JP2009233604A - 帯状体への塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

帯状体への塗布装置及び塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動体で安定した振動を液溜まり部の塗布液に付与可能な塗布装置を提供する。
【解決手段】周面に転写された塗布液8を、連続して搬送されてくる鋼板9表面に転写するアプリケーターロール5を備える。上記アプリケーターロール5と鋼板9との間に形成される塗布液8の液溜まり部に沿って線材11を配置する。上記線材11を振動させて、上記液溜まり部の塗布液8に振動を付与すると共に、断続的に、上記線材11を軸方向に移動させて、上記液溜まり部に配置される線材部分を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロールコーターを用いて、連続して搬送されてくる帯状体表面に対し連続して塗布処理を行う塗布装置及び塗布方法に関する。
従来から、連続して搬送されてきた帯状体表面、例えば鋼板表面に対し、耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与するために各種の塗膜を形成する処理を行っている。この塗膜形成処理における塗布処理は、例えば特許文献1に記載のように、ロールコーターを用いて行われる。なお、ロールコーターとしては、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。特に、3ロールコーターは、塗布膜厚の制御性に優れることと、表面外観が比較的美麗であることから、主流のコーティング方式になっている。
この3ロールコーターは、ピックアップロール、ミタリングロール、及びアプリケーターロールを備える。ピックアップロールは、コーターパンから塗布液を汲み上げるロールである。ミタリングロールは、ピックアップロール周面に汲み上げられた塗布液量を調整するロールである。アプリケーターロールは、塗布液量が調整された塗布液がピックアップロールから転写されると共に、その塗布液を、連続して搬送されてくる鋼板表面に転写するロールである。各ロールの回転方向は、ロール間の近接点あるいは接触点において同方向に回転するナチュラル回転の場合と、逆方向に回転するリバース回転の場合とがあるが、一般的には、リバース回転の方が、被塗布材表面凹凸に沿った膜厚均一な塗膜面が得られやすいことから、特にアプリケーターロールと鋼板間ではリバース回転にする場合が多い。
ここで、3ロールコーターその他のロールコーターにおける代表的な塗布欠陥として、ローピングと呼ばれるものがある。ローピングは、ロールの周方向の筋模様が、鋼板に転写されて膜厚むらとなり、外観劣化の原因となるものである。このローピングは、塗布液の粘度が高いほど、また、ロール周速が高速となるほど発生しやすい傾向にある。特に、鋼板速度が速くなると各ロール周速も速くなるために、ローピングの発生は防ぎ難くなる。
これに対し、特許文献1では、ライン速度200mpm以上の高速塗布において、ローピングの発生を低減させる方法として、ピックアップロールの周速を20〜80mpm、かつアプリケーターロールの周速をライン速度以上の200〜1000mpmとして塗布を行う方法が、開示されている。
また、特許文献2に記載の技術では、液溜まり部の塗布液を、発熱体で加熱すると共に、振動体で振動させることで、ローピングその他の塗布欠陥の発生を防止することが開示されている。
特開平10一309512号公報 特開平4−126567号公報
特許文献1に開示された方法では、アプリケーターロールの周速を上げていくとアプリケーターロール上のローピングのピッチが細かくなり、鋼板上もローピングが目立ちにくくなる。しかしながら、アプリケーターロールの周速をライン速度に対し上げすぎると、アプリケーターロールと鋼板との間の接触する位置において、塗布液の流れが乱れることで、鋼板幅方向で局所的に塗布液の界面が振動し、鋼板上では斑点状の模様発生の原因となる。したがって、アプリケーターロールの周速を速くすることはローピングに対しては有効な手段であるが、新たな塗布外観の劣化要因を作り出す問題がある。
