JP2009219619A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状回転体及び架台カバー間の間隙を通る空気と環状回転体の内部を通り放熱器により熱交換されてから排気される空気とのうち、間隙を通る空気の流量を減らすことの可能なX線CT装置を提供する。
【解決手段】内部にX線管球4、X線検出器5及び放熱器6が収納され、放熱器6の付近に設けられた通気口12、通気口12に対向する位置に設けられた吸排気口11を有する環状回転体2と、環状回転体2の周囲を覆い上部排気口7a、7b及び下部吸排気口8〜10を有する架台カバー7と、架台カバー7内面と環状回転体2の外周面との間の間隙14内の排気を上部排気口7a,7bから外部へ排出するファン15、16と、架台カバー7の下部吸排気口8〜10付近の間隙14内に設けられた整流板19、20と、を備え、この整流板19により、環状回転体2の内部の空間を通る空気の流量と、間隙14を通る空気の流量とを制御する。
【選択図】図3

Description

本発明はX線CT(Computed Tomography)装置に関する。
X線CT装置はX線照射によって被検体のX線断層像を得る。X線管球が発生する熱を効果的に排除するため、X線CT装置は、内部で発生した熱を効率よく外部に放熱し、X線検出器の周辺を効率よく冷却する構造を有する。
特許文献1には、CT装置内部で発生した熱を効率よく外部に排出することを目的とし、架台を前面から見たときの架台左側底面に吸気口を設け、回転部を挟んで吸気口に対向する右側上面に排気口を設け、回転部の回転方向に沿って吸気口に向かう空気の流れを阻止するために阻止部材を設けた手法が提案されている。
特許文献2には、CT装置内で発生した熱によるX線検出器の機能低下を防止することを目的とし、回転部内周面へ外気を導入する送風ダクトを架台前面カバーの内側に設ける手法が提案されている。
特開2001−238876号公報 特開2004−121717号公報
しかしながら、従来のCT装置架台では、回転体が静止している時において、架台内に流入した空気が、回転体内を通過せずに回転体と架台外部カバーとの間隙を流れることで冷却に寄与しない空気の流れが生じている。このため、X線検出器の周囲の空気流量が減少するという問題がある。
回転体が回転している時において、回転体の回転に伴い放熱器からの高温の排気が架台下部の吸気口から架台カバーの外へ排気される。この高温の空気が再び吸気口から架台内に吸気されるため、架台内の空気の温度が上昇するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、環状の回転体及び架台カバー間の間隙を通って排気される空気と、この回転体の内部を通って放熱器により熱交換されてから排気される空気とのうち、この間隙を通る空気の流量を減らすことができるX線CT装置を提供することである。
このような課題を解決するため、本発明の一態様によれば、内部にX線管球、このX線管球に対向配置されたX線検出器、前記X線管球の付近に設けられ、このX線管球からの熱を放熱する放熱器が収納され、前記放熱器の付近に設けられた排気口、この排気口に対向する位置に設けられた吸気口を有する環状回転体と、この環状回転体の周囲を覆い、上部排気口及び複数の下部吸排気口を有する架台カバーと、この少なくとも架台カバー内面と前記環状回転体の外周面との間の間隙内の排気を前記上部排気口から外部へ排出するファンと、前記架台カバーの前記複数の下部吸排気口付近の前記間隙内に設けられた整流板と、を備え、この整流板により、前記環状回転体の内部の空間を通る空気の流量と、前記間隙を通る空気の流量とを制御することを特徴とするX線CT装置が提供される。
本発明によれば、環状回転体と架台カバーとの間の間隙を通る空気の流量を減らすことができるようになる。
以下、本発明の実施の形態に係るX線CT装置について、図1乃至図9を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
