JP2009218294A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【課題】小型なリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、磁性材料からなる環状のコア2と、コア2の外周に配置される一対の第一コイル3a,第二コイル3bとを具える。両コイル3a,3bの一端30a,30bは、溶接により接続されている。コア2は、リアクトル1が冷却ベースに載置された状態において、コイル3の外周面のうち、冷却ベース側に位置するコイルベース側面に対向するコイル対向面3Fと、コア2の外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であってコイル対向面3Fと同じ側のコア対向面2Fとが面一となるように、一部が突出した形状である。溶接箇所30は、リアクトル1が冷却ベースに載置された状態において両コイル3a,3bのターン部分がつくる投影外形内に位置する。この構成により、リアクトル1は、冷却ベースに載置された状態における投影面積が小さく、小型である。
【選択図】図1
【解決手段】リアクトル1は、磁性材料からなる環状のコア2と、コア2の外周に配置される一対の第一コイル3a,第二コイル3bとを具える。両コイル3a,3bの一端30a,30bは、溶接により接続されている。コア2は、リアクトル1が冷却ベースに載置された状態において、コイル3の外周面のうち、冷却ベース側に位置するコイルベース側面に対向するコイル対向面3Fと、コア2の外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であってコイル対向面3Fと同じ側のコア対向面2Fとが面一となるように、一部が突出した形状である。溶接箇所30は、リアクトル1が冷却ベースに載置された状態において両コイル3a,3bのターン部分がつくる投影外形内に位置する。この構成により、リアクトル1は、冷却ベースに載置された状態における投影面積が小さく、小型である。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド自動車などの車載DC-DCコンバータの構成部品などに利用されるリアクトルに関する。特に、小型なリアクトルに関する。
従来、図5に示すように磁性材料からなるO字状のコア110と、このコア110に配置される一対のコイル121,122とを具えるリアクトル100が知られている。このリアクトルは、代表的には、アルミニウムケース内に収容されて(特許文献1の図1)、通電時に発熱するコイルやコアを効率よく冷却できるように冷却ベース(冷却器)に取り付けられる。
コア110は、例えば、複数の直方体状ブロック111間にギャップ材gを挟んで接合した一体物を離間して並列させ、これら一体物を一対のU字状ブロック112間で挟むように組み合わせてO字状に形成される。一対のコイル121,122は、上記一体物の外周に配置される。コイル121,122は、図5に示すように一本の連続する巻線で形成されたもの(以下、連続コイルと呼ぶ、特許文献1の図3,4、特許文献2の図1)や、特許文献2の図12に示すようにそれぞれ別個に作製し、各コイルの一端を溶接して接続したもの(以下、溶接コイルと呼ぶ)がある。
しかし、従来のリアクトルでは、更なる小型化が難しい。
ハイブリッド自動車などに利用されるリアクトルは、設置面積が限られているため、設置状態における投影面積ができるだけ小さいことが望まれる。連続コイルでは、二つのコイル121,122を接続する接続部分123が、コイルのターンに接して形成されている(特許文献2の図1)。この接続部分123は、U字状ブロック112においてコイル121,122から露出された上面に配置される。そのため、従来のリアクトルでは、コイルの接続部分123の配置分だけ、コア110の長さL100(一方のU字状ブロック112の端面から他方のU字状ブロック112の端面までの長さ、以下、コア長と呼ぶ)を長くする必要があり、その結果、投影面積の増大を招いていた。
