JP2009218381A - SOI(Silicononinsulator)基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効果的にゲッタリングが行えるSOI基板の製造方法を提供する。
【解決手段】活性層3を形成するためのシリコン基板20を用意し、シリコン基板20の表面に埋込絶縁膜2を形成する。そして、埋込絶縁膜2を通じて水素イオンを注入することで剥離用のイオン注入層21を形成すると共に、イオン注入層21よりも埋込絶縁膜2側にArイオンなどを注入することでアモルファス層22を形成する。そして、埋込絶縁膜2側を支持基板1に貼り合せたのち、加熱処理することでイオン注入層21の場所でシリコン基板20の一部をスマートカット法にて剥離させることで活性層3を形成し、さらに加熱処理することでアモルファス層21を多結晶化させてゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層4を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】活性層3を形成するためのシリコン基板20を用意し、シリコン基板20の表面に埋込絶縁膜2を形成する。そして、埋込絶縁膜2を通じて水素イオンを注入することで剥離用のイオン注入層21を形成すると共に、イオン注入層21よりも埋込絶縁膜2側にArイオンなどを注入することでアモルファス層22を形成する。そして、埋込絶縁膜2側を支持基板1に貼り合せたのち、加熱処理することでイオン注入層21の場所でシリコン基板20の一部をスマートカット法にて剥離させることで活性層3を形成し、さらに加熱処理することでアモルファス層21を多結晶化させてゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層4を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、シリコン基板によって構成された支持基板の表面にシリコン酸化膜を介してシリコン層によって構成されるSOI層(活性層)が備えられたSOI基板の製造方法に関するものである。
従来、SOI基板において、基板起因及び工程起因の重金属汚染をゲッタリングする従来技術として例えば特許文献1や特許文献2に示されるものがある。
特許文献1では、多結晶シリコン薄膜層をゲッタリングに利用するものが開示されている。具体的には、将来支持基板に適用するシリコン基板の貼り合わせ前の段階でシリコン表面に多結晶シリコン薄膜を形成しておく。また、それとは別に将来活性層に適用するシリコン基板の表面に酸化膜を形成すると共に、剥離用のHイオンを注入した基板を用意する。そして、多結晶シリコン薄膜が形成されたシリコン基板と酸化膜が形成されたシリコン基板を貼り合わせたのち、活性層側の基板をHイオン注入部位で剥離することで埋込酸化膜と支持基板の間に多結晶シリコン薄膜層があるSOI基板を形成する。このようにSOI基板に多結晶シリコン薄膜層を備えることにより、多結晶シリコン薄膜層をゲッタリングに利用している。
特許文献2では、活性層と埋込酸化膜との間に多結晶シリコン薄膜層を設けることで、活性層中の重金属汚染のゲッタリングを行っている。
特許第3484961号公報
特開平02−260428号公報
しかしながら、特許文献1に示される方法では、Fe、Ni等の酸化膜中の拡散速度が著しく遅い重金属による汚染については、埋込酸化膜によって支持基板への拡散がブロックされて活性層中に閉じ込められるため、ゲッタリング効果がない。
また、特許文献2に示される方法では、活性層側にゲッタリング機能を有する多結晶シリコン層を成膜しているため、ゲッタリング能力は問題ないものの、多結晶シリコン層の膜厚バラツキが活性層の膜厚バラツキに加味されるため、活性層厚の影響を受ける閾値電圧Vt等の素子性能バラツキが大きくなってしまう。さらに、多結晶シリコン膜は表面ラフネスが大きく、酸化膜付きの支持基板と貼り合せができてもミクロでは未接合部が生じているため、貼り合せ強度が低下し、素子形成工程において活性層の剥離が生じてしまうなどの問題が発生し得る。
本発明は上記点に鑑みて、効果的にゲッタリングが行えるSOI基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、シリコン単結晶からなる活性層(3)を形成するためのシリコン基板(20)を用意する工程と、シリコン基板(20)の表面に埋込絶縁膜(2)を形成する工程と、絶縁膜(21)を介してシリコン基板(20)の表面側からHもしくはHeイオンを注入することにより、剥離用のイオン注入層(21)を形成する工程と、埋込絶縁膜(21)を介してシリコン基板(20)の表面側からシリコン中で電気的に不活性である中性元素をイオン注入することにより、イオン注入層(21)よりも埋込絶縁膜(21)側にアモルファス層(22)を形成する工程と、支持基板(1)を用意し、イオン注入層(21)およびアモルファス層(22)を形成したシリコン基板(20)の埋込絶縁膜(2)側を支持基板(1)に貼り合せる工程と、熱処理を行うことにより、イオン注入層(21)の場所でシリコン基板(20)の一部をスマートカット法にて剥離させることで、該シリコン基板(20)により活性層(3)を形成する工程と、熱処理を行うことによりアモルファス層(22)を多結晶化させ、ゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層(4)を形成する工程と、を含んでいることを特徴としている。
