JP2009226235A - 吸着剤の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステロール誘導体が吸着し処理能力が低下した吸着剤より、後段の工程に悪影響を及ぼすことなく、食品分野でも問題とならない方法でステロール誘導体を除去し、容易に吸着剤を再生することができる処理方法を提供すること。
【解決手段】 ステロール誘導体が吸着している吸着剤に、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液を、加温条件下で接触させることによりステロール誘導体を除去することを特徴とする、吸着剤の再生方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステロール誘導体を吸着した吸着剤よりステロール誘導体を除去し、吸着剤を再生させる方法に関するものである。
エルゴステロールやステロール脂肪酸エステル等のステロール誘導体は、植物や、酵母等の微生物に含有されており、とくにエルゴステロールはビタミンD2の前駆体として知られている。植物中もしくは微生物内のエルゴステロールなどのステロール誘導体は、必要に応じてこれら植物や微生物の細胞壁や細胞膜を物理的もしくは化学的に破壊したのち、有機溶剤等を用いて抽出し、その抽出液を冷却して結晶化させて得る方法が一般的である。しかしながら、例えばエルゴステロールを晶析法により回収する場合、通常微細な結晶であるため、晶析後の固液分離が困難であり、エルゴステロールの該有機溶媒への溶解度から期待される結晶量に対して実際の収率が低くなるなどの問題がある。
また、植物ステロールといわれる植物性油脂に含まれるステロール誘導体は、消化管からのコレステロール吸収を抑制することで、血中コレステロール濃度を低下させることが知られている。そのため、ステロール誘導体は産業上有用であり、油脂中より回収する試みが盛んに行われている。
一方、Saccharomyces cerevisiae等の微生物培養により生産される有用物質(例えば、アミノ酸、チオール系化合物、ポリヒドロキシアルカン酸など)を高純度で回収する場合は、その抽出液に含まれるエルゴステロールやその他ステロール誘導体は不純物となり、これらを分離、除去することが必要となる。また、植物性油脂等にもわずかながら含有されているコレステロールを除去したノンコレステロール油は、最近生活習慣病対策として注目されており、非常に有価性の高いものである。
上述したような従来のステロール誘導体の分離・回収方法では、植物性油脂や微生物培養後の抽出液等から、エルゴステロールやその他のステロール誘導体とその他の有用成分を同時に分離、または一方のみを選択的に除去することは難しく、それぞれを回収する別々の工程が必要となってくる。工程の安定化を図るうえではより容易にこれらを分離、あるいは除去できるプロセスが望ましい。
このような目的で、ステロール誘導体を選択的に除去あるいは回収する方法として、活性白土や活性炭等の吸着剤にステロール誘導体を吸着させて分離する方法が行われている。この場合、吸着剤の吸着容量には限度があり、処理量が一定量を超えると吸着破過に達し、吸着性能は低下するため、吸着剤を新しいものと交換する必要があるが、コスト面を考慮すると、使用後の吸着剤を洗浄し、繰り返し使用することが望ましい。
吸着剤を再生する最も一般的な方法のひとつとして加熱再生法が挙げられ(非特許文献1)、さまざまな分野で実用化されている。加熱再生法のメカニズムは、吸着剤の乾燥→焼成→再賦活の各過程から成り立っている。この方法は活性炭の再生の際に利用されることが多く、高効率に再生することが可能である。しかしながら、本方法で吸着剤を再生するためには大規模な装置が必要であり、各過程においてもさまざまな問題点がある。例えば、乾燥工程では、細孔内の水分を蒸発除去する際に、低沸点性の臭気成分や低温腐食性の酸性ガスが同伴してくるという点や、エネルギーの使用量が多いという点、賦活時に加熱した際に、金属塩が残留してしまい、それらの塩類や酸化物の触媒効果により望ましくない径の細孔を増加させてしまうなどの問題がある。
加熱再生法に対して、大規模な装置を必要とせず、簡易的に吸着剤を洗浄、再利用する方法として、塩化メチレン等塩素系有機溶媒を用いた例がある(特許文献1)。これは、吸着工程後に吸着剤に残った吸着質を溶出させることと同時に、吸着剤を洗浄することを目的として行う操作である。しかしながら、食品用途の場合はこれら塩素系有機溶媒の使用は好ましくないということや、後段の工程を考慮した場合の残存塩素系有機化合物の影響などを鑑みると、塩素系有機溶剤を使用した吸着剤の再生工程には未だ問題も存在する。
