JP4854646B2 - 画像形成用トナー、現像剤及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成用トナー、現像剤及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電荷像を現像する為のトナー、現像剤及びプロセスカートリッジに関する。
近年、市場からの高画質化/省エネルギーの強い要求から、それに適したトナー、現像剤の開発に拍車がかかっている。高画質化に対応したトナーとしては、小粒径かつ粒径分布のシャープなトナーであることが必須である。トナーの粒径が揃い、粒径分布がシャープになると、個々のトナーの現像の際の挙動が揃って、微小ドット再現性が著しく向上する。このような粒径の揃ったトナーの製造方法として、近年重合トナー工法が注目されている。重合トナー工法には、懸濁重合の他、異型化が比較的容易な乳化重合法、溶解懸濁法等がある。
トナーの低温定着化については、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂の代わりに、低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている。このとき、さらなる低温定着化のためには、樹脂の熱特性を制御する必要があるが、ガラス転移点(Tg)を下げすぎると、耐熱保存性が低下し、軟化温度T(F1/2)を下げすぎると、ホットオフセット発生温度が低下する等の問題がある。このため、低温定着性に優れるポリエステル樹脂の熱特性を制御しても、低温定着性に優れ、ホットオフセット発生温度の高いトナーを得るには至っていない。さらに、長時間の画像出力により、複写機中の現像剤は、長期間攪拌されるため、トナー中の離型剤や低融点のポリエステル樹脂がキャリアに付着し、キャリアの帯電能力を低下させ、現像剤の帯電量が低下する傾向が強い。
また、トナーの形状についても、凹凸を形成すると、流動化剤として添加したシリカの凹部における付着力が弱いことや、凹部にシリカが移動することが原因となって、トナーによる感光体の汚染や定着ローラへのトナーの付着が発生しやすくなる。
一方、溶解懸濁法は、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるメリットはあるが、オイルレス定着を達成するために離型幅を広げる制御の中で、樹脂や着色剤を溶剤に溶解又は分散させる工程において、高分子量成分を加える。このため、液粘度が上がり、生産性上の問題が発生しやすくなる。また、特許文献1には、結着樹脂と着色剤とを水と混和しない溶剤中で混合する工程、得られた組成物を分散安定剤の存在下で水系媒体中に分散させる工程、得られた懸濁液から加熱および/または減圧により溶剤を除去し、表面に凹凸を有する粒子を形成する工程、および加熱により球形化または変形する工程よりなる静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。しかしながら、規則性のない不定形トナーであるため、帯電安定性に欠け、さらに、基本的な耐久品質や離型性を確保するための高分子量設計がされていない。
特開平9−15903号公報
本発明の課題は以下の通りである。
(1)耐ホットオフセット性および低温定着性に優れたかつ、長期の使用においてもキャリアへのトナー成分の付着が少なく、帯電能力を低下させないトナーを提供する。
(2)微小ドット再現性に優れた高品位な画質を得ることができる小粒径かつシャープな粒径分布トナーを提供する。
本発明は下記の構成よりなる。
(1)融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス、及びバインダ樹脂を含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下であり、かつアスペクト比が0.80以上0.90以下であることを特徴とする画像形成用トナー。
(2)前記母体粒子は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、前記パラフィンワックス及び無機フィラーが有機溶媒中に分散されている分散液を、水系媒体中で分散させて該ポリエステルプレポリマーを架橋反応及び/又は伸長反応させることにより得られることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成用トナー。
(3)前記無機フィラーは、モンモリロナイト又はモンモリロナイトの変性物であることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成用トナー。
(4)前記母体粒子は、重量平均粒径が3μm以上8μm以下であり、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.00以上1.30以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
(5)前記母体粒子は、ガラス転移点が40℃以上60℃以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
(6)前記母体粒子は、粒径が2μm以下である母体粒子を1個数%以上10個数%以下含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー及びキャリアからなることを特徴とする現像剤。
(8)感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナー、もしくはトナーとキャリアからなる現像剤を保持し、該トナーは前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の画像形成用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の画像形成用トナーは、耐ホットオフセット性および低温定着性に優れたかつ、長期の使用においてもキャリアへのトナー成分の付着が少なく、帯電能力を低下させないトナーであり、さらに、微小ドット再現性に優れた高品位な画質を得ることができる。
次に、本発明の画像形成用トナーについて説明する。
(FPIA、平均円形度、アスペクト比)
本発明の画像形成用トナーは、トナー母体粒子のアスペクト比が0.80以上0.90以下である。
アスペクト比、及び平均円形度の計測には、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−3000」;シスメックス社製)を用いて計測し、付属の解析ソフトを用いて解析を行った。解析条件として、測定対象粒径限定を2〜200μmとして解析して得られるアスペクト比および平均円形度を求めた。平均円形度及びアスペクト比は下記のように定義される。
平均円形度=(粒子面積と等しい円の周囲長)/粒子周囲長)
アスペクト比=(粒子最大長垂直長)/(粒子最大長)
平均円形度が主として粒子の凹凸度合いを表現する形状係数なのに対し、アスペクト比は主として粒子の針状度を表現する形状係数である。
本発明者らは、トナーを帯電させ現像する工程において、トナーの形状と帯電特性の間に以下の(イ)〜(ハ)の傾向があることを見出した。
