JP2009212045A - 燃料電池システム及び燃料電池の除水方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池の除水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池内の残留水の凍結防止対策を効率よく行うことができる燃料電池システム及び燃料電池の除水方法を提供すること。
【解決手段】燃料電池システム10は、アノード31とカソード32とを有する燃料電池30と、冷却水cを流す冷却水ライン74、75と、冷却水ポンプ73と、冷却水cを昇温する昇温器13と、カソード32に空気r1を供給する第1の送風機29と、燃料電池30の発電が行われていない状況で、冷却水cを熱媒体として燃料電池30を昇温しつつカソード32に空気r1を供給する除水運転をするように、昇温器13、冷却水ポンプ73及び第1の送風機29を稼働させる制御装置36とを備える。燃料電池30の発電が行われていないときに、燃料電池30を昇温してカソード32内の水分を気化させ、カソード32に空気r1を供給して水蒸気を燃料電池30から排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システム及び燃料電池の除水方法に関し、特に残留水の凍結に伴う燃料電池電解質膜の損傷を回避する燃料電池システム及び燃料電池の除水方法に関する。
燃料電池は、水素と酸素との電気化学的反応により発電する装置である。燃料電池における電気化学的反応の際には、発熱と共に水分が生成される(例えば、特許文献1参照。)。燃料電池の発電によって生成された水分は、燃料電池の発電中は液体の水あるいは水蒸気として存在する。燃料電池の停止後に燃料電池内に残留した水分が気温の低下により凍結すると、燃料電池を構成する電解質膜や触媒の破壊に至る可能性が高い。他方、発電中の燃料電池は停止中の場合に比べて温度が高く、燃料電池内の水分は一般に温度が高いほど水蒸気の割合が増えるため、温度が高いほど供給される酸素含有ガスによって燃料電池から排出されやすい。このような事情を背景に、発電が停止する際に掃気ガスを供給して燃料電池内の残留水を排出することが行われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−010178号公報(段落0033等) 特開2005−317224号公報(段落0002等)
しかしながら、燃料電池を掃気するには多くのエネルギーを消費するため、燃料電池を停止させるたびに掃気するのはエネルギー使用量が嵩む。したがって、例えば家庭用に設置されるような商用電源に連系されている燃料電池の凍結防止対策としては、商用電源から受電して発熱するヒータ等を設ける方が経済的である。ところが、長期にわたって燃料電池を起動する予定のない場合等は、ヒータの設置が必ずしも有利とはいえない。
本発明は上述の課題に鑑み、長期にわたって燃料電池を起動する予定のない場合における燃料電池内の残留水の凍結防止対策を効率よく行うことができる燃料電池システム及び燃料電池の除水方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、水素含有ガスgを導入するアノード31と酸素含有ガスtを導入するカソード32とを有し、水素含有ガスg中の水素と酸素含有ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電し発熱して水が生成される燃料電池30と;燃料電池30の発電が行われているときに燃料電池30で発生した熱を奪う冷却水cを流す冷却水ライン74、75と;冷却水ライン74、75内の冷却水cを燃料電池30に供給する冷却水ポンプ73と;冷却水ライン74に配設され、冷却水ライン74を流れる冷却水cを昇温する昇温器13と;カソード32に空気r1を供給する第1の送風機29と;燃料電池30の発電が行われていない状況で、冷却水cを熱媒体として燃料電池30を昇温しつつカソード32に空気r1を供給する除水運転をするように、昇温器13、冷却水ポンプ73及び第1の送風機29を稼働させる制御装置36とを備える。
このように構成すると、燃料電池の発電が行われていない状況で冷却水を熱媒体として燃料電池を昇温しつつカソードに空気を供給するので、除水運転をする際に燃料電池の温度を上昇させることができ、これにより供給した空気の相対湿度を低下させ、燃料電池内に残留していた水の蒸発量を増加させることができて、燃料電池内から残留水を効率よく除去することが可能となる。この際、燃料電池システムの既存の構成を有効に活用しつつ効率よい燃料電池の除水を行うことができる。
また、本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る燃料電池システム10において、燃料電池30の発電が行われているときに第1の送風機29から供給された空気を酸素含有ガスtとしてカソード32に導く酸素含有ガスラインであって、酸素含有ガスtを加湿する加湿器38を有する酸素含有ガスライン54Aと;除水運転をするときに第1の送風機29から供給された空気r1を加湿器38を経由せずにカソード32へと導くバイパスライン54Bとを備える。
このように構成すると、除水運転をするときに第1の送風機から供給された空気を加湿器を経由せずにカソードへと導くバイパスラインを備えるので、除水運転をする際にカソードに供給する空気に含まれる水分量の増加を抑制することができる。
また、本発明の第3の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る燃料電池システム10において、昇温器13が、燃料電池30及び商用電源99に電気的に接続された電気ヒータであって、燃料電池30で発電した電力が商用電源99に逆潮流することを防ぐために燃料電池30で発電した余剰電力を消費する逆潮流防止電気ヒータを兼ねる。
