JP2009229171A - 同期検波回路、検出回路、物理量測定装置、ジャイロセンサおよび電子機器 - Google Patents

同期検波回路、検出回路、物理量測定装置、ジャイロセンサおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 同期検波回路(同期検波回路を含む検出回路)の出力信号に重畳されるオフセット電圧の補償および信号経路の直流基準電圧の温度に依存した変動分の補償の双方を実現すると共に、これらの補償に伴うノイズを最小化すること。
【解決手段】 オフセット補償回路210からのオフセット補償電圧Voffmと、温度補償回路220からの温度補償電圧VTSとを、重ね合わせの原理を用いて、同期検波回路600の同期検波部209において加算する。オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSは電気的に独立している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、同期検波回路、検出回路、物理量測定装置、ジャイロセンサおよび電子機器等に関する。
センサからの電荷(物理量信号)を増幅し、同期検波によって不要信号(正規の物理量信号と位相が90度ずれた信号)を除去し、同期検波後の信号を平滑回路(ローパスフィルタ)で平滑して直流電圧に変換し、直流電圧信号を増幅して出力する検出回路は、例えば、特許文献1に記載されている。
無入力状態では、検出回路の検出出力(直流電圧)のレベルは、信号経路の直流基準電圧(直流バイアス電圧)に一致するはずであるが、実際は、検出出力のレベルは、直流基準電圧とは異なる。実際の検出出力と直流基準電圧との差電圧は、オセット電圧と呼ばれる。すなわち、実際の検出出力は、直流基準電圧にオフセット電圧が重畳された電圧となる。オフセット電圧が生じる原因には種々のものがある。例えば、不要な漏れ信号や、無入力時のトランジスタのリーク電流等がオフセット電圧の原因となる。
オフセット電圧が存在すると、センサからの信号が無いにもかかわらず、検出回路によって信号が検出される結果となり、測定誤差が生じる。特に、センサからの入力信号(電荷)が微小であり、かつ周波数が低い場合(例えば、数百Hz程度)は、検出精度を向上させるためには、オフセット電圧の低減が必須となる。
従来、オフセット電圧をキャンセルするために、オフセットキャンセル電圧(直流基準電圧に対する電位差がオフセット電圧と同じであり、かつ、その極性が異なる電圧)を、検出回路の信号経路に重畳(加算)する方法が採用されている。
特許文献1の技術では、オフセットキャンセル電圧を、同期検波回路の入力信号(被同期検波信号)に重畳し、そのオフセットキャンセル電圧が重畳された被同期検波信号を同期検波するという手法が採用されている。
WO2005/068939号公報
上述の特許文献1に記載の技術では、信号経路の直流基準電圧の、周囲温度に依存した変動分を補償することは考慮されていない。信号経路の直流基準電圧が周囲温度により変動すれば、同期検波後の直流電圧のレベルが変動し、検出誤差が生じる。よって、信号経路の直流基準電圧の周囲温度依存性を補償することができれば、検出精度はさらに向上する。
直流基準電圧の温度依存性をキャンセルするためには、直流基準電圧の温度オフセットとは逆の特性をもつ温度補償電圧を、検出対象の信号(交流信号)に重畳すればよい。但し、アンプの1/fノイズ等を考慮して、ノイズが最も低減されるように、温度補償電圧を重畳する箇所(最良の箇所)を選ぶ必要がある。
また、オフセット補償電圧と温度補償電圧は、各々が独立した電圧(相関のないパラメータ)である。よって、相関のない、互いに独立した上記2つの電圧を生成し、かつ、それらの電圧を、相関なく、独立に重畳(加算)する必要がある。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、検出回路の出力信号に重畳されるオフセット電圧の補償および信号経路の直流基準電圧の温度に依存した変動分の補償の双方を実現すると共に、これらの補償に伴うノイズを最小化することができ、検出回路の検出精度をさらに向上させることができる。
(1)本発明の検出回路の一態様は、交流信号を同期検波する同期検波回路であって、前記直流電圧信号に重畳されるオフセット電圧を補償するためのオフセット補償電圧を生成するオフセット補償回路と、前記検出回路内の信号経路における直流基準電圧の温度に依存した変動を補償するための温度補償電圧を生成する温度補償回路と、を有し、前記オフセット補償電圧および前記温度補償電圧の各々を、前記同期検波回路に入力される前記交流信号に重畳し、前記同期検波回路は、前記オフセット補償電圧および前記温度補償電圧が重畳された前記交流信号を同期検波する。
本態様では、オフセット補償電圧および温度補償電圧の各々を、同期検波回路に入力される交流信号に重畳する。検出回路では、交流信号を直流信号に変換すると信号振幅が低下するため、直流信号を、増幅率が大きな増幅器で増幅して出力するのが一般的である。したがって、例えば、温度補償電圧を同期検波後の信号に重畳すると、高増幅率の増幅器の1/fノイズに起因してS/Nが低下する。よって、交流信号を直流信号に変換するとき(つまり、同期検波のとき)に、オフセット補償電圧ならびに温度補償電圧の各々を重畳する。よって、1/fノイズを最も低く抑えることができる。また、オフセット補償のみならず、温度補償も実行されるため、検出回路の検出精度はさらに向上する。なお、同期検波回路は、通信分野ではミキサと呼ばれることがある。すなわち、同期検波回路も、交流を直流に変換する(周波数変換をする)機能をもつため、ミキサとみることもできる。
(2)本発明の同期検波回路の他の態様では、前記同期検波回路に含まれる、前記交流信号の電圧レベルを反転する反転アンプの第1の入力ノードの前記直流基準電圧に前記オフセット補償電圧が重畳され、前記反転アンプの第2の入力ノードの前記直流基準電圧に前記温度補償電圧が重畳され、前記反転アンプの前記第2の入力ノードの前記直流基準電圧は、前記第1の入力ノードの前記直流基準電圧から電気的に分離されている。
オフセット補償電圧と温度補償電圧は、各々が独立した電圧(相関のないパラメータ)である。よって、相関のない、互いに独立した上記2つの電圧を生成し、かつ、それらの電圧を、相関なく、独立に重畳(加算)する必要がある。
ここで、例えば、検出回路内の信号経路の直流基準電圧(直流バイアス電圧あるいはアナログ基準電圧)を“AGND”と表記し、検出回路の出力信号(直流電圧)に重畳されるオフセット電圧を“Voff”と表記し、オフセット補償電圧を“Voffm”と表記し、温度補償電圧を“VTS”と表記する。なお、高レベル電源電圧をVDDとする場合、AGNDは、例えばVDD/2である。
Voffm=−Voffである。つまり、オフセット補償電圧Voffmと直流基準電圧AGNDとの電位差は、オフセット電圧Voffと直流基準電圧AGNDとの電位差と同じであり、かつ、オフセット補償電圧Voffmの直流基準電圧AGNDを基準とした極性は、オフセット電圧Voffの直流基準電圧AGNDを基準とした極性と反対である。
オフセット電圧Voffは、AGNDに対する電位差(差電圧)で表される。オフセット電圧の発生源からの電圧が周囲温度によって変動した場合、AGNDも同じにように変動し、よって、両電圧間の電位差は変化しないとみなすことができる。つまり、オフセット電圧Voffは、検出回路(IC)毎に固有の電圧であり、温度には依存しない。よって、オフセット補償電圧Voffmも、温度に依存せず一定である。
一方、温度補償電圧VTSは、直流基準電圧AGND自体の温度に起因する変動分を補償するための電圧であり、周囲温度に応じて電圧値が変化する。したがって、温度に依存しない直流電圧Voffmと、温度に依存する電圧VTSと、を同じ箇所で、かつ、互いに独立に加算する必要がある。
そこで、本態様では、同期検波回路に含まれる反転アンプ(例えば、差動アンプ)を利用して、“Voffm”と“VTS”を、同期検波回路に入力される交流信号に並行的に加算する。この場合、反転アンプ(差動アンプ)の出力電圧は、“Voffm”と“VTS”の各々を反映した電圧となる。つまり、各電圧を同時に加算することができる。
オフセット補償電圧Voffmは、例えば、反転アンプ(差動アンプ)の反転入力端子(第1の入力ノード)に入力され、温度補償電圧VTSは、反転アンプ(差動アンプ)の非反転入力端子(第2の入力ノード)に入力される。このとき、反転アンプの非反転入力端子(温度補償電圧VTSが印加される端子)における直流基準電圧AGNDは、反転アンプの反転入力端子(オフセット補償電圧Voffmが印加される端子)における直流基準電圧AGNDから電気的に分離される。これは、反転アンプの2つの入力端子(第1および第2の入力ノード)の各々に印加される電圧の独立性を維持するためである。
つまり、反転入力端子の電圧は(VAoff=AGND+Voffm)であり、非反転入力端子の電圧は(Vtemp=AGND+VTS)となる。各端子の電圧VAoff,Vtempは、電気的に独立していなければならない。
よって、反転アンプの非反転入力端子(温度補償電圧VTSが入力される端子)における直流基準電圧AGNDを、反転アンプの反転入力端子(オフセット補償電圧Voffmが入力される端子)における直流基準電圧(AGND)から電気的に分離できるようなレイアウト構成を採用する。これによって、反転アンプの2つの入力端子(第1および第2の入力ノード)の各々についての直流基準電圧AGNDは、相互に電気的に分離される。よって、反転アンプの2つの入力端子(第1および第2の入力ノード)の各々に、温度補償電圧VTSとオフセット補償電圧Voffmの各々を独立に加算することが可能となる。
(3)本発明の同期検波回路の他の態様では、前記反転アンプの前記第1の入力ノードからみた前記オフセット補償回路のインピーダンスは、前記オフセット補償回路の動作状態に関わらず一定である。
オフセット補償電圧Voffmと、温度補償電圧VTSは、互いに独立に加算されなければならない。このためには、重ね合わせの原理を用いて、2つの補償電圧の各々を信号経路に重畳する必要がある。重ね合わせの原理は、「複数の電圧源をもつ線形電気回路において、任意の点の電圧は、各電圧源が単独に存在していた場合の和に等しい」とする原理である。重ね合わせの原理を適用するためには、信号経路の線形性を保証する必要がある。ここで、上記(2)の説明に用いた表記および例を再び用いて具体的に説明する。
