JP3614031B2 - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法等の静電荷像を可視化するために用いる静電トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスとは、光導電現象を利用して感光体上に静電潜像を形成し、トナーを静電気力で静電潜像に付着させて可視像とするプロセスで、感光紙上にトナー画像を直接形成する方法(CPC)と、感光体上に形成したトナー画像を記録紙に転写する方法(PPC)の2種類がある。
電子写真の現像方式には乾式現像法と湿式現像法があり、主な乾式現像法としては、カスケード現像法(米国特許第2221776号明細書)、二成分磁気ブラシ現像法(米国特許第2874063号明細書)、一成分絶縁トナー現像法 (特公昭41−9475号公報)、一成分導電トナー現像法(米国特許第3909258号明細書)、等がある。カスケード現像法は重力を利用して、現像剤を感光体の上に落下させトナーを付着させる方式であるが、現在ではほとんど使われていない。現在、現像方法として主流になっているのは、二成分磁気ブラシ現像法と一成分絶縁トナー現像法である。
【0003】
また、前記現像方法による電子写真の現像法には、潜像電荷と逆極性の電荷を持ったトナーを付着させる正現像法と、感光体上の電荷の抜けた所に感光体上の帯電と同極性に帯電したトナーを付着させる反転現像法の二種類がある。普通紙複写機では主として正現像法が使われているが、プリンターやデジタル複写機においては反転現像法が用いられる。例えば、レーザービームプリンターでは光源に半導体レーザー(発光波長760〜830nm)を用い、光源より発射されたレーザー光をポリゴンミラーで感光体表面に走査し、画像部の電荷を除去し静電潜像を形成する。この方式では光源が非常に小さいため、高い解像度が得られ、またオフィスのOA化に伴い需要が伸びている。
【0004】
二成分磁気ブラシ現像法は、現像剤にトナー粒子とキャリア粒子を混合したものを用い、マグネットローラ上の現像ローラによって、現像剤を搬送し現像する方式で、画質が良く、さらにカラー化が可能といった利点を持っている。
しかし、トナーとキャリアの割合を一定に保つ機構や、現像剤の攪拌機構等が必要なため装置としては大型で複雑になり、トナーのキャリア表面への付着が原因でキャリアの帯電能力が低下するため、長時間使用するとキャリア粒子が劣化してしまい、現像剤の交換が必要となる。また、低温低湿環境においては、トナーが必要以上の電荷を持ってしまう所謂チャージアップ現象を生じてしまう。
【0005】
これに対し、一成分絶縁トナー現像法では、キャリア粒子を用いないため、トナー濃度の制御や攪拌を行う機構が不用となり、装置としては小型化が可能である。また不用になったキャリア等の廃棄物がでない、といった利点もある。
代表的な一成分絶縁トナー現像法としては、トナー同士の摩擦帯電を使うBMT法、スリーブやブレードと摩擦帯電させたり、スリーブにポリウレタンゴム等のブレードを圧接し、スリーブの回転時にブレードとトナーを摩擦帯電させ、磁性トナーを飛翔させるジャンピング現像法等がよく知られている。
【0006】
このうちジャンピング現像法は、現像法としては非接触の現像であり、トナー層と感光体の間に設けられたギャップ間にバイアス電圧をかけてトナーの感光体に対する静電吸引力及びスリーブの回転による遠心力とスリーブの中のマグネットによる磁気吸引力とのバランスでトナーを感光体上に飛翔させて現像を行う現像法であり、非接触の現像法であるため背景部の汚れが少なく、また現像の高速化が可能である、などの特徴を持つ。
しかし、一成分のトナーを用いてジャンピング現像法で現像する場合、トナーの帯電を制御する能力を持つキャリアを用いないため、トナー自体の帯電能力の制御が極めて重要になる。特に、高温高湿の環境におけるジャンピング現像法においては、他の環境と比較して画像濃度が低下し易いという欠点がある。一方、低温低湿環境において、スリーブ上でトナーが良く使用される部分とあまり使用されない部分で濃度差が生じてしまう所謂スリーブメモリーが発生し易い。
【0007】
そこで、ジャンピング現像法のこれらの欠点を解消すべく、現像プロセスにおいても種々の検討がなされている。例えば、スリーブ自体の抵抗を下げることにより、トナーのチャージアップを防止する方法や、スリーブに印加される現像バイアスの波形を非対称型にして現像能力を向上させる等の対策が検討されている。
しかし、何れの方法もそれぞれ種々の欠点を有している。
例えば、スリーブ自体を導電性にした場合には、初期画像濃度、特に高温高湿における初期画像濃度が低下してしまい、現像バイアスを非対称にすると、低温低湿環境にて地汚れを発生し易い。そこで、これらの欠点を解消したトナーへの要求が近年ますます高まっている。
【0008】
一成分、二成分の各々の現像法に適用するトナーは、結着樹脂中に染料、顔料等を分散し、二軸押し出し機等によって溶融混練した後、1〜30μmに粉砕・分級したものが使用されている。
また、トナーの外添剤としては乾式コロイダルシリカなどが使われ、流動性改善に大きく寄与する。流動性が向上することによって、トナーの補給性が改善され、現像剤担持体上にスムーズに現像剤が供給されるため、画像の均一性等の画質が向上する。この他に、トナーのフィルミングを防止したりドラム表面をリフレッシュする効果を持った外添剤が使用される。これらの物質としては、例えば金属の酸化物、炭化物や窒化物等や有機樹脂微粒子等がある。
【0009】
全ての環境において良好な画像を得るためには、トナーに安定した電荷を与えることが必要である。その方法の一つとして、トナーに帯電助剤となる酸化アルミニウムや酸化亜鉛などの金属酸化物を添加し、帯電電荷を補う方法がよくとられている。
しかし、従来の金属酸化物では、あらゆる環境において良好な画像を得ることは難しかった。
【0010】
また、トナーには、所謂荷電制御剤を含有させることが一般的である。
正帯電の荷電制御剤としては、ニグロシン系の染料やトリフェニルメタン系化合物や高級脂肪酸の金属塩あるいは4級アンモニウム塩化合物が良く知られている。
負帯電の荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯体やアルキルサリチル酸の金属錯体または金属塩や4級アンモニウム塩化合物が良く知られている。
これら荷電制御剤は、トナーに電荷を付与する物であるが、これら荷電制御剤だけで、十分な帯電安定性を確保することは難しかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、
1.画像濃度が低下せず、カブリ現象を引き起こさない、
2.高温高湿の環境及び低温低湿の環境においても安定した画像が得られ、
3.スリーブメモリーの発生の少ない、静電荷像現像用磁性トナーを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、母体トナーに特定の無機微粉体とシリカ微粉体を添加することによって、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、第1の発明は、結着樹脂及び磁性粉を含有する母体トナーと、下記一般式1で示されるシリコーン化合物及びシランカップリング剤で処理されてなる窒素吸着法によるBET 比表面積が20〜100 m2 /gである処理無機微粒子と、窒素吸着法によるBET 比表面積が100 〜250 m2 /gであるシリカ微粉体とを含有することを特徴とする静電荷像現像用磁性トナーである。
【0013】
【化2】
【0014】
第2の発明は、処理無機微粒子が、100 重量部のアルミナを5 〜40重量部のシリコーン化合物及び10〜40重量部のシランカップリング剤で処理してなり、処理後のメタノール滴定法による疎水化度が40〜80%であることを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0015】
第3の発明は、負帯電性であることを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0016】