一方、特許文献2に開示された方法では、アプリケーターロールと帯状体との間の液溜まり部に対し振動体を設置することで、上記のような塗布欠陥を防止することが可能である。しかし、同一の振動体が、常時、塗布液に接していると、当該振動体が腐食するといった問題が発生するおそれがある。振動体が腐蝕したまま使用すると、塗膜に悪影響が出る可能性がある。また、振動体に対し、塗布液が堆積するようにして固着していくおそれもある。このようなことは安定した振動付与に悪影響が出る。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、振動体で安定した振動を液溜まり部の塗布液に付与可能な塗布装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、周面に転写された塗布液を、連続して搬送されてくる帯状体表面に転写するアプリケーターロールを備えた帯状体への塗布装置において、
上記アプリケーターロールと帯状体との間に形成される塗布液の液溜まり部に沿って配置されて、当該アプリケーターロールの軸と平行な方向に沿った方向に延在する線材と、上記線材を振動させて、上記液溜まり部の塗布液に振動を付与する振動手段と、上記線材を上記延在方向に移動させて、上記液溜まり部に配置される線材部分を変更する線材移動手段と、を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記線材移動手段は、上記線材の両端部をそれぞれ個別に回転ドラムに巻き付けておき、回転ドラムからの巻取り巻戻しを行うことで線材を移動させることで構成することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記振動手段は、上記線材の軸方向に当該線材を加振することで当該線材から塗布液に振動を付与することを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、延在方向に移動させた線材部分に付着している塗布液を除去するクリーニング装置を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、連続して搬送されてくる帯状体表面に対しアプリケーターロール周面から塗布液を転写して塗布する帯状体への塗布方法において、
上記アプリケーターロールと帯状体との間に形成される塗布液の液溜まり部に配置した線材を振動させて、上記液溜まり部の塗布液に振動を付与すると共に、連続的若しくは断続的に、上記液溜まり部に配置される線材部分を変更することを特徴とするものである。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項5に記載した構成に対し、上記振動は、線材を線材軸方向に加振することで行うことを特徴とするものである。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した構成に対し、上記振動は、帯状体のライン速度[m/s]×600[Hz]以上の振動数であることを特徴とするものである。
請求項1又は請求項5に係る発明によれば、ローピングや斑点状の模様などの塗布欠陥の発生場所において、アプリケーターロールと帯状体との間の液溜まり部に振動体としての線材を配置し、該線材を振動させて該液溜まり部に強制的に振動を付与する。この結果、塗布液の種類を問わず、高速ラインで塗布欠陥を抑えた塗布処理が可能になる。
さらに、液溜まり部の塗布液を振動させる線材を、連続的若しくは断続的に入れ代えることで、線材が、塗布液に長時間接触することによる腐食の発生を防止できる。この結果、安定した振動を液溜まり部の塗布液に付与可能になるなど、安定した操業が望める。
このとき請求項2に係る発明によれば、所定の張力を付与させつつ、線材の移動が可能となる。
また、請求項3又は請求項6に係る発明によれば、線材の振動を最適化し易いと共に、振動させる際の線材径方向への振幅も小さくすることが可能となる。液溜まり部は小さいので線材の振れ廻りは小さい方が好ましい。
また、請求項4に係る発明によれば、線材を繰り返し正方向及び逆方向に移動可能となる。この結果、線材の連続使用の寿命が向上する。
次に、発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態では、連続して搬送されてくる帯状体の片面に対し、3ロールコーターを用いて塗布液を塗布する場合を例にあげて説明する。また、帯状体として鋼板を例に挙げて説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係る塗布装置の要部構成例を示す模式的側面図である。図2は、図1におけるロールコーター2、および液溜まり部Aに配置された振動付与装置7を示す平面図である。図3は、振動装置13の構成を説明する概略図である。
(構成)
本実施形態の塗布装置は、図1に示すように、コーターパン1、ロールコーター2、バックアップロール、及び振動付与装置7(図1では、線材11以外は省略されている。)を備える。
