JP2009220284A - 転写箔用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】転写後の成形品の加飾表面が高光沢度を満足することができる表面性状と優れた巻き特性が付与された転写箔用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】実質的に粒子を含まないポリエステル層(B)の少なくとも片面に、粒度分布が2.0〜5.0、平均粒径が0.2〜1.0μmの架橋高分子粒子を0.01〜0.15重量%を含有するポリエステル層(A)を有し、ポリエステル層(A)の厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であることを特徴とする転写箔用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写後における加工表面の高光沢性に優れ、かつ基材のポリエステルフィルム製造時における巻き品質安定化に好適な転写箔用積層ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性およびその他多くの優れた特性を有することから工業材料、磁気記録材料および包装材料など、広い分野において使用されている。
この分野の中で用いられる転写箔用ベースフィルムは、基材ポリエステルフィルムとして有用である。この転写箔の加工は片面に順次、離型層、図柄層および接着層などの転写層を積層して構成され、目的に応じて転写層にハードコート層や金属蒸着層を積層されている。さらには、これら離型層や転写層に帯電防止剤や抗菌剤等の機能性剤を加え、転写箔としての機能が付与されている。
これら転写箔の転写方法には転写装置を用いて加熱ロールで被転写物に図柄を転写する、いわゆるホットスタンピング法や転写箔を射出成形用の金型内にセットし、樹脂成形品を成形するのと同時にその表面に転写箔シートを一体化して接着し樹脂成形品に図柄を転写し装飾を施す。いわゆる同時成形転写法(インモールド転写)が広く一般的に知られている(特許文献1〜5)。
このような転写方式は、ポリエステル基材の表面上に接着層を含む複数の積層構成された転写箔を用い、接着層を介して被転写物に転写する方法であり、携帯電話機、電気製品、自動車部品、化粧容器、玩具類など多岐にわたるプラスチック加工品や樹脂成形品の表面に装飾や表面保護等の表面加工を施す目的で広範囲に用途に使用されている。
転写法により装飾された被転写物の表面は、ポリエステル基材のフィルム表面に形成された粒子突起が形状転写するため、加飾された図柄の光沢性に大きく影響を与え、従来のポリエステル基材によって得られる転写表面は、所望する光沢感が得られず、また高級感に欠けるという問題がある。
近年、転写後の加工面がガラス表面に類するほどの高光沢性を必要とされるニーズが高まり、これを達成するための基材ポリエステルフィルムの表面平坦化が強く求められるようになってきている。
ポリエステルフィルムの表面に形成する粒子は、特定粒子径を有する有機粒子、または無機の粒子をフィルム中に含有する。あるいは基材フィルム上のコート層中に微小シリカなどを含有させる方法等が挙げられる。
フィルム中の表面突起を形成する一般的な滑剤として用いられる不活性無機粒子の例として、具体的には炭酸カルシウム、カオリン、タルク、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、石膏、硫酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることができる。有機粒子では、例えば、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂等が用いられている。
これらの滑剤粒子を用い高光沢を有するフィルム表面性状を実現するためフィルムの積層構成およびその外層に添加する粒子種の選定や適正な平均粒子径とその含有量を組み合わせて二軸延伸フィルムの表面設計を確立することが望まれる。
転写後の加飾面が高光沢度を得るために、更なるフィルム表面に含有する粒子量の低減させる方法や無粒子フィルム上に微粒子を添加したコートをフィルム表面上に塗布する方法により基材のポリエステルフィルム表面を所望する平坦化を達成することができる。しかしながら、このようにして、単にフィルム表面に存在する粒子量を低減する方法や微粒子添加剤のコートを塗布する方法で平坦化しただけでは、ポリエステルフィルム製造工程の巻き取りで十分な巻き品質を確保することが困難であり、良品となる製品収率が著しく低下する欠点がある。一方、近年、原反製品の巻きサイズが大型化する傾向に加え、更なる高光沢度を有する商品価値が一層高まり、フィルム表面の平坦化と製造上の巻き品質安定化の両方を満たす高度なフィルム表面性状が求められるようになってきている。
従来、ポリエステルフィルムの高光沢性を改良する手段として、フィルム中に不活性な微粒子を存在させて、フィルム表面を適度に平坦化する方法が知られており、ある程度その改良がなされているが、必ずしも十分な結果が得られていない。
