JP2009222140A - バルブ用アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯車減速機構4の中間軸6にトルクリミッタ7を設け、このトルクリミッタ7は、通常時にはモータ1からの回転を出力軸5側に伝達し、出力軸5に過負荷が生じたときにこの出力軸5との接続が切り離されるクラッチ部15と、過負荷発生時にクラッチ部15と連動してこのクラッチ部15の回転方向に回転して回転側に設けた制御用スイッチ36、37を作動するカム部17とを有するバルブ用アクチュエータである。
【選択図】 図2
Description
この種のウォームギアを用いたアクチュエータとして、例えば、特許文献1の弁駆動用アクチュエータがある。
更に、ウォームギア使用のアクチュエータは、最終段のウォームギアに対してスプリングを設けているため負荷が大きくなって、スプリングが強い弾性力を有する必要があり、また、ウォームギアをスライドさせる構造であるため広い空間が必要になって全体が大型化していた。
図1乃至4においては、本発明のバルブ用アクチュエータの好ましい一例を示している。本発明のバルブ用アクチュエータは、モータ1と、このモータ1からの回転を減速する1次側のギア2やピニオン部材3等を有する歯車減速機構4と、この歯車減速機構4からの回転を出力する出力軸5とを有している。モータ1からの回転は、歯車減速機構4を介して出力軸5に伝達される。出力軸5は、図示しないバルブのステムと接続されており、この出力軸5の回転は、ステムと接続された弁体に伝達される。これにより、バルブは、開閉又は中間開度に制御可能に設けられている。歯車減速機構4の中間軸6には、トルクリミッタ7が設けられ、バルブに過負荷が生じたときには、このトルクリミッタ7によってモータ1からの回転を遮断できるようになっている。
クラッチユニット9は、ギア2の回転軸であるシャフト11の上部にキー12を介して接続され、一方、ピニオンユニット10は、ギア2とクラッチユニット9との中間位置であり、且つ、シャフト11の外周側に配設されている。本実施形態では、図のように、クラッチユニット9を上方側、ピニオンユニット10を下方側に配置することで、歯車減速機構4と制御用スイッチ類の区画を分けており、調整作業がしやすくなっている。
クラッチ部15は、ギア2とピニオン部材3との間に配置され、環状のクラッチ板18とこのクラッチ板18の上面の凸部19に装着された環状の磁性体20により構成される。クラッチ板18は、下面側に略半球凹状のボール収容部21が複数箇所に等間隔に形成され、このボール収容部21には金属製のボール22が回転可能に収容されている。このボール22の個数は、クラッチ板18の水平状態を常に維持して傾くことを防止するため、3個以上とするのがよい。
スプリング部16は、スプリング部材27の弾性力によりクラッチ板18をピニオンユニット10側に付勢しており、このスプリング部材27によるクラッチ板18を押圧する力はナット25の締め込み具合を変えることにより調整可能になっている。
ピニオン部材3は、ベアリング49を介してシャフト11に回転自在に取付けられ、また、中間歯車8と噛合して取付けられている。
図に示すように、曲線部54をより大きく設けた場合には直線部53と平面部52との繋ぎ部位におけるボール22との接触点の位置変化がなだらかとなり、急激な荷重の変化が発生し難くなる。図において、曲線部54は、少なくともボール直径Dの1/2以上に設けるのがよく、望ましくは、ボール直径Dと同等以上とするのがよい。
また、曲線部54は、スプリング部材27の弾性力やクラッチ部15の回転数などに基づいて適宜設定し、動力遮断時にボール22が確実に溝部51から外れるようにする。
更に、溝部51の傾斜角θを変えることでトルクリミッタ7の作動トルクを変更することもでき、また、この溝部51の長さを左右(回転方向)で変えることにより、開・閉時の作動トルクに差を設けることも可能になっている。
動力遮断時には、過負荷が発生したことと上昇したクラッチ部15の回転方向がリミットスイッチ36、37により直接検出され、動力遮断後の再起動時の反転方向が決定される。
以下に、トルクリミッタ7を介して動力が伝達する場合と、トルクリミッタ7により動力が遮断される場合について、より詳細なメカニズムを説明する。
このとき、カム部17は、上カム板31が保持部材38に下側で支えられて中吊り状態となり、クラッチ部15から離間した状態になっている。従って、図において、シャフト11が回転したときに、クラッチ部15は、ボール22を介してピニオンユニット10と共に回転するが、カム部17は回転しない。
このように、磁性体20の磁性を利用してクラッチ部15をカム部17に引き上げていることから、クラッチ部15の上昇が不安定な場合でも磁性体20の磁力によって確実にカム部17と密着させることができる。