コーターパン1には、塗布液8が収容されている。ここで、コーターパン1内の塗布液8は、不図示の循環装置で循環処理することで、目的の濃度等に調整される。
ロールコーター2は、ピックアップロール3、ミタリングロール4、及びアプリケーターロール5を備える。ピックアップロール3は、上記コーターパン1から塗布液8を汲み上げるロールである。ミタリングロール4は、ピックアップロール3周面に汲み上げられた塗布液8の量を調整するロールである。アプリケーターロール5は、上記塗布液8の量が調整された塗布液8がピックアップロール3から転写されると共に、その転写された塗布液8を、連続して搬送されてくる鋼板9表面に連続して転写するロールである。
図1中の矢印は、各ロール3〜5の回転方向または鋼板9の搬送方向を示す。各ロール3〜5の回転方向は、各ロール3〜5間、あるいはアプリケーターロール5と鋼板9間において互いに逆方向である。また、ミタリングロール4上には塗布液8を掻き取るブレード10が設置されている。
ここで、帯状体が本実施形態のように鋼板9等の金属板の場合は、疵を防止するため、アプリケーターロール5は、鋼ロールにゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いることが好ましい。鋼板9は、バックアップロール6に巻きついた状態で、アプリケーターロール5から塗布液8が転写されることで、塗布液8が当該鋼板9の表面に塗布される。
そして、上記アプリケーターロール5周面と鋼板9表面との間に、図4に示すように、液溜まり部Aが形成される。液溜まり部Aは断面楔状の空間からなる。その液溜まり部Aに、振動付与装置7の線材11が配置されている。
振動付与装置7は、線材11と、左右の巻取り装置12と、振動装置13とを備える。
線材11は、上記液溜まり部A位置を、ロール軸に平行な方向Xに沿って延在し、その両端部側が、それぞれ個別の巻取り装置12のドラム12aに巻回されている。巻取り装置12は、線材11を巻き付ける上記ドラム12aと、そのドラム12aを回転駆動する回転駆動装置12bとからなる。回転駆動装置12bとしては、電動モータを例示することが出来る。そして、その巻取り装置12の回転駆動装置12bを駆動制御することで、2台のドラム12a間に位置する線材11の部分に所定の張力を付与する。なお、各巻取り装置12のドラム12aは、それぞれ設置台14に回転自在に支持されている。
また、各ドラム12aの前側には、線材11に対し振動を付与する振動子を備えた振動装置13を備える。振動装置13は、線材11を下方から上方に向けて押圧した状態に配置される。そして、振動装置13の振動子は周波数が可変となっていて、振動子を振動させることで、それに応じて線材11が振動する。上記振動装置13も、上記設置台14に支持されている。
ここで、液溜まり部Aの大きさは、コーティングする塗布膜厚、鋼板9の搬送速度、アプリケーターロール5の周速等に応じて変化する。このため、上記設置台14は、不図示の位置調整装置によって、上下左右方向に位置を調整可能としている。このように設置台14の位置を調整することで、液溜まり部Aに沿って延在する線材11部分の上下左右方向位置が調整される。なお、アプリケーターロール5と鋼板9との間に形成される、液溜まり部Aは小さいので、液溜まり部Aへ精度良く線材11を接触させるためには、線材11の位置を微調整できることが必要である。そして、位置調整装置を備えることで、線材11をアプリケーターロール5と鋼板9との間の液溜まり部Aに精度よく接触させることができる。
上記振動子としては、例えば超音波振動子その他を例示できる。上記振動装置13は、線材11の下方から振動を付加する場合を例示しているが、線材11の上下を同時に押圧して振動を付与しても良い。
ここで、振動付与装置7は、線材11を液溜まり部Aに接触させて当該液溜まり部Aの塗布液8に対し振動を付与する。ここで、「線材11が液溜まり部Aに接触」とは、線材11を振動させたときに、線材11における液溜まり部A位置に沿って延在する各部全体が、必ずしも常に液溜まり部Aの外に在る状態にならないということ、換言すると、振動サイクル中の少なくとも一部において、線材11が液溜まり部Aと接触する状態にあればよいということである。線材11における液溜まり部A位置に沿って延在する部分の所定の線材11部分に着目すると、当該線材11部分は振動サイクル中、液溜まり部A内にある状態と液溜まり部A外にある状態とを繰り返して振動してもよいし、常に液溜まり部A内部で振動してもよい。
