JP2010203314A - 燃料噴射ノズルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビテーション室や屈曲部を持つ噴孔を備えた燃料噴射ノズルの製造効率を向上できる燃料噴射ノズルの製造方法を提供する。
【解決手段】工程Aにおいて、スリット状の噴孔7を放電加工を利用してノズルボディ4に形成し、工程Bにおいて、キャビテーション室10Aの形状に対応した穴10A′を放電加工を利用してノズルボディ4に形成し、工程Cにおいて、穴10A′の開口部19を塞ぐことによりキャビテーション室10Aを形成し、燃料噴射ノズル2Aを製造する。
【選択図】図4
【解決手段】工程Aにおいて、スリット状の噴孔7を放電加工を利用してノズルボディ4に形成し、工程Bにおいて、キャビテーション室10Aの形状に対応した穴10A′を放電加工を利用してノズルボディ4に形成し、工程Cにおいて、穴10A′の開口部19を塞ぐことによりキャビテーション室10Aを形成し、燃料噴射ノズル2Aを製造する。
【選択図】図4
Description
本発明は、燃料噴射弁に組み込まれる燃料噴射ノズルの製造方法に関する。
燃料噴射ノズルの噴孔形状として従来から様々な形状が提案されている。例えばスリット状の噴孔が形成された燃料噴射ノズルがあり、こうしたスリット状の噴孔をワイヤ式の放電加工を利用して形成するノズルの製造方法が知られている(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
ところで、噴孔の途中に流路を拡大させるキャビテーション室を形成し、そのキャビテーション室で生じたキャビテーション気泡を燃料に混入させることにより、噴射燃料の微粒化を促進できることが知られている。キャビテーション室が形成されることにより噴孔の流入口又は流出口よりも広い空間が噴孔の途中に存在することになるが、こうした形状をノズルボディに加工することは困難である。そのため、キャビテーション室と噴孔との境界でノズルボディを2分割し、これら分割部のそれぞれに穴開け加工を施した後に、これらを互いに接合することによりキャビテーション室を備えたノズルを製造することが考えられる。また、噴孔の流路を途中で屈曲させることも知られているが、こうした形状の加工も一般に困難であるので、上記と同様に屈曲部でノズルボディを2分割する方法でないと屈曲した噴孔を持つ燃料噴射ノズルを製造することが難しい。更に、屈曲部を持つ噴孔にキャビテーション室を組み合わせたノズルの場合には加工の難易度が増大する。このように、キャビテーション室や屈曲部を備えたノズルの製造は工程が複雑化し製造効率が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、キャビテーション室や屈曲部を持つ噴孔を備えた燃料噴射ノズルの製造効率を向上できる燃料噴射ノズルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の製造方法は、スリット状の噴孔と、前記噴孔に連通するようにして前記噴孔の流入口と流出口との間に配置されて流路面積を拡大させるキャビテーション室とがノズルボディに形成された燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記噴孔を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記キャビテーション室の形状に対応した穴を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記穴の開口部を塞ぐことにより前記キャビテーション室を形成する工程と、を備えるものである(請求項1)。
この製造方法によれば、噴孔を形成し、キャビテーション室の形状に対応した穴を形成し、その穴の開口部を塞ぐ3つの工程で、ノズルボディに噴孔とキャビテーション室とが形成された燃料噴射ノズルを製造できる。従って、キャビテーション室と噴孔との境界でノズルボディを分割するなどの複雑な工程を回避できるため製造効率が向上する。なお、噴孔を形成する工程と穴を形成する工程との実施順序は問わない。従って、噴孔を形成した後に穴を形成してもよいし、穴を形成した後に噴孔を形成してもよい。