このときのカム部17のピン29をバルブ開側とすると、このピン29が開側のリミットスイッチ36の作動片36aを押圧したときに、このリミットスイッチ36が作動してモータ1への電力供給回路を開放し、モータ1が停止する。
そして、図5(b)の状態になったときには、開側の電力供給用リミットスイッチ36の作動により、開側の電力供給回路を解放する一方、閉側の電力供給回路を閉じることにより、再起動時における反転動作を直ちにおこなうようにしている。
本例においては、カム部17のピン29が開側のリミットスイッチ36を作動させる場合を説明したが、閉側のリミットスイッチ37を作動させる場合においてもカム部17の回転方向が逆になるだけで上記と同様の動作が行われる。
ここで、図3に示したように動力伝達時におけるクラッチ部15とカム部17との離間距離をS、この離間距離Sを有する場合の保持部材38と下カム板32との離間距離をT、また、図2に示したようにトルクリミッタ7作動時におけるクラッチ部15の上昇量をLとしたときに、図2に示すトルクリミッタ7作動時におけるクラッチ部15とカム部17との離間距離S1は、離間距離S1=離間距離S+離間距離T−上昇量Lと表すことができる。
また、クラッチ部15に装着した磁性体20による磁着力(吸着力)をFz、カム部17と保持部材38との間の摩擦力をFm(=カム部17の自重×摩擦係数)とする。
更に、クラッチ部は、上記実施形態のように磁力を利用した磁性体20以外であってもよく、例えば、ばね力を利用したボールプランジャを用いて機械的に結合することもできる。この場合、例えば、クラッチ部15の上面側に3個のボールプランジャを等間隔に配置し、一方、下カム板32の下面側に16個の円錐状の穴を等間隔に設けるようにする。これにより、3個の各ボールプランジャが円錐穴と噛合って動力を伝達することができる。また、動力遮断後に復帰させる場合には、16個の細かく位相をずらした円錐穴に対してボールプランジャが噛合うためボールガイド48の空転を極力少なくして迅速に動力を伝達させることができる。
4 歯車減速機構
5 出力軸
6 中間軸
7 トルクリミッタ
8 中間歯車
15 クラッチ部
20 磁石(磁性体)
22 ボール
28 カム部
36、37 リミットスイッチ(制御用スイッチ)
38 保持部材
43、44 戻りばね
48 ボールガイド
51 溝部
52 平面部
53 直線部
54 曲線部
55 外歯歯車
56 内歯歯車
D ボール直径
R 半径
Claims (6)
- モータと、このモータからの回転を減速する歯車減速機構と、この歯車減速機構からの回転を出力する出力軸とを有するバルブ用アクチュエータであって、前記歯車減速機構の中間軸にトルクリミッタを設け、このトルクリミッタは、通常時には前記モータからの回転を前記出力軸側に伝達し、前記出力軸に過負荷が生じたときにこの出力軸との接続が切り離されるクラッチ部と、過負荷発生時に前記クラッチ部と連動してこのクラッチ部の回転方向に回転して回転側に設けた制御用スイッチを作動させるカム部とを有することを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
- 前記クラッチ部の出力側にボールガイドを設け、このボールガイドは、回転方向に傾斜する溝部を有し、前記クラッチ部側からの押圧により前記溝部とクラッチ部との間にボールを保持して前記モータ側からの回転を前記クラッチ部に伝達すると共に、過負荷時には前記ボールが前記溝部の頂部側に形成された平面部に乗り上げて前記クラッチ部への回転伝達を遮断するようにした請求項1に記載のバルブ用アクチュエータ。
- 前記クラッチ部に磁性体を設け、前記ボールの乗り上げにより前記クラッチ部が前記カム部側に移動したときにこのクラッチ部とカム部とが前記磁性体により磁着するようにした請求項1又は2に記載のバルブ用アクチュエータ。
- 前記溝部の底側に設けた直線部と前記平面部との間に曲線部を設け、この曲線部の半径を前記ボールの直径の少なくとも1/2以上に設けた請求項2又は3に記載のバルブ用アクチュエータ。
- 前記カム部を回転可能に芯出し保持する保持部材を設け、この保持部材に前記カム部を自動復帰させる戻りばねを装着した請求項1乃至4の何れか1項に記載のバルブ用アクチュエータ。
- 前記歯車減速機構は、前記中間軸に設けた中間歯車からの回転が入力されたときに揺動回転する外歯歯車と、この外歯歯車と内接噛合する内歯歯車とを備え、前記出力軸に前記外歯歯車の揺動回転から取り出された自転回転を伝達する内接噛合遊星歯車伝達機構である請求項1乃至5の何れか1項に記載のバルブ用アクチュエータ。
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