第4の発明は、母体トナーが、機械式粉砕機により微粉砕されてなることを特徴とする第1ないし第3の発明いずれか記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレンビニルトルエン共重合体、等のスチレン及びその置換体の単独重合体及びそれらの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸nブチル共重合体等のスチレンとアクリル酸エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸nブチル共重合体等のスチレンとメタクリルエステルとの共重合体;スチレンとアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重合体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリルニトリルインデン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等のスチレンと他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等が単独又は混合して使用できる。
【0018】
本発明において用いられる磁性粉としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属又はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が使用でき、平均粒径0.1 〜0.7 μ程度の大きさのものが好ましい。
また、これら磁性粉は、結着樹脂100 重量部に対して50〜100 重量部含有されることが好ましい。50重量部未満では、マグネットに対する着磁力が弱いため、飛散してしまい易く、100 重量部を越えると、マグネットに対する着磁力が強すぎるため、感光体に対する静電吸引力を強くしても画像濃度が低くなり、好ましくない。
また、本発明においては、他の染料及び顔料を使用することが可能であり、これらの染料及び顔料としては、例えば、カーボンブラック、アゾ染料及び顔料、フタロシアニン骨格を有する顔料等を単独或いは混合して併用することが可能である。
【0019】
本発明においては、従来公知の荷電制御剤が使用可能である。
負帯電性の荷電制御剤としては、含金属モノアゾ染料、アルキルサリチル酸の金属錯体または金属塩、アルキルサリチル酸含有化合物、カリックス−n−アレン化合物、ジアリルアルキルアンモニウムクロライドのカウンターアニオンの一部または全てを置換した重合体等が挙げられる。
また、本発明のトナーは、負帯電性トナーであることが好ましく、必要に応じて正の荷電制御剤と併用することも可能である。正荷電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料及びこれをレーキ化した顔料、4級アンモニウム塩等がある。
【0020】
本発明における母体トナーは、常法に従い得ることができる。
例えば、上記結着樹脂、磁性粉、及び必要に応じて上記荷電制御剤とを所望の割合で混合し、ニーダー、エクストルーダー等により溶融・混練し、冷却した後、ジェットミル等の手段で粉砕し、得られた粉砕物を風力式分級機で分級することにより得ることができる。特に川崎重工社製のクリプトン粉砕機等の機械式粉砕機によって微粉砕することが好ましい。
【0021】
次に、本発明において用いられる外添剤である処理無機微粒子及びシリカ微粉体について説明する。
本発明において用いられる処理無機微粒子は、無機微粒子の表面を下記一般式1で示されるシリコーン化合物とシランカップリング剤で処理されたものである。
【0022】
【化3】
【0023】
無機微粒子の表面を疎水すべく、シリコーンオイル又はシリコーンワニスで無機微粉体の表面を処理することは従来より知られているが、係る処理によってトナーの帯電性を制御することは殆どできなかった。
本発明においては、処理剤として、上記一般式1で示されるようにSiとCの間に必ずOを介する特定のシリコーン化合物を用いることで、トナーの帯電性を制御する機能、殊に負に帯電せしめる機能が飛躍的に向上した。特にR1 〜R6 の全てが炭素数1であるメトキシ基であること場合にその効果が顕著である。
【0024】
一般にシリカ微粒子はかなり大きな負(約−200〜500 μC/g 程度)の帯電性を示す。一方、シリカ微粒子以外の無機微粒子の殆どの帯電性は、ニュートラルに近い(ほぼ±10μC/g 程度)。
このため、シリカ微粒子以外の無機微粒子を負帯電性トナーに使用した場合には、帯電量が低下してしまい、地汚れの発生や飛散等の問題が発生した。逆に、シリカ微粒子を負帯電性トナーに使用した場合には、地汚れや飛散は抑えられるものの、チャージアップの問題が発生した。
これに対し、一般式1で示されるシリコーン化合物は、前述したようにその骨格中に多量のSi−O結合を有しており、その表面は擬似的にシリカ微粒子と類似の構造を呈するため、母体トナーに添加するとトナー全体を負に帯電させ易くなるものと考えられる。
【0025】
本発明において処理無機粒子の基材となる無機粒子としては、シリカ以外の無機粒子、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、特に比重の軽いアルミナ好ましい。
また、本発明においては、基材となる無機粒子100 重量部を5 〜40重量部の前述の一般式1で示されるシリコーン化合物で処理することが好ましい。5 重量部よりも少ない場合は、帯電性制御機能が低下する傾向にあり、40重量部よりも多い場合は、添加量増量に伴う効果が小さく、逆にコスト高となるため、好ましくない。
【0026】
一般式1で示されるこれらシリコーン化合物は、帯電制御助剤としての効果はあるが、その構造からも明らかな様に表面疎水化剤としては効果がない。このため、例えば高温高湿等の環境で、急激に能力が低下してしまう。この問題を解決すべく、本発明おいて用いられる外添剤は、一般式1で示されるシリコーン化合物だけではなく、さらにシランッカップリング剤で表面を疎水化処理する必要がある。
本発明おいて処理に用いられるシランカップリング剤は、例えば下記一般式2で示される。
(一般式2)
RmSiYn
(式中Rはアルコキシ基または塩素原子を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基を示し、m,nは1〜3の整数を示す。但し、m+n=4。)
一般式2で示される化合物としては、例えばジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等が挙げられる。
【0027】
これらのシランカップリング剤処10〜40重量部で、基材100 重量部を処理することが好ましい。10重量部よりも少ない場合には、疎水性が不足し易く、40重量部よりも多い場合には、凝集の発生し易くなる。
【0028】
処理後の無機微粒子は、メタノール滴定法による疎水化度が、40〜80%であることが好ましく、より好ましくは45〜75%である。疎水化度が80%を越える場合には、無機微粒子の表面を疎水化処理剤で覆ってしまうため、本発明の目的である帯電制御助剤としての効果が極端に低下するため好ましくない。また、40%よりも少ない場合には、疎水化処理の効果が少なく好ましくない。
【0029】
本発明に用いられる処理無機微粒子は、BET 比表面積が50〜200 m2 /g 程度の基材に対し上述のような処理を加えたものであり、表面処理後のBET 比表面積は20〜100 m2 /g であることが重要である。比表面積が20m2 /g よりも小さくなる場合には、凝集が急激に増加する。一方、100 m2 /g よりも大きくなる場合には、表面処理が均一に行なわれていない。
【0030】
本発明においては、外添剤として上記したように処理無機微粒子とシリカ微粉体とを併用することが必要である。
本発明において用いられるシリカ微粉体としては、平均一次粒子径10〜30nmのものが好ましく、従来公知の物が使用可能であるが、正帯電性を示すシリカ微粉体は、本発明においては好ましくない。また、本発明においては、併用される処理無機微粉体が疎水化処理されているため、コストの面からは表面を疎水化処理していないシリカ微粉体がより好ましい。
また、シリカ微粉体はBET 比表面積が100 〜250 m2 /gであることが重要である。BET 比表面積が100 m2 /gよりも小さい場合には、トナーに含有させても流動性向上剤としての効果がなく、BET 比表面積が250 m2 /gよりも大きい場合には、環境による安定性が急激に低下するため好ましくない。
【0031】
シリカ微粉体は、従来トナーの流動性向上剤として使用されてきたが、ジャンピング現像法においては、帯電制御助剤としても使用し得るものであった。そこで、トナーに電荷を付与すべく大量にシリカ微粉体を添加すると、低温低湿環境においてトナーの帯電性が向上するために、スリーブメモリーが発生してしまう。逆に、シリカ微粉体を少量しか添加しないと、流動性の低下や帯電不足による弊害により、高温高湿環境において画像濃度が低下してしまう。
即ち、シリカ微粉体は、大きく負に帯電する傾向にある。このため、帯電が上昇し始めると、画像欠損を生じるようなかなり高い帯電量まで上昇してしまう。逆に、帯電が低下する場合には、もともとの帯電量が高いため、少しの低下率でも絶対値としては大きく変化してしまうため、帯電量の変化としては大きくなってしまう。