本発明の第2の製造方法は、流入口と流出口との間に位置する屈曲部にて屈曲したスリット状の噴孔と、前記噴孔の前記屈曲部に連通して流路面積を拡大させるキャビテーション室とがノズルボディに形成された燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記流入口から前記屈曲部までに相当する前記噴孔の上流部及び前記キャビテーション室の各形状に対応した穴を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記屈曲部から前記流出口までに相当する前記噴孔の下流部を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記穴の開口部を塞ぐことにより前記噴孔の上流部及び前記キャビテーション室のそれぞれを形成する工程と、を備えるものである(請求項2)。
この製造方法によれば、噴孔の上流部及びキャビテーション室の各形状に対応した穴を形成し、噴孔の下流部を形成し、穴の開口部を塞ぐ3つの工程で、ノズルボディに屈曲した噴孔とその屈曲部にキャビテーション室が設けられた燃料噴射ノズルを形成できる。従って、キャビテーション室と噴孔との境界や屈曲部でノズルボディを分割するなどの複雑な工程を回避できるため製造効率が向上する。なお、穴を形成する工程と噴孔の下流部を形成する工程との実施順序は問わない。従って、穴を形成した後に噴孔の下流部を形成してもよいし、噴孔の下流部を形成した後に穴を形成してもよい。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、噴孔を形成し、キャビテーション室の形状に対応した穴を形成し、その穴の開口部を塞ぐ3つの工程で、又は噴孔の上流部及びキャビテーション室の各形状に対応した穴を形成し、噴孔の下流部を形成し、穴の開口部を塞ぐ3つの工程で、キャビテーション室や屈曲部を持つ噴孔を備えた燃料噴射ノズルを形成できるので製造効率が向上する。
(第1の形態)
図1及び図2は本発明の第1の形態に係る製造方法にて製造された燃料噴射ノズルが組み込まれた燃料噴射弁の先端部分を示しており、図1はスリット状の噴孔が幅広に見える方向から燃料噴射弁の先端部の断面を示した正面側の断面図、図2は図1に対して切断面の向きを90°変えた側面側の断面図である。燃料噴射弁1は内燃機関用の燃料噴射弁として構成されている。燃料噴射弁1は先端部に装着される燃料噴射ノズル2Aと、そのノズル2Aを開閉する弁体3とを備えている。燃料噴射ノズル2Aはノズルボディ4を有しており、そのノズルボディ4には弁体3が着座する弁座5と、弁座5に繋がっている燃料溜まり6と、その燃料溜まり6に連通する噴孔7とがそれぞれ形成されている。弁体3は不図示のソレノイドを動力源とした不図示の駆動装置によって燃料噴射ノズル2Aの中心線の方向(図の上下方向)に駆動され、弁体3が弁座5から離座することにより噴孔7の流入口8と流出口9との間に圧力差が生じて燃料が外部へ噴射される。
図1及び図2は本発明の第1の形態に係る製造方法にて製造された燃料噴射ノズルが組み込まれた燃料噴射弁の先端部分を示しており、図1はスリット状の噴孔が幅広に見える方向から燃料噴射弁の先端部の断面を示した正面側の断面図、図2は図1に対して切断面の向きを90°変えた側面側の断面図である。燃料噴射弁1は内燃機関用の燃料噴射弁として構成されている。燃料噴射弁1は先端部に装着される燃料噴射ノズル2Aと、そのノズル2Aを開閉する弁体3とを備えている。燃料噴射ノズル2Aはノズルボディ4を有しており、そのノズルボディ4には弁体3が着座する弁座5と、弁座5に繋がっている燃料溜まり6と、その燃料溜まり6に連通する噴孔7とがそれぞれ形成されている。弁体3は不図示のソレノイドを動力源とした不図示の駆動装置によって燃料噴射ノズル2Aの中心線の方向(図の上下方向)に駆動され、弁体3が弁座5から離座することにより噴孔7の流入口8と流出口9との間に圧力差が生じて燃料が外部へ噴射される。
