JP2009234544A - 動力工具の搬送台車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンドル脚部12a,12b間に掛け渡したゴムバンドを引き掛け突起15a,15b,15cに引き掛けることにより、各ビットB1〜B4についてゴムバンドがその側方から強く押し当てられるようにする。
【選択図】図1
Description
この搬送台車には、動力工具本体の他、これに装着する先端工具であって各種作業向けに用意した複数本のビットを併せて積載できるようにしたものが提供されていた。この搬送台車に、動力工具本体を下向き姿勢で搭載し、複数のビットを1本づつ筒体形のビット保持スリーブに上から差し込んで保持しておくことができる。
使用者は、この搬送台車の左右の車輪を接地させた状態でハンドル部を把持して引き回すことにより、大型の動力工具本体と複数本のビットを楽に運搬することができる。また、当該搬送台車を自立させておくことにより、動力工具本体とビットをそれぞれ上下に起立させた状態で保管しておくことができる。
従来、ビットの抜け出しを防止するために本体拘束用のゴムバンドを用いていたが、例えば相互に並列配置した4本のビットに1本のゴムバンドを掛け渡して単に側方から抑えるだけであったので中央の2本のビットについて十分な拘束がなされず、台車横倒し状態では依然としてビット保持スリーブからの抜け出しを防止することが困難であった。
本発明は、この問題に鑑みなされたもので、動力工具及びこれに装着する各種のハンマビットを搬送するための搬送台車において、これを上記のように横倒し状態で車両に積み込んだ場合であってもビットが確実に拘束されてビット保持スリーブから容易に抜け出さないようにすることを目的とする。
請求項1記載の搬送台車によれば、ビット保持スリーブに投入したビットに対して拘束部材が側方から押し当てられ、これにより発生する抵抗によって当該ビットの軸方向への移動が規制されて当該ビットのビット保持スリーブからの抜け出しが規制される。このことから、当該搬送台車を車両等の荷台に横倒し状態で積載した場合においても、ビットのビット保持スリーブからの抜け出しを防止することができる。
請求項2記載の搬送台車によれば、拘束部材を単に左右のハンドル脚部間に掛け渡した場合よりも確実かつ強い押圧力で拘束部材をビットに押し当てることができ、これによりビットの抜け出しをより一層確実に防止することができる。
請求項3記載の搬送台車によれば、4本のビットの全てについて拘束部材としてのゴムバンドを側方から確実に押し付けることができる。このことから、中央の引き掛け部を有せず、4本のビットの全体について拘束部材を跨って押し付ける構成に比して、中央の2本のビットについても確実に当該拘束部材を押し付けることができる。
請求項4記載の搬送台車によれば、拘束部材としてゴムバンドを用い、このゴムバンドの弾性力により当該拘束部材をビットに押し付ける構成とする他、例えば拘束部材としてリーフスプリングを用いることにより、当該リーフスプリングをそのばね力でビットに押し付ける構成とすることができる。後者のばね力を用いる構成を採用することにより、単純な構成で長期間にわたって当該拘束部材を機能させることができる。
請求項5記載の搬送台車によれば、規制部材がストッパとして機能することにより、ビットのビット保持スリーブからの抜け出しが防止される。
請求項6記載の搬送台車によれば、ストッパとしての規制部材にビットの先端部を当接させることにより当該ビットの抜け出しが防止され、またビットの先端部に限らずフランジ部を規制部材に当接させることによっても当該ビットの抜け出しを防止することができる。
請求項7記載の搬送台車によれば、規制部材を回動させることにより、ビットの抜け出しが防止される状態と、ビットをビット保持スリーブに対して出し入れ可能な状態に切り換えることができる。
請求項8記載の搬送台車によれば、ビットの先端部を覆うビットカバーによりビットの先端部が他部位に接触することを未然に防止することができるとともに、当該搬送台車の横倒し状態等においてビットのビット保持スリーブからの抜け出しを確実に防止することができる。