特開平7−196821号公報 特開平7−237283号公報 特開2007−181978号公報 特開2004−9596号公報 特開2006−187949号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、転写後の成形品の加飾表面が高度な高光沢度を満足するポリエステルフィルムの表面性状と、巻き品質安定化の両方を同時に満たすフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を採用することによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、実質的に粒子を含まないポリエステル層(B)の少なくとも片面に、粒度分布が2.0〜5.0、平均粒径が0.2〜1.0μmの架橋高分子粒子を0.01〜0.15重量%を含有するポリエステル層(A)を有し、ポリエステル層(A)の厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であることを特徴とする転写箔用積層ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリエステルフィルムは転写箔の印刷層を反対面から印刷色(色合わせ)を確認することがあるため、透明性が高い方が好ましい。また本発明のフィルムには、目的に応じ、接着性を向上するプライマー層を設けてもよく、また逆に、離型性を向上するプライマー層を設けてもよい。さらに転写箔の性能を向上させるため転写面の裏面側に帯電防止性能を兼ね備えたコート剤を塗布してもよい。
本発明の積層フィルムとは、例えば全ての層が押出機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたものを、延伸および熱処理されたものを指す。以下、積層フィルムとして2種3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、2種3層フィルムに限定されず、それ以上の多層であってもよい。
本発明において、積層フィルムの各層を構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いることができる。
なお、これらの各層を構成するポリエステルには、適宜、安定剤、着色剤および帯電防止剤等が添加されていてもよく、各層にそれらの処理が施されていても、本発明の要件を備えているものであれば何ら差し支えない。
本発明において、粒子を実質的に含まないポリエステルとは、上述のようなポリエステルであって、当該ポリエステル製造中に触媒が析出して生成する粒子を極力形成しないようにする方法(例えば特開平8−198960号公報記載の方法)を利用したもの、または重合触媒の目的以外で添加される粒子がなく合成されたものである。このポリエステルは、光を吸収させるものや散乱させる不溶性粒子を含有しないか少ないため、高い透明性を有するフィルムとすることができる。
本発明においては、上記の実質的に粒子を含まないポリエステルからなる層(B)の少なくとも片面に、特定粒子を含有するポリエステル層(A)を積層して構成する。ポリエステル(A)層中には、フィルム表面の平坦性を損なわない範囲で巻き品質安定性を向上させるために、特定の架橋高分子粒子を用いる。本発明でフィルムの巻き品質安定性を向上させるために用いる架橋高分子粒子とは、その粒度分布が特定範囲にあることが必要である。
本発明で用いる架橋高分子粒子の粒度分布(定義は後述)は、2.0〜5.0、好ましくは2.5〜4.0である。この値が2.0を下回ると、単一粒子の存在が多くなることを意味し、巻き品質と高光沢性の確保が困難となる。一方、粒度分布が5.0を上回ると大粒子の存在が多くなることを意味し、フィルム表面の光沢性(平坦化)が損なわれ、転写後の成形品の表面外観に凹み欠陥が発生し所望する光沢性が得られない。
本発明で用いる架橋高分子粒子の平均粒径は、0.2〜1.0μmであり、好ましくは0.3〜0.7μmである。平均粒径が0.2μm未満の粒子では、フィルムの巻き品質安定性が低下し好ましくない。一方、平均粒径が1.0μmを超えるものでは、大突起が形成しフィルム表面光沢性が損なわれる。
本発明の架橋高分子粒子の添加量は、0.01〜0.15重量%の範囲であり、好ましくは0.03〜0.10重量%である。添加量が0.01重量%未満では、フィルム表面に形成する粒子突起数が少ないため巻き品質安定性化に寄与しない。また逆に0.15重量%を超えると、フィルム表面の平坦性とフィルム透明性が損なわれ好ましくない。なお、フィルム表面は平坦であっても、透明性が悪くなると基材フィルムの反対側から見た印刷色(色合わせ)に支障をきたすため好ましくない。
本発明で用いる架橋高分子粒子は、通常次のようにして得ることができる。すなわち、分子中にただ一個の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(a)と、架橋剤として分子中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(b)とを共重合させて得られるものである。共重合体の一成分である化合物(a)の例としては、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、およびこれらのメチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステル、またはグリシジルエステル、無水マレイン酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンおよびその置換体等を挙げることができる。また化合物(b)の例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールアクリレート等を挙げることができる。
これらの共重合体の典型的な例としては、メタクリル酸とジビニルベンゼン、スチレンとジビニルベンゼン、メタクリル酸とエチレングリコールジメタクリレートの共重合体を挙げることができるが、本発明においては、化合物(a)および(b)を複数用いて架橋高分子粒子を得ても構わない。
