JP2004143969A - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents

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Shigeru Kamio
神尾 茂
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Abstract

【課題】KCS(ノックコントロールシステム)により内燃機関のノック防止を図りつつ、冷却水温を高水温化して燃費を向上すること。
【解決手段】内燃機関のノック制御における遅角量に関わる制御量のうちKCS遅角量学習値θL が、上限値KθH と下限値KθL とからなる所定範囲内を大きく越えて遷移することがないよう目標冷却水温ノック補正項TKCS がフィードバック補正される(ステップS303、ステップS306)。このように、KCS遅角量学習値θL に応じて内燃機関の水温制御における目標冷却水温Tmap を設定する際(ステップS309)の目標冷却水温ノック補正項TKCS が補正されることで、内燃機関におけるノック防止が図られ安定した運転状態が得られると共に、内燃機関の冷却水温の高水温化によって燃費を向上することができる。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転状態に応じて冷却水温を最適に制御する内燃機関の冷却制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の冷却制御装置に関連する先行技術文献としては、特許2000−45773号公報、特開平5−288054号公報にて開示されたものが知られている。
【0003】
このうち、前者のものでは、内燃機関を冷却する冷却水の冷却水温を高水温化することによってフリクションを低減し、燃費を向上する技術が示されている。また、後者のものでは、ノック発生の有無に応じて内燃機関の冷却水循環回路における目標入口温度を低減することによってノック発生を防止する技術が示されている。
【特許文献1】特開2000−45773号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献2】特開平5−288054号公報(第2頁〜第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者のように、内燃機関の冷却水温を高水温化することによってフリクションが低減され燃費が向上するが、高水温化によってノック発生が起こり易くなる。このようなノック発生に対処するため、後者のように、目標冷却水温が一定量だけ低温側にシフトされ、また、中水温域で水温制御が実行されているのみでは、目標冷却水温の低下量が固定であるため最適冷却水温にならず、また、運転条件・ガソリン性状等のパラメータ変動によっては、低下量が足りない場合もあれば、大き過ぎる(冷し過ぎる)場合もあり得るため高冷却水温域に対応できないという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、内燃機関のノック防止を図りつつ、内燃機関を冷却する冷却水温を高水温化して燃費を向上可能な内燃機関の冷却制御装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関の冷却制御装置によれば、ノック制御手段にて内燃機関で発生する振動波形信号によりノック発生の有無が判定され、その判定結果に応じて点火時期に対する遅角量がフィードバック補正され、内燃機関の運転状態が制御される。このノック制御における遅角量に関わる制御量に応じて、水温制御手段にて内燃機関を冷却する冷却水を流量制御バルブを介してラジエータを流通する冷却流路と、ラジエータを迂回するバイパス流路とのうち少なくとも一方を循環させ、内燃機関の冷却水温がそのときの運転状態に応じた目標冷却水温となるよう制御される。この水温制御における目標冷却水温が、水温補正手段によって補正される。これにより、内燃機関におけるノック防止が図られると同時に、内燃機関を冷却する冷却水の冷却水温の高水温化によって燃費が向上される。
【0007】
請求項2の内燃機関の冷却制御装置では、制御量が内燃機関の運転条件毎に記憶される遅角量学習値を含んでいるため、ノック制御における点火時期に対する遅角量の急激な変動が抑制される。これにより、内燃機関ではノック防止が好適に図られ、安定した運転状態が得られる。
【0008】
請求項3の内燃機関の冷却制御装置では、制御量が所定範囲内になるよう目標冷却水温が補正されることで、制御量が所定範囲を大きく越えて遷移することがなくなるため、内燃機関ではノック防止が好適に図られ、安定した運転状態が得られる。
【0009】
請求項4の内燃機関の冷却制御装置における目標冷却水温の補正では、ノック発生有り時の水温下降割合がノック発生なし時の水温上昇割合よりも大きくされることで、内燃機関にノック発生がありその運転状態が不安定となるときには冷却水温が速やかに低くなるようにされる。これにより、内燃機関ではノック防止が好適に図られると同時に、内燃機関を冷却する冷却水の冷却水温の高水温化によって燃費が向上される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【0012】
