JP2005169699A - 硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】面材の接着強度を実用上問題のないレベルに維持したまま、硬質ポリウレタンフォームの再利用に際しては剥離可能に接着強度を調整した両面に可とう性面材が積層された硬質ポリウレタンフォームボード(パネル)並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィンフィルム26bと紙面材24bとが積層された上面材22b及びポリオレフィンフィルム26aと紙面材24aとが積層された下面材22aとが、ポリオレフィンフィルム層26a,26bを介して硬質ポリウレタンフォーム層28と積層されており、上面材22b及び下面材22aと硬質ポリウレタンフォーム層28との剥離強度がいずれも3〜20N/5cmである積層硬質ポリウレタンフォームボード20とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、両面に可とう性面材が積層された硬質ポリウレタンフォームボード(パネル)並びにその製造方法に関するものである。
両面に面材を積層した硬質ポリウレタンフォームボードやパネルは公知であり、具体的には上面材と下面材に木質パネルを使用した硬質ポリウレタンフォームパネル(特許文献1)、上面材と下面材にクラフト紙、アスファルトフェルト、アルミ箔、ガラスペーパーなどを使用した硬質ポリウレタンフォームボード(非特許文献1)等は公知である。
特開2001−179709号公報 岩田敬治「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、昭和62年)第232頁
面材を積層した従来の硬質ポリウレタンフォームボードやパネルにおいては、面材と硬質ポリウレタンフォーム層との接着強度が重要であり、剥離強度が低い場合には、使用中ないし加工中に面材の剥離が発生しやすくなり、クラフト紙などの可とう性面材を使用した場合においては、ボードの製造工程において面材に収縮によるしわが発生しやすなるために、面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度は高いほどよいとされ、剥離試験した場合に面材か硬質ポリウレタンフォームのいずれかに凝集破壊が発生する剥離強度が求められていた。
しかし、近年地球環境の汚染防止のため、廃棄物の低減が大きな問題とされるに至っており、硬質ポリウレタンフォームボードの分野においても廃棄物の低減や再利用が求められている。
硬質ポリウレタンフォームを再利用して廃棄物を低減する方法として、硬質ポリウレタンフォームを粉砕した後に加熱したジエチレングリコールに投入して分解し、再生ポリオール化合物とする方法などが知られているが、係る再利用法を実施するに際しては、生成した再生ポリオール中の不純物低減のために面材を除去することが求められる。
しかるに従来の硬質ポリウレタンフォームボードのように、面材と硬質ポリウレタンフォームの接着強度の高いものは、剥離に際して大きな力が必要であり、またクラフト紙のような可とう性面材の場合には面材の方が破壊して再利用するフォームに付着、残存するために残った面材はさらに手作業で除去しなければならず、面材全体の除去は大変手間がかかる作業であり、改善が求められている。
本発明の目的は、面材の接着強度を実用上問題のないレベルに維持したまま、硬質ポリウレタンフォームの再利用に際しては剥離可能に接着強度を調整した両面に可とう性面材が積層された硬質ポリウレタンフォームボード(パネル)並びにその製造方法を提供することにある。
本発明の積層硬質ポリウレタンフォームボードは、ポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された上面材及びポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された下面材とが、ポリオレフィンフィルム層を介して硬質ポリウレタンフォーム層と積層されており、前記上面材及び前記下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度がいずれも3〜20N/5cmであることを特徴とする。
係る硬質ポリウレタンフォームボード(パネル)は、面材の接着強度を実用上問題のないレベルに維持したまま剥離可能に接着強度を有し、再利用に際して容易に面材を剥離することができる。
面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度が3N/5cm未満の場合には、面材と硬質ポリウレタンフォーム層との間の接着強度が低すぎるために、積層硬質ポリウレタンフォームボード製造後のフォームの収縮により面材に収縮しわが発生しやすく、加工時や使用時にとりわけ端部において面材の剥離が発生するため、好ましくない。また面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度が20N/5cmを超えると、再利用時において面材を剥離するために大きな力が必要となり、面材が破損する場合も生じる。
