JP7238753B2 - 接合ウェーハ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接合ウェーハ及びその製造方法に関し、特に、MEMSデバイスに供して好適な、エピタキシャル層を備える接合ウェーハ及びその製造方法に関する。
カンチレバー(片持ち梁)に代表される可動部を半導体基板、ガラス基板などに設けた集積化デバイスはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれ、MEMSデバイスは高周波スイッチ、加速度センサなどの種々の用途に利用されている。近年では、MEMSデバイスがスマートフォン、ドローンなどにも搭載されるようになってきている。
MEMSデバイスにおける可動構造を形成するための加工プロセスは、薄膜成長法を利用した表面マイクロマシニングと、基板そのものに深掘りエッチング(DRIE;Deep Reactive Ion Etching)するなどして構造部を形成するバルクマイクロマシニングとに大別される。
例えば、特許文献1では、GaAsからなる半導体ウェーハ上にギャップを設けつつ、二酸化シリコンからなる片持ちアームを設けたMEMSデバイスが開示されている。特許文献1では、犠牲層を利用した表面マイクロマシニングが用いられている。
また、特許文献2にはSOI(Silicon on Insulator)ウェーハを用いて固定電極及び可動電極を設けたMEMSデバイスが開示されている。特許文献2では、SOIウェーハにおける酸化シリコンからなるBOX(Buried Oxide)層を、DRIE加工のエッチングストップ層として利用したバルクマイクロマシニング技術が用いられている。
特開平9-17300号公報 特開2019-33630号公報
上述した表面マイクロマシニング及びバルクマイクロマシニングを比較すると、立体的で複雑な構造を作成できる点でバルクマイクロマシニングの方がデバイス構造設計の自由度が高く有利である。しかしながら、バルクマイクロマシニングを用いるためにSOIウェーハを用いると、デバイスプロセスにおけるプラズマ処置(例えば、プラズマエッチング、プラズマアッシング、プラズマCVD)においてBOX層に電荷が蓄積される、即ちチャージアップが危惧される。
ところで、バルクマイクロマシニングにおいてSOIウェーハをデバイス作製用基板に用いる主目的の一つは、特許文献2でも記載されるようにシリコンと酸化シリコン膜とのエッチング速度の差(シリコンがエッチングされるが、酸化シリコン膜はエッチングされない)を利用し、BOX層をエッチングストップ層として用いるためである。横方向型デバイスを想定すれば、BOX層による絶縁性機能は必ずしも必要ない。本発明者は、シリコンウェーハ表面にシリコンエピタキシャル層を2層形成したエピタキシャルシリコンウェーハにおける、シリコンウェーハ直上のシリコンエピタキシャル層をエッチングストップ層として利用することを着想した。
図1の模式図を参照して、本発明者が想起したこのエピタキシャルシリコンウェーハ900を説明する。エピタキシャルシリコンウェーハ900は、シリコンウェーハ910、第1のシリコンエピタキシャル層920、第2のシリコンエピタキシャル層930を備える。そして、第1のシリコンエピタキシャル層910のボロン(B)濃度を第2のシリコンエピタキシャル層920のボロン濃度よりも十分高くすることで、第1のシリコンエピタキシャル層910をエッチングストップ層として利用することを本発明者は検討した。このエピタキシャルシリコンウェーハ900は、エッチングストップ機能に関してはSOIウェーハのBOX層を代替できると本発明者は考えた。
ところが、エピタキシャルシリコンウェーハ900をMEMSデバイスに適用する場合、キャビティー等を形成できるよう、第2のシリコンエピタキシャル層930の厚みを十分に大きくする必要がある。そのため、第2のシリコンエピタキシャル層930のエピタキシャル成長時間が長くなる。この場合、図1の模式的なグラフに記載したとおり、第1のシリコンエピタキシャル層910から第2のシリコンエピタキシャル層930へとボロンが拡散してしまう。したがって、第2のシリコンエピタキシャル層930をエッチングすると、第2のシリコンエピタキシャル層930を一部残した状態で第1のシリコンエピタキシャル層920に到達する前にエッチングが停止してしまう。本発明者は、エッチングストップ能力を有する新たな半導体ウェーハを、接合手法を用いて実現しようと試みた。
そこで本発明は、MEMSデバイスに供して好適な、シリコンエピタキシャル層を備える接合ウェーハ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討した。そして、真空常温接合法を用いることにより、ボロン濃度が高濃度であるシリコンエピタキシャル層からのボロン拡散を防止できることを本発明者は知見した。上記知見に基づき完成した本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)p型シリコンウェーハと、
前記p型シリコンウェーハの表面上に設けられたp型シリコンエピタキシャル層と、
前記p型シリコンエピタキシャル層の表面上に設けられたp型シリコン単結晶層と、を備え、
