JP7274195B2 - 過負荷保護機構を備えた動力伝達機構 - Google Patents
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Description
剛性内歯歯車は剛性を有する円筒状形状をしており、内側に歯車の歯が形成されている。可撓性外歯歯車は可撓性を有する薄肉円筒状形状をしており、外側に歯車の歯が形成されている。波動発生装置は楕円状形状をしており、可撓性外歯歯車の内側に嵌め、可撓性外歯歯車を楕円形に撓めている。撓められた可撓性外歯歯車が部分的に剛性内歯歯車に噛み合わされた状態を形成することで高減速比を実現し、小型軽量で、高精度、ノンバックラッシュという優れた特性を備えている。
特にロボットの関節駆動では、アクチュエータとしてのモータを作動している際、急な加減速等に伴い、モータ自体が大トルクを発生した場合、あるいは、ロボットと環境との接触、人間型歩行ロボットの転倒等により、アームや脚などからモータに対し大きなトルクが逆入力された場合、ラチェッティングが発生することがある。
ラチェッティングが1度でも発生すると、歯車の歯が摩耗破損し、ラチェッティングトルクが低下し、ラチェッティングが再発し易くなるばかりでなく、最悪、薄肉状の可撓性外歯歯車に亀裂破損が発生し、波動歯車減速装置等、高価な減速機の交換を余儀なくされる。
仮に、ラチェッティングや亀裂破損に至らなくても、負荷側からの逆入力によりモータが発電機として作用し、発生した逆起電力によるロボット電源の瞬停を招き、ロボットの信頼性を損なうことにつながる。
こうしたことから、動力伝達系に作用し得る過大な負荷は、ロボットの普及を阻む一因となっている。
さらに、ロボットが環境と接触したり、転倒した場合については、アームや脚などから、想定外の衝撃的な大トルクがモータに対して逆入力トルクが減速装置に作用することになる。このため、ラチェッティングトルクに余裕のある波動歯車減速装置を採用した場合においても、想定外の衝撃的な大トルクは、ラチェッティングトルクを大きく上回ることが想定される。
また、特許文献2、3には、波動歯車減速装置の波動発生器と入力シャフトの間に非固定部材を導入し、通常運転時(過負荷トルク以下での運転時)は摩擦力で波動発生器と入力シャフトを固定し、過負荷トルクが作用した場合に、波動発生器と入力シャフトの間に回転方向に滑りが生じることでラチェッティングを抑制する波動歯車減速装置が開示されている。
しかし、摩擦力を利用することから、動力伝達効率が低下するとともに、摩擦力は、摩擦面の状態、運転時間や気温や湿度などの影響を大きく受けるため、安全率を高めるためには、伝達される回転トルクに大幅な制限を加えざるを得ず、モータの出力特性を最大限活かした、適切な過負荷保護を実現することが困難である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。
実施例1は、減速機として波動歯車装置を利用したロボット関節構造1に適用したもので、図1は関節構造の外観を示す斜視図であり、図2、図3はその表裏からみた分解図である。
電動モータ等のアクチュエータ101からの出力は、タイミングベルト104、従動プーリ103を介して入力シャフト51に伝達される。入力シャフト51の回転は、減速装置2として、剛性内歯歯車22、可撓性外歯歯車23、波動発生器24からなる波動歯車装置21により減速され、本実施例における過負荷保護機構である過負荷保護装置31、出力部14を介してロボットの関節構造を駆動する出力部14に伝達される。
波動歯車装置21は、ケース本体41、蓋カバー42、底カバー43からなるケース部12内に、波動歯車装置21の出力軸ならびに入力軸(入力シャフト51の回転軸)回りに相対回転自在に収納されている。このケース部12内に、波動歯車装置21側の第1クラウンギヤ32、中央側の第2クラウンギヤ33、ケース部12のケース本体41側に配置された弾圧部材34とで構成された過負荷保護装置31が配置されている。
なお、アクチュエータ101の回転駆動軸の他端部には、駆動プーリ102が固定されている。
また、波動歯車装置21の入力軸となる入力シャフト51の一端部に、従動プーリ103が固定されており、入力シャフト51の他端部には、波動歯車装置21の波動発生器24が固定されている。
この構造により、ベルト伝達機構は、動力の伝達元と伝達先となるアクチュエータ101の回転駆動軸と入力シャフト51の回転軸が平行となり、タイミングベルト104を駆動プーリ102と従動プーリ103の両プーリに巻き掛ける簡易な構造で、アクチュエータ101の回転駆動力を波動歯車装置21の入力シャフト51に伝達することができる。