(イ)トナーの形状が球に近いほど、トナーとキャリアが点接触であり、トナーがキャリア上で回転しながら接触するため、キャリアの表面でトナーが転がりやすくなり、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が小さい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が小さい(一成分現像方式)ことに対応する。
(ロ)一方、トナーの表面形状が粗く、凹凸の多い形状では、トナーとキャリアが面接触となるため、キャリアの表面でトナーが転がりにくくなるが、トナーとキャリアの接触面積が大きく、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が大きい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が大きい(一成分現像方式)ことに対応する。
(ハ)トナーとキャリアが長時間攪拌されると凹凸よりも形状の影響が強く現れる。すなわち実使用条件での耐久性評価などにおいてトナーとキャリアを現像機内で長時間攪拌すると、トナー上の凹凸が削りとられる、もしくは変形するなどによって凹凸は残らなくなるためであり、この結果、上記(イ)の影響が現れる。
(ニ)このためトナーの帯電性、特に長期の攪拌によるキャリアの帯電能力の低下と関連するトナー形状としては、トナーの凹凸度合いを表現する平均円形度よりも、針状度を表現するアスペクト比が好ましく、アスペクト比が低いほど、キャリア上で転がりにくく、アスペクト比が高いほど球形に近いためキャリア上を転がりやすい。このためトナーとキャリアが適度な接触を維持しつつトナー成分がキャリア上に固着しない範囲のアスペクト比としては0.80〜0.90の範囲にあることが重要である。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。特に融点60〜90℃のパラフィンワックスが好ましい。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤は、マスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶媒に溶解、分散する際に加えても良い。
(DSCによる離型剤由来の吸熱ピーク吸熱量)
本発明の画像形成用トナーは、離型剤として融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックスを含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下である。
定着性能のうち耐ホットオフセット性を得るためには離型材料が多いことが好ましく、一方、離型剤はキャリアに固着しやすいため、現像剤キャリアの帯電能力を長期間維持する上では少ないことが好ましい。この観点から、トナー中の離型剤の含有量として、DSCにおける離型剤由来の吸熱ピークの吸熱量が2.0〜5.5J/gの範囲にあることが優れた耐ホットオフセット性とキャリアの帯電能力維持の両面で好ましい。より好ましくは、3.5〜5.5J/gである。
DSC測定における吸熱ピークのパラフィンワックス由来の吸熱量の測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線において、離型剤の溶融時の吸熱に相当する吸熱ピークの低温側、高温側のベースラインの2箇所を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク吸熱量を求める。尚、離型剤の溶融時の吸熱に相当する吸熱ピークの吸熱量とは、吸熱ピーク全体の吸熱量であり、トナーのDSC測定を行って得られる複数の吸熱ピークのうち、離型剤の吸熱ピークは、離型剤単独でDSC測定を行い得られる吸熱ピークと同じ温度で発生する(トナーの)吸熱ピークを離型剤の吸熱ピークと判断した。
また、トナー母体粒子のTgは2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナー母体粒子のTgに相当する。
本発明において、トナー母体粒子のガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは40〜60℃である。40℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステルの共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(粒径分布)
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナー母体粒子の重量平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましい。重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)は1.00〜1.30の範囲にあることが好ましい。(D4/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。同様の理由で、粒径が2μm以下のトナー母体粒子が1〜10個数%であることが好ましい。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では現像効率を高くすることができる。一方でトナーを小粒径化するときの課題として、粒径の大きな粒子に較べてキャリアへの非静電的付着力が大きいため、キャリア表面に長くとどまり攪拌ストレスを受けやすくキャリア表面へ固着しキャリアの帯電能力を下げる原因となる。こうした問題を防止するため粒径が2μm以下のトナー母体粒子は1〜10個数%であることが好ましい。尚、粒径に関しては、トナーとトナー母体粒子は差がない。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー母体粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナー母体粒子の重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
また、粒径2μm以下の超微粉トナー母体粒子の計測にフロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー母体粒子0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナー母体粒子の形状及び分布を測定した。本測定法は測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー母体粒子量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー母体粒子粒径の測定と同様にトナー母体粒子の疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナー母体粒子を十分にぬらすことが出来ないため、分散が不十分となる。またトナー母体粒子添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー母体粒子径が3〜7μmの場合、トナー母体粒子量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせる事が可能となる。
