JP2009210839A - 負帯電性トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の課題は有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いるトナーにおいて、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れたトナーを提供することである。
【解決手段】
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と少なくとも3種の外添剤とからなる、有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーであって、該外添剤は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理された無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシランにより表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)であり、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部である負帯電性トナーである。
【選択図】 なし
本発明の課題は有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いるトナーにおいて、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れたトナーを提供することである。
【解決手段】
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と少なくとも3種の外添剤とからなる、有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーであって、該外添剤は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理された無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシランにより表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)であり、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部である負帯電性トナーである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機光半導体を用いた感光体(以下OPCとする)を用いた、電子写真法、静電記録法、静電印刷法を利用する電子写真複写機、レーザービームプリンタ、静電記録法を利用する静電記録装置における静電潜像の現像のために使用されるトナーに関する。詳しくは、コピー品質に優れ、且つ長寿命で、保存安定性のある負帯電性トナーに関する。
電子写真法、静電記録法、静電印刷法を利用する電子写真複写機、レーザービームプリンタ、静電記録法を利用する静電記録装置に搭載される感光体(静電荷像担持体)としてはヒ素−セレン、セレン−テルル等のセレン系感光体、OPC、アモルファスシリコン感光体の3種類に大別することができる。セレン系感光体は昨今その有毒性、耐久性の弱さから衰退し大幅にシェアは低下しており、現在はOPC、アモルファスシリコン感光体が主流となっている
OPCとアモルファスシリコン感光体を比較した場合、アモルファスシリコン感光体は、耐久性が非常に優れたものであり、100万枚以上の枚数の使用においても感光体としての性能の劣化することなく寿命はなきに等しいものであるが、製造コストが高く、取り扱いが難しいなどの難点もある。一方、OPCは寿命が10万枚程度の耐刷レベルであり、定期的なメンテナンス、交換が必要であるが、廉価であるため市場におけるシェアが非常に大きい。
そのためOPCをより長寿命とするために、トナー成分がOPCに付着せず、且つ、研磨などによる傷をつけないことが重要となっており、OPCに用いるトナーにおいては、好ましいトナー材料、特に外添剤を選定、設計する必要がある。
外添剤としては通常、流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤等を使用することは周知の通りであり、これらの材料を使うことによりトナーとしての特性を満足するよう調製して用いている。
流動化剤としては疎水化処理されたシリカがよく用いられるものの一つに挙げられる。
基材シリカを疎水化処理する際に、疎水化処理剤の選択によりシリカの帯電性を調節することできる。例えば、負帯電性であるシリカ微粒子に対し、アミノ基を含有するシランカップリング剤で疎水化処理することで、被処理シリカを正帯電性とすることが知られている。(特許文献1参照)
一方、トナーや遊離した外添剤粒子は感光体表面に付着し、画像汚染となる可能性がある。そのため、研磨剤が外添剤として用いられることが多い。研磨剤は感光体表面やクリーニングブレードを磨耗させるため、その硬度は重要となってくる。感光体表面硬度よりも硬度が低い研磨剤を用いると、十分な研磨効果が連続して得られない可能性があり、硬度の高い研磨剤を用いると、感光体を傷つける可能性が生じる。故にOPCを用いた静電記録装置に使用されるトナーにおいては、研磨剤の選定が重要である。
OPCを用いた静電記録装置に使用されるトナーとしては、例えば、有機処理された無機微粉体と液体潤滑剤とを外添混合して、トナー同士の静電的凝集力とOPCへの静電的付着力を低く押え、さらに液体潤滑剤によりOPC及びクリーニングブレード表面を被覆することにより、トナーのOPCへの融着やクリーニング不良、転写中抜けを防止することが提案されている。(特許文献2参照)
また、研磨剤として、磁性粉を用い、FeOの含有量、比表面積および形状を規定することにより、OPC上への付着を防止し、転写紙の画像上にスポット状や帯状のコピー汚れの発生という問題を改善し、消費量の低減を実現することが提案されている。(特許文献3参照)
他にも、トナー粒子にフッ素含有酸化セリウム微粒子を含有させ、OPCおよびクリーニングブレードを摩耗させずに、OPC上のトナーフィルミングを制御することができ、長期間にわたって濃度低下のない高品質の画像を形成することも提案されている。(特許文献4参照)
出願人もこれまでの検討の中で、研磨剤として球状のγ型酸化鉄を用いたもの(特許文献5参照)、チタン酸塩微粒子を用いたもの(特許文献6参照)を見出した。しかし、これらの外添剤、特に流動化剤、研磨剤、滑剤を用いても、長期にわたりOPC上のトナーの付着による汚染とOPCの研磨による劣化の問題を両立して解決し、かつ良好な画像を得ることは困難であった。
本発明の課題はOPCを用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れたトナーを提供することである。
本発明者は、OPCを用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れたトナーを提供するべく鋭意検討を行った結果、外添剤として少なくとも3種の無機微粒子を用いて負帯電性トナーを得ることにより、前記問題点が解決されることを見出して本発明を成したものである。
すなわち本発明とは、以下の(1)〜(6)の発明に関するものである。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と少なくとも3種の外添剤とからなり、有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーであって、該外添剤は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理され、トナーに流動性を付与する無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシラン化合物により表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、研磨機能を有し、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)であり、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部であることを特徴とする負帯電性トナーである。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と少なくとも3種の外添剤とからなり、有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーであって、該外添剤は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理され、トナーに流動性を付与する無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシラン化合物により表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、研磨機能を有し、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)であり、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部であることを特徴とする負帯電性トナーである。
(2)無機微粒子(A)中に窒素(N)を含有し、該無機微粒子(A)中の窒素量(N量)が1000〜2000ppmであることを特徴とする(1)記載の負帯電性トナーである。
(3)無機微粒子(C)が、レーザー回折/散乱式粒度分布計測法による大きい方からの累積50%の平均粒子径D50が1.0〜3.0μmである(1)または(2)に記載の負帯電性トナーである。