また、薬液による再生方法の例としてこのほかに、水、エタノールに、水酸化ナトリウム等のアルカリを混合した溶液を使用したものがある(特許文献2)。これは、汚染物質を吸着した活性炭に対して、100℃以下で6〜24時間、上記の溶液と反応させて脱着処理を行う理化学的再生方法であり、さらに、再生反応器から排出される廃液中のエタノールを回収するためのエタノール回収手段を含めたものである。この場合、エタノールを繰り返し使用することができるという点で高い効果を示すが、アルカリを使用することによる安全性の問題や、pHがアルカリ領域のまま再利用することは、後段の工程や再生処理排水を鑑みれば好ましくないことから、再生処理を行った後の活性炭を再利用する際に、pHをアルカリ領域から中性以下に戻す工程が必須となるが、この際に使用する薬液が大量に必要であり、非常に時間がかかるという問題がある。
最新吸着技術便覧 竹内 雍 監修 p846−867(1999) 特開2003−221590 特開平11−47590
上述したように、ステロール誘導体の回収や除去に使用された吸着剤は、プロセスの簡易化やコストの面からも再生して再利用することが望ましい。吸着剤の再生方法としては、薬液による吸着剤の再生が、低エネルギーで、装置の大型化も不要で操作面でも容易だが、用途によっては使用できない薬液が存在したり、再生液が後工程に残存すると悪影響を及ぼすなどの問題もある。
そのため、本発明の課題は、このような従来の問題点を解決しようとするもので、吸着剤に吸着しているステロール誘導体を、後段の工程に悪影響を及ぼすことなく、食品分野でも問題とならない方法で除去し、容易に吸着剤を再生することができる処理方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明では、ステロール誘導体が吸着した吸着剤に、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液を加温条件下で接触させることにより、吸着剤に吸着しているステロール誘導体が酸化分解されて、溶液中に溶出し、吸着剤を再生することが可能であることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1] ステロール誘導体が吸着している吸着剤に、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液を、加温条件下で接触させることによりステロール誘導体を除去することを特徴とする、吸着剤の再生方法。
[2] 吸着剤が、活性炭または活性白土である[1]の再生方法。
[3] 吸着剤が、活性炭である[1]の再生方法。
[4] 酸または酸化剤が、酢酸、塩酸、硫酸、過酸化水素またはオゾンである[1]〜[3]のいずれかの再生方法。
[5] 酸化剤が過酸化水素である[1]〜[3]のいずれかの再生方法。
[6] アルコールが、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びメタノールからなる群より選択される1種以上である[1]〜[5]のいずれかの再生方法。
[7] アルコールがエタノールである[1]〜[5]のいずれかの再生方法。
[8] 吸着剤と酸を含有するアルコール溶液の接触時の加温温度が50℃以上である[1]〜[7]のいずれかの再生方法。
[9] ステロール誘導体がステロール脂肪酸エステルであることを特徴とする[1]〜[8]いずれかの再生方法。
[10] ステロール脂肪酸エステルがエルゴステロールであることを特徴とする[1]〜[8]いずれかの再生方法。
本発明によれば、ステロール誘導体を吸着し、処理能力が低下した吸着剤に、酸もしくは酸化剤を含有するアルコール溶液を加温条件下で接触させることにより、吸着剤の吸着サイトを回復させることができ、吸着剤を複数回使用することが可能となる。また、塩素系の有機溶媒を使用していないため、使用不可能な用途がなく、後段の工程への悪影響もない。コスト的にも塩素系の有機溶媒を使用するよりも有利である。さらには、カラム処理も可能な方法であることから、その場合溶剤の交換が容易でろ過の必要がないなど、トラブル要因の少ない簡便な方法であるという点でも操作性に優れている。
植物や微生物を原料とする油脂やそれらの抽出液等に含まれるエルゴステロールやその他ステロール誘導体は、活性炭等の吸着剤を用いて吸着分離、除去することができる。しかしながら、吸着剤の吸着容量には限度があるため、処理量が一定量を超えると吸着破過に達し、吸着性能は低下する。
本発明の再生方法においては、このような、ステロール誘導体を吸着し、処理能力が低下した吸着剤を対象とする。
本発明においては、上記ステロール誘導体が吸着している吸着剤に、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液を加温条件下で接触させることにより、吸着剤よりステロール誘導体を除去し、吸着剤を再生する。
