JP2009230090A - 電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】キャリア付着を防止し、高耐久性で、高画質なフルカラー複写画像を得るキャリア及び該キャリアを含む二成分系現像剤を提供すること。また、磁性体分散樹脂キャリアにおける磁性体の脱離を防止すること。さらに該現像剤の寿命を延ばし、多数枚の複写においても色汚れなどの画像劣化のない二成分系現像剤を提供すること。
【解決手段】芯材の表面に被覆層を有する磁性キャリア粒子であって、前記被覆層中にイオン性液体、無機微粒子及び結着樹脂を含有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等における静電潜像を現像するための現像剤を構成する磁性キャリア及び二成分系現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
に関する。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、該トナー像を紙等の記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。一方、記録材料に転写されずに像担持体上に
残留したトナーは、像担持体の表面に圧接配置されたブレード等のクリーニング部材によりクリーニングされる。近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行うものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10ないし50%の中〜高光沢のものが多かった。
ところで、一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱しトナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に再転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラー表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。しかしこの方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しマシンの小型化に不向きである。このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラーに離型オイルを塗布しない(オイルレス化)、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
一方、カラートナーにおいてもモノクロトナー同様、マシンの小型化、構成の簡素化の目的でオイルレス化の傾向が見られている。しかし、前述したようにカラートナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。また、トナー中に離型剤を含有させると、トナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。
従来、キャリア粒子としては鉄粉、フェライト粉、その他の磁性体粒子をそのままキャリアとして用いるか、これらの微粒子をバインダー中に分散した磁性体分散樹脂キャリア等が磁気ブラシ現像用の二成分系現像剤用として用いられている。
一方、高画質化の要求により現像システムの検討も種々行われており、中でも現像プロセスに交番電界を印加する方法が用いられる場合には、これに鉄粉キャリアを使用すると低抵抗であるためリークが起こり、現像不良が生じてしまう。また、フェライトキャリアを用いても、キャリア粒子の比抵抗が10〜10Ω・cm程度では十分良好な画像が得られない。
そこで、キャリア粒子表面に熱可塑性樹脂などをコートして比抵抗を高めたものを用いると良好な画像が得られるようになるが、このような熱可塑性樹脂を用いたコートキャリアは長時間に渡る繰り返し使用において、キャリア表面にトナースペントが発生し、トナーへの摩擦帯電付与能力が低下したり、コート材が剥がれることによってキャリア粒子の比抵抗が低下してしまい、画像劣化を引き起こす場合がある。
また、現像剤の観点から高画質化を図るためにトナー及びキャリア粒子の粒径を小さくする等の検討が行われている。この場合、キャリア粒径が小さくなるに従い、静電潜像担持体へのキャリア付着を生じやすくなる。例えば特許文献1には微粒子化したキャリアとトナーを用いて振動電界下で非接触方式で現像する方法が記載されている。該文献では、振動電界を印加する現像プロセスにおいてキャリア付着を改善するために、樹脂コートを施してキャリアの高抵抗化が効果を有すると記載されているが、発生したキャリア付着を改善するためにキャリアの比抵抗を見かけ上、高抵抗化してもキャリアコアとして比抵抗の低いものを用いている場合には、表面に少しでもコアが露出している場合や繰り返し使用によるコート剥がれを生じてしまった場合などにはキャリア付着を防止し、高画質画像を得るには不十分な場合がある。
そこで、磁性キャリアとして磁性体を樹脂中に分散した樹脂キャリアを用いるとキャリアのバルク抵抗を鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べて高くすることができる。しかし、これらの場合でも例えば、特許文献2の磁性粒子では、樹脂中に含有させる磁性体量を増やすべく粒径比の異なる磁性体を用いているが、磁気的なキャリアの拘束力としては高くなるが、樹脂中に含有される磁性体が比抵抗が低い場合、キャリアとしての比抵抗は低下してしまい、交番電界を用いる現像方法等にこのようなキャリアを用いると、キャリア付着を生じる場合がある。すなわち、低抵抗の磁性体を樹脂中に多量に含有させた樹脂キャリアにおいては、キャリア表面にマグネタイトのような低抵抗の磁性微粒子が多数露出しやすく、その磁性微粒子を電荷注入サイトとして電荷注入によって帯電し、静電潜像担持体に現像されるのである。また長時間繰り返し使用した際にはキャリア表面の磁性微粒子の脱離を生じてしまい、キャリアとしての性能が低下したり、画像を汚してしまう場合もある。
これらを改善するためにキャリアの高耐久化の検討がなされている。例えば、キャリアのトナースペント化やコート材の剥がれを防止したり、磁性体分散型樹脂キャリアの場合には表面の磁性微粒子の脱離を防止するために、低表面エネルギーの樹脂をコートする提案がされている。例えば特許文献3、特許文献4にはシリコーン樹脂コートキャリアの提案がなされ、特許文献5には樹脂変性シリコーンコートキャリアの提案がなされている。また、特許文献6には磁性体分散型樹脂キャリアの表面に導電性物質含有シリコーン樹脂をコーティングしたキャリアの記載がある。該特許文献6には磁性体分散型樹脂キャリアの比抵抗を下げるために導電性物質を含有したシリコーン樹脂コートを施すことで、高耐久で高画質な画像を得るとあるが、高寿命化の要求にはさらにコート層を厚くしなければ、達成することができない。
一般的に抵抗が高いキャリアを現像剤として用いた場合、コピー画像の大面積の画像面では、中央部の画像濃度が非常に薄く、端部のみが濃く表現される、いわゆるエッジ効果の鋭く利いた画像となる。また、画像が文字や細線の場合は、このエッジ効果のため鮮明な画像となるが、画像が中間調の場合には、非常に再現性の悪い画像となる欠点を有する。
さらに、より速く、より美しくという要望は高まる一方で、近年のマシンの高速化は著しい。これに伴い、現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大しており、従来高寿命とされたキャリアにおいても充分な寿命が得られなくなってきている。
また、従来よりキャリアの抵抗調整剤としてカーボンブラックを多く用いてきているが、膜削れ、及び/又は、カーボンブラックの脱離に起因するカーボンブラックのカラー画像中への移行による色汚れが懸念され、その対策としてこれまで様々な方法が提案され、その効果を発揮して来た。例えば、導電性材料(カーボンブラック)を芯材表面に存在させ、樹脂被覆層中には導電性材料を存在させないキャリアが提案されている(例えば、特許文献7参照)。
また、被覆樹脂層がその厚み方向にカーボンブラックの濃度勾配を持ち、該被覆樹脂層は表面に向かう程カーボンブラック濃度が低くなり、しかも該被覆層の表面にはカーボンブラックが存在しないキャリアが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
また、芯材粒子表面に導電性カーボンを含有した内部被覆樹脂層を設け、更にその上に白色系導電性材料を含有した表面被覆樹脂層を設けてなる二層コート型キャリアが提案されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、近年の高ストレス化には対応できず、色汚れが問題となってきており改善の必要がある。
色汚れの抜本的な対策としては、色汚れの原因となっているカーボンブラックを排除することが何より一番効果的であることは明白である。しかし、単にカーボンブラックを抜いた場合、先にも記したとおりカーボンブラックがその電気抵抗が低いという性質を持つことから、キャリアの抵抗が上がってしまうことになる。一般的に抵抗が高いキャリアを現像剤として用いた場合、コピー画像の大面積の画像面では、中央部の画像濃度が非常に薄く、端部のみが濃く表現される、いわゆるエッジ効果の鋭く利いた画像となる。また、画像が文字や細線の場合は、このエッジ効果のため鮮明な画像となるが、画像が中間調の場合には、非常に再現性の悪い画像となる欠点を有する。
一般的に、カーボンブラック以外の抵抗調整剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛などが知られているが、抵抗を下げるという効果としてはカーボンブラックに代わるに充分な効果は得られず、問題の解決には至っていない。
また、抵抗の上昇を防ぐために、コート層の膜厚を極力薄くして低抵抗化する場合がある。短期的には特に問題はないが、長寿命が求められている現状では、ストレスによりコート層を形成している樹脂および抵抗調整剤(導電性微粒子)が脱離してしまい、芯材表面が露出して抵抗低下してしまう。抵抗調整とストレスによる寿命の改善が必要である。
従って、上述したように、キャリア付着を防止しつつ、高耐久性で、かつ高画質化を計るために、種々の手法が試みられてはいるものの、特に上述した欠点を全て改善することができる手段は現在までのところ得られていないが、特許文献10および11にはキャリア芯材表面の被覆層にイオン性液体を用いることにより、色汚れやキャリア付着のない良好なキャリアを得るという手法が提案されている。
一方、トナーの製造方法としては、粉砕法が知られている。
粉砕法は、結着樹脂としての熱可塑性樹脂に、着色剤及び必要に応じて用いられる添加剤を添加したものを溶融混練した後、粉砕及び分級することによりトナーを製造する方法である。しかしながら、このようにして得られるトナーは、粒子径が大きくなり、高画質画像を形成することが困難である。
そこで、重合法や乳化分散法を用いてトナーを製造する方法が知られている。
重合法としては、分散剤を含有する水性媒体中に、モノマー、重合開始剤、着色剤、電荷制御剤等を攪拌しながら添加して油滴を形成した後、重合する懸濁重合法が知られている。また、乳化重合又は懸濁重合を用いて得られる粒子を凝集、融着させる会合法も知られている。
しかしながら、このような方法では、トナーの粒子径を小さくすることができるものの、結着樹脂の主成分がラジカル重合することにより得られる重合体に限られるため、カラートナー等に好適なポリエステル樹脂やエポキシ樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーを製造することができない。
そこで、結着樹脂、着色剤等の混合物を水性媒体と混合して乳化させる乳化分散法を用いて、トナーを製造する方法が知られている(例えば、特許文献12、13参照)。これにより、トナーの小粒子径化に対応できることに加え、結着樹脂の選択幅が広くなる。しかしながら、このような方法を用いると、微粒子が発生し、乳化ロスが生じる。
そこで、ポリエステル樹脂を乳化分散させた後、得られた粒子を凝集、融着させることによりトナーを製造する方法が知られている(例えば、特許文献14、15参照)。これにより、微粒子の発生を抑制できることから、乳化ロスを低減することができる。
しかしながら、重合法や乳化分散法を用いて得られるトナーは、分散工程で生じる液滴の界面張力により、球形となる傾向がある。このため、ブレードクリーニング方式を用いる場合に、球形トナーがクリーニングブレードと感光体の間で回転して隙間に入り込み、クリーニングされにくいという問題がある。
そこで、重合終了前に高速攪拌を行い、粒子に機械的な力を加え、粒子を不定形にする方法が知られている(例えば、特許文献16参照)。しかしながら、このような方法を用いると、分散状態が不安定になって粒子同士の合一が起こりやすいという問題がある。
また、特定のケン化度を有するポリビニルアルコールを分散剤として用いて、粒子を凝集させることにより、粒子径が5〜25μmの会合体粒子を得る方法が知られている。しかしながら、このようにして得られる会合体粒子は、粒子径が大きくなりやすいという問題がある。
また、有機溶剤にトナー組成物と共にフィラーを添加し、粒子を不定型にする方法が知られている(例えば、特許文献17参照)。しかし、トナーにフィラーを入れた場合、トナーの粘弾性が上がり、定着下限の阻害が見られる。また、フィラーをトナー表面に存在させた場合、トナーの粘弾性の上昇はほとんど見られないが、トナー表層にフィラーの様な物質が存在すると、ワックスの染み出しの阻害、又は結着樹脂の溶け出しを阻害し、定温定着性、及びホットオフセット性への阻害も見られる。
さらに、層状無機鉱物の層間に存在する金属カチオン等のイオンを有機カチオン等のイオンで変性した電荷調節剤が開発され、これを電子写真用トナーに用いることが提案されている(例えば、特許文献18、19、20、21参照)。
特公平5−8424号公報 特開平5−100494号公報 特公昭62−61948号公報 特公平2−3181号公報 特公昭59−8827号公報 特開平6−118725号公報 特開平7−140723号公報 特開平8−179570号公報 特開平8−286429号公報 特開2007−156400号公報 特開2007−316149号公報 特開平5−66600号公報 特開平8−211655号公報 特開平10−020552号公報 特開平11−007156号公報 特開昭62−266550号公報 特開2005−49858号公報 特表2003−515795号公報 特表2006−500605号公報 特表2006−503313号公報 特開2003−202708号公報
本発明の目的は、キャリア付着を防止し、高耐久性で、高画質なフルカラー複写画像を得るキャリア及び該キャリアを含む二成分系現像剤を提供することにある。 高耐久とは、すなわち、キャリアコート層へのトナースペントによる帯電性能低下防止とストレスによるコート削れによるキャリア比抵抗の低下防止である。
また、他の目的として、キャリアが磁性体分散樹脂キャリアである場合では、そのキャリアにおける磁性体の脱離を防止し、高耐久性で、高画質なフルカラー複写画像を得るキャリア及び該キャリアを含む二成分系現像剤を提供することである。
また、他の目的として、二成分系現像剤の寿命を延ばし、多数枚の複写においても色汚れなどの画像劣化のない二成分系現像剤を提供することである。
さらにまた、他の目的として、上記現像剤を用いた画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、芯材の表面に被覆層を有する磁性キャリアであって、前記被覆層中にイオン性液体、無機微粒子及び結着樹脂が含有されている電子写真現像剤用磁性キャリアであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、前記芯材が少なくともバインダー樹脂と磁性金属酸化物粒子を含有する芯材であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、前記イオン性液体のイオン伝導度が、10ないし30℃の温度範囲内において、6.1×10−5(S/cm)〜1.5×10−2(S/cm)であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、前記無機微粒子が、前記芯材に対して下記式(1)で表わされる被覆率で70%以上含有されており、該粒子の粒子径(D)と、前記被覆層の膜厚(h)との比が、0.5<[D/h]<1.5であることを特徴とする。
式(1):
被覆率(%)=((Ds×ρs×W)/(4×Df×ρf))×100
(式中、Ds:キャリア芯材粒径、ρs:キャリア芯材真比重、W:キャリア芯材に対する無機微粒子の添加量の比、Df:無機微粒子の粒径、ρf:無機微粒子の真比重を表わす。)
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、前記結着樹脂が少なくともシリコーン樹脂を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂とシリコーン樹脂を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、体積平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアにおいて、1000((10/4π)A/m)における磁気モーメントが、45(Am/kg)以上90(Am/kg)以下であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、少なくとも樹脂と着色剤とからなるトナーと、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアとからなる電子写真用現像剤であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、樹脂、着色剤、及び層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有し、かつ、少なくともトナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相及び/又はモノマー相を水系媒体に分散及び/又は乳化して造粒され、かつ、一次粒子径が110nm以上である無機微粒子を1.0重量部以上含有する負帯電性トナーと、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真用磁性キャリアとからなる電子写真用現像剤であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア1質量部に対して、トナーを2〜50質量部の配合割合で含有する補給用現像剤であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、像担持体上に静電潜像を形成する工程、前記静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する工程、得られた可視像を転写材に転写する工程、転写材上に転写された可視像を定着する工程を少なくとも有する画像形成方法であって、前記現像剤が請求項10ないし12のいずれかに記載の電子写真用現像剤を用いる画像形成方法であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、像担持体と、該像担持体上の静電潜像を請求項10ないし12のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジでありことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、像担持体と、該像担持体上の静電潜像を請求項10ないし12のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段と、得られた可視像を転写材上に転写する転写手段と、該転写材上の可視像を定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置であることを特徴とする。