この搬送台車10は、動力工具本体1を支持する基台部11と、この基台部11から上方へ延びるハンドル部12を備えている。基台部11は、平板形状を有するもので、図2に示すようにその中央には、動力工具本体1を支持するための本体支持柱13が設けられている。この本体支持柱13は、円柱体形状を有するもので、基台11から上方へ起立した状態に固定されている。この本体支持柱13を動力工具本体1のビット装着口に挿入して当該動力工具本体1を下向きにして起立させた状態で保持しておくことができる。動力工具本体1は、別途用意したゴムバンド(図示省略)を用いて例えばハンドル部12側に縛り付けられる等してこの起立状態に保持される。
ハンドル部12は、逆U字形を有するもので、基台部11の前端左右両側(図1において手前側の左端部と右端部)を跨った状態に設けられている。このハンドル部12の上部は使用者側へ僅かに傾斜している。
ハンドル部12の左右ハンドル脚部12a,12b間は、1本の補強プレート12cによって結合されて、当該ハンドル部12の剛性(構造体としての強度)が確保されている。また、両ハンドル脚部12a,12bには、それぞれブラケット14が取り付けられている。両ブラケット14,14は、それぞれ帯板をV字形に屈曲させたもので、ハンドル脚部12a,12bの前面から手前側に突き出す状態に取り付けられている。左右のブラケット14,14の上部間に、1本の補強バー15が掛け渡した状態に取り付けられている。また、左右のブラケット14,14の下部間に、1本の支持バー16が同じく掛け渡した状態に取り付けられている。上側の補強バー15と下側の支持バー16は相互に平行に固定されている。また、補強バー15と支持バー16は共に、ハンドル脚部12a,12bよりも手前側に配置されている。
下側の支持バー16の両端部は、それぞれブラケット14から側方へ更に突き出されている。この突き出し先端部にそれぞれ車輪17が回転自在に支持されている。使用者は、左右の車輪17,17を接地させて、ハンドル部12の上部を把持して当該搬送台車10を押したり、引いたりして移動させることにより動力工具本体1及びこれに装着する各種のビットB〜Bを楽に搬送することができる。
ハンドル部12を手前側に倒して当該搬送台車10を横に寝かせた状態(横倒し状態)とすると、左右のブラケット14,14の突き出し先端部が接地してそれぞれ脚部として機能する。
各ビット保持スリーブSの上端部は、上側の補強バー15の前側部に接合されている。また、各ビット保持スリーブSの下端部は、下側の支持バー16の上部に接合されている。このため、四つのビット保持スリーブS〜Sは、上側の補強バー15よりも手前側において下側の支持バー16上に横並び状態で支持されている。
各ビット保持スリーブSの下端部は、この支持バー16によってほぼ塞がれた状態となっている。各ビット保持スリーブSの上端部が上方へ開口したビット投入口とされている。ビット投入口から投入したビットB(先端工具)は、底部として機能する支持バー16に突き当たって、当該ビットBはビット保持スリーブS内に保持される。
上記したように本例の搬送台車10は合計4つのビット保持スリーブS〜Sを備えており、各ビット保持スリーブSに1本ずつビットBを投入することにより、合計4本のビットB〜Bを保持しておくことができる。動力工具本体1のビット装着孔に装着されるビットBは、作業内容に適合した種々形態のものが用意されている。以下の説明において、4つのビット保持スリーブS〜Sを図1において左側から1番スリーブS1、2番スリーブS2、3番スリーブS3、4番スリーブS4と称して適宜区別する。また、各ビット保持スリーブSに投入されるビットBについても、1番スリーブS1に投入されたビットBを1番ビットB1、2番スリーブS2に投入されたビットBを2番ビットB2、3番スリーブS3に投入されたビットBを3番ビットB3、4番スリーブS4に投入されたビットBを4番ビットB4と称して適宜区別する。これらを特に区別する必要がない場合には、単にビット保持スリーブS、ビットBと言う。