図1において、内燃機関1には吸気通路2と排気通路3とが接続されている。吸気通路2内の最上流側にはエアクリーナ4、その下流側にはスロットルバルブ5が配設され、吸気通路2の途中にはサージタンク6が設けられている。また、吸気通路2には内燃機関1の各気筒に燃料を供給するインジェクタ(燃料噴射弁)7が配設されている。そして、吸気通路2から吸気バルブ8を通って内燃機関1の燃焼室9内に導入された混合気は点火プラグ10の火花点火により燃焼されたのち、排気バルブ11を通って排気通路3側に排出される。この点火プラグ10には内燃機関1のクランクシャフト(図示略)の回転位置に対応してイグナイタ12で発生された高電圧を供給するディストリビュータ13が接続されている。更に、スロットルバルブ5はアクセル操作量等に基づき駆動されるアクチュエータであるDCモータ14と接続され、『電子スロットルシステム』と称するスロットル制御機構が構成されている。
【0013】
また、内燃機関1内の冷却水はウォータポンプ21により往流路22を介してラジエータ23側に送出され、ラジエータ23にて冷却されたのち復流路24を介して内燃機関1に戻されることで所定温度に保持される。ここで、ラジエータ23には冷却ファン25が設けられており、必要に応じて駆動される。また、往流路22の途中には流量制御バルブ26が配設されており、内燃機関1の冷却水温を所定温度に保持するためウォータポンプ21により送出される冷却水のうちの所定量がラジエータ23を通ることなく適宜バイパス流路27を介して内燃機関1側に戻される。
【0014】
吸気通路2の上流側のエアクリーナ4の直後には吸気温センサ31が配設され、この吸気温センサ31により吸気通路2内に導入される吸入空気の吸気温が検出される。また、スロットルバルブ5にはスロットル開度センサ32が配設され、このスロットル開度センサ32によりスロットルバルブ5のスロットル開度が検出される。そして、サージタンク6には吸気圧センサ33が配設され、この吸気圧センサ33により吸気通路2内の吸気圧が検出される。更に、内燃機関1には水温センサ34が配設され、この水温センサ34により内燃機関1の機関内水温(冷却水温)が検出される。また、ラジエータ23の出口側には水温センサ35が配設され、この水温センサ35によりラジエータ23の出口側のラジエータ出口水温が検出される。
【0015】
また、ディストリビュータ13にはクランク角センサ36、気筒判別センサ37が配設され、クランク角センサ36により内燃機関1の機関回転速度、気筒判別センサ37により内燃機関1の所定気筒タイミングが判別される。また、内燃機関1にはノックセンサ38が配設され、ノックセンサ38により内燃機関1からのノック信号が検出される。そして、排気通路3には酸素濃度センサ39が配設され、排気ガス中の酸素濃度が検出される。
【0016】
そして、吸気温センサ31からの吸気温信号、スロットル開度センサ32からのスロットル開度信号、吸気圧センサ33からの吸気圧信号、水温センサ34からの機関内水温信号、水温センサ35からのラジエータ出口水温信号、クランク角センサ36からの機関回転速度信号、気筒判別センサ37からの気筒判別信号、ノックセンサ38からのノック信号及び酸素濃度センサ39からの酸素濃度信号等の各種センサ信号がECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)40に入力される。
【0017】
ECU40は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU41、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM42、各種データ等を格納するRAM43、B/U(バックアップ)RAM44等を中心に論理演算回路として構成され、各種センサからの検出信号を入力すると共に各種アクチュエータに制御信号を出力する入出力回路45等に対しバス46を介して接続されている。そして、ECU40からは入力された各種センサ信号に基づき、インジェクタ7に対して燃料噴射信号、イグナイタ12に対して点火時期信号、冷却ファン25に対して駆動信号及び流量制御バルブ26に対して流量制御信号等がそれぞれ出力される。
【0018】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置で使用されているECU40内のCPU41におけるKCS(Knock Control System:ノックコントロールシステム)による点火時期制御の処理手順を示す図2のフローチャートに基づいて説明する。なお、この点火時期制御ルーチンは点火時期演算の所定の割込時間毎にCPU41にて繰返し実行される。
【0019】
KCSでは、周知のように、ノックセンサ38によってノック発生が検出され、点火時期に対する遅角量がノック発生有り時には遅角側、ノック発生なし時には進角側に制御されることで、微小なノック発生状態またはノック発生の直前状態となるよう内燃機関1の運転状態が制御される。
【0020】