本発明によれば、キャリア付着を防止し、高耐久性で、高画質なフルカラー複写画像を得る電子写真現像剤用磁性キャリアを得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
(本発明のキャリアの体積平均粒径)
上記課題解決のため、本発明者らが詳細な検討を行なったところ、高画質化の観点からはキャリア粒径をできるだけ小さくすることが好ましいことが見いだされた。すなわち、現像極(磁極の強さ約1000エルステッド)において、磁気ブラシの穂立ちを密にすることで、静電潜像に忠実な現像が可能となり、ドット再現性の良い画像が得られることがわかった。磁気ブラシの密度はキャリアの磁化の強さが関係しており、キャリア粒子の磁気力を下げるにつれて磁気ブラシ密度が密になる。
キャリアが同一組成であるならば、キャリア粒子の磁気力は粒径と関係しているため、キャリアの磁気力を下げていくと、次第にキャリア付着が生じる傾向にある。このような観点から、本発明ではキャリア粒径として、その体積平均粒径としては20〜65μmの範囲のものを使用することができる。特に、近年の高画質化に対しては、25〜50μmがより好ましい。
体積平均粒径が20μm未満の場合は、粒子の均一性が低下することと、マシン側で充分に使いこなす技術が確立できていないことにより、キャリア付着などの問題が生じ好ましくない。一方、65μmを超える場合には、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので、好ましくない。
キャリアの体積平均粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて測定することができる。0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。また、分散液にはメタノールを使用し屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
(本発明のキャリアの磁気モーメント)
また、キャリア磁化は1000(10/4π・A/m)即ち1KOeにおける磁気モーメントが、45(Am/kg)以上90(Am/kg)以下のときに高画質、キャリア付着防止の観点からより好適である。 これは、この範囲とすることで、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれるので、キャリアまたは現像剤へのトナーの分散(混ざり)が素早く良好となるが、1KOeにおける磁気モーメントが45Am/kg未満の場合は、磁気モーメント不足によりキャリア付着が生じ好ましくない。一方、1KOeにおける磁気モーメントが90Am/kgを超える場合には、現像時に形成する現像剤の穂が硬くなり過ぎるため、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので好ましくない。
前記磁気モーメントは、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒セル(内径7mm、高さ10mm)にキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブの図を作成し、その図より1000エルステッドの磁気モーメントを算出する。
(本発明のキャリアの体積固有抵抗)
キャリア付着のドライビングフォースは特に交番電界印加における接触現像方法において、現像バイアス印加時に現像スリーブからキャリアヘの電荷注入によるキャリアの帯電が支配的因子となっていると考えられる、従ってキャリア付着を防止する手段としてはキャリアの比抵抗を高め電荷注入を抑制することが挙げられる。
本発明におけるキャリア粒子の抵抗は、1000V印加時において、10[Log(Ω・cm)]以上の体積固有抵抗を有することが好ましい。これは、体積固有抵抗が10[Log(Ω・cm)]未満の場合は、非画像部でのキャリア付着が生じ好ましくない。一方、体積固有抵抗が16[Log(Ω・cm)]を超える場合は、エッジ効果が許容できないレベルに悪化して好ましくない。
なお、ハイレジスト計の測定可能下限を下回った場合には、実質的には体積固有抵抗値は得られず、ブレークダウンしたものとして扱うことにする。ここでいう体積固有抵抗とは、図4のキャリア抵抗測定装置によって測定され、電極間距離2mm、表面積2cm×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31にキャリア33を充填し、三協パイオテク社製:タッピングマシンPTM−1型を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行う。両極間に1000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH0HWHU;横河ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率R(Ω・cm)を求め、LogRを算出する。
(本発明のキャリアのコア(芯材))
キャリアコアとしては、電子写真用二成分キャリアとして公知のもの、例えば、フェライト、Cu−Znフェライト、Mnフェライト、Mn−Mgフェライト、Mn−Mg−Srフェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等、キャリアの用途や使用目的に合わせ適宜選択して用いればよく、前記例示材料に限るものではないが、本発明の磁性キャリアは、キャリアコアは磁性金属酸化物粒子を樹脂中に分散させた樹脂キャリアコアであってもよい。特に樹脂キャリアの場合のバインダー中の磁性体等の脱離を防止するためには熱硬化性の樹脂をバインダーとし、直接重合法によりキャリアコアを得ることが効果的であり、さらにバインダー中に分散する磁性金属酸化物粒子の表面を親油化処理することで磁性金属酸化物粒子の分散性が向上し、バインダー樹脂との密着性を高め、磁性金属酸化物粒子の脱離を防止することがより良好となる。
(本発明のキャリアの構成)
本発明の磁性キャリアは、前記の磁性体粒子の表面に、又は磁性金属酸化物粒子とバインダー樹脂でコアを形成した後その表面に、イオン性液体および無機微粒子と結着樹脂からなる被覆層を設けることで、求められる抵抗値の制御を可能にしている。すなわち比抵抗の高い無機微粒子と結着樹脂とを用いてコアにコートを施すことで、被覆層の膜厚を厚く、かつ均一に形成できることによって高抵抗化を達成できる。
実際に、コアに被覆層を形成するには、例えば、イオン性液体、無機微粒子、結着樹脂等を溶剤に溶解又は分散させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
ここで無機微粒子を被覆層中に添加する理由はキャリア比抵抗を高めることだけではなく、キャリア表面に凹凸を作り、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができる。これにより、キャリアへのトナーのスペントを防止することが可能となる。
(無機微粒子)
無機微粒子としては、カーボンブラック、酸化インジウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムのいずれかで、単独或いは複数で用いてもよい。ただし、被覆層中から離脱した場合、カラー画像についてはトナー粒子と混在し色汚れの原因となるため、白色であることが必要条件となる。このため、カラー画像ではカーボンブラック、酸化インジウムは使用することができない。
(無機微粒子の被覆率とその測定)
本発明における無機微粒子の被覆率は、無機微粒子のキャリアコアに対する被覆率であり、次式(1)で表される。
式(1):
被覆率(%)=((Ds×ρs×W)/(4×Df×ρf))×100
(Ds:キャリアコア粒径、ρs:キャリアコア真比重、W:キャリアコアに対する無機微粒子の添加量の比、Df:無機微粒子の粒径、ρf:無機微粒子の真比重)
無機微粒子のρfおよびキャリアコアρsの真比重については乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した。本計測法はヘリウムによるガス置換式の測定法である。測定法は、ステンレス製の内径18.5mm,長さ39.5mm,容量10cmのセルに、測定サンプルを4g入れる。次いで、試料セル中のサンプルの容積をヘリウムの圧力変化によって測定し、求められた容積とサンプルの重さからサンプルの密度を求める。
キャリアコア粒径Ds(体積平均粒径)はマイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて測定することができる。0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。また、分散液にはメタノールを使用し屈折率1.33、キャリアおよびコアの屈折率は2.42に設定する。
無機微粒子の粒径Dfは自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所社製)にて体積平均粒径を測定する。測定の前処理として、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。この希釈溶液を超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700にて測定する。
測定条件
回転速度:2000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm
粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した真比重値を入力
(本発明における無機微粒子の被覆率)
上記無機微粒子の含有量が前記式(1)で表される被覆率で70%未満では経時の膜削れによってキャリアコア表面が露出してしまう確率が高くなり、局所的に抵抗の低下が発生し、そのような状態が存在するキャリアがベタ画像中に現像してしまい、画像中に白抜けが発生してしまう。
さらに、キャリア被覆層に含まれる無機微粒子の平均粒子径(D)と、該被覆層膜厚(h)が、0.5<[D/h]<1.5であることで、改善効果が顕著である。[D/h]が0.5以下の場合、該無機微粒子は結着樹脂中に埋もれてしまうため、キャリア表面に、凸となる粒子が減少するため、キャリア同士の摩擦接触によりキャリア表面に付着したトナーのスペント成分を効率良く掻き落とすクリーニング効果が低下して、トナースペントを防止する効果が著しく低下し好ましくない。[D/h]が1.5以上の場合は、該無機微粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため充分な拘束力が得られず、該無機微粒子が脱離し易くなるため好ましくない。脱離した場合には抵抗低下を引き起こしてしまう。
図3に示すように、該被覆層膜厚hは、芯材表面から被覆層表面までの厚みを示す。芯材表面から被覆層表面までの厚みhは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、芯材表面から被覆層表面までの厚み(h1〜h4の様に)を、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均した値である。
無機微粒子の平均粒子径(D)は前述した無機微粒子の粒径Dfと同様に自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所社製)にて体積平均粒径を測定する。
(本発明に用いられるイオン性液体)
イオン性液体は液体であり、被覆層液の作成時に被覆樹脂(結着樹脂)と微分散しやすく、結果としてキャリア被覆層中に微分散状態で存在するため、局所的な抵抗低下は発生しない。また、イオン性液体は無色〜白濁であるため、被覆層が削れてトナー中に混入しても色汚れは発生しない。
本発明に用いられるイオン性液体は、イオン性液体としての一般的な物性、即ち、−100℃ないし200℃程度の広い温度領域で液体状態である、イオン伝導性が高い、不揮発性である、引火性・可燃性が無い、高い熱安定性を有するものであれば如何なるものでも用いることができる。
しかしながら、本発明においては、静電潜像現像用現像剤の生産工程(樹脂の熱硬化および脱溶剤)にて使用される温度領域、即ち、少なくとも100ないし300℃の温度範囲内において分解しないことが好ましい。
イオン性液体のイオン伝導特性は特に限定されるものではないが、10ないし30℃の温度範囲内において、6.1×10−5(S/cm)〜1.5×10−2(S/cm)であることが好ましい。
本発明では無機微粒子を被覆層に含めることでキャリアの比抵抗を高めているが、ある程度の量を添加しないとトナーのスペント物除去の効果が得られない。しかし、無機微粒子を添加することで、狙い以上に高抵抗化してしまい、逆に高抵抗化によるエッジキャリア付着などの問題が発生してしまう。このために、イオン性液体を添加するが、1.0×10−3(S/cm)未満ではキャリアとしての抵抗を下げる効果が期待できず、前述のキャリア付着(エッジキャリア付着)や白抜けなどの異常画像が発生する。
イオン性液体のイオン伝導性を測定する方法としては、密閉型伝電度測定セル、交流インピーダンスメータ(東亜電波工業社製、CM−40S)を用い、周波数10kHz、25℃で測定した。
本発明に用いられるイオン性液体の具体的な組成としては、一般的なイオン性液体としての物性を備えているものであれば特に限定されず、上記したようにイオン性液体が保持できる温度や、イオン伝導特性等の物性がより適したものであることが好ましく、例えば、有機カチオニウム塩と有機酸アニオンを含むイオン性有機化合物であることが好ましい。
有機カチオニウム塩としてはアンモニウム塩、イミダゾリウム誘導体、ピリジニウム、ホスホニウムなどが挙げられ、有機酸アニオンとしてはBF 、PF 、CF3SO3 (Tf:トリフラート)、(CF3SO)2N(TFSI)などが挙げられる。その中でも、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)やブチルメチルイミダゾリウム(BMI)の塩が好適に用いられる。本発明においては、これら以外にもイオン性液体に溶解する成分を含むイオン性物質を用いてもよい。
なお、本発明のキャリアの抵抗値は、図4のキャリア抵抗測定装置によって測定され、10ないし16log(Ω・cm)程度の範囲内であれば特に限定されず、用途に応じて調整することができ、また、被覆層中に含まれるイオン性液体の含有量は特に限定されず、所望する抵抗値と、用いるイオン性液体のイオン伝導性とを考慮して決定することができる。
イオン性液体は、ピリジニウム系(構造式1)、イミダゾリウム系(構造式2)、脂環式アミン系(構造式3)又は脂肪族アミン系(構造式4)の材料を使用することが好ましい。具体的には、広栄化学工業社製 ピリジニム系イオン性液体IL−P11、IL−P14や、イミダゾリウム系イオン性液体IL−IM1や、脂環式アミン系イオン性液体IL−C1、IL−C3、IL−C5、および脂肪族アミン系イオン性液体IL−A1、IL−A2、IL−A3、IL−A4、IL−A5を用いることができる。
Figure 2009230090
(式中のR、R’は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素元素、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。Xはハロゲンを表わす。)
Figure 2009230090
(式中のR、R’は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素元素、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。Xはハロゲンを表わす。)
Figure 2009230090
(式中のR、R’は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素元素、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。Xはハロゲンを表わす。)
Figure 2009230090
(式中のR、R’、R’’、R’’’は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素元素、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。Xはハロゲンを表わす。)
カラー画像のように高画質を求めるシステムにおいて、キャリアとしての抵抗調整は必須であり、抵抗が著しく高いキャリアでは非画像部へのキャリア付着(エッジキャリア付着)や白抜けなどの異常画像が発生する。キャリアとして抵抗調整を行う場合、従来では抵抗調整剤としてカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムにて表面処理した微粒子などの導電性微粒子をキャリア被覆層中に添加することで抵抗調整している。しかし、被覆層の削れにより導電性微粒子がトナー中に混入し、導電性微粒子が無色または白色以外の場合、カラー画像については色汚れの原因となる。カーボンブラック、酸化インジウムなどは少量にてキャリア抵抗を引き下げる効果があるが、色汚れの問題で使用することができない。また、酸化亜鉛、酸化インジウム処理微粒子は白色であるがカーボンブラックのように抵抗引き下げ効果が少量では得られず、被覆層中に多量に添加しなければならず、非常に高価な材料であるのでコスト的に好ましくない。