(トナー濃度)
フルカラー画像形成装置においては、現像剤中のトナー濃度としてはトナー濃度3〜12wt%の範囲で用いられることが多い。画像濃度の制御は現像剤中のトナーとキャリアの粒径、すなわち表面積を考慮し、キャリア表面積に締めるトナーの占有面積が100%以下となるよう制御されるが、これはトナーとキャリアの十分な接触を維持し、トナーとキャリアの接触不良によるトナーの帯電不足を防止するための処置である。ここで、高トナー濃度の現像剤においては、トナー中の低融点ワックス、樹脂などがキャリア表面上に固着しキャリアの帯電能力を下げるという問題が生じやすが、本発明のトナーを用いることにより、これらの問題を解決することができる。
この他のトナーの構成材料について説明する。
−変性ポリエステル−
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含むことが好ましい。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーを、架橋反応及び/又は伸長反応させることにより得られる変性ポリエステルが好ましく、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
−未変性ポリエステル−
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の質比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
−着色剤−
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
前記着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、又はマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
上記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−荷電制御剤−
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
前記荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
―無機フィラー―
トナー形状を制御するための無機フィラーとしては、モンモリロナイト、もしくはその有機変性物(クレイトンAPA)が好ましく用いられる。無機フィラーの機能は、トナー表面に凹凸を形成させることでありそのメカニズムは下記のとおりである.
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させるトナー製造方法においては、乳化時にトナー材料液中の無機フィラーが有機溶媒と水系溶媒の界面に移動し、乳化分散体(反応物)の表面形状に集まる。次に、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥する工程において、表面に存在する無機フィラーが反応物表面に凸凹を形成する。従って、本発明の形状を得る上で、樹脂100質量部に対して無機フィラー量を0.1〜10質量部の範囲で制御し形状を変化させることが出来、無機フィラー量が多いほどSF−1、2の値が大きくなり異形化する。
また、一般にトナー母体粒子の帯電性は、トナー母体粒子の表面での荷電性を有する物質の存在量の影響が大きいと考えられおり、本発明で用いる無機フィラー、特にはモンモリロナイトもしくはその変性物は帯電性を有しており、これらをトナー母体粒子表面に多く存在させることで十分な帯電性が得られる。したがって、無機フィラーは前述の表面の凸凹制御に加え、トナー母体の帯電量を高める作用を併せ持つモンモリロナイト等の層状無機鉱物が好ましい。
無機フィラーとしては、モンモリロナイトとその有機変性物(クレイトンAPA)のほか、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、これらの混合物等があげられる。このなかで前記表面の凹凸形成、帯電付与を容易に達成でき、また添加量が少量ですむ点からモンモリロナイト、またはベントナイト、またはそれらの有機変性物であることが好ましい。
少なくとも一部を有機イオンで変性したモンモリロナイト等の層状無機鉱物を水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いることにより容易にトナーの形状を異形化することが出来る。層状無機鉱物はその層状構造により親水性が高い。その為、層状無機鉱物を少なくとも一部を有機アニオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナーを異形化することが出来る。
−外添剤−
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜0.3μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、100〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
特に、シリカ、酸化チタンに上記の表面処理を施して得られる疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることが好ましい。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーバインダの製造方法)
トナーバインダは以下の方法などで製造することができる。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート化合物(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などの多価イソシアネート化合物(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
また、前記ウレア結合で変性されたポリエステルは、上記のように製造したものをバインダ樹脂として混合しても良いが、トナー材料を有機溶媒中に分散させて、水系媒体中で造粒してトナーを形成する方法において、前記トナー材料として、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量のプレポリマーを含有させ、これと反応するアミン類と、造粒中/又は造粒後に鎖伸張又は/及び架橋反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステル樹脂を有するトナーとすることが好ましい。