ここで、再生対象となる吸着剤に吸着されているステロール誘導体としては、ステロール骨格を有するものであれば特に限定されず、植物由来、動物由来、微生物由来のいずれでもよい。具体的には、コレステロール、カンペステロール、デスモステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、α−シトステロール、β−シトステロール、ジヒドロ−β−シトステロール、γ−シトステロール、7−デヒドロコレステロール、エルゴステロール、22−ジヒドロエルゴステロール等や、これらのステロール誘導体のC−3位の水酸基に脂肪酸がエステル結合しているステロール脂肪酸エステル類が挙げられる。これらのうち、2種類以上を混合していてもよい。本発明においては、このうち、植物体またはSaccharomyces cerevisiae等の酵母を培養した後の培養生産物などに多く含まれ、晶析法など他の方法では分離、除去が困難であるということから、好ましくはステロール脂肪酸エステルまたはエルゴステロールを対象とするのがよい。
本発明において使用する吸着剤としては特に限定されないが、粉末活性炭、粒状活性炭等の活性炭、活性白土、酸性白土、シリカゲル、シリカマグリシア、珪藻土、活性アルミナ、合成吸着剤、ゼオライト等が挙げられる。これらのうち、2種類以上を混合していてもよいが、好ましくは活性白土、活性炭がよく、さらには粉末活性炭、粒状活性炭等の活性炭が好ましく、コストや吸着性能、取扱いやすさを鑑みると、粒状活性炭がもっとも好ましい。
本発明の再生方法において使用するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ヘキサデカノール(セチルアルコール)、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、オレイルアルコール、リノリルアルコール等が挙げられ、これらのうちの2種類以上を混合していてもよい。このうち、扱いやすさの点からメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましく、食品分野で使用可能であるということや、他のアルコールと比較してコスト的に安価であることを鑑みると、エタノールがより好ましい。これらアルコールは、無水のものを使用してもよいが、水を含んでいてもかまわない。例えば、本発明の再生方法においてエタノールを使用する場合のエタノール濃度は50〜99.5重量%が好ましく、ステロール誘導体を効率よく溶出させることを踏まえれば、70〜99.5重量%がより好ましい。
本発明の再生方法において使用する酸もしくは酸化剤としては、特に限定されないが、酢酸、リン酸、硫酸、塩酸、炭酸、過酸化水素、オゾンなどが挙げられる。これらのうち、2種類以上を混合していてもよい。取り扱いや効率の点から、酢酸、硫酸、塩酸、過酸化水素が好ましく、人体への悪影響を可能な限り低減させること、塩素化合物や硫黄化合物等の副生成物が形成されて後段の工程に悪影響を及ぼさないようにすることなく、再生処理後の洗浄操作が不要であるという点から、自身が分解されやすい過酸化水素がより好ましい。また、これら酸または酸化剤のアルコール溶液に対する濃度は、0.1〜20容積%が好ましく、0.1〜10容積%がより好ましい。これらの酸または酸化剤は水溶液としてアルコールに添加することもできる。
本発明の再生方法において、ステロール誘導体が吸着している吸着剤と、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液とを接触する温度条件としては、加温条件であれば特に限定されるものではないが、好ましくは50℃以上であり、温度が高いほどステロール誘導体の分解速度やアルコールへの溶解性が向上し、吸着剤再生効率が向上するため、より好ましくは70℃である。上限としては、特に限定されないが、好ましくは100℃以下であり、使用するアルコールの沸点を鑑みればさらに好ましくは80℃以下である。
吸着剤の再生処理方法には、バッチ式またはカラム通液式が挙げられるが、吸着剤の回収の際のろ過の必要性や溶剤交換のスムーズ化、これらの操作による吸着剤の崩壊の可能性を鑑みれば、好ましくはカラム通液式である。カラム通液式の場合の、好ましい装置の一例として、後述の実施例で使用した図1のカラム装置が挙げられる。
カラム通液式の場合、吸着剤を充填したカラムへの、酸または酸化剤を含有したアルコール溶液の通液速度としては、好ましくは0.1 ml/min〜30 ml/min、空塔速度SV 0.3 /hr〜100 /hrであるが、処理すべき液量に対する処理時間の短縮化および吸着剤の細孔内拡散律速の影響を鑑みれば、より好ましくは1 ml/min〜20 ml/min、空塔速度SV 3 /hr〜60 /hrである。酸または酸化剤を含有したアルコール溶液の通液量は、好ましくは吸着剤1 kgあたり10 L〜300 Lであり、再生効率より好ましくは50 L〜200 Lである。