前記p型シリコンエピタキシャル層のボロン濃度C1が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下であり、
前記p型シリコン単結晶層の厚さが10.0μm以上100.0μm以下であり、
前記p型シリコン単結晶層の厚さ方向において、前記p型シリコンエピタキシャル層との界面より1.0μmの位置から、前記p型シリコン単結晶層の表面までのボロン濃度C2が前記ボロン濃度C1の1/5以下である
ことを特徴とする接合ウェーハ。
(2)前記ボロン濃度C2が1.0×1019atoms/cm以下である、前記(1)に記載の接合ウェーハ。
(3)前記ボロン濃度C2が1.0×1016atoms/cm以下である、前記(1)に記載の接合ウェーハ。
(4)第1のp型シリコンウェーハの表面上に、ボロン濃度が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下のp型シリコンエピタキシャル層を形成するエピタキシャル成長工程と、
前記p型シリコンエピタキシャル層の表面と、第2のp型シリコンウェーハの表面に、真空常温下で活性化処理を施して前記両方の表面を活性化面とする活性化処理工程と、
前記活性化処理工程に引き続き、前記真空常温下で前記両方の活性化面を接触させることで、前記両方の活性化面同士を接合する接合工程と、
前記接合工程の後、前記第2のp型シリコンウェーハの厚さを10.0μm以上100.0μm以下に薄膜化してp型シリコン単結晶層を得る薄膜化工程と、
を含むことを特徴とする接合ウェーハの製造方法。
(5)前記第2のp型シリコンウェーハのボロン濃度が1.0×1019atoms/cm以下である、前記(4)に記載の接合ウェーハの製造方法。
(6)前記第2のp型シリコンウェーハのボロン濃度が1.0×1016atoms/cm以下である、前記(4)に記載の接合ウェーハの製造方法。
本発明によれば、MEMSデバイスに供して好適な、エッチングストップ能力を有する接合ウェーハ及びその製造方法を提供することができる。
本発明者の検討によるエピタキシャルシリコンウェーハの模式図である。 本発明の一実施形態による接合ウェーハの模式図である。 本発明の一実施形態による接合ウェーハの製造方法を説明する模式断面図である。 本発明の一実施形態において、真空常温接合を行う際に用いる装置の模式断面図である。 本発明の別の実施形態による接合ウェーハの製造方法を説明する模式断面図である。 本発明の一実施形態による接合ウェーハを用いて作製されるMEMSデバイスの一例の模式断面図である。 本発明の一実施形態による接合ウェーハを用いて作製されるMEMSデバイスの別の例の模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として数字下二桁で同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。また、図2~図6に図示した各構成は模式図にすぎず、実際の縦横比とは異なる。なお、本明細書において測定範囲を明示せずに単に「ボロン濃度」という場合、各構成の厚さ方向全域における厚さ平均のボロン濃度を意味する。
(接合ウェーハ)
図2を参照する。本発明の一実施形態に従う接合ウェーハ100は、p型シリコンウェーハ110と、p型シリコンウェーハ110の表面上に設けられたp型シリコンエピタキシャル層120と、p型シリコンエピタキシャル層120の表面上に設けられたp型シリコン単結晶層151と、を備える。そして、p型シリコンエピタキシャル層120のボロン濃度C1が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下である。また、p型シリコン単結晶層の厚さが10.0μm以上100.0μm以下である。ここで、p型シリコン単結晶層151の厚さ方向において、p型シリコンエピタキシャル層120との界面より1.0μmの位置から、前記p型シリコン単結晶層の表面までのボロン濃度C2がボロン濃度C1の1/5以下である。以下、各構成の詳細を順次説明する。
<p型シリコンウェーハ>
p型シリコンウェーハ110は、シリコンエピタキシャル層120をエピタキシャル成長させるための支持基板である。シリコンウェーハ110には、別途のエピタキシャル層が設けられていない、いわゆるバルクのシリコン単結晶ウェーハを用いる。接合ウェーハ100を用いてMEMSデバイスを形成する場合、p型シリコンウェーハ110をデバイス作製用の土台となる支持基板として利用することができる。なお、導電型をp型とするのは、以下の理由からである。MEMSデバイスで検知した電気信号は、MEMSデバイス周辺のCMOS回路へ伝達(転送)される。MEMSデバイス周辺に作成されるCMOS回路はp型層に形成されるため、支持基板をp型とすることにより、この支持基板へCMOS回路を作製可能になる。
<<ボロン濃度>>