本実施形態の説明に先立って、本発明者等が行った従来のX線CT装置における熱流体の解析結果について図1、図2を参照して説明する。図1は回転体の静止時における整流板設置前のCT架台内の熱流体解析結果(速度ベクトル図)を示す図である。同図には、CT架台内における熱流体解析について、流体解析ソフトウェアを用いて得られたシミュレーション結果が示されている。回転体が静止している時には、この速度ベクトルからわかるように、架台カバー下部の吸排気口から流入し、回転体と架台カバーとの間隙に、架台内下から上向きに流れる空気の流れが存在している。この間隙の流れは、図2に示すように、回転体内の積載物であるX線検出器を冷却することなく上方に取り付けられた排気ファンから架台外部へ排気される。そこで本発明者等は回転体と架台カバーとの間隙を流れる回転体内の積載物の冷却に寄与しない空気の流量を減少させるようにしたX線CT装置を提案するに至った。以下、本実施形態に係るX線CT装置について説明する。
図3は本実施形態に係るX線CT装置の回転体の正面方向からみた内部構成を示す図である。同図には前面カバーが取り去られた状態のX線CT装置が示されている。X線CT装置1は回転体2を有し、この回転体2には貫通穴3が設けられている。回転体2の内部には、X線を発生するX線管球4と、このX線管球4から曝射されて被検体を透過したX線の透過量を検出するX線検出器5とが、被検体を挟んで対向配置されている。X線管球4からの熱を放熱する放熱器6も回転体2の内部に設けられている。放熱器6は発熱量の大きいオイルクーラである。
架台カバー7の上部には上部排気口7a、7bが設けられ、下部には吸排気口8、9及び10が設けられている。吸排気口8、9及び10は回転体2の軸方向に沿って架台カバー7の外周に設けられている。回転体2は、放熱器6の付近に通気口12を有し、この通気口12の位置と対向する位置に通気口11を有する。回転体2の内部には内部空間13が形成される。回転体2の外周部及び架台カバー7の内側面によって間隙14が形成されており、この間隙14は上部排気口7a、7b、吸排気口8〜10及び通気口11、12に連通している。間隙14は、回転体2の胴部外周方向に沿って一側方に位置する間隙14aと、他の側方に位置する間隙14bとからなる。架台カバー7の上部カバーには排気ファン15、16が取り付けられており、これらの排気ファン15、16は、この内部空間13内の空気を外部へ吐き出す。
架台の吸排気口8〜10の開口縁部には、図示しないフレームに両端が軸架されて、回転体2の回転軸と平行にされた2本の軸部材17、18が設けられている。これらの軸部材17、18にはそれぞれ矩形板状の整流板19、20が取り付けられている。これらの整流板19、20の長軸方向の長さは、回転体2の軸方向に延在形成された吸排気口8〜10のこの軸方向に沿った長さと略同じである。整流板19、20は、風速の高い空気流に耐えられる程度の厚みやサイズを有する。整流板19、20には振動抑制効果の高い板材が用いられている。整流板19、20はいずれもその長軸方向に沿って貫通する軸穴を有し、各軸穴に軸部材17、18が挿通している。整流板19の軸穴の穴口は、横断面上、幅方向に沿って中央部からやや左側にずれた部分に位置している。整流板20の軸穴の穴口は、横断面上、幅方向に沿って一端部に位置している。これらの整流板19、20は、長軸方向が回転体2の回転軸方向と平行になるように配置されている。
これにより、架台カバー7下部の吸排気口8〜10から流入し間隙14を流れる空気の流量が減少し、あるいは空気流が阻止されるようになっている。その結果、X線検出器5の周囲を通過して熱交換を行ってから外部へ排出される空気の流量が増加するようにされている。
また、X線CT装置1は、回転体2を回転可能に支持する図示しないフレームを有する。このフレームは、例えば水平基台と、この水平基台の両端から立設した一対の垂直支柱とからなる。回転体2はベアリング等を介してフレームに回転自在に保持されている。回転体2は、貫通穴を有する円板と、この円板の外周端に嵌め込まれた中空ドラム状の円筒部材とを有し、この円板あるいは円筒部材に、X線管球4、X線検出器5、放熱器6や電装部品が取り付けられている。回転体2とフレームとによりCT架台が構成される。このCT架台は架台カバー7によって覆われている。これらの回転体2、フレーム及び架台カバー7によってX線CT装置1が構成されている。架台カバー7は、それぞれ切欠きが形成された前面カバー及び背面カバーと、左右の側面カバーと、排気口が形成された上部カバーとからなる。これらのカバーが組み付け合わせられることにより、このX線CT装置1は被験体に対する撮影を行えるようになっている。