(4)無機微粒子(C)がチタン酸カルシウムであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の負帯電性トナーである。
(5)無機微粒子(B)が炭酸カルシウムであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の負帯電性トナーである。
(6)無機微粒子(B)の形状が長径(L)と短径(S)の比、L/Sが2以上であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の負帯電性トナーである。
(7)少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、無機微粒子(A)と、無機微粒子(B)と、
無機微粒子(C)とを混合する(1)〜(6)いずれか記載の負帯電性トナーの製造方法であって、
前記無機微粒子(C)が、湿式粉砕されることを特徴とする負帯電性トナーの製造方法。
無機微粒子(C)とを混合する(1)〜(6)いずれか記載の負帯電性トナーの製造方法であって、
前記無機微粒子(C)が、湿式粉砕されることを特徴とする負帯電性トナーの製造方法。
(8)少なくとも有機光半導体を用いた感光体と負帯電性トナーとを用いて、反転現像方式により画像を形成する方法において、負帯電性トナーが(1)〜(6)いずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
外添剤として少なくとも特定の無機微粒子(A)、特定の無機微粒子(B)及び特定の無機微粒子(C)を用いて負帯電性トナーを得ることにより、研磨機能と研磨抑制機能が調和し、且つトナーが保持する帯電量の調整が行われ、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れた負帯電性トナーを得ることができた。
本発明のOPCを使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーにおいては、外添剤として、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理され、トナーに流動性を付与する無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシラン化合物により表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、研磨機能を有し、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)を用い、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部とすることによって、OPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ少ないトナー消費量で画像品質に優れたトナーを得ることができる。
無機微粒子(A)は、トナーに流動性を付与するものであるが、同時にトナーへの負帯電性を付与することが重要である。このため、負帯電性トナーを用いた画像形成において、高温高湿度環境下でも画像品質の優れたトナーを得るために、疎水性に優れ、且つ負帯電性を有するヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理されていることが好ましい。
無機微粒子(B)はシリカヒドロゾル及びアミノシラン化合物により表面処理された金属塩化合物であるが、トナーのOPCへの付着を弱める役割を有し、研磨を抑制するものである。また、表面をアミノシラン化合物にて処理し、正帯電性に寄与するアミノ基を含有させることで、帯電性の調整を行い、過度な帯電量の上昇(チャージアップ)を防止する効果を有するものである。更に、無機微粒子(B)のモース硬度は5以下が好ましい。これは、従来のOPC表面のモース硬度よりも低く、研磨剤として機能させないためである。
無機微粒子(C)は研磨剤として機能するものであるが、従来の研磨剤と比してモース硬度が低く、研磨能力を抑えた材料である。モース硬度10以下の材料を用いて、且つトナー母粒子に対する含有量を1.5〜3.0重量部とする事で、OPCの過度な研磨を抑制したものである。さらに無機微粒子(B)と無機微粒子(C)とを併用して用いることにより、研磨機能と研磨抑制保護機能が働き、OPCの長寿命化を図るうえで、大きな効果を得られるものである。
トナー母粒子上の無機微粒子(B)と無機微粒子(C)は、OPC上で現像される際には共存しながら、両者の研磨機能、研磨抑制保護機能を有しながら現像されている。これにより無機微粒子(C)の研磨機能が適度にはたらき、OPCにトナー成分が付着してしまうこともなく、研磨機能の過度なはたらきによってOPCを傷つけることもなく、バランスが取れた状態で安定した現像を行うことができる。更に、無機微粒子(C)の含有量を1.5〜3.0重量部とすることにより、OPCの長寿命化を行うことができることを見いだした。
更に、本発明では、無機微粒子(A)、無機微粒子(B)と無機微粒子(C)を併用することによりトナー母粒子間における導電性を調整し、トナーが保持する帯電量の調整を行うことができ、少ないトナー消費量でも十分な画像濃度が得られることが確認された。これによりOPC上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命であり、且つ消費量が少なく、画像品質に優れたトナーを得ることができるものである。
以下無機微粒子(A)、無機微粒子(B)、及び無機微粒子(C)をはじめ、本発明の負帯電性トナーに用いることのできる材料及び製造の条件等について詳述する。
本発明の負帯電性トナーに用いられる無機微粒子(A)は、流動化剤として機能するものであるが、トナーに流動性を付与する目的のみならず、トナーへの負帯電性付与及び制御の役割をも担っている。
本発明に用いられる無機微粒子(A)は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理されていることが必要である。また、無機微粒子(A)中に窒素(N)を1000〜2000ppm含有していることが好ましい。ここで窒素(N)は窒素原子を示すものである。
無機微粒子(A)に含有される窒素量(N量)は負帯電性の緩和に寄与し、ヘキサメチルジシラザン処理により負帯電となる無機微粒子(A)において、適度に帯電レベルを調整している。これにより、帯電量の過度な上昇(チャージアップ)を引き起こさず、機内飛散や画像濃度の低下が発生せず、濃度ムラの少ない画像品質に優れた負帯電性トナーを得ることができる。窒素(N)の含有量が2000ppmよりも過剰になると帯電量の低下につながり、機内飛散、かぶりの増加等の問題が生じる。また、1000ppmよりも少ないと帯電量の過度な上昇(チャージアップ)を引き起こし、機内飛散や画像濃度の低下等の問題が生じる。より好ましくは1400〜1950ppmである。
また、正帯電性に寄与するアミノ基を含有させることにより、上記窒素(N)の含有量を調整しながら、過度な帯電を防止し、帯電性の調整を行うことも好ましい。アミノ基は正帯電性に寄与するため、上記窒素(N)の含有量が最適な値である。
本発明に用いられる無機微粒子(A)の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用いることができるが、負帯電安定性及び安価な点より、シリカが好ましい。シリカは、比表面積が50〜500m2/gが好ましく、特に好ましくは、200〜400m2/gである。ヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理後の無機微粒子(A)は、通常150〜300m2/gの範囲であることが好ましい。
無機微粒子(A)の製造方法としては、ヘキサメチルジシラザン及びアミノシランの両方で表面処理する方法がある。
ヘキサメチルジシラザンは、液体、気体の別なく使用可能であり、アミノシランとしては、取り扱いも容易で市販されているシランカップリング剤が好適である。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ポリエチレンイミン含有シラン等である。
反応の形式は特に制限されないが、例えば、基材を入れた反応容器に、アミノシランをエタノール等のアルコール溶媒で希釈し、溶液を滴下もしくは噴霧しながら加え、得られたパウダードリキッドをバットに移し窒素ガス雰囲気下で十分に加熱乾燥し溶媒を除去した後、ヘキサメチルジシラザンをヘキサンで希釈した溶液を前記同様の方法で加え、加熱乾燥させて無機微粒子(A)を得ることができる。
基材を処理するアミノシランの量は、基材100重量部に対して1重量部以下が好ましい。1重量部を超えてしまうと、正帯電性が強くなり、トナー母粒子に対する負帯電性が低下してしまい。所望の帯電量が得られない。より好ましくは、0.35〜0.70重量部の範囲であり、窒素量(N量)を1000〜2000ppmとする事が好ましい。
ヘキサメチルジシラザンの使用量は特に限定されないが、基材100重量部に対して5〜20重量部が好ましい。5重量部以下では処理の効果が明瞭でなく、20重量部を超えても効果が飽和するからである。反応の形式は特に制限されず、例えば、バッチ式、連続式のいずれでもよく、また、反応装置も流動床式、固定床式あるいは単なる混合器であってもよい。反応後は窒素ガスを吹き込むことにより副生物や未反応物を除去することができる。
ヘキサメチルジシラザンの使用量は特に限定されないが、基材100重量部に対して5〜20重量部が好ましい。5重量部以下では処理の効果が明瞭でなく、20重量部を超えても効果が飽和するからである。反応の形式は特に制限されず、例えば、バッチ式、連続式のいずれでもよく、また、反応装置も流動床式、固定床式あるいは単なる混合器であってもよい。反応後は窒素ガスを吹き込むことにより副生物や未反応物を除去することができる。