(イオン性液体による効果)
イオン性液体は液体であり、被覆層中において無機微粒子表面層に含浸しやすく、少量で導電処理が可能である。イオン性液体で導電性処理した微粒子にて、被覆層中に分散されたものは、抵抗を下げる効果も得られ、イオン性液体は無色〜白濁であるため、被覆層が削れてトナー中に混入しても色汚れは発生しない。このように、イオン性液体にて導電処理した無機微粒子を含むことで、本発明は顕著な改善効果を有する。
(結着樹脂としてのシリコーン樹脂の効果)
さらに、少なくとも結着樹脂がシリコーン樹脂であることで、改善効果が顕著である。これは、シリコーン樹脂は表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるためである。
ここでいうシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを指し、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、市販品としてストレートシリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。さらに、変性シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
(シリコーン樹脂とアクリル樹脂の併用による効果)
また、少なくとも結着樹脂としてアクリル樹脂を併用することで改善効果が顕著である。これは、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので、耐磨耗性に非常に優れた性質を持ち、被覆膜削れや膜剥がれといった劣化が発生しづらいので、被覆層を安定的に維持することが可能であるとともに、強い接着性により導電性粒子など被覆層中に含有する粒子を強固に保持することができる。特に、被覆層膜厚よりも大きな粒径を有する粒子の保持には強力な効果を発揮することができる。
ここでいうアクリル樹脂とは、アクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。また、アクリル樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いることも可能である。
ここでいう架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられるが、これに限るものではない。
ここでいうアミノ樹脂とはグアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限るものではない。
また、ここでいう酸性触媒とは、触媒作用を持つもの全てを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものであるが、これらに限るものではない。
アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。しかし、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。
磁性キャリアに用いることができる磁性金属酸化物粒子としては、MO・6(Fe)で表される六方晶マグネトプランバイト構造を有するハードフェライト材料が好ましく、例えば、BaFe1219、SrFe1219、PbFe1219で表わされるバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト及び鉛フェライトなどを挙げることができる。
また、キャリアとしての磁気特性や電気抵抗等の調整のために、上記磁性金属酸化物粒子以外にも非磁性金属酸化物粒子を併用することが可能であり、例えば、Al、SiO、CaO、TiO、V、CrO、MnO、α−Fe、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y、ZrO等を挙げることができる。
非磁性金属酸化物粒子を併用する場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性、キャリア強度を高めるためにより好ましい。磁性キャリアでは非磁性金属酸化物粒子としてヘマタイトを組み合せて用いていることが好ましい。
(磁性体分散型樹脂キャリアの製造方法)
磁性体分散型樹脂キャリアを製造する方法としては、直接的にモノマーと少なくとも磁性の金属酸化物粒子を混合、重合してキャリアを得る方法がある。重合に用いられるモノマーとしては、後述するビニル系モノマーの他にエポキシ樹脂の出発原料となるビスフェノール類とエピクロルヒドリン、フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類、尿素樹脂の尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類等が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いたキャリアの製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で金属酸化物粒子、好ましくは親油化処理した金属酸化物粒子を入れ、重合して磁性キャリアを得る。
上記の金属酸化物粒子を樹脂に分散してコアとする場合、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径はキャリア粒径によっても変わるが、0.02〜2μmまでのものを好ましく用いることができる。また、2種以上の金属酸化物粒子を分散させて用いる場合は、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径は0.02〜2μmまでのものを用いることができ、他方の金属酸化物粒子の個数平均粒径は、0.05〜5μmのものが使用できる。
磁性キャリアのコア中に含有される金属酸化物粒子の量は、50質量%〜99質量%である。金属酸化物粒子の量が50質量%未満であると帯電性が不安定になり、特に低温低湿環境下においてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存しやすくなるために微粉トナーや外添削等がキャリア表面に付着しやすくなる。また、99質量%を超えるとキャリア強度が低下して、耐久によるキャリアの割れ、金属酸化物粒子の脱離などの問題を生じやすくなる。
さらに磁性キャリアでは、例えば、コア中に非磁性の金属酸化物粒子と磁性の金属酸化物粒子を組み合わせて用いるなど、2種以上の金属酸化物粒子を分散させることも可能である。この場合、コア中に含有される金属酸化物粒子全体に占める磁性を有する金属酸化物粒子の含有量が30質量%〜100質量%である。30質量%未満であるとコアの高抵抗化は良好になる半面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリア付着を招く場合がある。
また、磁性キャリアに使用される金属酸化物粒子は親油化処理されていることが好ましい。これはキャリアから金属酸化物粒子の脱離を防止でき、また、キャリア製造上においても、親油化処理された金属酸化物粒子をバインダー樹脂中に分散させ、コア粒子を形成する場合、均一でかつ高密度でバインダー樹脂中に取り込ませることが可能となる。特に、重合法でコア粒子を形成する場合は球形で表面が平滑な粒子を得ることができる。
親油化処理はシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤や種々の界面活性剤で表面処理することが好ましい。
特にシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤あるいは界面活性剤群の中から選ばれる1種以上のもので表面処理することが好ましい。
シラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものを用いることができる。
疎水性基をもつシラン系カップリング剤として例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン等を挙げることができる。
アミノ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等が挙げられる。
チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルビンゼンスルホニルチタネート、イソプロペルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等を挙げることができる。
界面活性剤としては、市販の界面活性剤を使用することができる。
本発明の磁性キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ビニル系モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられる。
ここで言うビニル系モノマーとしては例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体と、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上使用して重合させたものが用いられる。
また、ビニル系モノマーから重合して得られる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物を用いることができる。
その他、磁性キャリアのコアを製造する方法としては、ビニル系、非ビニル系の熱可塑成樹脂、金属酸化物粒子、その他硬化剤等の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混練機を用いて溶融、混練して、これを冷却後、粉砕分級を行なってキャリアコアを得ることができる。この際、得られた金属酸化物粒子を含有した樹脂粒子を熱あるいは機械的に球形化してコアとして用いることが好ましい。
特に好ましく本発明の磁性キャリアのコアを製造する方法としては、キャリアコアの強度をアップさせたり、コート樹脂をより良好にコートするためにバインダーを架橋させて用いるのが好ましい。例えば、溶融混練時に架橋成分を添加し混練時に架橋させる。あるいは直接重合時に硬化型樹脂を選択し直接重合させてコアを得る。あるいは架橋成分を入れたモノマーを使用する等の方法を挙げることができる。
(0099)
[トナー]
さらに、本発明のキャリアは、トナーがカラートナーである場合には、改善効果が顕著である。これはカラー画像においては、本発明のキャリアは、被覆層にカーボンブラックを含有していないので、膜削れ等に伴うカーボンブラックによる画像の色汚れを生じない。従って、色再現性が重要視されたカラー現像剤に非常に向いている。ここでいうカラートナーとは、一般的にカラー単色で用いられるカラートナーだけではなく、フルカラー用として用いられるイエロー、マゼンダ、シアン、レッド、グリーン、ブルーなどに加え、ブラックトナーも含まれる。
ここで、本発明でいうトナーについて詳しく説明することにする。
本発明でいうトナーとは、モノクロトナー、カラートナー、フルカラートナーを問わず、一般的にいうトナー全てを含む。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。さらに、離型剤を有するいわゆるオイルレストナーも用いることができる。本発明のキャリアは耐スペント性が優れているため、長期にわたり良好な品質を維持できる。特にオイルレスフルカラートナーにおいては、結着樹脂が軟らかいため一般的にスペントし易いと言われるが、本発明のキャリアは非常に向いていると言える。
本発明においてトナーに用いる結着樹脂としては、公知のものが使用できる。例えばポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
そして、圧力定着用結着樹脂としては、公知のものを混合して使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用でき、これらに限られるものではない。
さらに、本発明で用いるトナーには上記結着樹脂、着色剤、帯電制御剤の他に、定着助剤を含有することもできる。これにより、定着ロールにトナー固着防止用オイルを塗布しない定着システム、いわゆるオイルレスシステムにおいても使用できる。定着助剤としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が使用でき、これらに限られるものではない。
本発明におけるカラートナー等のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用でき、ここで挙げるものに限らない。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。また、着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明で用いる着色剤は結着樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、後記の変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるために乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
トナー粒子表面に帯電制御剤を付着固定化するために、着色剤と樹脂を含む粒子と少なくとも帯電制御剤粒子からなる粒子同士を容器中で回転体を用いて混合する電子写真用トナーの製造方法が知られているが、本発明では、この方法において、容器内壁より突出した固定部材が存在しない容器中で、回転体の周速が40〜150m/secで混合する工程が含まれることにより、より望ましいトナー粒子が得られる。
本発明におけるトナーには必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級
アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
本発明において帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大き過ぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
本発明におけるトナーには必要に応じ離型剤をトナー中に含有させることができる。
離型剤(ワックス)としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温耐オフセットに対し効果を示す。
なお、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
本発明において使用できる離型剤として機能するワックス成分としては、以下の材料が使用できる。即ち、具体例としては、ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの他に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
本発明で用いるトナーには、着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を用いることができ、このような外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。外添剤の具体例としては、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子や樹脂微粒子等が挙げられ、これらを母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させている。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積が低下することによりこの効果が得られる。
これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタンといった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。
樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05ないし1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20ないし50m/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100ないし1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンジル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンジル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
この他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。この他、クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪酸金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
これらの外添剤の中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が50mμ以下のものを使用して攪拌混合を行なった場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行なわれる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られることが明らかになった。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、その副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望な帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行なっても、安定した画像品質が得られて、トナー吹きも抑制できることが判った。
トナー製造法は粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。例えば粉砕法の場合、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行なうのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20μmに粒度調整されることが好ましい。
