JP2009210425A - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンから排出される排気ガス中の特定ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置に関し、ガス濃度検知セルの電極の酸化による影響を排除して、ガス濃度を高精度に検出する。
【解決手段】酸素ポンプセル2により余剰酸素を排出した後にNOxセンサセル4によりNOx濃度を検出するNOx濃度検出装置において、NOxセンサセル4のセル出力に変曲点が現れる時期を特定する(ステップ200)。第1検出電極42の酸化状態の相関値Kを取得する(ステップ206)。NOxセンサセル4のセル出力を取得する(ステップ208)。相関値Kに基づいて、第1検出電極42から脱離する酸素が前記セル出力に与える影響を補正する(ステップ210〜212)。
【選択図】図10

Description

この発明は、ガス濃度検出装置に係り、特に、エンジンから排出される排気ガス中の特定ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置に関する。
従来、例えば、特開2000−137018号公報に開示されているように、排ガス中の酸素濃度を検出するためのポンプセルと、排ガス中のNOx濃度を検出するためのセンサセルとを有するガス濃度センサを用いたガス濃度検出装置が提案されている。この装置では、ポンプセルが被検出ガス中の余剰酸素を排出し、センサセルが余剰酸素排出後のガス中のNOx濃度を検出する仕組みになっている。
また、上記従来のガス濃度検出装置では、ポンプセルが被検出ガス中の余剰酸素を排出することにより、被検出ガスの酸素濃度が変化したときに、ポンプセルに流れる電流値に基づいて、センサセルに流れる電流値を補正することとしている。これにより、被検出ガス中の酸素濃度が変化しても、これに追従してNOx濃度が不用意に変化してしまう事態を回避することができる。
特開2000−137018号公報 特開2002−116180号公報 特開2001−74692号公報 特開2000−171436号公報 特開2001−141696号公報
ガス濃度検知セルを流れる電流値は、酸素ポンプセルによる余剰酸素の排出による影響の他に、ガス濃度検知セルの電極の酸化状態によっても変化する。すなわち、ガス濃度検知セルの電極は、内燃機関が停止されて放置状態となると、被測定ガス中の酸素を吸着して酸化する。この電極と化合した酸素は、ガス濃度検知セルへの通電開始後、所定条件の成立により還元されて脱離する。このため、この脱離した酸素によってもガス濃度検知セルに電流が流れてしまい、被測定ガス中の特定ガスの濃度を精度よく検出することができないおそれがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガス濃度検知セルの電極の酸化による影響を排除して、ガス濃度を高精度に検出することのできるガス濃度検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ガス濃度検出装置であって、
被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後の被測定ガスに晒されるガス側電極と、大気に晒される大気側電極と、前記ガス側電極と前記大気側電極との間に介在して、両者間で酸素イオンの移動を可能とする電解質層と、を有するガス濃度検知セルと、
前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ前記余剰酸素除去手段の実行中に、前記ガス濃度検知セルのセル出力に変曲点が現れる時期を特定する変曲点特定手段と、
前記変曲点が現れた以後の前記セル出力に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、
前記ガス側電極の酸化状態を推定する酸化状態推定手段と、
前記酸化状態に基づいて、前記ガス側電極から還元された酸素が前記セル出力に与える影響を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
内燃機関の運転状態に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を推定するガス濃度推定手段を更に備え、
前記補正手段は、前記ガス濃度検出手段により検出された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点検出濃度)、前記ガス濃度推定手段により推定された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点推定濃度)、および前記酸化状態に基づいて、前記セル出力を補正することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記補正手段は、前記変曲点検出濃度と前記変曲点推定濃度との偏差に前記酸化状態および前記変曲点からの経過時間の影響を反映させた補正値を演算する補正値演算手段を含み、前記セル出力から前記補正値を減ずることにより、前記セル出力を補正することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記補正値演算手段は、前記経過時間が長いほど、前記補正値が小さくなるように演算
することを特徴とする。
第5の発明は、第3または第4の発明において、
前記補正値演算手段は、前記酸化状態が高いほど、前記補正値が大きくなるように演算
することを特徴とする請求項3または4記載のガス濃度検出装置。
第6の発明は、第3乃至第5のいずれか1つの発明において、
前記ガス側電極の酸化による影響が重畳していないセル出力を前記ガス濃度検知セルが検知する時期(以下、安定時期)を推定する安定時期推定手段と、
前記安定時期の前記セル出力に対する、前記補正手段の実行を禁止する禁止手段と、
を更に備えることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、
前記安定時期推定手段は、前記補正値が0以下となる時期を前記安定時期として推定することを特徴とする請求項6記載のガス濃度検出装置。
第8の発明は、第1乃至第7の何れか1つの発明において、
前記酸化状態推定手段は、前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間が長いほど、酸化状態を高く推定することを特徴とする。
第9の発明は、第1乃至第8の何れか1つの発明において、
前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間における、前記セル出力の積算値を演算する積算値演算手段を更に備え、
前記酸化状態推定手段は、前記積算値が大きいほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする
第10の発明は、第1乃至第9の何れか1つの発明において、
前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止時における、前記被測定ガスの空燃比を取得する空燃比取得手段を含み、前記空燃比がリーンであるほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする。
第11の発明は、第1乃至第10の何れか1つの発明において、