例えば、反転アンプの非反転入力端子(第2の入力ノード)に温度補償電圧VTSを印加する場合、反転アンプの出力信号のレベルは、その温度補償電圧VTSのみに依存して線形に変化することが保証されなければならない(そうでなければ、AGNDの温度によって変動する電圧成分を打ち消すことができない)。このためには、反転アンプの反転入力端子(第1の入力ノード)とオフセット補償回路との共通接続ノード(ノードXとする)からみた、オフセット補償回路のインピーダンスが常に一定である必要がある。つまり、反転アンプの反転入力端子(第1の入力ノード)に関するオフセット補償回路のインピーダンスは、オフセット補償回路の動作状態に関係なく一定にするのが好ましい。
仮に、オフセット補償回路のインピーダンスが、オフセット補償回路の状態に応じて変動すると、ノードXとオフセット補償回路との間に流れる電流の電流量がオフセット補償回路の状態に応じて変化することになり、ノードXの電圧が変化し、これに対応して反転アンプの出力も変化する。この場合、反転アンプの出力は、「反転アンプの非反転入力端子に印加される温度補償電圧VTSの電圧レベルのみに応じて線形に変化する」ことにはならず、信号経路の線形性が保証されない。
そこで、本態様では、「反転アンプの第1の入力ノードからみた(つまり、第1の入力ノードに関する)オフセット補償回路のインピーダンスは、オフセット補償回路の動作状態に関わらず一定である」ことを条件とするものである。したがって、オフセット補償電圧と温度補償電圧とを、重ね合わせの原理によって、相互に独立に加算することが可能である。
(4)本発明の同期検波回路の他の態様では、前記オフセット補償回路は、R2Rラダー方式のD/A変換器であり、前記反転アンプの前記第1のノードからみた前記R2Rラダーのインピーダンスが一定である。
「反転アンプの第1のノードからみたオフセット補償回路のインピーダンスを、オフセット補償回路の動作状態に関わらず一定にする」ための、オフセット補償回路の具体的な構成の一例を明記したものである。本態様では、R2Rラダー方式のD/A変換器を用いる。
(5)本発明の同期検波回路の他の態様では、前記オフセット補償回路は、前記オフセット補償電圧を出力するオペアンプを有し、前記オペアンプの出力インピーダンスが一定であることによって、前記反転アンプの前記第1のノードからみた前記オフセット補償回路のインピーダンスが一定になる。
「反転アンプの第1のノードからみたオフセット補償回路のインピーダンスを、オフセット補償回路の動作状態に関わらず一定にする」ための、オフセット補償回路の具体的な構成の他の例を明記したものである。本態様では、オペアンプの出力インピーダンスが一定である(極めて低い)ことを利用して、オフセット補償電圧を生成する。例えば、オペアンプには、高レベル電源電圧VDDと、直流基準電圧AGNDとの差電圧を増幅する。AGNDを例えばVDD/2とする。VDDとAGNDの各々は、温度に対して同様に変動する。よって、両電圧の差電圧(=VDD−AGND)は、温度に対応して変動しない。よって、オペアンプの増幅率を適切に調整すれば、直流基準電圧AGNDに、オフセット補償電圧Voffmを重畳した電圧を生成することができる。上述のとおり、オペアンプの出力インピーダンスは極めて小さく、一定とみなすことができる。
(6)本発明の検出回路の一態様では、上記のいずれかに記載の同期検波回路と、前記同期検波回路の出力信号を平滑する平滑回路と、を有する。
同期検波回路において、温度補償ならびにオフセット補償が実現されているため、高精度の検出が可能な検出回路(例えば、同期検波回路(広義には検波回路)ならびに平滑回路等を具備する、信号検出機能を有するIC)が実現される。
(7)本発明の検出回路の他の態様では、前記オフセット補償回路の動作制御のための調整データを格納しているメモリ回路をさらに有する。
検出回路内に、オフセットキャンセルための調整データを格納しているメモリ回路(例えば、EPROM等の不揮発性メモリ)を設ける。これによって、例えば、ルックアップテーブル方式を用いて、オフセット電圧のキャンセル処理を自動化することができる。すなわち、例えば、検出回路を含むIC(集積回路)の出荷時において、ICメーカの作業員が、そのICの出力信号の直流オフセット電圧を測定し、そのオフセット電圧をキャンセルするために、調整信号をIC(集積回路)に入力する。調整信号によって、メモリ回路がアクセスされ、メモリ回路に内蔵される調整テーブルから調整データが出力され、その調整データによって、オフセット補償回路から出力されるオフセット補償電圧値が自動的に決定される。よって、オフセットキャンセル処理が自動化され、作業員の負担が軽減される。
(8)本発明の物理量測定装置の一態様は、測定対象である物理量信号が入力される、上記の検出回路を有する。
これによって、微小な物理量信号に基づいて、物理量を、極めて高感度で測定することができる物理量測定装置が実現される。
(9)本発明の物理量測定装置の一態様では、前記物理量信号は、センサとしての振動子から出力され、前記物理量測定装置は、さらに、前記振動子と共に発振ループを形成し、前記振動子に駆動振動を励振するための発振駆動回路を有し、前記発振駆動回路は、前記発振ループ内の信号に基づいて、前記検出回路における前記同期検波用の参照信号を生成し、前記検出回路に供給する。
物理量測定装置に含まれる検出回路は、センサ(物理量トランスデューサ)として機能する振動子からの信号に基づいて物理量(角速度や加速度等)を検出する。振動子は、物理量測定装置に含まれる発振駆動回路によって励振される。発振駆動回路は同期検波基準信号を生成し、その同期検波基準信号を検出回路に供給する。物理量測定装置は、例えば、一つのICで構成することができる。本態様によって、振動子からの信号に基づいて、物理量を高精度(高感度)で検出することができる物理量測定装置が実現される。
(10)本発明のジャイロセンサは、物理量測定装置と、前記物理量信号を出力する前記振動子と、を有する。
本態様によって、振動子からの信号に基づいて、物理量を高精度(高感度)で検出することができるジャイロセンサが実現される。
(11)本発明の電子機器の一態様は、上記の物理量測定装置を有する。
本態様の電子機器では、物理量測定装置による測定結果に基づいて、例えば、電子機器の動作を制御したり、あるいは、測定結果を表示したりすることができる。高精度の物理量測定が実現されるため、電子機器の性能も向上する。
(12)本発明の電子機器の他の態様は、上記のジャイロセンサを有する。
本態様の電子機器では、ジャイロセンサによるセンサ出力に基づいて、例えば、電子機器の動作を制御したり、あるいは、測定結果を表示したりすることができる。高精度のサンサ出力が得られるため、電子機器の性能も向上する。
このように、本発明によれば、同期検波回路(ならびに同期検波回路を有する検出回路)の出力信号に重畳されるオフセット電圧の補償および信号経路の直流基準電圧の温度に依存した変動分の補償の双方を実現すると共に、これらの補償に伴うノイズを最小化することができ、検出回路の検出精度をさらに向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、同期検波回路を含む検出回路の構成と動作について説明する。
(同期検波回路を含む検出回路の構成と動作の概要)
図1は、同期検波回路を含む検出回路の構成の一例を示す回路図である。検出回路900は、同期検波回路600と、初段アンプ233と、ローパスフィルタ(LPF)700と、調整テーブル232を内蔵するROM230と、アナログ基準電圧(直流バイアス電圧)AGNDを発生するAGND発生回路(AGND源)226と、入力信号Vinが入力される第1の端子PN1と、調整信号QXが入力される第2の端子PN2と、検出出力Voutを出力する第3の端子PN3と、を有する。
同期検波回路600は、同期検波部209と、オフセット補償回路210と、温度補償回路220と、を有する。
初段アンプ233は、例えば、振動子(図1では不図示)からの入力信号Vinの電荷(Q)を電圧(V)に変換するQ/V変換回路である。検出回路900は、例えば、高レベル電源電圧VDDおよび低レベル電源電圧GND(接地電位)との間で動作する。入力信号Vinは、アナログ基準電圧(直流バイアス電圧)AGNDを基準として振動する正弦波(あるいは余弦波)であり、参照信号SDETに同期している。
入力信号Vinには、参照信号SDETと同相の信号であるVin1と、参照信号SDETと90度位相がずれた成分(直交成分)の信号であるVin2とが含まれる。Vin1およびVin2は、同期検波回路600によって同期検波される。同期検波回路600は、参照信号SDETを用いて入力信号Vin1およびVin2を同期検波する。同期検波後の信号を、平滑回路として機能するローパスフィルタLPF700によって直流電圧に変換する。この結果、検波出力Voutが得られる。
同期検波回路600の同期検波部209は、入力信号のレベルを反転せずに伝達する第1の信号経路(以下、正転経路という)と、反転アンプによって反転して伝達する第2の信号経路(以下、反転経路という)とを有する。正転経路には、抵抗R4と、第1のスイッチSW1とが設けられる。反転経路には、反転アンプ(入力抵抗R1と、オペアンプOP1と、帰還抵抗R3とにより構成される)と、第2のスイッチSW2と、を有する。
第1および第2のスイッチ(SW1,SW2)は、例えばNMOSトランジスタで構成される。第1のスイッチSW1は、参照信号SDETによってオン/オフされる。第2のスイッチSW2は、参照信号SDETをインバータINV1でレベル反転した信号/SDETによってオン/オフ駆動される。
また、オフセット補償回路210は、検出出力Voutに重畳されるオフセット電圧Voffをキャンセルするためのオフセット補償電圧Voffmを生成する。オフセット補償電圧Voffmは、加算回路211によって、AGND発生回路226が生成したアナログ基準電圧AGNDに加算される。AGND発生回路226は、例えば、高レベル電源電圧VDDを、抵抗値が同じ2つの分圧抵抗で分圧してVDD/2を生成する回路構成をもつ。これによって、VAoff(=Voffm+AGND)が生成される。VAoffは、抵抗R2を経由して、同期検波回路600内のノードXに印加される。すなわち、VAoffは、同期検波回路600の反転経路に設けられる反転アンプOP1の反転入力端子(第1の入力ノード)に印加される。なお、オフセット補償回路210の具体的な構成例は、図4〜図6を用いて後述する。