p型シリコンウェーハ110の導電型をp型にするためのドーパント種は任意であり、一般的にはボロン(B)を用いる。p型シリコンウェーハ110のボロン濃度は任意であるものの、p型シリコンウェーハ110はバルクのシリコン単結晶ウェーハからなるため、p型シリコンエピタキシャル層120のボロン濃度C1よりも低い濃度とすることが一般的であり、1.0×1019atoms/cm以下とすることができ、1.0×1016atoms/cm以下とすることができる。ボロン濃度の下限は特に制限されないものの、工業的生産性を考慮すれば下限値として1.0×1013atoms/cmを例示することができる。
<p型シリコンエピタキシャル層>
p型シリコンエピタキシャル層120は、p型シリコンウェーハの表面上に設けられる層であり、エピタキシャル成長法を用いて形成される。p型シリコンエピタキシャル層120上に設けられるp型シリコン単結晶層151をエッチングするときのエッチングストップ層として用いるため、p型シリコンエピタキシャル層のボロン濃度C1を2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下にする。ボロン濃度C1が2.0×1019atoms/cm未満であると、エッチングを十分に停止することができない。この目的のため、ボロン濃度C1は5.0×1019atoms/cm以上であることが好ましく、1.0×1020atoms/cm以上であることがより好ましい。エッチングストップ層として機能する限りはp型シリコンエピタキシャル層120の厚さは特に制限されず、0.5μm以上5.0μm以下とすることができ、1.0μm以上3.0μm以下としてもよい。厚さが5.0μm以下であれば、エピタキシャル層120の成長中にシリコンウェーハ110表面側へのボロン拡散によるシリコンウェーハ110表面側の抵抗低下を防止できるため、CMOS回路へ悪影響を抑制できる。
<p型シリコン単結晶層>
p型シリコン単結晶層151はp型シリコンエピタキシャル層120の表面上に設けられる層であり、この層のボロン濃度の拡散状態は、製造方法の実施形態において詳細を後述する真空常温接合法を利用して形成することのできる層である。接合ウェーハ100を用いてMEMSデバイスを形成する場合、p型シリコン単結晶層151にデバイス構造を形成するため、その厚さは10.0μm以上100.0μm以下である。CMOS回路を作製する目的のため、p型シリコン単結晶層151の厚さを10.0μm以上20.0μm以下としてもよい。
ここで、p型シリコン単結晶層151では、その厚さ方向において、p型シリコンエピタキシャル層120との界面より1.0μmの位置から、p型シリコン単結晶層151の表面までのボロン濃度C2が、上述したp型シリコンエピタキシャル層120のボロン濃度C1の1/5以下である。なお、図2の模式的なグラフは理想的なボロンの拡散状態を図示したものであり、後述の真空常温接合法を用いても、p型シリコンエピタキシャル層120からp型シリコン単結晶層151へボロンは不可避的に拡散しうる。しかしながら、ボロン濃度C1を上記範囲とし、かつ、ボロン濃度C2をボロン濃度C1に比べて十分小さくすることにより、p型シリコン単結晶層151の直下層であるp型シリコンエピタキシャル層120をエッチングストップ層として十分に利用することができる。この目的のため、ボロン濃度C1に対するボロン濃度C2の比(C2/C1)を1/10以下とすることが好ましい。ボロン濃度C1に対するボロン濃度C2の比(C2/C1)の下限は特に制限されないが、実用上のp型シリコン単結晶層151のボロン濃度を考慮すると、1.0×10-3を例示することができる。
なお、エピタキシャル成長法を用いてp型シリコンエピタキシャル層120の上に別のシリコンエピタキシャル層(「2層目エピ層」と略称する)を厚さ10.0μm以上で形成したと仮定する。この場合、先に参照した図1の模式的なグラフと同様、p型シリコンエピタキシャル層120からボロンがエピタキシャル成長中に2層目エピ層に拡散するため、p型シリコンエピタキシャル層120と2層目エピ層との界面より厚さ方向に1.0μmまでのボロン濃度は、ボロン濃度C1の1/2以上となる。
エッチングストップ機能を利用する観点では、上述したとおり、ボロン濃度C2とボロン濃度C1との関係を満足しつつ、p型シリコン単結晶層151のボロン濃度C2が1.0×1019atoms/cm以下であることが好ましい。また、p-層として利用する観点では、p型シリコン単結晶層151のボロン濃度C2が1.0×1016atoms/cm以下であることが好ましい。ボロン濃度の下限は特に制限されないものの、工業的生産性を考慮すれば下限値として1.0×1013atoms/cmを例示することができる。
p型シリコン単結晶層151をバルクのシリコンウェーハから得てもよいし、バルクのシリコンウェーハの表面に形成したシリコンエピタキシャル層から得てもよい。シリコンエピタキシャル層をp型シリコン単結晶層151に用いれば、COP(空孔凝集欠陥:Crystal Originated Particle)を含まない層を容易に得ることができ、CMOS回路を作製した場合にはGOI特性(Gate Oxide Integrity)を向上できる点でも有利である。なお、本明細書における「COPを含まない層」とは、以下に説明する観察評価によってCOPが検出されないシリコン単結晶層を意味する。すなわち、シリコン単結晶層に対して、SC-1洗浄(すなわち、アンモニア水と過酸化水素水と超純水とを1:1:15で混合した混合液による洗浄)を行い、洗浄後のシリコン単結晶層表面を、表面欠陥検査装置としてKLA-Tenchor社製:Surfscan SP-2を用いて観察評価し、表面ピットと推定される輝点欠陥(LPD:Light Point Defect)を特定する。その際、観察モードはObliqueモード(斜め入射モード)とし、表面ピットの推定は、Wide Narrowチャンネルの検出サイズ比に基づいて行うものとする。こうして特定されたLPDに対して、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて、COPか否かを評価する。