このように構成すると、燃料電池システムの既存の構成を有効に活用しつつ効率よい燃料電池の除水を行うことができる。
また、本発明の第4の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る燃料電池システム10において、冷却水ライン内74、75に空気r2を供給する第2の送風機29を備え;制御装置36が、燃料電池30が所定の温度に昇温した後に冷却水ライン74、75内に空気r2を供給するように、第2の送風機29を制御する。
このように構成すると、カソードのみならず冷却水ラインの除水も行うことができ、燃料電池システムの凍結による被害をさらに減少させることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係る燃料電池の除水方法は、例えば図1及び図2に示すように、水素と酸素との電気化学的反応により発電し発熱して水が生成される燃料電池30であって酸素含有ガスtを導入するカソード32を有する燃料電池30の発電が行われていないときに、燃料電池30を昇温してカソード32内の水分を気化させる水蒸気化工程(S1)と;カソード32に空気r1を供給して水蒸気化工程で気化させた水分を燃料電池30から排出する水蒸気排出工程(S2)とを備える。
このように構成すると、燃料電池を昇温してカソード内の水分を気化させてからカソードに空気を供給して水蒸気を燃料電池から排出するので、カソードに空気を供給しながら燃料電池を昇温する場合に比べて燃料電池の昇温に要する時間を短縮することができ、燃料電池内から残留水を効率よく除去することが可能となる。
また、本発明の第6の態様に係る燃料電池の除水方法は、例えば図1及び図2に示すように、上記本発明の第5の態様に係る燃料電池の除水方法において、燃料電池30が発熱を除去する冷却水cを導入する冷却部33を有し;水蒸気化工程(S1)が、加熱した冷却水cを冷却部33に供給することにより燃料電池30を昇温するように構成され;水蒸気化工程(S1)の後に、冷却水cを冷却部33から排出する冷却水排出工程(S6〜S7)を備える。
このように構成すると、水蒸気化工程の後に冷却水を冷却部から排出するので、冷却水排出後に冷却部に残留する冷却水が加熱してあるために蒸発しやすく、カソードのみならず冷却部の除水も効率よく行うことができる。
また、本発明の第7の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第5の態様又は第6の態様に係る燃料電池の除水方法を実行する制御装置36を備える。
このように構成すると、燃料電池内から残留水を効率よく除去することができる燃料電池システムとなる。
本発明によれば、燃料電池の発電が行われていない状況で冷却水を熱媒体として燃料電池を昇温しつつカソードに空気を供給するので、除水運転をする際に燃料電池の温度を上昇させることができ、これにより供給した空気の相対湿度を低下させ、燃料電池内に残留していた水の蒸発量を増加させることができて、燃料電池内から残留水を効率よく除去することが可能となる。この際、燃料電池システムの既存の構成を有効に活用しつつ効率よい燃料電池の除水を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システム10を説明する。図1は、燃料電池システム10の系統図である。燃料電池システム10は、水素含有ガスとしての改質ガスgを生成する改質器20と、改質ガスg及び酸素含有ガスとしての酸化剤ガスtを導入して水素と酸素との電気化学的反応により発電し発熱する燃料電池30と、酸化剤ガスtを燃料電池30に送る第1の送風機としての空気ブロワ29と、発熱した燃料電池30を冷却する冷却水cを燃料電池30に供給する冷却水ラインとしての冷却水管74、75と、冷却水管74内を流れる冷却水cを昇温する昇温器としての電気ヒータ13と、燃料電池システム10を制御する制御装置36とを備えている。
改質器20は、原料m1と改質用水(不図示)とを導入し水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスgを生成する改質部25と、原料m1の水蒸気改質反応に用いる改質熱を発生する燃焼部23とを備えている。原料m1は、典型的には、メタン、エタン等の鎖式炭化水素(天然ガスも含む)、又はメタノール、石油製品(灯油、ガソリン、ナフサ、LPG等)等の炭化水素を主成分とする混合物等の炭化水素系の燃料であり、加熱用の燃焼に適するものが用いられる。改質部25に導入する改質用水(不図示)は水蒸気であってもよい。また、水素に富む改質ガスgとは、水素を主成分とするガスであり、水素を40体積%以上、典型的には70〜80体積%程度含んだ、燃料電池30に供給するガスである。改質ガスg中の水素濃度は80体積%以上でもよく、すなわち燃料電池30に供給したときに酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電可能な濃度であればよい。
改質部25には、改質触媒が充填されており、水蒸気改質反応を促進させるように構成されている。改質触媒としては、典型的には、ニッケル系改質触媒やルテニウム系改質触媒が用いられる。改質触媒の作用により原料m1が改質され、生成された水素に富むガスに所定量以上の一酸化炭素が含まれていると、燃料電池30の電極触媒が被毒する。そのため、改質部25は、変成触媒が充填された変成部(不図示)、及び選択酸化触媒が充填された選択酸化部(不図示)を有し、改質器20から導出される改質ガスg中の一酸化炭素濃度が約10体積ppm以下、好適には1体積ppm程度となるようにするのが好ましい。変成触媒には、典型的には、鉄−クロム系変成触媒、銅−亜鉛系変成触媒、白金系変成触媒等が用いられる。選択酸化触媒には、典型的には、白金系選択酸化触媒、ルテニウム系選択酸化触媒、白金−ルテニウム系選択酸化触媒等が用いられる。なお、改質触媒における反応は吸熱反応であるが、変成触媒を有する変成部及び選択酸化触媒を有する選択酸化部における反応は発熱反応となる。