このような製造方法によれば、シリコン基板(20)の一部をアモルファス層(22)とした状態にして貼り合わせるため、貼り合わせ前の表面ラフネスが悪化せず、十分な貼り合わせ強度を確保できる。さらに、貼り合わせ後にアモルファス層(22)を多結晶化させることで多結晶シリコン層(4)を構成し、活性層(3)内にゲッタリングサイトを形成することで、効果的にゲッタリング能力を発揮させることが可能となる。
例えば、請求項2に記載したように、アモルファス層(22)を形成するために注入されるイオン種としては、Ar、C、O、Si、Kr、Xeのいずれか、もしくはそれらの組み合わせを用いることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるSOI基板の断面図である。
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるSOI基板の断面図である。
図1に示すように、単結晶シリコンにて構成された支持基板となるシリコン基板1上に、厚さ10nm〜10μm、例えば50nmのシリコン酸化膜からなる埋込絶縁膜2が形成され、埋込絶縁膜2上に厚さ0.05〜10μmの活性層3が形成されることでSOI基板100が構成されている。活性層3内にはゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層4が形成されている。多結晶シリコン層4は、埋込絶縁膜2と接していても良く、離間していても良いが、活性層3中に形成される素子に影響を与えない程度の深さ、つまり素子を構成する不純物層が形成される深さよりも深い位置となるように配置されており、例えば活性層3の表面から少なくとも0.03μm離れた位置に0.02〜0.8μmの厚さで形成されている。
次に、このように構成された本実施形態にかかるSOI基板100の製造方法について説明する。図2は、SOI基板100の製造工程を示した断面図である。以下、この図を参照してSOI基板100の製造方法を説明する。
〔図2(a)に示す工程〕 デバイスが形成される活性層3を構成するための単結晶のシリコン基板20を用意する。このシリコン基板20としては、例えば、CZ基板で導電型n型(ドープ材:リン)のシリコンよりなる基板で、結晶面方位が<100>、抵抗率1〜50Ωcmのものを用いることができる。そして、このシリコン基板20の表面にシリコン酸化膜からなる埋込絶縁膜2を例えば厚さ50nmで形成する。埋込絶縁膜2の形成は、熱酸化によって行っても良いし、CVD法等によって行っても良い。
〔図2(b)に示す工程〕 埋込絶縁膜2の表面から水素イオンを40〜600keV、例えば100keVの加速エネルギーを印加して、ドーズ量4〜10×1016atoms/cm2、(例えば、5×1016atoms/cm2)でイオン注入する。これにより、シリコン基板20と埋込絶縁膜2との境界部から所定深さ、具体的には活性層3の厚み相当の深さの位置に剥離用のイオン注入層21が形成される。なお、ここでは剥離用のイオン注入層21を形成するために水素イオンを用いているが、その他の元素、例えばHeを用いても構わない。
〔図2(c)に示す工程〕 シリコン基板20の所望の深さにゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層4を形成するための前段階として、アモルファス層22を形成する。具体的には、埋込絶縁膜2の表面からSi中で電気的に中性なArを100keV以下(例えば、40keV)の電圧を印加して、ドーズ量5×1014atoms/cm2〜1×1016atoms/cm2、(例えば、2×1015atoms/cm2)でイオン注入することによりシリコンの結晶格子に歪みを生じさせ、アモルファス化させる。これにより、シリコン基板20のうちイオン注入層21よりも埋込絶縁膜2側の位置に多結晶シリコン層4が形成される。このとき、活性層3に形成する素子の特性に影響を及ぼすことを避けるために、イオン注入する元素としてシリコン中で電気的に不活性な中性元素であるArを用いているが、Ar以外にも、C、O、Si、Kr、Xeのいずれか、もしくはそれらの組み合わせを用いることもできる。
〔図2(d)に示す工程〕 シリコン基板20と同一表面積を有する支持基板側の単結晶シリコンよりなるシリコン基板1を用意する。
〔図2(e)に示す工程〕 埋込絶縁膜2およびアモルファス層22を形成したシリコン基板20とシリコン基板1をSC1洗浄液で洗浄し、埋込絶縁膜2とシリコン基板1とが密着するように2つの基板1、20を重ね合わせて密着させる。
〔図2(f)に示す工程〕 活性層3を構成するために、シリコン基板20とシリコン基板1とを貼り合せた状態で窒素雰囲気中での加熱処理、例えば600℃、30分間のアニール処理を行うことで、剥離用のイオン注入層21でシリコン基板20の一部をスマートカット法にて剥離させる。
〔図2(g)に示す工程〕 埋込絶縁膜2を介してのシリコン基板20とシリコン基板1との貼り合せの強度を十分にするために、酸素または窒素雰囲気中で900〜1200℃の加熱処理、例えば1100℃、0.5〜5時間程度のアニール処理を行う。これにより、2つの基板1、20が強固に貼り合わされると共に、アモルファス層22が多結晶化し、多結晶シリコン層4が形成される。このようにして、SOI構造が構成され、必要に応じて外枠部の研削工程等を行うことでSOI基板100が完成する。このように完成したゲッタリング機能を有するSOI基板100を用いて素子を形成することにより、SOI構造の半導体装置を形成することが可能となる。
以上説明した本実施形態の製造方法によれば、シリコン基板20の一部をアモルファス層22とした状態にして貼り合わせるため、貼り合わせ前の表面ラフネスが悪化せず、十分な貼り合わせ強度を確保できる。さらに、貼り合わせ後にアモルファス層22を多結晶化させることで多結晶シリコン層4を構成し、活性層3内にゲッタリングサイトを形成することで、効果的にゲッタリング能力を発揮させることが可能となる。
