JP2009231362A - 半導体レーザ駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】差動駆動型の半導体レーザ駆動回路であって、消費電力を低減することが可能な半導体レーザ駆動回路を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る半導体レーザ駆動回路1は、変調信号に応じて半導体レーザ5に駆動電流を供給する差動回路20と、差動回路20に電源電圧を供給し、当該電源電圧を制御信号に応じて変更する電圧発生回路60と、差動回路20の出力コモンモード電圧を検知する出力検知回路40と、出力検知回路40によって検知された出力コモンモード電圧に応じて制御信号を生成する制御回路50とを備え、制御回路50は、出力コモンモード電圧が所定の値に維持されるように、制御信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザを駆動するための半導体レーザ駆動回路に関するものである。
特許文献1及び2には、直接変調型の半導体レーザ駆動回路が記載されている。この半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザに直列に接続されたトランジスタを備え、このトランジスタを制御することによって半導体レーザに供給する駆動電流を制御し、半導体レーザを発光させる。また、この半導体レーザ駆動回路は、APC(Auto Power Control)回路によって半導体レーザの光出力パワー及び消光比が一定となるように駆動電流を制御する。
ところで、半導体レーザでは、温度が上昇するにつれて発光効率が劣化するので、光出力パワー及び消光比を維持するために、高温時には常・低温時に比べて大きな駆動電流が必要となる。また、半導体レーザでは、固体によって発光効率が大きくばらつくので、光出力パワー及び消光比の維持に必要な駆動電流の個体差が大きい。そのために、半導体レーザ駆動回路では、高い電源電圧が必要であり、低消費電力化を妨げていた。
この問題点に関し、特許文献1及び2に記載の半導体レーザ駆動回路では、DC/DCコンバータを備え、半導体レーザの駆動電圧を変更している。特許文献1に記載の半導体レーザ駆動回路では、トランジスタのドレイン−ソース間電圧をモニタし、この電圧に応じて半導体レーザの駆動電圧を変更して低消費電力化を実現している。一方、特許文献2に記載の半導体レーザ駆動回路では、トランジスタのドレイン電圧をモニタし、このドレイン電圧に応じて半導体レーザの駆動電圧を変更して低消費電力化を実現している。
特開平06−275895号公報 特開2002−158395号公報
ところで、半導体レーザ駆動回路には差動駆動型のものがある。この差動駆動型の半導体レーザ駆動回路は、差動対トランジスタ、負荷抵抗素子及び変調電流源を有する差動回路とバイアス電流源とを備え、バイアス電流源によって生成されるバイアス電流を供給すると共に、変調電流源によって生成される変調電流を差動対トランジスタによって切り替えて供給し、半導体レーザを発光させる。また、半導体レーザ駆動回路は、APC回路によって半導体レーザの光出力パワー及び消光比が一定となるようにバイアス電流及び変調電流を制御する。
この差動駆動型の半導体レーザ駆動回路でも、半導体レーザに大きな変調電流を供給するために、差動回路の変調電流源の電流を大きくすると、負荷抵抗素子の電圧降下によって差動対トランジスタのコレクタ(又はドレイン)の電圧がベース(又はゲート)の電圧に対して低下してしまうので、高い電源電圧が必要であり、低消費電力化を妨げていた。しかしながら、差動駆動型の半導体レーザ駆動回路では、差動対トランジスタの相互関係を考慮する必要があるので、特許文献1及び2に記載の半導体レーザ駆動回路の低消費電力化の手法を適用することが困難であった。
そこで、本発明は、差動駆動型の半導体レーザ駆動回路であって、消費電力を低減することが可能な半導体レーザ駆動回路を提供することを目的としている。
本発明の半導体レーザ駆動回路は、変調信号に応じて半導体レーザに駆動電流を供給する差動回路と、この差動回路に電源電圧を供給し、当該電源電圧を制御信号に応じて変更する電圧発生回路と、差動回路の出力コモンモード電圧を検知する出力検知回路と、この出力コモンモード電圧に応じて制御信号を生成する制御回路とを備え、この制御回路は、出力コモンモード電圧が所定の値に維持されるように、制御信号を生成する。
この半導体レーザ駆動回路によれば、半導体レーザの温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、半導体レーザに供給する駆動電流を大きくするときには、出力検知回路が、差動回路の出力コモンモード電圧の低下を検知し、制御回路が、この出力コモンモード電圧を所定の値に維持するように、差動回路の電源電圧を大きくすることができる。したがって、この半導体レーザ駆動回路によれば、半導体レーザの温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、半導体レーザに大きな駆動電流を供給する必要があるときには、半導体レーザに十分な駆動電流を供給することができる。