一方、処理無機微粒子は、上記したように帯電制御剤としての機能をも有する得ため、基材に対する処理量を調節したり、母体トナーに対する添加量を調節したりしつつ、係る処理無機微粒子をシリカ微粉体と併用することによって、シリカ微粉体を単独で使用した場合の急激な帯電量の上下動を抑制し、カブリやスリーブメモリーの発生を効果的に防止できるようになったものと考えられる。
例えば、シリカ微粉体のみでは、帯電が上昇してしまう場合でも、処理無機微粉体を併用することで、帯電の上昇を抑止することができ、逆に帯電が低下する場合でも必要な帯電を保持することが可能となる。
【0032】
また、本発明においては、発明の効果を損ねない範囲で他の添加剤を併用することが可能である。使用可能な添加剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸塩やポリメチルメタクリレート樹脂微粒子、ポリフッ化ビニリデン樹脂微粒子等の有機樹脂微粒子やWC、SiC、TiC、SiN等の非酸化物系粉体や酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化珪素、アルミノシリケート、マグネタイト、フェライト等の酸化物系粉体をそれぞれ単体または混合して用いることが好ましい。
また、本発明の添加剤のみでは、感光体の表面研磨能力に欠ける場合があるため、研磨能力を有する非酸化物系粉体または/及び酸化物系粉体と併用することが、より好ましい。
【0033】
本発明のトナーは、上記母体トナーと処理無機微粒子及びシリカ微粒子を含有するものであり、トナー100 重量部に対して、処理無機微粒子及びシリカ微粒子をそれぞれ0.05〜2.0 重量部添加することが好ましい。0.05重量部よりも少ない場合には、その効果は十分には得られず、2.0 重量部よりも多い場合には、その添加量による効果が少なく、逆にコスト高となるため好ましくない。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明を何等限定するものではない。
処理無機粒子製造例1〜6
以下の方法により、処理無機微粒子を製造した。
BET 比表面積約102 m2 /g のアルミナ約500gを、水とメタノールが1:1 の比率である分散液中に投入する。分散機により約10分間撹拌した後、表1に示す処理量を確保すべく所定量のメチルシリケート溶液(R1 〜R6 が全てメトキシ基であるシリコーン化合物、濃度20重量%溶液)を投入し、表面処理を行なう。
その後、表1に示す処理量を確保すべく所定量のデシルメトキシシラン溶液(濃度20重量% 溶液)を投入し、表面処理を行なう。
次いで、減圧乾燥し、水とアルコールを除去する。得られた粉体を粉砕機にて粉砕し、表面処理無機微粒子を得た。得られた表面処理無機微粉体の一覧を表1に示す。
尚、処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子の帯電量は以下のようにして求めた。
平均粒径100 μm のフェライトキャリア49.5g と処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子0.5gを50ccのポリ容器の計量した後、ボールミルにてポリ容器を回転数150rpmで30分回転せしめて得られる試料を0.20〜0.21g を用い、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル社製)にて、吸引圧力は1Kgf/cm2 、窒素ガスの圧力は10Kgf/cm2 の条件にて帯電量を求めた。
帯電量(μC/g )=測定数値(μC )/(試料中の処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子の重量(g )
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例1】
次のようにして、試験用トナーを作成した。
上記材料を高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて予備混合した後、約150 ℃にセットされた2 軸押出機により溶融混練した後、クリプトロン粉砕機(川崎重工社製KTM−1 型)で粉砕し、更に気流分級機(日本ニューマチック社製DS−2型)で約10μm に分級し、母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径10nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(ワッカー社製N20 )0.4 重量部と製造例1の無機微粒子0.1 重量部と平均粒子径約2 μm のチタン酸カルシウム粉2.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き100 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去し、トナーを得た。
【0037】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の複写装置(キャノン社製NP−6062 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.37で地汚れのない複写物が得られた。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.41の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーの発生も認められなかった。
【0038】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.29で地汚れのない複写物が得られた。また、同環境下に、トナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.30で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0039】
また、23℃/50%R.H.の環境にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目の複写物の画像濃度は1.35であり、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーは認められなかった。
【0040】
【実施例2】
次のようにしてトナーを作成した。
上記材料を用い、実施例1と同様にして母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径12nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製200 )0.5 重量部と製造例2の無機微粒子0.3 重量部と平均粒子径約1 μm のタングステンカーバイト粉1.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き150 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去しトナーを得た。
【0041】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の複写装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.38で地汚れのない複写物が得られた。
また、3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.39で地汚れのない複写物が得られた。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0042】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.28で地汚れのない複写物が得られた。また、高温高湿環境下にトナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.31で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0043】
また、23℃/50%R.H.の環境にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目の複写物でも画像濃度1.36が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0044】
【実施例3】