前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止から今回の始動までの放置時間を取得する放置時間取得手段を含み、前記放置時間が長いほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする。
第12の発明は、第1乃至第11の何れか1つの発明において、
内燃機関の停止中における前記ガス側電極の酸化を抑制する酸化抑制手段を更に備えることを特徴とする。
第13の発明は、第12の発明において、
前記酸化抑制手段は、内燃機関の停止時における空燃比をリッチに制御することを特徴とする。
第14の発明は、第1乃至第13の何れか1つの発明において、
前記余剰酸素除去手段は、酸素ポンプセルを含み、前記酸素ポンプセルへの電圧の印加に伴って、被測定ガス中の余剰酸素を排出することを特徴とする。
第15の発明は、第1乃至第14の何れか1つの発明において、
前記変曲点特定手段は、前記所定時間毎に前記セル出力の変化量を算出する変化量算出手段を含み、前記変化量と基準値との比較結果に基づいて、前記変曲点が現れる時期を特定することを特徴とする。
ガス濃度検知セルのセル出力に変曲点が現れる時期は、余剰酸素除去手段により、被測定ガス中に残存する余剰酸素がガス濃度検知セルのセル出力に影響を与えない程度まで除去された時期を示している。つまり、変曲点が現れた後は、ガス濃度検知セルのセル出力から残存する余剰酸素の影響が排除されている。ここで、ガス濃度検出装置が搭載された内燃機関が停止されて放置状態となると、ガス濃度検知セルのガス側電極は、被測定ガス中の酸素を吸着して酸化する。このガス側電極と化合した酸素は、ガス濃度検知セルへの通電開始後、所定条件の成立により還元されて脱離する。このため、脱離した酸素の影響がガス濃度検知セルのセル出力に重畳してしまい、セル出力に変曲点が現れた後であっても、特定ガス濃度を精度よく検出できないおそれがある。
第1の発明によれば、ガス濃度検知セルのガス側電極の酸化状態が推定される。そして、当該酸化状態に基づいて、前記ガス側電極から還元されて脱離した酸素がセル出力に与える影響が補正される。このため、本発明によれば、ガス側電極の酸化の影響を排除して、被測定ガス中の特定ガス濃度を精度よく検出することができる。
第2の発明によれば、ガス濃度検出手段により検出された変曲点におけるガス濃度(変曲点検出濃度)、内燃機関の運転状態に基づいて推定された、変曲点における特定ガス成分のガス濃度(変曲点推定濃度)、およびガス側電極の酸化状態に基づいて、ガス濃度検知セルのセル出力が補正される。変曲点が現れる時期は、ガス濃度検出セルのセル出力から被測定ガス中に残存する余剰酸素の影響が無くなる時期である。このため、本発明によれば、変曲点検出濃度と変曲点推定濃度との比較、すなわち、被測定ガス中に残存する余剰酸素の影響を排除した上での濃度比較に基づいて、ガス濃度検知セルのセル出力が補正されるので、被測定ガス中の特定ガス濃度を精度よく検出することができる。
第3の発明によれば、変曲点検出濃度と変曲点推定濃度との偏差に、ガス側電極の酸化状態および変曲点が現れてからの経過時間を反映した補正値が演算される。そして、ガス濃度検知セルのセル出力から当該補正値を減ずることにより、セル出力が補正される。このため、本発明によれば、酸化状態を反映したセル出力補正を行うことができるので、酸化反応によりガス側電極と化合していた酸素がセル出力に与える影響を、効果的に補正することができる。
第4の発明によれば、補正値は、変曲点が現れてからの経過時間が長いほど小さくなるように演算される。経過時間が長いほど、ガス側電極の酸化による影響、すなわち、当該ガス側電極から脱離した酸素の影響は小さくなる。このため、本発明によれば、ガス側電極の酸化による影響を効果的に排除するための補正値を演算することができる。
第5の発明によれば、補正値は、酸化状態が高いほど大きくなるように演算される。ガス側電極の酸化状態が高いほど、ガス側電極の酸化による影響、すなわち、当該ガス側電極から脱離した酸素の影響は大きくなる。このため、本発明によれば、ガス側電極の酸化による影響を効果的に排除するための補正値を演算することができる。
第6の発明によれば、ガス側電極の酸化による影響が重畳していないセル出力をガス濃度検知セルが検知する時期(安定時期)が推定されて、該安定時期のセル出力に対する補正が禁止される。このため、本発明によれば、不要な補正が実行されてセル出力に誤差が生じる事態を効果的に回避することができる。
第7の発明によれば、補正値が0以下となる時期が安定時期として推定される。補正値は、ガス濃度検知セルが検知するセル出力のうち、ガス側電極の酸化の影響による出力分を示している。このため、本発明によれば、当該補正値に基づいて、安定時期を精度よく推定することができる。
第8の発明によれば、ガス側電極の酸化状態は、ガス濃度検知セルへの通電を開始してからセル出力の変曲点が現れるまでの時間(以下、「変曲点到達時間」と称する)が長いほど高く推定される。ここで、変曲点到達時間が長いほど、通電前の被測定ガス中の残存酸素が多量であったと判断できる。通電前の残存酸素が多量であるほど、すなわち、通電前にガス側電極が多量の酸素に晒されるほど、ガス側電極の酸化状態は高くなる。このため、本発明によれば、変曲点到達時間に基づいて、ガス側電極の酸化状態を高精度に推定することができる。
第9の発明によれば、変曲点到達時間におけるガス濃度検知セルのセル出力の積算値が演算される。そして、当該積算値が大きいほど、ガス側電極の酸化状態が高く推定される。ここで、セル出力の積算値が大きいほど、すなわち、ガス濃度検知セルにおける酸素のポンピングが活発に行われているほど、通電前の被測定ガス中の残存酸素が多量であったと判断できる。通電前の残存酸素が多量であるほど、すなわち、通電前にガス側電極が多量の酸素に晒されるほど、ガス側電極の酸化状態は高くなる。このため、本発明によれば、変曲点到達時間におけるセンサ出力の積算値に基づいて、ガス側電極の酸化状態を高精度に推定することができる。
第10の発明によれば、内燃機関の停止時における被測定ガスの空燃比が取得される。そして、当該空燃比がリーンであるほど、ガス側電極の酸化状態が高く推定される。ここで、被測定ガスの空燃比がリーンであるほど、すなわち、内燃機関の停止中におけるガス側電極の周囲の酸素濃度が高いほど、ガス側電極の酸化状態は高くなる。このため、本発明によれば、内燃機関の停止時における被測定ガスの空燃比に基づいて、ガス側電極の酸化状態を高精度に推定することができる。
第11の発明によれば、内燃機関の前回の停止から今回の始動までの放置時間が取得される。そして、当該放置時間が長いほど、ガス側電極の酸化状態が高く推定される。ここで、放置時間が長いほど、すなわち、ガス側電極が酸化反応に要する時間が長いほど、ガス側電極の酸化状態は高くなる。このため、本発明によれば、放置時間に基づいて、ガス側電極の酸化状態を高精度に推定することができる。
ガス側電極の酸化状態が高いほど、ガス濃度検知セルによる濃度検出の精度向上の妨げとなる。第12の発明によれば、内燃機関の停止中におけるガス側電極の酸化反応が抑制されるので、ガス側電極の酸化がセル出力に与える影響を最小限に留めることができる
第13の発明によれば、内燃機関の停止時の空燃比がリッチに制御される。このため、本発明によれば、被測定ガスの酸素濃度を低下させることができるので、内燃機関の停止中におけるガス側電極の酸化を効果的に抑制することができる。
第14の発明によれば、酸素ポンプセルに電圧を印加することにより、被測定ガス中の余剰酸素を排出することができる。
