JP2020023638A - 硬質ポリウレタンフォーム用組成物および硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
硬質ポリウレタンフォーム用組成物および硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】発泡剤としてシクロペンタンおよび水を使用しても、寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができ、ポリオール組成物の貯蔵安定性に優れる硬質ポリウレタンフォーム用組成物を提供すること。【解決手段】ポリオール成分(A)、触媒(B)、整泡剤(C)、及び発泡剤(D)を含むポリオール組成物(E)と、有機ポリイソシアネート(F)とからなる硬質ポリウレタンフォーム用組成物であって、ポリオール成分(A)が、特定の平均当量分子量と、特定のポリオール成分を有し、特定比率の水およびシクロペンタンを含む発泡剤(D)が、硬質ポリウレタンフォーム用組成物中に特定比率含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用組成物により解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム用組成物およびそれを用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは主にイソシアネートとポリオールとの反応により製造され、その優れた断熱性能、成形性、寸法安定性および自己接着性から、建築、家電、貯蔵タンク、船舶等における断熱材等の幅広い用途に使用されている。
硬質ポリウレタンフォームを得る際に使用する発泡剤は、オゾン層保護および地球温暖化防止の観点から、従来使用されてきたクロロフルオロカーボン(以下CFC)類やハイドロクロロフルオロカーボン(以下HCFC)類の代替発泡剤として、ハイドロフルオロカーボン(以下HFC)類やシクロペンタンに代表されるハイドロカーボン(以下HC)類、およびイソシアネート類と反応し二酸化炭素を発生する水が使用されている。
なかでも、地球温暖化係数や断熱性能の観点から、HC類であるシクロペンタンと水とが併用される。発泡剤として、シクロペンタンを用いた場合、ポリオールプレミックス混合物の貯蔵安定性が悪く、濁りの発生や成分の分離が起こり、均一なフォームが得られにくいという問題がある。
また、硬質ポリウレタンフォームを建材等の断熱材料に使用する場合は、一般的には両側に面材を有する面材付きパネルが使用されることが多い。このような面材付きパネルは主に連続製造法により製造される。連続製造法では、一般的に、下面材を連続的にコンベアで供給し、この上に、ポリオールプレミックス成分とポリイソシアネート成分とを混合した発泡原液を散布し、発泡原液の上に上面材を供給して、加熱しながら発泡硬化し、連続的に発泡体を成型する手法が用いられている。発泡硬化した硬質ポリウレタンフォームは、加熱装置から排出されたのちに、自然冷却されることにより、収縮を生じ、面材が変形し平滑性が損なわれるという課題があった。
一方、発泡剤として水を使用した場合、イソシアネートと水が反応して二酸化炭素が発生し、体積膨張する。二酸化炭素は常温では凝縮しないため、シクロペンタンと比較して成形直後の収縮は抑制されるが、セル膜の透過速度が速いためセル外への拡散が速く、発泡後のフォームのセル内が経時により減圧状態となって、フォームが収縮するという課題があった。
そのなかでも例えば図1に示すような波板形状を有する断熱材は、鋼板などの波板形状硬質面材とプラスチックフィルムなどの軟質面材の組み合わせで用いられることが多いが、その形状に起因して、製造時のフォームの流動が不均一となり、発泡硬化後のフォームに強度ばらつきが生じ、強度の低い部分では特に収縮が生じやすい。強度の低い部分で生じた収縮は、軟質面材側の変形を引き起こすという課題があった。
上記課題に対し、特許文献1では、寸法安定性の改良手法として、水を発泡剤として用いた場合に、気泡を連通化する手法が開示されているが、HC類などの物理発泡剤を用いる系では、熱伝導率が低いガスが系外へ放出され断熱性が低下することから実使用に適さない。
また、特許文献2には、表面の凹凸を抑える手法として、特定の発泡剤を組み合わせることで改良する手法が開示されているが、地球温暖化係数の高いHFC類を併用しており、また、フォームの密度も高いため、実使用に適さない。また、ポリオールプレミックス混合物の貯蔵安定性については開示されてない。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、発泡剤としてシクロペンタンおよび水を使用しても、寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができ、ポリオール組成物の貯蔵安定性に優れる硬質ポリウレタンフォーム用組成物を提供することである。
本発明者らは検討を重ねた結果、特定のポリオールを用い、シクロペンタンと水とを特定の比率で、特定量用いることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下に示す実施形態を含むものである。