本発明の特質すべき点は、平均粒径が0.2〜1.0μmの架橋高分子粒子であって、粒度分布が2.0〜5.0の特定範囲であることが特徴として挙げられる。すなわち、この範囲の粒度分布の粒子をポリエステルフィルムの外層に用いることにより、フィルム製造時での延伸応力の影響を受けて各粒子間において応力分散が大きく寄与し、フィルム表面に存在するうねり成分が低減して、本発明の目的とする巻き品質に必要な粒子突起の出現と高光沢度を有するフィルム表面性状と耐擦傷性を付加し、転写箔用に好適なポリエステルフィルムを実現することができたものである。
さらに、本発明に用いる基材は、複合ポリエステルフィルムの構成(多層構成)を採用し、外層の厚みと外層に添加する粒子の平均粒子径にあわせて設計することが好ましい。外層の厚みと平均粒子径を近づけることにより、一層表面のうねり成分を除去することができ、より平滑面を達成することできる。加えて、平均粒径が0.2〜1.0μm、粒度分布が2.0〜5.0の架橋高分子粒子を使用することで、適度な小粒子、大粒子の含有で、フィルム面上に適度な小突起、大突起を存在させることにより、フィルムをロール状に巻上げた際に生じるフィルム層間の空気抜けが適度に作用する高い突起と滑り性を発現するための小さい突起が作用して、巻き品質安定化の向上とフィルム表面の高光沢度が一層高まる良好な基材フィルムを得ることができる。
本発明において、特定の粒度分布および平均粒径を有する粒子を得るためには、懸濁重合あるいは乳化重合により直接得たものを配合してもよいが、特に懸濁重合の場合に簡単に得ることのできる数十μm〜数百μmの大きさの架橋高分子を粉砕、分級することで得ることが好ましい。
本発明の特徴の一つは、ポリエステル(A)層の厚さが、全フィルム厚さの1〜30%の範囲にあることである。A層の厚さが1%を下まわると、フィルムから粒子が脱落しやすくなり、フィルム巻き外観品質が劣るようになり、さらに転写箔の塗工時の塗布ヌケ等の欠陥が生ずるようになる。一方、A層の厚さが30%を超えると、フィルムの巻き品質が悪化し、フィルムの透明性も悪化し好ましくない。
本発明のフィルムのポリエステル(A)層は、必要に応じ、転写箔としての特性を阻害しない範囲であれば、帯電防止剤、酸化防止剤、消泡剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有するものであってもよい。本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは、通常12〜100μmの範囲であり、好ましくは20〜75μmである。
次にポリエステルフィルムの製造方法について記述する。すなわち、ポリエステルは押出機の口金からポリエステル(A)層およびポリエステル(B)層を、製造後のフィルムが本発明の範囲となるよう共溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて非晶未延伸フィルムとし、縦方向および横方向に延伸する。縦方向の延伸は例えば温度70〜130℃で、3.0〜5.0倍、好ましくは5.5〜4.5倍に延伸する。横方向の延伸は、例えば温度70〜150℃、好ましくは90〜140℃で、横方向に3.0〜5.0倍、好ましくは3.5〜4.5倍に延伸する。
なお、フィルムの延伸後の熱固定処理は、最終延伸温度より高く、融点以下の温度内で150〜250℃の温度、2〜30秒の時間で熱固定することが好ましい。
また、上記延伸工程中または延伸後にフィルムに接着性、帯電防止能、離型性を付与するために、フィルムの片面または両面に、塗布層を形成したり、コロナ処理等の放電処理等を施したりすることもできる。
本発明のフィルムは、特に巻き取り品質が良好で製品収率も高く、安定した製造が実現し、また転写面の高光沢を得るための基材フィルムとして極めて有用であり、その工業的価値は非常に高い。
以下、本発明の実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における種々の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。
(1)架橋高分子粒子の平均粒径(d)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。
本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径(d)とした。
(2)架橋高分子粒子の粒度分布(r)
平均粒径の測定法と同様にして粒度分布を求めた。等価球分布における大粒子側から積算を行い、下記式から粒度分布比(r)を算出した。
(r)=粒子積算重量が25%のときの粒径/粒子積算重量が75%のときの粒径
(3)フィルム層の厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを、日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)を用いて断面の顕微鏡写真を撮影し、表層の厚みを測定した。ただし、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定値とした。
(4)フィルムの巻き品質安定性
ポリエステルフィルムの生産において、最終製品のロール巻き取りで製品外観の不良率を考慮し以下の基準で判定を行った。
◎:不良品発生率が極めて少なく、製造上に支障がない
○:不良品が若干あるが、製造上に大きな支障とはならない
×:不良品の発生が多く、製造上に大きく支障をきたす
(5)転写後の成形品表面の光沢感(外観品位)
ポリエステルフィルムに離型層、印刷層および接着層からなる層を形成し転写箔を作成した。該転写箔を、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られた成形品表面を目視観察し、以下の基準で判定した。