図3及び図4は、第1実施形態に係るビット抜け出し防止装置N1を示している。図1及び図2に示すように上側の補強バー15には、合計3本の引き掛け突起15a,15b,15cが設けられている。第1実施形態では、各引き掛け突起15a,15b,15cが、それぞれ下方へ向けて突き出された状態で示されている。第1実施形態のビット抜け出し防止装置N1では、この引き掛け突起15a,15b,15cが利用される。引き掛け突起は、補強バー15の上面から上方へ突き出す状態に設けてもよい。
また、この第1実施形態では、拘束部材としてゴムバンドを主体とする拘束ベルト20が用いられる。この拘束ベルト20は、両端にフック部20a,20bを備え、中央に1つの引き掛け孔20cを備えている。
この拘束ベルト20を用いて、4本のビットB1〜B4が保持される。図3において左側から、1番スリーブS1に1番ビットB1が投入され、2番スリーブS2に2番ビットB2が投入され、3番スリーブS3に3番ビットB3が投入され、4番スリーブS4に4番ビットB4が投入されている。
拘束ベルト20の両側のフック部20a,20bがそれぞれハンドル部12のハンドル脚部12a,12bに引き掛けられて、当該両ハンドル脚部12a,12b間に1本の拘束ベルト20が各ビットBの手前側を経由して掛け渡される。一方、拘束ベルト20の引き掛け孔20cは、中央の引き掛け突起15bに引き掛けられる。図4はこの引き掛け状態を模式的に示している。
前記したようにハンドル脚部12a,12bの手前側に補強バー15が配置され、かつこの補強バー15の手前側において各ビットBが投入されていることから、1本の拘束ベルト20を上記のように引き掛けることにより、拘束ベルト20が全てのビットB1,B2,B3,B4に強く押し当てられて、これらのビット保持スリーブS1〜S4からの抜け出し(図3及び図4において紙面直交する方向の手前側への移動、以下同じ)を従来よりも確実に防止することができる。
また、第1実施形態のビット抜け出し防止装置N1によれば、図5に示すように1本の拘束ベルト20を各ビットBの手前側を経由しつつ3箇所すべての引き掛け突起15a,15b,15cに引き掛けて、左右のハンドル脚部12a,12b間に引き掛けることによっても当該拘束ベルト20を全てのビットB1〜B4に押し当てることができる。これにより、台車横倒し状態におけるこれらのビット保持スリーブS1〜S4からの抜け出しをより確実に防止することができる。また、台車起立状態においてもこの拘束ベルト20によって各ビットのビット保持スリーブS内でのがたつきを抑制することができる。
以上説明した第1実施形態における拘束ベルト20にはゴムバンドを主体とするものの他、皮革製のベルトあるいはワイヤ等を用いてもよい。
拘束ベルト30は、1番挿通孔31aの手前側に引き出された後、1番ビットB1の前側を経由して2番挿通孔31bに通されて後面側に引き出され、その後3番挿通孔31cを経て手前側に引き出されて2番ビットB2の前側に引き回されている。以下、順次4番挿通孔31d→5番挿通孔31e→3番ビットB3→6番挿通孔31f→7番挿通孔31g→4番ビットB4→8番挿通孔31hを経て当該固定板31の後面側に引き出されている。こうして固定板31の後面側に引き出された当該拘束ベルト30の他端側に設けたフック部30bがハンドル脚部12bに引き掛けられている。
拘束ベルト30の長さは、固定板31の手前側に引き出された範囲について、各ビットBを適度な力で押圧するに足る長さに設定されている。このため、4つのビット保持スリーブS1〜S4の全てに対してビットB1〜B4を投入した状態としておくことにより、各ビットBに対して拘束ベルト30を前側から適度な力で押圧した状態とすることができ、これによりそのビット保持スリーブSからの抜け出し及びビット保持スリーブS内でのがたつきを防止することができる。