(1)ポリオール成分(A)、触媒(B)、整泡剤(C)、及び発泡剤(D)を含むポリオール組成物(E)と、有機ポリイソシアネート(F)とからなる硬質ポリウレタンフォーム用組成物であって、ポリオール成分(A)が、o−トルエンジアミンまたはエチレンジアミンを開始剤としてアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール(A−1)(以下単に(A−1)とも言う。)を、ポリオール成分(A)中に40質量%以上含有する、平均当量分子量180以下のポリオール成分であり、発泡剤(D)が水およびシクロペンタンを含み、シクロペンタンの発泡剤(D)に占めるモル分率が0.5〜0.65であり、発泡剤(D)を硬質ポリウレタンフォーム用組成物中に1.00〜1.50mmol/g含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用組成物。
(2)上記(1)に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物から得られる硬質ポリウレタンフォーム。
(3)上記(1)に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物を発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
(4)面材の構成が、波板形状を有する硬質面材と、軟質面材との組み合わせである上記(2)に記載の硬質ポリウレタンフォームを備えた面材付きパネル。
本発明により、発泡剤としてシクロペンタンおよび水を使用しても、寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができ、ポリオール組成物の貯蔵安定性に優れる硬質ポリウレタンフォーム用組成物を得ることができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用組成物は、ポリオール成分(A)、触媒(B)、整泡剤(C)、及び発泡剤(D)を含むポリオール組成物(E)と、有機ポリイソシアネート(F)とからなるものである。
<ポリオール成分(A)>
本発明のポリオール組成物(E)に含まれるポリオール成分(A)は、ポリエーテルポリオール(A−1)を、ポリオール成分(A)中に40質量%以上含有する、平均当量分子量180以下のポリオール成分である。
本発明のポリオール組成物(E)に含まれるポリオール成分(A)は、ポリエーテルポリオール(A−1)を、ポリオール成分(A)中に40質量%以上含有する、平均当量分子量180以下のポリオール成分である。
ここで、本発明の平均当量分子量は、ポリオールの水酸基価(OHV(mgKOH/g))から下記式1で求めたものである。
平均当量分子量=56.11/OHV×1000 ・・・(式1)
また、ポリオール成分(A)の平均当量分子量は、ポリオール成分(A)に含まれるポリオールの質量を基準として加重平均して求めたものである。
平均当量分子量=56.11/OHV×1000 ・・・(式1)
また、ポリオール成分(A)の平均当量分子量は、ポリオール成分(A)に含まれるポリオールの質量を基準として加重平均して求めたものである。
ポリオール成分(A)の平均当量分子量が180を超える場合、得られるフォームの強度が不足し、収縮を生じやすい。
また、ポリエーテルポリオール(A−1)の含有率が、40質量%未満の場合、ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が悪化し、濁りの発生や成分の分離が起こり、均一なフォームが得られない。
また、本発明のポリオール成分(A)には、(A−1)以外のポリエーテルポリオールを用いることができる。(A−1)以外のポリエーテルポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、シュークローズ、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジエチレングリコール等の低分子ポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリエタノールアミン等の芳香族および脂肪族ポリアミン類等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド、グリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のモノマーの1種又は2種以上を公知の方法により付加重合することによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
なお、本発明のポリオール成分(A)には、得られるフォームの性能を低下させない範囲で、例えばポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の他のポリオール成分を併用しても良い。
<触媒(B)>
触媒(B)としては、当該分野において公知である各種のウレタン化触媒、イソシアヌレート化触媒等を使用でき、ウレタン化触媒とイソシアヌレート化触媒とを併用することが好ましい。
触媒(B)としては、当該分野において公知である各種のウレタン化触媒、イソシアヌレート化触媒等を使用でき、ウレタン化触媒とイソシアヌレート化触媒とを併用することが好ましい。
ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−ジメチルアミノエチル−N’−メチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン等のアミン化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、5−ジメチルアミノ−3−メチル−1−ペンタノール等のアルカノールアミン類等が挙げられる。これらのウレタン化触媒は単独で使用、もしくは2種以上を併用しても良い。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば4級アンモニウム塩類、炭素数2〜12のカルボン酸のアルカリ金属塩、アセチルアセトンやサリチルアルデヒドのアルカリ金属塩、アミンのルイス酸錯体塩、金属触媒等を挙げることができる。
<整泡剤(C)>
本発明に用いる整泡剤(C)としては、通常の硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤を特に制限なく使用することができる。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテルなどのポリオキシアルキレン系のもの、オルガノポリシロキサン、シロキサンオキシアルキレンコポリマーなどの有機シリコーン系の整泡剤が挙げられる。
本発明に用いる整泡剤(C)としては、通常の硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤を特に制限なく使用することができる。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテルなどのポリオキシアルキレン系のもの、オルガノポリシロキサン、シロキサンオキシアルキレンコポリマーなどの有機シリコーン系の整泡剤が挙げられる。
本発明においては、シロキサンオキシアルキレンコポリマーを用いることが好ましい。
<発泡剤(D)>
本発明における発泡剤(D)としては、シクロペンタンと水を使用する。
本発明における発泡剤(D)としては、シクロペンタンと水を使用する。
本発明は、発泡剤(D)中のシクロペンタンのモル分率が、0.5〜0.65であり、硬質ポリウレタンフォーム用組成物中に、発泡剤の合計量として1.00〜1.50mmol/g含有することを特徴とする。
発泡剤(D)中のシクロペンタンのモル分率が0.5未満の場合は、化学発泡剤としての水とイソシアネートとが反応して発生した炭酸ガスがフォームから散逸することにより、経時により収縮しやすい。シクロペンタンのモル分率が0.65を超える場合は、物理発泡剤としてのシクロペンタンが凝縮することにより、得られるフォームが収縮しやすい。
また、発泡剤(D)の硬質ポリウレタンフォーム用組成物中の発泡剤(D)の含有量が、1.00mmol/g未満の場合、得られるフォームの強度が不足し、収縮を生じやすい。
発泡剤(D)の含有量が、1.50mmol/gを超える場合、得られるフォームの内圧が上昇し、フォームが膨張しやすい。また、ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が悪化し、濁りの発生や成分の分離が起こり、均一なフォームが得られない。
上記の収縮や膨張などの寸法変化を抑制する効果は、通常の発泡成形において効果的であるだけでなく、例えば図1に示す波板形状を有する部材に適用する場合特に大きな効果を発揮し、特に、発泡後に収縮しやすい厚肉部の収縮を抑制することが可能となる。
なお、本発明に用いる水としては、市水、イオン交換水、蒸留水を好適に使用することができる。
本発明においては、添加剤として、通常の硬質ポリウレタンフォーム用に用いられる可塑剤、難燃剤、着色剤等を必要に応じて使用することができる。
<有機ポリイソシアネート(F)>
本発明における有機ポリイソシアネート(F)としては、ポリメリックMDIを用いることが好ましい。ポリメリックMDIのNCO含有量は、28.0〜33.0質量%が好ましく、28.5〜32.8質量%がより好ましい。25℃における粘度は110〜200mPa・sが好ましく、官能基数は2.1以上が好ましく、2.2〜3.1がより好ましい。ポリメリックMDIは、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られるポリフェニルメタンポリアミンを、ホスゲン化することによって得られる。そのためポリメリックMDIの組成は、縮合時の原料組成や反応条件によって基本的に決定される。
本発明における有機ポリイソシアネート(F)としては、ポリメリックMDIを用いることが好ましい。ポリメリックMDIのNCO含有量は、28.0〜33.0質量%が好ましく、28.5〜32.8質量%がより好ましい。25℃における粘度は110〜200mPa・sが好ましく、官能基数は2.1以上が好ましく、2.2〜3.1がより好ましい。ポリメリックMDIは、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られるポリフェニルメタンポリアミンを、ホスゲン化することによって得られる。そのためポリメリックMDIの組成は、縮合時の原料組成や反応条件によって基本的に決定される。
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には、ホスゲン化後の反応液、又は反応液から溶媒の除去、又は一部のポリメリックMDIを留出分離した缶出液が好ましく、反応条件、分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。本発明に好適に使用されるポリメリックMDIは、ベンゼン環を2個有する二核体とベンゼン環を3個以上有する多核体を含むものである。