次いで、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤とをミキサー類を用いて、混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。このとき、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。以上はあくまでも例でありこれに限るものではない。
本発明において、特に有用なトナーは、樹脂、着色剤、及び層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有し、かつ、少なくともトナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相及び/又はモノマー相を水系媒体に分散及び/又は乳化して造粒され、かつ、一次粒子径が110nm以上である無機微粒子を1.0重量部以上含有する負帯電性トナーである。
上記トナーは、前記キャリアと混合して電子写真用現像剤とした時に、現像領域に長期に渡って安定した現像剤量を供給することができ、画像の濃度ムラの生じない高品位な画質を安定して得ることができる。
上記の負帯電性トナーは、一次粒子径が110nm以上である無機微粒子を1.0重量部以上含有することが好ましいが、1.5重量部以上含有する方がより好ましい。一次粒子径が110nm以上の無機微粒子は一部が現像剤中に遊離し、初期剤の状態から現像剤の嵩を上昇させる。このため、ラン経時での嵩変動率(上昇率)が抑えられる効果がある。
この結果、現像領域に搬送される現像剤量が安定し、画像の濃度ムラを長期に渡って抑えることができる。この時、無機微粒子の一次粒子径が110nm未満であると、現像剤の嵩上昇に十分な効果が得られず、ラン経時での嵩変動率も大きくなる。また、無機微粒子の含有量が1.0重量部未満であると、現像剤中に遊離する無機微粒子が少ないため、現像剤の嵩上昇に十分な効果が得られない。なお、上記外添剤に用いる無機微粒子の具体例としては、既述の無機微粒子が挙げられる。
(層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物(変性層状無機鉱物))
層状無機鉱物は厚さ数nmの層が重ね合わさってできている無機鉱物の事を言い、変性するとはその層間に存在するイオンに有機物イオンを導入することを言う。例えば、特表2006−500605号公報、特表2006−503313号公報、特開2003−202708号公報に述べられている層状無機物質などが具体例として挙げられる。このような物質構造は、広義にはインターカレーションに包含されるものである。
層状無機鉱物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。
変性層状無機鉱物はその変性された層状構造により親水性が変化する。つまり、層状無機鉱物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中に層状無機鉱物が移行し、トナーを異形化(いわゆる、真球状でない形状に)することができないが、変性することにより、疎水性が高くなって造粒時にトナーが容易に異形化すると共に、分散して微細化し、電荷調整機能を十分に発揮する。すなわち、かかる変性無機鉱物は、トナーの製造時に粒子を微細化すると共に粒子形状を異形化し、かつ、トナー粒子の表面部分に特に多く存在して電荷調節機能を果たすと共に、低温定着にも貢献する。このとき、トナー材料中の変性層状無機鉱物の含有量は、0.05〜5重量%であることが好ましい。
本発明に用いる変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することができるが、金属アニオンを導入すると親水性が高いため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部(層間のイオンの少なくとも一部)を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の有機物イオン変性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。
前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物イオン変性剤としては分岐、非分岐または環状アルキル(C1〜C44)、アルケニル(C1〜C22)、アルコキシ(C8〜C32)、ヒドロキシアルキル(C2〜C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルフォン酸塩、カルボン酸塩、またはリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物における層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性することによって層状無機鉱物は適度な疎水性を持ち、この変性層状無機鉱物を、トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相中に含有させた場合、油相が非ニュ−トニアン粘性を発現し、トナーを異形化することができる。このとき、変性層状無機鉱物のトナー材料中における含有量は、前述のように0.05〜5重量%であることが好ましい。
変性層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
層間のイオンの少なくとも一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAが挙げられる。
一方、層間のイオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT−4A(協和化学工業社製)を下記一般式(1)で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。下記一般式(1)としては、例えば、ハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
一般式(1) R(OR)nOSOM …(1)
(式中、Rは炭素数13を有するアルキル基、Rは炭素数2から6を有するアルキレン基を表す。nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す。)
上記のような適度な疎水性を持つ変性層状無機鉱物を用いることにより、この変性層状無機鉱物を含有する負帯電性トナーの製造過程においてトナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相が非ニュートニアン粘性を持ち、トナーを異形化することができる。
一方、二成分現像剤(トナー+キャリア)の場合、本発明における変性層状無機鉱物を含有するトナーでは、メカニズムは不明であるが、経時でのキャリアとしての帯電性能が変化するという作用もある。つまり、トナー消費量とともに帯電量(帯電)も上昇していく傾向がある。これは、トナー成分がキャリア表面に蓄積(スペント)していくことが原因で、発生しているものと考えられるが、帯電が上昇するメカニズムの詳細は不明である。
通常のトナー成分のスペントであれば、帯電が低下するのが一般的であるが、本発明の負帯電性トナーでは帯電が上昇する。文章などの画像面積の少ないチャートでは特に帯電量が変化することは無いが、写真やポスター画像など画像面積が多いチャートでは帯電量が上昇する。画像面積が多いチャートではトナー消費量が多く、トナー消費量とともに帯電量も上昇していく。
すなわち、キャリア表面に蓄積したスペント物を除去することが必要であり、これを達成する目的から、本発明におけるキャリアは、キャリア芯材上に結着樹脂及び無機微粒子を含む被覆層を有し、このキャリア被覆層中に含有される微粒子によってキャリア表面に凹凸を持たせることでキャリア同士の自己研磨によりスペント物を除去する。また、除去しきれなく帯電上昇することを抑える目的で、被覆層にイオン性液体を用いる。イオン性液体を含有させることで、帯電のリーク効果が得られ、帯電上昇が抑制される。
しかしながら、スペント物を除去するためにはキャリア表面の凹凸だけでは帯電量の上昇を十分に抑えることはできない。本発明でトナーに添加している一次粒子径が110nm以上である無機微粒子は現像剤中で一部が遊離して存在する。これら無機微粒子がキャリア表面に存在するスペント物を削る効果があるため、キャリア表面にスペント物が蓄積せず帯電上昇が抑制できる。
前述のように本発明における負帯電性トナーは、特に、少なくともトナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相及び/又はモノマー相を水系媒体に分散及び/又は乳化して造粒されたものが好ましく、組成分である樹脂(トナーの結着樹脂)としては後で詳述するようなポリエステル系樹脂が好適である。
また、本発明の検討によれば、耐熱保存性を維持しつつ、より低温定着性を効果的に発揮し、プレポリマーによる変性後の耐オフセット性を付与するには、該酸性基含有ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000であることが好ましい。これは、1,000未満ではオリゴマー成分が増加するため耐熱保存性が悪化し、30,000を超えると立体障害によりプレポリマーによる変性が不十分となり耐オフセット性が悪化するためである。
本発明における分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、以下のように測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
また、第一の結着樹脂であるポリエステル樹脂の酸価を1.0〜50.0(KOHmg/g)にすることにより、塩基化合物添加による粒経コントロール、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、帯電安定性などのトナー特性をより高品位にすることが可能である。つまり、酸価が50.0(KOHmg/g)を超えると変性ポリエステルの伸長または架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られ、また、1.0(KOHmg/g)未満では、製造時の塩基化合物による分散安定効果が得られず、また変性ポリエステルの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じるためである。
(酸価の測定方法)
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :ポリエステル0.5gをTHF120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。さらにエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
予め標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
本発明の負帯電性トナー組成分の樹脂として好適に用いられるポリエステル樹脂を例としてその酸価を測定する場合、測定方法の詳細は、JIS K0070に準拠した。すなわち、以下の方法による。なお、溶媒にTHFを用いる。
*酸価は具体的に次のような手順で決定される。
測定装置 :電位差自動滴定装置 DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC(メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
*測定条件は以下の通りである。
Stir
Speed [%] 25
Time [s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration [mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume [mL] 1.0
Wait time [s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min) [mL] 0.03
dV(max) [mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE [mV] 0.5
dt [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume [mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n = 1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
本発明においては、変性後におけるポリエステル樹脂、すなわち結着樹脂の主成分の耐熱保存性能は、変性前のポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)に依存するため、ポリエステル樹脂のガラス転移点を35℃〜65℃に設計することが好ましい。つまり、35℃未満では、耐熱保存性が不足し、65℃を超えると低温定着に悪影響を及ぼす。
本発明のガラス転移点の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットに乗せ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行う。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
本発明の検討によれば、ポリエステル樹脂を変性するプレポリマーは低温定着性、耐高温オフセット性を実現するために重要な結着樹脂成分であり、その重量平均分子量は3,000〜20,000が好ましい。すなわち、重量平均分子量が3,000未満では反応速度の制御が困難となり、製造安定性に問題が生じ始める。また、重量平均分子量が20,000を超えた場合には十分な変性ポリエステルが得られずに、耐オフセット性に影響を及ぼし始める。
本発明のさらなる検討によれば、トナー酸価は低温定着性、耐高温オフセット性に対して、結着樹脂酸価より重要な指標であることが判明した。本発明のトナー酸価は未変性ポリエステルの末端カルボキシル基に由来する。この未変性ポリエステルは、トナーとしての低温定着性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度など)を制御するために、酸価を0.5〜40.0(KOHmg/g)にすることが好ましい。つまり、トナー酸価が40.0(KOHmg/g)を超えると変性ポリエステルの伸長または架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られ、また、0.5(KOHmg/g)未満では、製造時の塩基化合物による分散安定効果が得られず、変性ポリエステルの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じるためである。
酸価は具体的には上記ポリエステル樹脂の酸価の測定方法に準拠して決定される。
THF不溶分がある場合、前記トナーの酸価は、THFを溶媒として酸価を測定した時の値を示す。
(トナーの酸価の測定方法)
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)を前記ポリエステルの代わりに用いて行った。
本発明の現像剤に用いる負帯電性トナーのガラス転移点は低温定着性、耐熱保存性、高耐久性を得るために40〜70℃が好ましい。つまり、ガラス転移点が40℃未満では現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生し易くなり、また、70℃を超えた場合には低温定着性が悪化しやすくなる。
本発明の現像剤に用いる負帯電性トナーは、有機溶媒中に少なくとも活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるバインダー成分及び着色剤からなるトナー組成分を溶解又は分散させて形成した溶解又は分散物を、分散剤を含む水素媒体中で架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られるものである。
本発明で用いる活性水素と反応可能な反応性変性ポリエステル系樹脂(RMPE)としては、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)などが挙げられる。このプレポリマー(A)としては、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物で、かつ活性水素を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させたもの等が挙げられる。
上記ポリエステルの有する活性水素を含む基としては、水酸基(アルコール性水素基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記反応性変性ポリエステル系樹脂に対する架橋剤としては、アミン類が用いられ、伸長剤としてはジイソシアネート化合物(ジフェニルメタンジイソシアネート等)が用いられる。後述に詳しく説明するアミン類は、活性水素と反応可能な変性ポリエステルに対する架橋剤や伸長剤として作用する。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)にアミン類(B)を反応させて得られるウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルはその高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナー、特にオイルレス低温定着特性(定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない広範な離型性及び定着性)を確保するのに好都合である。特にポリエステルプレポリマーの末端をウレア変性したものは未変性のポリエステル樹脂自体の定着温度域での高流動性、透明性を維持したまま、定着用加熱媒体への接着性を抑制することができる。
本発明で用いる好ましいポリエステルプレポリマーは、末端に酸基や水酸基等の活性水素基を有するポリエステルに、その活性水素と反応するイソシアネート基等の官能基を導入したものである。このプレポリマーからウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステル(MPE)を誘導することができるが、本発明の場合、結着樹脂として用いる好ましい変性ポリエステルは、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)に対して、架橋剤及び/又は伸長剤としてアミン類(B)を反応させて得られるウレア変性ポリエステルである。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させることによって得ることができる。
