JP2009231488A - Soi基板の欠陥検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン膜の表面粗さおよび面内の膜厚均一性の悪化を抑えながらエッチングすることで、SOI基板の欠陥を検出容易にする、欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも、エッチング溶液としてSC1溶液を準備する工程と、SOI基板を前記SC1溶液に浸漬してエッチングする工程と、前記エッチングしたSOI基板の欠陥を、検出装置で観察する工程とを有することを特徴とするSOI基板の欠陥検出方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、SOI基板の欠陥検出方法に関する。
Silicon on insulator(SOI)ウェーハの一種であるSilicon on quartz(SOQ)、Silicon on Glass(SOG)やSilicon on sapphire(SOS)がTFT−LCD用途やRFデバイス用途に提案されている。これらの基板はハンドル基板(支持基板)が透明であり、もしくは絶縁体であるために、通常のSOIとは異なった分野での応用が期待されている。
しかし、商業的にこれらの基板が広まるためにはウェーハ面内全体での品質向上や面内全域での検査方法の確立が必要である。シリコンウェーハ、もしくはSOIウェーハにおいては市販の異物検査機で結晶欠陥(Crystal Originated Particle:COP)の検出が可能であり、その検出限界は0.065μm程度であり非常に高い。しかし、これらの異物検査機であるパーティクルカウンターでは反射光を用いるために、同じ方法をそのままSOQやSOSに適応することはできない。
従来より、SOI基板の欠陥を検出する方法としてSecco欠陥検出法(非特許文献1参照)や、その改良法である四段Seccoエッチング法(非特許文献2参照)、HF欠陥検出法(非特許文献3参照)が考案されている。
しかし、これらの方法では欠陥を光学顕微鏡で観察するために面内全域での欠陥数の把握などには不適であり、あくまで単位面積当たりの欠陥数を把握するための方法と考えられる。
また、市場には液晶基板(ガラス基板上にアモルファスシリコンもしくはポリシリコンが堆積されたもの)の検査装置も市販されているが、その検出限界は通常0.2〜1μm程度であり、十分とは言えない。
J. Margail, J. M. Lamune, and A. M. Papon: "Defects in SIMOX structures: some process dependence," Mat. Sci. Eng. B12, pp.27(1992). K. Mitani, H. Aga, and M. Nakano: "Effective KOH Etching Prior to Modified Secco Etching for Analyzing Defects in Thin Bonded Silicon on Insulator (SOI) Wafers, "Jpn. J. Appl. Phys. 36, pp.1646−1649 (1997). H. Aga, M. Nakano, and K. Mitani: "Study of HF defects in Thin Bonded Silicon−on−Insulator Dependent on Original Wafers," Jpn. J. Appl. Phys. 29, pp.2694−2698 (1999).
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、シリコン膜の表面粗さおよび面内の膜厚均一性の悪化を抑えながらエッチングすることでSOI基板の欠陥を検出容易にする、欠陥検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、エッチング溶液としてSC1溶液を準備する工程と、SOI基板を前記SC1溶液に浸漬してエッチングする工程と、前記エッチングしたSOI基板の欠陥を、検出装置で観察する工程とを有することを特徴とするSOI基板の欠陥検出方法を提供する(請求項1)。
このように、SOI基板のシリコン層をエッチングすることで、欠陥がその周辺に比べ早くエッチングされ、それにより欠陥の検出感度が上がり、検出装置に検出されやすくなる。