図4では、線材11に上下方向の振動を付与した場合の線材11の振動状態を示している。線材11の上下方向の矢印は線材11の振幅である。線材11を振動させたときに線材11の振動の節を確実に液溜まり内に存在させる観点から、振動を付与しない状態で、線材11は液溜まり部A内にあるか、または液溜まり部Aと接触する位置に配置することが好ましい。線材11を振動させる際の振幅は、塗布液8が鋼板9へ塗布された際に、ローピング等の塗布ムラによる液膜の凹凸を分散させるために1mm未満とするのが好ましい。また、線材11は、例えば、アプリケーターロール5周面及び鋼板9表面に対し、塗布膜以上のスパンが常に保持できるように設定する。
また、本実施形態では、上記2台の巻取り装置12を駆動することで、一方の巻取り装置12から線材11が巻き戻されると共に、同期をとって他方の巻取り装置12に線材11を巻き取ることが可能となっている。この巻取り巻戻し処理を行うことで、線材11は、一方の巻取り装置12側から他方の巻取り装置12側に所定の張力を持たせつつ移動して、上記液溜まり部A位置に存在する線材11部分が変更される。
例えば、一方の巻取り装置12(例えば右側)に対して多量に線材11を巻回されておいて、その一方の巻取り装置12から他方の巻取り装置12に向けて、一方向(右→左)にのみ線材11を移動させるように設定しておく。
ここで、上記線材11の巻取り巻戻し処理は、液溜まり部Aの塗布液8に振動を付与中に、連続的若しくは断続的(間欠的)に実施しても良い。または、先行鋼板と後行鋼板との溶接点付近で、一気に移動させるようにしても良い。なお、振動を付与中に移動させる場合には、振動付与への影響が抑えられる範囲の速度で、線材11の巻取り巻戻しを行うようにする。
ここで、振動装置13が振動手段を構成する。巻取り装置12は、線材移動手段を構成する。
(動作及び効果)
コーターパン1内の塗布液8をピックアップロール3で汲み上げ、汲み上げた塗布液8の液量を、ミタリングロール4で調整しつつ、アプリケーターロール5に転写し、上記アプリケーターロール5を連続的に走行する鋼板9に接触して、上記アプリケーターロール5表面の塗布液8を、上記鋼板9表面に転写する。これによって、連続して鋼板9表面に塗布液8を塗布できる。表面に塗布液8が塗布された鋼板9は、図示しない次工程の加熱設備又は乾燥設備に送られて加熱乾燥の処理が施され、鋼板9表面に所要の塗膜が形成される。
なお、ミタリングロール4表面に付着した塗布液8は、ブレード10で掻き取られることで、コーターパン1内に戻る。
このようなロールコーター2において、ローピングの発生条件は主に各ロール3〜5の周速、各ロール3〜5間のギャップ、あるいは押し付け圧、塗布液8の物性値(粘度、表面張力)に依存するが、高速塗布では、必然的に各ロール周速が速くなるために、ローピングの発生は避け難くなる。
ローピングは、ミタリングロール4とピックアップロール3との間、およびピックアップロール3とアプリケーターロール5との間で発生する可能性があるが、高速塗布では後者で必ず発生する。また、後者でローピングが発生する場合には前者で発生するローピングはキャンセルされるため、ピックアップロール3とアプリケーターロール5との間だけに着目すればよい。
線材11の振動数は、特に規定するものではないが、「鋼板9のライン速度LS[m/s]×600[Hz]」〜「鋼板9のライン速度LS[m/s]×10000[Hz]」の間が好ましく、特に、「鋼板9のライン速度LS[m/s]×1000[Hz]」〜「鋼板9のライン速度LS[m/s]×10000[Hz]」がさらに好ましい。これは種々の実験による検討を行った結果、以下のことが明らかになったためである。すなわち、ピックアップロール3の周速が20〜150mpmの範囲において、ピックアップロール3とアプリケーターロール5との間でローピングが発生し、その状態でアプリケーターロール5を鋼板9と接触させた場合、スジ状のムラが鋼板9へ転写される。高速度カメラにより各周速条件でのローピングピッチ、液溜まり部Aでの振動数の測定を行い、振動を与えればスジ状のムラが減ることを確認し、ライン速度(LS)[m/s]に対し600倍、好ましくは1000倍〜10000倍の振動数を線材11に付与することにより、最も効果的にアプリケーターロール5と鋼板9との間の液溜まり部Aの流れを安定化させ塗布ムラを解消できることを確認した。ライン速度に対する振動数が小さすぎると(LS[m/s]×600[Hz]未満になると)、ローピングは改善するものの、線材の振動に伴うムラが発生する可能性がある。