上記ポリエステルの有する活性水素基としては、前述のように水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(PO)としては、ジオール(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好まし
い。
ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、DIC単独、およびDICと少量の(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(PO)と反応させてもよい。ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明の負帯電性トナーにおいて、結着樹脂として好ましく用いられるポリエステル系樹脂(ポリエステル)は、ウレア変性ポリエステル(UMPE)であるが、このポリエステル中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステル(UMPE)等の変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。ウレア変性ポリエステル(UMPE)等の変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステル数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(PE)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。UMPE等の変性ポリエステル単独の場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。15000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(UMPE)等の変性ポリエステルは単独使用だけでなく、このものと共に、変性されていないポリエステル(PE)を結着樹脂成分として含有させることもできる。PEを併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。
PEとしては、前記UMPEのポリエステル成分と同様なポリオールPOとポリカルボン酸PCとの重縮合物などが挙げられ、好ましいものもUMPEの場合と同様である。
PEの重量平均分子量(Mw)は、10000〜300000、好ましくは14000〜200000である。そのMn(数平均分子量)は、1000〜10000、好ましくは1500〜6000である。また、UMPEに対しては、無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているもの、例えば、ウレタン結合で変性されているものも併用することができる。UMPEとPEは少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、UMPEのポリエステル成分とPEは類似の組成が好ましい。
PEを含有させる場合のUMPEとPEの重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。UMPEの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
PEの水酸基価(mgKOH/g)は5以上であることが好ましく、PEの酸価(mgKOH/g)は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには紙への定着時紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。重合反応においては酸価がふれると造粒工程でのぶれにつながり乳化における制御が難しくなる。
(水酸基価の測定方法)
測定装置の条件は、上述の酸価の測定と同様とする。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
本発明において、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは40〜60℃である。40℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステルの共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
なお、前記トナーの結着樹脂は以下の方法などで製造することができる。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらに、このAにアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステル(UMPE)を得る。
この変性ポリエステルの数平均分子量は、1000〜10000、好ましくは1500〜6000である。PICを反応させる際およびAとBを反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(PE)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法でPEを製造し、これを前記UMPEの反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
本発明の負帯電性トナーは以下の方法で製造することができるが、勿論これらに限定されることはない。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明で用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
本発明では、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルをアミン(B)と反応させることにより、ウレア変性ポリエステル(UMPE)等を得ることができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルからなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルからなるトナー原料の組成分を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
プレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルと他のトナー組成分である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤
、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルを含むトナー組成分100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体には、乳化、分散するための各種の分散剤が用いられる。このような分散剤には、界面活性剤、無機微粒子分散剤、ポリマー微粒子分散剤等が包含される。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤の商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(以上、旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(以上、住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(以上、ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(以上、トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(以上、ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤の商品名としては、サーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
また、微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。例えば、MMAポリマー微粒子1μm、及び3μm、スチレン微粒子0.5μm、及び2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、(PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製))などがある。
また、上記の無機分散剤、微粒子ポリマーと併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、または、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、あるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
得られた乳化分散体(反応物)を樹脂ガラス転移温度より低い一定の温度域、有機溶剤濃度域で攪拌収斂させることで合着粒子を作製し、有機溶媒を除去するために、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、脱溶剤を行うことで異形化トナー粒子が作製できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできる。
さらに、トナー組成分を含む分散媒体の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになる点で好ましい。溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが、溶剤の除去が容易である点から好ましい。
このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
溶剤の使用量は、プレポリマー(A)100重量部に対して、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、変性ポリエステル(プレポリマー)のアミンによる伸長および/または架橋反応後、得られた反応物から、溶媒(溶剤)を常圧または減圧下で除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、例えば、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。なお、伸長剤及び/又は架橋剤としては、前記したアミン類(B)が用いられる。
本発明においては、伸長及び/又は架橋反応後の分散液(反応液)からの脱溶媒に先立ち、該分散液を、樹脂ガラス転移温度より低い一定の温度域、有機溶剤濃度域で攪拌収斂させることで合着粒子を作製し、形状を確認後、10〜50℃で脱溶剤を行うのが好ましい。この溶剤除去前の液攪拌によりトナーが異形化する。本発明においては、特に層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することから、確実に異形化が起こる。
前記造粒条件は絶対的なものではないので、条件を適宜選択する必要がある。なお、造粒中に含有される有機溶剤濃度が高い場合には、乳化液の粘度を下げることになり、液滴が合一した際、粒子形状が球形化になりやすい傾向があるのでバランス良く粘度調整することが必要である。
また、造粒中に含有される有機溶剤濃度が低い場合、液滴が合一した際、液滴粘度が高く、完全な一粒子とはならず、外れてしまう。このため、最適な条件を設定する必要があり、また条件選択でトナー形状を適宜調整することができる。
さらに本発明においては、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物(有機変性層状無機鉱物)の含有量によっても形状を調整することが可能である。有機変性層状無機鉱物は、該溶解液または分散液中の固形分中に0.05〜10%含有されることが好ましい。0.05%未満では目標の油相粘度が得られず、目標の形状が得られない。液滴粘度が低いため、攪拌収斂中に液滴が合着しても、目標の合着粒子が得られず、球形状になってしまう。10%を超えると、製造性が悪化し、液滴粘度が高くなり過ぎて合着粒子とならなく、さらには定着性能が悪化する。
トナーの平均円形度は、0.925〜0.970が好ましく、0.945〜0965がより好ましい。なお、円形度は、試料の投影面積と等しい面積を有する円の周囲長を試料の周囲長で除した値である。
トナー中の円形度が0.925未満である粒子の含有量は、15%以下であることが好ましい。平均円形度が0.925未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.970を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成装置では、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れが発生することがある。例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像を形成する場合、給紙不良等で未転写画像を形成したトナーが感光体上に蓄積して画像の地汚れが発生したり、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染して、本来の帯電能力を発揮できなくしたりすることがある。
平均円形度は、平板上の撮像部検知帯にトナーを含有する懸濁液を通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法等により計測することができ、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナーにおいて、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.00〜1.30であることが好ましく、このような範囲とすることにより、高解像度、高画質を得ることを可能とする。さらに、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーにおける粒子径の変動を少なくすると共に、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性を可能とする。
Dv/Dnが1.30を超えてしまうと、トナー粒子個々の粒径のバラツキが大きく、現像の際などでトナーの挙動にバラツキが発生し、微小ドットの再現性を損なってしまうことになり、高品位な画像は得られなくなる。さらに好ましくは、Dv/Dnは1.00〜1.20の範囲であり、より良好な画像が得られる。
本発明のトナーにおいて、その体積平均粒径Dvは3.0〜7.0μmであることが好ましい。一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、前記の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
また、これらの現象は、微粉の含有率が大きく関係し、特に2μm以下の粒子が20%を超えるとキャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合支障となる。
逆に、トナーの粒子径が前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.30よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
次に、トナー形状と転写性の関係について述べる。
多色現像で転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合においては、白黒複写機に用いられる一色の黒トナーの場合と比較して感光体上のトナー量が増加し、従来の不定形トナーを用いただけでは転写効率を向上させることが困難である。
さらに、通常の不定形トナーを用いた場合には、感光体とクリーニング部材との間や、中間転写体とクリーニング部材との間、及び/又は、感光体と中間転写体間でのズリ力や摺擦力のために、感光体表面や中間転写体表面にトナーの融着やフィルミングが発生して転写効率が悪化しやすい。フルカラー画像の生成においては4色のトナー像が均一に転写されにくく、さらに、中間転写体を用いる場合には、色ムラやカラーバランスの面で問題が生じやすく、高画質のフルカラー画像を安定して出力することは容易ではない。
前述したように、小粒径で粒子径の揃ったトナーではクリーニング性に関しては困難を生じるため、円形度が0.950以下の粒子が全トナー粒子の20〜80%あることが好ましい。すなわち、ブレードクリーニングと転写効率のバランスの観点から、トナーの円形度が0.950以下の粒子が全トナー粒子の20〜80%あることでクリーニングと転写性の両立が計られる。クリーニングと転写性はブレードの材質やブレードの当て方にも大きく関係し、また、転写もプロセス条件で異なるので前記範囲の中でプロセスに応じた設計が可能となる。
しかしトナー円形度が0.950以下の粒子が全トナー粒子の20%より低下するとブレードではクリーニングが困難になる。また円形度が0.950以下の粒子が全トナー粒子の80%を超えると、前述した転写性の悪化が見られる。この現象は、トナー形状が異形化し過ぎているため、転写の際におけるトナーの移動(感光体表面〜転写紙、感光体表面〜中間転写ベルト、第一の中間転写ベルト〜第二の中間転写ベルト、等)がスムースでなくなり、さらにトナー粒子間でその挙動にバラツキを生じるため、均一かつ高い転写効率が得られなくなる。その他、帯電の不安定や粒子のもろさが発現しはじめる。さらに現像剤中での微粉化現象となり現像剤の耐久性低下の要因となってくる。
以下、本発明のトナーの性状に関する測定方法を示す。
(2μm以下粒経、円形度)
本発明におけるトナーの2μm以下の粒子率、円形度及び平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により計測できる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(トナー粒径)
トナーの平均粒径及び粒度分布はカーコールターカウンター法による。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続して測定した。
以下にその測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dv/Dnを求める。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
