JP2009231492A - Soi基板の欠陥検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SOI基板を、少なくとも第1の溶液および第2の溶液に浸漬させてSOI層のエッチングを行い、該SOI層の結晶欠陥を光学顕微鏡で観察することにより前記SOI基板の結晶欠陥を評価する方法であって、前記第1の溶液をアンモニア過酸化水素水とし、前記第2の溶液をHF溶液とし、前記第1の溶液による前記SOI層のエッチング量を、該SOI層の残膜厚さが200nm以下または浸漬前の膜厚の半分以下とすることを特徴とするSOI基板の欠陥検出方法。
【選択図】図1
Description
しかし、このHF欠陥検出法は感度がSecco欠陥検出法と比較して悪いので、精密な欠陥測定には不向きという欠点があった。
すなわち、アンモニア過酸化水素水によるエッチングでは、SOI層に存在する結晶欠陥は周辺に比べて早くエッチングされるため、欠陥が存在するところでは、薄くなったSOI層を貫通した欠陥とすることができ、その後のHF処理で、この貫通部を通して浸入したHFによりSOI層の下地をエッチングすることができる。これにより、欠陥部分を目立たせることができる。従って欠陥をより容易に検出することができ、よって高精度な結晶欠陥の評価を行うことができる。
また、Secco溶液に比べアンモニア過酸化水素水はエッチング速度が遅いため、面内を均一にエッチングすることができ、かつエッチング量を容易に制御することができるため、SOI層の表面粗さや膜厚均一性を損なうことなく結晶欠陥の評価を行うことができる。
そして、Secco溶液を用いることなくSOI層の結晶欠陥を評価することができるため、有害なCrを用いずに済み、環境や人体に配慮した結晶欠陥の検出方法とすることができる。
このように、第2の溶液であるHF溶液の濃度を10%以上とすることで、SOI層の下の下地を確実にエッチングすることができ、よってより容易に結晶欠陥を検出することができる。
このように、上述のような組成のアンモニア過酸化水素水は、シリコンに対してNH4OHとH2O2の競争反応によってエッチングが起こるため、エッチング速度を容易に制御することができ、よってエッチング量をより容易に制御することができる。
このように、エッチング速度が適度に遅いアンモニア過酸化水素水によってSOI層の大半をエッチングするのではなく、CMP研磨によって予め所望厚まで研磨することによって、欠陥検出精度を低下させることなくSOI層のエッチング時間を短縮することができ、よって欠陥検出までの時間を短縮することができる。
このように、本発明の欠陥検出方法では、適用するSOI基板は作製する半導体デバイスの目的に応じて適宜選択することができるため、上述のような材料をハンドル基板に用いることができる。
前述のように、有害なクロムを含有しないクロムレスのエッチング液を用いて、優れた欠陥検出能力でSOI基板のSOI層の結晶欠陥を評価することのできる結晶欠陥評価方法の開発が待たれていた。
先ず、結晶欠陥の評価を行いたいSOI基板を準備する。評価対象となるSOI基板は、特に限定されないが、典型的には、シリコンウェーハ同士を酸化膜を介して結合したものや、シリコンウェーハと石英基板等の絶縁性基板を貼り合わせたものが挙げられる。
このようにSOI層の残膜厚さが200nm以下または浸漬前の膜厚の半分以下となるようにエッチングしてSOI層を薄くする。これにより、十分にSOI層中の結晶欠陥を拡大することができ、SOI層を貫通した欠陥とすることができる。
このように、上述のような組成比のアンモニア過酸化水素水では、NH4OHとH2O2の競争反応によってSOI層のエッチングが起こるため、エッチング速度をより容易に制御することができ、よってエッチング量を更に容易に正確に制御することができる。
このように、エッチング速度が適度に遅いアンモニア過酸化水素水によってSOI層の大半をエッチングするのではなく、CMP研磨によって予め所望厚まで研磨することによって、SOI層のエッチングにかける時間を短縮することができ、よって欠陥検出に要する時間の短縮を図ることができる。
このように、HF溶液にSOI基板を浸漬させることによって、アンモニア過酸化水素水によるエッチングで拡大されたSOI層にある欠陥を通してHFが浸入し、SOI層直下の下地層が選択的にエッチングされるため、SOI基板がその部分で大きく横方向にエッチングされる。これによって、欠陥が顕在化し、光学顕微鏡によってSOI層の結晶欠陥が観察できるようになる。