◎:十分な光沢感があり、加工品の表面には凹凸等の欠陥が観察されなかったもの
○:光沢性はやや劣るが実用上問題ないレベルのもの
×:光沢感が不十分で加工品の表面に凹凸等の欠陥が見られた(不合格)
(6)透明性(ヘーズ)
JIS K 7136に従い、全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)を求め、ヘーズ((Td/Tt)×100)(%)を算出し、以下の基準で判定した。
◎:ヘーズが2.0%以下で良好
○:ヘーズが2.1〜4.5%であるが実用上問題ないレベルにある
×:4.6%以上であり色合わせ等に支障をきたす(不合格)
実施例1:
〔架橋高分子微粉体の製造〕
メタクリル酸メチル100部、ジビニルベンゼン25部、エチルビニルベンゼン22部、過酸化ベンゾイル1部およびトルエン100部の均一溶液を水700部に分散させた。次に窒素雰囲気下で8時間撹拌しながら80℃に加熱し、重合を行った。得られたエステル基を有する架橋高分子粒状体の平均粒径は約0.1mmであった。該粒状体を脱塩水で水洗し、500部のトルエンで3回抽出して少量の未反応モノマーおよび線状ポリマーを除去した。次に高分子粒状体をアトライターで2時間、さらに五十嵐機械(株)製サンドグラインダーで5時間粉砕することにより平均粒径が0.6μmの架橋高分子微粉体を得た。次いでスーパーデカンターで大粒子を除去した後、さらに2400メッシュフィルターを用いて粒度分布(r)が3.1、平均粒径が0.5μmの架橋高分子微粉体を得た。
〔ポリエステル原料の製造〕
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部および酢酸マグネシウム0.06部を反応器にとり、エステル交換反応を行った。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応生成物に、リン酸0.030部、三酸化アンチモン0.04部および上記方法で得た該架橋高分子微粉体0.20部を加え、常法に従って重合を行い、4時間後極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(A)を得た。また、上記と同様な方法で得られた添加粒子を含まないポリエチレンテレフタレートとしてはポリエステル(B)を得た。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
これらポリエチレンテレフタレートの原料チップを170℃で3時間乾燥後、ポリエステル(A)層の原料チップとして架橋高分子粒子を含有するポリエステル(A)と添加粒子含まないポリエステル(B)を、架橋高分子粒子の含有量が0.05重量%となるよう所定量配合しサブ押出機に、ポリエステル(B)層の原料チップとしてポリエステル(B)をメイン押出機に供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、サブ押出機の溶融ポリマーをフィルムの表裏2層に分岐した後、ギヤポンプフィルターを介して、メイン押出機からの溶融ポリマーとフィードブロックで分流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り、未延伸フィルムとした。かくして得られた2種3層の積層未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずロール温度100℃で3.1倍延伸した後、テンターに導き130℃で横方向に4.2倍に延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、235℃で熱固定した。なお、ポリエステルA層の厚みは、サブ押出機のギヤポンプの吐出量を調整することでコントロールした。得られた積層フィルムの全厚さは38μmでポリエステル(A)層の厚さは4.6μmであり、全厚さの比(R)は0.12であった。
実施例2、3および比較例1〜6:
架橋高分子粒子の粒度分布(r)、平均粒径(d)、ポリエステル層(A)の含有量およびポリエステル層(A)の厚さをフィルム全厚さ比として第1表に示すように変えた。他は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを製造した。
比較例7:
実施例1において粒度分布3.1、平均粒径0.5μmの架橋高分子を用いる代わりに粒度分布2.7、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウム粒子を用いた。他は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。かくして得られたフィルムの特性、転写後の特性を表1示す。
比較例8:
平均粒径が2.5μmからなる粒度分布7.5の非晶質シリカ粒子を用い、上記ポリエステルフィルムの製造によりポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性と転写後の特性を1に示す。
Figure 2009220284
本発明のフィルムは、例えば、転写箔用ポリエステルフィルムとして、好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 実質的に粒子を含まないポリエステル層(B)の少なくとも片面に、粒度分布が2.0〜5.0、平均粒径が0.2〜1.0μmの架橋高分子粒子を0.01〜0.15重量%を含有するポリエステル層(A)を有し、ポリエステル層(A)の厚さが全フィルム厚さの1〜30%の範囲であることを特徴とする転写箔用積層ポリエステルフィルム。
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