JP2009218173A - ヒータエレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】電熱線とはんだとの電気導通性を安定して高めることができると共に反射光の発生を低減することができる構造を提供することを課題とする。
【解決手段】電熱線13と電極部17とからなるヒータエレメントであって、電極部17は、電熱線13を挟む一対の導体金属帯体15、16と、これらの導体金属帯体15、16の間隙を埋めるはんだ14とから構成され、電熱線13は、芯線10と、この芯線10に被覆された下地めっき層11と、この下地めっき層11に被覆された黒色めっき層12とからなることを特徴とする。
【効果】下地めっき層は、芯線と黒色めっき層とを結合する結合作用を発揮する。黒色めっき層ははんだと濡れ性がよく、はんだ付け性が高い。この結果、電熱線、下地めっき層、黒色めっき層、はんだの順で行われる電気導通性能は良好で安定する。
【選択図】図4
【解決手段】電熱線13と電極部17とからなるヒータエレメントであって、電極部17は、電熱線13を挟む一対の導体金属帯体15、16と、これらの導体金属帯体15、16の間隙を埋めるはんだ14とから構成され、電熱線13は、芯線10と、この芯線10に被覆された下地めっき層11と、この下地めっき層11に被覆された黒色めっき層12とからなることを特徴とする。
【効果】下地めっき層は、芯線と黒色めっき層とを結合する結合作用を発揮する。黒色めっき層ははんだと濡れ性がよく、はんだ付け性が高い。この結果、電熱線、下地めっき層、黒色めっき層、はんだの順で行われる電気導通性能は良好で安定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、ガラスに装着されるヒータエレメントの改良に関する。
車両の窓ガラスが水滴や結氷などで曇ることがある。この曇りは視界を狭めるため対策が必要となる。ガラスの曇りを防止するには、ガラスにヒータエレメントを付設し、適宜、通電して熱で水滴や結氷を蒸発、除去することが有効となる。
ヒータエレメントの一つに、ニクロム線やタングステン線に代表される電熱線を複数本平行に配列したものが知られている。この場合に、電熱線の一端同士を連結する電極部が、給電手段として採用される。
図6は従来のヒータエレメントの要部を示す図であり、互いに平行に配列された複数本の電熱線101は、一端同士が電極部102で連結されている。この電極部102は、一般に次の手順で製造される。
図7は従来のヒータエレメントの製造方法を説明する図であり、(a)に示すように、予めはんだ103が付けられている導体金属帯体104を電熱線101の上に臨ませ、予めはんだ103が付けられている導体金属帯体105を電熱線101の下に臨ませる。
そして、(b)に示すように、一対の導体金属帯体104、105で電熱線101を挟み、白抜き矢印のように加熱してはんだ103を溶融させる。これで、電極部102が完成する。
そして、(b)に示すように、一対の導体金属帯体104、105で電熱線101を挟み、白抜き矢印のように加熱してはんだ103を溶融させる。これで、電極部102が完成する。
図8は従来の電極部の断面図であり、はんだ103は、導体金属帯体104、105に対して濡れ性が良いため、密着している。しかし、はんだ103はタングステンなどの電熱線101に対しては濡れ性が悪いため、はじかれてしまう。この結果、電熱線101とはんだ103との間には、隙間106が不可避的に発生する。
電熱線101は、はんだ付け性を有していないため、電熱線101は、はんだ101と接触しているのみであり、そのため、導体金属帯体104、105との電気導電性を安定的に確保することは難しい。さらに、経時変化による湿度の影響で電熱線101の表面が酸化してしまい、電気導線性を低下させる可能性がある。
これに対して、はんだ付け性を有する電熱線101であれば、隙間106の発生を防止することができ、電熱線101がはんだ103を介して導体金属帯体104、105と確実に接合されるため、電気導電性を確保することができる。
これに対して、はんだ付け性を有する電熱線101であれば、隙間106の発生を防止することができ、電熱線101がはんだ103を介して導体金属帯体104、105と確実に接合されるため、電気導電性を確保することができる。
そこで、電熱線101とはんだ103との電気導通性の向上、すなわち電熱線101とはんだ103との濡れ性向上が望まれる。