図2において、まず、ステップS101で、内燃機関1の負荷としての吸気圧センサ33からの吸気圧PM〔kPa:キロパスカル〕が読込まれる。次にステップS102に移行して、クランク角センサ36からの機関回転速度NE〔rpm〕が読込まれる。次にステップS103に移行して、ステップS101で読込まれた吸気圧PM及びステップS102で読込まれた機関回転速度NEに応じた基本点火時期θBASEが設定される。次にステップS104に移行して、吸気温センサ31、スロットル開度センサ32、水温センサ34等からの各種センサ信号に基づき補正点火時期θC が設定される。
【0021】
次にステップS105に移行して、後述のノック補正値θK 演算処理が実行される。次にステップS106に移行して、最終点火時期θFINAL が次式(1)にて設定される。
【0022】
【数1】
θFINAL ←θBASE+θC −θK               ・・・(1)
【0023】
次に、上述のステップS105におけるノック補正値θK 演算の処理手順を示す図3のフローチャートに基づき、図6を参照して説明する。ここで、図6は図3の処理に対応するKCS遅角量学習値θL 及び後述の図4の処理に対応する目標冷却水温ノック補正項TKCS の遷移状態を示すタイムチャートである。
【0024】
図3において、まず、ステップS201で、現在の吸気圧PM〔kPa〕及び機関回転速度NE〔rpm〕に基づいて図示しないマップによって現在の運転領域が判別される。この運転領域を判別するためのマップは、吸気圧PM及び機関回転速度NEをパラメータとして複数の学習領域と1つの非学習領域とに分割されている。ここでは、このマップを用いて、これらの運転領域の何れに現在属しているか判別される。次にステップS202に移行して、今回判別された運転領域が前回判別された運転領域と同一であるかが判定される。ステップS202の判定条件が成立せず、即ち、今回判別された運転領域が前回判別された運転領域と異なるときにはステップS203に移行する。
【0025】
ステップS203では、図6に示すように、前回の運転領域における点火時期に対する遅角量に関わる制御量としての前回のKCS遅角量学習値θL(i−1)と、現在のノック補正値θK 即ち、前回のノック補正値の最終値との加重平均により、新たなKCS遅角量学習値θL(i)が次式(2)にて設定される。
【0026】
【数2】
Figure 2004143969
【0027】
ここで、上式(2)の加重平均のとり方について説明する。その重み付けは、前回の学習領域に滞在した時間が長ければ長いほど、ノック補正値θK の最終値の信頼性は向上すると考え、滞在時間に比例した重み付けで平均をとる。このため、32〔ms:ミリ秒〕毎にインクリメントされるカウンタをRAM43内に設け、これをカウンタCTIMEとする。このカウンタCTIMEは、その領域に滞在している時間を表わしている。なお、このカウンタCTIMEは最大8〔sec:秒〕までカウントしたら、それ以降はその値を保持するようにガードを設ける。このカウンタCTIMEを用いて加重平均をとる。
【0028】
このように、上式(2)にて加重平均をとれば、滞在時間が4〔sec〕未満と短いときには、前回のKCS遅角量学習値θL(i−1)の比率が大きくなり、信頼性が低いと考えられるノック補正値θK の重みは少なく、逆に滞在時間が4〔sec〕以上と長いときには、信頼性が高いと考えられるノック補正値θK の重みが多くなる。このようにして得られた新たなKCS遅角量学習値θL(i)はイグニッションスイッチ(図示略)を切っても消失しないB/URAM44内に記憶される。ここで、前回の運転領域が非学習領域であるときには対応するメモリアドレスが存在しないため記憶が行われない。このようにして、ステップS203ではKCS遅角量学習値θL の学習が実行される。
【0029】
次にステップS204に移行して、現在の運転領域が学習領域にあるかが判定される。ステップS204の判定条件が成立、即ち、現在の運転領域が学習領域であるときにはステップS205に移行し、現在の運転領域に対応して記憶されているKCS遅角量学習値θL(i)が読出されてノック補正値θK の初期値とされる。一方、ステップS204の判定条件が成立せず、即ち、現在の運転領域が非学習領域であるときにはステップS206に移行し、ノック補正値θK の初期値が「0」とされる。次にステップS207に移行して、カウンタCTIMEが「0」にリセットされる。つまり、カウンタCTIMEは、運転領域が変わる毎にリセットされることとなる。なお、ステップS202の判定条件が成立、即ち、今回判別された運転領域が前回判別された運転領域と同一であるときにはステップS203〜ステップS207がスキップされる。
【0030】
次にステップS208に移行して、現在の運転領域がノック制御領域にあるかが判定される。ステップS208の判定条件が成立、即ち、現在の運転領域がノック制御領域にあるときにはステップS209に移行し、ノック有りかが判定される。このノック判定では、過去のノックセンサ38からのノック判定レベルと、今回の振動信号のピークホールド値との大小を比較することによりノック発生の有無が判定される。ステップS209の判定条件が成立、即ち、ノック有り時と判定されたときにはステップS210に移行し、ノック補正値θK に所定値Δθが加算されノック補正値θK が更新され、本ルーチンを終了する。一方、ステップS209の判定条件が成立せず、即ち、ノックなし時と判定されたときにはステップS211に移行し、ノック補正値θK から所定値Δθが減算されノック補正値θK が更新され、本ルーチンを終了する。なお、ステップS208の判定条件が成立せず、即ち、現在の運転領域がノック制御領域にないときには、何もすることなく即ち、ノック補正値θK が「0」のまま、本ルーチンを終了する。
