JP2009210425A - ガス濃度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸素ポンプセル2により余剰酸素を排出した後にNOxセンサセル4によりNOx濃度を検出するNOx濃度検出装置において、NOxセンサセル4のセル出力に変曲点が現れる時期を特定する(ステップ200)。第1検出電極42の酸化状態の相関値Kを取得する(ステップ206)。NOxセンサセル4のセル出力を取得する(ステップ208)。相関値Kに基づいて、第1検出電極42から脱離する酸素が前記セル出力に与える影響を補正する(ステップ210〜212)。
【選択図】図10
Description
被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後の被測定ガスに晒されるガス側電極と、大気に晒される大気側電極と、前記ガス側電極と前記大気側電極との間に介在して、両者間で酸素イオンの移動を可能とする電解質層と、を有するガス濃度検知セルと、
前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ前記余剰酸素除去手段の実行中に、前記ガス濃度検知セルのセル出力に変曲点が現れる時期を特定する変曲点特定手段と、
前記変曲点が現れた以後の前記セル出力に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、
前記ガス側電極の酸化状態を推定する酸化状態推定手段と、
前記酸化状態に基づいて、前記ガス側電極から還元された酸素が前記セル出力に与える影響を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
内燃機関の運転状態に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を推定するガス濃度推定手段を更に備え、
前記補正手段は、前記ガス濃度検出手段により検出された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点検出濃度)、前記ガス濃度推定手段により推定された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点推定濃度)、および前記酸化状態に基づいて、前記セル出力を補正することを特徴とする。
前記補正手段は、前記変曲点検出濃度と前記変曲点推定濃度との偏差に前記酸化状態および前記変曲点からの経過時間の影響を反映させた補正値を演算する補正値演算手段を含み、前記セル出力から前記補正値を減ずることにより、前記セル出力を補正することを特徴とする。
前記補正値演算手段は、前記経過時間が長いほど、前記補正値が小さくなるように演算
することを特徴とする。
前記補正値演算手段は、前記酸化状態が高いほど、前記補正値が大きくなるように演算
することを特徴とする請求項3または4記載のガス濃度検出装置。
前記ガス側電極の酸化による影響が重畳していないセル出力を前記ガス濃度検知セルが検知する時期(以下、安定時期)を推定する安定時期推定手段と、
前記安定時期の前記セル出力に対する、前記補正手段の実行を禁止する禁止手段と、
を更に備えることを特徴とする。
前記安定時期推定手段は、前記補正値が0以下となる時期を前記安定時期として推定することを特徴とする請求項6記載のガス濃度検出装置。
前記酸化状態推定手段は、前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間が長いほど、酸化状態を高く推定することを特徴とする。
前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間における、前記セル出力の積算値を演算する積算値演算手段を更に備え、
前記酸化状態推定手段は、前記積算値が大きいほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする
前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止時における、前記被測定ガスの空燃比を取得する空燃比取得手段を含み、前記空燃比がリーンであるほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする。
前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止から今回の始動までの放置時間を取得する放置時間取得手段を含み、前記放置時間が長いほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする。
内燃機関の停止中における前記ガス側電極の酸化を抑制する酸化抑制手段を更に備えることを特徴とする。
前記酸化抑制手段は、内燃機関の停止時における空燃比をリッチに制御することを特徴とする。
前記余剰酸素除去手段は、酸素ポンプセルを含み、前記酸素ポンプセルへの電圧の印加に伴って、被測定ガス中の余剰酸素を排出することを特徴とする。
前記変曲点特定手段は、前記所定時間毎に前記セル出力の変化量を算出する変化量算出手段を含み、前記変化量と基準値との比較結果に基づいて、前記変曲点が現れる時期を特定することを特徴とする。
[実施の形態1の構成]
先ず、図1を参照して、本実施の形態1に係るガス濃度検出装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係るガス濃度検出装置10の構成を説明するための図である。図1に示すガス濃度検出装置10は、例えば、内燃機関(エンジン)から排出された排ガス中の窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するNOx濃度検出装置である。