サゾールH1N4の代わりにビスコール660−P (三洋化成社製)を用いる以外は、実施例2と同様にして母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径16nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約130 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製130 )0.6 重量部と製造例3の無機微粒子0.6 重量部と平均粒子径約2 μm のチタン酸ストロンチウム粉3.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き200 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去しトナーを得た。
【0045】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6550 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚複写後でも初期と同様に画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0046】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、高温高湿環境下にトナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.31で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0047】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0048】
【比較例1】
製造例1の無機微粒子の代わりに、製造例4の無機微粒子を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6062 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)環境にて画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度1.35と十分に得られ、地汚れの発生もなかった。また、3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、スリーブメモリーが発生した。
【0049】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.16と低めであったが、地汚れの発生はなかった。但し、高温高湿環境下に、トナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、1.09と画像濃度の低い複写物が得られた。
【0050】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万目の複写物でも画像濃度1.35が得られ、地汚れの発生もなかったが、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、極端なスリーブメモリーによって生じる白スジが発生していた。
【0051】
【比較例2】
製造例2の無機微粒子の代わりに、製造例5の無機微粒子を用いた以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.33の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.34の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、多少のスリーブメモリーが発生していた。
【0052】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.14とかなり低い画像濃度であったが、地汚れの発生はなかったが、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.10の複写物しか得られなかった。
【0053】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.29の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0054】
【実施例4】
製造例3の無機微粒子の代わりに、製造例6の無機微粒子を用いた以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6550 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)環境にて画像テストを行なったところ複写物の画像濃度は1.35であり、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、ごくわずかに認められる程度であった。
【0055】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)環境において、同様に画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度は1.21であり、地汚れの発生もなかったが、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、画像テストをしたところ、画像濃度は1.10であった。
【0056】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。但し、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0057】
【比較例3】
平均一次粒子径約12nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製200 )0.5 重量部の代わりに平均一次粒子径約7nm で窒素吸着法によるBET 比表面積約300 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製300 )0.5 重量部を用いた以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度は1.30であり、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.32の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、多少スリーブメモリーが発生していた。
【0058】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、地汚れの発生はなかったが、1.17とかなり低い画像濃度の複写物が得られた。しかし、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.15の不十分な画像濃度の複写物しか得られなかった。
【0059】
また、23℃/50%R.Hの環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.28の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。但し、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0060】
【発明の効果】
母体トナーに特定のシリコーン化合物とシランカップリング剤で表面処理してなる処理無機微粒子と特定のシリカ微粉体とを添加することによって、繰り返し複写したり、繰り返し印字を行った際にも高い画像濃度を維持し、カブリが発生せず、スリーブメモリーの発生の少なく、また高温高湿の環境及び低温低湿の環境においても画質の安定した複写物を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法等の静電荷像を可視化するために用いる静電トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスとは、光導電現象を利用して感光体上に静電潜像を形成し、トナーを静電気力で静電潜像に付着させて可視像とするプロセスで、感光紙上にトナー画像を直接形成する方法(CPC)と、感光体上に形成したトナー画像を記録紙に転写する方法(PPC)の2種類がある。