改質部25には、原料m1を導入するための原料管55と、改質用水(不図示)を導入するための改質用水管(不図示)とが接続されている。改質用水管(不図示)は、改質部25直近の原料管55に接続されていると、原料m1と改質用水(不図示)とが混合された状態で改質部25に導入されて好適である。しかしながら、改質用水管(不図示)が改質部25に直接接続されていてもよい。原料管55には、原料m1の流れを遮断可能な原料弁65が設けられている。また、改質部25(改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減させる部位を有する場合は当該部位)には改質ガスgを導出する改質ガス管51が接続されている。さらに改質部25には、原料m1の水蒸気改質を行う部分の温度を検出する温度検出器(不図示)が設けられている。
燃焼部23は、改質部25の改質触媒が設けられている位置に隣接するように、改質器20内に配設されており、改質熱を発生するための装置として、バーナー(不図示)が設けられている。燃焼部23は、炭化水素系燃料である燃焼用燃料m2、並びに、共に水素を含むアノードオフガスp及び改質ガスgを導入すると共に、燃焼用空気aを導入し、バーナー(不図示)でこれらを燃焼させて水蒸気改質反応に用いる改質熱を得ることができるように構成されている。燃焼部23は、燃料電池システム10の状態に応じて、燃焼用燃料m2、アノードオフガスp、改質ガスgのいずれか1種類あるいは2種類以上を導入して燃焼させる。燃焼用燃料m2は、本実施の形態では、原料m1と同じものが使用される。すなわち、原料m1及び燃焼用燃料m2は、原料供給ラインとしての燃料管57を流れる燃料mが分流したものを用途に応じて呼称を変えたものであり、成分は同じものである。アノードオフガスpの成分は、典型的には、約半分が水素、残りの半分に二酸化炭素、窒素、原料あるいはその化合物(例えばメタン等)が含まれている。燃料管57には、気体の燃料mを送る燃料ブロワ28が配設されている。燃料ブロワ28は、典型的にはインバータにより回転数(rpm)を調節することができ、これにより燃料mの流量を増減することができるように構成されている。なお、燃料mが液体の場合は燃料ブロワ28に代えて燃料ポンプが配設されるが、本実施の形態では燃料ブロワ28として説明する。
燃焼部23には、アノードオフガスp及び改質ガスgを導入可能なアノードオフガス管52と、燃焼用燃料m2を導入する燃焼燃料管56とが接続されている。燃焼燃料管56には、燃焼用燃料m2の流れを遮断可能な燃焼燃料弁66が設けられており、燃焼燃料弁66の下流には燃焼用空気aを流す燃焼空気管54Dが接続されている。燃焼空気管54Dには、燃焼用空気aの流れを遮断可能な遮断弁64Dが設けられている。また、燃焼部23には、バーナー(不図示)で燃焼した後の排ガスeを排出する排ガス管59が接続されている。
燃料電池30は、典型的には固体高分子形燃料電池である。燃料電池30は、改質ガスgを導入するアノード31と、酸化剤ガスtを導入するカソード32と、電気化学的反応により発生した熱を奪う冷却部33とを含んで構成されている。カソード32に導入される酸化剤ガスtは、典型的には空気である。燃料電池30は、図では簡易的に示されているが、実際には、固体高分子膜(電解質膜)をアノード31とカソード32とで挟んで単一のセルが形成され、このセルを冷却部33を介し複数枚積層して構成されている。燃料電池30では、アノード31に供給された改質ガスg中の水素が水素イオンと電子とに分解し、水素イオンが固体高分子膜を通過してカソード32に移動すると共に電子がアノード31とカソード32とを結ぶ導線を通ってカソード32に移動して、カソード32に供給された酸化剤ガスt中の酸素と反応して水を生成し、この反応の際に発熱する。この反応における、電子が導線を通ることにより、直流の電力を取り出すことができる。燃料電池30は、出力ケーブル41を介してパワーコンディショナ34と電気的に接続されている。燃料電池30には、凍結防止ヒータ(不図示)が設けられている。
燃料電池30は、出力ケーブル41及び商用電源ケーブル49を介して商用電源99に接続されている。出力ケーブル41と商用電源ケーブル49との接続部には、電力負荷98につながる電力負荷ケーブル48が接続されている。すなわち、燃料電池30と、商用電源99と、電力負荷98とは電気的に接続されている。電力負荷98は、典型的には、家電や生産機械等の電気機器である。出力ケーブル41には、燃料電池30で発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ34が配設されている。パワーコンディショナ34よりも商用電源ケーブル49側の出力ケーブル41には、電気ヒータ13につながるヒータ用ケーブル42が接続されている。ヒータ用ケーブル42には開閉器43が配設されている。開閉器43は、典型的には、ソリッドステートリレーである。
アノード31と改質部25とは、改質ガス管51を介して接続されている。改質ガス管51には改質ガスgの流れを遮断可能な改質ガス弁61が設けられている。また、アノード31と燃焼部23とは、アノードオフガス管52を介して接続され、燃料電池30での電気化学的反応に利用されなかった水素を含むアノードオフガスpを燃焼部23に導入することができるようになっている。アノードオフガス管52には、アノードオフガスpの流れを遮断可能なアノードオフガス弁62が配設されている。また、改質ガス弁61の上流側の改質ガス管51と、アノードオフガス弁62よりも下流のアノードオフガス管52とが、バイパス管53で接続されている。バイパス管53にはバイパス弁63が設けられている。カソード32には、酸化剤ガスtを導入する酸素含有ガスラインとしての酸化剤ガス管54Aと、燃料電池30での電気化学的反応に利用されなかった酸素を含むカソードオフガスqを排出するカソードオフガス管54Qとが接続されている。酸化剤ガス管54Aは、空気管54から分岐した管の1つであり、空気管54から分岐した他の1つは燃焼空気管54Dである。空気管54には、酸化剤ガス管54A及び燃焼空気管54Dに空気(酸化剤ガスt、燃焼用空気a等)を送る空気ブロワ29が配設されている。空気ブロワ29は、典型的にはインバータにより回転数(rpm)を調節することができ、これにより圧送する空気の流量を増減することができるように構成されている。カソードオフガス管54Qには、流路を遮断する遮断弁67が配設されている。