ここで、Voffm=−Voffである。つまり、オフセット補償電圧Voffmとアナログ基準電圧AGNDとの電位差は、オフセット電圧Voffとアナログ基準電圧AGNDとの電位差と同じであり、かつ、オフセット補償電圧Voffmのアナログ基準電圧AGNDを基準とした極性は、オフセット電圧Voffのアナログ基準電圧AGNDを基準とした極性と反対である。なお、以下の説明において「極性」というとき、基準となる電圧はAGNDである。図1の場合、オフセット補償回路210から出力されるVoffmが、オペアンプOP1の反転入力端子に加えられる。例えば、オフセット電圧Voffが正極性(Voff>0)である場合、オフセット補償回路210から出力されるオフセット補償電圧Voffmも正極性(Voffm>0)であるが、VoffmはオペアンプOP1の反転入力端子に印加されるため、結果的に、オフセット電圧(+Voff)とは逆の極性の−Voffmが、信号伝送路に加えられたことになる。
すなわち、VAoff(=Voffm+AGND)の印加によって、同期検波後の信号(直流電圧)のレベルが低下(あるいは上昇)する。この変動分の電圧値を、検波出力に重畳されるオフセット電圧Voffの電圧値に一致させれば、検波出力Voutに重畳されるオフセット電圧Voffを除去することができる。
オフセット補償電圧Voffmの電圧値は、第2の端子PN2から入力される調整信号QXによって、調整することができる。すなわち、第2の端子PN2から調整信号QXが入力されると、その調整信号QXによって、ROM(例えば、EEPROM)230内の調整テーブル302がアクセスされ、その結果、調整テーブル302から補正データQDが出力される。この補正データQDによって、オフセット補償電圧Voffmの電圧値が調整される。ルックアップテーブル方式を用いることによって、補正データQDを効率的に、かつ自動的に生成することができる。
また、温度補償回路220は、例えば、バンドギャップ回路(A)221と、バンドギャップ回路(B)223と、差動アンプ224と、AGND発生回路226と、を有する。差動アンプ224から温度補償電圧VTSが生成される。この温度補償電圧VTSは、加算回路225によって、AGND発生回路226が生成したAGNDに加算される。これによって、温度補償後のアナログ基準電圧Vtemp(=VTS+AGND)が生成される。なお、以下の説明では、Vtempは、温度補償後の電圧と称する場合があり、単に、Vtempと記載する場合もある。Vtempは、同期検波回路600の反転経路に設けられる反転アンプOP1の非反転入力端子(第2の入力ノード)に印加される。
また、同期検波回路600には、高い増福率のアンプは設けられない。よって、交流信号が直流信号に変換されるとき(つまり、同期検波のとき)に、オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSを、同じ箇所に加算することによって、回路の1/fノイズの影響を最小限化することができ、検出回路のS/Nを向上させることができる。
(同期検波回路の動作)
図2は、同期検波回路の動作を説明するための図である。まず、同期検波回路600における同期検波部209の一般的な動作について説明する。
先に説明したように、入力信号はVinには、参照信号SDETと同相の成分の信号Vin1と、参照信号SDETと90度位相がずれた成分(直交成分)Vin2が含まれている。同期検波回路600は、同期検波部209を有する。同期検波部209は、参照信号SDETを用いてVin1およびVin2を同期検波する。この結果、検波信号VS1およびVS2が得られる。検波信号VS1およびVS2は、平滑回路として機能するローパスフィルタ(LPF)700によって直流信号に変換される。
図2の(1)に示すように、参照信号SDETは、周期Tの方形波である。図2の(2)に示すように、同相成分Vin1は、AGND(アナログ基準電圧(直流バイアス電圧))を基準として振動する正弦波(あるいは余弦波)であり、参照信号SDETに同期している。
同相成分Vin1が同期検波されると、図2の(3)に示すように、Vin1を全波整流した波形をもつ信号が得られる。この信号をローパスフィルタ(LPF)700で平滑すると、図2の(3)の右側に示すように、例えば、検波出力VSが得られる。検波出力VSは、例えば、AGNDとの電位差が+V1である直流信号である。
一方、直交成分Vin2を同期検波して得られる検波信号VS2は、図2の(5)のような波形となる。この波形は、AGNDを基準として正極性の部分と負極性の部分の面積が同じである。よって、ローパスフィルタ(LPF)700によって平滑すると、正極性の部分と負極性の部分が相殺される。したがって、図2の(5)の右側に示されるように、検波出力のレベルはAGND(つまり無信号)となる。よって、参照信号SDETに同期する同相成分Vin1のみを選択的に検波することができる。
以上の説明では、オフセット補償電圧Voffmならびに温度補償電圧VTSは、考慮されていない。
上述のとおり、図1の同期検波回路600の同期検波部209では、オフセット補償ならびに温度補償も実行される。オフセット補償ならびに温度補償後の同期検波出力Vout(補償後)は、図2の(6)に示される。図示されるように、オフセット補償電圧Voffmおよび温度補償電圧VTSの各々は相互に影響を及ぼすことなく、各々が独立に、Vinに加算されている。オフセット補償電圧Voffmおよび温度補償電圧VTSは、半周期(T/2)に相当する期間(すなわち、時刻t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5,t6〜t7)においてVinに加算される。これによって、高精度なオフセット補償ならびに高精度な温度補償の双方が実現される。
(オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとの関係、および両電圧の加算方式の説明)
図3は、オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとの関係、および両電圧の加算方式について説明するための図である。図3において、第1の端子PN1には、入力信号Vinが印加されない状態を想定する。この場合、第3の端子PN3から出力される検波出力Voutの電圧レベルは、オフセット電圧Voffがない場合、理想的には、アナログ基準電圧AGNDに一致する(図3の右側に示される、状態S(2)参照)。但し、実際は、検波出力Voutには、オフセット電圧Voffが重畳される(図3の右側に示される、状態S(1)参照)。このオフセット電圧Voffを除去するために、オフセット補償電圧Voffmを反転アンプOP1の反転入力端子(第1の入力ノード)に重畳する。これによって、オフセット電圧Voffが除去される。
また、アナログ基準電圧AGNDの電圧レベルは、例えば、図3の右下に示すように、環境温度によって変動する(例えば、温度が高くなるにつれて、AGNDの電圧レベルは減少する)。オペアンプOP1の反転入力端子には、VAoff(=AGND+Voffm)が印加される。Voffm=−Voffである。
上述のように、温度補償電圧Voffmの電圧レベルは温度に依存しない。よって、AGNDの電圧レベルが周囲温度によって変動すれば、VAoffの電圧レベルが変動し、オフセット補償の精度が低下する。
常温(ここでは25℃とする)におけるAGNDの電圧レベルをAGND(25℃)と表記する。温度補償電圧Voffmは、常温(25℃)におけるオフセット電圧Voffを除去するための電圧である。よって、温度補償電圧Voffmは、常に、AGND(25℃)に加算されるのが好ましい。本実施形態の場合、図3の右下に示されるように、温度補償電圧VTSの加算によって、AGNDの電圧レベルは、常に、AGND(25℃)に保たれる。よって、本実施形態では、周囲温度に関係なく、常に、高精度なオフセット補償を実行することができる。
(オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとの相互干渉防止のためのレイアウト構成について)
上述のとおり、オフセット電圧Voffは、AGNDに対する電位差(差電圧)で表される。オフセット電圧の発生源によって生じるオフセット電圧Voffの電圧レベルが、周囲温度によって変動した場合、アナログ基準電圧AGNDも同じにように変動し、よって、両電圧間の電位差は変化しないとみなすことができる。つまり、オフセット電圧Voffは、検出回路(IC)900毎に固有の電圧であり、温度には依存しない。よって、オフセット補償電圧Voffmも、温度に依存せず一定である。
一方、温度補償電圧VTSは、アナログ基準電圧AGND自体の温度に起因する変動分を補償するための電圧であり、周囲温度に応じて電圧値が変化する。したがって、図1の回路では、温度に依存しない直流電圧Voffmと、温度に依存する電圧VTSと、を同じ箇所(同期検波回路の入力端子)において、互いに独立に加算する必要がある。
そこで、図3に示すように、反転アンプ(例えば、差動アンプ)OP1の入力端子に、“Voffm”と“VTS”を並行的に加算する。この場合、反転アンプの出力電圧は、“Voffm”と“VTS”の各々を反映した電圧となる。つまり、“Voffm”と“VTS”の各々によって、反転アンプOP1の出力電圧のレベルが変化する。
オフセット補償電圧Voffmは、例えば、反転アンプ(差動アンプ)の反転入力端子(第1の入力ノード)に入力され、温度補償電圧VTSは、反転アンプ(差動アンプ)OP1の非反転入力端子(第2の入力ノード)に入力される。
このとき、オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとの相互干渉を防止できるレイアウト構成を採用するのが望ましい。つまり、反転入力端子の電圧は(VAoff=AGND+Voffm)であり、非反転入力端子の電圧は(Vtemp=AGND+VTS)となる。各端子の電圧VAoff,Vtempは、電気的に独立していなければならない。
オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとの電気的な独立性を保障できないレイアウト構成では、例えば、AGND配線を経由して、温度補償電圧VTSがオフセット補償回路210に漏れ込む場合がある。この場合、オフセット補償電圧Voffmの電圧レベル(本来は、温度に依存しないはずである)が、温度に依存して変動することになり、温度補償電圧VTSとオフセット補償電圧Voffmとの独立性が担保されない。つまり、VTSの影響を受けることにより、Voffm(本来、温度依存性を持たない)の電圧レベルが周囲温度に依存して変動する結果となる。この場合、互いに電気的に独立した2つの補償電圧を生成したことにはならない。