噴孔7は扁平なスリット状に構成されており流入口8から流出口9に向かって図1に示した横幅W1が徐々に広がっている。流入口8と流出口9との間には流路面積を拡大させるキャビテーション室10Aが噴孔7と連通するようにしてノズルボディ4に形成されている。キャビテーション室10Aの空間は円柱状に形成されている。キャビテーション室10Aよりも上流側の上流部11及び下流側の下流部11のそれぞれの縦幅W2(図2)は一定である。図3はキャビテーション室10の作用を説明する説明図である。図3に示すように、キャビテーション室10Aは、噴孔7の上流部11との接続部において流路面積が拡大している。このため、噴孔7の上流部11を流れる燃料流れFは、その接続部に隣接する上流隅部13にて剥離する。その剥離によりキャビテーションが発生し空気等のガスが巻き込まれて、キャビテーション室10Aを通過する燃料に多数のキャビテーション気泡Bが混入する。これにより、キャビテーション気泡Bが燃料に混入した状態で噴孔7から噴射されるため噴射燃料(燃料噴霧)の微粒化が促進される。
図4は燃料噴射ノズル2Aの製造方法を概略的に示した説明図である。図4の右側に示された図は正面側の断面図であり図1に対応し、左側に示された図は側面側の断面図であり図2に対応する(以下の図も同様である)。燃料噴射ノズル2Aは3つの工程A〜Bを経て製造される。
まず、工程Aにおいては、放電加工を行う放電加工機15を用いて噴孔7をノズルボディ4に形成する。放電加工機15はいわゆる形彫り式の加工機として構成されており、アーク放電を行う電極部16を有している。電極部16の形状は、図示されるように噴孔7の形状に対応した台形状になっており、電極部16の厚さは一定である。工程Aでは、ノズルボディ4の下端側から電極部16を矢印方向に所定速度で挿入し、その後、電極部16を矢印方向に引き抜くことにより噴孔7の形成が完了する。
次に、工程Bでは、放電加工機17を用いてキャビテーション室10Aの形状に対応した穴10A′を噴孔7を横切るようにしてノズルボディ4に形成する。放電加工機17の電極部18はキャビテーション室10の形状に対応した円柱状になっている。工程Bでは、ノズルボディ4の下端の側方から矢印方向に電極部18を所定速度で挿入し、その後電極部18を矢印方向に引き抜くことにより穴10A′の形成が完了する。
最後に、工程Cでは、工程Bで形成した穴10A′の開口部19をろう付けや溶接等の穴埋め手段にて形成される閉塞部20にて塞ぎ、これによりキャビテーション室10Aの形成が完了する。なお、穴10A′を塞ぐ手段としては、閉塞部20の代わりに同一形状の穴埋め部材(不図示)を穴10A′に圧入することにより実現してもよい。
本形態によれば、図4に示した3つの工程A〜Cにより燃料噴射ノズル2Aが製造されるため、ノズルボディ4を2分割するなどの複雑な工程を回避できる。このため製造時間が短縮し加工精度も容易に担保できる。つまり製造効率が向上する。なお、本形態の製造方法においては、図4に示した工程Aと工程Bとの実施順序を入れ替えて、工程Bの後に工程Aを実施することも可能である。
本形態の製造方法では、放電加工に用いる電極部の形状を変更することにより、格別な制約を伴うことなく種々の形状の噴孔及びキャビテーション室を形成できる。図5〜図12は噴孔やキャビテーション室の形状が図1の形態と相違する変形例に係る燃料噴射ノズル2B〜2Eの構成及びそれらの作用を示している。
図5は第1変形例に係る燃料噴射ノズル2Bの断面図であり、図6は第1変形例に係るキャビテーション室10Bの作用を説明する説明図である。このキャビテーション室10Bは四角柱状の空間を持つように形成されている。そのため、図1の形態よりも、噴孔7の上流部11とキャビテーション室10Bの境界における流路の広がり角θが大きくなるので燃料流れFの剥離が促進される。これにより、キャビテーション室10Bで生成されるキャビテーション気泡Bの数が増加する。