バッチ式の場合、吸着容量を考慮すれば、酸または酸化剤を含有したアルコール溶液の使用量はカラム通液式よりも少なく、好ましくは吸着剤1 kgあたり5 L〜100 Lであり、より好ましくは10 L〜100 Lである。また、吸着剤と酸または酸化剤を含有したアルコール溶液の反応時間は5分〜24時間程度であり、可能な限り短時間でかつ十分に吸着成分を溶出させるためには、好ましくは20分〜5時間である。
本発明の再生方法においては、上述したような処理方法によって、ステロール誘導体が吸着することで処理能力が低下した吸着剤の吸着性能を回復させることができ、結果、吸着剤を複数回使用することを可能とする。例えば、新品の活性炭を使用し、ある条件で実施した酵母抽出物からのエルゴステロール除去率が60%以上であり、ステロール脂肪酸エステル類の除去率が40%以上の場合、使用済みの活性炭を本発明の再生方法によって再生処理することによって、同条件で実施したときのエルゴステロール除去率を、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上まで回復させ、ステロール脂肪酸エステル類の除去率を好ましくは35%以上、より好ましくは38%以上、さらに好ましくは40%以上まで回復させることができる。
すなわち、本発明の再生方法によって、新品の吸着剤の吸着容量に対し、エルゴステロールおよびステロール脂肪酸エステルに対する除去性能を好ましくは80%以上まで回復させる再生効率が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
本実施例で使用した吸着剤充填カラム装置の概略を図1に示す。エルゴステロールやステロール脂肪酸エステル等のステロール誘導体を含有する酵母抽出液、もしくは再生に使用する溶剤は、カラム下部よりアップフローで供給した。供給された酵母抽出液や再生に使用する溶剤がカラム内を通り、エルゴステロール等のステロール誘導体が、吸着剤に吸着、もしくはこれら成分が吸着剤より脱離した処理液が、塔上部より得られる。得られた処理液は吸光度計を経てフラクションコレクターに導き、分取した。分取されたサンプルを、液体クロマトグラフにより分析を行い、各成分の濃度を測定、吸着容量や吸着率、吸着順位等を評価した。また、カラム周囲に温水を循環することにより、適度な温度にカラムを加温した。
下記の実施例において、エルゴステロールおよびステロール脂肪酸エステルの濃度分析には、高速液体クロマトグラフ(SHIMADZU製)を使用した。
(吸着剤充填カラム装置)
カラム:d= 40 mm, h= 90 mm
送液速度:10 ml/min(空塔速度SV 30 /h)
ポンプ:中圧ポンプNo. 540(山善株式会社製)
吸光度計:UV-VIS検出器 SPD-20A(SHIMADZU社製)
フラクションコレクター:フラクションコレクター FR-50N(山善株式会社製)
(HPLC測定条件)
カラム:YMC-Pack ODS-A (150mm(長さ)×4.6mm(内径))
オーブン温度:30℃
移動相:メタノール/ヘキサン=85/15(容積比)
流速: 1.0 ml/min
エルゴステロールの保持時間: 3.5 min
ステロール脂肪酸エステルの保持時間: 18 min
(実施例1)
<吸着工程1回目> 図1のカラム装置に、石炭系粒状活性炭(三菱カルゴン株式会社製、商品グレード:APA)を18.55 g充填し、n−ヘキサン置換した酵母抽出液1.58 Lを、50℃でカラム下部より流速10 ml/min(SV 30/h)で通液してエルゴステロールやステロール脂肪酸エステル等のステロール誘導体を活性炭に吸着させた。その後、同温度のカラムにn−ヘキサン3.84 Lを、流速10 ml/min(SV 30/h)で通液し、活性炭に吸着したステロール誘導体以外の物質を洗浄した。その結果、1回目の吸着工程では、エルゴステロールは90%以上、ステロール脂肪酸エステルは72%以上の除去率が得られた。
<再生工程> 次に、上記吸着工程で使用した活性炭を再利用することを目的として、1回目の吸着工程終了後のカラムを72℃に加温し、30%過酸化水素水を99.5%エタノール対して過酸化水素が1容積%相当分になるように添加したエタノール溶液3.69 Lを、流速10 ml/min(SV 30/h)で通液した。本工程においては、吸着工程で活性炭に吸着されていたエルゴステロールやステロール脂肪酸エステルは、分解されエタノール溶解性の物質となって、活性炭から溶出した。
<吸着工程2回目> 上記再生工程後、1回目の吸着工程と同条件で酵母抽出液を通液・処理し、エルゴステロールとステロール脂肪酸エステルの除去率を評価した。
上記2回の吸着工程におけるエルゴステロールとステロール脂肪酸エステルの除去率を表1に示す。
(比較例1)
再生工程において、99.5%エタノールの代わりに水を用いた以外は、実施例1と同条件で、活性炭による酵母抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