図3の場合、共通のAGND配線L1を経由して、オフセット補償回路210および温度補償回路220の各々にアナログ基準電圧AGNDを供給する。但し、オフセット補償回路210と温度補償回路220との間に,AGND発生回路226が配置されている。ここで、AGND配線L1とAGND発生回路226との共通接続点をZ点とし、そのZ点の電圧をVZとする。AGND発生回路226の出力インピーダンスは極めて小さいため、Z点の電位VZは、常に、アナログ基準電圧AGNDに維持される。よって、オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSは電気的に分離され、両者の電気的な独立性は維持される。つまり、温度補償電圧VTSによって、AGND配線L1の電位が若干、変動したとしても、その電位変動は、Z点ですべて吸収される。よって、温度補償電圧VTSがオフセット補償回路210に漏れ込むことはない。
図3の場合、オフセット補償回路210および温度補償回路220のAGND配線として、共通のAGND配線L1を使用しているため、レイアウト構成を簡素化することができる。なお、以下に示すレイアウト構成を採用することもできる。すなわち、オフセット補償回路210のための第1のAGND生成回路を設け、温度補償回路220のための第2のAGND生成回路を設け、オフセット補償回路210と第1のAGND生成回路とを第1のAGND配線により接続し、温度補償回路220と第2のAGND生成回路とを第2のAGND配線により接続する構成(つまり、VoffmとVTSが電気的に分離され、さらに物理的にも分離されているレイアウト構成)を採用することもできる。
このように、図3において、反転アンプOP1の2つの入力端子(第1および第2の入力ノード)の各々についてのアナログ基準電圧AGNDは、相互に電気的に分離される。よって、反転アンプの2つの入力端子(第1および第2の入力ノード)の各々に、温度補償電圧VTSとオフセット補償電圧Voffmの各々を独立に加算することが可能となる。
(数式による証明)
以下、数式を用いて、VoffmとVTSを独立に加算できることを証明する。以下の説明において、Vin=AGND+Vac・sinωtである。Voffmはオフセット補償電圧であり、VTSは、温度補償電圧である。また、Vyは、反転アンプOP1の出力端の電圧であり、SDETは同期検波の参照信号である。
同期検波回路600の同期検波部209内の反転アンプOP1の反転入力端子のノードをノードXとすると、バーチャルショートによって、反転入力端子は非反転入力端子と同電位となる。またノードXでの電流方程式はキルヒホッフの電流方程式から、式(1)のように表現できる。
Figure 2009229171
式(1)をVyについて解くと、式(2),(3)が得られる。
Figure 2009229171
ここでVinを入力信号に戻し、Vyを整理すると、式(4)〜式(6)が得られる。
Figure 2009229171
ここで一般的な同期検波の反転アンプの増幅率は−1であるため、R1=R3である。よって、式(7)が得られる。
Figure 2009229171
ここで、入力している正弦波が参照信号SDETと同相でSDETのデューティ比が50%だったとすると、同期検波出力Voutの出力電圧は、式(8)のようになる。
Figure 2009229171
式(8)において、第1項が反転アンプの出力を示し、第2項が、Vinがそのまま出力された場合の出力を示す。よって式(9)が得られ、これを変形すると、式(10)が得られる。
Figure 2009229171
よって、正常な同期検波が実行され、基準電圧AGNDもそのままであり、かつ、オフセット補償電圧Voffmおよび温度補償電圧VTSが独立に加算されている。
(重ね合わせの原理による加算)
次に、重ね合わせの原理を用いた加算について説明する。オフセット補償電圧Voffmと、温度補償電圧VTSは、互いに独立に加算されなければならない。このためには、重ね合わせの原理を用いて、2つの補償電圧の各々を信号経路に重畳する必要がある。重ね合わせの原理は、「複数の電圧源をもつ線形電気回路において、任意の点の電圧は、各電圧源が単独に存在していた場合の和に等しい」とする原理である。重ね合わせの原理を適用するためには、信号経路の線形性を保証する必要がある。
具体的に言えば、例えば、反転アンプの非反転入力端子(第2の入力ノード)に温度補償電圧VTSを印加する場合、反転アンプの出力信号のレベルは、その温度補償電圧VTSのみに依存して線形に変化することが保証されなければならない(そうでなければ、AGNDに重畳される温度によって変動する電圧成分を打ち消すことができない)。このためには、反転アンプの反転入力端子(第1の入力ノード)とオフセット補償回路との共通接続ノード(ノードXとする)からみた、オフセット補償回路のインピーダンスが常に一定である必要がある。つまり、反転アンプの反転入力端子(第1の入力ノード)に関するオフセット補償回路のインピーダンスは、オフセット補償回路の動作状態に関係なく一定にするのが好ましい。
仮に、オフセット補償回路のインピーダンスが、オフセット補償回路の状態に応じて変動すると、ノードXとオフセット補償回路との間に流れる電流の電流量がオフセット補償回路の状態に応じて変化することになり、ノードXの電圧が変化し、これに対応して反転アンプの出力も変化する。この場合、反転アンプの出力は、「反転アンプの非反転入力端子に印加される温度補償電圧VTSの電圧レベルのみに応じて線形に変化する」ことにはならず、信号経路の線形性が保証されない。
そこで、反転アンプの第1の入力ノード(図3中のノードX)からみたオフセット補償回路210のインピーダンスが、オフセット補償回路210の動作状態に関わらず一定とみなすことができるように、オフセット補償回路210を設計する。これによって、オフセット補償電圧Voffmと温度補償電圧VTSとを、重ね合わせの原理によって、相互に独立に加算することが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、オフセット補償回路210の回路構成の一例(R-2Rラダー方式のD/A変換器を用いる例)について説明する。
(オフセット補償回路の構成)
図4は、R2Rラダー方式のD/A変換回路を用いたオフセット補償回路の構成を示す回路図である。R2Rラダーは、2種類の単位抵抗(抵抗R,抵抗2R)を梯子状に接続して構成される。デコーダ211は、入力される補正データQDをデコードして、(n+1)ビットのデジタルデータ(つまり、電圧V0〜Vn)を出力する。
図5(A),図5(B)は、図4のR2Rラダー回路の動作を説明するための図である。図5(A)において、V0〜Vnの各々の“H”レベルは、例えば、VDDであり、“L”レベルはGNDである。また、D/A変換回路の基準電圧Vdacは、例えばAGNDである。V0〜Vnの各々が、“H”レベルとなるか、“L”レベルとなるかによって、R2Rラダー回路から出力される電圧VAoff(=AGND+Voffm)の電圧レベルを変化させることができる。
以下、数式を用いて説明する。図5(A)において、ノードN0での電流方程式を解くと、式(11)〜式(13)が得られる。
Figure 2009229171
また、ノードN1での電流方程式を解くと、以下の式(14)〜式(17)が得られる。
Figure 2009229171
ここで、上記の式(13)より、下記の式(18),式(19)が得られる。
Figure 2009229171
また、ノードN2での電流方程式を解くと、以下の式(20)〜式(23)が得られる。
Figure 2009229171
ここで、上記の式(19)より、下記の式(24)〜式(26)が得られる。
Figure 2009229171
つまり、ノードNnでの電流方程式を解くと、下記の式(27)が得られる。
Figure 2009229171
ノードNnの電圧は、Vdac、Vo、V1、…、Vnの電圧値で変化する。仮に、Vdac、Vo、V1、…、Vnの各々として、GNDもしくはVDDもしくはAGNDもしくは別の基準電圧(VREF)を入力すれば、ノードNnの電圧が変化する。よって、VAoff(=AGND+Voffm)を作成することも可能である。
次に、図5(B)を用いて、ノードXからみた、R2Rラダー方式のD/A変換回路におけるインピーダンスが一定であることについて説明する。
例えば、V0〜VnがすべてGNDとする。この場合のR2Rラダー回路の等価回路は、図5(B)に示すようになる。V0〜Vnを入力する部分の抵抗は極めて低く、無視することができる。よって、R2Rラダー回路のインピーダンスは、図5(B)の等価回路によって一義的に定まる。つまり、ノードXからみた、R2Rラダー方式のD/A変換回路におけるインピーダンスは、常に一定である。よって、先に説明したように、重ね合わせの原理の適用が可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、オフセット補償回路の変形例について説明する。図6は、オフセット補償回路の他の回路構成に説明するための回路図である。
図6に示すように、オフセット補償回路210には、入力抵抗R30、帰還抵抗R40ならびにオペアンプOP2で構成される反転増幅器が含まれる。帰還抵抗R40は可変抵抗である。帰還抵抗R40の抵抗値を抵抗値調整信号QWによって変化させることによって、反転増幅器の出力電圧(すなわち、オフセット補償電圧)のレベルを自在に変化させることができる。
また、オペアンプOP2の出力インピーダンスは極めて低いため、ノードXからみたインピーダンスは、常に一定であるとみなすことができる。
また、オペアンプOP2の非反転入力端子には高レベル電源電圧VDDを入力し、反転入力端子にはアナログ基準電圧AGNDを入力する。反転増幅器は、VDDとAGNDの差電圧を増幅する。AGNDは、例えば、VDD/2である。VDDとAGNDの各々は、温度に対して同様に変動する。よって、両電圧の差電圧(=VDD−AGND)は、温度に対応して変動しない。よって、オペアンプの増幅率を適切に調整すれば、アナログ基準電圧AGNDに、オフセット補償電圧Voffm(温度に対応して電圧値が変化しない電圧)を重畳した電圧を生成することができる。