ハイブリッド自動車などに利用されるリアクトルは、設置面積が限られているため、設置状態における投影面積ができるだけ小さいことが望まれる。連続コイルでは、二つのコイル121,122を接続する接続部分123が、コイルのターンに接して形成されている(特許文献2の図1)。この接続部分123は、U字状ブロック112においてコイル121,122から露出された上面に配置される。そのため、従来のリアクトルでは、コイルの接続部分123の配置分だけ、コア110の長さL100(一方のU字状ブロック112の端面から他方のU字状ブロック112の端面までの長さ、以下、コア長と呼ぶ)を長くする必要があり、その結果、投影面積の増大を招いていた。
一方、特許文献2の図12に示すように溶接コイルとすれば、上記接続部分がないことから、接続部分の配置分だけコアを減らすことができる。しかし、これだけでは、投影面積の更なる縮小化の要求に十分対応できるとは言えない。
そこで、本発明の目的は、小型なリアクトルを提供することにある。
本発明リアクトルは、一対のコイルと、各コイルがそれぞれ配置されるコイル巻回部を有する環状のコアとを具えるリアクトルであり、各コイルの一端が溶接により接続されている。かつ、上記コアは、上記コイル巻回部以外の箇所において、このコイル巻回部の外周面よりも突出した突出部を有する。
この構成によれば、一対のコイルの端部を溶接により接続することで、連続コイルに有する接続部分が無いため、この接続部分を配置するためにコア長を長くする必要がなく、投影面積を低減できる。また、従来のリアクトルにおいて上記接続部分の配置箇所を所望の位置に配置するには、接続部分の近傍を更に折り返すなどする必要があり、作業性がよくない。これに対し、コイルを溶接で接続する場合は、コイルの端部側を任意の位置に取り回す(屈曲させる)ことで、溶接箇所を所望の位置に簡単に配置することができる。更に、従来のリアクトルは、図5に示すようにコイル121,122がその全体に亘ってコア110の外周面から突出した構成である(特許文献1の図5,6)。これに対し、本発明リアクトルは、図6(I)に示すようにコイル巻回部200c以外の箇所が、コイル巻回部200cの外周面よりも突出するように形成されたコア200を具える。つまり、本発明リアクトルにおけるコア200の体積と、従来のリアクトルにおけるコア110の体積とが等しいとすると、本発明リアクトルは、コアにおいてコイル巻回部200c以外の箇所のコアの厚さt10(リアクトルが冷却ベースBに載置された状態において、冷却ベース側の面fBからこの面fBに対向する面fFまでの厚さ、以下、この厚さをコア厚と呼ぶ)を厚くしたことになる(コア厚t10>t100)。そのため、コア長L10を短くすることができ(コア長L10<L100)、投影面積を効果的に低減することができる。
本発明リアクトルは、コイルの一端同士が直接溶接された構成が好ましい。
溶接にあたり、コイルの端部間を連結する連結部材を用いると、実際に溶接される部分が離れていても溶接できるため、溶接のためにコイルの端部を取り回す量を低減できる。一方、コイルの端部を直接溶接する構成では、上記連結部材が不要であるため部品点数を削減することができる上に、溶接箇所も一つで済む。
本発明リアクトルの一形態として、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において、冷却ベースと対向する側に突出部が設けられた構成が挙げられる。
本発明リアクトルは、溶接箇所が冷却ベースと対向する側に位置していても、溶接箇所に繋がるコイルの端部を適宜取り回すことで、コイルの端部に阻害されることなく、冷却ベースと対向する側に突出部を具える構成とすることができる。
本発明リアクトルは、コイルの外周面のうち、冷却ベース側に位置するコイルベース側面に対向するコイル対向面と、コアの外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であって上記コイル対向面と同じ側のコア対向面とが面一であることが好ましい。
このリアクトルは、コイルの外周面の一部とコアの外周面の一部とが面一となるように形成されたコアを具えることで、凹凸が少なく平坦な外観となる。従って、例えば、コイルの端部を接続する端子台を上記対向面側に配置する場合、端子台を安定して保持することができる。なお、突出部を大きくするほど(コア厚を厚くするほど)、投影面積を小さくすることができるため、例えば、コイルの外周面よりもコアの外周面が突出した形状のコアとしてもよい。つまり、コア対向面は、コイル対向面よりも突出していてもよく、例えば、溶接箇所やコイルの端部と同等の位置に配置されていてもよい。