また、エッチング工程を本発明のようなSC1溶液に浸漬して行うことにより、シリコン層へのエッチング速度を抑えることができエッチング量を簡単に制御できる。このため、所望量のエッチングを行う間に生じるシリコン膜の表面粗さや膜厚均一性の悪化を最小限にすることができる。
この場合、前記SOI基板を、SOQ基板、SOS基板、SOG基板のいずれかとすることができる(請求項2)。
本発明の欠陥検出方法では、適用するSOI基板は作製する半導体デバイスの目的に応じて適宜選択することができるが、上記のようなハンドル基板が透明なSOI基板に好適である。
前記エッチング工程において、前記SOI基板のシリコン膜を50nm以上エッチングすることが好ましい(請求項3)。
本発明のエッチング工程において、シリコン膜を50nm以上エッチングすることで、シリコン膜に内在する欠陥を十分に拡張でき、より確実に検出することができる。
また、前記SC1溶液の濃度組成を、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を0.05〜2、H(30%水溶液換算)を0.01〜0.5とすることが好ましい(請求項4)。
本発明において、SC1溶液の濃度組成を上述のような範囲とすることで、エッチング速度を効果的に抑えることができ、それによりエッチング量をより簡単に制御することができる。
以上説明したように、本発明のSOI基板の欠陥検出方法によれば、検出装置により欠陥を観察する前にSOI基板をSC1溶液でエッチングすることで、シリコン膜に内在する欠陥を拡張させ、欠陥の検出をより確実に行うことができる。
また、エッチング工程を本発明のSC1溶液によれば、シリコン膜へのエッチング速度を抑えることができ、エッチング量の制御が簡単にできる。それにより、SOI基板の面内を均一にエッチングすることができ、表面粗さや膜厚均一性の悪化を最小限とすることができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
前述のように、従来はSOI基板の結晶欠陥の検出にパーティクルカウンター等の欠陥検出装置を使用していたが、これらは反射光を用いるために透明なSOI基板にそのまま適応はできなかった。また、光学顕微鏡で観察する方法では、SOI基板の面内全域での欠陥数の把握には不適であった。
さらに、液晶基板用の検査装置の検出限界は0.2〜1μmであり、パーティクルカウンターの検出限界(0.065μm程度)に比べかなり大きくなる。このため、透明なSOI基板のシリコン膜に内在する結晶欠陥を定量的に把握することが困難であった。
本発明者らは、このような問題を解決するために検討を行った。
元来、液晶基板用の欠陥検出装置によるSOI基板の欠陥検出は、シリコン膜上に存在する結晶欠陥を、面内全域で把握する目的には適している。そこで、本発明者らは、液晶基板用の欠陥検出装置にとって検出容易にするために検討を行い、シリコン膜をエッチングすると、結晶欠陥が周辺より早くエッチングされ、欠陥を拡張することができることを見出した。
このとき、液晶基板用の欠陥検出装置の検出限界(0.2〜1μm)よりもSOI基板の欠陥を大きくするためには、シリコン膜を50nm以上エッチングすればよいことを見出した。しかし、ここでKOH等の従来のアルカリ溶液でエッチングを行うと、エッチング速度が速く、前述の量のエッチングを行う間に膜厚均一性が悪化し、また表面が粗れてしまい、それにより欠陥の検出感度が下がってしまう問題があった。
そこで、上述のエッチングに際し、以下の項目が必須となる。
1、エッチングにより存在する欠陥のサイズを十分に拡張し、欠陥検出装置にとって検出容易にすること。
2、SOI基板表面の粗さが増大すると測定そのものが不可能となってしまうので、シリコン膜の表面粗さをできるだけ悪化させないこと。
3、欠陥拡張のためのエッチングの際にSOI基板面内のエッチングが均一に起こること。
以上の条件を満たすものとして、本発明者らは検討を行い、SC1溶液をエッチングに使用し、さらに溶液中のHの量を減らすことで、エッチング速度が遅くなり、エッチング量の制御が容易であるため、表面粗さや膜厚均一性の悪化を抑えることができることを見出した。
このとき、十分に効率的にエッチング速度を抑えることができるSC1溶液の濃度組成を、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を0.05〜2、H(30%水溶液換算)を0.01〜0.5とすればよいことを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、SOI基板を準備する(工程a)。