酸化剤ガス管54Aには、流路を遮断可能な遮断弁64Aが配設されている。遮断弁64Aより下流の酸化剤ガス管54Aには、酸化剤ガスtを加湿する加湿器38が配設されている。また、酸化剤ガス管54Aには、遮断弁64A及び加湿器38をバイパスするバイパス空気管54Bが接続されている。バイパス空気管54Bには、主としてカソード32の除水運転をする際に空気(カソード除水空気r1)が流れる。カソード除水空気r1を、バイパス空気管54Bを通すことにより、遮断弁64A及び加湿器38を経由せずに加湿器38の下流に導くことができる。バイパス空気管54Bには、流路を遮断可能な遮断弁64Bが配設されている。
燃料電池30の冷却部33の冷却水導入口には冷却水管75が、冷却水導出口には冷却水管74が、それぞれ接続されている。冷却水管74、75により、燃料電池30から導出された冷却水cが熱交換器70を通過し、熱交換器70を通過して温度が下がった冷却水cが燃料電池30に導入されるように循環流路が形成されている。冷却水管75には内部を流れる冷却水cを循環させる冷却水ポンプ73が配置されている。冷却水ポンプ73は、典型的にはインバータにより回転数(rpm)を調整し、燃料電池30の発熱量に応じて冷却水cの流量を調整することができるように構成されている。冷却水ポンプ73のインバータと制御装置36とは信号ケーブルで接続されている。
冷却水管74には電気ヒータ13が配置されている。電気ヒータ13は、燃料電池30で発電された電力のうち電灯や電気機器等の電力負荷98で消費されない余剰電力を熱に変換し、変換した熱を冷却水管74を流れる冷却水cに伝達するように構成されている。すなわち、電気ヒータ13は、逆潮流防止電気ヒータとして利用されるものである。電気ヒータ13は、燃料電池30で発電された電力で作動するほか、商用電源99から電力の供給を受けてこの商用電源電力によっても作動するように構成されている。電気ヒータ13は、典型的には、発熱部を絶縁材料で被覆したケーブル型の電気ヒータであり、冷却水管74の外周に巻きつけられテープで固定される。また、電気ヒータ13は発熱部を収容したケーシングに冷却水cを導入し、発熱部と冷却水cとが接触して冷却水cの温度を上昇させるように構成されていてもよい。電気ヒータ13で発熱がある場合、冷却部33で温度が上昇した冷却水cは、電気ヒータ13でさらに温度が上昇して熱交換器70に流入することになる。
冷却水ポンプ73より下流側の冷却水管75には、冷却水管75に冷却部除水空気r2を導入する冷却水空気管54Cの一端が接続されている。冷却水空気管54Cの他端は、遮断弁64Dより上流側の燃焼空気管54Dに接続されている。このように構成されていることにより、空気ブロワ29で圧送された空気を冷却部除水空気r2として、燃焼空気管54D、冷却水空気管54Cを経て冷却水管75に導入することが可能になっている。本実施の形態では、空気ブロワ29が第1の送風機と第2の送風機とを兼ねている。しかしながら、制御を容易にする観点から、第1の送風機と第2の送風機とを別々に備えていてもよい。冷却水空気管54Cには、冷却部除水空気r2の流れを遮断可能な遮断弁64Cと、冷却部除水空気r2の逆流を防ぐ逆止弁68Cとが配設されている。逆止弁68Cは、遮断弁64Cよりも下流側に配設されている。
冷却水ポンプ73より上流側の冷却水管75には、冷却水管75に冷却水cを供給する水供給管76の一端が接続されている。水供給管76の他端は、水供給タンク78に接続されている。水供給タンク78は、冷却水ポンプ73の起動により水供給管76との接続部分の冷却水管75が最も負圧となる吸込揚程分以上冷却水管74、75の最低位よりも高所に配設されている。冷却水管74、75には、水供給タンク78の高さまでは、水供給タンク78内の水が重力により流入する。冷却水ポンプ73と冷却水空気管54Cの接続部分との間の冷却水管75には、不純物を除去するイオン交換樹脂塔77が配設されている。冷却水空気管54Cの接続部分と冷却部33との間の冷却水管75には、流路を遮断可能な遮断弁71が配設されている。また、冷却水ポンプ73とイオン交換樹脂塔77との間の冷却水管75には、流路を遮断可能な遮断弁72が配設されている。また、冷却水ポンプ73の起動により正圧となる部分の冷却水管74、75には、冷却水管74、75内の水を排出する排水管79が接続されている。本実施の形態では、熱交換器70より上流側の冷却水管74に排水管79が接続されている。排水管79には、冷却水cの排出を遮断する排水弁79vが配設されている。
熱交換器70は、冷却水cと蓄熱水hとの間で熱交換を行う機器であり、典型的にはプレート型熱交換器が用いられる。熱交換器70は、燃料電池30から受熱して温度が上昇した冷却水cと冷却水cよりも温度が低い蓄熱水hとがカウンターフローにより熱交換し、燃料電池30の排熱を冷却水cから蓄熱水hに伝達するように構成されている。熱交換器70は、燃料電池30から受熱して温度が上昇した冷却水cを導入する冷却水導入口と蓄熱水hとの熱交換により温度が下がった冷却水cを導出する冷却水導出口と、温度が低い蓄熱水hを導入する蓄熱水導入口と冷却水cとの熱交換により温度が上昇した蓄熱水hを導出する蓄熱水導出口とを有している。熱交換器70の冷却水導入口には冷却水管74が、冷却水導出口には冷却水管75が、それぞれ接続されている。