以上のとおり、本発明の一実施形態に従う接合ウェーハ100は、p型シリコンエピタキシャル層120の高濃度ボロンが、その直上のp型シリコン単結晶層151に拡散しないよう、ボロン濃度が調整されている。したがって、p型シリコン単結晶層151をエッチングするときに、p型シリコンエピタキシャル層120をエッチングストップ層として利用することができる。この接合ウェーハ100を用いれば、バルクマイクロマシニングにおいて、キャビティーなどの構造部を容易に形成することができ、かつ、SOIウェーハのBOX層と異なりチャージアップの危惧もほとんどない。よって、この接合ウェーハ100はMEMSデバイスの用途に供して好適である。
以下、図3~図5を参照して、本発明による接合ウェーハ100を製造するための実施形態を説明する。先に述べたとおり、同一の構成要素には原則として数字下二桁で同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。ただし、既述の接合ウェーハ100におけるp型シリコン単結晶層151と、接合ウェーハ200におけるp型シリコン単結晶層261とが対応する。また、説明の便宜状、製造方法の実施形態では接合ウェーハ100におけるp型シリコンウェーハ110を第1のシリコンウェーハ110、210と称し、シリコンエピタキシャル層120を第1のシリコンエピタキシャル層120、220と称し、p型シリコン単結晶層151を得るための基板材料を第2のシリコンウェーハ150、250と称する。第2のシリコンウェーハ150、250は、その表面にエピタキシャル層の形成されていない、いわゆるバルクのシリコンウェーハである。なお、第2のシリコンウェーハ250の表面には、シリコンエピタキシャル層260が形成される(図5参照)。
(接合ウェーハの製造方法:第1実施形態)
図3を参照して、本発明による接合ウェーハ100を製造するための第1実施形態を説明する。この接合ウェーハの製造方法の実施形態は、エピタキシャル成長工程と、活性化処理工程と、接合工程と、薄膜化工程と、を少なくとも含む。これら、各工程を少なくとも行うことにより、p型シリコンウェーハ110、第1のp型シリコンエピタキシャル層120及びp型シリコン単結晶層151を備える接合ウェーハ100を得ることができる。以下では、活性化処理工程及び接合工程による接合手法を「真空常温接合法」と称する。
この第1実施形態において、エピタキシャル成長工程では、第1のp型シリコンウェーハ110の表面上に、ボロン濃度が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下である、第1のp型シリコンエピタキシャル層120を形成する。次に、活性化処理工程では、次いで、第1のp型シリコンエピタキシャル層120の表面と、第2のp型シリコンウェーハ150の表面に、真空常温下で活性化処理を施して両方の表面を活性化面120A、150Aとする。次いで、接合工程では、活性化処理工程に引き続き、真空常温下で両方の活性化面120A、150Aを接触させることで、両方の活性化面同士を接合する。そして、薄膜化工程では、接合工程の後、第2のp型シリコンウェーハ150の厚さを10.0μm以上100.0μm以下に薄膜化してp型シリコン単結晶層151を得る。以下、第1実施形態における各工程の詳細を順次説明する。
<エピタキシャル成長工程>
まず、p型シリコンウェーハ110の片面に、p型シリコンエピタキシャル層120を形成する。上述のとおり、第1のp型シリコンエピタキシャル層120のボロン濃度は、2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下であり、ボロン濃度がこの範囲になるよう、エピタキシャル成長中にボロンをドープすればよい。
なお、第1のp型シリコンエピタキシャル層120の形成には、公知または任意の方法を好適に用いることができ、例えば枚葉式エピタキシャル成長装置を用いることができる。例えば、水素(H)をキャリアガスとして、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)等のソースガスをチャンバ内に導入し、使用するソースガスによっても成長温度は異なるが、概ね1000~1200℃の温度範囲の温度でCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、第1のp型シリコンエピタキシャル層120をエピタキシャル成長させればよい。
<活性化処理工程>
