JP2009228506A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】プラグ碍子の破損を抑制し、点火プラグのくすぶりを解消することを課題とする。
【解決手段】エンジン(1)は、エンジン(1)の回転数と負荷とに基づいて、点火プラグ(10)のくすぶり進行度を判定し、判定したくすぶり進行度に基づいて、点火プラグ(10)の装着されたシリンダヘッド(4)に形成されたヘッド冷媒通路(11)内への冷媒の流通を制御することにより、点火プラグ(10)におけるカーボンが付着する付着部(10a)の温度を調整する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン(1)は、エンジン(1)の回転数と負荷とに基づいて、点火プラグ(10)のくすぶり進行度を判定し、判定したくすぶり進行度に基づいて、点火プラグ(10)の装着されたシリンダヘッド(4)に形成されたヘッド冷媒通路(11)内への冷媒の流通を制御することにより、点火プラグ(10)におけるカーボンが付着する付着部(10a)の温度を調整する。
【選択図】図1
Description
本発明は、点火プラグに発生するくすぶりの状態を解消するエンジンに関する。
従来、ガソリンエンジンにおいて混合気へ点火する装置として点火プラグがある。点火プラグは、ガソリンエンジンの燃焼室内に中心電極と側方電極とを突き出して装着されている。点火プラグは、これらの電極間、いわゆる火花放電ギャップにおいて、高電圧を放電することにより点火し、燃焼室内の混合気を燃焼させる。
ところで、このような点火プラグの点火時に、燃焼室内の混合気がリッチな場合や、燃料と空気とが十分に混合されていない場合には、不完全な燃焼が起こり、点火プラグの中心電極や側方電極にカーボンが付着することがある。このように中心電極や側方電極にカーボンが付着すると、火花放電ギャップにおける放電に不具合が生じ、混合気を燃焼させることができなくなる。いわゆる、点火プラグのくすぶりの状態となる。このような状態は、電極が低温になる場合に発生しやすいことが知られている。
例えば、エンジン始動後、十分暖機する前にエンジンを停止するようなショートトリップが繰り返される場合や、エンジンが頻繁に停止するハイブリッド車両では、エンジンが暖機されにくいため、点火プラグのくすぶりが発生しやすく、エンジン動作中の失火や、次回始動時の始動不良に陥ることが考えられる。
このような状態を解消するくすぶり解消制御装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているくすぶり解消制御装置は、エンジン停止前に燃料噴射を一定時間停止した状態でプラグの放電のみを行う、いわゆる空点火を行い、くすぶりを解消する。
ところで、このような空点火では、点火プラグの電極を流れる電流がプラグ碍子表面に付着したカーボンへ伝わり、火花放電するため、カーボンが焼き切れる。しかしながら、このような空点火を多用した場合、プラグ碍子が破損することが考えられる。
そこで、本発明は、プラグ碍子を破損させることなく、点火プラグのくすぶりを解消することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンは、点火プラグのくすぶり進行度を判定する判定手段と、当該判定手段が判定するくすぶり進行度に基づいて、前記点火プラグにおけるカーボンが付着する部位の温度を調整する温度調整手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、空点火を行うことなく、くすぶりの状態を解消することができる。本発明のエンジンは、点火プラグのくすぶりが進行していると判断する場合、点火プラグにおけるカーボンが付着すると予想される部位(以下、単に「付着部」と称する。)の温度を上昇させることができる。これにより、カーボンを焼ききり、くすぶりの状態を解消することができる。また、本発明のエンジンは、空点火を行うことなく、付着部の温度を上昇させてくすぶりを解消するため、空点火を行う場合と比較してプラグ碍子の破損を抑制できる。このようなエンジンは、付着部の温度が高い場合にあたかも点火プラグの熱価を上昇させ、付着部の温度が低い場合にあたかも点火プラグの熱価を低下させるような制御をすることができる。