図1に本発明の現像剤を使用するプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す。図2はプロセスカートリッジ全体を示し、感光体、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段を備えている。
本発明おいては、上述の感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段等の構成要素のうち、本発明の現像剤を用いる現像手段と、他の単数又は複数の手段とをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図1に示す本発明の現像剤を使用するプロセスカートリッジ2(2A、2B、2C、2D)を搭載した画像形成装置は、感光体1(1a、1b、1c、1d)が所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段6からの画像露光光を受け、こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段10(10A、10B、10C、10D)によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体1と転写手段8との間に感光体1の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段8により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段9へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段5によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
<補給用現像剤>
上述のプロセスカートリッジや画像形成装置に充填された現像剤の現像によって消費されるトナーと一緒にキャリアを追加し、現像機内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより、帯電量の変化や、抵抗の変化を抑制し、画像濃度を安定化するために補給用現像剤が用いられる。本発明のキャリアはこのような補給用として使用されても、もちろん好ましい特性が得られるが、本発明のキャリア1質量部に対して、トナーを2〜50質量部の配合割合で含有する補給用現像剤であることが好ましい。キャリア1質量部に対してトナーが2質量部未満であると、現像剤収納部材でキャリア同士が凝集し、現像装置への安定した供給性が得られない。また、キャリア1質量部に対してトナーが50質量部を超えると、現像装置に供給されるキャリアの量が、トナーの量に対して不足し、現像装置内において安定したトナー帯電量が得られない。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。なお、以下で「部」は質量部を示す。
〔実施例1〕
<キャリアの製造例>
(キャリア1)
・フェノール 10部
・ホルムアルデヒド溶液
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%) 6部
・親油化処理したバリウムフェライト 100部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(a)を得た。
次いで上記で得られたキャリアコア粒子(a)100部、フェノール0.5部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe 2部、28質量%のアンモニア水0.2部、及び水50部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(b)を得た。
このキャリアコア粒子(b)の切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Feからなるコート層が形成されていることが判明した。
なお、上記コア粒子の作製に用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)とα−Fe(個数平均粒径0.60μm)の親油化処理は、それぞれ、0.5質量%のシラン系カップリング剤[3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン]を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して行った。
次に、得られたキャリアコア粒子(b)の表面に、以下の方法でコートした。
[キャリア被覆層]
・シリコーン樹脂溶液[固形分23質量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100質量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
・無機微粒子A(酸化アルミニウム 粒径:0.40μm、真比重:3.9
[粒子粉体固有抵抗:12Ω・cm]) 145部
・イオン性液体 IL−A2(栄化学工業株式会社製) 20部
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂被覆膜形成溶液を得た。
芯材としてキャリアコア粒子(b)を3400部用い、上記被覆膜形成溶液を液流量40g/minにて芯材表面に膜厚0.35μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。次いで得られたキャリアを電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。冷却後キャリアバルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア1]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が91%であった。得られたキャリアの個数平均粒径は36.5μm、真比重は3.65g/cmであった。
キャリアの体積平均粒径の測定には、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。
体積固有抵抗の測定には、図4の装置を用いて測定した。
キャリア被覆層の厚みhは、前述のように透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定し、その平均値から求めた。
磁化測定は東英工業(株)製VSM−P7−15を用い、試料約0.15gを秤量し、内径2.4mmφ、高さ8.5mmのセルに試料を充填し、1000エルステッド(Oe)の磁場下で測定した。
[トナー1]
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。Tgは62℃であった。
(トナーの作製)
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、C.I.Pigment Yellow154の生顔料4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去した。分散スラリーを減圧濾過した後、濾過ケーキを得た。
(洗浄・乾燥・フッ素処理)
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。
その後、水90部に対して[濾過ケーキ1] 15部を加えて、これにフッ素化合物を0.0005部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ1.5部と、疎水化酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて2000rpm×30秒、5サイクルで混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
こうして得た[トナー1]7部と[キャリア1]93部を混合攪拌し、トナー濃度7質量%の現像剤を得た。また、[トナー1]90部と[キャリア1]10部を現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。
トナー色汚れ、キャリア付着、画像濃度、耐久性(帯電低下量、抵抗低下量)を評価した結果を表2に示す。
以下に評価の方法及び条件を示す。
[色汚れ]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機にて0.5%画像面積の画像チャートを30,000枚までランニングした後でのイエロー単色画像のΔE値の評価を行った。初期および30000枚後のイエロー単色画像を出力し、下記式に従って、ΔE値を求める。ΔEが2以下は色汚れがない(○)、ΔEが2〜4は色汚れが目立たず(△)色調変化は指摘されない、ΔEが4以上は明らかに色汚れが目立ち(×)色調変化を指摘される。
画像出力後、画像濃度をX−RITE938(x−rite社製)により測定。イエロー画像濃度が1.4±0.5のポイントでのCIEL*、CIE a*、CIE b*を3点測定し平均値を求め、下記式(3)に代入し、ΔE値を算出する。
式(3):
ΔE=√((初期L*)+(初期a*)+(初期b*))−√((ラン後L*)+(ラン後a*)+(ラン後b*)
[キャリア付着]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機に現像剤をセットし、帯電電位DC740V、現像バイアス600Vに設定(地肌ポテンシャルを140Vに固定)し、ドット形成ハーフトーンを現像した感光体表面に付着しているキャリア個数をルーペ観察により5視野カウントし、その平均の100cm当たりのキャリア付着個数をもってエッジキャリア付着量とした。評価は、◎:20個以下、○:21個以上60個以下、△:61個以上80個以下、×:81個以上とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
また、白抜け(画像部)は帯電電位DC740V、現像バイアス600Vに設定(地肌ポテンシャルを140Vに固定)し、全面ベタ画像(A3サイズ)を出力し、画像上の白抜けした個数をカウントした。評価は、◎:5個以下、○:6個以上10個以下、△:11個以上20個以下、×:21個以上とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
[画像濃度]
単色モードで50%画像面積の画像チャートを300,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。表2に、測定値が、1.8以上2.2未満の場合は◎で、1.4以上1.8未満の場合は○で、1.2以上1.4未満の場合は△で、および、1.2未満の場合は×で表示した。
[耐久性]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機に現像剤をセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートにて300,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えた現像剤の帯電低下量をもって判断した。また、抵抗低下量は単色モードにて0.5%画像面積の画像チャートで300,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えたキャリアの抵抗低下量をもって判断した。
ここでいう帯電低下量とは、初期帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤の帯電量(Q2)を差し引いた量のことを言い、目標値は10.0(μc/g)以内である。帯電量はサンプリングした現像剤を一般的なブローオフ法[東芝ケミカル(株)製:TB−200]にて測定した値である。
ここでいう抵抗低下量とは、初期のキャリアを前述した抵抗測定方法にて求めた抵抗値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを言い、目標値は絶対値で3.0[Log(Ω・cm)]以内である。また、抵抗低下の原因は、キャリアの結着樹脂膜の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆膜中の粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、抵抗低下量を抑えることができる。
〔実施例2〕
被覆層処方が以下に記すアクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の混合系に変更した以外は実施例1と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:14.1[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア2]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が88%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 34.2部
・グアナミン溶液(固形分70質量%) 9.7部
・酸性触媒(固形分40質量%) 0.19部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20質量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100質量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 3.42部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
・無機微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] ) 135部
こうして得た[キャリア2]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において無機微粒子Aを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、体積固有抵抗:10.8[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア3]を得た。
こうして得た[キャリア3]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
被覆層処方が以下に記すアクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例2と同様にして、D/h:1.9、体積固有抵抗:13.1[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア4]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 17.1部
・グアナミン溶液(固形分70質量%) 4.85部
・酸性触媒(固形分40質量%) 0.10部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20質量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]216.2部
・アミノシラン[固形分100質量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
・無機微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] ) 135部
・トルエン 1600部
こうして得た[キャリア4]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例2と同様にして、D/h:0.4、体積固有抵抗:15.5[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア5]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 158.8部
・グアナミン溶液(固形分70質量%) 49.6部
・酸性触媒(固形分40質量%) 0.88部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20質量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 743.2部
・アミノシラン[固形分100質量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
・無機微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] ) 135部
・トルエン 1600部
こうして得た[キャリア5]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
・フェノール 7部
・ホルマリン溶液 10.5部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
・親油化処理したバリウムフェライト粉 73部
・親油化処理したα−Fe 15部
上記材料と塩基性触媒として28質量%アンモニア水2部、および水15部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に70℃で乾燥して、バリウムフェライトとα−Feとをフェノール樹脂をバインダーとして結合した球状のキャリアコア(c)を得た。
次いで上記で得られたキャリアコア粒子(c)100部、フェノール0.5部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe1.5部、28質量%のアンモニア水0.2部、及び水50部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(d)を得た。
このキャリアコア粒子の切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Feからなるコート層が形成されていることが判明した。
なお、上記コア粒子の作製に用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)とα−Fe(個数平均粒径0.60μm)の親油化処理は、それぞれ、2.0質量%のチタン系カップリング剤(イソプロピルトリトデシルベンセンスルホニルチタネート)を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して行った。