得られた無機微粒子(A)のN量は、市販の窒素分析装置(例えばダイアインスツルメンツ社製TN−100型)を用いて、減圧化学発光法により測定することができる。
本発明の負帯電性トナーに用いられる無機微粒子(B)は、シリカヒドロゾル及びアミノシランにより表面処理された金属塩化合物であることが必要である。無機微粒子(B)は、OPCの過剰な研磨を抑制する目的で使用され、特にOPC上で研磨剤により研磨された部分にトナー成分が付着、融着しないように無機微粒子(B)によりOPC表面を保護する効果を有し、トナーとOPCとの付着を弱める効果を有するものである。さらには、トナーの抵抗を調整し、過剰な帯電(チャージアップ)を抑制し、画像ムラや消費量の低減を図るものである。
無機微粒子(B)の基材となる金属塩化合物としては、モース硬度が5以下の特性を有していることが好ましい。モース硬度が5を超えてしまうと、研磨剤として働き、研磨性を抑制することができずOPCに傷をつけてしまう危険性がある。
具体的に用いることのできる金属塩化合物としては、アルカリ土類金属の金属塩化合物、すなわち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、ベリリウム、マグネシウムの炭酸化物、硫酸化物が好ましく、中でも炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等があげられる、特に炭酸カルシウム、硫酸バリウムの2つが好ましいものである。
炭酸カルシウムとしては、天然炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウムの2種に大別されるが、形状をコントロールすることを考慮すれば合成炭酸カルシウムを用いることが好ましく、その中でも軽微性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
また硫酸バリウムは比重が重く、物理的にも化学的にも非常に安定である点で好ましい材料であるが、天然の重晶石と呼ばれるバライト鉱物の粉砕品(バライト粉)と、化学反応で製造した沈降性硫酸バリウムとがあるが、合成時の条件により粒子の大きさを制御することができ、極めて微細な硫酸バリウムを製造することができる点で沈降性硫酸バリウムを用いることが好ましい。
シリカヒドロゾルはシリコンアルコキシドの加水分解、あるいはケイ酸塩と無機酸との反応により得られる。ケイ酸塩と無機酸との反応の場合は、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウム等があり、無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等があげられ、一般的にはケイ酸ナトリウム、硫酸を用いることが多い。この場合、ケイ酸ナトリウムと硫酸を反応させ、水洗することにより硫酸ナトリウムを除去することによりシリカヒドロゾルを得ることができる。金属塩化合物の表面処理を考慮するとシリカヒドロゾルのSiO2(シリカ)濃度は5〜20重量%の範囲であることが好ましい。5重量%以下では処理効率が悪くなり、20重量%を超えると基材である金属塩化合物が凝集してしまう。
シリカヒドロゾルによる処理方法としては、基材である金属塩化合物にシリカヒドロゾルを噴霧し攪拌処理する半乾式法、基材の懸濁液にシリカヒドロゾルを加えて攪拌処理する湿式法のいずれかの方法を用いることができるが、基材の粒子表面を均一に処理するためには湿式法が好ましい。湿式法の場合は、基材の水懸濁液にケイ酸ナトリウム溶液を加え、攪拌しながら無機酸、または有機酸等の酸性物質を滴下して生成する活性なシリカヒドロゾルによって粒子表面を処理するのが好ましい。酸性物質の添加量は、基材の水懸濁液に加えたケイ酸ナトリウム溶液を中和するのに要する量を滴下すればよく、ケイ酸ナトリウム溶液を加えた基材の水懸濁液のpHが中性から微アルカリ性(pH7〜9)の範囲であればよい。このようにシリカ処理された基材はシリカヒドロゾルが粒子に強く、均一に付着、処理されたものとなる。
また、アミノシラン化合物の処理方法としては、アミノシラン化合物、あるいはその水またはアルコール溶液を乾燥粉末に攪拌下で噴霧処理するか、水懸濁液またはペースト品に添加して攪拌処理すればよい。シリカ処理された金属塩化合物の表面処理を考慮するとアミノシラン化合物溶液の濃度は0.05〜2重量部の範囲であることが好ましい。0.05重量部以下では処理効率が悪くなり、2重量部を超えてもその増量による効果は認められない。
アミノシラン化合物の持つアルコキシ基はシリカ処理した基体の表面に結びつくため、シリカヒドロゾルを処理した後にアミノシラン化合物を処理することが好ましい。
また無機微粒子(B)の基材100重量部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカは0.1〜5重量部、アミノシラン化合物は0.1〜5重量部含まれることが上記機能を得る上で好ましい。
また研磨を抑制することを目的とすることから、無機微粒子(B)の形状は所謂、紡錘形であることが好ましい。平均粒子径の長径(L)は、0.5〜5μmであることが好ましい。長径(L)が0.5μmよりも小さいと機内飛散、画像濃度の低下、かぶりの増加等の問題が生じ、長径(L)が5μmよりも大きいと研磨抑制機能が低下してしまう。より好ましい長径(L)は0.8〜4μmである。また平均粒子径の長径(L)と短径(S)との関係はL/Sが2以上であることが好ましく、平均粒子径の短径(S)は2μm以下であることが好ましい。L/Sの範囲が2よりも小さいとクリーニング機能が低下してしまいクリーニング不良が発生しやすくなってしまう。一方で、無機微粒子(B)は針状の粒子になってしまうと、研磨抑制機能が低下してしまうことからL/Sの範囲は2以上5以下であることが好ましい。このような特性から好ましい短径(S)の値は自ら決まってくるものである。
L/Sの範囲が2以上5以下である紡錘形の形状であるならば、OPC上で転がるようにはたらき、また両端部は先鋭状であることからクリーニング不良を起こしてしまう問題も生じない。特に軽微性炭酸カルシウムは紡錘形を有していることから好ましい材料である。ここで無機微粒子(B)の平均粒子径の長径(L)と短径(S)は走査型電子顕微鏡SEMにより観察することにより算出した。このようなクリーニング特性から本発明の負帯電性トナーはOPCにクリーニングブレードを有する装置、画像形成プロセスに用いることが適している。
また無機微粒子(B)の添加量は、トナー母粒子(分級されたトナー粒子)100重量部に対して、0.5〜2.0重量部であることが好ましい。0.5重量部よりも少ないと十分な研磨抑制効果が得られず、OPC表面を傷つけてしまう危険性があり、また2.0重量部よりも多くなってしまうと機内飛散、画像濃度の低下、かぶりの増加等の問題が生じてしまう危険性がある。またより好ましい範囲はトナー母粒子100重量部に対して0.5〜1.0重量部である。
本発明の負帯電性トナーに用いられる無機微粒子(C)は、好適な研磨効果が得られ、トナーや現像剤を長期にわたって使用してもOPCおよびクリーニングブレード等に傷を付け難いという点より、モース硬度が10以下である必要がある。モース硬度が10以上になると、過剰なOPCへの研磨がすすみ、OPC表面の劣化により画像濃度の低下や画像汚れにつながり、OPCの寿命が短くなってしまう。一方、現像スリーブ、OPC及び2成分現像剤におけるキャリア上にトナー母粒子が固着し凝集することを抑制・防止する研磨機能の点より、モース硬度は6〜10が好ましく、特に好ましくは6〜7である。
好適な研磨機能と、トナー母粒子間における導電性を調整する機能の点から、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部の範囲とする必要がある。1.5重量部以下であると研磨効果が明瞭でなく、OPC表面上にトナー母粒子が固着し、画像部に白点が発生する問題や、帯電量の上昇によるトナーの飛散や消費量の増加につながる危険性がある。一方、3.0重量部よりも多いと、過剰なOPCへの研磨が進み、OPC表面の劣化につながる。1.5〜3.0重量部の範囲で用いることで、OPCが長寿命で、少ないトナー消費量でも十分な画像濃度が得られる画像品質に優れたトナーを得ることができる。
無機微粒子(C)は粉砕、分級を行うことにより最終的に所望の粒子径を得ることができるが、上記同様に好適な研磨効果が得られるという点、及びクリーニングブレードとOPCの間からのすり抜けが発生しないようにする点から、レーザー回折/散乱式粒度分布計測法による大きい方からの累積50%の平均粒子径D50が1.0〜3.0μmであることが好ましい。D50が1.0μmよりも小さいと十分なクリーニング効果が得られず、OPC表面上へのトナーの付着による白点(ホワイトスポット)が発生したり、クリーニングブレードとOPCの間からのすり抜けが発生する。3.0μmよりも大きいと過度な研磨機能が働き、OPCの劣化による画像濃度の低下が発生してしまう。
無機微粒子(C)の平均粒子径の測定は、測定装置としてレーザー回折/散乱式粒度分布計測装置LA−700(HORIBA社製)を用い、次のようにして行った。まず試料の無機微粒子(C)約50mgを100ccビーカーにいれ、これに市水100cc注入し3分間超音波処理を行って、測定試料を作成する。循環モジュールの超音波分散バスに測定試料を注入しスターラーを回し規定濃度にする。本発明においては、測定条件である屈折率を1.8に設定し、計測を行った。