熱交換器70の蓄熱水導出口には蓄熱水管84が、蓄熱水導入口には蓄熱水管85が、それぞれ接続されている。蓄熱水管84は、熱交換器70から導出された蓄熱水hが貯湯槽80の上部に流入するように貯湯槽80の上部に接続されており、好適には頂部に接続される。蓄熱水管85は、熱交換器70に導入される蓄熱水hが貯湯槽80の下部から採水されるように貯湯槽80の下部に接続されており、好適には底部に接続される。蓄熱水管84、85は熱交換器70及び貯湯槽80と接続されて循環流路を形成している。蓄熱水管85には内部を流れる蓄熱水hを循環する蓄熱水ポンプ83が配置されている。蓄熱水ポンプ83は、典型的にはインバータにより回転数(rpm)を調整し、熱交換器70での交換熱量に応じて蓄熱水hの流量を調整することができるように構成されている。蓄熱水ポンプ83のインバータと制御装置36とは信号ケーブルで接続されている。
貯湯槽80は、頂部に温度が高い蓄熱水hを導入する蓄熱水導入口が、底部に温度が低い蓄熱水hを導出する蓄熱水導出口が形成されている。上述のように、貯湯槽80の蓄熱水導入口には蓄熱水管84が、蓄熱水導出口には蓄熱水管85が接続されている。熱交換器70で燃料電池30の排熱を受熱した蓄熱水hは蓄熱水管84を通って貯湯槽80に流入し、貯湯槽80に燃料電池30の排熱が蓄熱されるように構成されている。流入して貯湯槽80に貯留された蓄熱水hは、上部の温度が高く下部の温度が低い温度成層が形成されている。さらに貯湯槽80の上部には、温水w1を導出する熱負荷温水導出口が設けられており、この熱負荷温水導出口から給湯や暖房等の熱需要で利用されるために温水w1が導出される。また、貯湯槽80の下部には熱需要で利用されて減少した水量を補う補給水導入口が設けられている。補給水導入口からは補給水w2が導入される。
制御装置36は、燃料電池システム10の運転を制御する。制御装置36は、燃料ブロワ28及び空気ブロワ29に信号を送信して発停を制御すると共に、燃料ブロワ28及び空気ブロワ29から吐出される流体の流量を制御する。また、制御装置36は、冷却水ポンプ73及び蓄熱水ポンプ83に信号を送信して発停を制御すると共に、冷却水ポンプ73及び蓄熱水ポンプ83から吐出される流体の流量を制御する。なお、各ブロワ28、29及び各ポンプ73、83に信号を送信することには、これらに送電する動力盤(不図示)に信号を送信することも含む。また、制御装置36は、パワーコンディショナ34に信号を送信して燃料電池30における発電電流を設定する。また、制御装置36は、各弁61〜67(64A、64B、64C、64Dを含む)、71、72とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、開閉信号を送信して弁の開閉動作をさせることができるように構成されている。また、制御装置36は、開閉器43に信号を送信して電気ヒータ13への通電の有無を制御する。また、制御装置36は、改質部25の温度を検出する温度検出器(不図示)と信号ケーブルで接続されており、温度信号を受信することができるように構成されている。なお、排水弁79vは、典型的には手動で開閉されるが、制御装置36と信号ケーブルで接続され、開閉信号を受信して弁の開閉動作がされるように構成されていてもよい。
引き続き図1を参照して、燃料電池システム10の作用を説明する。停止している燃料電池システム10の運転を開始するには、燃料ブロワ28を起動して燃焼部23に燃焼用燃料m2を供給すると共に空気ブロワ29を起動して燃焼部23に燃焼用空気aを供給する。このとき、燃焼燃料弁66は開、その他の弁61〜65、67は閉となっている。燃焼部23で燃焼用燃料m2が燃焼して改質熱が発生し、改質部25が昇温したら、原料弁65を開にして原料m1を改質部25に導入する。改質部25の温度は温度検出器(不図示)で検出する。改質部25には改質用水(不図示)も導入され、燃焼部23から改質熱を得て原料m1が水蒸気改質反応を起こし、改質ガスgが生成される。なお、運転開始当初の改質ガスgの組成が安定していないときは、改質ガス弁61及びアノードオフガス弁62を閉にし、バイパス弁63を開にして、組成が安定していない改質ガスgを燃料電池30に供給せずに燃焼部23に導いて燃焼させてもよい。
改質器20で生成される改質ガスgの組成が安定し、改質ガスg中の一酸化炭素濃度が所定の値まで低減するようになると、制御装置36が改質ガス弁61及びアノードオフガス弁62を開に、バイパス弁63を閉にして、改質ガスgが燃料電池30に導入されるようにする。これにより、燃料電池30のアノード31に改質ガスgが導入される。他方、制御装置36は、遮断弁64A及び遮断弁67を開にする。これによって燃料電池30のカソード32に加湿器38で加湿された酸化剤ガスtが導入される。燃料電池30ではアノード31に導入された改質ガスg中の水素と、カソード32に導入された酸化剤ガスt中の酸素とによる電気化学的反応が行われる。電気化学的反応は、アノード31側では以下の(1)式に示す反応が行われ、カソード32側では以下の(2)式に示す反応が行われる。
2H → 4H + 4e ・・・(1)
+ 4H + 4e → 2HO ・・・(2)
この電気化学的反応によって発電し、発熱すると共に水分が生成される。さらに説明を加えると、アノード31側の電子が外部電気回路を通ってカソード32側に移動する際に電力を得ることができる。アノード31側の水素イオンは固体高分子膜を通過してカソード32側に移動し、酸素と結合して水分が発生する。この電気化学的反応は発熱反応である。燃料電池30は、作動中は温度が高温(例えば80℃)になっているため、カソード32で生成された水分の多くは水蒸気としてカソードオフガスqに含まれる。