本発明の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法は、連続した原反から下面材を巻き戻して供給する下面材供給工程、前記下面材上にミキサーから供給される硬質ポリウレタンフォームの発泡原液組成物をノズルより撒布する発泡原液組成物供給工程、前記発泡原液組成物の上に連続した原反から巻き戻された上面材を供給して面材積層原液組成物とする上面材供給工程、前記面材積層原液組成物を厚さ規制装置により所定厚みに規制しつつ加熱して発泡、硬化させる発泡工程を有し、
前記上面材と下面材とはポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された積層体であり、前記下面材供給工程と上面材供給工程とはいずれもポリオレフィンフィルム層を発泡原液組成物と接するように供給するものであり、前記上面材と下面材とを45〜90℃に加熱する加熱工程を有する、
上面材層と下面材層とが積層されており、前記上面材及び前記下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度がいずれも3〜20N/5cmである積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法であることを特徴とする。
係る製造方法により、面材の接着強度を実用上問題のないレベルに維持したまま剥離可能な接着強度を有し、再利用に際して容易に面材を剥離することができる硬質ポリウレタンフォームボード(パネル)を製造することができる。
面材の加熱温度が45℃未満の場合には得られるボードにおける面材の剥離強度が低すぎる場合があり、90℃を超えると得られるボードにおける面材の剥離強度が高くなりすぎる場合がある。
上述の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法においては、前記ノズルが、幅方向に複数の吐出孔を有するシャワーノズルであることが好ましい。
硬質ポリウレタンフォームボードの製造においては、ミキサーで混合、形成された発泡原液組成物を面材に撒布する方法としては、トラバース法、インバース法、スプレー法などが知られているが、シャワーノズルを使用する方法が、上面材ないし下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度が3〜20N/5cmの範囲内の積層硬質ポリウレタンフォームボードを容易に製造することができ、好ましい。
上述の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法においては、前記厚さ規制装置が、発泡中に前記面材積層原液組成物の厚さを製品厚さ+5〜+70mmに規制するものであることが好ましい。
係る構成は、上面材ないし下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度が3〜20N/5cmの範囲内の積層硬質ポリウレタンフォームボードを容易に製造することに有効である。
発泡中の前記面材積層原液組成物の厚さの規制が製品厚さ+5mm未満の場合には、規制が甘くなって面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度が3N/5cmより小さくなる場合がある。発泡中の前記面材積層原液組成物の厚さの規制が製品厚さ+70mmを超えると規制が大きすぎて強く圧縮される結果、フォームにクラックが生じる場合がある。
本発明において使用する面材は、紙面材とポリオレフィンフィルムが積層された多層構造であり、ポリオレフィン層がポリウレタンフォームと接し、紙面材が外層となるように使用する。紙面材は公知の紙面材を使用でき、具体的にはクラフト紙、紙状の不織布、ガラスペーパー等が使用できる。ポリオレフィンフィルムは、市販のポリオレフィンフィルムが使用でき、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンと他のポリオレフィンとのブレンド樹脂フィルム、エチレン、プロピレンと他のモノマーとの共重合樹脂フィルムが例示されるが、ポリエチレンフィルムの使用がコスト的に好ましい。上面材と下面材は同一であってもよく、異なったものであってもよい。紙面材とポリオレフィンフィルムの積層方法はヒートラミネーション法や溶融共押出法などの接着剤を使用しない方法であってもよく、ホットメルト接着剤などの接着剤を使用した積層方法であってもよい。
ポリオレフィンフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜40μmであることが好ましい。薄すぎるとフィルム自体の製造が難しく、紙面材との積層も難しくなる。厚くすると、面材のコストが高くなり、面材自体が厚くなりすぎる。
面材として紙面材のみを使用すると、硬質ポリウレタンフォームとの接着強度が20N/5cmを超えたものとなる。また発泡原液組成物がしみ出す場合もあって実用的ではない。また面材としてポリオレフィンフィルムのみを使用すると、腰が弱いためにボードにしわが入りやすく、また耐熱性が十分でないために加熱を伴う発泡工程で変形し、ボードの寸法精度が低下するという問題を生じる。