(NOx濃度の検出原理)
次に、図1を参照して、ガス濃度検出装置10によるNOx濃度の検出原理について説明する。保護層7の周囲の空間には、エンジンの排気通路を流れる被測定ガスとしての排ガスが存在している。この排ガス中には、O2、NOx、CO2、H2O等が含まれている。排ガスは、多孔質保護層7とピンホール24とを介して、第1内部空間31に導入される。この第1内部空間31に導入される排ガス量は、多孔質保護層7およびピンホール24の拡散抵抗により決定される。
次に、図2および図3を参照して、NOxセンサ1の活性判定動作について説明する。上述したNOx濃度検出を精度よく行うためには、NOxセンサ1が活性状態に達していることが必要となる。尚、本発明の「活性状態」とは、残存酸素の影響がないNOxセンサ出力を検出し始めた時点、すなわち、残存酸素の影響を受けることなく、NOxセンサセル出力を各種制御に用いることができるようになった状態を示している(以下同様)。
したがって、早期にNOxセンサ1の活性判定を行うことができれば、NOxセンサセル出力を逸早く各種制御に使用し、エミッションを低減することができる。
ΔN(t)=N(t−1)−N(t) ・・・(1)
次に、図4乃至図6を参照して、本実施の形態の特徴的動作について説明する。上述したとおり、変曲点が現れる時刻において、NOxセンサ1の暖機前に第1内部空間31および第2内部空間32に残存していた酸素がほぼ除去されたことを把握することができる。したがって、変曲点が現れた時刻以降は、残存酸素の影響を受けることなく、NOxセンサセル4によりNOx濃度を検出することができる。
次に、図6および図7を参照して、NOxセンサセル4の電極酸化状態を推定する動作について説明する。上述したとおり、ソーク中の第1検出電極42では、第2内部空間32における酸素分圧が高いほど、およびソーク時間が長いほど、酸化状態が高くなる。図6は、第1検出電極42の酸化状態を特定するためのマップを示す。第1検出電極42の酸化状態が反映された相関値Kは、酸化状態が高いほど小さな値となる。このため、相関値Kは、例えば、この図6に示すマップに従って特定される。より具体的には、相関値Kは、ソーク時間が長いほど小さな値として特定される。また、エンジンの停止時の空燃比、すなわち、第2内部空間32に残存する排気ガスの空燃比がリーンであるほど、小さな値として特定される。このように、図6に示すマップに従い酸化状態の相関値Kを特定することで、ソーク中の第1検出電極42が置かれていた状況を踏まえた酸化状態を相関値Kに反映させることができる。
次に、図8を参照して、NOxセンサセル出力の補正動作について説明する。上述したとおり、ソーク状態或いは変曲点到達時間に基づいて、第1検出電極42の酸化状態が反映された相関値Kを推定することができる。そこで、本実施の形態1では、酸化状態の相関値Kを用いて、変曲点以降のNOxセンサセル出力Nを補正することとする。より具体的には、先ず、変曲点におけるNOxセンサセル出力Nbと変曲点におけるNOx濃度の推定値(以下、「推定NOx値」と称する)Npとの出力差Nmを次式(2)に従って算出する。推定NOx値Npは、例えば、変曲点におけるエンジンの運転状態(吸入空気量、EGR量等)に基づいて推定することができる。
Nm=Nb−Np ・・・(2)
Na=N−(Nm−Kt) ・・・(3)
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態1の具体的処理について説明する。図9は、本実施の形態1において、ECU8がNOxセンサ1の活性判定を実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定間隔毎に起動するものである。この所定間隔は、例えば、図3に示す時刻t10〜時刻t11の間隔、時刻t11〜時刻t12の間隔等に対応している。
[実施の形態2の特徴]
上述した実施の形態1においては、第1検出電極42の酸化の影響を補正して、NOxセンサセル出力に変曲点が現れた後のNOx濃度の精度を向上させることとしている。このため、NOx濃度の精度を高めるためには、第1検出電極42の酸化状態を極力低くすることが望ましい。そこで、本実施の形態2においては、第1検出電極42の酸化を抑制するために、以下の制御を実行することとする。
実施の形態2においては、実施の形態1において上述した図1におけるヒータ電極61を改良する。より具体的には、本実施の形態2におけるヒータ電極61は、ポンプセル2の近傍を加熱するための第1のヒータパターンと、NOxセンサセル4の近傍を加熱するための第2のヒータパターンとを有している。ヒータ制御手段83は、第1のヒータパターンと第2のヒータパターンとを個別に制御できるようになっている。
また、実施の形態2では、上述したヒータ制御のほかに、空燃比制御により第1検出電極42の酸化を抑制することもできる。より具体的には、エンジン停止時の空燃比を通常時よりも燃料リッチ側へ制御することとする。これにより、ソーク中、特に第1検出電極42の温度が低下する前の第1内部空間31および第2内部空間32の酸素濃度を低下させることができるので、第1検出電極42の酸化量を効果的に抑制することができる。
2 酸素ポンプセル
3 スペーサ
4 NOxセンサセル
5 スペーサ
6 ヒータ
7 多孔質保護層
8 ECU(Electronic Control Unit)
10 ガス濃度検出装置
21,41 固体電解質体
