JP2009227564A - ガラス基板の熱処理用セッター、その製造方法及びガラス基板の熱処理方法 - Google Patents

ガラス基板の熱処理用セッター、その製造方法及びガラス基板の熱処理方法 Download PDF

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一博 佐藤
Kimiya Toyama
公也 外山
Yukito Muraguchi
幸人 村口
Shinnosuke Nagahama
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Abstract

【課題】フラットパネルディスプレイ基板等のガラス基板がスリップしにくいガラス基板の熱処理用セッターを提供する。
【解決手段】上面にガラス基板を載せて熱処理するためのセッターであって、20〜600℃の熱膨張係数が0〜10×10−7/℃であり、かつ3次元網目構造の連通気孔を有する多孔質セラミックス焼結体よりなるガラス基板熱処理用セッター。空気透過率は好ましくは0.5〜10×10−3cmである。好ましくは、リチア系焼結体よりなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ基板などのガラス基板を載せて熱処理するためのガラス基板熱処理用セッター及びその製造方法と、この熱処理用セッターを用いたガラス基板の熱処理方法に関するものである。
プラズマディスプレイ等の表示部のフラットなディスプレイ基板は、ガラス基板上に電極、絶縁体、発光体等が複数積層された一体構造となっている。このディスプレイ基板を製作する工程の一つとして、ディスプレイ基板をガラス基板熱処理用セッターに載せて加熱装置内に配置(又は通過)させて熱処理(例えば、電極や絶縁体の焼付け処理)する工程がある。
このフラットパネルディスプレイ基板は、反りが小さいこと、及び表面の凹凸が小さいことが求められ、その製造のための棚板にも同様に反り・うねりが小さいこと、表面の凹凸が小さいことが求められる。特開2002−114537号には、熱膨張係数が15×10−7/K以下であり、表面の平坦度が0.3%以下であり、表面粗さRaが0.1〜1μmである結晶化ガラスよりなるガラス基板熱処理用セッターが記載されている。
このセッターの上にディスプレイ基板を載せる場合、セッターとディスプレイ基板との間に空気層が存在してディスプレイ基板がセッター上を滑り動き易い。特開2001−316186号には、表面に10〜1000μmの溝を設けることにより、ディスプレイ基板がセッター上を滑り動くことを防止するようにしたガラス基板の熱処理用セッターが記載されている。
特開2002−114537号公報 特開2001−316186号公報
上記各特許文献に記載のセッター(定盤)は、上面に載せたガラス基板が密着したり、あるいはスリップして位置ずれしたりしないようにするために、表面粗さをある程度粗くしたり、表面に溝を設けたものである。
上記特許文献1のようにガラス基板の熱処理用セッターの表面粗さをある程度粗くするだけでは、ガラス基板の滑動を十分に防ぐことはできない。また、上記特許文献2のように溝をセラミック製セッターの上面に設けることは、加工コストが嵩む。
本発明は、ガラス基板の滑動を十分に防止することができるガラス基板の熱処理用セッターを安価に提供することを目的とする。また、本発明は、この熱処理用セッターを用いたガラス基板の熱処理方法を提供することを目的とする。
請求項1のガラス基板熱処理用セッターは、上面にガラス基板を載せて熱処理するためのセッターであって、板状のセラミックス焼結体よりなるガラス基板熱処理用セッターにおいて、20〜600℃の熱膨張係数が0〜10×10−7/℃であり、かつ3次元網目構造の連通気孔を有する多孔質セラミックス焼結体よりなることを特徴とするものである。
請求項2のガラス基板熱処理用セッターは、請求項1において、空気透過率が0.5〜10×10−3cmであることを特徴とするものである。
請求項3のガラス基板の熱処理用セッターは、請求項1又は2において、該セッターの上面の表面粗さRaが0.1〜20μmであることを特徴とするものである。
請求項4のガラス基板の熱処理用セッターは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記セラミックス焼結体がペタライト系セラミックス焼結体であることを特徴とするものである。