図6の反転増幅器の出力電圧VAoffは、以下の式に示すようになる。
VAoff=AGND+(VDD−AGND)・R40/R30
上式において、(VDD−AGND)・R40/R30をVoffmとすれば、VAoff=AGND+Voffmとなる。よって、AGNDを基準として、オフセット補償電圧を生成することができる。図6のオフセット補償回路は、回路構成が簡単である。よって、占有面積の削減やコストの削減が可能である。
(第3の実施形態)
本実施形態では、図1に示される温度補償回路220の具体的な構成の一例およびその動作について説明する。
(温度補償回路の具体的な構成例と動作)
図7は、温度補償回路の一例の構成と動作を説明するための図である。図7に示すように、温度補償回路220は、同じ回路構成をもつ第1および第2のバンドギャップ回路(基準電圧生成回路)BGR1,BGR2と、反転1倍アンプAMP1と、差動アンプAMP2と、可変利得アンプAMP3と、電圧加算器VODと、AGND発生回路226と、を有する。なお、図7には、温度補償回路220における主要な電圧の温度に対する電圧特性が、点線で囲まれて示されている(図7中のW1〜W6参照)。
図7において、説明の便宜上、VBGR1は第1の電圧であり、VBGR2は第2の電圧であり、VGは第3の電圧であり、VNは第4の電圧であり、VYは第5の電圧であり、温度補償後の電圧Vtempは第6の電圧であるとする。
(バンドギャップ回路BGR1,BGR2の構成と動作)
第1のバンドギャップ回路BGR1(以下、BGR1と記載する)と、第2のバンドギャップ回路BGR2(以下、BGR2と記載する)とは、同じ回路構成を有する。但し、BGR1では、第1の抵抗としてRa’を使用し、第2の抵抗としてRb’を使用し、第3の抵抗としてRc’を使用している。一方、BGR2では、第1の抵抗としてRaを使用し、第2の抵抗としてRbを使用し、第3の抵抗としてRcを使用している。同じ回路構成とするのは、BGR1およびBGR2の特性を揃えるためである。
BGR1とBGR2は、同じ半導体プロセス技術を用いて製造され、また、互いに近接して配置されるのが好ましい。このようにすれば、回路を構成する素子のばらつきが同じとなり、抵抗の比精度を高めることができる。つまり、第1の抵抗RaとRa’の抵抗値の比精度は高い。第2の抵抗RbとRb’、第3の抵抗RcとRc’についても同様である。このように、BGR1とBGR2を同じ構成とし、かつ、各抵抗の比精度を高めることによって、BGR1およびBGR2の出力電圧のレベルが、常温(例えば、25℃とする)のときに、同じ電圧値Vaになるようにすることができる。
BGR1からは、温度に比例して増大する信号であるV(BGR1)、すなわち第1の電圧が得られる。一方、BGR2からは、温度に依存しない定電圧であるV(BGR2)、すなわち第2の電圧が得られる。
以下、BGR1およびBGR2の動作について説明する。基本的な構成と動作は、同じであるので、以下、BGR2の動作について説明する。
図7において、OPAはオペアンプ、Ra、Rb、Rcは各々、第1、第2および第3の抵抗を表し、また、Q1およびQ2は、PN接合ダイオード(ダイオード接続のPNPトランジスタ)である。PN接合ダイオードQ1は、Q2と同じサイズのトランジスタをn個並列に接続して構成される。PN接合ダイオードQ1の接合面積は、PN接合ダイオードQ2のn倍(nは2以上の整数)である。PN接合ダイオードQ1を流れる電流をI1とし、PN接合ダイオードQ2を流れる電流をI2とし、例えば、I1=I2であるならば、PN接合ダイオードQ1およびQ2の各々の電流密度の比は1:nとなる。
また、ノードN10およびノードN11の電位は、オペアンプOPAの入力端子がイマジナリショートされていることから等しい。
よって、下記の式(28)が成立する。
Vbe(Q2)=Vbe(Q1)+V(Ra)・・・(28)
ここで、Vbe(Q2)は、PN接合ダイオードQ2の順方向電圧である。また、Vbe(Q1)は、PN接合ダイオードQ2の順方向電圧である。また、V(Ra)は、第1の抵抗Raの両端の電圧である。
式(28)より、下記の式(29)が成立する。
V(Ra)=Vbe(Q2)−Vbe(Q1)・・・(29)
ここで、V(Ra)の温度係数(つまり、V(Ra)を温度で偏微分して得られる係数)をK1とする。同様に、Vbe(Q2)がもつ負の温度係数(Vbe(Q2)を温度で偏微分して得られる係数)をK2とし、Vbe(Q1)がもつ負の温度係数(Vbe(Q1)を温度で偏微分して得られる係数)をK3とする。PN接合ダイオードQ1とQ2は、異なる電流密度でバイアスされているため、Vbe(Q1)の負の温度係数K3の絶対値は、Vbe(Q2)がもつ負の温度係数K2の絶対値よりも大きい。よって、V(Ra)のもつ温度係数は、正の温度係数となる。つまり、負の温度係数K2から、絶対値がより大きな負の温度係数K3を減算すれば、結果的に、正の温度係数K3が得られる。
つまり、第1の抵抗Raの両端電圧は、正の温度係数(つまり、温度の上昇と共に増大する傾向)を有する。このことは、第1の抵抗Raを流れる電流I1が、正の温度係数(温度の上昇と共に増大する傾向)を示すことを意味する。この正の温度係数をもつ電流I1が第2の抵抗Rbに流れることによって、第2の抵抗Rbには、正の温度係数をもつ電圧V(Rb)が生じる。BGR2の出力電圧V(BGR2)=Vbe(Q2)+V(Rb)である。よって、第1〜第3の抵抗Ra〜Rcの各々の抵抗値ならびに、PN接合ダイオードQ1の接合面積(つまり、上述のnの値)を適切に設定することによって、Vbe(Q2)の負の温度係数が、V(Rb)の正の温度係数によって、ほぼ完全に打ち消されることになり、したがって、BGR2の出力電圧V(BGR2)は温度に依存しない電圧(定電圧Va)となる(図7中において、点線で囲んで示されるV(BGR2)の特性図W2を参照)。
以下、具体的に説明する。上述のとおり、第3の抵抗RcおよびPN接合ダイオードQ2を流れる電流はI2であり、第1の抵抗Ra、第2の抵抗RbおよびPN接合ダイオードQ1を流れる電流はI1である。また、PN接合ダイオードQ1,Q2の各々の順方向電圧はVbe(Q1)およびVbe(Q2)である。Vbe(Q1)およびVbe(Q2)は、ダイオードの整流方程式より、式(30)および式(31)で表すことができる。
Vbe(Q1)=(kT/q)ln(I1/Is(Q1))・・・(30)
Vbe(Q2)=(kT/q)ln(I2/Is(Q2))・・・(31)
上式において、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、qは電気素量であり、Is(Q1)およびIs(Q2)は各々、PN接合ダイオードQ1とQ2の飽和電流である。
また、第2の抵抗Rbおよび第3の抵抗Rcについては、下記(32)式が成立する。
I2:I1=Rb:Rc・・・(32)
したがって、下記の式(33)が導かれる。
I1=I2・Rc/Rb・・・(33)
式(29)に式(30),(31)を代入すると、第1の抵抗Raの両端電圧V(Ra)は下記の式(34)で表される。
V(Ra)=(kT/q)ln(I2・Is(Q1)/I1・Is(Q2))・・・・(34)
さらに、式(34)に式(33)を代入すると、下記の式(35)が得られる。
V(Ra)=(kT/q)ln(Rb・Is(Q1)/Rc・Is(Q2))・・・・(35)。
ここで、バンドギャップ回路BGR2の出力電圧V(BGR2)は、下記の式(36)によって表すことができる。
V(BGR2)=V(Ra)・Rb/Ra+Vbe(Q2)・・・(36)
さらに、式(36)に式(35)を代入すると、式(37)が得られる。
V(BGR2)=(Rb/Ra)(kT/q)ln(Rb・Is(Q1)/Rc・Is(Q2))+Vbe(Q2)・・・(37)
ここで、例えば、PN接合ダイオードQ1として、PN接合ダイオードQ2と全く同じレイアウトパターンのn個(nは2以上の整数)のバイポーラトランジスタをアレイ状に並列に結線したものを用いたとすると、PN接合ダイオードQ1の飽和電流Is(Q1)は、PN接合ダイオードQ2の飽和電流Is(Q2)のn倍となる。よって、下記の式(38)が成立する。
Is(Q1)=n・Is(Q2)・・・(38)
ここで、式(38)を、式(36)に代入すると、下記の式(39)を得る。
V(BGR2)=(Rb/Ra)(kT/q)ln(n・Rb/Rc)+Vbe(Q2)・・・(39)
抵抗値Ra,Rb,Rc、ならびに、PN接合ダイオードQ1における、並列接続されるバイポーラトランジスタの個数nは、すべて設計により決まる定数であり、あらためて、定数Gを、以下の式(40)のように定義する。
G=(Rb/Ra)ln(n・Rb/Rc)・・・(40)
V(BGR2)を、定数Gを用いて表すと、以下の式(41)を得る。
V(BGR2)=G・(kT/q)+Vbe(Q2)・・・(41)
ここで、サーマルボルテージ(KT/q)は、温度Tに対して正の傾きk/q(例えば、0.085mV/℃)の線形の関数となる。また、Vbe(Q2)は、サーマルボルテージ(KT/q)ならびにPN接合ダイオードQ2の飽和電流Is(Q2)の温度依存性(温度特性)によって決まる。PN接合ダイオードQ2の飽和電流Is(Q2)は、例えば、約−2mV/℃のほぼ線形に近い温度依存性をもつ。したがって、上記の例では、定数Gを“23”(≒−Is/(kT/q))程度の値にとれば、バンドギャップ回路の出力電圧V(BGR2)を、温度依存性をもたない定電圧とすることができる。
以上、バンドギャップ回路BGR2の動作について具体的に説明した。同様に、バンドギャップ回路BGR1において、第1〜第3の抵抗Ra’〜Rc’の各々の抵抗値を適切に設定することによって、Vbe(Q2)の負の温度係数が、V(Rb)の正の温度係数で完全には打ち消されなくなり、したがって、BGR1の出力電圧V(BGR1)は、例えば、温度に上昇に伴って電圧レベルが減少する特性(つまり、負の温度係数)を有する(図7中において、点線で囲んで示されるV(BGR1)の特性図W1を参照)。
すなわち、上記の例でいえば、定数Gを、例えば、“23”よりも小さくすると、Vbe(Q2)がもつ負の温度係数を完全には打ち消すことができなくなる。よって、バンドギャップ回路の出力電圧V(BGR2)を、例えば、温度に依存して単調に減少する特性をもつ電圧とすることができる。