また、X線CT装置1は、回転体2の回転位置を検出し、この回転位置に基づいて、整流板19、20の回転角を制御する回転制御系を備えている。図4は回転制御系の一例を示すブロック図である。回転制御系21は、ロータリエンコーダ22と、放熱器5の位置情報を記憶する記憶部23と、軸部材19にシャフトを取り付けられたモータ24と、軸部材20にシャフトを取り付けられたモータ25と、これらのモータ24及び25に対し、整流板19、20の開閉量情報を表す信号を出力する回転角制御手段26とを備えている。
このロータリエンコーダ22は、回転体2の回転角度を検知する光学式の回転角度検知手段である。ロータリエンコーダ22は、CT架台のフレームに、回転体2の円筒部材の外周に臨む位置に取り付けられ、この円筒部材の外周に接触して回転体2の回転位置を検出する。モータ24、25はそれぞれ回転角制御手段26から、回転体2の回転位置に同期した駆動信号が入力される。回転角制御手段26は、検知された回転体2の回転角度に応じてモータ24、25に対し、整流板19、20の吸排気口8、10を開閉するように指令するものである。この回転角制御手段26は、ロータリエンコーダ22から出力される回転位置情報を表す信号と、予め記憶部23に記憶された放熱器5の位置情報とに基づいて、整流板19、20の各回転量を決定し、各モータ24、25を駆動する駆動信号を生成して出力する。この回転角制御手段26の機能は回転体2に設けられた電装部品のCPU、ROM、RAMによって実現される。
回転角制御手段26の制御によって、吸排気口8〜10から取り込まれ間隙14a、14bを流路とし排気ファン15、16により外部へ排出される空気の流量と、吸排気口8〜10から取り込まれ回転体2の内部を通り放熱器6によって熱交換されてから排気ファン15、16より外部へ排出される空気の流量とが変えられるようにされている。
上述した構成の本実施形態に係るX線CT装置1のCT架台冷却動作について図5から図9を参照して詳述する。これらの図において上述した符号と同じ符号を有する要素はそれらと同じ要素を表す。図5は回転体2の静止時におけるCT架台内の空気の流れを示す図である。図6は回転体2の回転時におけるCT架台内の空気の流れを示す図であり、放熱器6の位置が吸排気口10付近である場合の例が示されている。図7は回転体2の回転時におけるCT架台内の空気の流れを示す図であり、放熱器6の位置が吸排気口8付近である場合の例が示されている。図8はこれらの整流板19、20の動作を説明するためのX線CT装置1の要部拡大図である。
回転体2が静止している時には、図5及び図8(a)に示すように、整流板19はその長軸方向に沿ったその右側面部の縁部が回転体2の外周部に当接する位置にモータ駆動され、整流板20はその左側面部の縁部が回転体2の外周部に当接する位置にモータ駆動され、整流板19、20はそれぞれ吸排気口8、10を開く。この状況では、吸排気口8〜10から流入した空気を回転体2内へ導くようにした通風路が画成される。吸排気口8,吸排気口9,吸排気口10からの空気の間隙14a,間隙14bへの流入が阻止される。カバー下部の吸排気口8〜10から流入した空気は回転体2に流入するため、内部空間13の積載物を冷却することに寄与する空気の流量が増加する。熱交換を行われた空気は、内部空間13内のX線検出器5の周囲を通過してから外部へ排気される。このことより、X線検出器5の周囲の温度を下げることが可能になる。
回転体2が回転している時には、放熱器6が隙間14に空気を排出しながらこの回転体2は回転する。図6に示す位置に放熱器6が存在する場合、図8(b)に示すように、整流板19の右側面部及び左側面部がともにカバー面から通風隙間を空ける程度にこの整流板19はモータ駆動される。整流板20はその左側面部の縁部がカバー面に当接する位置になるようモータ駆動される。整流板19は吸排気口8からの空気をこの通風隙間を通過させて間隙14aと間隙14b側へと流入させる。整流板20は吸排気口10を全閉する。このため、整流板20の上面によって通気口12からの排気は阻止される。高温空気が架台下部へ排出されないため、この架台下部の空気の温度の上昇が抑えられる。回転体2が回転して放熱器6が吸排気口10の位置を過ぎると、整流板20はこの吸排気口10を開くようモータ駆動される。