準備するSOI基板の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、水素イオンを注入したイオン注入層を形成したシリコン基板をドナーウェーハとし、その後ハンドルウェーハの貼り合わせ面にプラズマ活性化処理を行ってから貼り合わせ、しかる後に、350℃以下の熱処理で結合強度を増し、その後、機械的衝撃をイオン注入層に加えてイオン注入層で剥離することによりSOI基板を製造することができる。SOI基板の製造方法は、このようなSiGen法以外の製造方法を用いてもよく、いわゆるスマートカット法により製造してもよい。SiGen法を用いれば高温熱処理が不要となるため、異種基板を貼り合わせる場合に好適であり、膜厚均一性の高いSOI基板を製造できるため、本発明の欠陥検出方法を適用するのに適している。
このとき、SOI基板のハンドルウェーハを、石英、ガラス、サファイアのいずれかとすることができる。ハンドルウェーハは、作製する半導体デバイスの目的に応じて、これらの中から適宜選択するようにすれば良い。本発明はこのようなハンドルウェーハが透明な場合に特に有効である。もちろん、これ以外の材料を用いてもよい。
次に、SC1溶液を準備する(工程b)。
SC1溶液とは、アンモニア水(NHOH)と過酸化水素水(H)と水(HO)との混合溶液を指し、主としてシリコンウェーハ上のパーティクルや有機物を除去するための洗浄液として用いられる。SC1溶液の典型的な使用条件の濃度組成比は、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を2、H(30%水溶液換算)を2である。
本発明では、このようなSC1溶液を用いてもよいが、更にこのSC1溶液の濃度組成を例えば、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を0.05〜2、H(30%水溶液換算)を0.01〜0.5とすることで、エッチング速度を効果的に抑えることができる。
なお、上記工程(a)と、工程(b)とは、当然ながら、順番が逆でもよいし、並行して行っても良い。
次に、SOI基板をSC1溶液でエッチングする(工程c)。
このように、SOI基板をエッチングすることで、欠陥のエッチング速度が周囲に比べ早く進むため、欠陥を拡張させ、シリコン膜に内在する欠陥を欠陥検出装置により検出容易にすることができる。
この場合、本発明では、エッチング工程においてSOI基板を本発明のSC1溶液に浸漬させて行う。このとき、液晶基板用欠陥検出装置の検出限界(0.2〜1μm)以上の大きさまで欠陥を拡張するために、シリコン膜を50nm以上エッチングすることが望ましい。
図2に、SOQ基板を80nm程度化学機械研磨(CMP)したものと、本発明のエッチングにより80nmエッチングしたものと、その処理前のものの表面粗さを表している。図2によると、本発明のエッチング処理を施したものは、CMPの場合に比べ、多少表面粗さが悪化している。しかし、図1に示すように、処理前のものやCMP後のものの、欠陥検出装置により検出された欠陥数が50(個/面内)未満なのに対し、エッチング処理後のものは400(個/面内)以上の欠陥が検出されている。
このことから、本発明のエッチングによるSOI基板の表面粗さの悪化は欠陥の検出感度を下げていないことが分かる。さらに、通常の研磨工程後では検出されない欠陥も、本発明によれば検出されることが分かる。
また、図3に示すように、このときのエッチング処理前後の膜厚バラツキの変化は許容範囲内に抑えられている。
次に、SOI基板の欠陥を検出装置により観察する。(工程d)
本発明では、透明なSOI基板を使用するため、液晶基板用の欠陥検出装置を用いて、面内の欠陥数を測定する。このような欠陥検出装置によれば、シリコン膜に内在する欠陥を面内全域で把握することができる。
そして、以上の工程(a〜d)を経ることによって、膜厚均一性や表面粗さの悪化を最小限にしつつ、透明SOI基板の欠陥をより確実に検出することができる。
本発明では、上記のように、工程cのエッチング工程においてHを希釈したSC1溶液を用いることで、エッチング量を制御でき、それにより膜厚均一性や表面粗さの変化を最小限としつつ、シリコン膜の欠陥を検出容易とすることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
以下のように、貼り合わせ法によるSOI基板の製造方法に従って、SOI基板を製造した。
まず、SOI基板をSiGen法により準備した(工程a)。