バンドギャップ回路BGR1およびBGR2は、同じ回路構成をもち、かつ、好ましくは、同一の半導体プロセスを用いて製造され、隣接して配置される。よって、トランジスタや抵抗の比精度が高い。2つのバンドギャップ回路の特性が揃うため、常温(例えば、25℃とする)のとき、バンドギャップ回路BGR1およびBGR2は共に、同じ電圧(例えば、電圧Va)を出力する。常温におけるバンドギャップ回路BGR1およびBGR2の出力電圧レベルに誤差があると、差動アンプAMP2によって両電圧を加算するときに誤差が生じる。よって、バンドギャップ回路BGR1およびBGR2は、同じ回路構成をもつのがよく、さらに好ましくは、同一の半導体プロセスを用いて製造され、互いに近接して配置されるのがよい。このようにすれば、2つのバンドギャップ回路BGR1およびBGR2の特性を、高精度に揃えることができる。
なお、バンドギャップ回路BGR1,BGR2の回路構成は、図7に記載されるものに限定されず、種々のものを使用することができる。例えば、オペアンプOPAの代わりにカレントミラー回路を使用することもできる。また、MOSトランジスタのサブスレッショルド電圧を利用したバンドギャップ回路等を使用してもよい。
(反転アンプ(具体的には反転1倍アンプ)AMP1の構成と動作)
図7において、バンドギャップ回路BGR2の出力電圧V(BGR2)は、反転1倍アンプAMP1の非反転入力端子に入力される。反転1倍アンプAMP1は、オペアンプOP10と、抵抗R10と、抵抗R20とによって構成される。反転1倍アンプAMP1において、抵抗R10の抵抗値と抵抗R20の抵抗値は等しい。すなわち、R10=R20である。このような表記の場合、R10は、抵抗R10の抵抗値を示し、R20は、抵抗R20の抵抗値を示す(以下の説明でも同様である)。但し、回路構成上、抵抗R10の抵抗値と抵抗R20の抵抗値が異なる場合もあり得る。
バンドギャップ回路BGR1の出力電圧V(BGR1)は、抵抗R10を経由してオペアンプOP10の反転入力端子に入力される。また、バンドギャップ回路BGR2の出力電圧V(BGR2)は、オペアンプOP10の非反転入力端子に直接に入力される。したがって、反転1倍アンプAMP1は、温度に依存しない電圧V(BGR2)と、温度に対して単調減少する特性をもつV(BGR1)の差を反転1倍増幅する。反転1倍アンプAMP1からは、温度上昇に伴って電圧値が増大する、温度に依存した電圧(第3の電圧)VGが得られる(図7中の、点線で囲んで示されるVGの特性図W3を参照)。2つのバンドギャップ回路(BGR1およびBGR2)の特性が揃っていることから、電圧VGの温度特性は高精度に決定される。また、反転1倍アンプAMP1は差動アンプであるため、2つの入力(V(BGR1),V(BGR2))に重畳する同極性のノイズは相殺され、低ノイズ化が実現される。
(差動アンプAMP2の構成と動作)
差動アンプAMP2の構成と動作を説明するために、図7では、第1ノードND1〜第12ノードND12の各々を設定している。これらのノード(節点)は、主として、抵抗の位置を正確に特定するため、ならびに、主要な箇所の電位を特定するために使用される。
バンドギャップ回路BGR1の出力電圧V(BGR1)および反転1倍アンプAMP1の出力電圧VGの各々は、差動アンプAMP2の反転入力端子および非反転入力端子の各々に入力される。
差動アンプAMP2は、オペアンプOP20と、第1ノードND1と第2ノード(オペアンプOP20の反転入力端子)ND2との間に接続される第1の抵抗R30と、第3ノードND3と第4ノード(オペアンプOP20の非反転入力端子)ND4との間に接続される第2の抵抗R40と、第5ノード(オペアンプOP20の出力ノード)ND5と第2ノードND2との間に接続される第3の抵抗R50と、第4ノードND4と第6ノード(AGNDノード)ND6との間に接続される第4の抵抗R60と、を有する。
第6のノードND6には、AGND発生回路226によって生成されたアナログ基準電圧(直流バイアス電圧)AGNDが印加される。温度補償後の基準電圧Vtempを生成する場合の基準電圧はAGNDであるからである。
図1を用いて説明したように、温度補償回路220の役割は、例えば、信号伝送路のアナログ基準電圧(直流バイアス電圧)AGNDの電圧レベルを、周囲温度が変化した場合でも、常温(25℃)時の電圧レベル(つまり、AGND(25℃))に維持することである。図1に示したとおり、温度オフセットをキャンセルするための温度補償電圧VTSは、AGNDに重畳される。実際のアナログ基準電圧AGNDに温度補償電圧VTSが重畳された電圧を、温度補償後の電圧Vtempとすると、例えば、広い温度範囲にわたって、以下の式が成立する。Vtemp=AGND+VTS=AGND(25℃)。AGND(25℃)は、常温におけるAGNDの電圧レベルを示す。温度補償後の基準電圧Vtempを生成するためには、AGNDを基準とした回路動作が必要であり、したがって、オペアンプOP20の非反転入力端子(第4ノードND4)にはAGNDが印加される。
第1の抵抗R30〜第4の抵抗R60の抵抗値を調整することによって、差動アンプAMP2のゲインを調整することができる。ここで、抵抗R30の抵抗値と抵抗R40の抵抗値を等しく設定するのが好ましい。また、抵抗R50の抵抗値と抵抗R60の抵抗値を等しく設定するのが好ましい。つまり、差動アンプAMP2において、R30=R40かつR50=R60が成立するのが好ましい。
差動アンプAMP2は、基本的には、V(BGR1)とVGの差電圧を、−(R50/R30)倍する(具体的な動作は図11を用いて説明する)。
この結果、差動アンプAMP2の出力ノードND6からは、温度の上昇に伴って電圧が増大する特性(つまり、正の温度係数)をもつ電圧VNが得られる(図7中の、点線で囲んで示される電圧VNの特性図W4参照)。電圧VNの特性図W4に示すように、電圧VNは、常温(25℃)のときに、その電圧値がAGND(25℃)になる。電圧VGは、常温(25℃)のときに、その電圧値がVaであった。電圧VGと電圧VNは共に、電圧レベルが温度に比例するという特性を有し、各電圧の特性を示す特性線の傾きは、例えば同一である。つまり、電圧VNの特性線は、例えば、常温(25℃)に対する電圧レベルがAGND(25℃)となるように、電圧VGの特性線を、常温におけるアナログ基準電圧AGND(25℃)と電圧Vaとの差電圧分だけ、上側に平行移動させることによって得られたとみることができる(AGND(25℃)≧Va)。
差動アンプAMP2において、オペアンプOP20の非反転入力端子(第4ノードND4)の電圧レベルは、(AGND+VG)となる。オペアンプOP20の反転入力端子(第2ノードND2)の電圧レベルはV(BGR1)である。それらの差電圧が、(R50/R30)倍(反転増幅)される。これによって、特性図W4に示すような、電圧VNについての特性線が得られる。つまり、常温(25℃)のときにAGND(25℃)となり、かつ、温度上昇に対して電圧レベルが増大する特性(つまり、正の温度係数)をもつ電圧(第4の電圧)VNが得られる。
以下、差動アンプAMP2の動作を図11を用いて、より具体的に説明する。図11は、図7の差動アンプの伝達関数について説明するための図である。図11では、説明の便宜上、4つの抵抗R1〜R4を用いている。抵抗R1は、図7の第1の抵抗R30に相当する。抵抗R2は、図7の第2の抵抗R40に相当する。抵抗R3は、図7の第3の抵抗R50に相当する。抵抗R4は、図7の第4の抵抗R60に相当する。また、オペアンプOP20の反転入力端子にV1が印加され、非反転入力端子にV2が印加されるものとする。また、オペアンプOP20の出力をVoutとする。また、抵抗R1と抵抗R3の共通接続点の電位をVxとし、抵抗R2と抵抗R4の共通接続点の電位をVsとする。また、基準電圧をVRefと記載する。Vrefは、例えばAGNDである。また、抵抗R1と抵抗R3の共通接続点に流れ込む電流をi1とする。図11においては、下記の式(42)および式(43)が成立する。
Figure 2009229171
バーチャルショートにより、Vx=Vsである。これにより、上記式(43)は、下記式(44)のように表わすことができる。また、上記の式(42)をVxについてまとめると、下記の式(45)が得られる。同様に、式(44)をVxについてまとめれば、下記の式(46)が得られる。
Figure 2009229171
また、式(46)をVxについて解くと、式(47)が得られる。次に、式(47)を上記の式(45)に代入すると式(48)が得られる。式(48)を変形すると、式(49)が得られる。
Figure 2009229171
ここで、パラメータxを式(50)のように定義する。パラメータxを用いて上記の式(49)を変形すると、下記の式(51)が得られる。式(51)をVoutについて解くと、式(52)が得られる。そして、ここでR1=R2,R3=R4とすると、Voutは、式(53)のようになる。
Figure 2009229171
上記の式(53)からわかるように、R1=R2,R3=R4のとき、Vref(つまり、任意の電圧であるAGND(アナログ基準電圧))は、Voutについての数式(式(52))において、独立項として表現される。つまり、図11のオペアンプOP20は、R1=R2,R3=R4のとき、入力電圧V1とV2の差電圧を、−(R3/R1)倍し、その−(R3/R1)倍された電圧にVref(=AGND)を単独で加算する演算を実行し、その結果、出力電圧Voutが得られる。すなわち、R1=R2,R3=R4のとき、式(53)から明らかなように、オペアンプOP20の2つの入力電圧V1,V2の差電圧が反転増幅され、その増幅率は、オペアンプOP20の反転入力端子に一端が接続される第1の抵抗R1と帰還抵抗R3の抵抗値の比で決定され、かつ、オペアンプOP20の出力電圧の電圧レベルは、任意の基準電圧Vref(=AGND)を基準として、反転増幅された電圧分だけ、正極性あるいは負極性に変化する。つまり、図11の差動アンプAMP20は、基準電圧Vref(=AGND)を基準として動作し、かつ、2つの入力電圧(V1,V2)の差を、(R3/R1)倍する反転増幅回路となる。
以上の説明から明らかなように、図7の差動アンプAMP2の場合、R30=R40,かつ、R50=R60のとき、第1のバンドギャップ回路BGR1の出力電圧V(BGR1)と、反転1倍アンプAMP1の出力電圧VGの差電圧が、(−R50/R30)倍され、その(−R50/R30)倍された電圧にAGNDが単独で加算される。その結果、電圧VNが得られる。図7の差動アンプAMP2は、基準電圧Vref(=AGND)を基準として動作し、かつ、2つの入力電圧(V1,V2)の差を、(R3/R1)倍する反転増幅回路となる。