図7は第2変形例に係る燃料噴射ノズル2Cの断面図であり、図8は第2変形例に係るキャビテーション室10Cの作用を説明する説明図である。このキャビテーション室10Cは頂点を下流側に向けた三角柱状の空間を持つように形成されている。そのため、キャビテーション室10Cから下流部12への接続が第1変形例よりも滑らかになり、流路抵抗が低減される。従って、第1変形例と同等のキャビテーション気泡Bの数的増加効果を発揮しつつ流路抵抗を低減することができる。
第1変形例及び第2変形例に係る燃料噴射ノズル2B、2Cの製造は、図4に示した工程Bにおいてキャビテーション室10B、10Cの形状に対応した形状を持つ電極部に変更して各形状に対応した穴(不図示)を形成し、残りの工程A及び工程Cを行うことにより実現できる。
図9は第3変形例に係る燃料噴射ノズル2Dの断面図であり、図10は第3変形例に係る噴孔7D及びキャビテーション室10Dの作用を説明する説明図である。これらの図から明らかなように、この噴孔7Dは上流部11Dに比べて下流部12Dの縦幅W2が広くなっている。そして、キャビテーション室10Dは第1変形例と同様に四角柱状の空間を持つように形成されている。そのため、第3変形例は、図1の形態や第1変形例及び第2変形例のようにキャビテーション室10Dの下流側で流路が上流側と同等に絞られないので、キャビテーション室10Dで生じたキャビテーション気泡Bの大きさが上流側の領域AR1から下流側の領域AR2に至る過程で大きくなる。つまり、領域AR1で発生したキャビテーション気泡Bは下流部12Dを流れながら成長する。従って、第3変形例は第1変形例と同等のキャビテーション気泡Bの数的増加効果を発揮しつつキャビテーション気泡Bの成長効果を得ることができる。
図11は第4変形例に係る燃料噴射ノズル2Eの断面図であり、図12は第4変形例に係る噴孔7E及びキャビテーション室10Eの作用を説明する説明図である。これらの図から明らかなように、この噴孔7Eは上流部11Eよりも下流部12Eの方が縦幅W2が広くなっている。そして、キャビテーション室10Eは第2変形例と同様に頂点を下流側に向けた三角柱状の空間を持つように形成されている。この燃料噴射ノズル2Eはキャビテーション室10Eの形状を除き第3変形例と共通の構成を有しているので、上流側の領域AR1から下流側の領域AR2に至る過程でキャビテーション気泡Bの大きさを拡大できる第3変形例と同等の成長効果を発揮しつつ、併せて第2変形例の効果である流路抵抗の低減効果を発揮することができる。
第3変形例及び第4変形例に係る燃料噴射ノズル2D、2Fの製造は、図4の工程Aを図13の工程Aに置き換えるとともに、図4の工程Bを第1変形例及び第2変形例と同様にキャビテーション室10D、10Eの形状に対応した形状を持つ電極部に変更し、その上で工程Cを実施することにより実現できる。図13は第3変形例及び第4変形例に係る工程Aを示した説明図である。なお、この図では第3変形例に係る燃料噴射ノズル2Dについての工程Aを示している。図示するように、工程Aで使用される放電加工機21は、噴孔7Dを形成するため、台形状でかつ先端の厚さが基端よりも薄い電極部22を有している。その電極部22をノズルボディ4の下端側から矢印方向に所定速度で挿入し、その後、電極部22を矢印方向に引き抜くことにより噴孔7Dの形成が完了する。その後、上記工程B及びCを経て燃料噴射ノズル2Dが形成される。
(第2の形態)
次に、図14〜図17を参照して第2の形態を説明する。図14及び図15は第2の形態に係る製造方法にて製造された燃料噴射ノズルを示しており、図14は第2の形態に係る燃料噴射ノズルの正面側の断面図、図15は図14に対して切断面の向きを90°変えた側面側の断面図である。燃料噴射ノズル31は、ノズルボディ32を有しており、そのノズルボディ32には不図示の弁体が着座する弁座33と、弁座33に繋がっている燃料溜まり34と、その燃料溜まり34に連通する噴孔35とがそれぞれ形成されている。