【0031】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置で使用されているECU40内のCPU41における目標冷却水温設定の処理手順を示す図4のフローチャートに基づき、図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5は図4で吸気圧PM〔kPa〕及び機関回転速度NE〔rpm〕をパラメータとして基本冷却水温TBASEを求めるマップである。なお、この目標冷却水温設定ルーチンは所定時間毎にCPU41にて繰返し実行される。
【0032】
図4において、まず、ステップS301では、図6に示すように、目標冷却水温ノック補正項TKCS の更新時間間隔を設定するためのKCSカウンタCKCSが所定時間KCKCS(例えば、60〔sec〕)以上であるかが判定される。ステップS301の判定条件が成立、即ち、KCSカウンタCKCSが所定時間KCKCS以上と大きいときにはステップS302に移行し、KCS遅角量学習値θL が予め設定された下限値KθL 未満であるかが判定される。ステップS302の判定条件が成立、即ち、KCS遅角量学習値θL が下限値KθL 未満の遅角側の値となりノック発生が有るときにはステップS303に移行し、目標冷却水温ノック補正項TKCS が次式(3)にて更新される。ここで、図6に示すように、ΔTD は目標冷却水温更新のための下降側補正値でありノック発生を速やかに回避できるよう、例えば、2〔℃〕に予め設定されている。
【0033】
【数3】
TKCS ←TKCS −ΔTD                  ・・・(3)
【0034】
次にステップS304に移行して、KCSカウンタCKCSが「0」にクリアされる。一方、ステップS302の判定条件が成立せず、即ち、KCS遅角量学習値θL が下限値KθL 以上と大きいときにはステップS303及びステップS304がスキップされる。次にステップS305に移行して、KCS遅角量学習値θL が予め設定された上限値KθH を越えているかが判定される。ステップS305の判定条件が成立、即ち、KCS遅角量学習値θL が上限値KθH を越え進角側の値となりノック発生がないときにはステップS306に移行し、目標冷却水温ノック補正項TKCS が次式(4)にて更新される。ここで、図6に示すように、ΔTU は目標冷却水温更新のための上昇側補正値であり、例えば、1〔℃〕に予め設定されている。
【0035】
【数4】
TKCS ←TKCS +ΔTU                  ・・・(4)
【0036】
次にステップS307に移行して、KCSカウンタCKCSが「0」にクリアされる。一方、ステップS305の判定条件が成立せず、即ち、KCS遅角量学習値θL が上限値KθH 以下と小さいときにはステップS306及びステップS307がスキップされる。なお、ステップS301の判定条件が成立せず、即ち、KCSカウンタCKCSが所定時間KCKCS未満と小さいときにはステップS302〜ステップS307がスキップされる。
【0037】
次にステップS308に移行して、図5に示すマップに基づき、内燃機関1の負荷としての吸気圧センサ33からの吸気圧PM〔kPa〕及びクランク角センサ36からの機関回転速度NE〔rpm〕に応じた基本冷却水温TBASEが100〔℃〕または80〔℃〕に設定される。なお、図5に示すように、基本冷却水温TBASEとして設定される100〔℃〕と80〔℃〕との間にはハンチング防止用のヒステリシス域が設定されている。次にステップS309に移行して、目標冷却水温Tmap が次式(5)にて設定され、本ルーチンを終了する。
【0038】
【数5】
Tmap ←TBASE+TKCS                         ・・・(5)
【0039】
このように、本実施例の内燃機関の冷却制御装置は、内燃機関1で発生する振動波形信号によりノック発生の有無を判定し、その判定結果に応じて点火時期に対する遅角量をフィードバック補正し、内燃機関1の運転状態を制御するノックセンサ38、ECU40等にて達成されるノック制御手段と、内燃機関1を冷却する冷却水を流量制御バルブ26を介してラジエータ23を流通する冷却流路と、ラジエータ23を迂回するバイパス流路27とのうち少なくとも一方を循環させ、内燃機関1の冷却水温がそのときの運転状態を反映した基本冷却水温TBASEに応じた目標冷却水温Tmap となるよう制御するECU40にて達成される水温制御手段と、前記ノック制御手段における遅角量に関わる制御量に応じて前記水温制御手段における目標冷却水温Tmap を補正するECU40にて達成される水温補正手段とを具備するものである。また、本実施例の内燃機関の冷却制御装置の制御量は、内燃機関1の運転条件毎に記憶されるKCS遅角量学習値θL を含むものである。
【0040】