一方、半導体レーザの温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、半導体レーザに供給する駆動電流を小さくするときには、この半導体レーザ駆動回路によれば、出力検知回路が、差動回路の出力コモンモード電圧の上昇を検知し、制御回路が、この出力コモンモード電圧を所定の値に維持するように、差動回路の電源電圧を小さくすることができる。したがって、この半導体レーザ駆動回路によれば、半導体レーザの温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、半導体レーザに大きな駆動電流を供給する必要がないときには、差動回路の電源電圧を低下することができ、消費電力を低減することができる。
上記した半導体レーザ駆動回路は、差動回路の入力コモンモード電圧を検知する入力検知回路を更に備え、制御回路は、出力コモンモード電圧と入力コモンモード電圧との差が所定の値となるように、制御信号を生成することが好ましい。
例えば、半導体レーザ駆動回路の前段回路の温度変動や回路素子ばらつきによって、半導体レーザ駆動回路に入力される変調信号のレベルが変動することがあり、差動回路の出力コモンモード電圧を一定に保持するだけでは、差動回路内の差動トランジスタ対のベース(ゲート)に対するコレクタ(ドレイン)のバイアスレベルが適切に制御されないことがある。
この半導体レーザ駆動回路によれば、入力検知回路が、差動回路の入力コモンモード電圧を検知し、制御回路が、出力コモンモード電圧と入力コモンモード電圧との差が所定の値となるように、電源電圧を制御するので、入力変調信号のレベルが変動しても、差動回路の電源電圧を変更することによって、差動回路内の差動トランジスタ対のベース(ゲート)に対するコレクタ(ドレイン)のバイアスレベルを一定に保持することができる。したがって、この半導体レーザ駆動回路によれば、半導体レーザの温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、半導体レーザに大きな駆動電流を供給する必要がないときには、差動回路の電源電圧を低下することができ、消費電力をより適切に低減することができる。
上記した差動回路は、半導体レーザに対してAC結合されていることが好ましい。
本発明によれば、差動駆動型の半導体レーザ駆動回路において、消費電力を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。図1に示す半導体レーザ駆動回路1は、半導体レーザ(以下、LDという。)5を駆動するための回路である。半導体レーザ駆動回路1は、レベルシフト回路10と、差動回路20と、バイアス電流源30と、コンデンサ32,34と、モニタ用フォトダイオード(以下、モニタPDという。)36、オートパワーコントロール回路(以下、APC回路という。)38と、出力検知回路40と、制御回路50と、DC−DCコンバータ60とを備えている。
レベルシフト回路10は、入力変調信号の電圧レベル変換を行う。レベルシフト回路10は、トランジスタ11,12と電流源13,14とを有している。トランジスタ11,12のベースには、入力端子65から差動変調信号がそれぞれ入力され、トランジスタ11,12のコレクタは、それぞれ、電源Vccに接続されている。トランジスタ11,12のエミッタは、電流源13,14の一端にそれぞれ接続されており、電流源13,14の他端はそれぞれ接地されている。また、トランジスタ11,12のエミッタは、差動回路20に接続されている。
差動回路20は、レベルシフト回路10によって電圧レベル変換された差動変調信号に基づき、LD5に変調電流Imを供給して、LD5を強度変調する。差動回路20は、差動対を構成するトランジスタ21,22と、負荷抵抗素子23,24と、変調電流源25とを有している。
トランジスタ21,22のベースは、レベルシフト回路10におけるトランジスタ11,12のエミッタにそれぞれ接続されている。トランジスタ21のコレクタは、負荷抵抗素子23を介してDC−DCコンバータ60の出力に接続されると共に、コンデンサ32を介してLD5のアノードに接続されている。また、トランジスタ22のコレクタは、負荷抵抗素子24を介してDC−DCコンバータ60の出力に接続されると共に、コンデンサ34を介してLD5のカソードに接続されている。
トランジスタ21,22のエミッタは共通接続されており、この共通エミッタと接地との間には、変調電流源25が接続されている。変調電流源25は、APC回路38からの変調電流制御信号Vmによって、LD5に供給する変調電流Imの値を設定する。なお、コンデンサ32,34は直流電流を遮断するために設けられている。
LD5のアノードはインダクタ6を介して電源Vccに接続されており、LD5のカソードはインダクタ7を介してバイアス電流源30の一端に接続されている。バイアス電流源30の他端は接地されている。
バイアス電流源30は、APC回路38からのバイアス電流制御信号Vbによって、LD5に供給するバイアス電流Ibの値を設定する。バイアス電流源30は、インダクタ6,7によって、差動回路20からの変調電流Imによる影響を受けることなく、安定なバイアス電流IbをLD5に供給することができる。
モニタPD36のカソードは電源Vccに接続され、モニタPD36のアノードはAPC回路20の入力に接続されている。モニタPD36は、LD5から出射される光の一部を受け、この光の強度に応じた電流ImpdをAPC回路38へ供給する。