本発明リアクトルの一形態として、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において、冷却ベース側に突出部が設けられた構成が挙げられる。
この構成によれば、本発明リアクトルを冷却ベースに載置した場合、冷却ベースの近くに突出部が配置されるため、コアと冷却ベースとの間の冷却効率を向上することができる。また、この突出部を大きくするほど(コア厚を厚くするほど)、投影面積を小さくすることができる上に、突出部と冷却ベースとの間の距離を短くでき、放熱性を高められる。
本発明リアクトルにおいて、コイルベース側面と、コアの外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であって上記コイルベース側面と同じ側のコアベース側面とが面一であることが好ましい。なお、コアベース側面は、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において、冷却ベース側に位置する。
この構成によれば、従来のリアクトルのようにコアから突出したコイルを嵌め込むための凹部(或いは、コアを支持する凸部)を冷却ベースやケースに設けたりすることなく、コア及びコイルの双方を冷却ベースやケースに直接接触させられるため、リアクトルの放熱性を高められる。また、この構成によれば、上記凹部(又は凸部)を形成しなくても、本発明リアクトルにおける冷却ベースやケースとの接触面が増えるため、本発明リアクトルを冷却ベースやケースに安定して載置できる。
更に、コア対向面及びコアベース側面の双方がコイルの外周面と面一であるコアを具えたリアクトルとすると、コア厚が更に大きいため、従来のリアクトルよりもコア長を更に短くでき、投影面積をより低減できる。また、このリアクトルは、最も平坦な外観となる。
本発明リアクトルにおいてコアは、圧粉成形体であることが好ましい。
本発明リアクトルに具えるコアは、その一部(主としてコイル巻回部以外の箇所)が他部(主としてコイル巻回部)よりも突出した複雑な形状である。図5に示すコア110のように突出部分がないコアは、電磁鋼板を積層させて簡単に形成することができる。しかし、本発明リアクトルに具えるコアのような複雑な形状のコアは、圧粉成形体とすると簡単に製造できるため、リアクトルの生産性に優れて好ましい。
本発明リアクトルに具えるコイルの溶接箇所は、リアクトルが冷却ベースに載置された状態(以下、載置状態と呼ぶ)において一対のコイルのターン部分がつくる投影外形(以下、載置状態における投影外形と呼ぶ)内に位置することが好ましい。
本発明リアクトルは、上述のようにコイルの溶接箇所を任意の箇所に容易に配置でき、特に、小型化のためにケースを設けない場合、溶接箇所の配置位置の自由度が大きい。例えば、載置状態において、二つのコイルが横並びに並ぶ方向に沿って、溶接箇所を配置できる。しかし、この場合、溶接箇所は、載置状態における投影外形から突出するため、コア長は短いものの溶接箇所分だけ投影面積が大きくなる。これに対し、溶接箇所が載置状態における投影外形内に位置すると、即ち、溶接箇所がコイル対向面の上方空間に位置すると、コア長が小さく、投影面積も最も小さい。なお、いずれの場合も、コア対向面とコイル対向面とが面一となるように局所的に突出させた形状のコアが利用できる。図6(II)に示すコア110では、載置状態における投影外形から突出するように接続部分123が配置されているため、接続部分123が邪魔して、U字状ブロック112において冷却ベースBと対向する面fF側を突出させることが実質的にできない。
更に、本発明リアクトルは、その外周を覆う樹脂被覆部を具えることが好ましい。