つまり、内燃機関1のノック制御における遅角量に関わる制御量のうち内燃機関1の運転条件毎に記憶されるKCS遅角量学習値θL に応じて内燃機関1の水温制御における目標冷却水温Tmap が補正される。このため、ノック制御における点火時期に対する遅角量の急激な変動が抑制される。これにより、内燃機関1におけるノック防止を図りつつ、内燃機関1を冷却する冷却水の冷却水温の高水温化によって燃費を向上することができる。
【0041】
そして、本実施例の内燃機関の冷却制御装置のECU40にて達成される水温制御手段は、制御量のうちのKCS遅角量学習値θL が上限値KθH と下限値KθL とからなる所定範囲内になるよう目標冷却水温Tmap を補正するものである。このため、KCS遅角量学習値θL が上限値KθH と下限値KθL とからなる所定範囲を大きく越えて遷移することがなくなり、KCSにおける目標冷却水温Tmap の変動を抑えられることとなり、内燃機関1の安定した運転状態を得ることができる。
【0042】
更に、本実施例の内燃機関の冷却制御装置の目標冷却水温Tmap の補正では、ノック発生有り時の水温下降割合(下降側補正値2〔℃〕/60〔sec〕)をノック発生なし時の水温上昇割合(上昇側補正値1〔℃〕/60〔sec〕)より大きくするものである。つまり、目標冷却水温Tmap の補正では、ノック発生有り時の水温下降割合がノック発生なし時の水温上昇割合よりも大きくされることとなる。即ち、内燃機関1にノック発生がなくその運転状態が安定しているときには目標冷却水温Tmap が徐々に高くなるよう設定され、内燃機関1にノック発生が有りその運転状態が不安定となるときには目標冷却水温Tmap が速やかに低くなるよう設定される。これにより、内燃機関1におけるノック防止を好適に図りつつ、内燃機関1を冷却する冷却水の冷却水温の高水温化によって燃費を向上することができる。
【0043】
ところで、上記実施例では、内燃機関1の運転状態を制御するパラメータとして負荷としての吸気圧PM及び機関回転速度NEに応じた冷却水温によって、ノック発生のない最適燃費(最高出力)が得られるとしているが、この他、運転モードとして登坂/降坂、高速/低速、渋滞、市街地等、また、ガソリン性状(オクタン価)等が考慮された目標冷却水温による水温制御によれば、ノック発生のない最適燃費がより安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置が適用された内燃機関及びその周辺機器を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置で使用されているECU内のCPUにおける点火時期制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2のノック補正値演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関の冷却制御装置で使用されているECU内のCPUにおける目標冷却水温設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は図4で機関回転速度及び負荷をパラメータとして基本冷却水温を求めるマップである。
【図6】図6は図3の処理に対応するKCS遅角量学習値及び図4の処理に対応する目標冷却水温ノック補正項の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
23 ラジエータ
26 流量制御バルブ
27 バイパス流路
33 吸気圧センサ
34 水温センサ
36 クランク角センサ
38 ノックセンサ
40 ECU(電子制御ユニット)

Claims (4)

  1. 内燃機関で発生する振動波形信号によりノック発生の有無を判定し、その判定結果に応じて点火時期に対する遅角量をフィードバック補正し、前記内燃機関の運転状態を制御するノック制御手段と、
    前記内燃機関を冷却する冷却水を流量制御バルブを介してラジエータを流通する冷却流路と、前記ラジエータを迂回するバイパス流路とのうち少なくとも一方を循環させ、前記内燃機関の冷却水温がそのときの運転状態に応じた目標冷却水温となるよう制御する水温制御手段と、
    前記ノック制御手段における前記遅角量に関わる制御量に応じて前記水温制御手段における前記目標冷却水温を補正する水温補正手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の冷却制御装置。
  2. 前記制御量は、前記内燃機関の運転条件毎に記憶される遅角量学習値を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  3. 前記水温補正手段は、前記制御量が所定範囲内になるよう前記目標冷却水温を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  4. 前記目標冷却水温の補正では、ノック発生有り時の水温下降割合をノック発生なし時の水温上昇割合より大きくすることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の冷却制御装置。
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