また、ニクロム線やタングステン線は、灰白色又は銀色を呈するため、外からの光は反射される。車両用窓ガラスでは、太陽光や前後の車のライトを受けるため、反射光の発生頻度が高くなる。周囲への影響を考えると、反射光は好ましいものではない。そこで、各種の反射光対策が講じられてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭53−37718号公報(第1頁)
特許文献1の特許請求の範囲第4項に「上記電熱線がW線、Mo線、W−Mo合金線、Ni−Cr合金線であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電熱線入り合せガラス。」の記載がある。
また、特許文献1の特許請求の範囲第5項に「電熱線の表面に電着金属メッキを施して黒色被膜を形成してなる特許請求の範囲第1項記載の電熱線入り合せガラス。」の記載がある。
また、特許文献1の特許請求の範囲第5項に「電熱線の表面に電着金属メッキを施して黒色被膜を形成してなる特許請求の範囲第1項記載の電熱線入り合せガラス。」の記載がある。
電熱線を黒色の膜で覆うと、黒色被膜が光を吸収するため、反射光を大幅に減らすことができ、反射の問題は解決される。
しかし、黒色被膜の多くは酸化物であるため、めっき処理などによる電熱線と密着性が悪く、はんだ付け性も良くないので確実な接合が得られない。電気は電熱線、黒色被膜、はんだ、導体金属帯体の順に伝わるが、相互に接触しているだけであるため、電気導通性は不安定なままである。
本発明は、電熱線とはんだとの電気導通性を安定して高めることができると共に反射光の発生を低減することができる構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、互いに平行に配置された複数本の電熱線と、これらの電熱線の一端同士が連結された電極部とからなるヒータエレメントにおいて、
前記電極部は、前記電熱線の端部を挟む一対の導体金属帯体と、これらの導体金属帯体の間隙を埋めるはんだとから構成され、
前記電熱線は、芯線と、この芯線に被覆された下地めっき層と、この下地めっき層に被覆された黒色めっき層とからなることを特徴とする。
前記電極部は、前記電熱線の端部を挟む一対の導体金属帯体と、これらの導体金属帯体の間隙を埋めるはんだとから構成され、
前記電熱線は、芯線と、この芯線に被覆された下地めっき層と、この下地めっき層に被覆された黒色めっき層とからなることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、下地めっき層は、ニッケル、クロム、金又は銀であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、黒色めっき層は、黒色ニッケルめっきであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、芯線を下地めっき層で覆い、この下地めっき層に黒色めっき層を被せた。
下地めっき層は、芯線と黒色めっき層とを結合する結合作用を発揮する。黒色めっき層ははんだと濡れ性がよく、はんだ付け性が高い。
そのため、有害な隙間は存在しない。この結果、電熱線、下地めっき層、黒色めっき層、はんだの順で行われる電気導通性能は良好で安定する。
下地めっき層は、芯線と黒色めっき層とを結合する結合作用を発揮する。黒色めっき層ははんだと濡れ性がよく、はんだ付け性が高い。
そのため、有害な隙間は存在しない。この結果、電熱線、下地めっき層、黒色めっき層、はんだの順で行われる電気導通性能は良好で安定する。
請求項2に係る発明では、ニッケル、金又は銀による下地めっきを行うことが好ましい。とりわけ、素材価格、加工工程の有害物処理の問題、処理液の寿命などを勘案すると、ニッケルによる下地めっきが望ましい。
請求項3に係る発明では、黒色めっき層は、黒色ニッケルめっきであることが好ましい。黒色ニッケルめっきは、下地めっき層と同じくニッケルを主成分とするため下地めっき層との密着性に優れている。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る電熱線の加工方法を説明する図であり、(a)に示すように芯線10を準備する。この芯線10は電気抵抗値が大きなタングステン線、モリブデン線、ニクロム線が望ましい。
図1は本発明に係る電熱線の加工方法を説明する図であり、(a)に示すように芯線10を準備する。この芯線10は電気抵抗値が大きなタングステン線、モリブデン線、ニクロム線が望ましい。
この芯線10に、(b)に示すように、下地めっき層11を被せる。この下地めっき層11を構成する材料は、芯線10に良好な密着性能を有する材料であって、ニッケル、クロム、金、銀が望ましい。