次に、図14〜図17を参照して第2の形態を説明する。図14及び図15は第2の形態に係る製造方法にて製造された燃料噴射ノズルを示しており、図14は第2の形態に係る燃料噴射ノズルの正面側の断面図、図15は図14に対して切断面の向きを90°変えた側面側の断面図である。燃料噴射ノズル31は、ノズルボディ32を有しており、そのノズルボディ32には不図示の弁体が着座する弁座33と、弁座33に繋がっている燃料溜まり34と、その燃料溜まり34に連通する噴孔35とがそれぞれ形成されている。
噴孔35は流入口36と流出口37との間に位置する屈曲部38にて屈曲している。屈曲部38の内側には流路面積を拡大させるキャビテーション室39が形成されていて、そのキャビテーション室39は屈曲部38に連通している。噴孔35は扁平のスリット状に構成されており、図14の横幅W1は流入口36から流出口37に向かって徐々に拡大している。また、流入口36から屈曲部38までに相当する上流部41は、その縦幅W2が屈曲部38から流出口37までに相当する下流部42よりも若干広く形成されている。
図16は燃料噴射ノズル31の作用を説明する説明図である。図示するように、噴孔35内の燃料の主流Faは屈曲部38の外側を流れつつ屈曲部38で向きを変える。キャビテーション室39へ流入した燃料は流路の拡大により剥離を生じ縦渦状の剥離渦Fbを生じ、キャビテーション室39内を旋回する。それによりキャビテーション室39内にキャビテーション泡Bが発生して、その泡Bが主流Faに合流して燃料に混入する。これにより、キャビテーション気泡Bが燃料に混入した状態で噴孔35から噴射されるため噴射燃料の微粒化が促進される。
図17は燃料噴射ノズル31の製造方法を概略的に示した説明図である。図17の右側に示された図は正面側の断面図であり、左側に示された図は側面側の断面図である。燃料噴射ノズル31は3つの工程A〜Bを経て製造される。
まず、工程Aにおいては、放電加工を行う形彫り式の放電加工機45を用いて、噴孔35の上流部41及びキャビテーション室39の各形状に対応した穴50をノズルボディ32に形成する。放電加工機45はアーク放電を行う電極部46を有しており、その電極部46は穴50に対応した形状を持っている。工程Aでは、ノズルボディ32の下端の側方から矢印方向に電極部46を所定速度で挿入し、その後電極部46を矢印方向に引き抜くことにより穴50の形成が完了する。
次に、工程Bでは、放電加工機47を用いて噴孔35の下流部42を穴50と繋がるようにしてノズルボディ32に形成する。放電加工機47に設けられた電極部48は、その形状が噴孔35の下流部42の形状に対応した台形状になっており、その厚さは一定である。工程Bでは、ノズルボディ32のの下端の斜め下方から電極部48を矢印方向に所定速度で挿入し、その後、電極部48を矢印方向に引き抜くことにより下流部42の形成が完了する。
最後に、工程Cでは、工程Aで形成した穴50の開口部51をろう付けや溶接等の穴埋め手段にて形成される閉塞部49にて塞ぎ、上流部41及びキャビテーション室39のそれぞれの形成が完了する。なお、穴50を塞ぐ手段としては、閉塞部49の代わりに同一形状の穴埋め部材(不図示)を穴50に圧入することにより実現してもよい。
本形態によれば、図17に示した3つの工程A〜Cにより燃料噴射ノズル31が製造されるため、ノズルボディ32を屈曲部35にて2分割するなどの複雑な工程を回避できる。このため製造時間が短縮し加工精度も容易に担保できる。つまり製造効率が向上する。なお、本形態の製造方法においては、図17に示した工程Aと工程Bとの実施順序を入れ替えて、工程Bの後に工程Aを実施することも可能である。
図18は第2の形態の変形例を示した断面図であり、図19はその作用を説明する説明図である。この変形例に係る燃料噴射ノズル31′は、その屈曲部38′が丸みを持つ内壁面55を有している。その内壁面55により、主流Faが屈曲部38′にて曲げられる際の抵抗が緩和されるので、図14及び図15の形態と同等の効果を発揮しつつ流路抵抗の低減効果を発揮し得る。