本発明の積層硬質ポリウレタンフォームボードを構成する硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分を混合して発泡原液組成物とし、この発泡原液組成物を加熱して発泡、硬化させて形成する。
ポリオール組成物は、少なくともポリオール化合物、整泡剤、触媒、発泡剤とを含有する。
ポリオール化合物としては、公知の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール化合物を限定なく使用できる。係るポリオール化合物としては、第3級アミノ基含有ポリオール化合物、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール等が例示される。
第3級アミノ基含有ポリオール化合物は、第1級ないしは第2級アミンを開始剤としてアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の1種以上を開環付加重合させて得られる多官能性のポリオール化合物である。
第3級アミノ基含有ポリオール化合物の開始剤である第1級ないしは第2級アミン開始剤としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン等の脂肪族第1級ないし第2級モノアミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等の脂肪族第1級ないし第2級ポリアミン類、アニリン、ジフェニルアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、N−メチルアニリン等の芳香族第1級ないし第2級モノないしポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類が例示される。
脂肪族ポリオールは、ポリオール開始剤として脂肪族ないし脂環族多官能性活性水素化合物にアルキレンオキサイド、具体的にはプロピレンオキサイド(PO)、エチレンオキサイド(EO)、スチレンオキサイド(SO)、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの1種以上、好ましくはPOもしくはPOとEOとを開環付加重合させて得られる多官能性のオリゴマーである。
脂肪族ポリオールのポリオール開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、水等が例示される。
芳香族ポリオールは分子内に芳香環を有する多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加する方法により得られるポリオール化合物、芳香族ポリカルボン酸と多価アルコールのエステルであるポリオール化合物等が例示される。
多官能性の活性水素化合物に上述のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオール化合物としては、ヒドロキノン、ビスフェノールA等にPO,EO,SOの少なくとも1種、好ましくはPOもしくはPOとEOとを開環付加した化合物が具体的に例示される。
芳香族ポリカルボン酸と多価アルコールのエステルとしては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等とエチレングリコール、ジエチレングリコール等との水酸基末端のエステルポリオールが具体的に例示される。
上記のポリオール化合物は、水酸基価が200〜600mgKOH/gであることが好ましい。これらのポリオール化合物の中でも、第3級アミノ基含有ポリオール化合物、脂肪族ポリオールを使用すると、ポリオール組成物の粘度を低下させる効果が得られる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物に使用する触媒としては、硬質ポリウレタンフォーム用の公知の触媒は限定なく使用可能である。具体的には、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、DBU等の第3級アミン類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の金属系触媒がウレタン化反応触媒として例示される。
ポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒の使用も好ましく、例えば酢酸カリウム、オクチル酸カリウムが例示できる。上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する触媒を併用してもかまわない。
発泡剤としては、HFC−245fa、HFC−365mfc、HFE−254pc、シクロペンタン、n−ペンタン等のペンタン類、水等の公知の発泡剤を使用する。
整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォーム用の公知の整泡剤が限定なく使用可能である。整泡剤としては、通常ポリジメチルシロキサン並びにポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキサイドのグラフト共重合体もしくはブロック共重合体が使用される。ポリアルキレンオキサイドとしては、平均分子量が5000〜8000のポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合体ないしブロック共重合体が使用される。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物には、当業者に周知の難燃剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