このようなエンジンにおいて、前記温度調整手段は、前記点火プラグの装着されるシリンダヘッドに形成された冷媒通路と、当該冷媒通路への冷媒の流通状態を制御する制御手段と、を備えた構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、冷媒通路内への冷媒の流通を制御することにより、付着部から奪い去る熱量を変更することができる。これにより、点火プラグの付着部の温度を調節し、くすぶりの状態を解消することができる。このため、本発明のエンジンは、点火プラグのくすぶりが進行していると判断する場合、冷媒の流通を制限し、付着部の温度を上昇させることにより、くすぶりを解消することができる。
ところで、エンジンの燃料として、通常使用される燃料と比較して揮発しにくい性質を有する重質燃料が用いられる場合がある。このような重質燃料は、液状のまま壁面等に付着しやすい。このため、点火プラグの付着部へカーボンが付着しやすい。本発明のエンジンは、燃料の性状を検出する燃料性状検出手段と、点火プラグにおける付着部の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料性状検出手段により検出される燃料の性状と前記温度検出手段により検出される付着部の温度とに基づいて、前記点火プラグにおける付着部の温度を調整する温度調整手段と、を備えた構成とすることができる(請求項3)。このような構成とすることにより、重質燃料が用いられる場合において、点火プラグのくすぶり状態を抑制することができる。本発明のエンジンは、検出される情報に基づいて、付着部へカーボンが付着しやすい状態であると判断する場合、付着部の温度を上昇することができる。これにより、付着部におけるカーボンの付着が抑制され、点火プラグがくすぶりの状態となることを抑制できる。また、このようなエンジンは、点火プラグにおける付着部の温度に代えて、点火プラグにおける付着部の温度を予測、算出することのできる他の部位の温度に基づき、処理を行うことができる。
また、本発明のエンジンは、運転状態を検出する検出手段と、当該検出手段により検出される運転状態に基づいて、点火プラグにおける付着部の温度を調整する温度調整手段と、を備えた構成とすることができる(請求項4)。このような構成とすることにより、点火プラグのくすぶり状態を抑制することができる。このようなエンジンの運転状態は、例えば、エンジン回転数、エンジン負荷に基づいて算出することができる。エンジンが低回転、低負荷で運転される場合、くすぶりを抑制するように付着部の温度を調整することができる。
本発明は、プラグ碍子を破損させることなく、くすぶりの状態を解消することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例のエンジン1の概略構成を示した説明図である。エンジン1は、4気筒のガソリンエンジンであり、シリンダブロック3、シリンダヘッド4を備えている。シリンダブロック3内には、ピストン5、コンロッド6、クランクシャフト7が組み付けられている。また、シリンダブロック3内部には、冷媒の流通するブロック冷媒通路8が形成されている。
シリンダヘッド4内には、燃焼室9内の混合気に点火をする点火プラグ10が備えられている。この点火プラグ10において、燃焼室9内で生じるカーボンが付着しやすい部位を付着部10aとする。この点火プラグ10の周囲には、冷媒の流通するヘッド冷媒通路11が形成されている。図2は、点火プラグ10を通る水平面で切断したシリンダヘッド4の断面図である。図1及び図2に示すように、ヘッド冷媒通路11は、点火プラグ10に近い側に形成された第1ヘッド冷媒通路11aと、第1ヘッド冷媒通路11aの外側に形成された第2ヘッド冷媒通路11bとを備えている。また、図1に示すように、第2ヘッド冷媒通路11bとブロック冷媒通路8とは、連通路12により接続されており、冷媒が第2ヘッド冷媒通路11bからブロック冷媒通路8へ流通することができる。また、シリンダヘッド4内部には、吸気ポート13、排気ポート14が形成されている。この吸気ポート13には吸気管15、排気ポート14には排気管16が接続されている。
吸気管15には、燃料を噴射するインジェクタ17が配置されている。また、吸気管15のインジェクタ17の上流側には、スロットルバルブ18が配置されている。スロットルバルブ18はスロットルバルブアクチュエータ19によって開度が変更されるように構成されている。このスロットルバルブ18の開度は、スロットルポジションセンサ20によって検出されるようになっている。さらに、吸気管15のスロットルバルブ18の上流側には、吸入空気の流入量を計測するエアフローメータ21が配置されている。