差動アンプAMP2の出力電圧VNは、「温度に依存した電圧」と、「温度に依存しない電圧」との差電圧を、電位極性を逆にして所定の増幅率で増幅した電圧(つまり、温度補償電圧VTS)を、アナログ基準電圧AGNDに加算した形式で表わすことができる。つまり、VN=AGND+VTSと表現され、電圧VNは、温度補償後のアナログ基準電圧Vtempとみることができる。したがって、電圧VNによって、図1の同期検波回路600内のオペアンプOP1の非反転入力端子をバイアスすれば、同期検波回路600の温度補償がなされたことになる。つまり、正の温度係数をもつ第4の電圧VNは、基本的には、温度補償後のアナログ基準電圧(Vtemp)として利用することができる。
(可変利得アンプAMP3の構成と動作)
図7に戻って説明を続ける。上述した、正の温度係数をもつ第4の電圧VNは、基本的には、温度補償後のアナログ基準電圧(Vtemp)として利用することができる。但し、回路設計上、何らかの理由によって、温度補償後の電圧Vtempが、温度に対して所望の温度係数をもつ(温度に対して有感である)ことが必要となる場合も想定され得る。図7の温度補償回路220が、そのような要求も満足させることができれば、種々の回路の多様な要求に、柔軟に対応することが可能となる。
そこで、図7の温度補償回路220では、さらに、可変利得アンプAMP3および電圧加算器VODを設けて、電圧VNの特性線の傾きを自在に調整し、この結果、多様な温度特性をもつVtemp(=AGND+VTS)を自在に生成することを可能とする。
可変利得アンプAMP3は、オペアンプOP30と、第7ノードND7と第8ノードND8(オペアンプOP30の反転入力端子)との間に接続された可変抵抗R70(第5の抵抗)と、第9ノード(オペアンプOP3の非反転入力端子)ND9と第10ノード(AGNDノード)ND10との間に接続される抵抗R90(第6の抵抗)と、オペアンプOP30の出力ノードND11と第8ノードND8との間に接続される可変抵抗(抵抗値が可変の帰還抵抗:第7の抵抗)R80と、を有する。
可変利得アンプAMP3の増幅率は、可変抵抗R70と可変抵抗R80の抵抗値を変化させることによって自由に調整することができる。可変抵抗R70と可変抵抗R80の抵抗値は、抵抗値調整信号によって調整され得る。また、可変利得アンプAMP3は、反転アンプである。また、可変利得アンプAMP3を構成するオペアンプOP30の非反転入力端子には、AGND発生回路226からのAGNDが印加されている。よって、可変利得アンプAMP3はAGNDを基準として動作する反転増幅回路となり、その増幅率は(R80/R70)で決定される。可変利得アンプAMP3の出力電圧VYの温度特性は、負の温度係数をもち、具体的には、例えば、温度に対する電圧レベルの特性が、傾きが負の1次関数で表わされる(つまり温度に対して負の1次比例の特性を有する)。そして、第5の電圧VYの温度特性を示す特性線の傾きは、可変抵抗R70と可変抵抗R80の抵抗値を変化させることによって、自由に調整することができる(図7において、点線で囲んで示される電圧VYの特性図W5を参照)。この第5の電圧VYを、温度補償後の電圧Vtempとして利用することも可能である。
(電圧加算器VODの構成と動作)
電圧加算器VODは、第11ノードND11と第12ノードND12との間に接続された第1の電圧加算用抵抗R100と、第7ノードND7と第12ノードND12との間に接続された第2の電圧加算用抵抗R110と、によって構成される。第12ノードND12は、第1の電圧加算用抵抗R100と第2の電圧加算用抵抗R110との共通接続ノード共通接続ノードである。
電圧加算器VODを構成する2つの抵抗(第1の電圧加算用抵抗R100および第2の電圧加算用抵抗R110)の抵抗値は、例えば、同一値に設定される。電圧加算器VODでは、電圧VY(正の温度特性をもつ電圧)に電圧VN(負の温度特性をもつ電圧)が加算され、この結果、温度補償後の電圧Vtemp(=AGND+VTS)が生成される。
第5の電圧VYと第4の電圧VNは共に、AGNDを基準として生成された電圧であり、常温(25℃)のときには電圧値がAGND(25℃)となる。周囲温度が常温(25℃)以外の温度になったときは、温度補償後の基準電圧Vtempの電圧レベルは、(VY−VN)で決定される。特性図W4に示される第4の電圧VNの特性線の線分の傾きと、特性図W5に示される第5の電圧VYの特性線の線分の傾きが同一であるとすれば、第5の電圧VYと第4の電圧VNは打ち相殺され、よって、Vtempの電圧レベルは、広範囲の温度領域において、AGND(25℃)に維持される。つまり、可変利得アンプAMP3において、抵抗R70=R80とすると、可変利得アンプAMP3は単に、反転1倍アンプとして機能する。この場合、Vtempは、広範囲の温度領域においてAGND(25℃)に維持される。よって、AGNDについての温度補償が実現される(図7において点線で囲んで示される、Vtempの特性図W6を参照)。
Vtempの特性図W6からわかるように、温度補償後の電圧Vtempの電圧レベルが、広範囲な温度領域においてAGND(25℃)に維持される場合を想定すると、実際のAGNDと、AGND(25℃)との差電圧が温度補償電圧VTSとなる。つまり、図1に示したように、温度補償後の電圧Vtempは、実際のアナログ基準電圧AGNDに温度補償電圧VTSを加算することによって得られる(Vtemp=AGND+VTS)。実際のAGNDの電圧の極性が、AGND(25℃)を基準として負極性ならば、温度補償電圧VTSの極性は、実際のAGNDを基準として正極性の電圧となる。実際のAGNDの電圧の極性が、AGND(25℃)を基準として正極性ならば、温度補償電圧VTSの極性は、実際のAGNDを基準として負極性の電圧となる。
つまり、実際のAGNDは負の温度係数をもつが、正の温度係数をもつ温度補償電圧VTSによって、その負の温度係数が打ち消される。よって、温度補償後のAGND電圧であるVtempは、温度に依存せずに、広範囲な温度領域において一定(=AGND(25℃))となる。
また、電圧加算器VODでは、電圧VNと、電圧VY(電圧VNを反転増幅して形成される電圧)を加算しているため、電圧VNに重畳するノイズ(特にホワイトノイズ)を打ち消すことができる。よって、温度補償後の電圧(Vtemp)を、さらに低ノイズ化することができる。
このようにして、アナログ基準電圧AGND(アナロググランド)についての温度補償が実現される。
また、回路の温度特性を補償する場合に、何らかの理由によって、温度補償後の電圧Vtempが、温度に対して所望の温度係数をもつ(温度に対して有感である)ことが必要となる場合も想定され得る。図7の温度補償回路220は、そのような要求を満足させることができる。つまり、温度補償電圧VTSの電圧レベルは、可変利得アンプAMP3の出力電圧VYの温度特性(つまり、特性線の傾き)を制御することによって、自在に調整することができる。
すなわち、VTempの特性図W6には、点線で示される複数の特性線が示されている。このように、温度補償後の電圧Vtempの温度に対する特性は、可変利得アンプAMP3のゲインを調整することによって、自在に調整することができる。よって、本実施形態の温度補償回路は、種々の回路の多様な要求に、柔軟に対応することができる。つまり、本実施形態によれば、高精度の温度補償が可能となり、かつ、柔軟性の高い温度補償回路が実現される。
(第4の実施形態)
本実施形態では、物理量測定装置(IC)を用いたジャイロセンサについて説明する。物理量測定装置(IC)には、例えば、物理量トランスデューサとしての水晶振動子が接続される。
ジャイロセンサには、物体に働く力の検出方法によって回転型や振動型等がある。中でも、振動型ジャイロセンサは、構成部品等の観点から小型化や低コスト化に有利とされている。物体に働く角速度を検出する振動型ジャイロセンサには、信頼性や小型化に有利な水晶や圧電素子を励振する圧電振動型ジャイロセンサがある。圧電振動型ジャイロセンサは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。
例えば、角速度を検出する振動型ジャイロセンサでは、物理量トランスデューサ(振動子)に一定方向の駆動振動が励振される。この振動子に角速度が加わると、駆動振動と垂直な方向にコリオリ力が生じ、これによって検出振動が生じる。検出振動は駆動振動に直交する方向に生じるため、検出信号(検出振動による信号成分)は駆動信号(駆動振動による信号成分)と位相が90度ずれている。このことを利用して、上述の同期検波によって検出信号を、駆動信号とは区別して検出することができる。振動子として水晶振動子を用いると、振動型ジャイロセンサの小型化ならびに信頼性の向上を図ることができる。振動型ジャイロセンサが適用される用途は広く、例えばビデオカメラやデジタルカメラの手振れ検出や、カーナビゲーションシステムのGPS(Global Positioning System)の位置検出、航空機やロボットの姿勢検出等に用いられる。
図8は、ジャイロイセンサの構成の一例を示す図である。ジャイロセンサ510は、物理量測定装置(IC)100と、物理量トランスデューサ(振動子)TDUと、を含む。物理量測定装置(IC)100は、発振駆動回路150を有する発振回路140と、検出回路900と、を有する。発振駆動回路150の2つの接続端子TM1,TM2の各々には、物理量トランスデューサ(振動子)TDUの端子J1および端子J2が接続される。発振駆動回路150は、同期検波参照信号SDETを出力する。
検出回路900は、交流増幅回路580と、移相器590と、同期検波回路600と、ローパスフィルタ(LPF)700と、調整テーブル302を内蔵するROM301と、を有する。必要に応じて、A/D変換回路800が設けられる。
交流増幅回路580は、物理量トランスデューサ(振動子)TDUの端子J3および端子J4の各々から出力される物理量信号(すなわち、入力信号Vin)を増幅する電流/電圧変換型のアンプOPA1およびOPA2と、差動増幅器OPA3と、を有する。移相器590は、交流増幅回路580から出力される信号の位相を調整する。
同期検波回路600は、先に説明したように、オフセット補償回路210と、温度補償回路220と、を有する。同期検波回路600の動作は、上述のとおりである。オフセット補償回路210から出力されるオフセット補償信号Voffmの電圧レベルは、ROM301からの補正データQD(図4のR2Rラダー回路の抵抗値を調整するための補正データ)あるいは抵抗値調整信号QW(図6の回路の帰還抵抗R40の抵抗値を調整するための調整信号)によって制御される。