請求項5のガラス基板熱処理用セッターは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記セラミックス焼結体のヤング率が5〜30GPaであることを特徴とするものである。
請求項6のガラス基板熱処理用セッターは、請求項1ないし5のいずれか1項において、該セッターの厚さtと長辺の長さLとの比t/Lが0.01以下であることを特徴とするものである。
請求項7のガラス基板熱処理用セッターの製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項のガラス基板熱処理用セッターを製造する方法であって、原料粉の泥漿を合成樹脂のスポンジに含浸させ、乾燥後、焼成し、その後、表面を研磨してガラス基板熱処理用セッターを製造することを特徴とするものである。
請求項8のガラス基板熱処理用セッターの製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項のガラス基板熱処理用セッターを製造する方法であって、原料の粒状成形体及び/又は粒状焼成品と原料粉の泥漿とを混合し、この混合物から板状成形体を成形し、乾燥後、焼成し、その後、表面を研磨してガラス基板熱処理用セッターを製造することを特徴とするものである。
請求項9のガラス基板の熱処理方法は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガラス基板熱処理用セッターの上にガラス基板を載せて熱処理することを特徴とするものである
本発明のガラス基板熱処理用セッターは、3次元網目構造の連通気孔を有した低熱膨張係数のセラミックス焼結体よりなるものであり、ガラス基板を該セッターの上に載せた際に、ガラス基板とセッターとの間の空気が該連通気孔を通って流出するので、ガラス基板の滑動が十分に防止される。
このセッターは、熱膨張が小さく、三次元網目状の連通気孔があるため、微細クラックが発生しても進行しにくい。また、内部まで熱が伝わり易いので、上下反り応力が小さくなる。このため、このセッターは、繰り返し熱衝撃を与えても強度が低下しにくい。
本発明のガラス基板の熱処理用セッターは、全体として一様な板状のセラミックス焼結体よりなるため、1回又は複数回使用した後、表面を研磨して繰り返し多数回使用することができる。
このセッターの空気透過率が0.5〜10×10−3cmであることにより、ガラス基板の滑動が十分に防止されると共に、セッターの強度も高いものとなる。
本発明のガラス基板の熱処理用セッターは、研磨したセッターの表面粗さRaを0.1〜20μmとすることにより、ガラス基板の密着(吸収)現象やスリップをより確実に防ぐことができる。
本発明のガラス基板の熱処理用セッターを構成するセラミックス焼結体は、ペタライトを原料として含むリチア系セラミックス焼結体であることが望ましい。かかるセラミックス焼結体は、耐熱衝撃性に優れる。
このセラミックス焼結体のヤング率が5〜30GPaであると、セッターに反りが生じた場合でも、セッターを平坦面上に載置したときに平坦面に重なるように弾性変形する。セッターのt/L比が0.01以下であるようにセッターを薄板状とした場合、このような弾性変形によってセッターが速やかに平坦となる。そのため、ガラス基板熱処理用セッターに熱変形が生じても、このガラス基板熱処理用セッターをガラス基板の熱処理に継続して長期にわたって用いることができる。
請求項7,8の製造方法によると、このような3次元網目構造の連通気孔を有した多孔質のセラミックス焼結体よりなるセッターを容易に製造することができる。
本発明のガラス基板熱処理用セッターは、20〜600℃の熱膨張係数が0〜10×10−7/℃であり、かつ3次元網目構造の連通気孔を有する多孔質セラミックス焼結体よりなる。このセッターは、通常は方形、特に長方形の薄板状である。
このセッターは、3次元網目構造の連通気孔を有するため、ガラス基板を載せた際に空気が連通気孔から抜け易く、ガラス基板の滑動が防止される。
セッターの空気透過率を0.5〜10×10−3cmとすることにより、ガラス基板を載せた際に空気が連通気孔から抜け易く、しかもセラミックス焼結体の強度も十分に高いものとなる。なお、空気透過率が10×10−3cmよりも大きいと、ガラス基板の滑り防止効果は頭打ちとなると共に、セラミックス焼結体の強度が低くなるおそれがある。また、空気透過率が0.5×10−3cmよりも小さいと、ガラス基板を載せた際の空気の抜けが不十分になるおそれがある。