第15の発明によれば、所定時間毎にガス濃度検知セルのセル出力の変化量が算出され、算出された変化量と基準値との比較結果に基づいて、変曲点が特定される。このため、本発明によれば、ガス濃度検知セルにより特定ガス成分の濃度を精度よく検出し始める時期を的確に取得することができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
先ず、図1を参照して、本実施の形態1に係るガス濃度検出装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係るガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。図1に示すガス濃度検出装置10は、例えば、内燃機関(エンジン)から排出された排ガス中の窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するNOx濃度検出装置である。
ガス濃度検出装置10は、NOxセンサ1を有している。NOxセンサ1は、酸素ポンプセル2の下方に、スペーサ3、NOxセンサセル4、スペーサ5、ヒータ6を順次積層することにより形成されている。
酸素ポンプセル2は、被測定ガス中の余剰酸素を除去する機能を有し、固体電解質体21と、該固体電解質体21を挟むように配置された第1ポンプ電極22および第2ポンプ電極23を有している。素子である固体電解質体21は、酸素イオン導電性を有しており、例えば、シート状に成形されたZrO,HfO,ThO,BiO等が使用される。この固体電解質体21を挟むように配置された第1ポンプ電極22および第2ポンプ電極23は、例えば、スクリーン印刷等の方法により形成することができる。
固体電解質体21の表面に形成された第1ポンプ電極22は、被測定ガスである排ガスが存在する空間、すなわち、エンジンの排気通路内に露出している。第1ポンプ電極22としては、例えば、Pt等の貴金属を含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
一方、第1ポンプ電極22と対向するように固体電解質体21の背面に形成された第2ポンプ電極23は、後述する第1内部空間31に露出している。第2ポンプ電極23としては、NOxを含むガスに対して不活性な電極、例えば、Pt−Au合金とジルコニアやアルミナ等のセラミックスとを含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
酸素ポンプセル2には、固体電解質体21、第1ポンプ電極22、および第2ポンプ電極23を貫通する導入孔としてのピンホール24が形成されている。ピンホール24の孔径は、ピンホール24を介して、後述する第1内部空間31に導入される排ガスの拡散速度が所定速度となるように設計されている。第1内部空間31は、ピンホール24と後述する多孔質保護層7とを介して、被測定ガスが存在する空間に連通している。
また、固体電解質体21の第1ポンプ電極22側には、ピンホール24を含む第1ポンプ電極22の表面とその周辺を覆うように、多孔質保護層7が形成されている。多孔質保護層7は、例えば、多孔質アルミナ等により形成することができる。この多孔質保護層7により、第1ポンプ電極22の被毒を防止することができるとともに、排ガスに含まれるスス等によるピンホール24の目詰まりを防止することができる。
スペーサ3には、上述した第1内部空間31と、第2内部空間32とが形成されている。スペーサ3は、例えば、アルミナ等により形成することができる。2つの内部空間31,32は連通孔33を介して連通している。これらの第1内部空間31、第2内部空間32、および連通孔33は、スペーサ3に抜き穴を設けることにより形成することができる。
NOxセンサセル4は、NOxの還元分解により生じる酸素量からNOx濃度を検出するものである。NOxセンサセル4は、固体電解質体41と、該固体電解質体41を挟むように配置された第1検出電極42および第2検出電極43を有している。第1検出電極42および第2検出電極43は、例えば、スクリーン印刷等の方法により形成することができる。
固体電解質体41の表面に形成された第1検出電極42は、第2内部空間32に露出している。この第1検出電極42としては、例えば、Pt−Au合金とジルコニアやアルミナ等のセラミックスとを含む多孔質サーメット電極を用いることができる。
一方、第1検出電極42と対向するように、固体電解質体41の背面に形成された第2検出電極43は、スペーサ5に形成された大気ダクト51に露出している。大気ダクト51には、大気が導入される。この第2検出電極43としては、例えば、Pt等の貴金属を含む多孔質サーメット電極を用いることができる。大気ダクト51は、スペーサ5に切り欠きを設けることにより形成することができる。
ヒータ6は、シート状の絶縁層62,63と、これらの絶縁層62,63の間に埋設されたヒータ電極61とを有している。絶縁層62,63は、例えば、アルミナ等のセラミックスにより形成される。ヒータ電極61は、例えば、Ptとアルミナ等のセラミックスとのサーメットにより形成される。
本実施の形態1におけるガス濃度検出装置10は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)8を備えている。ECU8は、ポンプセル制御手段81と、センサセル制御手段82と、ヒータ制御手段83と、を有している。尚、ECU8は、エンジン制御用ECUと別個に構成されていてもよく、また、エンジン制御ECUの一部として構成されていてもよい。
ポンプセル制御手段81は、酸素ポンプセル2における第1ポンプ電極22および第2ポンプ電極23に接続されている。ポンプセル制御手段81は、第1ポンプ電極22と第2ポンプ電極23との間に電圧を印加するとともに、酸素ポンプセル2に流れる電流値を「酸素ポンプセル出力」として検出する。
センサセル制御手段82は、NOxセンサセル4における第1検出電極42および第2検出電極43に接続されている。センサセル制御手段82は、第1検出電極42と第2検出電極43との間に電圧を印加するとともに、NOxセンサセル4に流れる電流値を「NOxセンサセル出力」として検出する。
ヒータ制御手段83は、ヒータ電極61に接続されている。ヒータ制御手段83は、ヒータ電極61に電力を供給するものである。
[実施の形態1の動作]
(NOx濃度の検出原理)
次に、図1を参照して、ガス濃度検出装置10によるNOx濃度の検出原理について説明する。保護層7の周囲の空間には、エンジンの排気通路を流れる被測定ガスとしての排ガスが存在している。この排ガス中には、O、NOx、CO、HO等が含まれている。排ガスは、多孔質保護層7とピンホール24とを介して、第1内部空間31に導入される。この第1内部空間31に導入される排ガス量は、多孔質保護層7およびピンホール24の拡散抵抗により決定される。
NOx濃度の検出に先立って、先ず、ヒータ制御手段83からヒータ電極61に電力が供給されて、固体電解質体21,41が活性温度に加熱される。次に、酸素ポンプセル2における活性が発現し、ポンプセル制御手段81から第1ポンプ電極22と第2ポンプ電極23との間に電圧が印加されると、第1内部空間31に露出する第2ポンプ電極23上で、残存酸素と排ガス中の酸素が酸素イオンO2−に還元される。この酸素イオンO2−は、ポンピング作用により、固体電解質体21を透過して第1ポンプ電極22側に排出される。このとき、酸素ポンプセル2を流れる電流値が、酸素ポンプセル出力としてポンプセル制御手段81により検出される。酸素ポンプセル2により余剰酸素が排出されることで、排ガス中の酸素濃度がNOxセンサセル4によるNOx濃度検出に影響しない程度にまで低くされる。尚、第1ポンプ電極22と第2ポンプ電極23との間の印加電圧をできる限り大きくすることで、酸素イオンO2−のポンピング作用をより活発にして酸素排出量を増大させることができる。