次に、活性化処理工程では、第1のp型シリコンエピタキシャル層120の表面と、第2のp型シリコンウェーハ150の表面に、真空常温下で活性化処理を施して両方の表面を活性化面120A、150Aとする。この真空常温下での活性化処理は、例えばイオンビーム又は中性原子ビームを各表面に照射すればよい。ビーム照射に伴う活性化作用により、第1のp型シリコンエピタキシャル層120の表面と、第2のp型シリコンウェーハ150の表面のそれぞれが活性化面120A、150Aとなる。これらの活性化面120A、150Aにはシリコンが本来有するダングリングボンド(結合の手)が現れる。
活性化処理の手法としては、プラズマ雰囲気でイオン化した元素を基板表面へ加速させる方法と、イオンビーム装置から加速したイオン化した元素を基板表面へ加速させる方法が挙げられる。この方法を実現する装置の一形態を、図4を参照して説明する。真空常温接合装置70は、プラズマチャンバ71と、ガス導入口72と、真空ポンプ73と、パルス電圧印加装置74と、ウェーハ固定台75A、75Bと、を有する。
まず、プラズマチャンバ71内のウェーハ固定台75A、75Bに、第1のp型シリコンエピタキシャル層120が形成された第1のp型シリコンウェーハ110と、第2のp型シリコンウェーハ150とをそれぞれ載置して固定する。次に、真空ポンプ73によりプラズマチャンバ71内を減圧し、ついで、ガス導入口72からプラズマチャンバ71内に原料ガスを導入する。続いて、パルス電圧印加装置74によりウェーハ固定台75A、75B(並びに、第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150)に負電圧をパルス状に印加する。これにより、原料ガスのプラズマを生成するとともに、生成したプラズマに含まれる原料ガスのイオンを第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150に向けて加速して、各表面にイオンを照射することができる。照射する元素は、Ar、Ne、Xe、H、HeおよびSiから選択される少なくとも一種とすることが好ましい。
<<活性化処理条件>>
以下では、チャンバ圧力、パルス電圧及び基板温度の具体的条件についてそれぞれ詳細に説明するが、これらは一例にすぎない。
プラズマチャンバ71内のチャンバ圧力は5.0×10-5Pa以下とすることが好ましい。活性化対象の表面へスパッタされた元素が再付着し、ダングリングボンドの形成率の低下を防止することができる。
第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150に印加するパルス電圧は、それぞれの被照射面に対する照射元素の加速エネルギーが100eV以上10keV以下となるように設定すればよい。加速エネルギーが100eV以上であれば、照射した元素が被照射面へ堆積するのを抑制することができ、効率よく被照射面にダングリングボンドを形成することができる。加速エネルギーが10keV以下であれば、照射した元素が基板内部に注入されるのを防ぐことができるので、効率よく基板表面にダングリングボンドを形成することができる。
パルス電圧の周波数は、第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150のそれぞれの被照射面にイオンが照射される回数を決定する。パルス電圧の周波数は、10Hz以上10kHz以下とすることが好ましい。10Hz以上であれば、イオン照射ばらつきを吸収することができるので、イオン照射量が安定する。10kHz以下であれば、グロー放電によるプラズマ形成が安定する。
パルス電圧のパルス幅は、第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150のそれぞれの被照射面にイオンが照射される時間を決定する。パルス幅は、1μ秒以上10m秒以下とすることが好ましい。1μ秒以上であれば、第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150にイオンを安定して照射することができる。10m秒以下であれば、グロー放電によるプラズマ形成が安定する。
この活性化処理工程において、第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150は加熱されず、その温度は常温(通常、30℃~90℃)となり、続く接合工程においても常温が維持される。
<接合工程>
上述した活性化処理工程に引き続き、真空常温下で両方の活性化面120A、150Aを接触させる。こうした接触により、上記両方の活性化面120A、150Aに対して瞬時に接合力が働き、上記両方の活性化面120A、150Aを貼合せ面として、p型シリコンエピタキシャル層120を介して第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150が強固に接合されて一体化する。このように、上述した活性化処理工程及び接合工程を含む真空常温接合法では、両ウェーハの接合が常温下で瞬時かつ強固に行われる。そのため、高濃度ボロン含有の第1のp型シリコンエピタキシャル層120から、第2のp型シリコンウェーハ150へのボロンの拡散を有効に抑制することができる。
<薄膜化工程>