また、温度補償回路220から出力される温度補償信号VTSの電圧レベルは、ROM301から出力される抵抗値調整信号QS(図7の可変利得アンプAMP3の抵抗値を調整するための調整信号)によって制御される。
図9は、図8の発振駆動回路の構成の一例を示す図である。発振駆動回路150の接続端子TM1,TM2には、振動子(物理量トランスデューサ)TDUが接続される。発振駆動回路150および振動子(物理量トランスデューサ)TDUは発振ループを構成する。
発振駆動回路150は、初段のアンプ30と、可変利得アンプ20と、AGC回路40と、参照信号生成回路200として機能するコンパレータ50と、を有する。コンパレータ50は、同期検波用の参照信号SDETを生成する。この参照信号SDETは、同期検波回路600に供給される(図1および図2参照)。AGC回路40は、全波整流器42と、積分器46とを有する。積分器46から出力される利得制御信号VCTLによって、可変利得アンプ20の利得が制御される。
(第5の実施形態)
本実施形態では、本発明の物理量測定装置を搭載した電子機器の一例について説明する。図10は、本発明の物理量測定装置を搭載した電子機器の構成例を示す図である。
図10の電子機器(例えば、デジタルカメラ)1000は、ジャイロセンサ(物理量測定装置)510と、表示部550と、CPU等の処理部520と、メモリ530と、操作部540と、を有している。ジャイロセンサ510は、物理量測定装置(IC)100を有する。物理量測定装置100には、発振駆動回路150および検出回路900と、を有する。また、物理量測定装置100には、物理量トランスデューサ(振動子)TDUが接続されている。
物理量測定装置100の検出回路900は、上述のとおり、オフセット電圧ならびに温度オフセットを高精度にキャンセルすることができる。よって、物理量トランスデューサ(TDU)が接続されたジャイロセンサ510は高い検出性能を有する。同様に、本発明のジャイロセンサ510を内蔵する電子機器1000は、物理量を高精度で検出することができる。よって、本発明のジャイロセンサ510を搭載することによって、電子機器1000の性能が向上する。電子機器1000は、デジタルカメラの他、カーナビゲーションシステムや航空機やロボットであってもよい。
以上の実施形態によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。但し、以下の効果は同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が、本発明の技術的範囲を不当に限定する根拠とされてはならない。
(1)同期検波回路(検出回路)の出力信号に重畳されるオフセット電圧の補償および信号経路の直流基準電圧の温度に依存した変動分の補償の双方を実現すると共に、これらの補償に伴うノイズを最小化することができ、検出回路の検出精度をさらに向上させることができる。
(2)同期検波回路において、オフセット補償ならびに温度補償をまとめて行うことができるため、検出回路全体として、効率的なレイアウトを実現することができる。
(3)同期検波回路においてオフセットキャンセル処理が実現されるため、同期検波回路以後に、オフセットキャンセル回路(ゼロ点調整回路)を設ける必要がない。
(同期検波回路(検出回路)を搭載するIC内に、オフセットキャンセルための調整データを格納しているメモリ回路(例えば、EPROM等の不揮発性メモリ)を設けることによって、例えば、ルックアップテーブル方式を用いて、オフセット電圧のキャンセル処理を自動化することができる。
(4)極めて高い検出感度を有する、同期検波回路を有する検出回路が実現される。
(5)微小な物理量信号に基づいて、物理量を、極めて高感度で測定することができる物理量測定装置が実現される。
(6)振動子からの信号に基づいて、物理量を高精度(高感度)で検出することができるジャイロセンサが実現される。
(7)物理量測定装置による測定結果に基づいて、例えば、電子機器の動作を制御したり、あるいは、測定結果を電子機器の表示画面上に表示したりすることができる。高精度の物理量測定が実現されるため、電子機器の性能も向上する。
(8)本発明の検出回路は、センサからの信号を入力とする検出回路のみならず、通信信号の検波回路としても利用することができる。この場合、同期検波回路は直交検波回路(あるいは周波数変換を行うミキサ回路)として動作する。参照信号としては、例えば、搬送波を使用することができる。
以上、本実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。例えば、上記の説明では、同期検波回路と記載されているが、通信分野ではミキサと呼ばれることがある。すなわち、同期検波回路も、交流を直流に変換する(周波数変換をする)機能をもつため、ミキサとみることもできる。同期検波回路は、例えば、シングルバランスミキサあるいはダブルバランスミキサの回路構成を用いて実現することができる。
また、上述の実施形態では同期検波回路を用いた例について説明したが、他の検波回路、例えば、包絡線検波回路や遅延検波回路を使用する場合においても、本発明を適用することができる。すなわち、本発明は、検波回路(検波回路を含む検出回路)のオフセット補償ならびに温度補償を行う技術として、広く利用することができる。
本発明は、ノイズを最小化しつつ、同期検波回路(同期検波回路を内蔵する検出回路)のオフセット補償および温度補償を実行することができ、同期検波回路(同期検波回路を内蔵する検出回路)のS/Nをさらに向上させることができるという効果を奏し、例えば、同期検波回路(同期検波回路を内蔵する検出回路)、物理量測定装置、ジャイロセンサおよび電子機器等として有用である。
本発明の同期検波回路(ならびに同期検波回路を内蔵する検出回路)の構成の一例を示す回路図 同期検波回路の動作を説明するための図 オフセット補償電圧と温度補償電圧との関係、および両電圧の加算方式について説明するための図 R2Rラダー方式のD/A変換回路を用いたオフセット補償回路の構成を示す回路図 図5(A),図5(B)は、R2Rラダー回路の動作を説明するための図 オフセット補償回路の他の構成を示す回路図 温度補償回路の一例の構成と動作を説明するための図 物理量測定装置およびジャイロイセンサの構成の一例を示す図 発振駆動回路の構成の一例を示す図 電子機器の構成の一例を示す図 図7に示される差動アンプの伝達関数について説明するための図
符号の説明
100 物理量測定装置、209 同期検波部、210 オフセット補償回路、
220 温度補償回路、230 ROM、232 調整テーブル、
600 同期検波回路、700 ローパスフィルタ(平滑回路)、
800 A/D変換器、900 検出回路

Claims (12)

  1. 交流信号を同期検波する同期検波回路であって、
    前記直流電圧信号に重畳されるオフセット電圧を補償するためのオフセット補償電圧を生成するオフセット補償回路と、
    前記検出回路内の信号経路における直流基準電圧の温度に依存した変動を補償するための温度補償電圧を生成する温度補償回路と、
    を有し、
    前記オフセット補償電圧および前記温度補償電圧の各々を、前記同期検波回路に入力される前記交流信号に重畳し、
    前記同期検波回路は、前記オフセット補償電圧および前記温度補償電圧が重畳された前記交流信号を同期検波することを特徴とする同期検波回路。
  2. 請求項1記載の同期検波回路であって、
    前記同期検波回路に含まれる、前記交流信号の電圧レベルを反転する反転アンプの第1の入力ノードの前記直流基準電圧に前記オフセット補償電圧が重畳され、前記反転アンプの第2の入力ノードの前記直流基準電圧に前記温度補償電圧が重畳され、
    前記反転アンプの前記第2の入力ノードの前記直流基準電圧は、前記第1の入力ノードの前記直流基準電圧から電気的に分離されていることを特徴とする同期検波回路。
  3. 請求項2記載の同期検波回路であって、
    前記反転アンプの前記第1の入力ノードからみた前記オフセット補償回路のインピーダンスは、前記オフセット補償回路の動作状態に関わらず一定であることを特徴とする同期検波回路。
  4. 請求項3記載の同期検波回路であって、
    前記オフセット補償回路は、R2Rラダー方式のD/A変換器であり、前記反転アンプの前記第1のノードからみた前記R2Rラダーのインピーダンスが一定であることを特徴とする同期検波回路。
  5. 請求項3記載の同期検波回路であって、
    前記オフセット補償回路は、前記オフセット補償電圧を出力するオペアンプを有し、前記オペアンプの出力インピーダンスが一定であることによって、前記反転アンプの前記第1のノードからみた前記オフセット補償回路のインピーダンスが一定になることを特徴とする同期検波回路。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の同期検波回路と、
    前記同期検波回路の出力信号を平滑する平滑回路と、
    を有することを特徴とする検出回路。
  7. 請求項6記載の検出回路であって、
    前記オフセット補償回路の動作制御のための調整データを格納しているメモリ回路を、さらに有することを特徴とする検出回路。
  8. 測定対象である物理量信号が入力される、前記請求項6または請求項7に記載の検出回路を有することを特徴とする物理量測定装置。
  9. 請求項8記載の物理量測定装置であって、
    前記物理量信号は、センサとしての振動子から出力され、
    前記物理量測定装置は、さらに、
    前記振動子と共に発振ループを形成し、前記振動子に駆動振動を励振するための発振駆動回路を有し、
    前記発振駆動回路は、前記発振ループ内の信号に基づいて、前記検出回路における前記同期検波用の参照信号を生成し、前記参照信号を前記検出回路に供給することを特徴とする物理量測定装置。
  10. 請求項9記載の物理量測定装置と、前記物理量信号を出力する前記振動子と、を有することを特徴とするジャイロセンサ。
  11. 請求項8または請求項9記載の物理量測定装置を有することを特徴とする電子機器。
  12. 請求項10記載のジャイロセンサを有することを特徴とする電子機器。
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