なお、実施例では、アクチュエータ101の回転駆動力を減速装置2の入力シャフト51に伝達する手段として、ベルト伝達機構を用いたが、平歯車を用いた伝達機構でもよく、アクチュエータ101の回転駆動軸を直接、入力シャフト51に締結した伝達機構でもよい。
波動発生器24は、ベルト伝達機構を介してアクチュエータ101の回転トルクあるいは負荷トルク(以下、単に回転トルクという。)が伝達されている入力シャフト51と締結されており、アクチュエータ101を回転するとそれに応じて波動発生器24も回転する。波動発生器24が高速回転すると、剛性内歯歯車22と可撓性外歯歯車23の両歯車の噛み合い位置が円周方向に移動して、両歯車の歯数差に応じた相対回転運動が両歯車の間に発生する。
通常、剛性内歯歯車22は、ベースフレームYあるいは波動歯車装置21のケース部12に固定され、波動歯車装置21のケース部12がベースフレームYに固定されている。
これにより、波動発生器24から入力した回転が、可撓性外歯歯車23を介して減速された状態で、ロボットアームなどに出力されることになる。
過負荷保護装置31を構成する、第1部材としての第1クラウンギヤ32、第2部材としての第2クラウンギヤ33は、略円板形状で、一方の面に形成された動径方向等高曲面を有する山谷状歯が互いに対向するように配置されている。そして、第1クラウンギヤ32の他方の面は剛性内歯歯車22に固定され、第2クラウンギヤ33の他方の面は弾圧部材34の一端に固定され、弾圧部材34の他端は、波動歯車装置21のケース部12に固定され、第1クラウンギヤ32と第2クラウンギヤ33に形成された山谷状歯が互いに線接触もしくは面接触するよう、第2クラウンギヤ33を第1クラウンギヤ32に向けて所定の弾圧力で弾圧している。
なお、動径方向等高曲面とは、円筒座標系(回転軸からの半径:r,径方向の角度:θ,円筒軸方向の高さ:zで座標位置を表した座標系)で曲面を表した場合、z=関数(θ)且つr>0で与えられる曲面を意味している。
これにより、剛性内歯歯車22と第1クラウンギヤ32は、ケース部12に対して、軸方向には不動であるが、回転軸周りには回転可能に軸支される。
なお、ケース本体41には、第2クラウンギヤ33の外径と同径もしくは微小なクリアランスを形成する径を備えた内壁が形成されており、この内壁により、第2クラウンギヤ33が半径方向に変動することなく、軸方向の移動を可能にしている。
アクチュエータ101が作動する前の無負荷トルク状態では、図6に示すように、弾圧部材34により第2クラウンギヤ33が第1クラウンギヤ32に向けて所定の弾圧力で弾圧されており、第1クラウンギヤ32と第2クラウンギヤ33が軸方向に最接近し、両者が完全に噛み合った状態にある。
回転トルクが解除されると弾圧部材34の圧縮も解除され、第2クラウンギヤ33の軸方向位置も元の位置に復帰し、第1クラウンギヤ32の円周方向位置も元の位置に復帰する。
一方、過大な回転トルクが発生すると、第1クラウンギヤ32と第2クラウンギヤ33の軸方向離隔量が両山谷状歯間でのトルク伝達可能範囲を越え、第1クラウンギヤ32が空転し始める。第1クラウンギヤ32と第2クラウンギヤ33の軸方向離隔量がトルク伝達可能範囲を越える瞬間に、弾圧部材34の圧縮量が最も圧縮された状態となり、この時の弾圧力と釣り合うトルクがロボット関節構造1の最大回転トルクとなる。これにより、負荷側からの逆入力トルクに対してもこの最大回転トルク以上のトルクがロボット関節構造1の系に作用しない構造になっている。
また、実施例では、弾圧部材34により第2クラウンギヤ33を第1クラウンギヤ32に向けて弾圧したが、第1クラウンギヤ32を第2クラウンギヤ33に向けて弾圧するようにしてもよい。
すなわち、図2、図3に示すように、アクチュエータ101の回転駆動軸の一端部に、アクチュエータ101の回転角度を検出する第1角度センサ105が設置されており、ケース部12もしくはベースフレームYに対する出力部14の出力角度を検出する第2角度センサ106が設置されている。
第2角度センサ106は、波動歯車装置21の出力軸に対する直交面を挟むケース部12と出力部14のそれぞれに対面するように配置される読取ヘッド106hと読取リング106rにより構成されている。第2角度センサ106の読取リング106rは、波動歯車装置21の出力軸周りに位置するようにリング形状に形成されて出力部14(出力リンク61)に設置される一方、読取ヘッド106hは、ケース部12の底カバー43に位置してその読取リング106rの回転位置を検出するように配置されている。この第2角度センサ106は、読取ヘッド106hにセンサケーブル106cが接続されており、そのセンサケーブル106cは、その第1角度センサ105のセンサケーブル105cなどと同様に、ベースフレームYに設置した制御部110に接続される。