APC回路38は、電流Impdが所定の値となるように、すなわち、LD5の光出力パワーが所定の値となるように、変調電流制御信号Vm及びバイアス電流制御信号Vbを生成する。APC回路38は、この変調電流制御信号Vm及びバイアス電流制御信号Vbによって変調電流Im及びバイアス電流Ibを設定し、LD5に負帰還制御を施す。
出力検知回路40は、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoを検知する。出力検知回路40は、抵抗素子41,42を有している。抵抗素子41,42は差動回路20の差動出力間に直列に接続されており、抵抗素子41,42の間のノードは制御回路50に接続されている。すなわち、出力検知回路40は、これらの抵抗素子41,42の間のノードの電圧を出力コモンモード電圧Vcmoとして制御回路50に出力する。
制御回路50は、出力コモンモード電圧Vcmoに応じて制御信号Scを生成する。具体的には、制御回路50は、出力コモンモード電圧Vcmoが所定の値となるように制御信号Scを生成する。制御回路50は、OPアンプ51を有している。OPアンプ51の一方の入力には出力コモンモード電圧Vcmoが入力され、他方の入力には基準電圧Vrefが入力される。OPアンプ51の出力は、DC−DCコンバータ60の入力に接続されている。なお、所定の値、すなわち基準電圧Vrefは、トランジスタ11,12が順方向活性領域で動作するように、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoが入力コモンモード電圧以上となるように設定される。
DC−DCコンバータ60は、制御信号Scの値に応じて、その出力を制御する。DC−DCコンバータ60は、出力を電源電圧Vcccとして差動回路20へ供給する。
このようにして、出力検知回路40、制御回路50及びDC−DCコンバータ60によって、差動回路20に帰還制御が行われることとなる。
次に、図3に示す比較例の半導体レーザ駆動回路1Oと比較して、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1の作用効果を説明する。比較例の半導体レーザ駆動回路1Oは、半導体レーザ駆動回路1において出力検知回路40、制御回路50及びDC−DCコンバータ60を備えない点で第1の実施形態と異なっている。
ここで、半導体レーザでは、温度が上昇するにつれて発光効率が劣化するので、光出力パワー及び消光比を維持するために、高温時には常・低温時に比べて大きな駆動電流が必要となる。また、半導体レーザでは、固体によって発光効率が大きくばらつくので、光出力パワー及び消光比の維持に必要な駆動電流の個体差が大きい。
比較例の半導体レーザ駆動回路1Oでは、LD5の温度が上昇してLD5の発光効率が劣化すると、モニタPD36によって生成される電流Impdが減少する。すると、APC回路38が、バイアス電流制御信号Vb及び変調電流制御信号Vmを変更することによって、バイアス電流Ib及び変調電流Imを増加させる。
変調電流Imが増加すると、差動回路20における負荷抵抗素子23,24の電圧降下が増加し、差動対トランジスタ21,22のコレクタ電圧が低下する。このとき、差動対トランジスタ21,22が、特にトランジスタ21が適切な動作点、すなわち順方向活性領域で動作するためには、電源電圧Vccを大きくする必要がある。
例えば、LD5の温度が85℃に上昇すると、LD5の消光比を維持するために、変調電流Imが常温時の2倍程度必要となる。更に、半導体レーザの発光効率のばらつきを考慮すると、変調電流Imは最大約80mA必要となり、下記式より、電源電圧Vccは3.3V必要となる。
Vcc=Ve+Vce+R×Im/2
Ve:トランジスタ21のエミッタ電圧(約0.4V)
Vce:トランジスタ21のコレクタ−エミッタ間電圧(約0.9V)
R:負荷抵抗素子23の抵抗値(50Ω)
一方、半導体レーザの発光効率のばらつきが中心値である場合、LD5の温度が85℃であっても、LD5の消光比を維持するために必要な変調電流Imは約60mAであり、上記式より、電源電圧Vccは2.8Vでよい。しかしながら、比較例の半導体レーザ駆動回路1Oでは、LD5の温度変動に加えて発光効率のばらつきを考慮して、電源電圧Vccを高く設定する必要があり、低消費電力化を妨げていた。
しかしながら、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1では、LD5の温度変動及び発光効率のばらつきに応じて、差動回路20の電源電圧Vcccを必要最小限の値に制御し、低消費電力化を可能とする。
第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1でも、LD5の温度が上昇してLD5の発光効率が劣化すると、モニタPD36によって生成される電流Impdが減少する。すると、APC回路38が、バイアス電流制御信号Vb及び変調電流制御信号Vmを変更することによって、バイアス電流Ib及び変調電流Imを増加させる。