ピックアップロール3周速は150mpm以下の範囲が望ましい。ピックアップロール3の周速が150mpm以上になると、塗布液8の飛散が激しくなり作業性が悪くなるためである。また、アプリケーターロール5の周速は、ライン速度(鋼板9の走行速度)に対して0.8〜1.4の範囲にすることが望ましい。ライン速度に対して、アプリケーターロール5の周速を0.8未満にすると、アプリケーターロール5のトリップや鋼板9に随伴する空気を巻き込み、スジ状のムラが発生しやすくなる。ライン速度に対して、アプリケーターロール5周速を1.4超にすると、鋼板9とアプリケーターロール5との間の液溜まり部Aが微小となり、線材11を設置することが困難となる。
アプリケーターロール5と鋼板9との間の液溜まり部Aで発生するムラのピッチをlmm未満とすると、塗布液8を乾燥した後の塗布ムラが目立ちにくくなる。そして、線材11に付与する振動数を大きくすると、アプリケーターロール5と鋼板9との間の液溜まり部Aで発生する鋼板9幅方向の塗布ムラ(膜厚変動)のピッチを小さくできる。線材11に付与する振動数(Hz)は、鋼板9の搬送速度(m/s)に対し、600倍(好ましくは1000倍)以上とすることで、アプリケーターロール5と鋼板9の液溜まり部Aで発生する塗布ムラ(膜厚変動)のピッチを2mm未満(さらには1mm未満)とすることができ、塗布液8を乾燥した後の塗布ムラが目立ちにくくなり、良好な外観を得ることができる。一方、線材11に付与する振動数(Hz)が、鋼板9の搬送速度(m/s)に対し、600倍未満でも、ローピング等の塗布ムラ(膜厚変動)は改善する傾向は見られるものの、線材の振動に伴うムラが発生する可能性がある。
なお、本装置では、ムラ発生部に直接線材11を配置して振動を付与して塗布ムラを防止するので、塗布後の外観が非常に良好な鋼板9が得られるという効果がある。線材11の材質は耐久性の観点から金属線が好ましい。線材11の径は、アプリケーターロール5と鋼板9との間の液溜まり部Aへ接触が可能なものとするために、200μmφ以下が好ましい。
また、線材11の巻取り巻戻し処理によって、液溜まり部Aに配置する線材11を断続的に変更する。なお、振動付与中の線材11の移動は、l00mm/min以下程度の低速で実施することが好ましい。
このように、線材11を移動させることで、長時間、線材11の同じ部位が塗布液8に接することを避けられる。これによって、線材11破断や腐食による錆び欠陥等の発生を防止できるようになる。
(変形例)
上記実施形態では、鋼板9幅方向に張力を張って配置した線材11の両端部に、振動装置13を配置して線材11に振動を付与している。線材11に振動を付与する別の形態として、線材11の上部に線材11と平行に板材または角材等を線材11へ接触させて設置し、その部材に振動を付与することにより線材11を振動させても良い。また、別の手段によって振動を付与するようにしても良い。
上述の塗布方法では、図1に示すように、鋼板9をバックアップロール6に巻きつけた状態で、上下方向に通板される鋼板9の片面に対し塗布液8を塗布している。これに代えて、鋼板9を挟んで両側にロールコーター2を配置し、鋼板9をバックアップロール6に巻きつけることなく、その両面に同時に塗布液8を塗布してもよい。なお、鋼板9の通板方向は水平パス、垂直パスの何れでもよい。
上記実施形態では3ロール方式によるコーティング方式を例に挙げて説明したが、本願発明の適用は3ロール方式に限定されない。1ロール方式、2ロール方式何れの場合についても、アプリケーターロール5と鋼板9間の液溜まり部Aに線材11を設置し、上記と同様にして該線材11に振動を付与することにより鋼板9への塗布ムラは解消されるし、線材11の寿命も向上する。図5、図6に、それぞれ2ロール、1ロール方式の実施形態の一構成例を示す。
また、上記実施形態では、帯状体として鋼板9(例えば冷延鋼板)を例示したが、本発明は特に鋼板9に限定されず、アルミ等の他の金属板や、非金属材料である、紙やフィルムなどにも適用されるものである。
また、上記実施形態では、塗布液8に接触した線材11を他方の巻取り装置12側にだけ巻き取るように、一方向に向けてだけ線材11を移動させる場合を例示した。これに代えて、例えば、振動装置13とアプリケーターロール5との間に、図7に示すように、クリーニング装置20を配置して、線材11に付着した塗布液8を拭き取るなどによって除去してから巻き取るようにしても良い。この場合には、線材11を正逆両方向に巻取り巻戻しが可能となる。すなわち、巻取り巻戻しを一定周期毎に反転させたりして処理することで、線材11の継続使用期間を大幅に長くすることが可能となる。クリーニング装置20としては、例えばゴム製のピンチローラや拭取布などで構成して線材11に付着した塗布液8を絞りとる。