任意のビットBをビット保持スリーブSから抜き出す場合であって、例えば3番ビットB3を3番スリーブS3から取り出す場合には、使用者は、3番ビットB3の前側を経由する部位において拘束ベルト30を前側へ引っ張ってその3番ビットB3に対する押圧状態を解除すれば足りる。このように、拘束ベルト30の押圧状態を解除すれば、ビット保持スリーブSからビットBを簡単に取り出すことができ、逆にビット保持スリーブSにビットB投入することができる。
この第2実施形態では、係合突部30aとフック部30bを左右反対に設けてもよく、また拘束ベルトの両端に係合突部を設け、あるいは両端にフック部を設ける構成に変更してもよい。さらに、4本のビットB1〜B4に限らず、1本若しくは複数本のビットB及びこれを投入するビット保持スリーブに対応することができる。
左右のフック部40a,40bがそれぞれハンドル脚部12a,12bに係合されて、当該板ばね40が両ハンドル脚部12a,12b間に跨った状態に装着されている。この板ばね40は、図示するように各保持凹部40cをビット保持スリーブS1〜S4の投入口の上方に位置させた位置と、これよりも後方へずらした位置との間を手操作により移動させることができる。
ビットBをビット保持スリーブSに投入する場合、使用者は手操作により板ばね40を後方へ移動させ、この状態でビットBをビット保持スリーブBに挿入して立て掛けておく。その後、板ばね40を手前側に移動させて、投入したビットBに対応する保持口40dを弾性力に抗して押し広げながらビットBを相対的に保持凹部40c内に押し込む。ビットBは、保持凹部40c内に押し込まれると、その周囲に当該板ばね40が押圧されてその弾性力によって保持される。板ばね40の弾性力によって保持されることにより、ビットBのビット保持スリーブSからの抜け出しが防止され、またビット保持スリーブS内での振動が防止される。
ビットBを取り出す場合には、手操作により対応する保持口40dを押し開いて保持凹部40cを後方へ移動させれば足りる。
この第3実施形態に係るビット抜け出し防止装置N3では、4箇所のビット保持スリーブS1〜S4の一部にビットBが投入されていない場合であっても同様に機能する。また、板ばね40の保持凹部40cは、ビット保持スリーブSの数に合わせて設けておくことができるので、1箇所、若しくは複数箇所のビット保持スリーブSに対応させることができる。
支軸部50aとフック部50bとの間において、当該板ばね50には合計4箇所の保持突部50c〜50cが設けられている。各保持突部50cは、平面的に見て後側へ突き出す山形に形成されている。4箇所の保持突部50c〜50cの相互の間隔は、4箇所のビット保持スリーブS1〜S4の相互の間隔にほぼ一致している。
フック部50bをその弾性力に抗して向かって右側のハンドル脚部12bから外すと、当該板ばね50が支軸50aを中心にして手前側へ回動させることができる。フック部50bをハンドル脚部12bに係合させると、図示するように各保持突部50cがそれぞれ対応するビットBに手前側から押し当てられる。当該板ばね50の弾性力によって各保持突部50cが手前側から押し当てられることにより、各ビットB1〜B4が保持されて、ビット保持スリーブS1〜S4からの抜け出しが防止され、またビット保持スリーブS1〜S4内でのがたつきが防止される。
この第4実施形態においても、一部のビット保持スリーブSにビットBが投入されていない場合であっても同様に機能する。また、第3実施形態と同様、保持突部50cは、ビット保持スリーブSの数に合わせて設けておくことができるので、当該搬送台車10が1つのビット保持スリーブSを備える場合、あるいは複数箇所のビット保持スリーブS〜Sを備える場合にそれぞれ対応させることができる。
各ビット保持スリーブSにビットBを投入した状態で、各拘束ベルト60をビットBの手前側を経由してそのフック部60bを右側の係合軸部82に係合させる。これによりビットBは拘束ベルト60の弾性によって保持されて、ビット保持スリーブSからの抜け出し及びがたつきが防止される。