電子写真の現像方式には乾式現像法と湿式現像法があり、主な乾式現像法としては、カスケード現像法(米国特許第2221776号明細書)、二成分磁気ブラシ現像法(米国特許第2874063号明細書)、一成分絶縁トナー現像法 (特公昭41−9475号公報)、一成分導電トナー現像法(米国特許第3909258号明細書)、等がある。カスケード現像法は重力を利用して、現像剤を感光体の上に落下させトナーを付着させる方式であるが、現在ではほとんど使われていない。現在、現像方法として主流になっているのは、二成分磁気ブラシ現像法と一成分絶縁トナー現像法である。
【0003】
また、前記現像方法による電子写真の現像法には、潜像電荷と逆極性の電荷を持ったトナーを付着させる正現像法と、感光体上の電荷の抜けた所に感光体上の帯電と同極性に帯電したトナーを付着させる反転現像法の二種類がある。普通紙複写機では主として正現像法が使われているが、プリンターやデジタル複写機においては反転現像法が用いられる。例えば、レーザービームプリンターでは光源に半導体レーザー(発光波長760〜830nm)を用い、光源より発射されたレーザー光をポリゴンミラーで感光体表面に走査し、画像部の電荷を除去し静電潜像を形成する。この方式では光源が非常に小さいため、高い解像度が得られ、またオフィスのOA化に伴い需要が伸びている。
【0004】
二成分磁気ブラシ現像法は、現像剤にトナー粒子とキャリア粒子を混合したものを用い、マグネットローラ上の現像ローラによって、現像剤を搬送し現像する方式で、画質が良く、さらにカラー化が可能といった利点を持っている。
しかし、トナーとキャリアの割合を一定に保つ機構や、現像剤の攪拌機構等が必要なため装置としては大型で複雑になり、トナーのキャリア表面への付着が原因でキャリアの帯電能力が低下するため、長時間使用するとキャリア粒子が劣化してしまい、現像剤の交換が必要となる。また、低温低湿環境においては、トナーが必要以上の電荷を持ってしまう所謂チャージアップ現象を生じてしまう。
【0005】
これに対し、一成分絶縁トナー現像法では、キャリア粒子を用いないため、トナー濃度の制御や攪拌を行う機構が不用となり、装置としては小型化が可能である。また不用になったキャリア等の廃棄物がでない、といった利点もある。
代表的な一成分絶縁トナー現像法としては、トナー同士の摩擦帯電を使うBMT法、スリーブやブレードと摩擦帯電させたり、スリーブにポリウレタンゴム等のブレードを圧接し、スリーブの回転時にブレードとトナーを摩擦帯電させ、磁性トナーを飛翔させるジャンピング現像法等がよく知られている。
【0006】
このうちジャンピング現像法は、現像法としては非接触の現像であり、トナー層と感光体の間に設けられたギャップ間にバイアス電圧をかけてトナーの感光体に対する静電吸引力及びスリーブの回転による遠心力とスリーブの中のマグネットによる磁気吸引力とのバランスでトナーを感光体上に飛翔させて現像を行う現像法であり、非接触の現像法であるため背景部の汚れが少なく、また現像の高速化が可能である、などの特徴を持つ。
しかし、一成分のトナーを用いてジャンピング現像法で現像する場合、トナーの帯電を制御する能力を持つキャリアを用いないため、トナー自体の帯電能力の制御が極めて重要になる。特に、高温高湿の環境におけるジャンピング現像法においては、他の環境と比較して画像濃度が低下し易いという欠点がある。一方、低温低湿環境において、スリーブ上でトナーが良く使用される部分とあまり使用されない部分で濃度差が生じてしまう所謂スリーブメモリーが発生し易い。
【0007】
そこで、ジャンピング現像法のこれらの欠点を解消すべく、現像プロセスにおいても種々の検討がなされている。例えば、スリーブ自体の抵抗を下げることにより、トナーのチャージアップを防止する方法や、スリーブに印加される現像バイアスの波形を非対称型にして現像能力を向上させる等の対策が検討されている。
しかし、何れの方法もそれぞれ種々の欠点を有している。
例えば、スリーブ自体を導電性にした場合には、初期画像濃度、特に高温高湿における初期画像濃度が低下してしまい、現像バイアスを非対称にすると、低温低湿環境にて地汚れを発生し易い。そこで、これらの欠点を解消したトナーへの要求が近年ますます高まっている。
【0008】
一成分、二成分の各々の現像法に適用するトナーは、結着樹脂中に染料、顔料等を分散し、二軸押し出し機等によって溶融混練した後、1〜30μmに粉砕・分級したものが使用されている。
また、トナーの外添剤としては乾式コロイダルシリカなどが使われ、流動性改善に大きく寄与する。流動性が向上することによって、トナーの補給性が改善され、現像剤担持体上にスムーズに現像剤が供給されるため、画像の均一性等の画質が向上する。この他に、トナーのフィルミングを防止したりドラム表面をリフレッシュする効果を持った外添剤が使用される。これらの物質としては、例えば金属の酸化物、炭化物や窒化物等や有機樹脂微粒子等がある。
【0009】
全ての環境において良好な画像を得るためには、トナーに安定した電荷を与えることが必要である。その方法の一つとして、トナーに帯電助剤となる酸化アルミニウムや酸化亜鉛などの金属酸化物を添加し、帯電電荷を補う方法がよくとられている。
しかし、従来の金属酸化物では、あらゆる環境において良好な画像を得ることは難しかった。
【0010】
また、トナーには、所謂荷電制御剤を含有させることが一般的である。
正帯電の荷電制御剤としては、ニグロシン系の染料やトリフェニルメタン系化合物や高級脂肪酸の金属塩あるいは4級アンモニウム塩化合物が良く知られている。
負帯電の荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯体やアルキルサリチル酸の金属錯体または金属塩や4級アンモニウム塩化合物が良く知られている。
これら荷電制御剤は、トナーに電荷を付与する物であるが、これら荷電制御剤だけで、十分な帯電安定性を確保することは難しかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、
1.画像濃度が低下せず、カブリ現象を引き起こさない、
2.高温高湿の環境及び低温低湿の環境においても安定した画像が得られ、
3.スリーブメモリーの発生の少ない、静電荷像現像用磁性トナーを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、母体トナーに特定の無機微粉体とシリカ微粉体を添加することによって、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、第1の発明は、結着樹脂及び磁性粉を含有する母体トナーと、下記一般式1で示されるシリコーン化合物及びシランカップリング剤で処理されてなる窒素吸着法によるBET 比表面積が20〜100 m2 /gである処理無機微粒子と、窒素吸着法によるBET 比表面積が100 〜250 m2 /gであるシリカ微粉体とを含有することを特徴とする静電荷像現像用磁性トナーである。
【0013】
【化2】
【0014】
第2の発明は、処理無機微粒子が、100 重量部のアルミナを5 〜40重量部のシリコーン化合物及び10〜40重量部のシランカップリング剤で処理してなり、処理後のメタノール滴定法による疎水化度が40〜80%であることを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0015】
第3の発明は、負帯電性であることを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0016】
第4の発明は、母体トナーが、機械式粉砕機により微粉砕されてなることを特徴とする第1ないし第3の発明いずれか記載の静電荷像現像用磁性トナーである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレンビニルトルエン共重合体、等のスチレン及びその置換体の単独重合体及びそれらの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸nブチル共重合体等のスチレンとアクリル酸エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸nブチル共重合体等のスチレンとメタクリルエステルとの共重合体;スチレンとアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重合体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリルニトリルインデン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等のスチレンと他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等が単独又は混合して使用できる。
【0018】