22 第1ポンプ電極
23 第2ポンプ電極
24 ピンホール
31 第1内部空間
32 第2内部空間
33 連通孔
42 第1検出電極
43 第2検出電極
51 大気ダクト
61 ヒータ電極
62,63 絶縁層
81 ポンプセル制御手段
82 センサセル制御手段
83 ヒータ制御手段
K 相関値
N NOxセンサセル出力
Na NOxセンサセル出力補正値
Nb センサセル出力(変曲点)
Np 推定NOx値(変曲点)
Nm 出力差
Claims (15)
- 被測定ガス中の余剰酸素を除去する余剰酸素除去手段と、
前記余剰酸素除去手段により余剰酸素が除去された後の被測定ガスに晒されるガス側電極と、大気に晒される大気側電極と、前記ガス側電極と前記大気側電極との間に介在して、両者間で酸素イオンの移動を可能とする電解質層と、を有するガス濃度検知セルと、
前記ガス濃度検知セルの暖機中、かつ前記余剰酸素除去手段の実行中に、前記ガス濃度検知セルのセル出力に変曲点が現れる時期を特定する変曲点特定手段と、
前記変曲点が現れた以後の前記セル出力に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、
前記ガス側電極の酸化状態を推定する酸化状態推定手段と、
前記酸化状態に基づいて、前記ガス側電極から還元された酸素が前記セル出力に与える影響を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とするガス濃度検出装置。 - 内燃機関の運転状態に基づいて、特定ガス成分のガス濃度を推定するガス濃度推定手段を更に備え、
前記補正手段は、前記ガス濃度検出手段により検出された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点検出濃度)、前記ガス濃度推定手段により推定された前記変曲点におけるガス濃度(以下、変曲点推定濃度)、および前記酸化状態に基づいて、前記セル出力を補正することを特徴とする請求項1記載のガス濃度検出装置。 - 前記補正手段は、前記変曲点検出濃度と前記変曲点推定濃度との偏差に前記酸化状態および前記変曲点からの経過時間の影響を反映させた補正値を演算する補正値演算手段を含み、前記セル出力から前記補正値を減ずることにより、前記セル出力を補正することを特徴とする請求項2記載のガス濃度検出装置。
- 前記補正値演算手段は、前記経過時間が長いほど、前記補正値が小さくなるように演算
することを特徴とする請求項3記載のガス濃度検出装置。 - 前記補正値演算手段は、前記酸化状態が高いほど、前記補正値が大きくなるように演算
することを特徴とする請求項3または4記載のガス濃度検出装置。 - 前記ガス側電極の酸化による影響が重畳していないセル出力を前記ガス濃度検知セルが検知する時期(以下、安定時期)を推定する安定時期推定手段と、
前記安定時期の前記セル出力に対する、前記補正手段の実行を禁止する禁止手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載のガス濃度検出装置。 - 前記安定時期推定手段は、前記補正値が0以下となる時期を前記安定時期として推定することを特徴とする請求項6記載のガス濃度検出装置。
- 前記酸化状態推定手段は、前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間が長いほど、酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
- 前記ガス濃度検知セルへの通電を開始してから前記変曲点が現れるまでの期間における、前記セル出力の積算値を演算する積算値演算手段を更に備え、
前記酸化状態推定手段は、前記積算値が大きいほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載のガス濃度検出装置。 - 前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止時における、前記被測定ガスの空燃比を取得する空燃比取得手段を含み、前記空燃比がリーンであるほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
- 前記酸化状態推定手段は、内燃機関の前回の停止から今回の始動までの放置時間を取得する放置時間取得手段を含み、前記放置時間が長いほど、前記酸化状態を高く推定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
- 内燃機関の停止中における前記ガス側電極の酸化を抑制する酸化抑制手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
- 前記酸化抑制手段は、内燃機関の停止時における空燃比をリッチに制御することを特徴とする請求項12記載のガス濃度検出装置。
- 前記余剰酸素除去手段は、酸素ポンプセルを含み、前記酸素ポンプセルへの電圧の印加に伴って、被測定ガス中の余剰酸素を排出することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
- 前記変曲点特定手段は、前記所定時間毎に前記セル出力の変化量を算出する変化量算出手段を含み、前記変化量と基準値との比較結果に基づいて、前記変曲点が現れる時期を特定することを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項記載のガス濃度検出装置。
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