また、エンジン1は電動ポンプ22、ラジエータ23を備えている。電動ポンプ22は冷媒をヘッド冷媒通路11とブロック冷媒通路8とに供給する。電動ポンプ22の冷媒送出側は、ポンプ送出管24を介して、ヘッド冷媒通路11と接続されている。このポンプ送出管24は、通路の途中で分岐しており、分岐した端部は、それぞれ、第1ヘッド冷媒通路11a、又は、第2ヘッド冷媒通路11bに接続している。さらに、第1ヘッド冷媒通路11aに接続するポンプ送出管24には、第1制御弁25が備えられている。第1制御弁25は、第1ヘッド冷媒通路11aに接続するポンプ送出管24の連通状態を制御する。すなわち、第1制御弁25は、開弁することにより、電動ポンプ22と第1ヘッド冷媒通路11aとを接続させ、閉弁することにより、電動ポンプ22と第1ヘッド冷媒通路11aとの接続を遮断する。また、電動ポンプ22の冷媒吸入側は、ポンプ吸入管26が接続されている。ポンプ吸入管26の他端は、後述する三方弁27に接続されている。
ラジエータ23は、ヘッド冷媒通路11及びブロック冷媒通路8を通過した冷媒を外気との熱交換によって冷却する。ラジエータ23の冷媒流入側には、ラジエータ流入管28が接続されている。このラジエータ流入管28の他端は、ブロック冷媒通路8に接続されている。また、ヘッド冷媒通路11には、ヘッド排出管29が接続されている。このヘッド排出管29の他端は、合流部28aでラジエータ流入管28に接続されている。すなわち、ヘッド冷媒通路11から排出された冷媒は、ブロック冷媒通路8から排出された冷媒に合流し、ラジエータ23へ向かうように構成されている。
さらに、ラジエータ流入管28には、合流部28aよりもブロック冷媒通路8側に、第2制御弁30が介装されている。第2制御弁30は、ラジエータ流入管28の連通状態を制御する。すなわち、第2制御弁30は、開弁することにより、ブロック冷媒通路8とラジエータ23内とを連通させ、閉弁することにより、ブロック冷媒通路8とラジエータ23内との接続状態を遮断する。
ラジエータ23の冷媒排出側には、ラジエータ排出管31が接続されている。このラジエータ排出管31の他端は、三方弁27と接続されている。さらに、ヘッド排出管29の経路の途中から、バイパス管32が分岐している。このバイパス管32の下流側の端部は、三方弁27と接続されている。
三方弁27は、バイパス管32とポンプ吸入管26、ラジエータ排出管31とポンプ吸入管26との連通状態を切替える電磁弁である。すなわち、三方弁27は、ラジエータ23を通過した冷媒を電動ポンプ22へ流通させる経路とラジエータ23をバイパスした冷媒を電動ポンプ22へ流通させる経路とを切替える。
また、エンジン1は、ブロック冷媒通路8内部の冷媒の温度を検出する温度センサ33、クランクシャフト7の回転数を検出する回転センサ34を備えている。さらに、エンジン1は、ECU(Electronic Control Unit)35を備えている。ECU35は、スロットルポジションセンサ20、エアフローメータ21、温度センサ33、回転センサ34と電気的に接続されており、スロットルポジションセンサ20により検出されるスロットルバルブ18の開度についての情報、エアフローメータ21により検出される空気吸入量についての情報、温度センサ33により検出されるブロック冷媒通路8内部の冷媒の温度についての情報、回転センサ34により検出されるエンジン回転数についての情報を取得し、エンジン1の運転状態の各諸元を算出する。また、このECU35は、インジェクタ17、スロットルバルブアクチュエータ19、電動ポンプ22、第1制御弁25、第2制御弁30、三方弁27と電気的に接続されている。ECU35は、センサ類から取得した情報に基づいて算出したエンジン1の運転状態に基づいて、インジェクタ17からの燃料噴射、スロットルバルブアクチュエータ19の駆動、電動ポンプ22の駆動、第1制御弁25の開閉、第2制御弁30の開閉、三方弁27の流路の切替を制御する。このようなECU35とエアフローメータ21と回転センサ34とは、本発明のくすぶり判定手段を構成する。また、ECU35と電動ポンプ22と第1制御弁25とは、本発明の制御手段を構成する。