この第5実施形態では、ゴムバンド製の拘束ベルト60に代えて金属製のリーフスプリングを素材として拘束ベルトを構成してもよい。
以上、第5及び第6実施形態では、1本のビットBに対して1つの拘束ベルト60,70を用いる構成を例示したが、例えば図11に示すように2本のビットB,Bについて1本の拘束ベルト80(拘束ベルト81)を用いる構成としてもよい。この第7実施形態の場合、図示するように補強バー15の上面には、合計3本の係合軸部82〜84が設けられている。この3本の係合軸部82〜84は、補強バー15の左寄り、中央及び右寄りの3箇所に相互に平行で上方へ突き出す状態に設けられている。
第1拘束ベルト80の一端側は左側の係合軸部82に結合されている。第1拘束ベルト80の他端側にはフック部が設けられており、このフック部は中央の係合軸部83に係脱可能な状態で結合されている。第2拘束ベルト81の一端側は中央の係合軸部83に結合されている。第2拘束ベルト81の他端側にもフック部が設けられており、このフック部は右側の係合軸部84に係脱可能な状態で結合されている。
このように、1本の拘束ベルト80(又は81)で2本のビットB1,B2(又はB3,B4)を拘束することによっても、各ビットBが拘束ベルト80(又は81)によって確実に拘束される。両拘束ベルト80,81は、ゴムバンドであって、金属製のリーフスプリングであってもよい。また、両拘束ベルト80,81をゴムバンド製とした場合にはそれぞれのフック部を省略して、それぞれ両端部を係合軸部82〜84に離脱しないように結合しておく構成としてもよい。この場合であっても使用者が手で各拘束ベルトを手前引っ張ることによりビット保持スリーブSに対してビットBを簡単に出し入れすることができる。
図12に示すように、第8実施形態のビット抜け出し防止装置N8は、下方に開放された箱体形状のビットカバー90を備えている。このビットカバー90が特許請求の範囲に記載した規制部材の一例に相当する。このビットカバー90の下開口部の左右両側部には、保持バンド91,91が取り付けられている。両保持バンド91,91の先端にはそれぞれフック92が取り付けられている。一方、ビットカバー90の後面には2つのストッパ突起93,93が設けられている。両ストッパ突起93,93は、相互に平行で後方へ突き出す状態に設けられている。また、両ストッパ突起93,93は、左右対称となる位置に配置されている。図示するように両ストッパ突起93,93が、搬送台車10の補強プレート12cの上面に当接する(引っ掛かる)ことにより、当該ビットカバー90の下方への変位が規制される。
ビット保持スリーブS1〜S4にそれぞれビットBを投入した状態で、これらにビットカバー90を被せるとともに、左右の保持バンド91,91を下方へ引っ張ってフック部92,92を上側の補助バー15に引き掛ける。これによりビットカバー90は、4本のビットB1〜B4の先端側に被せられた状態に保持される。この状態では、両ストッパ突起93,93が補強プレート12cの上面に当接した状態となっている。
このようにビットカバー90の天板部90aが各ビットBの抜け出し方向前方(図12では上方)に位置することにより、これらのビット保持スリーブSからの抜け出しが防止される。このことから、天板部90aが特許請求の範囲に記載した壁部として機能する。
また、この第8実施形態の場合、左右対称に配置したストッパ突起93,93を補強プレート12cに当接させてその下方への変位を規制する構成であるので、4箇所のビット保持スリーブS1〜S4のうち、例えば左端の1番スリーブS1のみにビットB1が投入されている場合であっても、当該ビットカバー90が右側の保持バンド91に引っ張られて右側に傾くことがなく、その結果常に左右の保持バンド91,91について左右均等な引っ張り力でビットカバー90を水平に保持しておくことができる。
また、この第8実施形態に係るビット抜け出し防止装置N8によれば、全てのビット保持スリーブS1〜S4が空である場合等の不必要時には、ビットカバー90を当該搬送台車10から完全に取り外しておくことができるので邪魔になることがない。