また、無機微粒子(C)は、チタン酸塩の微粒子であることが好ましく、チタン酸塩としてはチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウムなどがあり、これらを単独もしくは混合して用いることができる。より好ましくは、チタン酸カルシウムであり、チタン酸カルシウムの微粉体は、以下のように得ることができる。二酸化チタン微粉体(融点1825℃)と炭酸カルシウム微粉体(分解温度825℃)を混合し、一軸プレスで成形(成形圧1t/cm2 、金型16φ)し、試験炉(カンタル炉)で加熱する。1000℃前後で炭酸カルシウムの炭酸が完全に飛びきってTiO2 とCaOの拡散反応が始まり、チタン酸カルシウム粉体を得る。次いで、得られたチタン酸カルシウムの粉体を、高速回転式粉砕機、例えばパルベライザー(ホソカワミクロン(株))を用いて乾式粉砕し、チタン酸塩微粉体を得る。粉砕に際し分級装置をつけて、一定以上の大きさの粗粉を再回収することによって、特定の粒径、粒度分布のチタン酸カルシウムの微粉体を得ることができる。
更には、上記乾式粉砕工程で完全に除去できない粗大粒子によって、OPCおよびクリーニングブレード等に傷を付けることを防止するため、乾式粉砕工程の後に湿式粉砕工程を有することが好ましい。湿式粉砕工程には、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌式ミル等が用いられる。中でも媒体攪拌式ミルが好ましく、マイクロビーズを充填した粉砕メディアを使用することが好ましい。
湿式粉砕工程からスラリー状で取り出した後、篩い工程をより粗大粒子を除去できる。篩いの種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。その際に篩いに使用するメッシュの目開きは60μm以下のものを用いることが好ましい。更には30〜50μmの範囲が好ましい。メッシュの目開きが大きすぎると、粗大粒子が篩いを通過し、目開きが小さすぎると、篩いの通過に時間がかかり、生産性が悪くなる。篩い工程を通過したあと、フィルタープレス等で濾過し、50〜300℃で乾燥させ完全に水分を除去する必要がある。乾燥凝集をハンマーミルや高速ミキサー、もしくはスプレードライヤー等の解砕手段により解砕することで、特定の粒径、粒度分布のチタン酸カルシウムの微粉体を得ることができる。
湿式粉砕工程からスラリー状で取り出した後、篩い工程をより粗大粒子を除去できる。篩いの種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。その際に篩いに使用するメッシュの目開きは60μm以下のものを用いることが好ましい。更には30〜50μmの範囲が好ましい。メッシュの目開きが大きすぎると、粗大粒子が篩いを通過し、目開きが小さすぎると、篩いの通過に時間がかかり、生産性が悪くなる。篩い工程を通過したあと、フィルタープレス等で濾過し、50〜300℃で乾燥させ完全に水分を除去する必要がある。乾燥凝集をハンマーミルや高速ミキサー、もしくはスプレードライヤー等の解砕手段により解砕することで、特定の粒径、粒度分布のチタン酸カルシウムの微粉体を得ることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いられる結着樹脂としては、従来から、トナーの結着樹脂として公知のもののいずれもが使用可能である。使用することのできる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体また架橋されたスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などがあげられる。中でもポリエステル樹脂、スチレン系共重合体が好ましく用いられる。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、ポリエステル樹脂が最も好ましい結着樹脂である。ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、下記一般式(1)で示されるビスフェノール誘導体等のジオール類、グリセロール、ジグリセロール、ソルビット、ソルビタン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、等の多価アルコール類が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
酸成分としては、二価のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;またさらに炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;シクロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸等が挙げられ、架橋成分としてはたらく三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
酸成分としては、二価のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;またさらに炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;シクロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸等が挙げられ、架橋成分としてはたらく三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
好ましいアルコール成分は、前記一般式1で表されるビスフェノール誘導体であり、好ましい酸成分はフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸類、トリメリット酸またはその無水物等のトリカルボン酸類である。
本発明の静電荷像現像用トナーの結着樹脂がポリエステル樹脂である場合は、ホモポリエステル或いはコポリエステルの単独でも、或いはこれらの2種以上からなるブレンド物であってもよい。またポリエステル樹脂は、耐オフセット性および低温定着性の点から、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量において、重量平均分子量(Mw)が5,000以上のものが好ましく、10,000〜1,000,000のものがより好ましい。より好ましくは、重量平均分子量(Mw)が20,000〜100,000の範囲である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が小さくなると、トナーの耐オフセット性が低下する傾向にあり、また、重量平均分子量が大きくなると定着性が低下する傾向を示す。また、用いられるポリエステル樹脂は、特定の低分子量の縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからなる2山の分子量分布曲線を有するタイプ、或いは1山の単分子量分布曲線を有するタイプのいずれのものであってもよい。
また本発明の静電荷像現像用トナーの結着樹脂がスチレン系樹脂である場合は、スチレン系重合体に包含されるスチレン系共重合体において、スチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチルなどの二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;等のビニル単量体があげられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
架橋されたスチレン系共重合体を製造する際に用いられる架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が単独でもしくは混合物として用いられる。スチレン系重合体としては、GPCにより測定される分子量分布で3×1034 〜5×104 の領域に少なくともひとつのピークを有し、105 以上の領域に少なくとも他の一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体が定着性の点から好ましい。
なお、ビニル重合体の製造に当たっては重合開始剤が用いられる。重合開始剤としては、従来公知のものの何れをも用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ−ト、ジターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどが従来好ましく用いられている。重合開始剤のビニルモノマーに対する使用割合は、0.2〜5質量%が一般的である。重合温度は、使用するモノマーおよび開始剤の種類に応じ適宜選定される。
また、本発明においては、ビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体のようなビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂も用いることができる。ビニル系樹脂としては、カルボキシル基あるいは水酸基を有するモノマーが重合単位として含まれることが好ましい。他の重合単位としては、上記ビニル系重合体において例示されたモノマーが適宜用いられる。さらにポリエステルユニットを形成する単量体成分としては、ポリエステル樹脂を製造するために用いられる上記アルコール成分、酸成分などが用いられる。