本発明において用いられる磁性粉としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属又はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が使用でき、平均粒径0.1 〜0.7 μ程度の大きさのものが好ましい。
また、これら磁性粉は、結着樹脂100 重量部に対して50〜100 重量部含有されることが好ましい。50重量部未満では、マグネットに対する着磁力が弱いため、飛散してしまい易く、100 重量部を越えると、マグネットに対する着磁力が強すぎるため、感光体に対する静電吸引力を強くしても画像濃度が低くなり、好ましくない。
また、本発明においては、他の染料及び顔料を使用することが可能であり、これらの染料及び顔料としては、例えば、カーボンブラック、アゾ染料及び顔料、フタロシアニン骨格を有する顔料等を単独或いは混合して併用することが可能である。
【0019】
本発明においては、従来公知の荷電制御剤が使用可能である。
負帯電性の荷電制御剤としては、含金属モノアゾ染料、アルキルサリチル酸の金属錯体または金属塩、アルキルサリチル酸含有化合物、カリックス−n−アレン化合物、ジアリルアルキルアンモニウムクロライドのカウンターアニオンの一部または全てを置換した重合体等が挙げられる。
また、本発明のトナーは、負帯電性トナーであることが好ましく、必要に応じて正の荷電制御剤と併用することも可能である。正荷電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料及びこれをレーキ化した顔料、4級アンモニウム塩等がある。
【0020】
本発明における母体トナーは、常法に従い得ることができる。
例えば、上記結着樹脂、磁性粉、及び必要に応じて上記荷電制御剤とを所望の割合で混合し、ニーダー、エクストルーダー等により溶融・混練し、冷却した後、ジェットミル等の手段で粉砕し、得られた粉砕物を風力式分級機で分級することにより得ることができる。特に川崎重工社製のクリプトン粉砕機等の機械式粉砕機によって微粉砕することが好ましい。
【0021】
次に、本発明において用いられる外添剤である処理無機微粒子及びシリカ微粉体について説明する。
本発明において用いられる処理無機微粒子は、無機微粒子の表面を下記一般式1で示されるシリコーン化合物とシランカップリング剤で処理されたものである。
【0022】
【化3】
【0023】
無機微粒子の表面を疎水すべく、シリコーンオイル又はシリコーンワニスで無機微粉体の表面を処理することは従来より知られているが、係る処理によってトナーの帯電性を制御することは殆どできなかった。
本発明においては、処理剤として、上記一般式1で示されるようにSiとCの間に必ずOを介する特定のシリコーン化合物を用いることで、トナーの帯電性を制御する機能、殊に負に帯電せしめる機能が飛躍的に向上した。特にR1 〜R6 の全てが炭素数1であるメトキシ基であること場合にその効果が顕著である。
【0024】
一般にシリカ微粒子はかなり大きな負(約−200〜500 μC/g 程度)の帯電性を示す。一方、シリカ微粒子以外の無機微粒子の殆どの帯電性は、ニュートラルに近い(ほぼ±10μC/g 程度)。
このため、シリカ微粒子以外の無機微粒子を負帯電性トナーに使用した場合には、帯電量が低下してしまい、地汚れの発生や飛散等の問題が発生した。逆に、シリカ微粒子を負帯電性トナーに使用した場合には、地汚れや飛散は抑えられるものの、チャージアップの問題が発生した。
これに対し、一般式1で示されるシリコーン化合物は、前述したようにその骨格中に多量のSi−O結合を有しており、その表面は擬似的にシリカ微粒子と類似の構造を呈するため、母体トナーに添加するとトナー全体を負に帯電させ易くなるものと考えられる。
【0025】
本発明において処理無機粒子の基材となる無機粒子としては、シリカ以外の無機粒子、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、特に比重の軽いアルミナ好ましい。
また、本発明においては、基材となる無機粒子100 重量部を5 〜40重量部の前述の一般式1で示されるシリコーン化合物で処理することが好ましい。5 重量部よりも少ない場合は、帯電性制御機能が低下する傾向にあり、40重量部よりも多い場合は、添加量増量に伴う効果が小さく、逆にコスト高となるため、好ましくない。
【0026】
一般式1で示されるこれらシリコーン化合物は、帯電制御助剤としての効果はあるが、その構造からも明らかな様に表面疎水化剤としては効果がない。このため、例えば高温高湿等の環境で、急激に能力が低下してしまう。この問題を解決すべく、本発明おいて用いられる外添剤は、一般式1で示されるシリコーン化合物だけではなく、さらにシランッカップリング剤で表面を疎水化処理する必要がある。
本発明おいて処理に用いられるシランカップリング剤は、例えば下記一般式2で示される。
(一般式2)
RmSiYn
(式中Rはアルコキシ基または塩素原子を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基を示し、m,nは1〜3の整数を示す。但し、m+n=4。)
一般式2で示される化合物としては、例えばジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等が挙げられる。
【0027】
これらのシランカップリング剤処10〜40重量部で、基材100 重量部を処理することが好ましい。10重量部よりも少ない場合には、疎水性が不足し易く、40重量部よりも多い場合には、凝集の発生し易くなる。
【0028】
処理後の無機微粒子は、メタノール滴定法による疎水化度が、40〜80%であることが好ましく、より好ましくは45〜75%である。疎水化度が80%を越える場合には、無機微粒子の表面を疎水化処理剤で覆ってしまうため、本発明の目的である帯電制御助剤としての効果が極端に低下するため好ましくない。また、40%よりも少ない場合には、疎水化処理の効果が少なく好ましくない。
【0029】
本発明に用いられる処理無機微粒子は、BET 比表面積が50〜200 m2 /g 程度の基材に対し上述のような処理を加えたものであり、表面処理後のBET 比表面積は20〜100 m2 /g であることが重要である。比表面積が20m2 /g よりも小さくなる場合には、凝集が急激に増加する。一方、100 m2 /g よりも大きくなる場合には、表面処理が均一に行なわれていない。
【0030】
本発明においては、外添剤として上記したように処理無機微粒子とシリカ微粉体とを併用することが必要である。
本発明において用いられるシリカ微粉体としては、平均一次粒子径10〜30nmのものが好ましく、従来公知の物が使用可能であるが、正帯電性を示すシリカ微粉体は、本発明においては好ましくない。また、本発明においては、併用される処理無機微粉体が疎水化処理されているため、コストの面からは表面を疎水化処理していないシリカ微粉体がより好ましい。
また、シリカ微粉体はBET 比表面積が100 〜250 m2 /gであることが重要である。BET 比表面積が100 m2 /gよりも小さい場合には、トナーに含有させても流動性向上剤としての効果がなく、BET 比表面積が250 m2 /gよりも大きい場合には、環境による安定性が急激に低下するため好ましくない。
【0031】
シリカ微粉体は、従来トナーの流動性向上剤として使用されてきたが、ジャンピング現像法においては、帯電制御助剤としても使用し得るものであった。そこで、トナーに電荷を付与すべく大量にシリカ微粉体を添加すると、低温低湿環境においてトナーの帯電性が向上するために、スリーブメモリーが発生してしまう。逆に、シリカ微粉体を少量しか添加しないと、流動性の低下や帯電不足による弊害により、高温高湿環境において画像濃度が低下してしまう。
即ち、シリカ微粉体は、大きく負に帯電する傾向にある。このため、帯電が上昇し始めると、画像欠損を生じるようなかなり高い帯電量まで上昇してしまう。逆に、帯電が低下する場合には、もともとの帯電量が高いため、少しの低下率でも絶対値としては大きく変化してしまうため、帯電量の変化としては大きくなってしまう。
一方、処理無機微粒子は、上記したように帯電制御剤としての機能をも有する得ため、基材に対する処理量を調節したり、母体トナーに対する添加量を調節したりしつつ、係る処理無機微粒子をシリカ微粉体と併用することによって、シリカ微粉体を単独で使用した場合の急激な帯電量の上下動を抑制し、カブリやスリーブメモリーの発生を効果的に防止できるようになったものと考えられる。
例えば、シリカ微粉体のみでは、帯電が上昇してしまう場合でも、処理無機微粉体を併用することで、帯電の上昇を抑止することができ、逆に帯電が低下する場合でも必要な帯電を保持することが可能となる。
【0032】
