バルブボディ2の内部に全周に亘って設けられる。この凸部20によって凸部20が設けられている部分の燃料流路10の流路断面積をその部分の前後と比較して減少させることができる。以降、燃料流路10のうち凸部20にて流路断面積が減少している部分をキャビテーション生成通路11と称する。なお、凸部20は、キャビテーション生成通路11の入口部の流路断面積がバルブボディ2のシート部2aとニードル3とが離間したときにそれらの間に形成される流路断面積及び各噴孔4の合計流路断面積よりも小さくなるように設けられる。また、キャビテーション生成通路11の下流にてキャビテーション生成通路11よりも流路断面積が広くなっている部分をキャビテーション混合部12と称する。バルブボディ2の内壁2b及びニードル3の外壁3aは、キャビテーション生成通路11の出口からキャビテーション混合部12を経由して噴孔に至る燃料流路10を形成する部分がそれぞれ滑らかに接続されている。言い換えると、これらの部分の壁面は、スムーズな流線で結ばれた形状に形成されている。
図3は、図1において線で囲んだ部分Aを拡大して示している。図3に示したように凸部20の上流側端面21は、燃料流路10内の燃料流れと対向するように形成される。凸部20の側面22は、上流側端面21の端部21aからバルブボディ2の内壁2b側に内壁2bに達しない範囲で漸次後退し、その後ニードル3の外壁3aとほぼ平行に形成されている。側面22がこのように形成されることにより、凸部20には後退部23が設けられる。なお、側面22が上流側端面21の端部21aから後退する角度αは、例えば90°以内に設定される。凸部20の下流側端面24は、燃料流路10の内側から外側に向かって燃料流れの上流側(図3の上側)に向かって後退するように形成される。下流側端面24が後退する角度βは、例えば90°以内に設定される。
図4は、燃料噴射弁1内における燃料の流れ状態の一例を示している。ニードル3が上方に駆動されてニードル3とシート部2aとが離間すると、その隙間を通って燃料流路10に燃料が流入する。この燃料がキャビテーション生成通路11に流入すると燃料にキャビテーション現象が発生し、燃料中にキャビテーション気泡が発生する。より詳しく説明すると、上述したように凸部20の側面22は端部21aから角度αで後退しているため、この端部21aにおいて燃料流れが側面22から剥離する。この剥離によりキャビテーション現象を発生させることができるので、キャビテーション生成通路11の入口部にて燃料中にキャビテーション気泡を発生させることができる。また、凸部20の下流側端面24を角度βで燃料流れの上流側に後退させたので、この部分に燃料を滞留させ、キャビテーション生成通路11から出てくる燃料流れとこの滞留している燃料との間に速度差を生じさせ、剪断力によって燃料中にキャビテーション気泡を生じさせることができる。キャビテーション生成通路11から流出した燃料は次にキャビテーション混合部12に流入する。キャビテーション混合部12においては、キャビテーション生成通路11から流出した燃料によって渦を生成できるので、この渦によって燃料を攪拌し、キャビテーション気泡を燃料中に分散させることができる。その後、燃料は、噴孔4から外部に噴射される。
このように本発明の燃料噴射弁1によれば、凸部20の後退部23にて燃料流れに剥離を生じさせ、この剥離によって燃料中にキャビテーション気泡を発生させることができる。また、凸部20の下流側端面24を角度βで燃料流れの上流側に後退させたので、この後退させた部分に滞留している燃料とキャビテーション生成通路11から流出した燃料との間に発生する剪断力によって燃料中にキャビテーション気泡を発生させることができる。さらにキャビテーション生成通路11の出口からキャビテーション混合部12を経由して噴孔4までの燃料流路10の各壁面が滑らかに接続されているので、燃料中のキャビテーション気泡の消滅を抑制できる。そのため、噴孔4から噴射される燃料中に従来よりもさらに多くのキャビテーション気泡を含ませることができる。したがって、噴孔4から噴射された燃料の微粒化をさらに促進させることができる。
なお、凸部20の形状は上述した形状に限定されない。例えば図5に示したように、凸部20の側面22を上流側端面21の端部21aよりも下流にて角度αにてバルブボディ2の内壁2a側に後退させて凸部20に後退部23を設けてもよい。また、図6に示したように側面22が凸部20の途中において90°の角度でバルブボディ2の内壁2b側に内壁2bに達しない範囲で後退させて凸部20の後退部23を設けてもよい。これらの場合も後退部23において燃料流れを剥離させることができるので、この剥離によって燃料中にキャビテーション気泡を生じさせることができる。
図7及び図8を参照して凸部20のさらに他の形状を説明する。なお、図7及び図8は、図2に対応する図である。図7の凸部20は、上流側端面21の端部21aがニードル3側に向かって凹凸が生じるように形成される点が異なる。このように凸部20を形成することにより、上流側端面21の端部21aの長さを長くすることができる。図8では、上流側端面21の端部21aの加工を粗くしてこの部分に凹凸を形成する点が異なる。この場合も上流側端面21の端部21aの長さを長くすることができる。上述したようにキャビテーション生成通路11の入口においては上流側端面21の端部21aにおいてキャビテーション気泡が発生するため、このように上流側端面21の端部21aに凹凸を設け、上流側端面21の端部21aの長さを長くすることにより、燃料中にさらに多くのキャビテーション気泡を発生させることができる。
(第2の形態)
図9〜図11を参照して本発明の第2の形態に係る燃料噴射弁を説明する。なお、図9〜図11において図1〜図4と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図9に示したようにこの形態では、ニードル3に凸部30が設けられる点が第1の形態と異なる。なお、この凸部30の形状は、図3に拡大して示した第1の形態の凸部20の形状と同様でよいため説明は省略する。このようにニードル3に凸部30を設けて燃料流路10にキャビテーション生成通路11及びキャビテーション混合部12をそれぞれ設けても、キャビテーション生成通路11の入口及び出口においてそれぞれ燃料中にキャビテーション気泡を発生させることができるので、従来よりもさらに多くのキャビテーション気泡を燃料中に生成できる。