本発明においては、結着樹脂は、トナー100重量部当り40〜95重量部であることが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は50〜70℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、本発明においては示差走査熱量計(島津製作所社製 DSC−60)を用いて、昇温速度10℃/minで測定した時のTg以下のベースラインの延長線と、Tg近傍の吸熱カーブの接線との交点の値を求め測定した。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、結着樹脂は、酸価が5〜20mgKOH/gの範囲であることが好ましい。結着樹脂の酸価が5mgKOH/gより小さい場合には、離型剤が遊離する問題が発生する。また結着樹脂の酸価が20mgKOH/gを超える場合には、得られたトナーの高温高湿度時の保存性および現像特性が悪くなるという問題が発生する。
なお、本発明において、酸価の測定はJIS K−0070の方法に準じて行うことができる。酸価はトナー1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数で表す。ただし、トナーが磁性体を含有する場合は、磁性体を酸で溶出させた残分をトナー1gとする。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて用いられる着色剤としては、従来トナーに使用される、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各有機顔料、カーボンブラック、磁性体が好適に用いられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn))はGPCにより次の条件で測定される。
装 置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製)
温 度:135℃
溶 媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流 速:1.0ml/min
試 料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料によ
り作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
装 置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製)
温 度:135℃
溶 媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流 速:1.0ml/min
試 料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料によ
り作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
イエローの有機顔料としては、ベンズイミダゾロン化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、139、147、150、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。中でもベンズイミダゾロン化合物を用いることが好ましい。
マゼンタの有機顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、255等が好適に用いられる。中でもキナクリドン化合物を用いることが好ましい。
シアンの有機顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が好適に用いられる。中でも銅フタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックのなどの各種いずれも使用できるが、ファーネスブラックカーボンの方が、画像特性においてカブリ(白地部の地汚れ)が低減される効果があり好ましいものである。
本発明の現像剤中のトナー粒子が磁性トナーである場合には、トナー粒子中に更に磁性粉が含有される。これら磁性粉体の例としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金の粉体、およびこれら粉体の混合物が挙げられる。
これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。また、その平均粒子径はSEMによる観察で0.1〜0.8μmであり、この磁性粉の含有量は、トナー量に対して10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%とされる。また、トナーの飽和磁化としては、15〜35emu/g(測定磁場 1キロエルステッド)が好ましい。
本発明の負帯電性トナーにおいては、荷電制御剤を用いることが好ましい。負帯電性トナーに用いる荷電制御剤としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物、同金属錯体、モノアゾ染料の金属錯体、カリックスアレン等のフェノール系縮合物、等があげられる。中でも芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物、モノアゾ染料の金属錯体を用いることが好ましい。芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物における、芳香族ヒドロキシカルボン酸としてはサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−フェニルサリチル酸が好ましく、中心金属としては、Cr、Zn、Ca、Al、Fe、Zr等があげられる。
また上記荷電制御剤は結着樹脂100部に対して、0.1〜10重量部で用いられ、0.5〜8重量部が優れた帯電性を保持、安定させることができる点で好ましい。
負帯電性トナーに用いる荷電制御剤の具体的なものとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物、同金属錯体として、オリエント化学社製ボントロンE−81、E−82、E−84、保土谷化学社製TN−105、また特許第2885238号、3785975号に記載される化合物があげられる。またモノアゾ染料の金属錯体としては、オリエント化学社製ボントロンS−34、S−44、保土谷化学社製スピロンブラックTRH、T−77、T−95等があげられる。またその他の負帯電荷電制御剤としては、クラリアント社製コピーチャージN4P、N5Pがあげられる。
本発明に用いる荷電制御剤においては、荷電制御剤の体積平均粒径(D50:メディアン径)が3〜10μmの範囲であることが好ましい。(粒度分布についてはベックマンコールター社マルチサイザーにて測定される値)この範囲を満足することで、荷電制御剤の結着樹脂中への分散が均一になされ、トナーとして安定した帯電量を保つことが可能となる。荷電制御剤の粒子径D50が10μmを超えてしまうと結着樹脂中に荷電制御剤を均一に分散することが困難になってしまい、結果として荷電制御剤の含有量の偏りが生じてしまい、画像のカブリ、機内飛散の原因になってしまう。また荷電制御剤の粒子径D50が1μmよりも小さくなると、単位重量あたりの荷電制御剤の比表面積が増大してしまい、トナーの帯電量の過度な上昇(チャージアップ)を引き起こしてしまうこととなり、低温低湿度の環境下で現像スリーブ上の波模様が生じ画像欠陥に繋がり好ましくない。
本発明の負帯電性トナーに用いる離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン類、フィーシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス類の群の中から選ばれた離型剤が用いられる。中でも、外添剤3種の使用を考えた場合、トナー成分の感光体への付着が生じにくい点で、蒸気浸透圧法(VPO法)による数平均分子量が2000〜10000の範囲である低分子量ポリプロピレンが好ましい。
離型剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0.5〜6重量部であることが好ましい。また離型剤の含有量が6重量部よりも多くなると、離型剤が過剰になり、キャリアへのスペント、現像スリーブへのフィルミング等を引き起こしてしまい、トナーの機内飛散、カブリの増加、OPCへの離型剤成分の付着が生じ、品質が悪化してしまったり、トナー中に離型剤を分散、分配(均一に配合すること)ができなくなってしまう。また0.5重量部よりも少なくなると、離型剤を添加する効果が見られず、すなわち、定着性能が低下してしまい、オフセットが発生しやすくなってしまう。
本発明の負帯電性トナーは、前記の材料を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。そして分級され得られたトナー母粒子は最終的に後処理工程において、外添剤を添加し最終的にトナーとされる。しかし、本発明の負帯電性トナーの製造方法については、この混練・粉砕法に限られるものではなく、例えば結着樹脂溶液中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナーを得る方法等の従来公知の方法のいずれの方法によってもよいことは勿論である。本発明の負帯電性トナーは、体積平均粒径が3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmが更に好ましい。
後処理工程は通常ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどが用いられる。後処理工程は無機微粒子(A)、無機微粒子(B)及び無機微粒子(C)のトナー表面上の付着状態を制御する上で重要な工程である。後処理工程条件の違いによりこれら外添剤の付着状態は大きく変わる。良好に研磨機能、研磨抑制機能のバランスを得るためには、通常ミキサーの周速で10〜40m/sec.の条件で混合することが好ましい。40m/sec.を超える条件で混合すると初期の画像濃度が低下する問題があり、一方、10m/sec.よりも低くなると外添剤が遊離してしまい無機微粒子(B)による研磨抑制機能がはたらかず、無機微粒子(C)によってOPC上に傷をつけてしまったり、トナー母粒子間の導電性と抵抗を調整できず、帯電量の過度な上昇(チャージアップ)などにより消費量の増加を招く問題が発生してしまう。