次に、下地めっき層11に、(c)に示すように、黒色めっき層12を被せる。この黒色めっき層12を構成するめっきは、下地めっき層11に良好な密着性能を有すると共にはんだ性を有するめっきであって、黒色ニッケル電気めっき、黒色無電解ニッケルめっき、黒色クロムめっき、クロメートめっき、黒色三元合金めっき、黒色ロジウムめっきが望ましい。
とりわけ、黒色ニッケルめっきは、下地めっき層11に対して良好な密着性を有すると共にはんだ濡れ性が良好であり、さらにはんだ付け性も良好である。
芯線10を下地めっき層11で覆い、この下地めっき層11を黒色めっき層12で覆うことで、本発明の電熱線13が完成する。この電熱線13を用いたヒータエレメントの造り方を次に説明する。
図2は本発明に係るヒータエレメントの製造方法を説明する図であり、(a)に示すように、予めはんだ14が付けられている導体金属帯体15を電熱線13の上に臨ませ、予めはんだ14が付けられている導体金属帯体16を電熱線13の下に臨ませる。
そして、(b)に示すように、一対の導体金属帯体15、16で電熱線13を挟み、白抜き矢印のように加熱してはんだ14を溶融させる。これで、電極部17が完成する。
そして、(b)に示すように、一対の導体金属帯体15、16で電熱線13を挟み、白抜き矢印のように加熱してはんだ14を溶融させる。これで、電極部17が完成する。
図3は本発明に係る電極部の断面図であり、電極部17は、複数本の電熱線13を挟む一対の導体金属帯体15、16と、これらの導体金属帯体15、16の間隙を埋めるはんだ14とからなる。
図4は図3の4部拡大図であり、芯線10に下地めっき層11が密着されているため、芯線10から下地めっき層11へ十分に電流を流すことができる。
下地めっき層11に黒色めっき層12が密着されているため、下地めっき層11から黒色めっき層12へ十分に電流を流すことができる。
黒色めっき層12にはんだ14が確実に接合されているため、黒色めっき層12からはんだ14へ十分に電流を流すことができる。
下地めっき層11に黒色めっき層12が密着されているため、下地めっき層11から黒色めっき層12へ十分に電流を流すことができる。
黒色めっき層12にはんだ14が確実に接合されているため、黒色めっき層12からはんだ14へ十分に電流を流すことができる。
はんだ14は、導体金属帯体15、16に確実に接合しているため、はんだ14から導体金属帯体15、16へ十分に電流を流すことができる。
このように、電熱線13から導体金属帯体15、16へ、十分な電気導通性能が確保される。
このように、電熱線13から導体金属帯体15、16へ、十分な電気導通性能が確保される。
図5は図3の5矢視図であり、互いに平行に配列された複数本の電熱線13と、これらの電熱線13の一端同士を連結する電極部17とから、本発明のヒータエレメント20が構成される。
このヒータエレメント20は、上述したように、電熱線13の外表面が黒色であるため、反射光の発生を低減することができる。また、電熱線13から導体金属帯体15、16へ、十分な電気導通性能が確保されるため、十分に大きな抵抗熱を発生させることができる。また、十分な電気導通性能が確保されるため、電熱線13(芯線10)の小径化が可能となる。電熱線13が小径であるほど、車両用窓ガラスの透明感(電熱線が邪魔にならないこと)が増加して好ましい。
ヒータエレメント20は、ガラスに装着されるものであり、ガラスは車両の窓ガラスが好適である。しかし、ガラスは、住宅の窓ガラス、高層ビルの窓ガラス、一般機械に嵌められるガラスなど、防曇ガラス又は電熱線入りガラスと呼ばれるものであれば、用途は限定されない。
本発明のヒータエレメントは、車両の窓ガラスに好適である。
10…芯線、11…下地めっき層、12…黒色めっき層、13…電熱線、14…はんだ、15、16…導体金属帯体、17…電極部、20…ヒータエレメント。
Claims (3)
- 互いに平行に配置された複数本の電熱線と、これらの電熱線の一端同士が連結された電極部とからなるヒータエレメントにおいて、
前記電極部は、前記電熱線の端部を挟む一対の導体金属帯体と、これらの導体金属帯体の間隙を埋めるはんだとから構成され、
前記電熱線は、芯線と、この芯線に被覆された下地めっき層と、この下地めっき層に被覆された黒色めっき層とからなることを特徴とするヒータエレメント。 - 前記下地めっき層は、ニッケル、クロム、金又は銀であることを特徴とする請求項1記載のヒータエレメント。
- 前記黒色めっき層は、黒色ニッケルめっきであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヒータエレメント。
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