また、クリーニング装置20を、振動装置13の配置位置よりもアプリケーターロール5側に配置することで、振動装置13への塗布液8の転写も防止することが可能となる。もっとも、振動装置13と巻取り装置12との間や、巻取り装置12自体に、クリーニング装置20を配置しても良い。
また、巻取りドラム12aと振動装置13との間に補助ローラを配置して、振動装置13に接触する線材11の高さを一定に保持させるようにしても良い。ドラム12aから巻取り巻戻しすることで、線材11のドラム12aから延びる線材11の高さが上下方向に変位する可能性がある。これに対し、図7に示すように、上記補助ロール21を設けることで、振動装置13との接触高さ及び液溜まり部A位置における線材11部分の高さの変化を抑えることが出来る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態につい図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについて同一の符号を付して説明する。
第1実施形態では、線材11に径方向から押圧した振動装置13で線材11に振動を付与する場合を例示した。このため、振動の付与方向が線材11の径方向となる傾向にある。なお、この加振を行う手段が振動装置13となる。
これに対し、第2実施形態では、線材11に線材11軸方向の加振を行って振動を付与させる。
軸方向への加振は、例えば、一方の巻取り装置12の電動機を正逆回転駆動させることで、線材11軸方向の張力を変化させることで行う。この場合には、第1実施形態で説明した個別に振動装置13を省略することが可能である。
ここで、上記線材11からなる弦の固有振動数νは、下記(1)式で表すことができる。
Figure 2009233604
ただし、
L:弦の長さ(略左右の振動装置13間の距離)
ρ:弦の線密度
T:張力
である。
そして、線材11の材質を高炭素鋼とした場合を考える。線材11(弦)の径を100μm、線材11の長さ(弦の長さ)を2mとすると、固有振動数の上限は、上記(1)式から140Hz程度となる。これに対し、ライン速度を100mpmでは、最適周波数は1667Hz以上である。即ち、線材11を弦として振動を付与する場合には、最適な周波数を付与するのは、困難である。
これは、線材11の材質を変更しても対応は難しいと思われる。なお、高炭素鋼は引張強度が高いので高振動の付与には有利な材料である。
また、線材11の径方向への振動の場合、振動の腹部分の振幅が大きくなるという問題もあり、その点からも、メニスカス安定のための加振としては不利である。
これに対し、本第2実施形態では、弦垂直方向の振動付加ではなく、線材11軸方向の加振を行うことで、最適周波数の振動付加がより容易に可能となる。
ここで、線材11の軸方向への加振の場合には、例えば振動幅を100μmに設定すればよい。
また、線材11の径方向への振幅が小さく出来る分だけ、メニスカスを安定に出来ると共に、鋼板9表面などとの干渉を回避しやすくなる。
(変形例)
上記実施形態では、巻取り装置12に振動装置13の役割も持たせることで、線材11の軸方向に加振する場合を例示した。これに代えて、図8に示すように、一方の設置台14自体を鋼板9幅方向に移動可能な構造とし、設置台14自体を、振動子を有する振動装置13で鋼板9幅方向に加振しても良い。上記移動可能な構造としては、台座をリニアガイドで支持させたり、車輪を取り付けたりすることで可能である。
本発明の実施例について以下に説明する。
板厚0.5mm、板幅1200mmの冷延鋼板ストリップに対して、図1に示した塗布装置を用いて、表1に記載した塗布条件で連続的に塗布を行い、乾燥後の塗布外観の評価を行った。図1の塗布装置において、各ロールの材質は、アプリケーターロール5が鋼ロールにゴムをライニングしたゴムライニングロール、ピックアップロール3とミタリングロール4は金属ロールであり、各ロールのロール径はアプリケーターロール5とピックアップロール3が300mmφ、ミタリングロール4が200mmφである。ピックアップロール3とミタリングロール4のギャップは塗布膜厚が一定になるように、50〜150μmの範囲で調整した。ミタリングロール4の周速も同様に、塗布膜厚が一定になるように10〜120mpmの範囲で調整した。鋼板9の走行方向及び各ロールの回転方向は図1中に矢印で示される方向である。
アプリケーターロール5と鋼板9との液溜まり部Aに100μmφの線材11を設置し、線材11の両端部に振動子を取り付けて張力を張った状態で上下方向に振動させた。このときの線材11の振幅は、500μmとした。