また、本発明においては、発明の効果を損ねない範囲で他の添加剤を併用することが可能である。使用可能な添加剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸塩やポリメチルメタクリレート樹脂微粒子、ポリフッ化ビニリデン樹脂微粒子等の有機樹脂微粒子やWC、SiC、TiC、SiN等の非酸化物系粉体や酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化珪素、アルミノシリケート、マグネタイト、フェライト等の酸化物系粉体をそれぞれ単体または混合して用いることが好ましい。
また、本発明の添加剤のみでは、感光体の表面研磨能力に欠ける場合があるため、研磨能力を有する非酸化物系粉体または/及び酸化物系粉体と併用することが、より好ましい。
【0033】
本発明のトナーは、上記母体トナーと処理無機微粒子及びシリカ微粒子を含有するものであり、トナー100 重量部に対して、処理無機微粒子及びシリカ微粒子をそれぞれ0.05〜2.0 重量部添加することが好ましい。0.05重量部よりも少ない場合には、その効果は十分には得られず、2.0 重量部よりも多い場合には、その添加量による効果が少なく、逆にコスト高となるため好ましくない。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明を何等限定するものではない。
処理無機粒子製造例1〜6
以下の方法により、処理無機微粒子を製造した。
BET 比表面積約102 m2 /g のアルミナ約500gを、水とメタノールが1:1 の比率である分散液中に投入する。分散機により約10分間撹拌した後、表1に示す処理量を確保すべく所定量のメチルシリケート溶液(R1 〜R6 が全てメトキシ基であるシリコーン化合物、濃度20重量%溶液)を投入し、表面処理を行なう。
その後、表1に示す処理量を確保すべく所定量のデシルメトキシシラン溶液(濃度20重量% 溶液)を投入し、表面処理を行なう。
次いで、減圧乾燥し、水とアルコールを除去する。得られた粉体を粉砕機にて粉砕し、表面処理無機微粒子を得た。得られた表面処理無機微粉体の一覧を表1に示す。
尚、処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子の帯電量は以下のようにして求めた。
平均粒径100 μm のフェライトキャリア49.5g と処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子0.5gを50ccのポリ容器の計量した後、ボールミルにてポリ容器を回転数150rpmで30分回転せしめて得られる試料を0.20〜0.21g を用い、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル社製)にて、吸引圧力は1Kgf/cm2 、窒素ガスの圧力は10Kgf/cm2 の条件にて帯電量を求めた。
帯電量(μC/g )=測定数値(μC )/(試料中の処理無機微粒子又は未処理の無機微粒子の重量(g )
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例1】
次のようにして、試験用トナーを作成した。
上記材料を高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて予備混合した後、約150 ℃にセットされた2 軸押出機により溶融混練した後、クリプトロン粉砕機(川崎重工社製KTM−1 型)で粉砕し、更に気流分級機(日本ニューマチック社製DS−2型)で約10μm に分級し、母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径10nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(ワッカー社製N20 )0.4 重量部と製造例1の無機微粒子0.1 重量部と平均粒子径約2 μm のチタン酸カルシウム粉2.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き100 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去し、トナーを得た。
【0037】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の複写装置(キャノン社製NP−6062 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.37で地汚れのない複写物が得られた。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.41の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーの発生も認められなかった。
【0038】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.29で地汚れのない複写物が得られた。また、同環境下に、トナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.30で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0039】
また、23℃/50%R.H.の環境にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目の複写物の画像濃度は1.35であり、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーは認められなかった。
【0040】
【実施例2】
次のようにしてトナーを作成した。
上記材料を用い、実施例1と同様にして母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径12nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製200 )0.5 重量部と製造例2の無機微粒子0.3 重量部と平均粒子径約1 μm のタングステンカーバイト粉1.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き150 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去しトナーを得た。
【0041】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の複写装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.38で地汚れのない複写物が得られた。
また、3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.39で地汚れのない複写物が得られた。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0042】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.28で地汚れのない複写物が得られた。また、高温高湿環境下にトナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.31で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0043】
また、23℃/50%R.H.の環境にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目の複写物でも画像濃度1.36が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0044】
【実施例3】
サゾールH1N4の代わりにビスコール660−P (三洋化成社製)を用いる以外は、実施例2と同様にして母体トナーを得た。
得られた母体トナー100 重量部に対して、平均一次粒子径16nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約130 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製130 )0.6 重量部と製造例3の無機微粒子0.6 重量部と平均粒子径約2 μm のチタン酸ストロンチウム粉3.0 重量部を添加し、高速回転翼を有する混合機(三井鉱山社製ヘンシェルミキサー)にて混合した後、目開き200 メッシュの篩をセットした振動篩にて凝集物を除去しトナーを得た。
【0045】