本発明リアクトルは、ケースに収納してもよいが、ケースを省略することで更に小型にできる。ケースを省略する場合、樹脂被覆部を具えると、リアクトルを強化でき、特に、圧粉成形体からなるコアであっても、機械的に保護できる。また、樹脂被覆部によりコア及びコイルを一体化することができ、ハンドリング性に優れる。更に、樹脂被覆部によりコアやコイルなどを腐食や粉塵などの外部環境から保護できる。樹脂被覆部は、絶縁性樹脂、具体的には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。樹脂被覆部の厚さは、成形性を考慮すると1〜2mm程度が好ましい。
本発明リアクトルは、小型である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るリアクトルを詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明リアクトルの斜視図、図2(I)は、本発明リアクトルの背面図、(II)は、同平面図、図3(I)は、本発明リアクトルに具えるコアの平面図、(II)は、同正面図である。図において同一符号は同一物を示す。リアクトル1は、磁性材料からなる環状のコア2と、コア2の外周に配置されるコイル3(第一コイル3a,第二コイル3b)とを主要構成部材とし、内部に冷媒の循環路(図示せず)を有する冷却ベースB(図3)に載置されて利用される。
図1は、本発明リアクトルの斜視図、図2(I)は、本発明リアクトルの背面図、(II)は、同平面図、図3(I)は、本発明リアクトルに具えるコアの平面図、(II)は、同正面図である。図において同一符号は同一物を示す。リアクトル1は、磁性材料からなる環状のコア2と、コア2の外周に配置されるコイル3(第一コイル3a,第二コイル3b)とを主要構成部材とし、内部に冷媒の循環路(図示せず)を有する冷却ベースB(図3)に載置されて利用される。
コア2は、図3に示すように対向し合うコイル巻回部2cを有して閉ループ状に形成された環状の部材で、磁性体部2mとギャップ部2gとからなる。ここでは、磁性体部2mは、軟磁性粉末の圧粉成形体からなり、直方体状ブロック2aと、直方体の角部が湾曲した湾曲ブロック2bとを有する。ギャップ部2gは、アルミナなどの非磁性材料からなる矩形板で構成される。ここでは、6つの直方体状ブロック2aと、2つの湾曲ブロック2bとを用い、3つの直方体状ブロック2aを一纏まりとした直方体組を一対用意し、一対の湾曲ブロック2bの間に、上記直方体組を離間して並列配置し、これらを接着することで閉ループ状のコア2としている。直方体状ブロック2a間には、合計4枚のギャップ部2gを介在させている。各直方体組がそれぞれコイル巻回部2cを構成する。
直方体状ブロック2a(直方体組)と湾曲ブロック2bとは厚さ(リアクトルが冷却ベースBに載置された状態(載置状態)において、冷却ベースBの表面に対して垂直方向の長さ)が異なる。湾曲ブロック2bの方が厚く、図3(II)に示すように正面から見るとこのコア2は、H字状である。より具体的には、載置状態において、コイル3の外周面のうち、冷却ベースB側に位置するコイルベース側面3B、及びコイルベース側面3Bに対向するコイル対向面3Fの双方がコア2から突出しないように、湾曲ブロック2bのコア厚t(載置状態において湾曲ブロック2bの外周面のうち、冷却ベースB側に位置するコアベース側面2Bと、コアベース側面2Bに対向するコア対向面2F間の長さ)を調整している。
コイル巻回部2c(直方体状ブロック2aの直方体組)にコイル3を配置すると、コア2のコイル巻回部2cは、コイル3に覆われ、湾曲ブロック2bは、コイル3から露出した状態である。そして、図2(I)に示すようにコイル対向面3Fとコア対向面2Fとが面一である。かつ、コイルベース側面3Bとコアベース側面2Bとが面一であり、両面3B,2Bは、冷却ベースB(図3(II))に直接接触する。
両コイル3a,3bはそれぞれ、平角銅線の表面にエナメル被覆を具える巻線をエッジワイズ巻きにして形成したものである。各コイル3a,3bをそれぞれコイル巻回部2cに配置し、両コイル3a,3bの一端30a,30bを溶接して、連続したコイルとしている。ここでは、両コイル3a,3bの一端30a,30b側は、一方の最外側に位置するターンに滑らかに連続するように、コイル対向面3Fから突出しており、その突出量は、溶接に必要な最小長さとしている。また、溶接する両コイル3a,3bの一端30a,30b側は重なり合わせられるように、横並びさせたコイル3a,3bの隣り合う側に位置させている。即ち、溶接箇所30がコイル3a,3b間の隙間の上方空間に位置する。両コイル3a,3bの一端30a,30b側をこのように配置することで、ターン部分と溶接箇所との間のコイルの引き回し量を低減することができる。なお、溶接箇所が所望の位置となるように、コイルの一端側を適宜引き回してもよいし、別途連結板(連結部材)を用意し、一端30a,30bをそれぞれ連結板に溶接し、連結板を介して両コイル3a,3bを接続してもよい。