この付着状態を制御するために、外添剤の投入を数回に分けて混合する多段混合方式を用いる事も好ましく、無機微粒子(B)および無機微粒子(C)をトナー母粒子とミキサーで1段目混合させた後、無機微粒子(A)を添加して、更にミキサーで2段目混合を行うことも可能である。この際に、1段目混合と2段目混合のミキサー条件は異なっても構わない。
外添剤を添加、混合した後の最終工程として、トナー中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナーは製造される。篩の種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。その際に篩いに使用するメッシュの目開きがトナーの品質に影響を与える。本発明においては篩いのメッシュの目開きが40〜300μmのものを用いることが好ましい。更には45〜180μmの範囲が好ましい。300μmよりも目開きの大きなメッシュを使用してトナーの製造を行うと、トナー母粒子に含まれる粗粒子がトナー中に混入したり、また外添剤の凝集体がトナー中に含まれてしまい、画像特性、研磨機能、研磨抑制機能に弊害を来たしてしまう。すなわち現像剤中にトナー粗粒子や外添剤の凝集体の存在によりベタ画像での白抜けが発生、白地部の斑点の発生、OPC上の傷、トナー成分の付着等の問題が起きてしまう。一方、40μmよりも目開きの小さなメッシュを使用してトナーの製造を行うと、トナーのメッシュ通過時に物理的ストレスを受けてしまいトナー表面が傷められてしまい、外添剤がトナーから脱落してしまい研磨機能、研磨抑制機能のバランスが損なわれてしまう。またメッシュの種類としては平織り構造が好ましく、綾織り構造のものも使用することは可能であるが、トナー表面の劣化を考えると好ましくない。これはメッシュの構造上綾織り構造の方が平織り構造と比べて、通過時に摩擦、接触によるストレスを受けやすいためである。
本発明の負帯電性トナーが二成分系乾式現像剤として用いられる場合には、キャリアが含まれる。本発明の負帯電性トナーとともに用いられるキャリアは、従来二成分系乾式現像剤において用いられるキャリアのいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいものとして挙げられる。これらキャリアは、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂等の樹脂で被覆されたものでよい。キャリアを樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。またキャリアの平均粒径は、通常15〜200μm、好ましくは20〜100μmのものを用いることができる。
以下実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。また下記の実施例、比較例に使用した無機微粒子(A)、無機微粒子(B)、及び無機微粒子(C)の一覧を表1に示し、画像試験結果を表2に示す。
また、以下の実施例および比較例中で用いた熱可塑性ポリエステル樹脂、低分子量ポリプロピレン、および無機微粒子(A)、(B)、(C)は下記の通りである。
(熱可塑性ポリエステル樹脂)
熱可塑性ポリエステル樹脂1
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:10mgKOH/g OH価:43mgKOH/g Tg 58℃
分子量 Mw:28200 Mn:2500
熱可塑性ポリエステル樹脂1
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:10mgKOH/g OH価:43mgKOH/g Tg 58℃
分子量 Mw:28200 Mn:2500
(低分子量ポリプロピレン)
低分子量ポリプロピレン1
低分子量ポリプロピレン ビスコール660−P(三洋化成工業社製)
酸価:nil 有しない 平均分子量(蒸気圧浸透圧法):3000
低分子量ポリプロピレン1
低分子量ポリプロピレン ビスコール660−P(三洋化成工業社製)
酸価:nil 有しない 平均分子量(蒸気圧浸透圧法):3000
(無機微粒子(A))
無機微粒子(A−1)
日本アエロジル社製「#300」20部をミキサーに入れ、攪拌しながら、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5部をエタノール20部で希釈した溶液を滴下して加え、得られたパウダードリキッドをバットに移し窒素ガス雰囲気下で110℃1時間加熱乾燥してエタノールを除去した。得られた粉末を再びミキサーにいれ、ヘキサメチルジシラザン2部をヘキサン16部で希釈した溶液と前期同様の方法で分散させ、得られたパウダードリキッドを150℃で4時間加熱攪拌し、N量が1418ppmである無機微粒子(A−1)を得た。
無機微粒子(A−1)
日本アエロジル社製「#300」20部をミキサーに入れ、攪拌しながら、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5部をエタノール20部で希釈した溶液を滴下して加え、得られたパウダードリキッドをバットに移し窒素ガス雰囲気下で110℃1時間加熱乾燥してエタノールを除去した。得られた粉末を再びミキサーにいれ、ヘキサメチルジシラザン2部をヘキサン16部で希釈した溶液と前期同様の方法で分散させ、得られたパウダードリキッドを150℃で4時間加熱攪拌し、N量が1418ppmである無機微粒子(A−1)を得た。
無機微粒子(A−2)
無機微粒子(A−1)の製造工程において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.5部から0.7部に変更したことを除いて、同様に製造し、N量が1950ppmである無機微粒子(A−2)を得た。
無機微粒子(A−1)の製造工程において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.5部から0.7部に変更したことを除いて、同様に製造し、N量が1950ppmである無機微粒子(A−2)を得た。
無機微粒子(A−3)
無機微粒子(A−1)の製造工程において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.5部から0.35部に変更したことを除いて、同様に製造し、N量が1050ppmである無機微粒子(A−3)を得た。
無機微粒子(A−1)の製造工程において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.5部から0.35部に変更したことを除いて、同様に製造し、N量が1050ppmである無機微粒子(A−3)を得た。
無機微粒子(A−4)
日本アエロジル社製「#300」20部をミキサーに入れ、攪拌しながら、ヘキサメチルジシラザン2部をヘキサン16部で希釈した溶液と分散させ、得られたパウダードリキッドを窒素ガス雰囲気下で150℃4時間加熱攪拌し、N量を検出できない無機微粒子(A−4) を得た。
日本アエロジル社製「#300」20部をミキサーに入れ、攪拌しながら、ヘキサメチルジシラザン2部をヘキサン16部で希釈した溶液と分散させ、得られたパウダードリキッドを窒素ガス雰囲気下で150℃4時間加熱攪拌し、N量を検出できない無機微粒子(A−4) を得た。
(無機微粒子(B))
無機微粒子(B−1)
軽微性炭酸カルシウムにシリカヒドロゾルとジメチルアミノジメチルシランを表面処理し無機微粒子(B−1)を得た。(軽微性炭酸カルシウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、ジメチルアミノジメチルシラン1.0部)
モース硬度:3 L/S:2.7
無機微粒子(B−1)
軽微性炭酸カルシウムにシリカヒドロゾルとジメチルアミノジメチルシランを表面処理し無機微粒子(B−1)を得た。(軽微性炭酸カルシウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、ジメチルアミノジメチルシラン1.0部)
モース硬度:3 L/S:2.7
無機微粒子(B−2)
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−2)を得た。
モース硬度:3 L/S:2.5
無機微粒子(B−3)
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−3)を得た。
モース硬度:3 L/S:2.2
無機微粒子(B−4)
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−4)を得た。
モース硬度:3 L/S:1.2
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−2)を得た。
モース硬度:3 L/S:2.5
無機微粒子(B−3)
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−3)を得た。
モース硬度:3 L/S:2.2
無機微粒子(B−4)
無機微粒子(B−1)と同様に表面処理し無機微粒子(B−4)を得た。
モース硬度:3 L/S:1.2
無機微粒子(B−5)
軽微性炭酸カルシウムにシリカヒドロゾルと3−アニリノプロピルトリメトキシシランで表面処理し無機微粒子(B−5)を得た。(軽微性炭酸カルシウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、−アニリノプロピルトリメトキシシラン1.0部)