変調電流Imが増加すると、出力検知回路40が、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoの低下を検知し、制御回路50が制御信号Scを変更することによって、DC−DCコンバータ60の出力、すなわち差動回路20の電源電圧Vcccを上昇させる。すると、差動回路20におけるトランジスタ21,22のコレクタ電圧の低下が抑制され、LD5に十分な変調電流Imが供給される。その結果、LD5の光出力パワー及び消光比が一定に保持されることとなる。
一方、LD5の温度が低下してLD5の発光効率が向上すると、半導体レーザ駆動回路1では、モニタPD36によって生成される電流Impdが増加する。すると、APC回路38が、バイアス電流制御信号Vb及び変調電流制御信号Vmを変更することによって、バイアス電流Ib及び変調電流Imを減少させる。
変調電流Imが減少すると、出力検知回路40が、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoの増加を検知し、制御回路50が制御信号Scを変更することによって、DC−DCコンバータ60の出力、すなわち差動回路20の電源電圧Vcccを低下させる。その結果、LD5の光出力パワー及び消光比が一定に保持されることとなる。このとき、差動回路20の電源電圧Vcccが低下するので、消費電力は低減されることとなる。
また、半導体レーザ駆動回路1では、LD5の発光効率が大きくばらついて、LD5の光出力パワー及び消光比が低下しても、上記したLD5の温度上昇と同様に、APC回路38の帰還制御と、出力検知回路40、制御回路50及びDC−DCコンバータ60の帰還制御とが行われる。すると、差動回路20におけるトランジスタ21,22のコレクタ電圧の低下を抑制し、LD5に十分な変調電流Imを供給することができる。その結果、LD5の光出力パワー及び消光比が一定に保持されることとなる。
また、LD5の発光効率が大きくばらついて、LD5の光出力パワー及び消光比が増加しても、上記したLD5の温度低下と同様に、APC回路38の帰還制御と、出力検知回路40、制御回路50及びDC−DCコンバータ60の帰還制御とが行われる。その結果、LD5の光出力パワー及び消光比が一定に保持されると共に、消費電力が低減されることとなる。
このように、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1によれば、出力検知回路40が、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoを検知し、制御回路50が、この出力コモンモード電圧Vcmoが所定の値となるように、DC−DCコンバータ60からの電源電圧Vcccを制御するので、LD5に供給する変調電流(駆動電流)Imを大きくするときには、出力コモンモード電圧Vcmoの低下を検知し、差動回路20の電源電圧Vcccを大きくすることができる。したがって、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1によれば、LD5の温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、LD5に大きな変調電流Imを供給する必要があるときには、LD5に十分な変調電流Imを供給することができる。
一方、LD5に供給する変調電流Imを小さくするときには、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1によれば、出力コモンモード電圧Vcmoの上昇を検知し、差動回路20の電源電圧Vcccを小さくすることができる。したがって、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1によれば、LD5の温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、LD5に大きな変調電流Imを供給する必要がないときには、差動回路20の電源電圧を低下することができ、消費電力を低減することができる。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。図2に示す半導体レーザ駆動回路1Aは、半導体レーザ駆動回路1において制御回路50に代えて制御回路50Aを備えており、更に入力検知回路70を備えている構成で、第1の実施形態と異なっている。
入力検知回路70は、差動回路20の入力コモンモード電圧Vcmiを検知する。入力検知回路70は、抵抗素子71,72を有している。抵抗素子71,72は差動回路20の出力間に直列に接続されており、抵抗素子71,72の間のノードは制御回路50Aに接続されている。すなわち、入力検知回路70は、これらの抵抗素子71,72の間のノードの電圧を入力コモンモード電圧Vcmiとして制御回路50Aに出力する。