このようなECU35は温度センサ33から取得する冷媒の温度に基づき、エンジン1の暖機が完了していると判断する場合、三方弁27にラジエータ排出管31とポンプ吸入管26とを接続させ、第2制御弁30を開弁状態とする。これにより、ラジエータ23内の冷媒がエンジン1内を循環し、シリンダブロック3をはじめ、エンジン1の各部が冷却されて、適切な運転が行われる。一方、ECU35は温度センサ33から取得する冷媒の温度に基づき、エンジン1の暖機が完了していないと判断する場合、バイパス管32とポンプ吸入管26とを接続させる。また、第2制御弁30を閉弁状態とし、ブロック冷媒通路を冷媒が流通することを妨げる。これにより、エンジン1の暖機が完了するまで、ラジエータ内の冷媒が循環しないため、エンジン1の冷却が抑制され、エンジン1の暖機が促進される。
以上のような構成を有するエンジン1は、運転状態に基づいて、点火プラグ10の付着部10aに付着するカーボンの付着量を推定し、この推定した付着量に基づいて、ヘッド冷媒通路11への冷媒の流入を制御する。本実施例では、このような運転状態を示す状態量として、回転センサ34によって検出されるエンジン1の回転数と、エアフローメータ21によって検出される吸入空気量とを用いる。ここでは、吸入空気量は、エンジン1の負荷に相当する状態量として用いる。以下、具体的なカーボン付着量の算出について説明する。
図3は、付着部10aに付着するカーボンの付着量を推定するマップの一例を示した説明図である。このマップは、ECU35が内蔵するメモリに予め保存されている。このマップには、エンジン1の回転数及び負荷に基づき区分けされた各運転領域におけるカウント値が示されている。このカウント値は、単位時間当たりのカーボンの推定付着量に相当する値であり、単位時間当たりのカーボンの付着量或いは除去量を、所定量を「1単位」と規定して無次元化した値となっている。また、ここではそのカウント値を、カーボンが付着するときには正の値で表し、燃失して除去されるときには負の値で表している。なお、各運転領域のカウント値は、予め実験等によって求めておくことができる。
図3に示すマップでは、高負荷側、或いは高回転側ほど上記カウント値が小さくなるように設定されている。ここでは、最も低負荷低回転の運転領域ではカウント値が「+3」に、最も高負荷高回転の運転領域ではその値が「−2」に、それぞれ設定されている。このようなマップを用いて所定時間毎にカウント値を算出し、くすぶり進行度カウンタに積算していくことにより、カウンタの積算値から、そのときの点火プラグ10の付着部10aにおけるカーボン付着量を推定することができる。なお、エンジン1は、このようなマップを複数備えるとともに、運転状態に基づいて、異なるマップを参照することができる。
次に、エンジン1における点火プラグ10のくすぶりの状態を解消する制御について説明する。図4は、ECU35が処理する制御の流れを示したフローチャートである。
ECU35はステップS1でカウント値Caを算出する。このカウント値Caは、エンジン1の回転数及び負荷に基づき、上記マップから算出する値である。次に、ECU35はステップS2において、ステップS1で算出したカウント値Caを進行度カウンタCtに加算する。ECU35はステップS2の処理を終えると、ステップS3へ進む。
ECU35はステップS3で、進行度カウンタCtが判定値A以上か否かを判断する。このような判定値Aは、点火プラグ10の付着部10aにおけるカーボン付着量が増大し、カーボンの付着の進行を抑制する必要が生じたときの進行度カウンタCtの値に対応して設定されている。ECU35は、ステップS3においてYESと判断する場合、すなわち、進行度カウンタCtが判定値A以上であると判断する場合は、ステップS4とS5の処理へ進む。
ECU35はステップS4でECU35の備えるメモリ上におけるくすぶり検出フラグをオンにする。
ECU35はステップS5で、点火プラグ10の放熱性を低減する。具体的には、ECU35は、第1ヘッド冷媒通路11aへの冷媒の流通を遮断する。すなわち、ECU35は、第1制御弁25を閉弁状態とする。このように、第1ヘッド冷媒通路11a内の冷媒の流通が停止すると、冷媒による熱の持ち去りが低減されるため、点火プラグ10の温度が上昇する。これにより、点火プラグ10の付着部10aにおける温度が上昇し、付着するカーボンを焼ききる。この結果、くすぶりの状態が解消される。ECU35はステップS4とステップS5の処理を終えると、ステップS6へ進む。なお、ステップS5において、ECU35は、電動ポンプ22の圧送量を減少させて、第1ヘッド冷媒通路11aへの冷媒の供給量を減少させるようにすることもできる。