燃料電池30によって得られる電力は直流電力であるため、パワーコンディショナ34で交流電力に変換されて電力負荷98に、及び各ブロワ28、29、各ポンプ73、83、各弁61〜67、71、72に送電される。燃料電池30で発電される電力は、電力負荷98及び各ブロワ28、29、各ポンプ73、83、各弁61〜67、71、72の消費電力の合計に対して所定の値(例えば合計消費電力の90%)となるように、パワーコンディショナ34で設定される。この設定値に対して適切な供給量となるように、制御装置36により燃料電池30に供給される改質ガスg及び酸化剤ガスtの量が調節される。不足分の電力は、商用電源99から交流電力の供給を受ける。
燃料電池30の作動中、アノード31からはアノードオフガスpが排出される。排出されたアノードオフガスpは、アノードオフガス管52を介して改質器20の燃焼部23に導かれて燃焼される。燃焼部23におけるアノードオフガスpの燃焼により、改質部25における改質に用いる改質熱を発生させることができる。燃焼部23へ導入されるアノードオフガスpの燃焼だけでは発生する改質熱が不足する場合は、燃焼燃料弁66の開度を調節して燃焼用燃料m2を燃焼部23に導入する。燃焼部23における燃焼によって生じた排ガスeは、排ガス管59を介して系外に排出される。他方、カソード32からはカソードオフガスqが排出され、カソードオフガス管54Qを介して系外に排出される。
上述のように、燃料電池30における電気化学的反応は発熱反応であるため、燃料電池30の運転を継続するために発生した熱を冷却水cで除去する。燃料電池30に改質ガスg及び酸化剤ガスtが導入されて発電が行われるようになると、制御装置36は、遮断弁71、72を開にする(閉になっていた場合)と共に冷却水ポンプ73及び蓄熱水ポンプ83を起動して冷却水c及び蓄熱水hを循環させる。冷却部33に導入された冷却水cは、燃料電池30における電気化学的反応で発生した熱によって温度が上昇する。燃料電池30は冷却水cによって発熱が除去されて、運転に適した温度に維持される。冷却部33から導出された冷却水cは熱交換器70に向かって流れ、熱交換器70に導入される。なお、電気ヒータ13が作動しているときは、冷却部33から導出されたときの温度からさらに温度が上昇して熱交換器70に導入される。熱交換器70に導入された冷却水cは、蓄熱水hと熱交換して温度が低下し、再び冷却部33に導入され、以降は上述のサイクルを続ける。
他方、熱交換器70に導入された蓄熱水hは、冷却水cと熱交換して温度が上昇する。温度が上昇した蓄熱水hは熱交換器70から導出されて貯湯槽80に向かって流れ、典型的には上部から貯湯槽80に流入する。貯湯槽80に流入した蓄熱水hは、給湯や暖房等の熱需要(不図示)で使用することができる程度の温度になっている。貯湯槽80内は、蓄熱水hの密度差により、上部に温度が高い水が、下部に温度が低い水が貯留されて温度成層が形成される。貯湯槽80内に貯留された蓄熱水hは、上部の温度の高い水が温水w1として熱需要(不図示)に供給され、温水w1の熱が消費される。このように燃料電池30で発生した熱を有効利用することにより、燃料電池システム10の効率が向上することとなる。熱需要(不図示)に供給された温水w1は、熱が利用されて温度が低下した後に貯湯槽80の下部に戻される。あるいは、温水w1の熱だけでなく温水w1自体が消費される場合は、減少した分の水を補給水w2として外部(例えば市水等)から貯湯槽80の下部に導入する。これにより、貯湯槽80の下部に温度が低い水が貯留される。貯湯槽80下部の温度が低い蓄熱水hは、蓄熱水管85を流れて熱交換器70に導入される。熱交換器70に導入された蓄熱水hは、冷却水cと熱交換して温度が上昇し、熱交換器70から導出される。
運転している燃料電池システム10を停止するには、遮断弁64Aを閉じてカソード32への酸化剤ガスtの供給を停止すると共に、カソードオフガス管54Qの遮断弁67を閉じてカソード32を密封する。また、各ブロワ28、29、各ポンプ73、83を停止し、既に閉になっている遮断弁64A、64C及び遮断弁67以外の各弁61〜66のうち開になっている弁を閉にする。なお、遮断弁71、72は開のままとなっている。
燃料電池システム10が停止しているときの燃料電池30の温度は、停止直後は運転時の温度に近いが、時間の経過と共に周囲環境温度に近づくように下がっていく。燃料電池30の温度が低下すると、カソード32に封入されているカソードオフガスqに含まれる水蒸気が凝縮し、液体の水となってカソード32内に溜まる。カソード32内に残留している水分が凍結すると、燃料電池30の固体高分子膜(電解質膜)の破壊に至る可能性が高くなる。このような不都合を回避すべく、凍結防止ヒータ(不図示)を作動させてカソード32内の残留水を凍結させないようにするのが好ましい。つまり、燃料電池システム10の停止時も常に商用電源99から電力の供給を受けられる場合は、エネルギー消費量が大きい水抜きをするよりも、凍結防止ヒータ(不図示)を作動させる方がよい。しかし、外出等で長期にわたって燃料電池システム10を作動させる予定がない場合は、その間に停電が生じて商用電源99からの電力供給が受けられなくなる可能性をも考慮すると、水抜きをするのが好ましい。このとき、カソード32の残留水を、常温・常湿の空気の圧力で除去しようとすると所要時間が長くなってエネルギー消費量が多くなってしまう。さらに、除水に使用した空気の温度及び/又は湿度が異なるとカソード32内の乾燥状態が異なって電解質膜に損傷を与える可能性があるため、これらの不都合を回避すべく、以下に説明するような除水処理をするとよい。また、冷却部33の凍結防止のために冷却水cも抜くとよい。