制御部110と電源109は電源ケーブル110cで接続されており、制御部110への電源供給は電源109より行われている。また、電源109とリレー部108は上流側電源ケーブル107uで接続され、リレー部108とアクチュエータ(モータ)101を駆動するアクチュエータドライバ107は下流側電源ケーブル107dで接続されている。
リレー部108と制御部110は信号ケーブル108cで接続されており、制御部110からの指令に基づき、アクチュエータドライバ107への電源供給のOn/Off(以下、リレーOn/Off)の制御を行っている。すなわち、リレー部108がリレーOn状態にある状態時は電源109からアクチュエータドライバ107に電源供給が行われ、アクチュエータ101の駆動を行い、リレー部108がリレーOff状態にある状態時は電源109からアクチュエータドライバ107に電源供給が停止され、アクチュエータ101の駆動を停止する。
(波動発生器24の回転角度θw)
=1÷(平行軸型伝達機構Zの減速比R1)×(第1角度センサ105の検出値θ1)
・・・・・・ (1)
一方、波動歯車装置21の減速比をR2としたとき、通常、波動歯車装置21の剛性内歯歯車22の歯数は、可撓性外歯歯車23の歯数よりも2枚多く、可撓性外歯歯車23の歯数をZfとしたとき、波動歯車装置21の減速比R2は、次式で定義される。
(波動歯車装置21の減速比R2)=(可撓性外歯歯車23の歯数Zf)÷2
・・・・・・ (2)
(波動発生器24の回転角度θw)
=-R2×(可撓性外歯歯車23の回転角度θf)
+(R2+1)×(剛性内歯歯車22の回転角度θc) ・・・・・・ (3)
式(3)を変形すると、次式となる。
(剛性内歯歯車22の回転角度θc)
=1÷(R2+1)×(波動発生器24の回転角度θw)
+R2÷(R2+1)×(可撓性外歯歯車23の回転角度θf)
・・・・・・ (3)’
(可撓性外歯歯車23の回転角度θf)=(第2角度センサ106の検出値θ2)
・・・・・・ (4)
(剛性内歯歯車22の回転角度θc)
=1÷(R2+1)÷(平行軸型伝達機構Zの減速比R1)
×(第1角度センサ105の検出値θ1)
+R2÷(R2+1)×(第2角度センサ106の検出値θ2)
・・・・・・ (5)
(第1クラウンギヤ32と第2クラウンギヤ33の相対変位角)
=1÷(R2+1)÷(平行軸型伝達機構Zの減速比R1)
×(第1角度センサ105の検出値θ1)
+R2÷(R2+1)×(第2角度センサ106の検出値θ2)
・・・・・・ (5)’
このような構成により、例えば、ロボットと環境との接触、人間型歩行ロボットの転倒等によりアームや脚などからモータに対し大きなトルクが逆入力された場合のように、過大な負荷トルクが負荷側(出力側)からロボット関節構造1に作用した場合、逆入力で発生した逆起電力はリレー部108がリレーOff状態に切り替えられているため、電源109に帰還されることなく、電源109の瞬停を回避することが可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例2について説明する。
実施例2は、実施例1と同様、減速機として波動歯車装置を利用したロボット関節構造1に適用したもので、実施例2との主な相違は、実施例1では、過負荷保護装置31が第1クラウンギヤ32、第2クラウンギヤ33と弾圧部材34から構成されているのに対し、実施例2では、図10に示されているように、過負荷保護装置31’が、波動歯車装置21の剛性内歯歯車22外周に相対変位不動に固定された、第1部材としてのカム35と、カム35の両面に対向するよう配置された、油圧シリンダ36a、36bの可動部位であるピストン38a、38bの先端に取り付けられた、第2部材としてのカムフォロア39a、39bを主要部品とする過負荷保護装置31’a、31’bとで構成されている点である。
以下、実施例1と共通する部分の記載は省略し、実施例2に関わる過負荷保護装置31’の構成を中心に説明する。
この内壁とピストン38a、38bとで形成される内壁空間に、ベースフレームYに固定されている油圧ポンプP(図示せず)により送られる作動油が流入することで、ピストン38a、38bを作動させる。