ECU35はステップS6で進行度カウンタCtから所定値Bを減算する。ステップS5の処理により、カーボンが焼ききれるため、くすぶりの進行度が戻る。このため、進行度カウンタCtの値を減少する。ECU35はステップS6の処理を終えるとリターンとなる。
一方、ECU35はステップS3においてNOと判断する場合、すなわち、進行度カウンタCtが判定値Aよりも小さいと判断する場合は、ステップS7とS8の処理へ進む。
ECU35はステップS7でECU35の備えるメモリ上におけるくすぶり検出フラグをオフにする。
ECU35はステップS8で、点火プラグ10の放熱性を向上する。具体的には、ECU35は、第1ヘッド冷媒通路11aへ冷媒を流通させる。すなわち、ECU35は、第1制御弁25を開弁状態とし、電動ポンプ22から第1ヘッド冷媒通路11aへ冷媒が流通する状態とする。これにより、過熱による点火プラグ10のプレイグニションが抑制される。ECU35はステップS7とS8の処理を終えるとリターンとなる。
次に、エンジン1における点火プラグ10のくすぶり解消の効果を説明する。図5は、本実施例のエンジン1におけるくすぶりを検出してからくすぶりが解消するまでの時間と、従来のエンジンにおけるくすぶりの発生を検出してからくすぶりが解消するまでの時間と、を比較して示した説明図である。図5(a)は、本実施例のエンジン1について示した説明図であって、図5(b)は、従来のエンジンについて示した説明図である。図5(a)に示すように、本実施例のエンジン1では、くすぶり検出から点火プラグの放熱性が低下する。このため、点火プラグ10及びその付着部10aの温度が上昇し、短時間でくすぶりが解消する。
このようなエンジン1は、燃焼室9内へ燃料を供給し、燃料を燃焼しながらくすぶりの状態を解消することができる。このため、空点火をする場合と比較して点火プラグ10のプラグ碍子の損傷が抑制される。
次に、実施例2について説明する。本実施例は、燃焼に用いられる燃料の性状に基づいて、点火プラグのくすぶりを未然に回避するエンジンについて説明する。なお、本実施例のエンジンの構成は実施例1のエンジン1と同一である。このため、実施例1のエンジン1と同一の参照番号を用いて説明する。また、本実施例において、ECU35、エアフローメータ21、温度センサ33、回転センサ34は、本発明の燃料性状検出手段を構成する。
まず、本実施例における燃料性状の検出について説明する。図6は、ECU35の行う燃料性状の検出の制御についての流れを示したフローチャートである。なお、このような燃料性状の検出の制御は、従来から公知の技術である。
ECU35はステップS11で、エンジン1の始動後の経過時間tが所定時間a以下であるか否かを判断する。ECU35はエンジン1の始動後の経過時間をカウントしており、所定時間aと比較する。その結果、ECU35がYESと判断する場合、すなわち、エンジン1の始動後の経過時間tが所定時間a以下である場合は、ステップS12へ進む。
ECU35はステップS12で、温度センサ33により取得される冷媒の温度Twが所定値b未満であるか否かを判別する。ECU35は、ステップS12おいてYESと判断する場合、すなわち、温度Twが所定値b未満である場合は、エンジン1は低温始動状態にあると判断し、燃料性状を検出する運転状態でないと判断して処理がリターンとなる。
一方、ECU35はステップS11でNOと判断する場合、すなわち、エンジン1の始動後の経過時間tが所定時間aを経過している場合、若しくは、ステップS12おいてNOと判断する場合、すなわち、冷媒の温度Twが所定値b以上である場合、ステップS13へ進む。
ECU35はステップS13で、別途決定された遅角量に応じて点火時期を遅角側へシフトする。ECU35はステップS13の処理を終えると、ステップS14以降の処理へ進む。
ECU35はステップS14で、エアフローメータ21によって検出されるエンジン1の吸入空気量GAが所定値c未満であるか否かを判断する。ECU35は、ステップS14でYESと判断する場合、すなわち、吸入空気量GAが所定値c未満である場合、ステップS15へ進む。