これらの難燃剤は、例えば有機リン酸エステルは過剰に添加すると得られる硬質ポリウレタンフォームの物理的特性が低下することが有り、また三酸化アンチモン等の金属化合物粉末を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
本発明の硬質ポリウレタンフォームには、必要に応じて可塑剤を使用することが好適である。かかる可塑剤も難燃性に寄与するものであることが好ましく、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(2−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。可塑剤の添加量はポリオール成分100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。この範囲を越えると可塑化効果が十分に得られなかったり、フォームの物理特性が低下するなどの問題が生じる場合が発生する。
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート化合物としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用する。液状MDIとしては、クルード(粗製)MDI(c−MDI)(44V−10,44V−20等(住友バイエルウレタン社製))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用される。これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、形成される硬質ポリウレタンフォームの機械的強度などの物理的特性が優れており、しかも低価格であるという点で、クルード(粗製)MDIの使用が特に好ましい。
液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。かかるポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において周知のジないしポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
図1には本発明の積層硬質ポリウレタンフォームボードの構成の例を断面図にて示した。積層硬質ポリウレタンフォームボード20は、硬質ポリウレタンフォーム28の両面に下面材22aと上面材22bとが積層されている。上面材22bは、ポリオレフィンフィルム26bと紙面材24bとが積層された積層体であり、上面材22aは、ポリオレフィンフィルム26aと紙面材24aとが積層された積層体である。上面材22b及び下面材23aは、ポリオレフィンフィルム層26a,26bが硬質ポリウレタンフォームに接するように積層されている。
図2は本発明の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造に好適なを例示した正面図である。下面材11Lは下面材供給装置10からコンベア7、8上に供給し(下面材供給工程)、その上にミキサー13に接続されたノズル3から硬質ポリウレタンフォーム発泡原液組成物2を供給撒布する(発泡原液組成物供給工程)。上面材11Uの供給路には上面材加熱装置18Uが、また下面材11Lの供給路には下面材加熱装置18Lが、それぞれ設けられており、上面材11Uと下面材11Lとを45〜90℃に加熱する加熱工程が実施可能に構成されている。面材を加熱する加熱装置としては、熱板接触式加熱装置、ヒートローラー、赤外線加熱装置等の公知の加熱装置が限定なく使用可能である。
発泡原液組成物2の層の上部には、上面材11Uが上面材供給装置14から巻き戻されて連続的に供給され(上面材供給工程)、次いでニップロール16によって発泡原液組成物と面材を十分に接触させて(ニッピング工程)面材積層発泡原液組成物12とした後、厚さ規制装置としてコンベア17U,17Lから構成されるダブルコンベアを備えた加熱オーブン19に送り、発泡硬化させることによって(発泡工程)積層硬質ポリウレタンフォームBが作製される。
ダブルコンベアにおけるコンベア17U,17Lの間隔は、冷却により収縮した後のボードの厚さ(製品厚さ)に対して+5〜+70mm,より好ましくは+10〜+50mmに設定される。
図3には、発泡原液組成物を形成するミキサーに接続されるノズルとして好適なシャワーノズルの例を示した。シャワーノズル30は、ミキサーの吐出口に接続する接続部31と複数の吐出孔33を有するヘッド39とから構成され、ヘッド39の内部には発泡原液組成物の流路が形成されている。流路と吐出孔33とは、発泡原液組成物が下面材11L上に均一に撒布されるように形成される。図3(a)に部分断面を示した例では、接続部31内に形成された流路はシャワーノズル上部において2つの流路35に分割され、流路35は各吐出孔33に発泡原液組成物を分散供給する拡散流路37に連設されている。流路は、トーナメント対戦表のように分割したものであってもよい。