線材11を振動させる際の周波数は、表1に示す値とし、巾方向への移動速度はl00mm/min(連続)とした。使用した塗布液8は、濃度3%のリン酸系塗液で、液温度20℃において粘度が1mPa・S、表面張力が40dyn/cmのものを用いた。塗布後の外観の評価は、十分に明るい蛍光灯の下で目視および高速度カメラの観察によって行い、錆びによる斑点模様が発生しなかったものを外観が良好と評価した。塗布後の外観の評価結果を表1に記載した。
Figure 2009233604
表1に示すように、本発明法では、鋼板9の速度(ライン速度)が速くなっても良好な外観が得られたのに対して、比較例では振動を行わなかったもので高速塗布の場合は、ローピングが発生した。また振動負荷後72hrでは、欠陥(錆び斑点)が発生した。線材11の設置位置は、気液界面であり、かつ振動付与された環境下であるため、線材から腐食が発生し、皮膜中に取り込まれたものと考えられる。
これに対し、断続的に線材11を巻取り巻き戻すことで、このようなことは回避出来る。
本発明に基づく第1実施形態に係る3ロールコーターの要部構成例を示す模式的側面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る3ロールコーター2の要部構成例を示す平面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る塗布装置における、振動付与装置の構成を説明する概略図である。 アプリケーターロールと鋼板との間の液溜まり部Aにおける線材の振動状態(振幅)を説明する液溜まり部Aの拡大模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る2ロールコーター2の要部構成例を示す側面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る1ロールコーター2の要部構成例を示す側面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る変形例を説明する概略図である。 本発明に基づく第2実施形態を説明する概略図である。
符号の説明
1 コーターパン
2 ロールコーター
3 ピックアップロール
4 ミタリングロール
5 アプリケーターロール
6 バックアップロール
7 振動付与装置
8 塗布液
9 鋼板
11 線材
12 巻取り装置
12a ドラム
12b 回転駆動装置
13 振動装置
14 設置台
20 クリーニング装置
21 上記補助ロール
A 液溜まり部
ν 固有振動数

Claims (7)

  1. 周面に転写された塗布液を、連続して搬送されてくる帯状体表面に転写するアプリケーターロールを備えた帯状体への塗布装置において、
    上記アプリケーターロールと帯状体との間に形成される塗布液の液溜まり部に沿って配置されて、当該アプリケーターロールの軸と平行な方向に沿った方向に延在する線材と、
    上記線材を振動させて、上記液溜まり部の塗布液に振動を付与する振動手段と、
    上記線材を上記延在方向に移動させて、上記液溜まり部に配置される線材部分を変更する線材移動手段と、を備えることを特徴とする帯状体への塗布装置。
  2. 上記線材移動手段は、上記線材の両端部をそれぞれ個別に回転ドラムに巻き付けておき、回転ドラムからの巻取り巻戻しを行うことで線材を移動させることで構成することを特徴とする請求項1に記載した帯状体への塗布装置。
  3. 上記振動手段は、上記線材の軸方向に当該線材を加振することで当該線材から塗布液に振動を付与することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した塗布装置。
  4. 延在方向に移動させた線材部分に付着している塗布液を除去するクリーニング装置を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した塗布装置。
  5. 連続して搬送されてくる帯状体表面に対しアプリケーターロール周面から塗布液を転写して塗布する帯状体への塗布方法において、
    上記アプリケーターロールと帯状体との間に形成される塗布液の液溜まり部に配置した線材を振動させて、上記液溜まり部の塗布液に振動を付与すると共に、連続的若しくは断続的に、上記液溜まり部に配置される線材部分を変更することを特徴とする帯状体への塗布方法。
  6. 上記振動は、線材を線材軸方向に加振することで行うことを特徴とする請求項5に記載した帯状体への塗布方法。
  7. 上記振動は、帯状体のライン速度[m/s]×600[Hz]以上の振動数であることを特徴とする請求項6に記載の塗布方法。
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