この場合、未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーと未変性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に分散させ、鎖伸張又は/及び架橋反応させ、造粒する。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、離型剤等を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。好ましくは、少なくとも、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、未変性ポリエステル(i)、着色剤、パラフィンワックス及び無機フィラーを有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100質量部に対し、通常25〜300質量部、好ましくは25〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。
水系媒体に分散させる前記樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)は、好ましくは50〜110℃、より好ましくは50〜90℃であり、ガラス転移点(Tg)が50℃未満の場合、トナー保存性の悪化、又はリサイクル時トナー回収経路にて固着、凝集する確率が高くなる。ガラス転移点(Tg)が110℃超の場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。更に好ましい範囲としては50〜70℃の範囲が挙げられる。
また、その重量平均分子量は15万以下であることが望ましい。好ましくは5万以下である。その下限値は、通常、4000である。重量平均分子量が10万を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。
前記樹脂微粒子は水性分散体を形成しうる樹脂であれば公知の樹脂が使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はそれらの併用樹脂からなるものが好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
樹脂微粒子において、その体積平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子製)にて測定した値で、10〜200nm、好ましくは20〜80nmである。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるため、又は、ワックスのトナー最表面への露出を防ぐために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
(現像剤)
本発明のトナーは、一成分現像剤として用いることもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。
(キャリア)
前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
また、キャリアとして
(MgO)x(MnO)y(Fe23)z
(式中Xは1〜5、Yは45〜55、Zは45〜55で示される)
からなる平均粒径20〜45μmの概略球形のフェライトの芯材の表面に、微粒子を分散した樹脂を被覆したキャリアが好ましい。本芯材においては、上記組成の範囲を満足すれば、それ以外の成分(不純物や、置換や、処理による添加などによる成分)を含有しても問題ない。具体的には、SnO2、SrO、アルカリ土類金属酸化物、Bi25、ZrOなどの処理などが挙げられるが、これに限られるものではない。
キャリアの機能は、以下の2つであり、1つは、現像装置内での撹拌により、トナーを現像領域まで搬送する機能と、同じく撹拌によりトナーを帯電させる機能である。特に上記キャリアを用いることにより、トナー現像装置内でのキャリアの流動性が良好で、トナーを均一に搬送することが可能となって、均一な現像特性が得られるものと考えられる。更に、現像されたトナー層が均一であることは、転写時にも均一なトナー層の状態で転写することが可能となり、本発明の目的を達成するために必要な条件となる。
また、理由は定かではないが、均一な現像特性に関して、たとえトナーの特性が若干変化したとしても、現像特性が変化し難いことも上記キャリアの特徴の一つである。
また、表面被覆樹脂としては、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂及び/又はシリコーン樹脂であることが特に好ましい。これらの樹脂は、本発明の芯材を用いた場合に、トナーを均一に搬送させるとともに、トナーを均一に帯電させる効果を強く発揮させる。一方、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。しかし、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。具体的には、アクリル樹脂とシリコーン樹脂からなる被覆膜において、アクリル樹脂の比率が10〜90wt%であることで、その効果は顕著に得られる。これは、アクリル樹脂の比率が10wt%未満の場合、被覆層の殆どがシリコーン樹脂成分で占める為、シリコーン樹脂の欠点である脆性の高さが原因による耐磨耗の悪化が生じ、好ましくない。一方、アクリル樹脂の比率が90wt%を超える場合、被覆層の殆どがアクリル樹脂成分で占める為、アクリル樹脂の欠点である表面エネルギーの高さ、膜削れのし難さが原因による、トナー成分スペントの蓄積が生じ、好ましくない。
まず、アクリル樹脂について、ここで言うアクリル樹脂とはアクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。また、アクリル樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いることも可能である。ここで言う架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられるが、これに限るものではない。ここで言うアミノ樹脂とはグアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限るものではない。また、ここで言う酸性触媒とは、触媒作用を持つもの全てを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものであるが、これらに限るものではない。
次に、シリコーン樹脂について、ここで言うシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを指し、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、市販品としてストレートシリコーン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。更に、変性シリコーン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
特に、アクリル樹脂とシリコーン樹脂からなる被覆膜が、層構造であることで改善効果が顕著であることが判かった。これは、耐スペント性機能、耐摩耗性機能、接着性機能等キャリアの被覆膜に求められる機能が幾つかあるが、これら機能を一つの材料で満足できる材料が存在せず、材料によりそれぞれ得意機能を持つものが存在している。従って、優れた機能を持つ数種の材料を組み合わせることで、優れた機能を持つ被覆膜を形成することが可能となる。具体的には、芯材との接着層にアクリル樹脂を用いることで、芯材と被覆膜との接着性を強固なものとし、その上にシリコーン樹脂層を設けることで、トナー成分の耐スペント性を発揮し良好であるが、これに限るものではない。