さらに、4本のビットB1〜B4の先端部が、ビットカバー90によって覆われることから、当該先端部に他部位が接触して損傷等することを未然に防止することができる。
第9実施形態の場合、投入されるビットBとしてはフランジ部Bfを有するものが対象となる。投入した各ビットBのフランジ部Bfは、ビット保持スリーブSの投入口から一定寸法上方へ離れた高さに位置している。規制フレーム100を引っ張りばね107,108によって図13中実線で示す規制位置に位置させると、各ビットBのフランジ部Bfの上側にそれぞれ半円弧部101(または、102,103,104)が位置する。フランジ部Bfの上側に半円弧部101(または、102,103,104)が位置することにより、ビットBのビット保持スリーブSからの抜け出しが防止される。
ビット保持スリーブSからビットBを取り出す場合には、図13中二点鎖線で示すように規制フレーム100を手操作により引っ張りばね107,108に抗して手前側へ回動させる。これにより全ての半円弧部101〜104をフランジ部Bf〜Bfの上側から退避させることができ、これによりビットBを上方へ抜き出すことができる。
このキャップ110の側部に1本のゴムバンド111が結合されている。ゴムバンド111は下方の延びており、その先端にはフック112が取り付けられている。このフック112が上側の補強バー15に引き掛けられている。このゴムバンドの引っ張り力によって、ビットBのビット保持スリーブSからの抜け出し方向の移動が規制されている。第10実施形態の場合、4本のビットB1〜B4について、それぞれ1つのキャップ110を被せておくことにより、個別に抜け出し防止をすることができる。このため、4箇所のビット保持スリーブS1〜S4の一部にビットBが投入されない場合であっても適用することができる。
キャップ110は、ビットBの先端テーパ部を通過させない径のリングに変更してもよい。また、1つのキャップ若しくはリングを2本のゴムバンドで補強バー15に引き掛ける構成としてもよい。
さらに、キャップの上部開口部110aは省略してもよい。
このビットカバー120は、左右の側壁部を有している。図16では使用者から見て左側の側壁部120aのみが見えている。この左右の側壁部が、ハンドル脚部12a,12bにそれぞれ支軸121を介して上下に回動可能に支持されている。図16では、閉じた位置のビットカバー120が実線で示され、上方へ開いた位置のビットカバー120が二点鎖線で示されている。ビットカバー120の閉じ位置は、左右側壁部120a,120aの後端縁が、ハンドル脚部12a,12bの側部に設けたストッパ突起122,122に当接することによって保持される。
ビット保持スリーブSにビットBを投入する際には、使用者は手操作によりビットカバー120を上方へ開き、この開き状態を保持しつつビットBをビットスリーブSに投入することができる。ビットBをビットスリーブSに投入した後、ビットカバー120を下方へ回動させて閉じれば、当該ビットカバー120の天板部120bが、各ビットBの抜け出し方向前方に位置するため、これらのビット保持スリーブSからの抜け出しが防止される。このことから、第11実施形態においてビットカバー120が特許請求の範囲に記載した規制部材に相当し、また上記天板部120bが特許請求の範囲に記載した壁部に相当する。
また、動力工具本体としては、ビットに対して軸方向の打撃に加えて回転動力を出力するハンマドリル等であっても同様に適用することができる。
さらに、動力工具本体1に加えて4本のビットB1〜B4を搭載可能な搬送台車10を例示したが、複数本のビットB〜Bのみを搭載するビット専用の搬送台車にも例示した各実施形態を同様に適用することができる。
10…搬送台車
S…ビット保持スリーブ
S1…1番スリーブ、S2…2番スリーブ、S3…3番スリーブ、S4…4番スリーブ
B…ビット、Bf…フランジ部
B1…1番ビット、B2…2番ビット、B3…3番ビット、B4…4番ビット
11…基台部