この空気透過率は、規定面積のセッターの一方の面に空気を供給し、他方の面から流出する空気量と、通気差圧を測定し、次式によって算出した値である(京都工芸繊維大学,「セラミックス実験マニュアル」,p127−128,(日刊工業新聞社))。
空気透過率=[(流量)・(空気粘性)・(セッター厚さ)]/[(通気面積)・(差圧)]
この計算式における各数値の単位は次の通りである。
空気透過率:cm
流量:cm/s
空気粘性:mPa・s(25℃では0.018mPa・s)
セッター厚さ:cm
通気面積:cm
差圧:Pa
このような多孔質セラミックス焼結体は、主成分としてのLiO・Al・nSiOを原料の総量に対して96重量%以上含有するように、且つnが1.8〜12.5でLiOとAlとの比率LiO/Alが2.0〜0.5の範囲となるように調製された原料粉を主原料に用いて製造された多孔質セラミックス焼結体であることが望ましい。
この多孔質セラミックス焼結体は、特に、ペタライト(LiO・Al・8SiO)を原料として含む、リチア系セラミックスよりなることが好ましい。
このリチア系セラミックス焼結体は、ペタライト50〜90重量%好ましくは60〜80重量%に対し、融剤としてガラスフリットを好ましくは5〜30重量%特に好ましくは10〜25重量%を配合すると共に、成形時の可塑性を付与する成分として粘土を好ましくは3〜20重量%特に好ましくは5〜15重量%を配合し、水及び必要に応じポリビニルアルコール、メチルセルロース等の成形助剤を添加して混合した泥漿を用いて成形体を成形し、これを焼成することにより製造されるのが好ましい。ペタライト、ガラスフリット及び粘土100重量部に対する水の添加量は40〜70重量部特に50〜60重量部程度が好ましい。この泥漿中の固形分(ペタライト、ガラスフリット及び粘土)の平均粒子径は0.001〜0.01mm程度が好適である。この平均粒子径は、顕微鏡写真から計測される値である。
多孔質セラミックス焼結体を製造する好適な方法としては、次の(1)〜(3)の方法が例示される。
(1)合成樹脂のスポンジを用いる方法
3次元網目構造の合成樹脂製スポンジを用いる方法である。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタンなど、焼成時に炭酸ガスと水のみを発生させるものが好ましい。スポンジの孔径などは、製造される多孔質セラミックス焼結体の3次元網目構造の連通気孔の孔径などに応じて選定されればよいが、通常は線径0.05〜1mmとりわけ0.1〜0.3mm程度で嵩密度が0.02〜0.05g/cm程度のものを用いればよい。
第1図に示すように、多孔質合成樹脂板、石膏板などの吸水性多孔質板1の上に枠2を設置して、浅い容器状の成形型3を構成する。この成形型3内に所定量の上記泥漿4を注ぎ込んだ後、スポンジ5をこの泥漿4中に静かに沈めてスポンジ5に泥漿を含浸させる。なお、先にスポンジ5を成形型3内に配置しておき、泥漿を後から流し込んで含浸させてもよい。
この状態で泥漿中の水分の一部を多孔質板1に吸収させ、泥漿含浸スポンジが保形可能な状態の成形体となったならば、脱型し、次いで成形体を乾燥させる。脱型時の水分が18〜25重量%程度であれば、成形体はハンドリングに支障のない保形性を有する。
成形体を乾燥後、好ましくは1050〜1250℃程度特に好ましくは1100〜1220℃程度で8〜20時間程度焼成することにより、多孔質セラミックス焼結体(原板)が製造される。この焼成時に合成樹脂スポンジが酸化して焼失し、スポンジの焼失痕が気孔として残留し、多孔質セラミックス焼結体よりなる原板が得られる。
(2)焼成骨材を用いる方法
上記のリチア系セラミックス焼結体よりなる骨材を用いる方法である。このリチア系セラミックス焼結体としては、上記の泥漿の原料と同様の、ペタライト50〜90重量%好ましくは60〜80重量%に対し、融剤としてガラスフリットを好ましくは5〜30重量%特に好ましくは10〜25重量%を配合すると共に、粘土を好ましくは3〜20重量%特に好ましくは5〜15重量%を配合し、水及び必要に応じポリビニルアルコール、メチルセルロース等の成形助剤を添加して混合した混合物を成形し、乾燥後、同様の焼成条件で焼成し、得られた焼成品を必要に応じ、破砕し、目的粒度に篩分けにより整粒したものが好適である。目的粒度としては、各粒子の粒径が0.3〜8mm特に0.5〜5mmの範囲に納まる程度が好適である。