キャリアの被覆樹脂層に分散する微粒子としては、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、又はそれらに表面処理を施したもののいずれかの、単独或いは複数であることが好ましいが、特にアルミナがトナーとの帯電の面(負帯電性トナー)で好ましい。
微粒子をキャリアの被覆樹脂層中に分散させる理由として、キャリア表面へ加わる外力から被覆層を守る効果が挙げられる。そして、この外力により粒子が容易に砕けたり摩耗したりすると、被覆層の保護効果は初期的には得られるが、長期にわたり維持することができず、安定した品質を得ることができず好ましくない。ここで挙げた粒子は、強靭な性質を有しているためこの外力に対し強く、割れ摩耗が生じず、長期にわたり被覆層保護効果を維持することができる。また、粒径は5μm以下が好ましく、被覆膜中における粒子の存在場所はアクリル樹脂に存在させることが好ましい。理由は、アクリル樹脂の強い接着性により、粒子を長期にわたり保持することが可能であるためであるが、必ずしもアクリル樹脂中に存在させる必要はない。
また、必要に応じて被覆樹脂中にカーボンブラックを含有させることも有効である。その効果は顕著で、被覆樹脂のみ、或いは被覆樹脂と粒子で構成するコート膜の場合で、抵抗が高い場合に抵抗を下げる調節剤として用いることができる。一般的に抵抗が高いキャリアを現像剤として用いた場合、コピー画像の大面積の画像面では、中央部の画像濃度が非常に薄く、端部のみが濃く表現される、いわゆるエッジ効果の鋭く利いた画像となる。また、画像が文字や細線の場合は、このエッジ効果のため鮮明な画像となるが、画像が中間調の場合には、非常に再現性の悪い画像となる欠点を有する。従って、カーボンブックを適度に用いることで、優れた画像を得ることが可能となる。更に、カラー用キャリアに用いることも可能である。
カラー現像剤用キャリアの場合、削れた膜が画像中に混入し、その削れた膜がカーボンブラックを含むなどの理由により濃い色を有すると、画像中ではっきりと目立つので欠陥画像となるが、本発明では被覆樹脂にアクリル樹脂を有しており、このアクリル樹脂は前記のとおり、接着性が強く削れ難い性質を有している為、被覆樹脂中でカーボンブラックを強固に保持できると共に、樹脂自体が削れ難いので、キャリアからのカーボンブラックの脱離が極めて少ない為である。特に、カーボンブラックをアクリル樹脂中に分散させることでその効果は大きい。そして、前記の層構造被覆膜においては、下層にカーボンブラックを分散したアクリル樹脂膜、上層にカーボンブラックを含有しないシリコーン樹脂層を形成させることで、その効果は大きい。ここで言うカーボンブラックとは、キャリアあるいはトナー用として一般的に使われているもの全てを用いることができる。一方、シリコーン樹脂のような脆性の高い削れ易い樹脂の場合、被覆樹脂中にカーボンブラックを含有すると、削れた黒色の膜が画像中に出ることとなり、欠陥画像となるので用いることができない。
なお、本発明のキャリアを製造する方法として、前述した溶媒中に樹脂及び微粒子を十分に分散させ、樹脂被覆膜形成溶液を得、この溶液をキャリア表面へ塗布乾燥する方法がとられる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のトナー、現像剤は、感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジに用いることができる。
図1に本発明のプロセスカートリッジの概略構成を示す。
図1において、プロセスカートリッジは、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を有する。本発明においては、上述の感光体、帯電装置手段、現像手段及びクリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。現像手段には、本発明のトナー又は現像剤が保持される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、部は特に断りのない限り質量部を示す。
実施例1
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステル1の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を入れ、常圧下230℃で7時間重縮合し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応して[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3800、Tg43℃、酸価4であった。
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
(マスターバッチの合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部[DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5]、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(油相の作製)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(融点70℃)100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、有機変性モンモリロナイト(クレイトンAPA、Southern Clay Products社製)30部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジ
ルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
(乳化〜脱溶剤)
[顔料・ワックス分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で7時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
(洗浄〜乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
I:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
II:Iの濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
III:IIの濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
IV:IIIの濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。その後、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン1部をヘンシェルミキサーにて混合して実施例1のトナーを得た。