ECU35はステップS15で、エンジン1の始動直後(イグニションスイッチがオンからオフとなった後)の経過時間を計時するカウンタecastの値が、所定値d未満であるか否かを判断する。所定値dは上記所定値aよりも大きな値に設定されている。ECU35はステップS15でYESと判断する場合、すなわち、カウンタecastの値が所定値d未満である場合、次にステップS16へ進む。
ECU35はステップS16で、温度センサ33により取得される冷媒の温度Twが所定値e未満であるか否かを判断する。所定値eは上記所定値bよりも大きな値に設定されている。ECU35はステップS16でYESと判断する場合、すなわち、冷媒の温度Twが所定値e未満である場合、次にステップS17へ進む。
ECU35はステップS17で、回転センサ34により取得されるエンジン1の回転数NEが所定値f未満であるか否かを判断する。燃料が重質燃料である場合、通常の燃料(軽質燃料)と比較して燃料の揮発性が低下し、エンジン回転数が低下する。このような所定値fは燃料性状が重質燃料である場合に、検出されるエンジン1の回転数であって、予め実験等により算出しておいたものである。また、ステップS14からステップS17における判断は、燃料性状の検出精度を向上させるための処理である。ECU35はステップS17でYESと判断する場合、すなわち、回転数NEが所定値f未満である場合、次にステップS18へ進む。
ECU35はステップS18でECU35の備えるメモリ上における重質燃料フラグをオンにし、噴射時期の遅角側へのシフトを停止する。そして、ECU35はステップS18の処理を終えると、リターンとなる。
ところで、ECU35は、ステップS14でNOと判断する場合、すなわち、吸入空気量GAが所定値c以上である場合、または、ステップS15でNOと判断する場合、すなわち、カウンタecastの値が所定値d以上である場合、または、ステップS16でNOと判断する場合、すなわち、冷媒の温度Twが所定値e以上である場合、または、ステップS17でNOと判断する場合、すなわち、回転数NEが所定値f以上である場合、ステップS19へ進む。ECU35はステップS19でECU35の備えるメモリ上における重質燃料フラグをオフにし、噴射時期の遅角側へのシフトを停止する。そして、ECU35はステップS19の処理を終えると、リターンとなる。
次に、くすぶり回避の制御について説明する。図7は、ECU35の行うくすぶり回避についての制御の流れを示したフローチャートである。
ECU35はステップS21で、重質燃料フラグがオンであるか否かを判断する。ECU35はステップS21でYESと判断する場合、すなわち、重質燃料フラグがオンである場合、ステップS22へ進む。
ECU35はステップS22で、点火プラグ10の付着部10aの温度Taを推定し算出する。ECU35は、温度センサ33により取得される冷媒の温度Twに基づいて、付着部の温度Taを推定する。ECU35はステップS22の処理を終えると、ステップS23へ進む。
ECU35はステップS23で、点火プラグの付着部の温度Taが所定値g未満であるか否かを判断する。この所定値gは、点火プラグの付着部にカーボンが付着すると予測される温度である。ECU35はステップS23でYESと判断する場合、すなわち、点火プラグ10の付着部10aの温度Taが所定値g未満である場合、ステップS24へ進む。
ECU35はステップS24で、点火プラグ10の放熱性を低減する。重質燃料フラグがオンである場合は、重質燃料が燃焼に用いられるため、揮発性が低く、点火プラグ10にカーボンが付着しやすい状態である。具体的な処理として、ECU35は、第1ヘッド冷媒通路11aへの冷媒の流通を遮断する。すなわち、ECU35は、第1制御弁25を閉弁状態とする。このように、第1ヘッド冷媒通路11a内の冷媒の流通が停止すると、熱の持ち去りが低減されるため、点火プラグ10の温度が上昇する。これにより、点火プラグ10の付着部における温度が上昇し、カーボンの付着を抑制する。ECU35はステップS24の処理を終えると、リターンとなる。
一方、ECU35はステップS21でNOと判断する場合、すなわち、重質燃料フラグがオフである場合、若しくは、ステップS23で、NOと判断する場合、すなわち、点火プラグの付着部の温度Taが所定値g以上である場合、ステップS25へ進む。