この工程では、水素イオンを、注入条件が注入エネルギーを35keV、注入線量を9×1016/cm、注入深さを0.3μmで注入したイオン注入層を形成したシリコン基板をドナーウェーハ、合成石英基板をハンドルウェーハとして準備し、その貼り合わせ面にプラズマ用ガスとして窒素ガスを使用して、平行平板電極間に高周波パワー50Wの条件で高周波を印加することでプラズマを発生させ、高周波プラズマ活性化処理を10秒行った。
次に、ドナーウェーハとハンドルウェーハを貼り合わせ、350℃の熱処理で結合強度を増し、その後、紙切りバサミの刃により、剥離の起点を形成し機械的衝撃をイオン注入層に加えてイオン注入層で剥離することにより、直径200mm、シリコン膜厚180nmのSOI基板を準備した。なお、このSOI基板にはイオン注入によって潜在的な欠陥が内在されている。
以上の工程により得られた、SOI基板の面内の膜厚バラツキは5.1nm(図3参照)、表面粗さ(RMS:10×10μm)は0.2nm(図2参照)であった。
次に、SC1溶液を準備した(工程b)。
このときのSC1溶液の濃度組成は、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を1、H(30%水溶液換算)を0.2とした。
次に、SOI基板をエッチングした(工程c)。
この工程では、該SC1溶液に温度80℃で浸漬し、シリコン膜を80nmエッチングした。
エッチング後のSOI基板の面内の膜厚バラツキは5.5nm(図3参照)、表面粗さ(RMS:10×10μm)は0.37nm(図2参照)であった。
次に、液晶基板用の欠陥検出装置でSOI基板の欠陥数を測定した(工程d)。
この工程では、検出限界0.2μmの液晶基板用の欠陥検出装置を用いて測定した。このとき、検出された欠陥数(個/面内)は400以上(図1参照)であった。
(比較例1)
実施例と同様に、ただし、エッチング工程(工程c)を経ていないSOI基板の欠陥数を測定した。このとき、検出された欠陥数(個/面内)は50以下(図1参照)であった。
(比較例2)
実施例と同様に、ただし、エッチング工程を行わずに化学機械研磨(CMP)法でシリコン膜を80nm程度研磨したSOI基板の欠陥数を測定した。このとき、表面粗さ(RMS:10×10μm)は0.2nm(図2参照)、検出された欠陥数(個/面内)は50以下(図1参照)であった。
以上の実施例及び比較例の結果を図1〜3に示した。図2に示すように、本発明のエッチングにより表面粗さは多少悪化しているが、図1に示すように、検出された欠陥数が本発明のエッチングを行っていない比較例1,2に比べ、はるかに多い。これより、本発明による表面粗さの悪化は欠陥検出の妨げとなっておらず、エッチングによる欠陥拡張により、欠陥の検出感度が上がっていることが分かる。
さらに、CMP法によって本発明によるエッチング工程と同程度の厚さまで研磨したとしても、図1に示すようにシリコン膜に内在する欠陥の検出数は、本発明による方がはるかに効果的に検出できることが分かる。
また、図3に示すように本発明のエッチング工程前後で、SOI基板の膜厚バラツキの悪化は許容範囲内に抑えられている。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
エッチングおよびCMP前後の検出欠陥数。 エッチングおよびCMP前後の表面粗さ。 エッチング前後の膜厚バラツキ。

Claims (4)

  1. SOI基板の欠陥検出方法であって、少なくとも、
    エッチング溶液としてSC1溶液を準備する工程と、
    前記SOI基板を前記SC1溶液に浸漬してエッチングする工程と、
    前記エッチングしたSOI基板の欠陥を、検出装置で観察する工程とを有することを特徴とするSOI基板の欠陥検出方法。
  2. 前記SOI基板を、SOQ基板、SOS基板、SOG基板のいずれかとすることを特徴とする請求項1に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
  3. 前記エッチング工程において、前記SOI基板のシリコン膜を50nm以上エッチングすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
  4. 前記SC1溶液の濃度組成を、HOを10としたときに、NHOH(29%水溶液換算)を0.05〜2、H(30%水溶液換算)を0.01〜0.5とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
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