一端30a,30bを重ね合わせて溶接した溶接箇所30は、コイル対向面3Fから突出している。また、溶接箇所30は、載置状態において両コイル3a,3bのターン部分がつくる投影外形31(図2(II)では投影外形を若干大きく描いている)内に位置する。溶接は、例えばTIG溶接などが好適に利用できる。
各コイル3a,3bの他端は、電力供給用の配線が接続される端子として利用される。これら他端も、溶接箇所30と同様にコイル対向面3Fから突出させているが、溶接箇所30の突出方向と他端の突出方向とが異なっていてもよい。
このコア2とコイル3の組立体には、インシュレータ4も設けられている。インシュレータ4は、コイル巻回部2cの外周を覆う筒状部(図示せず)と、コイル3の端面(コイルのターンが環状に見える面)に当接される板状の鍔部4Fとを具える。筒状部は、半割れの角筒片同士を係合することでコイル巻回部2cの外周を覆う。鍔部4Fは筒状部の両端部に対向配置され、コイル3の各端面に当接する一対の矩形枠である。また、鍔部4Fは、図2(II)に示すように、コイル3の端面の形状に沿って厚みを異ならせており、コイル3の端面との接触面積が大きくなるようにして、コイル3を押さえ付け易くしている。インシュレータ4は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁材料が利用できる。
リアクトル10を冷却ベースに固定するには、コア2自体に、冷却ベースにリアクトル10を固定するためのボルトが挿通されるボルト孔を設けたり、別途固定用部材を利用することが挙げられる。ボルト孔は、コア2においてコイル巻回部2c以外の箇所に設けると、コア2の磁気特性に影響が及び難く好ましい。固定用部材は、例えば、一対の脚部と、脚部を連結する連結部とを有する[状とし、コイル3やコア2の外周に沿った直線状の連結部がコア2やコイル3を冷却ベース側に押え付けられるものが挙げられる。脚部には、上記ボルトが挿通されるボルト孔を設けておく。或いは、上記連結部を弧状に湾曲させたM字状の固定用部材とし、連結部が弾性を有する構成とすると、コイル3やコア2を冷却ベース側により効果的に押し付けられる。固定用部材は、SUS304,SUS316などのステンレス鋼といった強度に優れる材料で構成されることが好ましい。この固定用部材とコイル3やコア2との絶縁を確保するために、固定用部材に絶縁被膜を設けたり、固定用部材とコア2やコイル3との間に絶縁材を配置させることが好ましい。
上記構成を具えるリアクトル1によれば、コイル3が溶接で接続されると共に、コイル巻回部2c以外の箇所がコイル巻回部2cの外周面よりも突出していることで、コア長Lc(一方の湾曲ブロック2bの端面から他方の湾曲ブロック2bの端面までの長さ、図3(I))を従来のリアクトル100(図6)のコア長L100よりも短くできる。従って、リアクトル1は、冷却ベースBに載置された状態における投影面積が小さく、小型である。特に、このリアクトル1は、コア2の外周面の一部とコイル3の外周面の一部とが面一であることで、投影面積がより小さいことに加えて、ケースを省略することで、更に小型・軽量である。
また、リアクトル1は、コア2及びコイル3のベース側面2B,3Bが面一であり、冷却ベースBに直接接触することができるため、コア2やコイル3の熱を冷却ベースBに効率よく伝えられて放熱性に優れる上に、冷却ベースBに安定して載置することができる。
更に、コア2のU字状ブロックに固定用部材を配置してリアクトル1を固定する場合、リアクトル1は、従来のリアクトル100に有する接続部分123が無いことで、リアクトル100よりも固定用部材をコイル側に近付けて配置することができる。
(実施形態2)