図10及び図11は、第1の形態の図7及び図8にそれぞれ対応する図である。このように凸部30の上流側端面31の端部31aに凹凸を設けることにより、端部31aの長さを長くできるので、燃料中にさらに多くのキャビテーション気泡を発生させることができる。
(第3の形態)
図12〜図15を参照して本発明の第3の形態に係る燃料噴射弁を説明する。なお、図12〜図15において図1〜図11と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図12に示したようにこの形態では、ノズルボディ2及びニードル3の両方に互いに対向するように凸部20、30が設けられる点が上述した形態と異なる。なお、各凸部20、30の形状は、図3に拡大して示した凸部20の形状とそれぞれ同様でよい。この形態の場合は、図13に示したように各凸部20、30の上流側端面21、31の端部21a、31aにおいて燃料中にキャビテーション気泡を発生させることができるので、さらに多くのキャビテーション気泡を燃料中に生成できる。
図14及び図15は、第1の形態の図7及び図8にそれぞれ対応する図である。図14及び図15に示したようにノズルボディ2及びニードル3の両方に凸部20、30が設けられる場合は、ニードル3が駆動される際にこれらの凸部20、30が互いに干渉しないように、各凸部20、30の上流側端面21、31の端部21a、31aに凹凸がそれぞれ設けられる。このように各端部21a、31aにそれぞれ凹凸を設け、各端部21a、31aの長さをそれぞれ長くすることにより、燃料中にさらに多くのキャビテーション気泡を発生させることができる。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した各形態では、ニードルが燃料噴射弁の内側に駆動される内開弁を示したが、本発明の燃料噴射弁はニードルが燃料噴射弁の外側に駆動される外開弁であってもよい。
本発明の第1の形態に係る燃料噴射弁を示す図。 図1のII−II線における燃料噴射弁の断面を示す図。 図1の線で囲んだ部分を拡大して示す図。 図1の燃料噴射弁内における燃料の流れ状態の一例を示す図。 第1の形態の凸部の第1の変形例を示す図。 第1の形態の凸部の第2の変形例を示す図。 第1の形態の凸部の第3の変形例を示す図。 第1の形態の凸部の第4の変形例を示す図。 本発明の第2の形態に係る燃料噴射弁を示す図。 第2の形態の凸部の変形例を示す図。 第2の形態の凸部の他の変形例を示す図。 本発明の第3の形態に係る燃料噴射弁を示す図。 図12の燃料噴射弁内における燃料の流れ状態の一例を示す図。 第3の形態の凸部の変形例を示す図。 第3の形態の凸部の他の変形例を示す図。
符号の説明
1 燃料噴射弁
2 バルブボディ
3 ニードル(ニードル部)
4 噴孔
10 燃料流路
11 キャビテーション生成通路
12 キャビテーション混合部
20、30 凸部
21a、31a 端部

Claims (8)

  1. バルブボディと前記バルブボディ内に往復動自在に設けられたニードル部との間に形成される燃料流路を経由し、前記燃料流路にて発生したキャビテーション気泡を含んだ燃料を前記バルブボディの先端に設けられた噴孔から噴射する内燃機関の燃料噴射弁において、
    前記燃料流路を形成する前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面の少なくともいずれか一方の壁面には、前記燃料流路を流れる燃料中にキャビテーション気泡を発生させるべく前記燃料流路の流路断面積が燃料の流れ方向の前後と比較して減少するキャビテーション生成通路が形成されるように前記燃料流路内に突出する凸部が設けられ、
    前記凸部は、前記キャビテーション生成通路の入口部よりも下流において前記キャビテーション生成通路の流路断面積が拡がるように前記キャビテーション生成通路の燃料流れに沿って設けられる前記凸部の側面を前記凸部が設けられた壁面に達しない範囲で後退させた後退部を備えていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記凸部の前記キャビテーション生成通路の燃料流れに沿って設けられる側面は、前記キャビテーション生成通路の入口部から前記凸部が設けられた壁面側に漸次後退していることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記凸部は、前記キャビテーション生成通路の出口部を形成する端部から前記燃料流路の燃料流れ上流側に向かって漸次後退しつつ前記凸部が設けられた壁面に後退していることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記キャビテーション生成通路の入口部を形成する前記凸部の端部には、前記燃料噴射弁の周方向に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記凸部は、前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面の両方の壁面にそれぞれ対向するように設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記キャビテーション生成通路の入口部の流路断面積は、前記燃料噴射弁の燃料噴射時に前記バルブボディのシート部と前記ニードル部との間に形成される流路断面積及び前記噴孔の流路断面積よりも小さく設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記燃料流路の前記キャビテーション生成通路の下流には、流路断面積が前記キャビテーション生成通路の流路断面積よりも広く、かつ前記キャビテーション生成通路にて発生したキャビテーション気泡と燃料とを混合するためのキャビテーション混合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記バルブボディの壁面及び前記ニードル部の壁面は、前記キャビテーション生成通路の出口部から前記キャビテーション混合部を経由して前記噴孔に至る燃料流路を形成する部分がそれぞれ滑らかに接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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