また、本発明においては、ポリメリックMDIと、他のポリイソシアネートを併用しても良い。他のポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDI等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
次に本発明における硬質ポリウレタンフォームの製造方法について説明する。
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、上記した硬質ポリウレタンフォーム用組成物を反応発泡させることにより得ることができる。
具体的には、前記ポリオール組成物(E)と有機ポリイソシアネート(F)とを、たとえば、液温15〜50℃、好ましくは20〜30℃の範囲で攪拌混合し、金型等に導入することにより硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
その際の有機ポリイソシアネート(F)のイソシアネート基(以下NCO基とも言う。)とポリオール組成物(E)の活性水素基との割合は、NCO基と活性水素基(以下OH基とも言う。)の当量比(NCO基/OH基)=0.8〜4.0の範囲が好ましく、1.0〜2.0の範囲が特に好ましい。
硬質ポリウレタンフォームを製造するにあたっては、各原料液を均一に混合可能であればいかなる装置でも使用することができる。例えば、小型ミキサーや、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧又は高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧又は高圧発泡機、連続ライン用の低圧又は高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。
硬質ポリウレタンフォームの両面に面材を接着して設ける方法は従来公知の方法から適宜選択することができる。例えば、金型成形等により硬質ポリウレタンフォームを得て、得られる硬質ウレタンフォーム材の両面にプレス法により面材を接着してもよい。また、一般的に行われているいわゆるロールツーロール方式、又はロールツーロール類似の方式を用いることができる。
このロールツーロール方式、又はロールツーロール類似の方式は、下部巻回ロールおよび上部巻回ロールから供給される下部面材および上部面材の間に硬質ウレタンフォーム材の原料液を供給し、発泡成形するものである。成形は、下部面材の下に下部ベルトコンベアを、上部面材の上に上部ベルトコンベアを、それぞれ配置することで行う方法である。
得られる面材にサンドイッチされた硬質ポリウレタンフォームは、巻取り可能な場合はロールツーロール方式のように巻取りロールで一端巻き取ってもよく、または、得られる断熱材を成形直後に適宜の寸法に裁断してパネル化してもよい。
本発明においては、波板形状を有する硬質面材と、軟質面材とを組み合わせた面材を好適に用いることができる。波板形状を有する硬質面材としては、例えば、図2から図4に示す形状を持った鋼板や、ポリカーボネートなどの硬質プラスチック等が用いられる。軟質面材としては、例えばポリエチレンコート紙、アルミ蒸着フィルム等が用いられる。
例えば、10m/分で走行する、幅110cmの下部コンベア上に設置された波板形状を有する鋼板上に硬質ポリウレタンフォーム用組成物を連続的に吐出し、上部コンベアの下部に設置されたアルミ蒸着フィルムとの間で発泡させることにより硬質面材と軟質面材とに挟まれた硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
このようにして得られた本発明の硬質ポリウレタンフォームは、寸法安定性に優れ、外観に優れるものである。
また、本発明により得られた硬質ポリウレタンフォームを用いた成型品は、建築物の屋根、外壁等に好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例において「部」は全て「質量部」、「%」は全て「質量%」を意味する。
<ポリオール組成物(E)の調製>
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、PPG−Aを45g、PPG−Dを55g、TEを4.4g、TRCを0.4g、L−6900を2.0g、CPを18.3g、水を3.1g仕込み、20℃で0.5時間撹拌し均一に混合して、表1の実施例1に示すポリオール組成物(E)を調製した。また、実施例2〜7、および比較例1〜6に示すポリオール組成物(E)も同様に調製した。
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、PPG−Aを45g、PPG−Dを55g、TEを4.4g、TRCを0.4g、L−6900を2.0g、CPを18.3g、水を3.1g仕込み、20℃で0.5時間撹拌し均一に混合して、表1の実施例1に示すポリオール組成物(E)を調製した。また、実施例2〜7、および比較例1〜6に示すポリオール組成物(E)も同様に調製した。
[表1、2の説明]
・ポリオール成分(A)の平均当量分子量:ポリオール成分(A)に含まれるポリオールの質量を基準として加重平均して求めたものである。
・PPG−A:o−トルエンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価400(mgKOH/g)、平均当量分子量140
・PPG−B:o−トルエンジアミンにプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価390(mgKOH/g)、平均当量分子量144