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6550 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚複写後でも初期と同様に画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0046】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、高温高湿環境下にトナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.31で地汚れのない満足できる複写物が得られた。
【0047】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーも認められなかった。
【0048】
【比較例1】
製造例1の無機微粒子の代わりに、製造例4の無機微粒子を用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6062 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)環境にて画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度1.35と十分に得られ、地汚れの発生もなかった。また、3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同様に画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、スリーブメモリーが発生した。
【0049】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.16と低めであったが、地汚れの発生はなかった。但し、高温高湿環境下に、トナーを一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、1.09と画像濃度の低い複写物が得られた。
【0050】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万目の複写物でも画像濃度1.35が得られ、地汚れの発生もなかったが、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、極端なスリーブメモリーによって生じる白スジが発生していた。
【0051】
【比較例2】
製造例2の無機微粒子の代わりに、製造例5の無機微粒子を用いた以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、画像濃度1.33の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.34の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、多少のスリーブメモリーが発生していた。
【0052】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、画像濃度1.14とかなり低い画像濃度であったが、地汚れの発生はなかったが、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.10の複写物しか得られなかった。
【0053】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.29の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0054】
【実施例4】
製造例3の無機微粒子の代わりに、製造例6の無機微粒子を用いた以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製NP−6550 )にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)環境にて画像テストを行なったところ複写物の画像濃度は1.35であり、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下にて3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.36の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。また、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、ごくわずかに認められる程度であった。
【0055】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)環境において、同様に画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度は1.21であり、地汚れの発生もなかったが、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、画像テストをしたところ、画像濃度は1.10であった。
【0056】
また、23℃/50%R.H.の環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.35の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。但し、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0057】
【比較例3】
平均一次粒子径約12nmで窒素吸着法によるBET 比表面積約200 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製200 )0.5 重量部の代わりに平均一次粒子径約7nm で窒素吸着法によるBET 比表面積約300 m2 /gである乾式シリカ微粉体(日本アエロジル社製300 )0.5 重量部を用いた以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーを市販の負帯電性磁性一成分用の装置(キャノン社製GP−55F)にセットし、低温低湿(10℃/25%R.H.)の環境にて画像テストを行なったところ、複写物の画像濃度は1.30であり、地汚れの発生もなかった。
また、同環境下で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも初期と同等の画像濃度1.32の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。しかし、耐刷テスト中にスリーブメモリーの確認を行なったところ、多少スリーブメモリーが発生していた。
【0058】
さらに、高温高湿(30℃/80%R.H.)の環境において、同様に画像テストを行なったところ、地汚れの発生はなかったが、1.17とかなり低い画像濃度の複写物が得られた。しかし、高温高湿環境下に一晩(約15時間)静置した後、同環境下で画像テストをしたところ、画像濃度1.15の不十分な画像濃度の複写物しか得られなかった。
【0059】
また、23℃/50%R.Hの環境で3万枚の耐刷テストを行なったところ、3万枚目でも画像濃度1.28の複写物が得られ、地汚れの発生もなかった。但し、耐刷テスト中にスリーブメモリーを確認したところ、わずかに認められる程度であった。
【0060】
【発明の効果】
母体トナーに特定のシリコーン化合物とシランカップリング剤で表面処理してなる処理無機微粒子と特定のシリカ微粉体とを添加することによって、繰り返し複写したり、繰り返し印字を行った際にも高い画像濃度を維持し、カブリが発生せず、スリーブメモリーの発生の少なく、また高温高湿の環境及び低温低湿の環境においても画質の安定した複写物を得ることができる。
Claims (4)
- 処理無機微粒子が、100 重量部のアルミナを5 〜40重量部のシリコーン化合物及び10〜40重量部のシランカップリング剤で処理してなり、処理後のメタノール滴定法による疎水化度が40〜80%であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- 負帯電性であることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用磁性トナー。
- 母体トナーが、機械式粉砕機により微粉砕されてなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の静電荷像現像用磁性トナー。
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