また、図7に示す位置に放熱器6が存在する場合、図8(c)に示すように、整流板19は、その右側面部の縁部が回転体2の外周部と通風隙間を空けた位置、且つその左側面部の縁部がカバー面と通風隙間を空けた位置になるようにモータ駆動される。整流板20はその左側面部の縁部がカバー面と通風隙間を空けて位置されるようモータ駆動される。この状況では、整流板19の下面によって吸排気口8からの空気は間隙14aへ導かれるとともに、その上面によって通気口12からの高温空気の排出が阻止される。整流板20は吸排気口10からの空気を間隙14へ通過させる。放熱器6が図7に示す位置に存在する場合も、高温空気は架台下部へ排出されないため、この架台下部の空気の温度の上昇が抑えられる。放熱器6は吸排気口8の位置を過ぎると、整流板19はこの吸排気口8を開くようモータ駆動される。
回転体2が更に回転し、放熱器6が排気ファン15に臨む位置に存在する場合、及びこの放熱器6が排気ファン16に臨む位置に存在する場合、それぞれ、高温排気は排気ファン15、16から排出される。
図6及び図7の状況ではいずれも架台下部の空気の温度の上昇が抑えられるため、回転体2が時計回りに回転して放熱器6が吸排気口10及び8をそれぞれ過ぎた後、空気が吸排気口10及び8から再度吸入されても、高温空気が回転体2内へ流入することが防止される。
この点について、整流板19、20が設けられていない従来のX線CT装置を対比のために説明すると、この回転体2が回転している場合、吸排気口10から排気された高温空気は、放熱器6が吸排気口10の位置を過ぎた後、この吸排気口10から間隙14へ流入する。吸排気口8から排気された高温空気は、吸排気口8の位置を放熱器6が過ぎた後、この吸排気口8から間隙14へ流入する。このため流入してくる空気によって内部空間13、間隙14の温度が上昇する。放熱器6から排気された温められた空気が吸排気口8、10よりそのまま排出されるため、排出された高温空気がこれらの吸排気口8〜10より再び吸気される。流入してくる空気によって内部空間13、間隙14の温度が上昇するため、整流板19、20が配設されていないX線CT装置では、X線検出器5の周囲を十分に冷却できない。これに対して、本実施形態に係るX線CT装置1では、放熱器6からの高温排気が排出されないため、カバー下部吸排気口8〜10から再度吸気されることによって生じるX線CT装置1の温度の上昇を防ぐことができる。
また、整流板19、20が、回転体2の回転位置に応じて吸排気口8、10を開閉するタイミングを図9を参照して説明する。図9(a)は回転体2の回転角を説明するための図である。回転体2の回転角θは、回転軸を含み水平面に垂直な平面と、この回転軸及び放熱器6を含む平面とが成す角度により表される。図9(b)は回転体2が回転している時に、回転体2の回転位置に同期して2つのモータへ入力される駆動信号のタイムチャートである(同図の吸気口8、10は吸排気口8、10を表す。)。横軸は回転角θを表す。同図には、回転角制御手段から整流板20用モータ25への入力信号と、回転角制御手段から整流板19用モータ24への入力信号とが示されている。
回転角制御手段26は、回転角θが0度から90度を過ぎた範囲内である場合、モータ24、25へは回転を指令する信号を出力しない。放熱器6が吸排気口10に臨む位置にまで回転体2が回転すると、回転角制御手段26は、軸部材20用のモータ25に対して吸排気口10を閉にする信号を出力する。放熱器6が吸排気口10の位置を過ぎると、回転角制御手段26は、このモータ25に対して吸排気口10を開方向にする信号を出力する。引き続き、放熱器6が吸排気口8に臨む位置まで回転体2が回転すると、回転角制御手段26は、軸部材19用のモータ24に対して吸排気口8を閉にする信号を出力する。放熱器6が吸排気口8の位置を過ぎると、回転角制御手段26は、このモータ24に対して吸排気口8を閉にする信号の出力を停止する。放熱器6が吸排気口8の位置を過ぎた位置から、架台カバー7の頂部付近に至るまでの間、回転角制御手段26は、モータ24、25に対して回転を指令する信号を出力しない。これらのモータ24、25へ駆動信号が入力されることによって、2枚の整流板19、20の傾斜角度が変えられるようになる。従って、回転体2の回転位置に同期して吸排気口8、10の開閉が制御される。