・PPG−C:エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価450(mgKOH/g)、平均当量分子量125
・PPG−D:シュークローズ系ポリプロピレングリコール、平均官能基数4.3、水酸基価(mgKOH/g)、平均当量分子量125
・PPG−E:グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数3.0、水酸基価245(mgKOH/g)、平均当量分子量229
・TE:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TOYOCAT−TE:東ソー社製)
・TRC:N,N’,N’’−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン(商品名TOYOCAT―TRC:東ソー社製)
・L−6900:シリコーン整泡剤(MOMENTIVE社製)
・CP:シクロペンタン(商品名ゼオンソルブHP:日本ゼオン社製)
・MR−200:ポリメリックMDI(東ソー社製 イソシアネート含有量31%)。
・ポリオール成分(A)の平均当量分子量:ポリオール成分(A)に含まれるポリオールの質量を基準として加重平均して求めたものである。
・PPG−A:o−トルエンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価400(mgKOH/g)、平均当量分子量140
・PPG−B:o−トルエンジアミンにプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価390(mgKOH/g)、平均当量分子量144
・PPG−C:エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数4.0、水酸基価450(mgKOH/g)、平均当量分子量125
・PPG−D:シュークローズ系ポリプロピレングリコール、平均官能基数4.3、水酸基価(mgKOH/g)、平均当量分子量125
・PPG−E:グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール、平均官能基数3.0、水酸基価245(mgKOH/g)、平均当量分子量229
・TE:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TOYOCAT−TE:東ソー社製)
・TRC:N,N’,N’’−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン(商品名TOYOCAT―TRC:東ソー社製)
・L−6900:シリコーン整泡剤(MOMENTIVE社製)
・CP:シクロペンタン(商品名ゼオンソルブHP:日本ゼオン社製)
・MR−200:ポリメリックMDI(東ソー社製 イソシアネート含有量31%)。
[面材付きパネルの成形]
蓋を備えたアルミ製モールド(長さ820mm、幅500mm、厚み40mm)の底面に、硬質面材として図2、3、4に示す、長さ820mm、幅500mm、高さ25mm、溝間の幅120mm、溝上部の幅70mm、溝底部の幅30mm、厚み0.35mmの波板形状カラー鋼板をセットし、モールドの蓋の内側に軟質面材として長さ820mm、幅500mm、厚み0.10mmのアルミ蒸着PEフィルムをセットした。
蓋を備えたアルミ製モールド(長さ820mm、幅500mm、厚み40mm)の底面に、硬質面材として図2、3、4に示す、長さ820mm、幅500mm、高さ25mm、溝間の幅120mm、溝上部の幅70mm、溝底部の幅30mm、厚み0.35mmの波板形状カラー鋼板をセットし、モールドの蓋の内側に軟質面材として長さ820mm、幅500mm、厚み0.10mmのアルミ蒸着PEフィルムをセットした。
表1、2に示す処方に従って、20℃に温調したポリオール組成物(E)と有機ポリイソシアネート(F)とを6000rpmで5秒間撹拌混合し、フォーム密度が39kg/m3になるよう中央部に所定量注入し、直ぐに蓋を閉じ、2分後に脱型し、面材付きパネルを得た。
実施例2〜7、比較例1〜6についても同様に面材付パネルを成型した。得られた面材付きパネルの物性を表1、2に示す。
[評価試験方法]
<ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性>
調製したポリオール組成物(E)を50mlのサンプル瓶に入れ密栓し、20℃で2週間静置した後、外観を目視で評価し、分離が見られず均一でクリアであれば良好と判断した。
<ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性>
調製したポリオール組成物(E)を50mlのサンプル瓶に入れ密栓し、20℃で2週間静置した後、外観を目視で評価し、分離が見られず均一でクリアであれば良好と判断した。
<フォーム密度>
得られた面材付きパネルから面材の重量を差し引いて求めたフォームの重量、および体積から算出した。
得られた面材付きパネルから面材の重量を差し引いて求めたフォームの重量、および体積から算出した。
<厚肉部平均寸法変化量>