これにより、本実施形態のように形成したSOI基板100を用いて半導体装置を製造した場合にも、重金属汚染に起因する素子信頼性の低下を防止でき、加えて活性層3の膜厚精度を悪化させることがないため、素子性能バラツキも小さくすることが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、埋込絶縁膜2をシリコン酸化膜で形成する場合を例に挙げて説明したが、シリコン酸化膜に限るものではなく、シリコン窒化膜などの他の絶縁膜やONO膜のような複数種類の絶縁膜の積層膜であっても構わない。
上記実施形態では、埋込絶縁膜2をシリコン酸化膜で形成する場合を例に挙げて説明したが、シリコン酸化膜に限るものではなく、シリコン窒化膜などの他の絶縁膜やONO膜のような複数種類の絶縁膜の積層膜であっても構わない。
また埋込絶縁膜は、活性層3を構成するための単結晶のシリコン基板20に形成した酸化膜を利用する場合を例に挙げたが、これを除去し支持基板1上に埋込絶縁膜を形成して貼り合わせても構わない。
更にSOI厚を厚くする、もしくは活性層表面からゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層4までの間隔を大きくする等の目的でエピタキシャル成長により活性層上にシリコン層を追加形成することも可能である。
1 シリコン基板
2 埋込絶縁膜
3 活性層
4 多結晶シリコン層
20 シリコン基板
21 イオン注入層
22 アモルファス層
100 SOI基板
2 埋込絶縁膜
3 活性層
4 多結晶シリコン層
20 シリコン基板
21 イオン注入層
22 アモルファス層
100 SOI基板
Claims (2)
- シリコン単結晶からなる活性層(3)を形成するためのシリコン基板(20)を用意する工程と、
前記シリコン基板(20)の表面に埋込絶縁膜(2)を形成する工程と、
前記絶縁膜(21)を介して前記シリコン基板(20)の表面側からHもしくはHeイオンを注入することにより、剥離用のイオン注入層(21)を形成する工程と、
前記埋込絶縁膜(21)を介して前記シリコン基板(20)の表面側からシリコン中で電気的に不活性である中性元素をイオン注入することにより、前記イオン注入層(21)よりも前記埋込絶縁膜(21)側にアモルファス層(22)を形成する工程と、
支持基板(1)を用意し、前記イオン注入層(21)および前記アモルファス層(22)を形成した前記シリコン基板(20)の前記埋込絶縁膜(2)側を前記支持基板(1)に貼り合せる工程と、
熱処理を行うことにより、前記イオン注入層(21)の場所で前記シリコン基板(20)の一部をスマートカット法にて剥離させることで、該シリコン基板(20)により活性層(3)を形成する工程と、
熱処理を行うことにより前記アモルファス層(22)を多結晶化させ、ゲッタリングサイトとして機能する多結晶シリコン層(4)を形成する工程と、を含んでいることを特徴とするSOI基板の製造方法。 - 前記アモルファス層(22)を形成するために注入されるイオン種として、Ar、C、O、Si、Kr、Xeのいずれか、もしくはそれらの組み合わせを用いることを特徴とする請求項1に記載のSOI基板の製造方法。
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JP2008060617A JP2009218381A (ja) | 2008-03-11 | 2008-03-11 | SOI(Silicononinsulator)基板の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010122701A1 (ja) * | 2009-04-22 | 2010-10-28 | パナソニック株式会社 | Soiウェーハ、その製造方法および半導体装置の製造方法 |
CN113574636A (zh) * | 2019-03-25 | 2021-10-29 | 三菱电机株式会社 | 半导体装置的制造方法及半导体装置 |
KR20230154934A (ko) | 2021-03-09 | 2023-11-09 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 적층 기판의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
KR20230154933A (ko) | 2021-03-09 | 2023-11-09 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 반도체 칩의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
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2008
- 2008-03-11 JP JP2008060617A patent/JP2009218381A/ja not_active Withdrawn
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US8531000B2 (en) | 2009-04-22 | 2013-09-10 | Panasonic Corporation | SOI wafer, method for producing same, and method for manufacturing semiconductor device |
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