ECU35はステップS25で、点火プラグ10の放熱性を向上する。具体的には、ECU35は、第1ヘッド冷媒通路11aへ冷媒を流通させる。すなわち、ECU35は、第1制御弁25を開弁状態とし、電動ポンプ22から第1ヘッド冷媒通路11aへ冷媒が流通する状態とする。これにより、過熱による点火プラグ10のプレイグニションが抑制される。ECU35はステップS25の処理を終えると、リターンとなる。
このように、本実施例のエンジン1は、燃料の性状に基づいて、点火プラグ10の放熱性を変化させることにより、点火プラグ10の付着部10aへのカーボンの付着を抑制し、点火プラグ10がくすぶりの状態となることを未然に回避する。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、運転状態に基づいて、点火プラグのくすぶりを未然に回避するエンジンについて説明する。本実施例のエンジンの構成は実施例1のエンジン1と同一である。このため、実施例1のエンジン1と同一の参照番号を用いて説明する。また、本実施例において、ECU35、エアフローメータ21、回転センサ34は、本発明の運転状態検出手段を構成する。
本実施例では、回転センサ34によって検出されるエンジン1の回転数と、エンジン1の負荷とを用いて、エンジン1の運転状態を表している。すなわち、本実施例のエンジン1は、エンジン1の回転数及び負荷に基づいて、点火プラグ10における付着部10aの温度を調整し、点火プラグ10のくすぶりを回避する。ここでは、エアフローメータ21によって検出される吸入空気量をエンジン1の負荷に相当する状態量としている。
エンジン1では、エンジン1の回転数及び負荷に基づいて、点火プラグ10の放熱性を変更する。図8は、点火プラグ10の放熱性を算出するマップの一例を示した説明図である。このマップは、ECU35が内蔵するメモリに予め保存されている。エンジン1に備えられたECU35は、このマップのエンジン1の回転数及び負荷に基づき区分けされた各運転領域において、放熱性を決定する。このマップによると、高回転、高負荷であるほど、点火プラグ10の放熱性を向上し、低回転、低負荷であるほど、放熱性を低減する。ECU35は、このマップを参照し、回転センサ34により取得されるエンジン回転数と、エアフローメータ21により取得される空気吸入量から算出できるエンジン1の負荷とに基づき、点火プラグ10の放熱性を決定する。ECU35は、決定した放熱性に基づき、電動ポンプ22の駆動力や第1制御弁25の開閉を選択し、ヘッド冷媒通路11への冷媒の流入量を制御する。すなわち、エンジン1が低回転、低負荷で運転される場合、ヘッド冷媒通路11への冷媒流量を減少させる。例えば、第1制御弁25を閉弁状態とし、第1ヘッド冷媒通路11aへの冷媒の供給を遮断する。一方、エンジン1が高回転、高負荷で運転される場合、第1制御弁25を開弁状態とし、第1ヘッド冷媒通路11aへ冷媒を供給するとともに、電動ポンプ22の駆動力を上昇させて、冷媒の供給量を増加する。
このように、本実施例のエンジン1は、低回転、低負荷で運転される場合において、付着部10aへのカーボンの付着を抑制し、点火プラグ10がくすぶりの状態となることを未然に回避する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 エンジン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
8 ブロック冷媒通路
9 燃焼室
10 点火プラグ
11 ヘッド冷媒通路
11a 第1ヘッド冷媒通路
11b 第2ヘッド冷媒通路
17 インジェクタ
18 スロットルバルブ
19 スロットルバルブアクチュエータ
20 スロットルポジションセンサ
21 エアフローメータ
22 電動ポンプ
23 ラジエータ
24 ポンプ送出管
25 第1制御弁
26 ポンプ吸入管
27 三方弁
28 ラジエータ流入管
29 ヘッド排出管
30 第2制御弁
31 ラジエータ排出管
32 バイパス管
33 温度センサ
34 回転センサ
35 ECU
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
8 ブロック冷媒通路
9 燃焼室
10 点火プラグ
11 ヘッド冷媒通路
11a 第1ヘッド冷媒通路
11b 第2ヘッド冷媒通路
17 インジェクタ
18 スロットルバルブ
19 スロットルバルブアクチュエータ
20 スロットルポジションセンサ
21 エアフローメータ
22 電動ポンプ
23 ラジエータ
24 ポンプ送出管