第1のp型シリコンエピタキシャル層120を介して第1及び第2のp型シリコンウェーハ110、150を接合した後、第2のp型シリコンウェーハ150の厚さを10.0μm以上100.0μm以下に薄膜化してp型シリコン単結晶層151を得る。こうして、接合ウェーハ100を得ることができる。なお、薄膜化工程において公知または任意の化学エッチング、研削及び研磨法を好適に用いることができ、具体的には平面研削および鏡面研磨法が挙げられる。また、接合工程前に第2のp型シリコンウェーハ150に剥離目的で水素イオンなどを注入しておけば、本薄膜化工程において公知のスマートカット法を適用することもできる。
こうして作製された接合ウェーハ100は、上述した真空常温接合法により高濃度ボロン含有の第1のp型シリコンエピタキシャル層120から、第2のp型シリコンウェーハ150へのボロンの拡散を有効に抑制することができているため、第2のp型シリコンウェーハ150を薄膜化して得られるp型シリコン単結晶層151のボロン濃度の拡散も抑制されている。したがって、p型シリコン単結晶層151では、その厚さ方向において、第1のp型シリコンエピタキシャル層120との界面より1.0μmの位置から、p型シリコン単結晶層151の表面までのボロン濃度C2が、p型シリコンエピタキシャル層120のボロン濃度C1の1/5以下となる。したがって、接合ウェーハ100のp型シリコン単結晶層151をエッチングするときに、第1のp型シリコンエピタキシャル層120をエッチングストップ層として用いることができる。
(接合ウェーハの製造方法:第2実施形態)
図5を参照して、本発明による接合ウェーハ200を製造するための第2実施形態を説明する。第1実施形態では第1のシリコンエピタキシャル層120と、バルクウェーハである第2のp型シリコンウェーハ150との表面同士で真空常温接合を行う。これに対して、この第2実施形態では、シリコンエピタキシャル層260が第2のp型シリコンウェーハ250の表面にエピタキシャル成長により形成され、第1及び第2のシリコンエピタキシャル層220、260の表面同士で真空常温接合を行う。そして、接合ウェーハ200において、第2のシリコンエピタキシャル層260に由来する層をp型シリコン単結晶層261として用いる。その他の構成及び工程は、第1実施形態と同様である。そこで、第1実施形態と同一の構成要素には原則として数字下二桁で同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。
活性化処理工程に先立ち、第2のp型シリコンウェーハ250の片面に、第2のp型シリコンエピタキシャル層260を形成する。形成手法は第1のp型シリコンエピタキシャル層120と同様であるものの、第2のp型シリコンエピタキシャル層260のボロン濃度は特に制限されない。接合ウェーハ200に形成されるp型シリコン単結晶層261のボロン濃度に応じて適宜定めればよい。なお、図5に図示したとおり、第2のp型シリコンエピタキシャル層260の厚さをp型シリコン単結晶層261の厚さ以上としてもよいし、両者の厚さは同じであってもよい。
次いで、第1及び第2のシリコンエピタキシャル層220、260の両表面を真空常温下で活性化処理して、活性化面220A、260Aを得て、両活性化面同士を真空常温下で接合する。そして、第2のシリコンウェーハ250の、第2のシリコンエピタキシャル層260とは反対側の面から薄膜化処理を行って、p型シリコン単結晶層261を得る。第2のシリコンウェーハ250をすべて除去しつつ、第2のシリコンエピタキシャル層260をさらに一部除去して薄膜化してもよい。また、第2のシリコンウェーハ250をすべて除去しつつ、第2のシリコンエピタキシャル層260を除去することなく薄膜化を終えてもよい。
接合ウェーハ200においても、高濃度ボロン含有の第1のp型シリコンエピタキシャル層220から、第2のp型シリコンエピタキシャル層260へのボロンの拡散を有効に抑制することができているため、第2のp型シリコンウェーハ250(及び随意に第2のp型シリコンエピタキシャル層260)を薄膜化して得られるp型シリコン単結晶層261のボロン濃度の拡散も抑制されている。したがって、p型シリコン単結晶層261では、その厚さ方向において、第1のp型シリコンエピタキシャル層220との界面より1.0μmの位置から、p型シリコン単結晶層261の表面までのボロン濃度C2が、p型シリコンエピタキシャル層220のボロン濃度C1の1/5以下となる。したがって、接合ウェーハ200のp型シリコン単結晶層261をエッチングするときに、第1のp型シリコンエピタキシャル層220をエッチングストップ層として用いることができる。
なお、第1及び第2のシリコンウェーハ110(210)、150(250)は、上述のとおり、いわゆるバルクのシリコンウェーハであり、これにはシリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを用いることができる。単結晶シリコンウェーハは、チョクラルスキー法(CZ法)やCZ法に磁場をかけるMCZ法(Magnetic field applied Czochralski法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成した単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスしたものを使用することができる。シリコンウェーハの直径及び厚さは何ら制限されず、直径200mm、300mm等の一般的なシリコンウェーハを用いることができる。