余剰酸素が除去され低酸素濃度にされた排ガスは、連通孔33を介して第2内部空間32へ導入される。NOxセンサセル4における活性が発現し、センサセル制御手段82により第1検出電極42と第2検出電極43との間に電圧が印加されると、排ガス中の特定成分であるNOxが第1検出電極42上で分解されて、酸素イオンO2−が発生する。より具体的には、NOxは、一端NOに分解(単ガス化)された後、更に酸素イオンO2−に分解される。酸素イオンO2−は、固体電解質体41を透過して、第2検出電極43から大気ダクト51へ排出される。このとき、NOxセンサセル4を流れる電流が、NOxセンサセル出力、すなわち、被測定ガスのNOx濃度出力として、センサセル制御手段82により検出される。
(NOxセンサの活性判定動作)
次に、図2および図3を参照して、NOxセンサ1の活性判定動作について説明する。上述したNOx濃度検出を精度よく行うためには、NOxセンサ1が活性状態に達していることが必要となる。尚、本発明の「活性状態」とは、残存酸素の影響がないNOxセンサ出力を検出し始めた時点、すなわち、残存酸素の影響を受けることなく、NOxセンサセル出力を各種制御に用いることができるようになった状態を示している(以下同様)。
したがって、早期にNOxセンサ1の活性判定を行うことができれば、NOxセンサセル出力を逸早く各種制御に使用し、エミッションを低減することができる。
ここで、上記NOxセンサ1のように、固体電解質体からなる素子を用いたNOxセンサでは、正常な特性を得るために、ヒータへの通電を行うことにより、素子温度を所定の活性温度まで加熱する必要がある。ガス濃度センサの活性判定としては、素子インピーダンス、ヒータへの供給電力、或いはヒータ抵抗等に基づいて行うことが知られている。しかしながら、素子インピーダンスやヒータ供給電力等は、センサの個体間でのバラツキがある。このため、これらのパラメータに基づいて、センサの活性状態を迅速且つ高精度に把握することは困難となる。
そこで、本実施の形態1では、以下に説明する方法により、NOxセンサ1の活性判定を早期かつ高精度に行うこととする。図2は、NOxセンサの暖機時における酸素ポンプセルの出力およびNOxセンサセル出力の変化を示す図である。尚、図2に示す鎖線Lpは、酸素ポンプセル出力の変化を、実線Lsは、NOxセンサセル出力の変化を、それぞれ示している。
図2に示すとおり、時刻t0において、エンジン始動に伴いNOxセンサ1の暖機が開始される。より具体的には、ヒータ制御手段83からヒータ電極61への通電が開始される。この通電動作により、酸素ポンプセル2およびNOxセンサセル4の温度、すなわち、固体電解質体21,41の温度が徐々に上昇する。この時刻t0においては、酸素ポンプセル2の近傍の第1内部空間31、およびNOxセンサセル4の近傍の第2内部空間32には、大気中の酸素が残存している。
その後、時刻t1において、NOxセンサセル4における固体電解質体41の温度が所定温度に達すると、NOxセンサセル出力が得られる。この時刻t1以降、NOxセンサセル4(固体電解質体41)の活性度が上がるにつれて、NOxセンサセル出力は上昇する。これは、NOxセンサセル4の近傍の第2内部空間32に導入されたNOxが第1検出電極42上で分解されるためではなく、第2内部空間32に残存する酸素が第1検出電極上で分解されるためである。その後、時刻t3において、NOxセンサセル出力は上限値、すなわち、NOxセンサセル4により検出可能な酸素濃度の上限値に達する。
一方、時刻t1より後の時刻t2において、酸素ポンプセル2の固体電解質体21の温度が所定温度に達すると、酸素ポンプセル出力が得られる。この時刻t2以降、酸素ポンプセル2(固体電解質体21)の活性度が上がるにつれて、酸素ポンプセル2の近傍の第1内部空間31に残存する酸素の排出量が増加する。このため、酸素ポンプセル出力は、時間とともに上昇する。
酸素ポンプセル2の活性が上がるにつれて、第1内部空間31からの酸素の排出量が多量となる。更に、第1内部空間31に導入される排ガス量が多量となる。これにより、第1内部空間31における残存酸素濃度が低くなり、第1内部空間31から第2内部空間32へ供給される酸素量が少量となる。このため、酸素ポンプセル2の活性度が上がるにつれて、第2内部空間32における残存酸素濃度が徐々に低くなる。その結果、時刻t4以降、NOxセンサセル出力が低下する。
その後、第2内部空間32における残存酸素がほぼ除去される時刻t5において、NOxセンサ出力に変曲点、すなわち、NOxセンサセル出力のカーブが大きく変わる点が現れる。より具体的には、変曲点が現れる前のNOxセンサセル出力は、第2内部空間32に残存する酸素を使用した酸素イオンのポンピング作用が主となっている。このため、かかる期間のNOxセンサセル出力の曲線は、第2内部空間32の酸素濃度、すなわち、酸素ポンプセル2の活性度の影響が支配的となっている。
一方、変曲点が現れた後のNOxセンサセル出力は、残存酸素の減少により、第2内部空間32のNOxを使用した酸素イオンのポンピングが主となっている。このため、かかる期間のNOxセンサセル出力の曲線は、第2内部空間32のNOx濃度、すなわち、NOxセンサセル4の活性度の影響が支配的となっている。このため、変曲点が現れる時刻t5において、NOxセンサ1の暖機前に第1内部空間31および第2内部空間32に残存していた酸素がほぼ除去されたことを把握することができる。したがって、変曲点が現れた時刻t5以降は、残存酸素の影響を受けることなく、NOxセンサセル4によりNOx濃度を精度よく検出することができる。
そこで、本実施の形態1では、NOxセンサセル出力に変曲点が現れる時刻t5において、NOxセンサ1の活性判定を行うこととする。これにより、NOxセンサセル4が残存酸素の影響を受けることなくNOx濃度を検出し始める時刻において、NOxセンサ1の活性判定を行うことができるので、NOxセンサ1の早期活性化の要求を最大限に満たすことができる。
次に、図3を参照して、上述した変曲点を特定するための動作について説明する。図3は、NOxセンサセル出力の変曲点を特定するための方法を説明するための図である。この図に示すとおり、先ず、所定時間毎にNOxセンサセル出力Nを取得するとともに、各時刻においてNOxセンサセル出力の変化量ΔNを算出する。ここで、時刻tにおける変化量ΔN(t)は、次式(1)にしたがって算出することができる。そして、算出された変化量ΔN(t)が所定の基準値ΔNthよりも小さくなったときに、その時刻tでのNOxセンサセル出力N(t)を変曲点と特定する。
ΔN(t)=N(t−1)−N(t) ・・・(1)
図3に示す例では、時刻t10から時刻t14までの間、NOxセンサセル出力Nは減少している。このため、各時刻t11〜時刻t14において、上式(1)により算出された変化量ΔN(t11)〜ΔN(t14)は、全て正の値をとる。変化量ΔN(t11)〜ΔN(t13)は、予め定められた基準値ΔNth以上であるが、変化量ΔN(t14)は、基準値ΔNthよりも小さい。このため、時刻t14でのNOxセンサセル出力N(t14)が、変曲点と特定される。したがって、NOxセンサセル出力に変曲点が現れた時刻t14にNOxセンサ1の活性判定が行われる。