以上のように、回転体2が静止している時には、間隙14において整流板19、20が開閉を行うため、回転体2内を通過せずに間隙14を流れ、X線検出器5の冷却に寄与しない空気の流量を減少させることができるようになる。回転体2が回転している時には、X線CT装置1は、回転体2の回転に同期するよう整流板19、20をモータ駆動させ、整流板19、20はそれぞれ吸排気口8、10を塞ぐため、放熱器6からの排気が吸排気口8、10から排気されることが抑制されるようになる。温められた空気が吸排気口8〜10より吸入されることが防止されるため、X線CT装置1における架台内部の冷却性能が向上する。
このX線CT装置1では、回転体2が静止しているときと、回転しているときとで、整流板19、20の各板面の傾斜角度が変えられる。下から流入した空気は、回転体2の中を通る流れと、回転体2の外周すなわち間隙14を通る流れとに分けられる。間隙14を流れる空気の流れは放熱器6に当たらないため、装置の冷却に寄与せずに、この空気はそのまま外部に排出される。吸排気口8〜10から入ってきた空気は、放熱器6にて熱交換を行った後、排出されることが冷却効率の観点からはよい。流入した空気の全量に対して何割かの量の空気が周りの間隙14を通る場合、間隙14を通る空気は放熱器6を冷却せずに排出されるため、この間隙14を通る空気は冷却に寄与せず、冷却効率の点からは無駄であるといえる。本実施形態に係るX線CT装置1では、X線検出器5の周囲の空気流量が減少しないように、回転体2の周囲の流路を通って上部から排出される空気流をブロックする。これにより、入った空気はすべて回転体2の中へ導かれるため、冷却効率が向上する。
また、整流板19の軸穴は端部から中央部よりにずれた箇所に設けられ、整流板20の軸穴は端部に設けられている。仮に一端部に軸穴を設けた整流板を整流板19の代わりに設置して、これに吸排気口8の開塞を行わせた場合、下からの空気を流入させるとともに上からの空気をブロックすることができないが、このX線CT装置1では、整流板19は空気のブロックと吸気との両立が実現する。
また、整流板20は回転体2の回転方向上流に位置し、整流板19は回転方向下流に位置している。回転体2が回転している時、右側の整流板20が回転体2に接触しないように整流板20は待避している。回転体2が時計回りに回転しているときに、左の整流板19が左側の流路を塞ぐ位置にまでモータ駆動されると、この整流板19は回転体2に衝突する可能性がある。流路を拡大するため、整流板19の縁部を回転体2の回転軌道から外すことにより、整流板19と回転体2との接触を防ぐことはできるが、放熱器6からの高温排気が間隙14及び吸排気口9を通じて左側の間隙14aに流れ込む。回転体2が回転している時に、整流板20が吸排気口10を完全に閉じることと、整流板19が吸排気口8を完全に閉じることとを回転角制御手段26が同時に行うと、回転体2が吸排気口8を通過した後、熱風が間隙14aに排気される。これを防止するために、本実施形態に係るX線CT装置1は、整流板19を用いて、その上面と下面とによって空気流の方向が互いに逆になるよう各空気を導いている。下部からの熱風が間隙14aへ入ることも防止される。このCT架台冷却装置では、整流板19が回転体2に衝突しないよう待避させることと、左側の吸排気口8を塞ぐこととが、両方一緒に行われている。