モース硬度:3 L/S:2.7
軽微性炭酸カルシウムにシリカヒドロゾルと3−アニリノプロピルトリメトキシシランで表面処理し無機微粒子(B−5)を得た。(軽微性炭酸カルシウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、−アニリノプロピルトリメトキシシラン1.0部)
モース硬度:3 L/S:2.7
無機微粒子(B−6)
硫酸バリウムにシリカヒドロゾルと3−アニリノプロピルトリメトキシシランで表面処理し無機微粒子(B−6)を得た。(硫酸バリウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン1.0部)
モース硬度:3.5 L/S:2.7
硫酸バリウムにシリカヒドロゾルと3−アニリノプロピルトリメトキシシランで表面処理し無機微粒子(B−6)を得た。(硫酸バリウム100部に対して、シリカヒドロゾル由来のシリカ量1.0部、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン1.0部)
モース硬度:3.5 L/S:2.7
無機微粒子(B−7)
シリカにジメチルアミノジメチルシランで表面処理し無機微粒子(B−7)を得た。(シリカ100部に対して、ジメチルアミノジメチルシラン2.0部)
モース硬度:7 L/S:1.2
シリカにジメチルアミノジメチルシランで表面処理し無機微粒子(B−7)を得た。(シリカ100部に対して、ジメチルアミノジメチルシラン2.0部)
モース硬度:7 L/S:1.2
(無機微粒子(C))
無機微粒子(C−1)
チタン酸カルシウムを乾式粉砕後に、ボールミルによる湿式粉砕工程を経て所望の粒度に粉砕し無機微粒子(C−1)を得た。
D50:2.0μm モース硬度:7
無機微粒子(C−2)
無機微粒子(C−1)と同様の工程を経て無機微粒子(C−2)を得た。
D50:2.6μm モース硬度:7
無機微粒子(C−3)
無機微粒子(C−1)と同様の工程を経て無機微粒子(C−3)を得た。
D50:1.2μm モース硬度:7
無機微粒子(C−1)
チタン酸カルシウムを乾式粉砕後に、ボールミルによる湿式粉砕工程を経て所望の粒度に粉砕し無機微粒子(C−1)を得た。
D50:2.0μm モース硬度:7
無機微粒子(C−2)
無機微粒子(C−1)と同様の工程を経て無機微粒子(C−2)を得た。
D50:2.6μm モース硬度:7
無機微粒子(C−3)
無機微粒子(C−1)と同様の工程を経て無機微粒子(C−3)を得た。
D50:1.2μm モース硬度:7
無機微粒子(C−4)
チタン酸ストロンチウムを乾式粉砕後に、ボールミルによる湿式粉砕工程を経て所望の粒度に粉砕し無機微粒子(C−4)を得た。
D50:1.2μm モース硬度:7
無機微粒子(C−5)
チタン酸カルシウムを乾式粉砕し無機微粒子(C−5)を得た。
D50:3.0μm モース硬度:7
無機微粒子(C−6)
酸化セリウムを乾式粉砕し無機微粒子(C−6)を得た。
D50:1.8μm モース硬度:6
チタン酸ストロンチウムを乾式粉砕後に、ボールミルによる湿式粉砕工程を経て所望の粒度に粉砕し無機微粒子(C−4)を得た。
D50:1.2μm モース硬度:7
無機微粒子(C−5)
チタン酸カルシウムを乾式粉砕し無機微粒子(C−5)を得た。
D50:3.0μm モース硬度:7
無機微粒子(C−6)
酸化セリウムを乾式粉砕し無機微粒子(C−6)を得た。
D50:1.8μm モース硬度:6
無機微粒子(C−7)
イミド熱分解法により得られた窒化ケイ素を乾式粉砕した後、湿式粉砕し無機微粒子(C−7)を得た。
D50:0.8μm モース硬度:13
無機微粒子(C−8)
タングステン粉末とカーボンブラックを水素中で加熱する方法により無機微粒子(C−8)を得た。(炭化タングステン微粒子)
D50:1.3μm モース硬度:12
イミド熱分解法により得られた窒化ケイ素を乾式粉砕した後、湿式粉砕し無機微粒子(C−7)を得た。
D50:0.8μm モース硬度:13
無機微粒子(C−8)
タングステン粉末とカーボンブラックを水素中で加熱する方法により無機微粒子(C−8)を得た。(炭化タングステン微粒子)
D50:1.3μm モース硬度:12
結着樹脂 熱可塑性ポリエステル樹脂1 100部
着色剤 磁性体 (マグネタイト:比表面積 5.7m2/g) 77部
荷電制御剤 3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の3価クロム塩化合物 1部
ワックス 低分子量ポリプロピレン1 3部
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得た。
着色剤 磁性体 (マグネタイト:比表面積 5.7m2/g) 77部
荷電制御剤 3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸の3価クロム塩化合物 1部
ワックス 低分子量ポリプロピレン1 3部
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径8.5μmの負帯電性トナー粒子を得た。
次いで、このトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、OPCを用いたプロセススピードが137mm/secの市販のデジタル複写機において、A4の用紙にて、初めに常温常湿(23℃、50%RH)環境下で1万枚、次に高温高湿(30℃、85%RH)環境下で1万枚、次に低温低湿(10℃、20%RH)環境下で1万枚、最後に常温常湿(23℃、50%RH)環境下で5万枚、合計8万枚の実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、画像濃度は1.35以上の濃度であればよい。また、カブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.5%以下が良好な値である。消費量は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下での実写試験において、黒化率6%のA4原稿を千枚実写した場合のトナー減少量を測定した。50g以下が良好な値である。更にトナーの機内飛散は、複写機の転写ローラー上に飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。転写ローラー上にトナー飛散が見られる場合、これに伴う画像汚れが発生する。画像濃度、カブリの測定、消費量の算出、及びトナー飛散の有無は以下の実施例及び比較例においても同様な方法で行った。
[実施例2]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−2)0.3部、無機微粒子(B−2)0.5部、及び無機微粒子(C−2)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−2)0.3部、無機微粒子(B−2)0.5部、及び無機微粒子(C−2)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−3)0.3部、無機微粒子(B−3)0.5部、及び無機微粒子(C−3)2.8部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−3)0.3部、無機微粒子(B−3)0.5部、及び無機微粒子(C−3)2.8部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−3)0.5部、及び無機微粒子(C−4)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−3)0.5部、及び無機微粒子(C−4)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−3)0.5部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−2)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−3)0.5部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−2)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−5)0.5部、及び無機微粒子(C−5)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−5)0.5部、及び無機微粒子(C−5)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−6)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−6)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−4)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−4)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−6)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−6)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、OPCの耐刷枚数である7.5万枚を過ぎても、研磨による急激な劣化がおこらず、またいずれの環境下においてもOPC上へのトナーの付着は見られなかった。さらに8万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び8万枚複写時の画像濃度(I.D.)及びカブリの結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−1)3.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約6万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。また、深い傷によりクリーニングブレードによる十分なクリーニング効果が得られず、クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−1)3.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約6万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。また、深い傷によりクリーニングブレードによる十分なクリーニング効果が得られず、クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