尚、変曲点の特定の方法は上述した方法に限られない。すなわち、例えば、NOxセンサセル出力Nが減少から増加に転じた時刻におけるNOxセンサセル出力Nを変曲点として特定してもよい。これは、排ガス中のNOx濃度が増加した場合に、その増加をNOxセンサセル4により検出できていることを意味するためである。また、NOxセンサセル出力Nの変化量ΔNが基準値ΔNthよりも大きい場合であっても、NOxセンサセル出力Nが基準値Nthよりも小さくなった場合に、当該NOxセンサセル出力Nを変曲点として特定してもよい。これは、NOxセンサ1の暖機完了よりも前に、残存する酸素が除去されたことを意味するからである。
[実施の形態1の特徴的動作]
次に、図4乃至図6を参照して、本実施の形態の特徴的動作について説明する。上述したとおり、変曲点が現れる時刻において、NOxセンサ1の暖機前に第1内部空間31および第2内部空間32に残存していた酸素がほぼ除去されたことを把握することができる。したがって、変曲点が現れた時刻以降は、残存酸素の影響を受けることなく、NOxセンサセル4によりNOx濃度を検出することができる。
しかしながら、NOxセンサセル出力は、残存酸素の影響に加えて、NOxセンサセル4における第1検出電極42の酸化状態によっても変動する。つまり、第1検出電極42の酸化は、エンジンを停止して放置している間(ソーク中)に、第2内部空間32に残存する酸素が当該第1検出電極42と反応することにより起こる。特に、第1検出電極42にロジウム(Rh)が含まれる場合には、酸化反応がより進行しやすくなる。
酸化した第1検出電極42では、NOxセンサ1の暖機が進行するにつれて還元反応が進行する。このため、NOxセンサセル出力は、還元反応により脱離した酸素の影響を受けて変動し、NOx濃度を精度よく検出できないおそれがある。特に、上述したロジウム(Rh)を含む電極においては、酸化したロジウムが還元されるまでに時間がかかるため、NOx濃度を精度よく検出できない期間が長期化してしまうおそれがある。
つまり、変曲点が現れてからNOxセンサセル出力が安定するまでの時間(以下、「出力安定時間」と称する)、すなわち第1検出電極42の酸化による影響が無くなるまでの期間は、NOxセンサ1における第1検出電極42の酸化状態によって変化する。図4は、ソーク中の第1検出電極42の周囲における酸素分圧と、センサ出力安定時間との関係を説明するための図である。この図に示すとおり、ソーク中における第2内部空間32内の酸素分圧が高いほど、出力安定時間が長期化していることが分かる。つまり、第2内部空間32内の酸素分圧が高いほど、第1検出電極の酸化がより進行する。このため、当該第1検出電極42における還元反応が完了するまでの時間が長期化し、結果として出力安定時間が長期化する。
また、図5は、ソーク時間とセンサ出力安定時間との関係を説明するための図である。この図に示すとおり、ソーク時間が長いほど出力安定時間が長期化していることが分かる。つまり、ソーク時間が長いほど、第1検出電極42の酸化がより進行する。このため、当該第1検出電極42の還元反応が完了するまでの時間が長期化し、結果として出力安定時間が長期化する。
このように、出力安定時間は、第1検出電極42の酸化状態に応じて変化する。そこで、本実施の形態1においては、第1検出電極42の酸化状態を推定し、NOxセンサセル出力から第1検出電極42の酸化の影響を排除するための補正を行うこととする。これにより、変曲点が現れた後のNOxセンサセル出力を使用して、NOx濃度を精度よく検出することができる。以下、酸化状態の推定動作、およびNOxセンサセル出力の補正動作についてそれぞれ詳細に説明する。
(酸化状態推定動作)
次に、図6および図7を参照して、NOxセンサセル4の電極酸化状態を推定する動作について説明する。上述したとおり、ソーク中の第1検出電極42では、第2内部空間32における酸素分圧が高いほど、およびソーク時間が長いほど、酸化状態が高くなる。図6は、第1検出電極42の酸化状態を特定するためのマップを示す。第1検出電極42の酸化状態が反映された相関値Kは、酸化状態が高いほど小さな値となる。このため、相関値Kは、例えば、この図6に示すマップに従って特定される。より具体的には、相関値Kは、ソーク時間が長いほど小さな値として特定される。また、エンジンの停止時の空燃比、すなわち、第2内部空間32に残存する排気ガスの空燃比がリーンであるほど、小さな値として特定される。このように、図6に示すマップに従い酸化状態の相関値Kを特定することで、ソーク中の第1検出電極42が置かれていた状況を踏まえた酸化状態を相関値Kに反映させることができる。
また、酸化状態の相関値Kは、NOxセンサ1の暖機が開始された後のNOxセンサセル出力に基づいて推定することもできる。図7は、第1検出電極42の酸化状態を特定するためのマップを示す。この図において、横軸は、NOxセンサ1の暖機を開始してからNOxセンサセル出力に変曲点が現れるまでの時間(以下、「変曲点到達時間」と称する)を示している。変曲点到達時間が長いほど、第1内部空間31および第2内部空間32内に残存する酸素が多量であることを示している。このため、変曲点到達時間が長いほど、第1検出電極42の酸化状態が高いと判断することができる。このため、相関値Kは、この図に示すとおり、変曲点到達時間が長いほど小さな値として特定される。
尚、酸化状態の相関値Kは、上述した方法を適宜組み合わせて推定することとしてもよいし、また、他の方法によって推定することも可能である。例えば、上述した変曲点到達時間の代わりに、変曲点までのNOxセンサセル出力の積算値を用いることもできる。また、NOxセンサセル出力に基づいて推定することとしてもよいし、また、NOxセンサセル出力の上昇速度と下降速度の比に基づいて推定することとしてもよい。
(NOxセンサセル出力の補正動作)
次に、図8を参照して、NOxセンサセル出力の補正動作について説明する。上述したとおり、ソーク状態或いは変曲点到達時間に基づいて、第1検出電極42の酸化状態が反映された相関値Kを推定することができる。そこで、本実施の形態1では、酸化状態の相関値Kを用いて、変曲点以降のNOxセンサセル出力Nを補正することとする。より具体的には、先ず、変曲点におけるNOxセンサセル出力Nbと変曲点におけるNOx濃度の推定値(以下、「推定NOx値」と称する)Npとの出力差Nmを次式(2)に従って算出する。推定NOx値Npは、例えば、変曲点におけるエンジンの運転状態(吸入空気量、EGR量等)に基づいて推定することができる。
Nm=Nb−Np ・・・(2)
次いで、変曲点における出力差Nmの影響を補正すべく、次式(3)に従って、最終的なNOxセンサセル出力補正値Naを算出することとする。
Na=N−(Nm−Kt) ・・・(3)
ここで、上式(3)における補正項(Nm−Kt)は、出力差Nmに第1検出電極42の酸化状態の時間変化を反映させた値となっている。つまり、第1検出電極42の酸化状態が高いほど、出力安定時間は長期化する。このため、上式(3)においては、酸化状態の相関値Kが小さいほど、上記補正項の減衰度が小さくなるようになっている。これにより、変曲点以降のNOxセンサセル出力Nに重畳する第1検出電極42の酸化による影響を効果的に補正することができる。
図8は、補正前のNOx濃度と補正後のNOx濃度とを比較するための図である。この図において、(a)の鎖線は、被測定ガスの実NOx濃度を、(b)の細線は補正前のNOx濃度検出値を、(c)の実線は補正後のNOx濃度検出値を、それぞれ示している。この図に示すとおり、補正後のNOx検出値は、補正後のNOx検出値よりも実NOx濃度に近づいていることがわかる。