なお、転動造粒などの造粒法による場合には、予め目的粒度となるように造粒することにより、破砕及び整粒は不要となる。成形及び乾燥をスプレードライ法によって行なう場合も、目的粒度となるようにスプレードライ操作を行うことにより、破砕及び整粒は不要となる。
この骨材と上記(1)で用いたものと同様の泥漿とを、骨材100重量部に対し泥漿20〜40重量部、特に25〜35重量部の割合で混合して混合スラリーとする。
この混合スラリーを第1図に示したものと同様の成形型3に流し込み、成形体が保形性を有する程度にまで水分を成形型3に吸収させた後、脱型し、乾燥後、上記(1)と同様に焼成することにより多孔質セラミックス焼結体が製造される。
この骨材粒子同士の間に存在していた泥漿の乾燥物は、骨材に比べて嵩密度が著しく小さいものであり、焼成により多孔質となる。これにより、得られた焼結体にあっては、骨材同士の間の泥漿乾燥物由来の部分が連通気孔を有した3次元網目構造の多孔質部分となる。
(3)非焼成骨材を用いる方法
上記(2)の方法において、焼成骨材の代りに非焼成骨材を用いる方法である。この非焼成骨材としては、上記(1)の泥漿の原料と同様の、ペタライト50〜90重量%好ましくは60〜80重量%に対し、融剤としてガラスフリットを好ましくは5〜30重量%特に好ましくは10〜25重量%を配合すると共に、粘土を好ましくは3〜20重量%特に好ましくは5〜15重量%を配合し、水及び必要に応じポリビニルアルコール、メチルセルロース等の成形助剤を添加して混合した混合物を成形及び乾燥し、必要に応じ、破砕し、目的粒度に篩分けにより整粒したものが好適である。目的粒度としては、各粒子の粒径が0.3〜8mm特に0.5〜5mmの範囲に納まる程度が好適である。
なお、転動造粒などの造粒法による場合には、予め目的粒度となるように造粒することにより、破砕及び整粒は不要となる。成形及び乾燥をスプレードライ法によって行なう場合も、目的粒度となるようにスプレードライ操作を行うことにより、破砕及び整粒は不要となる。
この非焼成骨材と上記(1)で用いたものと同様の泥漿とを、非焼成骨材100重量部に対し泥漿20〜40重量部、特に25〜35重量部の割合で混合して混合スラリーとする。
この混合スラリーを用い、上記(2)と同様にして成形、乾燥、及び焼成することにより、多孔質セラミックス焼結体が製造される。この焼結体においても、混合スラリー中の泥漿に由来する部分が連通気孔を有した3次元網目構造となっている。なお、非焼成骨材由来の部分も、上記(2)の焼成骨材由来の部分に比べて、通気性が高いものとなる。
上記(1)〜(3)のようにして製造した多孔質セラミックス焼結体よりなる原板を平面研磨盤等により、好ましくは表面粗さRaが0.1〜20μm特に0.1〜10μmとなるように研磨することにより、ガラス基板熱処理用セッターが製造される。
上記の条件で製造された多孔質リチア系セラミックスは、20℃〜600℃の熱膨張係数が0〜10×10−7/℃であり、耐熱衝撃性に優れる。また、ヤング率が5〜30GPa特に10〜25GPa程度となり、反りが生じたとしても、平坦面上に載置すると弾性変形し、該平坦面に全面的に重なり、平坦となる。特に、セッターの厚さtと長辺の長さ(正方形の場合は一辺の長さ)Lとの比t/Lが0.01以下、とりわけ0.005以下の薄板状であると、平坦面上に載置したときに該平坦面に重なるように容易に弾性変形する。ただし、t/Lは、過度に小さいとセッターの強度が不足するため、0.003以上であることが好ましい。なお、このセッターの厚さtは3〜15mm特に5〜10mm程度が好適である。
この多孔質リチア系セラミックスは、研磨により3次元網目構造の気孔が表面に露呈する。このように表面に露呈した連通気孔は、空気が出入りし易いので、ガラス基板をセッター上に載せたときのガラス基板の滑り(スリップ)が防止される。また、この連通気孔は、ガラス基板の熱処理の過程で発生する低融点金属の蒸気や、その他の昇華物を吸収ないし包蔵するようになり、これがガラス基板の表面に析出することが防止ないし抑制される。これにより高品質の熱処理ガラス基板が製造される。
なお、本発明のセッターを構成するセラミックス焼結体は、β−スポジュメン(LiO・Al・4SiO)系セラミックス又はβ−ユークリプタイト(LiO・Al・2SiO)系セラミックスであってもよい。いずれも、リチア系セラミックスであり、ペタライト、ガラスフリット、粘土の配合比を適宜変更することで、製造設備を変更することなくセッターを製造できる。