得られた面材付きパネルを室温で静置し、パネルの作製から14日後に寸法変化量を測定した。図5に示す幅方向の中心線上の厚肉部3か所にて、図5の13に示す厚肉部と隣り合う薄肉部に対する寸法差の最大値を測定し、3か所の平均値を厚肉部平均寸法変化量とした。パネルの厚み(40mm)に対する厚肉部平均寸法変化量を厚肉部平均寸法変化率とした。厚肉部が膨張しているものはプラス(+)、収縮しているものはマイナス(−)で表記し、寸法変化率が±2.0%以内のものを良好と判断した。
得られた面材付きパネルを室温で静置し、パネルの作製から14日後に寸法変化量を測定した。図5に示す幅方向の中心線上の厚肉部3か所にて、図5の13に示す厚肉部と隣り合う薄肉部に対する寸法差の最大値を測定し、3か所の平均値を厚肉部平均寸法変化量とした。パネルの厚み(40mm)に対する厚肉部平均寸法変化量を厚肉部平均寸法変化率とした。厚肉部が膨張しているものはプラス(+)、収縮しているものはマイナス(−)で表記し、寸法変化率が±2.0%以内のものを良好と判断した。
[評価結果]
実施例1〜7はポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が良好で、得られる硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性に優れ、面材付パネルとして好適に使用することができる。
実施例1〜7はポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が良好で、得られる硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性に優れ、面材付パネルとして好適に使用することができる。
比較例1はポリオール成分(A)の平均当量分子量が180を超えるため、フォームが収縮し、寸法変化率が大きくなった。
比較例2はポリエーテルポリオール(A−1)の含有率が40質量%未満のため、ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が悪く、分離が見られた。
比較例3は発泡剤(D)の濃度が1.00mmol/g未満のため、フォームが収縮し、寸法変化率が大きくなった。
比較例4は発泡剤(D)の濃度が1.50mmol/gを超えるため、フォームの充填率が過大となり、脱型後のフォームが膨張し、寸法変化率が大きくなった。
比較例5は発泡剤(D)中のシクロペンタンのモル分率が0.5未満のため、二酸化炭素のガス量が増え、フォームが経時により収縮し、寸法変化率が大きくなった。
比較例6は発泡剤(D)中のシクロペンタンのモル分率が0.65を超えるため、フォームが収縮し、寸法変化率が大きくなった。また、ポリオール組成物(E)の貯蔵安定性が悪く、分離が見られた。
1.波板形状を有する硬質面材
2.軟質面材
3.硬質ポリウレタンフォーム
4.薄肉部
5.厚肉部
6.波板形状を有する硬質面材の溝間の幅
7.波板形状を有する硬質面材の溝上部の幅
8.波板形状を有する硬質面材の溝底部の幅
9.波板形状を有する硬質面材の高さ
10.波板形状を有する硬質面材の長さ
11.波板形状を有する硬質面材の幅
12.幅方向の中心線
13.厚肉部寸法変化量測定部および変化量
2.軟質面材
3.硬質ポリウレタンフォーム
4.薄肉部
5.厚肉部
6.波板形状を有する硬質面材の溝間の幅
7.波板形状を有する硬質面材の溝上部の幅
8.波板形状を有する硬質面材の溝底部の幅
9.波板形状を有する硬質面材の高さ
10.波板形状を有する硬質面材の長さ
11.波板形状を有する硬質面材の幅
12.幅方向の中心線
13.厚肉部寸法変化量測定部および変化量
Claims (4)
- ポリオール成分(A)、触媒(B)、整泡剤(C)、及び発泡剤(D)を含むポリオール組成物(E)と、有機ポリイソシアネート(F)とからなる硬質ポリウレタンフォーム用組成物であって、ポリオール成分(A)が、o−トルエンジアミンまたはエチレンジアミンを開始剤としてアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール(A−1)を、ポリオール成分(A)中に40質量%以上含有する、平均当量分子量180以下のポリオール成分であり、発泡剤(D)が水およびシクロペンタンを含み、シクロペンタンの発泡剤(D)に占めるモル分率が0.5〜0.65であり、発泡剤(D)を硬質ポリウレタンフォーム用組成物中に1.00〜1.50mmol/g含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用組成物。
- 請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物から得られる硬質ポリウレタンフォーム。
- 請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム用組成物を発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 面材の構成が、波板形状を有する硬質面材と、軟質面材との組み合わせである請求項2に記載の硬質ポリウレタンフォームを備えた面材付きパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018149311A JP2020023638A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 硬質ポリウレタンフォーム用組成物および硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
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