再生工程において、使用する溶剤に30%過酸化水素水を添加せず、99.5%エタノールをそのまま通液した以外は、実施例1と同条件で、活性炭による酵母抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
再生工程を実施せず、1回目の吸着実施後に引き続き2回目の吸着を実施した以外は、実施例1と同条件で、活性炭による酵母培養抽出液からのステロール誘導体の吸着を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009226235
上記実施例1の結果より、過酸化水素を含有するエタノールで処理することによって、活性炭に吸着したエルゴステロールやステロール脂肪酸エステルが除去され、2回目の吸着工程でも1回目の吸着工程の除去率の90%程度まで除去率が復活し、粒状活性炭を再生できることがわかった。再生工程を行わなかった場合、あるいは再生工程において酸化剤を含有するアルコールを使用しなかった場合は、2回目の吸着工程で著しくエルゴステロールやステロール脂肪酸エステルの除去率が低下した。
(実施例2)
再生工程において30%過酸化水素水の代わりに、酢酸を使用し、99.5%エタノールに対して1容量%相当分になるように添加したことと、2回目の吸着工程前に0.3 Lのn-ヘキサンでカラム洗浄を行った以外は実施例1と同条件で、活性炭による酵母抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。2回目の吸着工程での結果を表2に示す。
(実施例3)
再生工程において、30%過酸化水素水の代わりに、塩酸を使用し、99.5%エタノールに対して1容量%相当分になるように添加したことと、2回目の吸着工程前に0.3 Lのn-ヘキサンでカラム洗浄を行った以外は実施例1と同条件で、活性炭による酵母抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。2回目の吸着工程での結果を表2に示す。
(実施例4)
再生工程において、99.5%エタノールの代わりに70%エタノールを使用し、過酸化水素が1容積%相当分になるように30%過酸化水素水を添加した以外は、実施例1と同条件で、活性炭による酵母培養抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。2回目の吸着工程での結果を表2に示す。
(実施例5)
再生工程において、99.5%エタノールの代わりにメタノールを使用し、過酸化水素が1容積%相当分になるように30%過酸化水素水を添加した以外は、実施例1と同条件で、活性炭による酵母培養抽出液からのステロール誘導体の吸着と活性炭の再生を行った。2回目の吸着工程での結果を表2に示す。
Figure 2009226235
実施例で使用した吸着剤充填カラム装置の概略

Claims (10)

  1. ステロール誘導体が吸着している吸着剤に、酸または酸化剤を含有するアルコール溶液を、加温条件下で接触させることによりステロール誘導体を除去することを特徴とする、吸着剤の再生方法。
  2. 吸着剤が、活性炭または活性白土である請求項1記載の再生方法。
  3. 吸着剤が、活性炭である請求項1記載の再生方法。
  4. 酸または酸化剤が、酢酸、塩酸、硫酸、過酸化水素またはオゾンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生方法。
  5. 酸化剤が過酸化水素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生方法。
  6. アルコールが、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びメタノールからなる群より選択される1種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の再生方法。
  7. アルコールがエタノールである請求項1〜5のいずれか1項記載の再生方法。
  8. 吸着剤と酸を含有するアルコール溶液の接触時の加温温度が50℃以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の再生方法。
  9. ステロール誘導体がステロール脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の再生方法。
  10. ステロール脂肪酸エステルがエルゴステロールであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の再生方法。
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