なお、この実施例では、シリンダケース37aに形成されたシリンダライナと、シリンダケース37bに形成されたシリンダライナが、同一軸上に配置されているが、必ずしも同一軸上に配置する必要はない。
なお、図12において、過負荷保護装置31’a、31’bの下方には、直径方向に対向するよう、シリンダケース37c、37d、ピストン38c、38d、カムフォロア39c、39dを主要部品とする過負荷保護装置31’c、31’dが設けられており、過負荷保護装置31’a、31’bと同期して作動を行う。
これにより、剛性内歯歯車22とカム35は、ケース部12に対して、軸方向には不動であるが、回転軸周りには回転可能に軸支される。
図12と同様、図13、図14も、図11のB-B断面における拡大断面図であり、図13は回転トルク作用時、図14は、図13とは逆方向の回転トルク作用時における過負荷保護装置31’の拡大断面図をそれぞれ示している。
アクチュエータからの回転トルクが増大すると、図13に示すように、過負荷保護装置のカム35が減速装置2の軸周りに回転運動を起こす。これにより、ピストン38aとピストン38bが軸方向に並進移動を行い、カム曲線に応じて、カム35を元の位置に戻そうとする復元力が拮抗力として発生する。
負荷トルクと復元力が釣り合った時点でカム35の回転が停止し、見かけ上、カム35に固定された剛性内歯歯車22がベースフレームYあるいはケース部12に固定された状態となり、波動発生器24から入力した回転が、可撓性外歯歯車23を介して減速回転出力として得られる。回転トルクが解除されると、カム35の円周方向位置も元の位置に復帰する。
ここで、カム曲線の具体的な設計について、図15を用いて説明する。
カムフォロア39を介してピストン38がカム35を押す力をfとする。また、カム35が回転した際、カム35とカムフォロアとの相対変位をs(円筒座標系において、半径:rを一定とし、径方向の角度:θとすると、s=rθ)とする。加えて、カムフォロア39の回転中心が通る軌跡をg(s)とする。更に、カム35を回転軸周りに回転させようとしている力の成分をftとする。
この時、fとftとg(s)とsの間には、次式の関係が成立する。
dg(s)/ds=ft/f ・・・・・・ (6)
この式(6)を用いることで、カム35の回転量(変位)と拮抗トルク(復元力)の関係を規定することが可能である。
ft1-ft2=Ks ・・・・・・ (7)
より、
g1(s)=(1/4)・Ks2+C1
但し、C1は定数
・・・・・・ (8)
が求まり、カム曲線としては変位sを変数とした2次関数とすればよいことが分かる。
さらに、実施例1と同様、カム35による剛性内歯歯車22と可撓性外歯歯車23との相対回転移動量に基づいて、アクチュエータ101の出力を制御するようにしてもよい。
実施例2においても、実施例1と同様に、過負荷保護装置31’のカム35とケース部12の相対変位角を、第1角度センサ105と第2角度センサ106を用いて算出することも可能であるが、図10に示すように、過負荷保護装置31’のカム35とケース部12の相対変位角を直接検出センサとして、第3角度センサ112を配置している。
第3角度センサ112は、波動歯車装置21の剛性内歯歯車22の回転軸に対する直交面を挟むケース部12とカム35(剛性内歯歯車22)のそれぞれに対面するように配置される読取ヘッド112hと読取リング112rにより構成されている。第3角度センサ112の読取リング112rは、波動歯車装置21の剛性内歯歯車22(カム35)と回転不動の位置に設置される一方、読取ヘッド112hは、ケース部12に位置してその読取リング112rの回転位置を検出するように配置されている。この第3角度センサ112は、読取ヘッド112hにセンサケーブル112cが接続されており、そのセンサケーブル112cは、その第1角度センサ105のセンサケーブル105cなどと同様に、ベースフレームYに設置した制御部110に接続される。
また、実施例2では、変位-トルク特性は、カム35に設けたカム曲線の形状により規定されるため、カム曲線の設計データより変位-トルク特性を求めることも可能である。
例えば、線形特性となるようにカム35を設計しておけば、変位-トルク特性を参照せずに、カム35の回転量のみから回転トルクを算出することが可能である。
このような構成により、例えば、ロボットと環境との接触、人間型歩行ロボットの転倒等によりアームや脚などからモータに対し大きなトルクが逆入力された場合のように、過大な負荷トルクが負荷側(出力側)からロボット関節構造1に作用した場合、逆入力で発生した逆起電力はリレー部108がリレーOff状態に切り替えられているため、電源109に帰還されることなく、電源109の瞬停を回避することが可能になる。