[比較例2]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−1)1.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、高温高湿(30℃、80%RH)環境下の約1.2万枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、OPC上にトナーが付着していたため実写試験を中止した。また、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約1万枚画像評価ではトナーの消費量も多い結果であった。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−1)1.0部、及び無機微粒子(C−1)1.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、高温高湿(30℃、80%RH)環境下の約1.2万枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、OPC上にトナーが付着していたため実写試験を中止した。また、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約1万枚画像評価ではトナーの消費量も多い結果であった。
[比較例3]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−7)1.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約2.1万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−7)1.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約2.1万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
[比較例4]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−4)0.3部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下において初期の画像濃度が低く、約1万枚を過ぎても画像濃度の上昇が見られないため実写試験を中止した。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−4)0.3部、無機微粒子(B−2)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下において初期の画像濃度が低く、約1万枚を過ぎても画像濃度の上昇が見られないため実写試験を中止した。
[比較例5]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−2)0.5部、及び無機微粒子(C−8)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約2.1万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−2)0.5部、及び無機微粒子(C−8)1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約2.1万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、OPC上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。クリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
[比較例6]
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−7)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約0.1万枚を過ぎたあたりで、現像スリーブ上に波模様の発生が認められ、複写紙上にも画像ムラが発生したため実写試験を中止した。
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、無機微粒子(A−1)0.3部、無機微粒子(B−7)1.0部、及び無機微粒子(C−1)2.0部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約0.1万枚を過ぎたあたりで、現像スリーブ上に波模様の発生が認められ、複写紙上にも画像ムラが発生したため実写試験を中止した。
本発明の負帯電性トナーはOPCを用いた画像形成装置に好ましく用いることができ、またトナー成分がOPCへ悪影響を及ぼさず耐久性、耐刷性に優れており、かつ画像特性にも十分満足の行く品質の優れたトナーを提供することができる。
Claims (8)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と少なくとも3種の外添剤とからなる、有機光半導体を用いた感光体を使用する画像形成装置に用いる負帯電性トナーであって、該外添剤は、ヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理され、トナーに流動性を付与する無機微粒子(A)、シリカヒドロゾル及びアミノシラン化合物により表面処理された金属塩化合物である無機微粒子(B)、研磨機能を有し、モース硬度が10以下である無機微粒子(C)であり、且つ無機微粒子(C)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、1.5〜3.0重量部であることを特徴とする負帯電性トナー。
- 無機微粒子(A)中に窒素(N)を含有し、該無機微粒子(A)中の窒素量(N量)が1000〜2000ppmであることを特徴とする請求項1記載の負帯電性トナー。
- 無機微粒子(C)が、レーザー回折/散乱式粒度分布計測法による大きい方からの累積50%の平均粒子径D50が1.0〜3.0μmである請求項1または2に記載の負帯電性トナー。
- 無機微粒子(C)がチタン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の負帯電性トナー。
- 無機微粒子(B)が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の負帯電性トナー。
- 無機微粒子(B)の形状が長径(L)と短径(S)の比、L/Sが2以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の負帯電性トナー。
- 少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、無機微粒子(A)と、無機微粒子(B)と、
無機微粒子(C)とを混合する請求項1〜6いずれか記載の負帯電性トナーの製造方法であって、
前記無機微粒子(C)が、湿式粉砕されることを特徴とする負帯電性トナーの製造方法。 - 少なくとも有機光半導体を用いた感光体と負帯電性トナーとを用いて、反転現像方式により画像を得る画像形成方法において、負帯電性トナーが請求項1〜6いずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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---|---|---|---|
JP2008054189A JP2009210839A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 負帯電性トナー |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008054189A JP2009210839A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 負帯電性トナー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012088462A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Tayca Corp | 静電潜像現像用トナー外添剤 |
-
2008
- 2008-03-05 JP JP2008054189A patent/JP2009210839A/ja active Pending
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