得られたキャリアコア粒子(d)を用いた以外は実施例1と同様にして、個数平均粒径は42μm、真比重は3.63g/cm、磁化が43Am/kg、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア6]を得た。
こうして得た[キャリア6]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が104%であった。
〔実施例6〕
実施例1において、無機微粒子添加量を145部から75部へと減量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.5[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア7]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が47%であった。
こうして得た[キャリア7]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例7〕
実施例1において、イオン性液体をIL−A2からIL−P14(広栄化学工業株式会社製)に変更し、30部へと増量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.8[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア8]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が91%であった。
こうして得た[キャリア8]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例8〕
実施例1において、イオン性液体をIL−A2からIL−IM1(広栄化学工業株式会社製)に変更した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:16.1[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア9]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が91%であった。
こうして得た[キャリア9]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例9〕
実施例1のトナー濃度7重量%の現像剤を用いた。また、[トナー1]85部と[キャリア1]15部を現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。評価した結果を表2に示す。
〔比較例2〕
[キャリア被覆層]
・シリコーン樹脂溶液[固形分23質量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100質量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
・無機微粒子A(酸化アルミニウム 粒径:0.40μm、真比重:3.9
[粒子粉体固有抵抗:12Ω・cm]) 145部
・カーボンブラック MA100R(三菱化学工業株式会社製) 20部
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として実施例1で用いたキャリアコア粒子(b)を3400部用い、実施例1と同様にキャリア化した。D/h:1.1、体積固有抵抗:12.9[Log(Ω・cm)]、磁化:58Am/kgの[キャリア10]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機微粒子は芯材に対して被覆率が91%であった。
こうして得た[キャリア10]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
キャリアの特性値
Figure 2009230090
評価結果
Figure 2009230090
表2から、実施例1〜9については、色汚れのない良好なキャリアが得られたこと、また、画像濃度、キャリア付着、帯電低下量、抵抗低下量の全ての評価項目においても良好な結果が得られたことがわかる。
一方、比較例2では、色汚れが発生し、実用上使用できない結果となったこと、また、比較例1では100,000枚までの結果は良好であったが、300,000枚では抵抗低下してしまい、白抜け画像が発生したことが明瞭である。
〔実施例10〕
まず、キャリアとトナーを以下の条件で製造した。
[キャリア11]
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
・無機微粒子A(酸化アルミニウム 粒径:0.40μm、真比重:3.9)
[粒子粉体固有抵抗:12Ω・cm] 145部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)5000部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.35μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア11]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。
なお、キャリア芯材の平均粒径測定、キャリア被覆層の厚みhの測定、磁化測定は実施例1と同様にして行った。
[トナー]:(トナー2)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応槽中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、未変性ポリエステル樹脂を合成した。
得られた未変性ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2500、重量平均分子量が6700、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
水1200部、カーボンブラックPrintex35(デクサ社製;DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)540部及び未変性ポリエステル樹脂1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、未変性ポリエステル樹脂378部、カルナバワックス110部、サリチル酸金属錯体E−84(オリエント化学工業社製)22部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃で5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次に、反応容器中に、マスターバッチ500部及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324部を反応容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、送液速度が1kg/時、ディスク周速度が6m/秒の条件で3パスして、C.I.ピグメントレッド及びカルナバワックスを分散させ、ワックス分散液を得た。
次に、ワックス分散液に未変性ポリエステル樹脂の65重量%酢酸エチル溶液1324部を添加した。上記と同様の条件でウルトラビスコミルを用いて1パスして得られた分散液200部に、少なくとも一部をベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)3部を添加し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業社製)を用いて、30分間攪拌し、トナー材料の分散液を得た。
得られたトナー材料の分散液の粘度を、以下のようにして測定した。
直径20mmのパラレルプレートを備えたパラレルプレート型レオメータAR2000(ディー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、ギャップを30μmにセットし、トナー材料の分散液に対して、25℃において、せん断速度30000秒−1で30秒間せん断力を加えた後、せん断速度を0秒−1から70秒−1まで20秒間で変化させた時の粘度(粘度A)を測定した。また、パラレルプレート型レオメータAR2000を用いて、トナー材料の分散液に対して、25℃において、せん断速度30000秒−1で30秒間せん断力を加えた時の粘度(粘度B)を測定した。この結果を下記表3に示した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステル樹脂を合成した。
得られた中間体ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2100、重量平均分子量が9500、ガラス転移温度が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル樹脂410部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃で5時間反応させて、プレポリマーを合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53重量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物のアミン価は、418mgKOH/gであった。
反応容器中に、トナー材料の分散液749部、プレポリマー115部及びケチミン化合物2.9部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5000rpmで1分間混合して、油相混合液を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683部、反応性乳化剤(メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩)エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌し、乳濁液を得た。乳濁液を加熱して、75℃まで昇温して5時間反応させた。次に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を添加し、75℃で5時間熟成して、樹脂粒子分散液を調製した。
(トナー材料液の分散質粒子の粒径及び分散粒子径の分布)
本発明においては、トナー材料液の分散質粒径、分散粒径分布の測定に「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定し、解析ソフト「マイクロトラック パーティクルサイズ アナライザ−Ver.10.1.2−016EE」(日機装社製)を用いて解析を行った。具体的にはガラス製30mlサンプル瓶にトナー材料液、次いでトナー材料液作製に用いた溶媒を添加し、10質量%の分散液を調製した。得られた分散液を「超音波分散器W−113MK−II」(本多電子社製)で2分間分散処理した。
測定するトナー材料液に用いた溶媒でバックグラウンドを測定した後、前記分散液を滴下し、測定器のサンプルローディングの値が1〜10の範囲となる条件で分散粒子径を測定した。本測定法は分散粒子径の測定再現性の点から測定器のサンプルローディングの値が1〜10の範囲となる条件で測定することが重要である。前記サンプルローディングの値を得るために前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は以下のように設定した。
分布表示:体積、粒径区分選択:標準、チャンネル数:44、測定時間:60sec、測定回数:1回、粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.5、粒子形状:非球形、密度:1g/cm溶媒屈折率の値は日機装社発行の「測定時の入力条件に関するガイドライン」に記載されている値のうちトナー材料液に用いた溶媒の値を用いた。
水990部、樹脂粒子分散液83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液エレミノールMON−7(三洋化成工業社製)37部、高分子分散剤カルボキシメチルセルロースナトリウムの1重量%水溶液セロゲンBS−H−3(第一工業製薬社製)135部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、水系媒体を得た。
水系媒体1200部に、油相混合液867部を加え、TK式ホモミキサーを用いて、13000rpmで20分間混合して、分散液(乳化スラリー)を調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、乳化スラリーを仕込み、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
本発明に用いるトナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(BeckmanCoulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキに10重量%塩酸を加えて、pHを2.8に調整し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過した。
さらに、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100部に対し、外添剤として一次粒子径140nmの疎水性シリカ1.0部と、一次粒子径15nmの疎水化酸化チタン0.5部と、一次粒子径12nmの疎水性シリカ1.5部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、トナーを製造した。これを、[トナー2]とする。
こうして得た[トナー2]7部と[キャリア11]93部を混合攪拌し、トナー濃度7重量%の現像剤を得て、色汚れ、キャリア付着、画像濃度、ベタ濃度ばらつき、ベタ濃度追従性、耐久性(帯電低下量、抵抗変化量)を評価した。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
以下に実施例における評価の方法及び条件を示す。
なお、色汚れ、キャリア付着、画像濃度、耐久性は、実施例1と同様にして行った。
[クリーニング性]
クリーニング性は、以下のようにして評価した。初期並びに1000枚及び10万枚印
刷した後に、クリーニング工程を通過した感光体上の残存するトナーを、スコッチテープ
(住友スリーエム社製)を用いて白紙に移し、マクベス反射濃度計RD514型で測定し
、ブランクとの差が0.01以下のものを良好(○)、0.01を越えるものを不良(×
)として判定した。
[ベタ画像ばらつき]
上記画像濃度測定において、300000枚出力前後にベタ画像をリコー社製6000
ペーパーに各3枚出力し、これらの画像の4端と中央の画像濃度をX−Rite(X−R
ite社製)により測定した。これら5点の濃度の最大値と最小値の差を取り、5点の平
均値で割った数値をベタ濃度ばらつき値として使用する。評価は◎:0.1未満、○:0.15未満、△:0.2未満、×:0.2以上とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
[ベタ画像追従性]
上記画像濃度測定において、300000枚出力後にベタ画像をリコー社製6000ペ
―パーに連続100枚出力し、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定
した。これら100枚の画像濃度の最大値と最小値の差を取った数値をベタ濃度追従性と
して使用する。評価は◎:0.1未満、○:0.15未満、△:0.2未満、×:0.2
以上とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
〔実施例11〕
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコン樹脂系の混合系に変更した以外は
実施例10と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:14.1[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア12]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 34.2部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 9.7部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.19部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 3.42部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・無機酸化微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9)
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
こうして得た[キャリア12]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例12〕
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例11と同様にして、D/h:1.9、体積固有抵抗:13.1[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア13]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 17.1部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 4.85部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.10部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 216.2部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・無機酸化微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9)
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
・トルエン 1600部