21;波動歯車装置 22;剛性内歯歯車 23;可撓性外歯歯車
24;波動発生器 31;過負荷保護装置 32;第1クラウンギヤ
33;第2クラウンギヤ 34;弾圧部材 35;カム
35a;シール部35a 35b;底面部 35c;円筒部
35d;外縁部 35e;カムプロフィル 36;油圧シリンダ
37;シリンダケース 38;ピストン 39;カムフォロア39
41;ケース本体 42;蓋カバー 43;底カバー
51;入力シャフト 71;ベアリング
75;ベアリング補助部品 76;シール 101;アクチュエータ
101c;電源ケーブル 102;駆動プーリ 103;従動プーリ
104;タイミングベルト 105;第1角度センサ 105c;センサケーブル
106;第2角度センサ 106h;読取ヘッド 106r;読取用リング
106c;センサケーブル 107;アクチュエータドライバ
107c;信号ケーブル 107d;下流側電源ケーブル
107u;上流側電源ケーブル
108;リレー部 108c;信号ケーブル 109;電源
110;制御部 110c;電源ケーブル 111;メモリ
112;第3角度センサ 112h;読取ヘッド 112r;読取用リング
112c;センサケーブル
Claims (5)
- 剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車と波動発生器を含む波動歯車減速機の入力軸と出力軸の間に介装される動力伝達機構であって、
前記波動発生器は前記入力軸に固定され、
前記可撓性外歯歯車は前記出力軸に固定され、
前記剛性内歯歯車が固定され、周方向に動径方向等高曲面が形成された第1部材と、
前記第1部材に形成された動径方向等高曲面に対し予め定められた押圧力で接触し、前記入力軸と前記出力軸の間に伝達される回転トルクに応じて、前記第1部材に対する回転方向相対位置を前記押圧力に抗して変化させることにより、前記第1部材に形成された動径方向等高曲面に沿って、前記第1部材に対する軸方向相対位置を前記回転トルクに一対一に対応するように変化させる第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材の相対変位角に応じて前記回転トルクを算出し、算出された前記回転トルクが閾値以上になった場合に、前記入力軸に連結されたアクチュエータの出力を低減させ、若しくは前記アクチュエータへの電源供給を断つ制御部を備えた動力伝達機構。 - 前記第1部材及び第2部材が、前記入力軸と前記出力軸の対向端部に配置された、軸方向に対し直交する動径方向等高曲面を備えたクラウンギヤからなり、一方のクラウンギヤは軸方向に固定され、他方のクラウンギヤは、軸方向に圧縮変形可能な弾圧部材を介して取り付けられており、前記入力軸と前記出力軸の間に伝達される回転トルクに応じて、他方のクラウンギヤが一方のクラウンギヤに対し、線接触あるいは面接触を維持しながら前記動径方向等高曲面に沿って軸方向に離隔して回転方向の位相をずらすようにしたことを特徴とする請求項1に記載された動力伝達機構。
- 前記第1部材が周方向に動径方向等高曲面を有するカム、前記第2部材が前記減速機の本体側に設けられた油圧装置により予め定められた押圧力で前記カムに接触するカムフォロアからなり、前記入力軸と前記出力軸の間に伝達される回転トルクに応じて、前記カムフォロアが前記カムに形成されたカムプロフィルに追随することにより、両者が軸方向に離隔して回転方向の位相をずらすようにしたことを特徴とする請求項1に記載された動力伝達機構。
- 前記カムに対する前記カムフォロアの相対変位をs、相対変位sにおける前記カムフォロアの回転中心が通る軌跡をg(s)としたとき、前記カムの回転位相のずれと、カムに作用する拮抗トルクの関係が、g(s)のsに関する勾配となるようg(s)が選定されていることを特徴とする請求項3に記載された動力伝達機構。
- 前記カムに対する前記カムフォロアの相対変位をs、相対変位sにおける前記カムフォロアの回転中心が通る軌跡をg(s)としたとき、g(s)を相対変位sを変数とした2次関数とすることで、前記カムの回転位相のずれと、カムに作用する拮抗トルクの関係が線形関係となるよう、前記2次関数が選定されていることを特徴とする請求項4に記載された動力伝達機構。
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