(MEMSデバイス)
図6を参照して、上述した接合ウェーハ100を用いて作製することのできるMEMSデバイスの一例を説明する。MEMSデバイス300は、p型シリコンウェーハ110由来の第1p-層310と、p型シリコンエピタキシャル層120由来のp+層320と、p型シリコン単結晶層151由来の第2p層351とをこの順に備える。第2p層351には、回路部300Aと、MEMS構造部300Bとがトレンチを介して並列に形成される。そして、回路部300Aにおける、第2p層351には第1n領域352及び第2n領域353が形成され、かつ、各n領域352、353上にはソース電極391、ドレイン電極392がそれぞれ形成され、両電極間には酸化絶縁層380及び当該酸化絶縁層380上のゲート電極393が形成される。また、MEMS構造部300Bは、第2p層351の一部をエッチングして設けられた空隙部360と、カンチレバー370が形成される。図6に模式的に図示したMEMSデバイス300は、回路部及びMEMS構造部が一つのチップに設けられたいわゆるハイブリッド型のデバイスである。
また、図7を参照して、上述した接合ウェーハ100を用いて作製することのできるMEMSデバイスの別の例を説明する。図7に図示したMEMSデバイス400は、回路部400Aがp型シリコンウェーハ110由来の第1p-層410に形成されており、その他の構成は図6と同等である。具体的には、MEMSデバイス400は、p型シリコンウェーハ110由来の第1p-層410と、p型シリコンエピタキシャル層120由来のp+層420と、p型シリコン単結晶層451由来の第2p層351とをこの順に備える。そして、回路部400Aと、MEMS構造部400Bとがトレンチを介して並列に形成される。そして、回路部400Aにおける、第1p層410には第1n領域412及び第2n領域413が形成され、かつ、各n領域412、413上にはソース電極491、ドレイン電極492がそれぞれ形成され、両電極間には酸化絶縁層480及び当該酸化絶縁層480上のゲート電極493が形成される。また、MEMS構造部400Bは、図6に図示したMEMS構造部300Bと同様であり、重複する説明を省略する。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(サンプル1:接合ウェーハ)
支持基板及びデバイス層用基板としてCZ単結晶から得たp型シリコンウェーハ(直径200mm、厚さ:750μm、ドーパント種類:ボロン、ボロン濃度:1.3×1015atoms/cm、抵抗率:10.0Ω・cm)をそれぞれ用意した。次いで、この一方のシリコンウェーハを枚葉式エピタキシャル成長装置(アプライドマテリアルズ社製)内に搬送し、水素をキャリアガス、トリクロロシランをソースガスとして1150℃でCVD法により、シリコンウェーハ上に厚さ1.0μmのp型シリコンエピタキシャル層(ドーパント:ボロン、ボロン濃度:2.0×1019atoms/cm 抵抗率:0.005Ω・cm)を成長させた。以下では、p型シリコンエピタキシャル層をES(Etching Stop)層と略記する。
続いて、図3に示す方法に従って、サンプル1(発明例)に係る接合ウェーハを作製した。まず、25℃、5.0×10-5Pa未満の真空チャンバ内にArを流してプラズマを発生させ、ES層及びデバイス層用基板の各表面に加速電圧:1.0keV、周波数:140Hz、パルス幅:55μ秒にてArイオンを照射して、各表面を活性化処理した。その後、引き続き真空常温下で両活性化面を接触させることで、ES層を介して支持基板とデバイス層用基板とを貼り合わせた。その後、デバイス層用基板を研削及び研磨し、厚さ10.0μmのデバイス層を有するサンプル1に係る接合ウェーハを得た。
(サンプル4:エピタキシャルシリコンウェーハ)
サンプル1と同様の支持基板を用いて、サンプル1と同様のES層を形成した。次いで、このES層上に、枚葉式エピタキシャル成長装置を用いて引き続きデバイス形成用のエピタキシャル層(ドーパント:ボロン、ボロン濃度:1.3×1015atoms/cm 抵抗率:10.0Ω・cm)を厚さ10.0μmで成長させた(以下、サンプル1に対応させて「デバイス層」と称する。)。こうして、サンプル4に係るエピタキシャルシリコンウェーハ(表1中では「エピウェーハ」と略記する。)を作製した。
(サンプル2、3、6~8、11~13)
サンプル1におけるES層のボロン濃度及びデバイス層の厚さを下記の表1のとおりに変えた以外は、サンプル1と同様にして、サンプル2、3、6~8、11~13に係る接合ウェーハを作製した。
(サンプル5、9、10、14、15)
サンプル4におけるES層のボロン濃度及びデバイス層の厚さを表1のとおりに変えた以外は、サンプル1と同様にして、サンプル2、3、6~8、11~13に係るエピタキシャルシリコンウェーハを作製した。

Figure 0007238753000001