制御回路50Aは、出力検知回路40から差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoも入力されている。制御回路50Aは、出力コモンモード電圧Vcmo及び入力コモンモード電圧Vcmiに応じて制御信号Scを生成する。具体的には、制御回路50Aは、入力コモンモード電圧Vcmiと出力コモンモード電圧Vcmoとの差電圧が所定の値となるように制御信号Scを生成する。制御回路50Aは、制御回路50において誤差増幅アンプ52を更に備えている。誤差増幅アンプ52の一方の入力には入力コモンモード電圧Vcmiが入力され、他方の入力には出力コモンモード電圧Vcmoが入力される。誤差増幅アンプ52の出力は、OPアンプ51の一方の入力に接続されている。OPアンプ51の他方の入力には基準電圧Vrefが入力され、出力はDC−DCコンバータ60の入力に接続されている。なお、所定の値、すなわち基準電圧Vrefは、トランジスタ11,12が順方向活性領域で動作するように、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoが入力コモンモード電圧Vcmi以上となるように設定される。
このようにして、入力検知回路70、出力検知回路40、制御回路50A及びDC−DCコンバータ60によって、差動回路20に帰還制御が行われることとなる。
例えば、半導体レーザ駆動回路1Aの前段回路の温度変動や回路素子ばらつきによって、半導体レーザ駆動回路1Aに入力される変調信号のレベルが変動することがあり、差動回路20の出力コモンモード電圧Vcmoを一定に保持するだけでは、差動回路20におけるトランジスタ21,22のベース(ゲート)に対するコレクタ(ドレイン)のバイアスレベルが適切に制御されないことがある。
第2の実施形態の半導体レーザ駆動回路1Aによれば、入力検知回路70が、差動回路20の入力コモンモード電圧Vcmiを検知し、制御回路50Aが、出力コモンモード電圧Vcmoと入力コモンモード電圧Vcmiとの差電圧が所定の値となるように、DC−DCコンバータ60からの電源電圧Vcccを制御するので、入力変調信号のレベルが変動しても、差動回路20の電源電圧Vcccを変更することによって、差動回路20におけるトランジスタ21,22のベース(ゲート)に対するコレクタ(ドレイン)のバイアスレベルを一定に保持することができる。したがって、第2の実施形態の半導体レーザ駆動回路1Aによれば、LD5の温度変動及び発光効率のばらつきに起因して、LD5に大きな変調電流(駆動電流)Imを供給する必要がないときには、差動回路20の電源電圧Vcccを低下することができ、消費電力をより適切に低減することができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態のトランジスタは、バイポーラトランジスタに代えて電界効果トランジスタであってもよい。
例えば、MOS−FETの場合、差動回路20におけるトランジスタ21,22が、特にトランジスタ21が適切な動作点、すなわち飽和領域で動作するためには、Vcmo−Vs>Vcmi−Vs−Vthを満たすように電源電圧Vcccを下げることができる。
Vs:トランジスタ21のソース電圧
Vth:トランジスタ21のゲート閾値電圧
すなわち、出力コモンモード電圧Vcmoを入力コモンモード電圧Vcmiより閾値電圧Vth分低い電圧まで下げることができる。その結果、差動回路20の電源電圧Vcccを、下記式で示す値まで下げることができる。
Vccc=Vcmi−Vth+R×Im/2
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。 比較例に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。
符号の説明
1,1A,1O…半導体レーザ駆動回路、5…半導体レーザ(LD)、6,7…インダクタ、10…レベルシフト回路、11,12…トランジスタ、13,14…電流源、20…差動回路、21,22…差動対トランジスタ、23,24…負荷抵抗素子、25…変調電流源、30…バイアス電流源、32,34…コンデンサ、36…モニタ用フォトダイオード(モニタPD)、38…APC回路、40…出力検知回路、41,42…抵抗素子、50,50A…制御回路、51…OPアンプ、52…誤差増幅アンプ、60…DC−DCコンバータ(電圧発生回路)、65…入力端子、70…入力検知回路、71,72…抵抗素子。

Claims (3)

  1. 変調信号に応じて半導体レーザに駆動電流を供給する差動回路と、
    前記差動回路に電源電圧を供給し、当該電源電圧を制御信号に応じて変更する電圧発生回路と、
    前記差動回路の出力コモンモード電圧を検知する出力検知回路と、
    前記出力検知回路によって検知された前記出力コモンモード電圧に応じて前記制御信号を生成する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、前記出力コモンモード電圧が所定の値に維持されるように、前記制御信号を生成する、
    ことを特徴とする、半導体レーザ駆動回路。
  2. 前記差動回路の入力コモンモード電圧を検知する入力検知回路を更に備え、
    前記制御回路は、前記出力コモンモード電圧と前記入力コモンモード電圧との差が所定の値となるように、前記制御信号を生成する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ駆動回路。
  3. 前記差動回路は、前記半導体レーザに対してAC結合されている、請求項1又は2に記載の半導体レーザ駆動回路。
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