このように、HF溶液の濃度を10%以上とすることで、SOI層下部の下地をより速く確実にエッチングすることができ、よってより容易に結晶欠陥を検出することができるようになる。
このように、本発明の欠陥の検出方法では、適用するSOI基板は作製する半導体デバイスの目的に応じて適宜選択することができるため、上述のような材料をハンドル基板に用いることができる。特に、HFで侵され易いものを用いる場合の方が、本発明ではより欠陥を検出し易くなる。
ここでアンモニア過酸化水素水を用いた理由をさらに説明する。
Secco溶液やKOHなどに代表される単純なアルカリ溶液では、エッチング速度が非常に早く(>100nm/min.)、濃度を下げるもしくは温度を下げるなどでは、エッチング速度を制御するのが難しいことと、面内のエッチング速度を均一にすることが難しいことが挙げられる。しかしアンモニア過酸化水素水では、エッチング速度もSecco溶液や純アルカリ溶液と比べて適度に遅い(約4.0nm/min.)ので、エッチング量を簡単に制御することができる。また面内を均一にエッチングすることができるため、エッチング後の面内膜厚均一性を確保することができる。これにより欠陥検出精度も上がる。
そして、有害なCrを含有した溶液を用いることなくSOI層の結晶欠陥を評価することができ、環境や人体に配慮した結晶欠陥の検出方法とすることができる。
(実施例・比較例)
SOI層となるドナー基板(シリコン基板)に通常のCZ基板、低欠陥CZ基板、水素アニールを施したCZ基板、エピタキシャル基板を用いた4種類のSOI基板(SOI層の膜厚は200nm程度)をそれぞれ2枚用意した。
次に、これらの基板をSOI層の膜厚が80nmになるまでCMP研磨を行った。
ここで、アンモニア過酸化水素水は、組成比を、体積比でNH4OH:H2O2:H2O=1:0.01:10とし、温度は80℃とした。エッチング量はSOI層の膜厚が30nmとなるようにした。またこのときのエッチング速度は約4.0nm/min.であった。
一方、Secco溶液の詳細は、Secco溶液(0.15mol/l):HF(49%):H2O=1:2:15となるように混合し、SOI層の残膜が30nm程度になるようにエッチングした。このときのエッチング速度は約25nm/minであった。また、温度は室温とした。
そして、各々のSOI基板を光学顕微鏡で観察し、SOI層の結晶欠陥の数をカウントした。
図2に、本発明の実施例と比較例の結晶欠陥の検出方法によって観察した各々のSOI基板のSOI層の結晶欠陥の数を比較した図を示す。
Claims (5)
- SOI基板を、少なくとも第1の溶液および第2の溶液に浸漬させてSOI層のエッチングを行い、該SOI層の結晶欠陥を光学顕微鏡で観察することにより前記SOI基板の結晶欠陥を評価する方法であって、
前記第1の溶液をアンモニア過酸化水素水とし、
前記第2の溶液をHF溶液とし、
前記第1の溶液による前記SOI層のエッチング量を、該SOI層の残膜厚さが200nm以下または浸漬前の膜厚の半分以下とすることを特徴とするSOI基板の欠陥検出方法。 - 前記HF溶液を、濃度が10%以上としたものを用いることを特徴とする請求項1に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
- 前記アンモニア過酸化水素水を、組成比が、体積比でアンモニア水(29wt%)が0.05〜2、過酸化水素水(30wt%)が0.01〜0.5、水が10としたものを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
- 前記第1の溶液に浸漬させる前に、前記SOI層を、CMP研磨によって所望厚まで研磨することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
- 前記SOI基板のハンドル基板に、シリコン、サファイア、アルミナ、石英、SiC、窒化アルミ、ガラスのうちいずれかの材料を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のSOI基板の欠陥検出方法。
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