図2は、燃料電池システム10が停止している状態から除水を行う手順を説明するフローチャートである。まず、電気ヒータ13に通電するように開閉器43を切り替えると共に冷却水ポンプ73を起動する(S1)。このとき、蓄熱水ポンプ83は起動していない。典型的には、冷却水管74、75を循環する冷却水cが60℃以上になるように電気ヒータ13の出力が調節される。冷却部33を流れる冷却水cが昇温すると、カソード32の温度も上昇する。カソード32の温度が上昇すると、カソード32内に封入されているガスの飽和水蒸気量が増加するため、カソード32に残留している液体の水の少なくとも一部は蒸発する。ゆえに、このカソード32の温度を上昇させる工程は水蒸気化工程といえる。
次に、遮断弁64B及び遮断弁67を開にすると共に空気ブロワ29を起動する(S2)。遮断弁64Bを開にするので、カソード除水空気r1は、加湿器38を通らずにバイパス空気管54Bを流れてカソード32に導入される。したがって、カソード32に導入されるカソード除水空気r1の絶対湿度は大きくなることはない。カソード除水空気r1をカソード32に導入するタイミングは、冷却水cの温度が所定の温度(例えば60℃)以上に上昇してからとするとよい。所定の温度の冷却水cが冷却部33に導入されると、カソード32及びアノード32も実質的に所定の温度(伝熱ロス分低いほぼ所定の温度)となる。このように、所定の温度はカソード32の除水に適した温度である。カソード32が所定の温度に上昇したことは、電気ヒータ13に通電を開始してからカソード32が所定の温度に至るまでの時間を予め計測しておき、この予め計測した時間が経過したか否かを把握することにより判断することができる。カソード32が昇温すると、昇温前よりも相対湿度が低下するため、カソード32に封入されていたカソードオフガスqが含むことができる水分の量が増加する。そして、カソード32が所定の温度以上となってカソード32にカソード除水空気r1が導入されると、カソード32に封入されていたカソードオフガスqが押し出されるようにカソード32から排出される。このとき、カソード32の残留水から蒸発してカソードオフガスqに含まれていた水分もカソード32から除去される。このように、残留水を気体にして排出することで、液体の水のままカソード除水空気r1の動圧で排出するのに要するエネルギーよりも大幅に少ないエネルギーで排出することができる。
なお、カソード32の温度によっては残留水のすべてが蒸発せずに液体の水のままカソード32に残留することとなる。しかし、カソード除水空気r1をカソード32に導入し続けると、カソード除水空気r1はカソード32で暖められ温度が上昇して飽和水蒸気量が増加する(相対湿度が低下する)ため、残留水の蒸発を促し、残留水を水蒸気にしてカソード32から排出することができる。また、凍結防止対策を施す場面では、カソード除水空気r1の温度は低いことが多く、氷点下の場合もある。しかし、所定の温度以上のカソード32に導入させることでカソード除水空気r1の温度が上昇するため燃料電池30の凍結を防ぐことができる。他方、温度が低い空気(カソード除水空気r1)は絶対湿度が低いため、温度を上昇させたとき新たに水蒸気として含ませることができる水分量が多くなり、供給するカソード除水空気r1の圧力(動圧)でカソード32の残留水を除去しようとする際に使用するエネルギーよりも少ないエネルギーで、より多くの水分をカソード32から排出することができる。カソード除水空気r1は外気であってもよい。
空気ブロワ29を起動したら、カソード32の除水が完了したか否かを判断する(S3)。カソード32の除水が完了したか否かは、典型的には試運転の結果や過去の除水運転の経験に基づいて判断される。カソード32の除水が完了していない場合は再びカソード32の除水が完了したか否かを判断する工程(S3)に戻る。他方、カソード32の除水が完了している場合は、電気ヒータ13への通電を遮断するように開閉器43を切り替えると共に冷却水ポンプ73を停止する(S4)。その後、空気ブロワ29を停止すると共に遮断弁64B及び遮断弁67を閉にする(S5)。以上でカソード32の除水運転が終了する。本実施の形態では、引き続き冷却部33の除水も行う。
まず、排水弁79vを開にして、冷却水管74、75系統の冷却水cを排水する(S6)。排水弁79vを開にすると、冷却水cは重力の作用により冷却水管74、75から排出される。冷却水管74、75に冷却水cが残留する場合は、冷却水ポンプ73を起動して排水させてもよい。冷却水cを排水したら、遮断弁64Cを開に、遮断弁72を閉にすると共に空気ブロワ29を起動する(S7)。すると、空気が冷却部除水空気r2として冷却水管75、冷却部33及び冷却水管74に供給され、排水管79から排気される。このとき、冷却部33に残留していた冷却水cが蒸発して排出される。このときの冷却部33に残留していた冷却水cは、カソード32の除水運転で所定の温度に昇温されていたため蒸発しやすい状態になっており、冷却水cが昇温されていない場合よりも少ないエネルギーで水分を冷却部33から排出することができる。
空気ブロワ29を起動したら、冷却部33の除水が完了したか否かを判断する(S8)。冷却部33の除水が完了したか否かは、典型的には試運転の結果や過去の除水運転の経験に基づいて判断される。冷却部33の除水が完了していない場合は再び冷却部33の除水が完了したか否かを判断する工程(S8)に戻る。他方、冷却部33の除水が完了している場合は、空気ブロワ29を停止すると共に遮断弁64C及び排水弁79vを閉にする(S9)。以上で冷却部33の除水運転が終了する。
なお、図2のフローチャートにおいて、冷却部33の除水完了後、続けてイオン交換樹脂塔77の除水を行うこととしてもよい。イオン交換樹脂塔77の除水を行う場合は、図2のフローチャートにおいて、冷却部33の除水が完了したか否かを判断する工程(S8)で除水が完了している場合に、工程S9に進む前に、遮断弁72を開にすると共に遮断弁71を閉にする。すると、冷却部除水空気r2が、冷却水管75、イオン交換樹脂塔77及び冷却水管74に供給され、排水管79から排気される。このとき、イオン交換樹脂塔77に残留していた冷却水cも、冷却部33の除水の場合と同様、カソード32の除水運転で所定の温度に昇温されていたため蒸発しやすい状態になっており、冷却水cが昇温されていない場合よりも少ないエネルギーで水分をイオン交換樹脂塔77から排出することができる。そして、イオン交換樹脂塔77の除水が完了した後に工程S9に進むことになる。
