JP6121357B2 - 酸化膜付き異種soi基板の欠陥検出方法 - Google Patents
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Description
本発明によれば、ベース基板上に前記ベース基板と異なる材料の半導体薄膜を備えた異種SOI基板を酸素の存在下で熱処理し、半導体薄膜の表面および前記半導体薄膜の表面から内部に延びる欠陥に酸化膜を形成する工程と、酸化膜を形成した異種SOI基板を、エッチング速度の異なるフッ酸含有溶液を用いて、少なくとも2回エッチングする工程であり、該エッチングによって、半導体薄膜の表面の酸化膜を除去し、半導体薄膜の内部に有する酸化膜を除去しない、工程と、エッチングされた異種SOI基板を酸素の存在下で熱処理し、半導体薄膜のエッチングされた表面に酸化膜を形成する工程と、酸化膜を形成した異種SOI基板の半導体薄膜の表面の欠陥を、パターン欠陥検出装置で観察する工程とを少なくとも含む、酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法を提供できる。
サファイアをベース基板とし、貼り合わせ法により単結晶シリコン薄膜を転写した異種SOI基板を用意した。異種SOI基板の単結晶シリコン層は、研磨によって170nmの厚さとした。
得られた異種SOI基板を水蒸気雰囲気下で150分間、900℃の熱処理(1回目)を行い、単結晶シリコン薄膜の表面に200nmの酸化膜を形成した。
次に、酸化膜を備えた異種SOI基板を、エッチング速度の異なるフッ酸含有溶液を用いて2回エッチングし、酸化膜を除去した。2回のエッチングは、フッ酸含有溶液としてHF溶液(ダイキン社製、半導体用フッ化水素酸(50質量%))を超純水で希釈して異なる濃度としたものを用い、基板を浸漬させることにより行った。1回目のエッチングでは、フッ化物イオン換算濃度を2.9質量%、温度20℃として、酸化膜のエッチング速度を0.72nm/秒とし、4.5分間処理した。その後、2回目のエッチングでは、フッ化物イオン換算濃度を0.3質量%、温度20℃として、酸化膜のエッチング速度を0.08nm/秒とし、1分間処理した。これらの処理によって、単結晶シリコン薄膜の表面の酸化膜のみを除去し、単結晶シリコン薄膜の内部に有する酸化膜については除去しないようにした。
然る後に純水でリンスを行った後、スピン乾燥機を用いて1500rpmで2分間、基板を乾燥させた。次に、エッチングにより酸化膜の除去した異種SOI基板を、99.9995質量%の高純度酸素ガス雰囲気下で30分間、900℃の熱処理(2回目)を行い、単結晶シリコン薄膜の表面に10nmの酸化膜を形成した。
熱処理前の異種SOI基板、1回目の熱処理後の異種SOI基板、および2回目の熱処理後の異種SOI基板を、KLA社製のパターン欠陥検出装置を用いて、単結晶シリコン薄膜の表面の直径0.5μm以上の欠陥を測定した。測定した欠陥数から、以下の式を各々用いて、1回目および2回目の熱処理後の欠陥増加倍率を算出した。評価結果を表1、および図1に示す。
[熱処理後の欠陥増加倍率]
熱処理後(1回目)の欠陥増加倍率=(1回目の熱処理後の異種SOI基板の欠陥数)/(熱処理前の異種SOI基板の欠陥数)
熱処理後(2回目)の欠陥増加倍率=(2回目の熱処理後の異種SOI基板の欠陥数)/(1回目の熱処理後の異種SOI基板の欠陥数)
1回目の熱処理後の酸化膜を備えた異種SOI基板を、エッチング速度の異なるフッ酸含有溶液を用いて2回エッチングし酸化膜を除去する際に、2回のエッチングともにフッ酸含有溶液としてBHF溶液(ダイキン社製、バッファードフッ酸BHF63)を超純水で希釈して異なる濃度としたものを用い、基板を浸漬させることにより行った。1回目のエッチングでは、フッ化物イオン換算濃度を1.7質量%、温度20℃として、酸化膜のエッチング速度を0.4nm/秒とし、8分間処理し、その後、2回目のエッチングでは、フッ化物イオン換算濃度を0.2質量%、温度20℃として、酸化膜のエッチング速度を0.03nm/秒とし、1分間処理して、単結晶シリコン薄膜の表面の酸化膜のみを除去し、単結晶シリコン薄膜の内部に有する酸化膜については除去しないようにした以外は、実施例1と同様にして行い、酸化膜付き異種SOI基板を得た。評価結果を表1、および図1に示す。
1回目の熱処理後の酸化膜を備えた異種SOI基板を、フッ酸含有溶液の1回のエッチングで酸化膜を除去する際に、フッ酸含有溶液としてHF溶液(ダイキン社製、半導体用フッ化水素酸(50%))を超純水で希釈したものを用い、フッ化物イオン換算濃度を2.9質量%、温度20℃として、酸化膜のエッチング速度を0.72nm/秒とし、8分間処理し、1回目の熱処理で形成された酸化膜を完全に除去した以外は、実施例1と同様にして行い、酸化膜付き異種SOI基板を得た。評価結果を表1、および図1に示す。
ベース基板に石英を用いた以外は、実施例1と同様にして行い、酸化膜付き異種SOI基板を得た。評価結果を表2、および図2に示す。
ベース基板に石英を用いた以外は、実施例2と同様にして行い、酸化膜付き異種SOI基板を得た。評価結果を表2、および図2に示す。
ベース基板に石英を用いた以外は、比較例1と同様にして行い、酸化膜付き異種SOI基板を得た。評価結果を表2、および図2に示す。
Claims (5)
- ベース基板上に前記ベース基板と異なる材料の半導体薄膜を備えた異種SOI基板を酸素の存在下で熱処理し、前記半導体薄膜の表面および前記半導体薄膜の表面から内部に延びる欠陥に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜を形成した異種SOI基板を、エッチング速度の異なるフッ酸含有溶液を用いて、少なくとも2回エッチングする工程であり、該エッチングによって、前記半導体薄膜の表面の酸化膜を除去し、前記半導体薄膜の内部に有する前記酸化膜を除去しない、工程と、
前記エッチングされた異種SOI基板を酸素の存在下で熱処理し、前記半導体薄膜のエッチングされた表面に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜を形成した異種SOI基板の半導体薄膜の表面の欠陥を、パターン欠陥検出装置で観察する工程とを少なくとも含む、
酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法であって、
前記少なくとも2回のエッチングのうちの最後のエッチング以外の前記エッチング速度が、0.2nm/秒を超えて20nm/秒以下であって、
前記最後のエッチングの前記エッチング速度を0.2nm/秒以下とし、半導体薄膜表面に形成した犠牲酸化膜のみを除去する、
酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法。 - 前記エッチング速度の異なるフッ酸含有溶液が、濃度および/または温度の異なるフッ酸含有溶液である請求項1に記載の酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法。
- 前記熱処理の温度が、700〜1200℃である請求項1又は2のいずれか1項に記載の酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法。
- 前記半導体薄膜が、単結晶シリコン薄膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法。
- 前記ベース基板が、石英基板、サファイア基板、AlN基板、SiC基板、ホウ珪酸ガラス基板、および結晶ガラス基板からなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化膜付き異種SOI基板の欠陥検出方法。
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