尚、上式(3)における補正項(Nm−Kt)が0以下となった場合には、NOxセンサセル4が安定したNOxセンサセル出力Nを検出している時期(安定時期)であると推定できる。このため、(Nm−Kt)≦0の条件が成立した時点で上記補正の実行を終了することとする。これにより、NOxセンサセル出力Nに不要な補正をしてしまう事態を効果的に回避することができる。
[実施の形態1の具体的処理]
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態1の具体的処理について説明する。図9は、本実施の形態1において、ECU8がNOxセンサ1の活性判定を実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定間隔毎に起動するものである。この所定間隔は、例えば、図3に示す時刻t10〜時刻t11の間隔、時刻t11〜時刻t12の間隔等に対応している。
図8に示すルーチンでは、先ず、NOxセンサ1が暖機中であるか否かが判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、NOxセンサ1の暖機が行われるエンジン始動時、若しくは長時間の燃料カットからの復帰時であるか否かが判断される。その結果、NOxセンサ1が暖機中でないと判定された場合には、図2に示すようなNOxセンサセル出力を得ることができないと判断され、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ100において、NOxセンサ1が暖機中であると判定された場合には、次のステップに移行し、NOxセンサセル出力N(t)が取得される(ステップ102)。次いで、変化量ΔN(t)が算出される(ステップ104)。ここでは、具体的には、上記ステップ102において取得されたNOxセンサセル出力N(t)およびN(t−1)を上式(1)に代入することにより変化量ΔN(t)が演算される。
次に、変化量ΔN(t)が0より大きいか否かが判定される(ステップ106)。その結果、変化量ΔN(t)>0の成立が認められた場合には、本ルーチンにおける変化量ΔN(t)が、前回のルーチンにおける変化量ΔN(t−1)よりも小さいと判断されて、次のステップに移行し、変化量ΔN(t)が基準値ΔNthよりも小さいか否かが判定される(ステップ108)。その結果、変化量ΔN(t)<基準値ΔNthの成立が認められた場合には、次のステップに移行し、NOxセンサセル出力N(t)が変曲点として特定される(ステップ110)。図3に示す例では、変化量ΔN(t14)が基準値ΔNthよりも小さいため、時刻t14でのNOxセンサセル出力N(t14)が変曲点として特定される。そして、この変曲点が現れた時期が、NOxセンサセル4の活性時期であると判定されて(ステップ112)、本ルーチンは終了される。
一方、上記ステップ106において、変化量ΔN(t)>0の成立が認められない場合には、本ルーチンにおける変化量ΔN(t)が、前回のルーチンにおける変化量ΔN(t−1)以上であると判断されて、次のステップに移行し、前回のルーチンにおける変化量ΔN(t−1)がゼロよりも大きいか否かが判定される(ステップ114)。ここでは、具体的には、前々回のルーチンにおける変化量ΔN(t−2)が、前回のルーチンにおける変化量ΔN(t−1)よりも大きいか否かが判断される。その結果、変化量ΔN(t−1)>0の成立が認められない場合には、NOxセンサセル出力Nが上限値に向かって立ち上がっている状態であるため、未だ変曲点が現れていないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ114において、変化量ΔN(t−1)>0の成立が認められた場合には、前々回のルーチンにおける変化量ΔN(t−2)が、前回のルーチンにおける変化量ΔN(t−1)よりも大きいと判断される。この場合、排ガス中のNOx濃度の増加が今回検出されたと判断されて、上記ステップ110に移行し、NOxセンサセル出力N(t)が変曲点として特定される。
また、上記ステップ108において、変化量ΔN(t)<基準値ΔNthの成立が認められない場合には、次のステップに移行し、NOxセンサセル出力N(t)が基準値ΔNthよりも小さいか否かが判定される(ステップ116)。その結果、NOxセンサセル出力N(t)<基準値ΔNthの成立が認められない場合には、NOxセンサセル出力Nに未だ変曲点が現れていないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ116において、NOxセンサセル出力N(t)<基準値ΔNthの成立が認められた場合には、上記ステップ110に移行し、NOxセンサセル出力N(t)が変曲点として特定される。
図9は、本実施の形態1において、ECU8がNOxセンサセル出力Nの補正を実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、図8に示すルーチンと並行して所定間隔毎に起動するものである。図9に示すルーチンでは、先ず、NOxセンサ1の活性判定が実行される(ステップ200)。ここでは、具体的には、本ルーチンと並行して実行している図8に示すルーチンにおいて活性判定がなされたか否か、すなわち、上記ステップ112においてNOxセンサ1の活性判定が行われたか否かが判定される。その結果、NOxセンサ1の活性判定が行われていない場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ200において、NOxセンサ1の活性判定が行われた場合には、NOxセンサ出力の変曲点が特定されたと判断されて、次のステップに移行し、変曲点におけるNOxセンサセル出力Nbが取得される(ステップ202)。ここでは、具体的には、図8に示すルーチンのステップ110において、変曲点として特定されたNOxセンサセル出力N(t)が、本ルーチンにおける変曲点のNOxセンサセル出力Nbとして取得される。
次に、変曲点における推定NOx値Npが取得される(ステップ204)。ここでは、具体的には、変曲点におけるエンジンの運転状態、すなわち、吸入空気量およびEGR量等に基づいて、排ガスの推定NOx値Npが推定される。
次に、酸化状態の相関値Kが取得される(ステップ206)。ここでは、具体的には、先ず、エンジンの始動からNOxセンサセル出力が変曲点に到達するまでの時間が取得される。そして、変曲点到達時間と相関値Kとの関係を規定したマップ(図7参照)に従い、酸化状態の相関値Kが特定される。
次に、変曲点以降のNOxセンサセル出力Nが取得される(ステップ208)。次に、上記ステップ208において取得されたNOxセンサセル出力Nを補正するための補正項が演算される(ステップ210)。ここでは、具体的には、先ず、上記ステップ202において取得された変曲点におけるNOxセンサセル出力Nbと、上記ステップ204において取得された推定NOx値Npとが上式(2)に代入されて、変曲点における出力差Nmが演算される。次に、上記出力差Nm、上記ステップ206において取得された酸化状態の相関値K、および変曲点からの経過時間tに基づいて、補正項(Nm−Kt)が演算される。
次に、変曲点からt秒後のNOxセンサセル出力補正値Naが演算される(ステップ212)。ここでは、具体的には、上記ステップ208において取得されたNOxセンサセル出力N、および上記ステップ210において取得された補正項(Nm−Kt)が上式(3)に代入される。