以上のように、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、回転体2が静止している時に回転体2内を通過せずに間隙14を流れる空気の流量を減らすことができ、また、回転体2が回転している時に放熱器6からの排気を架台カバー7の下部の吸排気口8〜10から排気されることを抑制することができるようになる。これにより、一旦排気された高温空気が回転体2の静止時にCT架台内に再び吸気されることを抑制することができる。また下部の吸排気口から排気されることによる気流の乱れによる騒音を抑制することができる。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。整流板19、20の材質、サイズは架台のサイズなどに応じて適宜選ばれる。整流板19、20には構造材を用いてもよい。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
回転体の静止時における整流板設置前の従来のCT架台内の熱流体解析結果を示す図である。 回転体の静止時における整流板設置前の従来のCT架台内の空気の流れを示す図である。 本発明の一実施形態に係るX線CT装置の回転体の正面方向からみた内部構成を示す図である。 回転制御系の一例を示すブロック図である。 回転体の静止時におけるCT架台内の空気の流れを示す図である。 回転体の回転時におけるCT架台内の空気の流れを示す図である。 回転体の回転時におけるCT架台内の空気の流れを示す図である。 整流板の動作を説明するためのX線CT装置の要部拡大図である。 整流板が回転体の回転位置に応じて吸排気口を開閉するタイミングを説明するための図である。
符号の説明
1…X線CT装置、2…回転体(環状回転体)、3…貫通穴、4…X線管球、5…X線検出器、6…放熱器、7…架台カバー、7a,7b…上部排気口、8〜10…吸排気口(下部吸排気口)、11…通気口(吸気口)、12…通気口(排気口)、13…内部空間、14,14a,14b…間隙、15,16…排気ファン、17,18…軸部材、19,20…整流板、21…回転制御系、22…ロータリエンコーダ(回転位置検出手段)、23…記憶部、24,25…モータ、26…回転角制御手段。

Claims (5)

  1. 内部にX線管球、このX線管球に対向配置されたX線検出器、前記X線管球の付近に設けられ、このX線管球からの熱を放熱する放熱器が収納され、前記放熱器の付近に設けられた排気口、この排気口に対向する位置に設けられた吸気口を有する環状回転体と、
    この環状回転体の周囲を覆い、上部排気口及び複数の下部吸排気口を有する架台カバーと、
    この少なくとも架台カバー内面と前記環状回転体の外周面との間の間隙内の排気を前記上部排気口から外部へ排出するファンと、
    前記架台カバーの前記複数の下部吸排気口付近の前記間隙内に設けられた整流板と、を備え、
    この整流板により、前記環状回転体の内部の空間を通る空気の流量と、前記間隙を通る空気の流量とを制御することを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記整流板が複数設けられ、これらの整流板は、前記複数の下部吸排気口付近にそれぞれ設けられ、前記環状回転体の回転角度に応じてこれらの下部吸排気口の開閉を行うことを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記整流板は、前記環状回転体が静止している時には、前記間隙を通る空気の流量を減らすように、前記下部吸排気口から取り込まれた空気を整流することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  4. 前記整流板は、前記環状回転体が回転している時には、前記放熱器から排気される高温空気が前記下部吸排気口から外部へ排出されないように、この環状回転体の回転に同期して、前記下部吸排気口を閉じることを特徴とする請求項1又は2記載のX線CT装置。
  5. 前記環状回転体を保持する架台にこの環状回転体の回転軸と平行に架設され、前記整流板が軸支される軸部材と、
    この軸部材に取り付けられたモータと、
    前記環状回転体の回転角度を検知する回転角度検知手段と、
    この回転角度検出手段によって検知された回転角度に基づいて、このモータの回転軸の回転角を制御する回転角制御手段とを更に有することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
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