以上で説明したカソード32の除水運転及び冷却部33(場合によりイオン交換樹脂塔77も)の除水運転における、電気ヒータ13への作動、空気ブロワ29及び冷却水ポンプ73の発停、各弁64B、64C、67、71、72、79vの作動は、制御装置36からの指令により行われることとしてもよく、全部又は一部の作動を手動で行うこととしてもよい。特に、遮断弁71、72、排水弁79vの操作、カソード32の除水運転の開始及び冷却部33の除水運転の開始の指令は、手動で行うとよい。このとき、手動で操作する弁は、アクチュエータを有しない手動弁(例えば、手動で開閉操作するハンドルがついたゲートバルブやグローブバルブ等)を用いてもよい。特に、遮断弁71、72をアクチュエータを有しない手動弁とすると、イオン交換樹脂塔77のメンテナンスを行う場合に、基板操作をせずに弁を閉にすることができ、これにより冷却水cを抜かずにメンテナンスを行うことが可能となるため好ましい。
以上の説明では、カソード32の除水運転に引き続き冷却部33(場合によりイオン交換樹脂塔77も)の除水運転も行うこととしたが、カソード32の除水運転が終了した時点で除水運転を終了させることとしてもよい(この場合図2における工程S6〜S9は省略される。)。
以上の説明では、燃料電池30が固体高分子形燃料電池であるとして説明したが、りん酸形燃料電池等の固体高分子形燃料電池以外の燃料電池であってもよい。しかしながら、固体高分子形燃料電池とすると、比較的低温で運転することができ、装置を小型化できるので、一般家庭等に設置するのに適している。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの系統図である。 カソード及び冷却部の除水を行う手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム
13 電気ヒータ
29 空気ブロワ
30 燃料電池
31 アノード
32 カソード
33 冷却部
36 制御装置
38 加湿器
54A 酸化剤ガス管
54B バイパス空気管
73 冷却水ポンプ
74、75 冷却水管
99 商用電源
c 冷却水
g 改質ガス
t 酸化剤ガス
r1 カソード除水空気
r2 冷却部除水空気

Claims (7)

  1. 水素含有ガスを導入するアノードと酸素含有ガスを導入するカソードとを有し、前記水素含有ガス中の水素と前記酸素含有ガス中の酸素との電気化学的反応により発電し発熱して水が生成される燃料電池と;
    前記燃料電池の発電が行われているときに前記燃料電池で発生した熱を奪う冷却水を流す冷却水ラインと;
    前記冷却水ライン内の前記冷却水を前記燃料電池に供給する冷却水ポンプと;
    前記冷却水ラインに配設され、前記冷却水ラインを流れる前記冷却水を昇温する昇温器と;
    前記カソードに空気を供給する第1の送風機と;
    前記燃料電池の発電が行われていない状況で、前記冷却水を熱媒体として前記燃料電池を昇温しつつ前記カソードに空気を供給する除水運転をするように、前記昇温器、前記冷却水ポンプ及び前記第1の送風機を稼働させる制御装置とを備える;
    燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の発電が行われているときに前記第1の送風機から供給された空気を前記酸素含有ガスとして前記カソードに導く酸素含有ガスラインであって、前記酸素含有ガスを加湿する加湿器を有する酸素含有ガスラインと;
    前記除水運転をするときに前記第1の送風機から供給された空気を前記加湿器を経由せずに前記カソードへと導くバイパスラインとを備える;
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記昇温器が、前記燃料電池及び商用電源に電気的に接続された電気ヒータであって、前記燃料電池で発電した電力が前記商用電源に逆潮流することを防ぐために前記燃料電池で発電した余剰電力を消費する逆潮流防止電気ヒータを兼ねる;
    請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記冷却水ライン内に空気を供給する第2の送風機を備え;
    前記制御装置が、前記燃料電池が所定の温度に昇温した後に前記冷却水ライン内に空気を供給するように、前記第2の送風機を制御する;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 水素と酸素との電気化学的反応により発電し発熱して水が生成される燃料電池であって酸素含有ガスを導入するカソードを有する燃料電池の発電が行われていないときに、前記燃料電池を昇温して前記カソード内の水分を気化させる水蒸気化工程と;
    前記カソードに空気を供給して前記水蒸気化工程で気化させた水分を前記燃料電池から排出する水蒸気排出工程とを備える;
    燃料電池の除水方法。
  6. 前記燃料電池が前記発熱を除去する冷却水を導入する冷却部を有し;
    前記水蒸気化工程が、加熱した前記冷却水を前記冷却部に供給することにより前記燃料電池を昇温するように構成され;
    前記水蒸気化工程の後に、前記冷却水を前記冷却部から排出する冷却水排出工程を備える;
    請求項5に記載の燃料電池の除水方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の燃料電池の除水方法を実行する制御装置を備える;
    燃料電池システム。
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