製造されたセッターの組成の好適な範囲は次の通りである。
SiO 65〜79重量%
Al 12〜23重量%
LiO 3〜10重量%
NaO 1重量%以下
O 1重量%以下
CaO 1重量%以下
Fe 1重量%以下
TiO 1重量%以下
本発明のセッターは、各種ディスプレイ用ガラス基板の熱処理に用いることができる。このセッターは、例えば1辺が500mm以上の大形のフラットパネルディスプレイ基板の熱処理にも用いることができる大きさとしうる。
このセッターを用いてガラス基板を熱処理するには、ガラス基板をセッターの上面に載せ、熱処理炉に導入し、所定の温度(例えば500〜700℃)に所定時間保持した後、取り出せばよい。
実施例1(スポンジ利用)
表1に示す組成のペタライト70重量%、ガラスフリット20重量%及び蛙目粘土10重量%の調合物100重量部に対し水40重量部及び成形助剤を添加し、ボールミルを用いて平均粒径が5μmとなるように細磨混合して泥漿を製造した。この泥漿を第1図に示す成形型3に深さ1.5cmとなるように流し込んだ。枠2の内法寸法は300cm×350cmである。
次いで、線径0.2mm、高比重0.03g/cmのポリエチレン製スポンジ(160cm×120cm×1.3cm)をこの泥漿中に静かに沈めた。
10時間放置して泥漿中の水分を成形型3に吸収させた後、脱型した。脱型して得た成形体の水分は20重量%であった。
この成形体を、乾燥後、1100℃×12時間の焼成を行って焼結体よりなる原板とした。この原板をダイヤモンド砥石(粗さ#100)を用いた平面研磨盤を用いて表面研磨してセッターとした。セッターの厚さtは5mmであり、長辺の長さLは1000mmであり、t/Lは0.005である。表面粗さRaは0.53μmであった。
Figure 2009227564
このようにして製造したセッターについて、嵩密度、空気透過率、20〜600℃の熱膨張係数、3点曲げ強度、ヤング率、反り、及びガラス基板熱処理100回使用後の反りを測定した結果を表2に示す。なお、反りは、セッターを平坦な金属製の定盤の上に載置して測定した。ガラス基板の熱処理100回使用後の反りの測定は、後で説明する熱耐久性試験の100回使用後に行った。
[ガラス板のスリップ試験]
このセッターを水平に設置し、その上面で100×100×2mmのガラス板を鉛直に起立させた。このガラス板を軽く押し、セッター上に重力によって倒伏させたときの滑り量(スリップ距離)を測定した。この結果を表2に併せて示す。
[熱耐久性試験]
このセッターを用いてフラットパネルディスプレイ用ガラス基板を750℃で熱処理したところ、表面性状が良好なフラットパネルディスプレイ用ガラス基板が得られた。
このセッターを、この熱処理に繰り返し使用し、3点曲げ強度がどのように変化するか測定した。結果を表3に示す。
実施例2(焼成骨材利用)
[焼成骨材の製造]
表1のペタライト70重量部、フリット20重量部及び粘土10重量部を乾式混合した後、プレスして板状とした後、1100℃×12時間焼成した。焼成品を破砕し、0.5〜5mmに篩分けして整粒した。
[セッターの製造]
実施例1で用いたものと同じ泥漿30重量部と上記焼成骨材100重量部とを混合してスラリーとした。このスラリーを第1図に示す成形型3に流し込み、成形、脱型、乾燥した。次いで、実施例1と同一条件で焼成及び研磨してセッターを製造した。セッターの厚さtは5mmであり、長辺の長さLは1000mmであり、t/Lは0.005である。
このセッターについて嵩密度、空気透過率、20〜600℃の熱膨張係数、3点曲げ強度、ヤング率、反り、及びガラス基板熱処理100回使用後の反りを測定した結果を表2に示す。
ガラス板のスリップ試験及びセッターの熱耐久性の測定を実施例1と同様に行い、結果を表2,3に示した。
実施例3(非焼成骨材利用)
[非焼成骨材の製造]
実施例1で用いたものと同一の泥漿を加熱乾燥して、板状とした後、破砕し、0.5〜5mmに篩分けして整粒した。
[セッターの製造]
実施例1で用いたものと同じ泥漿40重量部と上記非焼成骨材100重量部とを混合してスラリーとした。このスラリーを第1図に示す成形型3に流し込み、成形、脱型、乾燥した。次いで、実施例1と同一条件で焼成及び研磨してセッターを製造した。セッターの厚さtは5mmであり、長辺の長さLは1000mmであり、t/Lは0.005である。