次に、NOxセンサセル出力Nが安定化したか否かが判定される(ステップ214)。ここでは、具体的には、上記ステップ212により演算された上式(3)における補正項(Nm−Kt)が、0以下の値となったか否かが判定される。その結果、(Nm−Kt)≦0の成立が認められない場合には、NOxセンサセル出力Nが未だ安定化していないと判断されて、再度上記ステップ208に戻って、再度NOxセンサセル出力Nが取得される。
一方、上記ステップ214において、(Nm−Kt)≦0の成立が認められた場合には、NOxセンサセル出力Nが安定化したと判断されて、上記ステップ212における補正が強制的に終了されて(ステップ216)、本ルーチンは終了される。
以上説明した通り、本実施の形態1によれば、変曲点以降のNOxセンサセル出力Nに重畳する第1検出電極42の酸化による影響を効果的に補正することができるので、NOxセンサ1の早期活性化の要求を満たすことができる。
また、上述した実施の形態1によれば、NOxセンサセル出力Nが安定化したと判断された場合に、NOxセンサセル出力の補正動作が強制的に終了されるので、不要な出力補正が行われてNOxセンサセル出力にズレが生じる事態を効果的に排除することができる。
また、上述した実施の形態1においては、酸化状態の相関値Kを特定するために、変曲点到達時間を用いているが、相関値Kの特定方法はこれに限られない。すなわち、上述したソーク中の状態、すなわち、ソーク中にNOxセンサ1内に残存する排ガスの空燃比やソーク時間等に基づいて、相関値Kを特定することとしてもよいし、また、これらの方法を組み合わせてもよい。また、上述した変曲点到達時間の代わりに、変曲点までのNOxセンサセル出力の積算値や、NOxセンサセル出力、或いはNOxセンサセル出力の上昇速度と下降速度の比、或いは、酸素ポンプセル2の出力等に基づいて、相関値Kを特定することとしてもよい。また、システムの精度要求が低い場合には、相関値Kを定数としてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、酸素ポンプセル2が前記第1の発明における「余剰酸素除去手段」に、NOxセンサセル4が前記第1の発明における「ガス濃度検知セル」に、第1検出電極42が前記第1の発明における「ガス側電極」に、第2検出電極43が前記第1の発明における「大気側電極」に、固体電解質体41が前記第1の発明における「電解質層」に、NOxセンサセル出力が前記第1の発明における「セル出力」に、それぞれ相当している。また、ECU8が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「変曲点特定手段」が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「ガス濃度検出手段」が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第1の発明における「酸化状態推定手段」が、上記ステップ212の処理を実行することにより、前記第1の発明における「補正手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、NOxセンサセル出力Nbが、前記第2の発明における「変曲点検出濃度」に、推定NOx値Npが、前記第2の発明における「変曲点推定濃度」に、それぞれ相当している。また、ECU8が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第2の発明における「ガス濃度推定手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、出力差Nmが、前記第3の発明における「偏差」に相当しているとともに、ECU8が上記ステップ210を実行することにより、前記第3の発明における「補正値演算手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU8が、上記ステップ214を実行することにより前記第6の発明における「安定時期推定手段」が、上記ステップ216を実行することにより前記第6の発明における「禁止手段」が、実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
上述した実施の形態1においては、第1検出電極42の酸化の影響を補正して、NOxセンサセル出力に変曲点が現れた後のNOx濃度の精度を向上させることとしている。このため、NOx濃度の精度を高めるためには、第1検出電極42の酸化状態を極力低くすることが望ましい。そこで、本実施の形態2においては、第1検出電極42の酸化を抑制するために、以下の制御を実行することとする。
(ヒータ制御)
実施の形態2においては、実施の形態1において上述した図1におけるヒータ電極61を改良する。より具体的には、本実施の形態2におけるヒータ電極61は、ポンプセル2の近傍を加熱するための第1のヒータパターンと、NOxセンサセル4の近傍を加熱するための第2のヒータパターンとを有している。ヒータ制御手段83は、第1のヒータパターンと第2のヒータパターンとを個別に制御できるようになっている。
このような構成を有するガス濃度検出装置10が搭載されたエンジンが停止された場合、先ず、ヒータ電極61における第2のヒータパターンへの投入電力が低下するように、ヒータ制御手段83が制御される。第1の検出電極2は、300℃〜400℃程度に加熱されている場合に最も酸化しやすい。このため、エンジン停止とともに逸早く第1の検出電極を低温にすることで、当該第1検出電極の酸化を抑制することができる。
また、これとともに、ヒータ電極61における第1のヒータパターンへの電力の投入は継続される。これにより、酸素ポンプセル2における酸素の排出動作は継続されるので、第1内部空間31および第2内部空間32の酸素濃度を低濃度化することができる。したがって、ソーク中における第1検出電極42の酸化量を効果的に抑制することができる。
(空燃比制御)
また、実施の形態2では、上述したヒータ制御のほかに、空燃比制御により第1検出電極42の酸化を抑制することもできる。より具体的には、エンジン停止時の空燃比を通常時よりも燃料リッチ側へ制御することとする。これにより、ソーク中、特に第1検出電極42の温度が低下する前の第1内部空間31および第2内部空間32の酸素濃度を低下させることができるので、第1検出電極42の酸化量を効果的に抑制することができる。
また、可変動弁機構を備えるガソリンエンジンにおいては、エンジン停止時に、圧縮行程にて排気弁を開くように当該可変動弁機構を制御することとする。これにより、排気ガスに含まれる未燃ガス量が増大する。これらの未燃ガスは、排気系において酸素と結合して燃焼する。このため、当該ガス濃度検出装置10に到達する排気ガスの酸素濃度を効果的に低下させることができる。また、筒内噴射エンジンにおいては、排気行程で燃料噴射することで、排気ガス中に含まれる未燃ガスを増大させることができるので、上記可変動弁制御と同様の効果を得ることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU8が上述したヒータ制御を実行することにより、前記第12の発明における「酸化抑制手段」が実現されている。また、ECU8が上述した空燃比制御を実行することにより、前記第13の発明における「酸化抑制手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1において用いられるガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。 NOxセンサ暖機時の酸素ポンプセル出力の変化とNOxセンサセル出力の変化を示す図である。 NOxセンサセル出力の変曲点を特定する方法を説明するための図である。 ソーク中の第1検出電極42の周囲の酸素分圧とセンサ出力安定時間との関係を説明するための図である。 ソーク時間とセンサ出力安定時間との関係を説明するための図である。 第1検出電極42の酸化状態を特定するためのマップである。 第1検出電極42の酸化状態を特定するためのマップである。 補正前のNOx濃度と補正後のNOx濃度とを比較するための図である。 本実施の形態1において、ECU8が実行するルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態1において、ECU8が実行するルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 NOxセンサ