実施形態1のリアクトル1は、コア対向面2Fとコイル対向面3Fとが面一、及びコアベース側面2Bとコイルベース側面3Bとが面一である構成を説明したが、図4に示すリアクトル10のように、双方を面一としなくてもよい。リアクトル10は、コア20のコイル巻回部20cの外周面よりも湾曲ブロック20bが突出している。具体的には、コア対向面20Fは、コイル巻回部20cの外周面とコイル対向面3Fとの中間に位置するように突出している。コアベース側面20Bは、コイルベース側面3Bがコイル巻回部20cの外周面とコアベース側面20Bとの中間に位置するように突出している。また、コアベース側面20Bは、冷却ベースBにリアクトル10を配置した際、冷却ベースBに接触するように突出している。
実施形態1のリアクトル1は、コア対向面2Fとコイル対向面3Fとが面一、及びコアベース側面2Bとコイルベース側面3Bとが面一である構成を説明したが、図4に示すリアクトル10のように、双方を面一としなくてもよい。リアクトル10は、コア20のコイル巻回部20cの外周面よりも湾曲ブロック20bが突出している。具体的には、コア対向面20Fは、コイル巻回部20cの外周面とコイル対向面3Fとの中間に位置するように突出している。コアベース側面20Bは、コイルベース側面3Bがコイル巻回部20cの外周面とコアベース側面20Bとの中間に位置するように突出している。また、コアベース側面20Bは、冷却ベースBにリアクトル10を配置した際、冷却ベースBに接触するように突出している。
コイル巻回部以外の箇所をコイル巻回部の外周面よりも突出させたコア20を具えるリアクトル10は、実施形態1のリアクトルと同様に投影面積が小さく、小型である。また、このリアクトル10は、冷却ベースBに載置した際、コアベース側面20Bが冷却ベースBに接触することで、放熱性に優れる上に、安定して載置することができる。更に、冷却ベースBとコイルベース側面3Bとの間の空間に放熱板を配置させた構成とすると、放熱性をより高められる。放熱板は、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素といったセラミックスなどの放熱性、電気絶縁性に優れる材料で構成されたものが利用できる。
(実施形態3)
リアクトル1,10は、その外周を覆うように樹脂被覆部を具える構成とすることができる。樹脂被覆部は、例えば、コア2とコイル3との組立体を作製して金型に配置した後、エポキシ樹脂を注型成形することで形成することができる。但し、コア2のベース側面2B、コイル3の溶接箇所30、端子となるコイル3の他端、リアクトル1の場合、更にコイル3のベース側面3Bは、樹脂被覆部に覆われず、露出されるようにする。樹脂被覆部は、例えば、上記組立体の外周に沿った直方体状とし、コア2の湾曲ブロック2bの湾曲部分を覆う箇所(樹脂被覆部の四隅)にそれぞれ、冷却ベースBにリアクトル1,10を固定するためのボルトが挿通されるボルト孔を設けた構成とすることができる。
リアクトル1,10は、その外周を覆うように樹脂被覆部を具える構成とすることができる。樹脂被覆部は、例えば、コア2とコイル3との組立体を作製して金型に配置した後、エポキシ樹脂を注型成形することで形成することができる。但し、コア2のベース側面2B、コイル3の溶接箇所30、端子となるコイル3の他端、リアクトル1の場合、更にコイル3のベース側面3Bは、樹脂被覆部に覆われず、露出されるようにする。樹脂被覆部は、例えば、上記組立体の外周に沿った直方体状とし、コア2の湾曲ブロック2bの湾曲部分を覆う箇所(樹脂被覆部の四隅)にそれぞれ、冷却ベースBにリアクトル1,10を固定するためのボルトが挿通されるボルト孔を設けた構成とすることができる。
樹脂被覆部を具えるリアクトルとすることで、(1)コア2及びコイル3を一体に取り扱える、(2)コア2を補強できる、(3)外部環境からコア2やコイル3を保護できる、(4)周囲の部材との間で絶縁を確保できる、といった種々の効果を奏することができる。
また、上述のように樹脂被覆部にボルト孔を設けるとコア2自体にボルト孔を設けたり、固定用部材を用いることなく、リアクトルを冷却ベースBに簡単に固定することができる。樹脂被覆部及びコア2にボルト孔を設けると、冷却ベースBに対してより強固にリアクトルを固定することができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、コイルとコアとの一体物をケースに収納してもよい。