本発明は、上記各形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。第1の形態又は第2の形態でノズルボディに穴10A′、50を形成する際には、開口部側の大きさが拡大された段付き状の穴を形成してもよい。図20は段付き穴を形成する製造方法を、第1の形態に適用した製造方法の説明図である。図20に示すように、工程Bにおいて、段付き穴10A″の形状に対応した形状の電極部18′を、ノズルボディ4の下端の側方から矢印方向に挿入し、その後電極部18′を引き抜くことにより、段付き穴10A″の形成が完了する。この工程Bで段付き穴10A″を形成しているので、次の工程Cにおいて、段付き穴10A″の開口部19′を塞ぐ際に、段付き穴10A″に形成された段差Gがろう付け等の穴埋め手段を実施する際の目安となる。そのため、穴埋め手段を実施する際に、空間として必要な部位を埋めてしまったり、埋め込みが浅くなったりすることを防止できる。これにより、適切な大きさの閉塞部20′を容易に形成することができる。
2A〜2E 燃料噴射ノズル
4 ノズルボディ
7 噴孔
7D、7E 噴孔
8 流入口
9 流出口
10A〜10E キャビテーション室
10A′ 穴
19 開口部
31 燃料噴射ノズル
32 ノズルボディ
35 噴孔
36 流入口
37 流出口
38 屈曲部
39 キャビテーション室
41 上流部
42 下流部
50 穴
51 開口部
4 ノズルボディ
7 噴孔
7D、7E 噴孔
8 流入口
9 流出口
10A〜10E キャビテーション室
10A′ 穴
19 開口部
31 燃料噴射ノズル
32 ノズルボディ
35 噴孔
36 流入口
37 流出口
38 屈曲部
39 キャビテーション室
41 上流部
42 下流部
50 穴
51 開口部
Claims (2)
- スリット状の噴孔と、前記噴孔に連通するようにして前記噴孔の流入口と流出口との間に配置されて流路面積を拡大させるキャビテーション室とがノズルボディに形成された燃料噴射ノズルの製造方法であって、
前記噴孔を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記キャビテーション室の形状に対応した穴を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記穴の開口部を塞ぐことにより前記キャビテーション室を形成する工程と、を備えることを特徴とする燃料噴射ノズルの製造方法。 - 流入口と流出口との間に位置する屈曲部にて屈曲したスリット状の噴孔と、前記噴孔の前記屈曲部に連通して流路面積を拡大させるキャビテーション室とがノズルボディに形成された燃料噴射ノズルの製造方法であって、
前記流入口から前記屈曲部までに相当する前記噴孔の上流部及び前記キャビテーション室の各形状に対応した穴を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記屈曲部から前記流出口までに相当する前記噴孔の下流部を放電加工を利用して前記ノズルボディに形成する工程と、前記穴の開口部を塞ぐことにより前記噴孔の上流部及び前記キャビテーション室のそれぞれを形成する工程と、を備えることを特徴とする燃料噴射ノズルの製造方法。
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---|---|---|---|---|
CN104929837A (zh) * | 2015-05-24 | 2015-09-23 | 北京工业大学 | 一种气液两态混合喷射的柴油喷油嘴 |
CN105332840A (zh) * | 2015-10-31 | 2016-02-17 | 北京工业大学 | 一种利用空化射流强化实现预混燃烧的方法 |
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2009
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104929837A (zh) * | 2015-05-24 | 2015-09-23 | 北京工业大学 | 一种气液两态混合喷射的柴油喷油嘴 |
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