このセッターについて嵩密度、空気透過率、20〜600℃の熱膨張係数、3点曲げ強度、ヤング率、反り、及びガラス基板熱処理100回使用後の反りを測定した結果を表2に示す。また、ガラス板のスリップ試験及びセッターの熱耐久性の測定を実施例1と同様に行い、結果を表2,3に示した。
比較例1
スポンジを浸漬せずに泥漿のみを用いたこと以外は実施例1と同様にしてセッターを製造した。セッターの厚さtは5mmであり、長辺の長さLは1000mmであり、t/Lは0.005である。
このセッターについて嵩密度、空気透過率、20〜600℃の熱膨張係数、3点曲げ強度、ヤング率、反り、及びガラス基板熱処理100回使用後の反りを測定した結果を表2に示す。また、スリップ試験及びセッターの熱耐久性試験結果を表2,3に示す。
Figure 2009227564
Figure 2009227564
表2より、実施例1〜3に係るセッターは、その上に載置したガラス板が比較例1に比べて滑りにくいものであることが明瞭に認められる。また、実施例1〜3のセッターは、金属製の定盤の上に載置すると、全面的に密着状に重なり、反りは0となった。
表3より、実施例1〜3のセッターは、比較例1に比べて耐熱耐久性に優れていることが認められる。即ち、実施例1〜3のセッターは、100回使用しても曲げ強度は殆ど低下しない。これに対し、比較例1のセッターは、初期強度は高いが、100回使用すると、当所の1/2以下にまで曲げ強度が低下する。
成形型の断面図である。
符号の説明
1:多孔質板
2:枠
3:成形型
4:泥漿
5:スポンジ

Claims (9)

  1. 上面にガラス基板を載せて熱処理するためのセッターであって、板状のセラミックス焼結体よりなるガラス基板熱処理用セッターにおいて、
    20〜600℃の熱膨張係数が0〜10×10−7/℃であり、かつ3次元網目構造の連通気孔を有する多孔質セラミックス焼結体よりなることを特徴とするガラス基板熱処理用セッター。
  2. 請求項1において、空気透過率が0.5〜10×10−3cmであることを特徴とするガラス基板熱処理用セッター。
  3. 請求項1又は2において、該セッターの上面の表面粗さRaが0.1〜20μmであることを特徴とするガラス基板の熱処理用セッター。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記セラミックス焼結体がペタライト系セラミックス焼結体であることを特徴とするガラス基板の熱処理用セッター。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記セラミックス焼結体のヤング率が5〜30GPaであることを特徴とするガラス基板熱処理用セッター。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該セッターの厚さtと長辺の長さLとの比t/Lが0.01以下であることを特徴とするガラス基板熱処理用セッター。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項のガラス基板熱処理用セッターを製造する方法であって、
    原料粉の泥漿を合成樹脂のスポンジに含浸させ、乾燥後、焼成し、その後、表面を研磨してガラス基板熱処理用セッターを製造することを特徴とするガラス基板熱処理用セッターの製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項のガラス基板熱処理用セッターを製造する方法であって、
    原料の粒状成形体及び/又は粒状焼成品と原料粉の泥漿とを混合し、
    この混合物から板状成形体を成形し、乾燥後、焼成し、その後、表面を研磨してガラス基板熱処理用セッターを製造することを特徴とするガラス基板熱処理用セッターの製造方法。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガラス基板熱処理用セッターの上にガラス基板を載せて熱処理することを特徴とするガラス基板の熱処理方法。
JP2008246128A 2008-02-29 2008-09-25 ガラス基板の熱処理用セッター、その製造方法及びガラス基板の熱処理方法 Pending JP2009227564A (ja)

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