25 第1制御弁
26 ポンプ吸入管
27 三方弁
28 ラジエータ流入管
29 ヘッド排出管
30 第2制御弁
31 ラジエータ排出管
32 バイパス管
33 温度センサ
34 回転センサ
35 ECU
Claims (4)
- 点火プラグのくすぶり進行度を判定する判定手段と、
当該判定手段が判定するくすぶり進行度に基づいて、前記点火プラグにおけるカーボンが付着する部位の温度を調整する温度調整手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン。 - 請求項1記載のエンジンにおいて、
前記温度調整手段は、前記点火プラグの装着されるシリンダヘッドに形成された冷媒通路と、
当該冷媒通路への冷媒の流通状態を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン。 - 燃料の性状を検出する燃料性状検出手段と、
点火プラグにおけるカーボンが付着する部位の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料性状検出手段により検出される燃料の性状と、前記温度検出手段により検出される温度とに基づいて、前記点火プラグにおけるカーボンが付着する部位の温度を調整する温度調整手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン。 - 運転状態を検出する運転状態検出手段と、
当該運転状態検出手段により検出される運転状態に基づいて、点火プラグにおけるカーボンが付着する部位の温度を調整する温度調整手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008073108A JP2009228506A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008073108A JP2009228506A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | エンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009228506A true JP2009228506A (ja) | 2009-10-08 |
Family
ID=41244187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008073108A Pending JP2009228506A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009228506A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014105820A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両の制御装置 |
JP2015021426A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 株式会社デンソー | 燃料供給制御装置 |
JP2015021420A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 株式会社デンソー | 燃料供給制御装置 |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008073108A patent/JP2009228506A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014105820A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両の制御装置 |
JP2015021426A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 株式会社デンソー | 燃料供給制御装置 |
JP2015021420A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 株式会社デンソー | 燃料供給制御装置 |
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