比較例1
有機変性モンモリロナイト30部を0部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。
比較例2
離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をカルナバWAX(融点70℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例2のトナーを得た。
比較例3
有機変性モンモリロナイト30部を0部に、離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をパラフィンWAX(融点110℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例3のトナーを得た。
比較例4
有機変性モンモリロナイト30部を0部に、離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をカルナバWAX(融点70℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例4のトナーを得た。
実施例2
有機変性モンモリロナイト30部を48部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。
実施例3
有機変性モンモリロナイト30部を12部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。
比較例5
有機変性モンモリロナイト30部を疎水性シリカ60部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5のトナーを得た。
前記実施例及び比較例で得たトナー母体粒子のアスペクト比、平均円形度、重量平均粒径(D4)、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比(D4/Dn)、DSC測定における吸熱ピークのワックス由来の吸熱量、ガラス転移点(Tg)、粒径2μm以下の粒子含有率を表1に示す。
Figure 0004854646
<現像剤の製造例>
上記実施例、比較例のトナーと、下記製造法のキャリアをトナーとキャリアの総量を1kg、トナー濃度3wt%、12wt%となるようをターブラーミキサーで攪拌強度最強で10分間混合し表2記載の評価に使用した。
<キャリア製造法>
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコン樹脂溶液
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
65.0部
アミノシラン
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
0.3部
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2348.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、[キャリア1]とした。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
評価方法
(キャリアの帯電能力低下)
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、温度25℃、湿度50%の環境において単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚、60,000枚ランニング出力した後、現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、キャリアの帯電能力の低下量を評価した。30,000枚、60,000枚ランニング前後での帯電量の変化量が5μc/g未満の場合は○、5〜10μc/gの場合は△、5〜10μc/gを超える場合は×とした。また本試験において、トナー濃度を3wt%とした場合、12wt%とした場合の二通りの条件で試験を行った。
(定着性評価)
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙に未定着画像を作像したもの(トナー付着量1.0mg/cm2、2cm×7cmの長方形ベタ画像)を通紙し定着テストを行なった。
定着温度を5℃ずつ変化させてコールドオフセット発生温度とホットオフセット発生温度を求めた。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。
実施例及び比較例で得たトナーの性能評価結果を表2に示す。
Figure 0004854646
本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。

Claims (8)

  1. 融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス、及びバインダ樹脂を含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下であり、かつアスペクト比が0.80以上0.90以下であることを特徴とする画像形成用トナー。
  2. 前記母体粒子は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、前記パラフィンワックス及び無機フィラーが有機溶媒中に分散されている分散液を、水系媒体中で分散させて該ポリエステルプレポリマーを架橋反応及び/又は伸長反応させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
  3. 前記無機フィラーは、モンモリロナイト又はモンモリロナイトの変性物であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成用トナー。
  4. 前記母体粒子は、重量平均粒径が3μm以上8μm以下であり、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.00以上1.30以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
  5. 前記母体粒子は、ガラス転移点が40℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
  6. 前記母体粒子は、粒径が2μm以下である母体粒子を1個数%以上10個数%以下含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成用トナー及びキャリアからなることを特徴とする現像剤。
  8. 感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナー、もしくはトナーとキャリアからなる現像剤を保持し、該トナーは請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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