こうして得た[キャリア13]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例13〕
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例11と同様にして、D/h:0.4、体積固有抵抗:16.5[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア15]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 158.8部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 49.6部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.88部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 743.2部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・無機酸化微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9)
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
・トルエン 1600部
上記により得た[キャリア14]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例14〕
実施例11において、キャリア被覆膜形成溶液の組成分である無機酸化物微粒子D(酸化アルミニウム97部の代わりに酸化チタン(アナターゼ)E[粒径:0.35μm、真比重5.0]を110部使用したこと以外は実施例11と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:16.5[Log(Ω・cm)]の[キャリア15]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる微粒子は芯材に対して被覆率が73%であった。
上記により得た[トナー2]と[キャリア15]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例15〕
キャリアの重量平均粒径が18μm(真比重5.7)を用い、被覆層処方が以下に記す通り以外は実施例10と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:15.7[Log(Ω・cm)]、磁化:66Am/kgの[キャリア16]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が71%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 68.4部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 19.4部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.38部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 864.4部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.46部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・無機酸化微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9)
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 195部
上記により得た[キャリア16]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例16〕
キャリアの重量平均粒径が71μm(真比重5.3)、被覆層処方が以下に記す通り以外は実施例10と同様にして、D/h:0.6、体積固有抵抗:14.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am/kgの[キャリア17]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が78%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 34.2部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 9.7部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.19部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 292.9部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]
・無機酸化微粒子B(酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9)
[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 60部
・トルエン 800部
上記により得た[キャリア17]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例17〕
実施例11において、磁化の低い35μm焼成フェライト(真比重5.4)を用い、磁化が35Am/kgに変更になった以外は同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア18]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
上記により得た[キャリア18]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例18〕
実施例11において、磁化の高い35μm焼成フェライト(真比重5.5)を用い、磁化が93Am/kgに変更になった以外は同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:14.1[Log(Ω・cm)]の[キャリア19]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
上記により得た[キャリア19]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例19〕
実施例10において、無機微粒子添加量を110部から75部へと減量した以外は実施例10と同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am/kgの[キャリア20]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が43%であった。
上記により得た[キャリア20]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例20〕
実施例10において、イオン性液体をIL−A2[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]からIL−P14[イオン伝導度:1.8×10−3S/cm](広栄化学工業株式会社製)に変更し、30部へと増量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.8[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア21]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。
上記により得た[キャリア21]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例21〕
実施例10において、イオン性液体をIL−A2[イオン伝導度:6.1×10−5S/cm]からIL−IM1[イオン伝導度:1.5×10−2S/cm](広栄化学工業株式会社製)に変更し、30部へと増量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:16.3[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア22]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。
上記により得た[キャリア22]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例22〕
実施例10のトナーに用いた一次粒子径140nmの疎水性シリカを2.0部に変更した以外は実施例10と同様にしてトナーの製造を行い[トナー3]を得た。
上記により得た[キャリア11]と[トナー3]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例23〕
実施例10のトナーに用いた一次粒子径140nmの疎水性シリカを一次粒子径110nmの疎水性シリカに変更した以外は実施例10と同様にしてトナーの製造を行い[トナー4]を得た。
上記により得た[キャリア11]と[トナー4]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔実施例24〕
実施例10のトナーに用いた一次粒子径140nmの疎水性シリカを一次粒子径150nmのチタンドープシリカに変更した以外は実施例10と同様にしてトナーの製造を行い[トナー5]を得た。
上記により得た[キャリア11]と[トナー5]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔比較例3〕
下記組成分をホモミキサーで10分間分散し、キャリア被覆層用のシリコン樹脂被覆膜形成溶液を得た。
〔キャリア被覆膜形成溶液の組成〕
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
・カーボンブラック MA100R(三菱化学工業株式会社製) 20部
・トルエン 300部
キャリア芯材として平均粒径;35μmの焼成フェライト粉(真比重5.5)5000部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.35μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、体積固有抵抗:12.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgの[キャリア23]を得た。
上記により得た[キャリア23]と[トナー2]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔比較例4〕
実施例10のトナーに用いた一次粒子径140nmの疎水性シリカを一次粒子径90nmの疎水性シリカに変更した以外は実施例10と同様にしてトナーの製造を行い[トナー6]を得た。
上記により得た[キャリア11]と[トナー6]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
〔比較例5〕
実施例10トナーに用いた一次粒子径140nmの疎水性シリカ1.0部を0.8部に変更した以外は実施例10と同様にしてトナーの製造を行い[トナー7]を得た。
上記により得た[キャリア11]と[トナー7]を、実施例10と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。現像剤の主要な特性を下記表3に、また評価結果を下記表4に示す。
(トナーの評価方法及び評価結果)
得られたトナーについて、体積平均粒子径Dv、個数平均粒子径Dn、粒度分布Dv/Dn、平均円形度、形状計数を以下のようにして測定した。
Dv及びDnは、粒度測定器マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定した。また、得られた結果からDv/Dnを算出した。
本発明においては、超微粉トナーの計測にフロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100Data ProcessingProgram for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。
前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせる事が可能となる。
Figure 2009230090
Figure 2009230090
以上のように、実施例に示す現像剤を用いた画像形成技術により、極めて安定した良好な画質の画像を長期にわたって得ることができる。
本発明の現像剤を使用するプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の現像剤を使用するプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 キャリア被覆層の厚みhの測定方法を説明するための説明図である。 本発明で用いたキャリアの抵抗測定装置の概略斜視図である。
符号の説明
(図1について)
100 装置本体
1 感光体
2A、2B、2C、2D プロセスカートリッジ
3 帯電ユニット
4 一次転写ローラ
5 クリーニング部
6 露光装置
7 給紙カセット
8 転写ベルト
9 定着装置
10A、10B、10C、10D 現像部
51 排紙ガイド
52 排紙コロ
53 排紙部
54 二次転写
55 給紙ロール
200A、200B、200C、200D 現像剤補給装置
(図3について)
h1〜h4 芯材表面から被覆層表面までの厚み
D 粒子径
(図4について)
31 セル
32a、32b 電極
33 キャリア

Claims (15)

  1. 芯材の表面に被覆層を有する磁性キャリアであって、前記被覆層中にイオン性液体、無機微粒子及び結着樹脂が含有されていることを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリア。
  2. 前記芯材が、少なくともバインダー樹脂と磁性金属酸化物粒子を含有する芯材であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  3. 前記イオン性液体のイオン伝導度が、10ないし30℃の温度範囲内において、6.1×10−5(S/cm)〜1.5×10−2(S/cm)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  4. 前記無機微粒子が、前記芯材に対して下記式(1)で表わされる被覆率で70%以上含有されており、該粒子の粒子径(D)と前記被覆層の膜厚(h)との比が、0.5<[D/h]<1.5であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
    式(1):
    被覆率(%)=((Ds×ρs×W)/(4×Df×ρf))×100
    (式中、Ds:キャリア芯材粒径、ρs:キャリア芯材真比重、W:キャリア芯材に対する無機微粒子の添加量の比、Df:無機微粒子の粒径、ρf:無機微粒子の真比重を表わす。)
  5. 前記結着樹脂が少なくともシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  6. 前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂とシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  7. 体積平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  8. 体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  9. 1000((10/4π)A/m)における磁気モーメントが、45(Am/kg)以上90(Am/kg)以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリア。
  10. 少なくとも結着樹脂と着色剤とからなるトナーと、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真用磁性キャリアとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  11. 樹脂、着色剤、及び層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有し、かつ、少なくともトナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相及び/又はモノマー相を水系媒体に分散及び/又は乳化して造粒され、かつ、一次粒子径が110nm以上である無機微粒子を1.0重量部以上含有する負帯電性トナーと、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用磁性キャリアとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  12. 請求項1ないし9のいずれかに記載の磁性キャリア1質量部に対して、トナーを2〜50質量部の配合割合で含有することを特徴とする補給用現像剤。
  13. 像担持体上に静電潜像を形成する工程、前記静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する工程、得られた可視像を転写材に転写する工程、転写材上に転写された可視像を定着する工程を少なくとも有する画像形成方法であって、前記現像剤が請求項10ないし12のいずれかに記載の電子写真用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  14. 像担持体と、該像担持体上の静電潜像を請求項10ないし12のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 像担持体と、該像担持体上の静電潜像を請求項10ない12のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段と、得られた可視像を転写材上に転写する転写手段と、該転写材上の可視像を定着する定着手段とを少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
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