2 酸素ポンプセル
3 スペーサ
4 NOxセンサセル
5 スペーサ
6 ヒータ
7 多孔質保護層
8 ECU(Electronic Control Unit)
10 ガス濃度検出装置
21,41 固体電解質体
22 第1ポンプ電極
23 第2ポンプ電極
24 ピンホール
31 第1内部空間
32 第2内部空間
33 連通孔
42 第1検出電極
43 第2検出電極
51 大気ダクト
61 ヒータ電極
62,63 絶縁層
81 ポンプセル制御手段
82 センサセル制御手段
83 ヒータ制御手段
K 相関値
N NOxセンサセル出力
Na NOxセンサセル出力補正値
Nb センサセル出力(変曲点)
Np 推定NOx値(変曲点)
Nm 出力差

Claims (15)

  1. 被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
    前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後の被測定ガスに晒されるガス側電極と、大気に晒される大気側電極と、前記ガス側電極と前記大気側電極との間に介在して、両者間で酸素イオンの移動を可能とする電解質層と、を有するガス濃度検知セルと、
    前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ前記余剰酸素除去手段の実行中に、前記ガス濃度検知セルのセル出力に変曲点が現れる時期を特定する変曲点特定手段と、
    前記変曲点が現れた以後の前記セル出力に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、
    前記ガス側電極の酸化状態を推定する酸化状態推定手段と、
    前記酸化状態に基づいて、前記ガス側電極から還元された酸素が前記セル出力に与える影響を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 内燃機関の運転状態に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を推定するガス濃度推定手段を更に備え、
    前記補正手段は、前記ガス濃度検出手段により検出された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点検出濃度)、前記ガス濃度推定手段により推定された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点推定濃度)、および前記酸化状態に基づいて、前記セル出力を補正することを特徴とする請求項1記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記補正手段は、前記変曲点検出濃度と前記変曲点推定濃度との偏差に前記酸化状態および前記変曲点からの経過時間の影響を反映させた補正値を演算する補正値演算手段を含み、前記セル出力から前記補正値を減ずることにより、前記セル出力を補正することを特徴とする請求項2記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記補正値演算手段は、前記経過時間が長いほど、前記補正値が小さくなるように演算
    することを特徴とする請求項3記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記補正値演算手段は、前記酸化状態が高いほど、前記補正値が大きくなるように演算
    することを特徴とする請求項3または4記載のガス濃度検出装置。
  6. 前記ガス側電極の酸化による影響が重畳していないセル出力を前記ガス濃度検知セルが検知する時期(以下、安定時期)を推定する安定時期推定手段と、
    前記安定時期の前記セル出力に対する、前記補正手段の実行を禁止する禁止手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  7. 前記安定時期推定手段は、前記補正値が0以下となる時期を前記安定時期として推定することを特徴とする請求項6記載のガス濃度検出装置。
  8. 前記酸化状態推定手段は、前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間が長いほど、酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  9. 前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間における、前記セル出力の積算値を演算する積算値演算手段を更に備え、
    前記酸化状態推定手段は、前記積算値が大きいほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  10. 前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止時における、前記被測定ガスの空燃比を取得する空燃比取得手段を含み、前記空燃比がリーンであるほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  11. 前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止から今回の始動までの放置時間を取得する放置時間取得手段を含み、前記放置時間が長いほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  12. 内燃機関の停止中における前記ガス側電極の酸化を抑制する酸化抑制手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  13. 前記酸化抑制手段は、内燃機関の停止時における空燃比をリッチに制御することを特徴とする請求項12記載のガス濃度検出装置。
  14. 前記余剰酸素除去手段は、酸素ポンプセルを含み、前記酸素ポンプセルへの電圧の印加に伴って、被測定ガス中の余剰酸素を排出することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
  15. 前記変曲点特定手段は、前記所定時間毎に前記セル出力の変化量を算出する変化量算出手段を含み、前記変化量と基準値との比較結果に基づいて、前記変曲点が現れる時期を特定することを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
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