(評価1:ボイド発生有無の観察)
赤外光を用いるボイド検査装置を用いて、サンプル1~3、6~8、11~13に係る接合ウェーハのボイドの有無を評価した。いずれのサンプルにおいてもボイドは観察されず、ES層とデバイス層とが良好に接合されたことを確認した。結果を表1に併せて示す。
(評価2:ボロン拡散の測定)
各サンプルに対してデバイス層の表面側から二次イオン質量分析法(SIMS)を行い、ボロン濃度の厚さ方向濃度プロファイルを測定した。サンプル1~3、6~8、11~13に係る接合ウェーハでは、ES層からデバイス層へのボロンの拡散はほとんど観察されなかった。一方、サンプル4、5、9、10、14、15に係るエピタキシャルシリコンウェーハではES層からデバイス層へのボロンが拡散し、デバイス層表面に向かうにつれてボロン濃度が漸減することが確認された。表1に、ES層とデバイス層との界面からデバイス層側へ1.0μmの位置でのボロン濃度の値を併せて示す。
(評価3:エッチングストップ能力評価)
各サンプルに対して、水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるエッチング溶液(濃度:25質量%、液温:80℃)を用いてデバイス層をエッチングし、ES層のエッチングストップ能力を評価した。エッチング時間に関して、サンプル1~5では14分間、サンプル6~10では55分間、サンプル11~15では150分間とした。表1にエッチング時間を併せて示す。エッチング後、デバイス層及びES層それぞれの残膜厚を、断面TEM観察により測定した。結果を表1に併せて示す。
(考察)
まず、サンプル4、5、9、10、14、15に係るエピタキシャルシリコンウェーハはいずれもES層からボロンが拡散した結果、デバイス層深部(ES層に近い側)のボロンの高濃度領域が形成されたため、エッチングがES層に到達する前に停止してしまった。特に、サンプル14、15ではES層のボロン濃度が高く、かつ、デバイス層の厚さが大きいため、ボロンの拡散度合いが大きく、デバイス層の残膜厚が大きかった。
次に、本発明例に係る接合ウェーハ(サンプル1、2、6、7,11、12)ではES層によりエッチングを止めることができることが確認された。しかしながら、ES層のボロン濃度が低い比較例に係る接合ウェーハ(サンプル3、8、13)ではデバイス層に加えてES層もエッチングにより除去されてしまうことが確認された。したがって、ES層のボロン濃度は2.0×1019atoms/cm以上にする必要があることも確認された。本発明例に係る接合ウェーハ(サンプル1、2、6、7,11、12)であれば、MEMSデバイス製造時にキャビティーなどの構造部を設ける場合にES層を有効なエッチングストップ層として活用できる。
本発明によれば、MEMSデバイスに供して好適な、エッチングストップ能力を有する接合ウェーハ及びその製造方法を提供することができる。
100 接合ウェーハ
110 p型シリコンウェーハ
120 p型シリコンエピタキシャル層
151 p型シリコン単結晶層

Claims (5)

  1. p型シリコンウェーハと、
    前記p型シリコンウェーハの表面上に設けられたp型シリコンエピタキシャル層と、
    前記p型シリコンエピタキシャル層の表面上に設けられたp型シリコン単結晶層と、を備え、
    前記p型シリコンエピタキシャル層のボロン濃度C1が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下であり、
    前記p型シリコン単結晶層の厚さが10.0μm以上100.0μm以下であり、
    前記p型シリコン単結晶層の厚さ方向において、前記p型シリコンエピタキシャル層との界面より1.0μmの位置から、前記p型シリコン単結晶層の表面までのボロン濃度C2が前記ボロン濃度C1の1/5以下であることを特徴とする接合ウェーハ。
  2. 前記ボロン濃度C2が1.0×1016atoms/cm以下である、請求項1に記載の接合ウェーハ。
  3. 第1のp型シリコンウェーハの表面上に、ボロン濃度が2.0×1019atoms/cm以上2.0×1020atoms/cm以下のp型シリコンエピタキシャル層を形成するエピタキシャル成長工程と、
    前記p型シリコンエピタキシャル層の表面と、第2のp型シリコンウェーハの表面に、真空常温下で活性化処理を施して前記両方の表面を活性化面とする活性化処理工程と、
    前記活性化処理工程に引き続き、前記真空常温下で前記両方の活性化面を接触させることで、前記両方の活性化面同士を接合する接合工程と、
    前記接合工程の後、前記第2のp型シリコンウェーハの厚さを10.0μm以上100.0μm以下に薄膜化してp型シリコン単結晶層を得る薄膜化工程と、
    を含むことを特徴とする接合ウェーハの製造方法。
  4. 前記第2のp型シリコンウェーハのボロン濃度が1.0×1019atoms/cm以下である、請求項に記載の接合ウェーハの製造方法。
  5. 前記第2のp型シリコンウェーハのボロン濃度が1.0×1016atoms/cm以下である、請求項に記載の接合ウェーハの製造方法。
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