本発明のリアクトルは、小型であるため、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に搭載する車載コンバータといった車載部品の構成部品に好適に利用することができる。
1,10 リアクトル 2,20,200 コア 2a 直方体状ブロック 2b,20b 湾曲ブロック
2c,20c,200c コイル巻回部 2m 磁性体部 2g ギャップ部
2B,20B コアベース側面 2F,20F コア対向面
3 コイル 3a 第一コイル 3b 第二コイル 3B コイルベース側面
3F コイル対向面 30 溶接箇所 30a,30b コイルの一端 31 投影外形
4 インシュレータ 4F 鍔部
100 リアクトル 110 コア 111 直方体状ブロック 112 U字状ブロック
121,122 コイル 123 接続部分
g ギャップ材 fF コアにおける冷却ベース側の面と対向する面
fB コアにおける冷却ベース側の面 B 冷却ベース
2c,20c,200c コイル巻回部 2m 磁性体部 2g ギャップ部
2B,20B コアベース側面 2F,20F コア対向面
3 コイル 3a 第一コイル 3b 第二コイル 3B コイルベース側面
3F コイル対向面 30 溶接箇所 30a,30b コイルの一端 31 投影外形
4 インシュレータ 4F 鍔部
100 リアクトル 110 コア 111 直方体状ブロック 112 U字状ブロック
121,122 コイル 123 接続部分
g ギャップ材 fF コアにおける冷却ベース側の面と対向する面
fB コアにおける冷却ベース側の面 B 冷却ベース
Claims (8)
- 一対のコイルと、各コイルがそれぞれ配置されるコイル巻回部を有する環状のコアとを具えるリアクトルであって、
各コイルの一端が溶接により接続されており、
前記コアは、前記コイル巻回部以外の箇所において、前記コイル巻回部の外周面よりも突出した突出部を有することを特徴とするリアクトル。 - 前記突出部は、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において、冷却ベースと対向する側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
- 前記コイルの外周面のうち、冷却ベース側に位置するコイルベース側面に対向するコイル対向面と、コアの外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であって前記コイル対向面と同じ側のコア対向面とが面一であることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル。
- 前記突出部は、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において、冷却ベース側に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記コイルの外周面のうち、冷却ベース側に位置するコイルベース側面と、コアの外周面のうち、コイル巻回部以外の箇所であって前記コイルベース側面と同じ側のコアベース側面とが面一であることを特徴とする請求項4に記載のリアクトル。
- 前記両コイルにおける溶接箇所は、リアクトルが冷却ベースに載置された状態において一対のコイルのターン部分がつくる投影外形内に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記コアは、圧粉成形体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
- リアクトルの外周を覆う樹脂被覆部を具えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリアクトル。
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