図3(b),(c)には、シャワーノズルの吐出面(図3(a)の下面)の形状を示した。図3(a)は、吐出孔33がシャワーノズル30のヘッド39の吐出面に1列に形成された例であり、図3(b)は吐出孔33が2列に交互に形成された例である。シャワーノズル30のヘッド39の長さLは、製造する積層硬質ポリウレタンフォームボードの幅に応じて適宜設定される。積層硬質ポリウレタンフォームボード製造装置に設けられるミキサーとシャワーノズルのセットは、1組であってもよく、複数個であってもよく、ノズルは面材の幅方向に整列使用する。
硬質ポリウレタンフォーム原料としてソフラン原液MIS(イソシアネート成分)/252−216Y(ポリオール成分)を使用し、上面材及び下面材としていずれも同じポリエチレンフィルムをラミネートしたクラフト紙(厚さ0.2mm)をポリエチレンフィルム層が硬質ポリウレタンフォームに接するように使用し、図2に示した製造装置を使用して厚さ30mm、幅910mmの積層硬質ポリウレタンフォームボードを8m/minの速度で連続生産し、長さ1820mmに裁断して積層硬質ポリウレタンフォームボードを作製した。上面材、下面材共に表面温度が70℃となるように面材の加熱装置により加熱して製造に供した。発泡工程における加熱オーブンの温度並びにダブルコンベアの表面温度は約85℃に設定した。またダブルコンベアの上下コンベア間隔は製品厚さ相当に設定した。
得られた積層硬質ポリウレタンフォームボードの面材の剥離強度は、図4に示した方法にて測定した。面材の切欠きの幅は5cmであり、ばね秤もしくはデジタル荷重計を使用して剥離強度を測定した。剥離強度は、上面材、下面材共に9.8N/5cmであり、面材の表面にしわは発生せず、外観良好であり、また裁断時においても端部での面材の剥離は発生しなかった。
得られた積層硬質ポリウレタンフォームボードからの面材の人力による剥離は、最初に長さ方向端部から50cmまで剥離し、次いで剥離した後のフォームの上に乗りながら面材を引き剥がしたところ、過剰に大きな力を入れることなく、またフォーム表面に面材が破損して残留することなく除去することができた。
積層硬質ポリウレタンフォームボードの構成を例示した断面図 積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造工程を例示した正面図 ノズルの構成を部分断面含めて例示した正面図 面材の剥離強度の測定方法を示した斜視図
符号の説明
20 積層硬質ポリウレタンフォームボード
22a 下面材
22b 上面材
24a,24b 紙面材
26a,26b ポリオレフィンフィルム
28 硬質ポリウレタンフォーム

Claims (4)

  1. ポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された上面材及びポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された下面材とが、ポリオレフィンフィルム層を介して硬質ポリウレタンフォーム層と積層されており、前記上面材及び前記下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度がいずれも3〜20N/5cmであることを特徴とする積層硬質ポリウレタンフォームボード。
  2. 連続した原反から下面材を巻き戻して供給する下面材供給工程、前記下面材上にミキサーから供給される硬質ポリウレタンフォームの発泡原液組成物をノズルより撒布する発泡原液組成物供給工程、前記発泡原液組成物の上に連続した原反から巻き戻された上面材を供給して面材積層原液組成物とする上面材供給工程、前記面材積層原液組成物を厚さ規制装置により所定厚みに規制しつつ加熱して発泡、硬化させる発泡工程を有し、
    前記上面材と下面材とはポリオレフィンフィルムと紙面材とが積層された積層体であり、前記下面材供給工程と上面材供給工程とはいずれもポリオレフィンフィルム層を発泡原液組成物と接するように供給するものであり、前記上面材と下面材とを45〜90℃に加熱する加熱工程を有する、
    上面材層と下面材層とが積層されており、前記上面材及び前記下面材と硬質ポリウレタンフォーム層との剥離強度がいずれも3〜20N/5cmであることを特徴とする積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法。
  3. 前記ノズルが、幅方向に複数の吐出孔が形成されたシャワーノズルであることを特徴とする請求項2に記載の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法。
  4. 前記厚さ規制装置が、前記発泡工程において前記面材積層原液組成物の厚さを製品厚さ+5〜+70mmに規制するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の積層硬質ポリウレタンフォームボードの製造方法。
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