12…ハンドル部、12a,12b…ハンドル脚部、12c…補強プレート
13…本体支持柱
14…ブラケット
15…補強バー、15a〜15c…引き掛け突起
16…支持バー
17…車輪
N…ビット抜け出し防止装置
N1…ビット抜け出し防止装置(第1実施形態)
N2…ビット抜け出し防止装置(第2実施形態)
N3…ビット抜け出し防止装置(第3実施形態)
N4…ビット抜け出し防止装置(第4実施形態)
N5…ビット抜け出し防止装置(第5実施形態)
N6…ビット抜け出し防止装置(第6実施形態)
N7…ビット抜け出し防止装置(第7実施形態)
N8…ビット抜け出し防止装置(第8実施形態)
N9…ビット抜け出し防止装置(第9実施形態)
N10…ビット抜け出し防止装置(第10実施形態)
N11…ビット抜け出し防止装置(第11実施形態)
20…拘束ベルト(拘束部材)
30…拘束ベルト(拘束部材)
31…固定板、31a〜31h…1番〜8番挿通孔
40…板ばね(拘束部材)、40c…保持凹部
50…板ばね(拘束部材)、50c…保持突部
60…拘束ベルト(拘束部材)
70…拘束ベルト(拘束部材)
80…第1拘束ベルト(拘束部材)
81…第2拘束ベルト(拘束部材)
90…ビットカバー
93…ストッパ突起
100…規制フレーム
101〜104…半円弧部
107,108…引っ張りばね
110…キャップ(拘束部材)
120…ビットカバー、120a…側壁部
121…支軸
122…ストッパ突起
Claims (8)
- 動力工具本体と、該動力工具本体に装着する先端工具としてのビットを搬送するための台車であって、前記ビットを投入するビット保持スリーブと、該ビット保持スリーブに投入したビットの抜け出しを防止するための装置を備え、
該抜け出し防止装置は、前記ビットに対して側方から拘束部材を押し当ててその抜け出し方向の移動を拘束する構成とした搬送台車。 - 請求項1記載の搬送台車であって、前記動力工具本体を搭載する基台部と、該基台部の左右側部から上方へ延びるハンドル部を備え、該ハンドル部の左右ハンドル脚部間が補強バーで結合されるとともに、該左右のハンドル脚部間にビット保持スリーブを備え、
前記抜け出し防止装置は、前記左右のハンドル脚部間に掛け渡した拘束部材を備え、該拘束部材を、前記補強バーに設けた引き掛け部に引き掛けて前記ビットを拘束する構成とした搬送台車。 - 請求項2記載の搬送台車であって、前記補強バーの長手方向中央に引き掛け部を設け、該引き掛け部に対して左右に4つのビット保持スリーブを配置し、前記ビット抜け出し防止装置は、前記拘束部材としてゴムバンドを用い、該拘束部材の一端側を前記一方のハンドル脚部に引き掛け、他端側を他方のハンドル脚部に引き掛け、中央を前記引き掛け部に引き掛けて、前記4つのビット保持スリーブに投入した4本のビットに対して左右2本ずつに分けて前記拘束部材を押し当てる構成とした搬送台車。
- 請求項1記載の搬送台車であって、前記拘束部材をばね力を用いて押し付ける構成とした搬送台車。
- 動力工具本体と、該動力工具本体に装着する先端工具としてのビットを搬送するための台車であって、前記ビットを投入するビット保持スリーブと、該ビット保持スリーブに投入したビットの抜け出しを防止するための装置を備え、
該抜け出し防止装置は、前記ビットの抜け出し方向前方に規制部材を位置させてその抜け出し方向の移動を規制する構成とした搬送台車。 - 請求項5記載の搬送台車であって、前記規制部材を前記ビットの先端に対して前方に位置させ、若しくは前記ビットのフランジ部に対して前方に位置させた搬送台車。
- 請求項5記載の搬送台車であって、前記規制部材は、前記ビットの抜け出し方向の移動を規制する規制位置と、規制しない非規制位置との間を回動可能な構成とした搬送台車。
- 請求項5記載の搬送台車であって、前記ビットの先端部を覆うビットカバーを備え、該ビットカバーの壁部を前記ビットの抜け出し方向前方に位置させて前記規制部材として機能させる構成とした搬送台車。
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