JP2010266310A - H2センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】過渡状態であってもH濃度をより正確に検出する。
【解決手段】被検出ガス中に検出対象成分が含まれる状況下で、第1セル101の出力値から第2セル102の出力値を減じた値からH濃度を検出するHセンサにおいて、第1セル101の出力値の変化率が第1所定値よりも大きく、且つ、第2セル102の出力値の変化率が第2所定値よりも大きい場合には、第2セル102の出力値に、第1セル101の出力値の変化率を第2セル102の出力値の変化率で除した値を乗じて該第2セル102の出力値を補正する補正手段40を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、Hセンサに関する。
触媒層を有する第1セルと、触媒層を有しない第2セルと、を備えるセンサにおいて、両セルの電流値の差に基づいて排気中のH濃度を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、過渡状態では、両セルに応答時間の差(以下、応答差という。)があるため、H濃度を正確に検出することが困難となる。
特開2007−155605号公報 特開平05−264501号公報 特表2001−505311号公報 特開平11−237361号公報 特開2002−005881号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、過渡状態であってもH濃度をより正確に検出することができる技術の提供を目的とする。
上記課題を達成するために本発明によるHセンサは、以下の手段を採用した。すなわち、本発明によるHセンサは、
被検出ガス中に露出される第1拡散抵抗層と、前記第1拡散抵抗層に覆われた第1電極とを備え、前記第1電極の表面におけるガス成分比率に応じた出力を発する第1セルと、
前記被検出ガス中に露出される第2拡散抵抗層と、前記第2拡散抵抗層に覆われた第2電極とを備え、前記第2電極の表面におけるガス成分比率に応じた出力を発する第2セルとを備え、
前記第1拡散抵抗層と、前記第2拡散抵抗層とは、特定の検出対象成分を、それぞれ異なる特性で拡散させ、
被検出ガス中に前記検出対象成分が含まれる状況下で、前記第1セルの出力値から前記第2セルの出力値を減じた値からH濃度を検出するHセンサにおいて、
前記第1セルの出力値の変化率が第1所定値よりも大きく、且つ、前記第2セルの出力値の変化率が第2所定値よりも大きい場合には、前記第2セルの出力値に、前記第1セルの出力値の変化率を前記第2セルの出力値の変化率で除した値を乗じて該第2セルの出力値を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
第1拡散抵抗層と、第2拡散抵抗層とは、特定の検出対象成分を、それぞれ異なる特性で拡散させるため、被検出ガス中のH濃度によって、第1セルと第2セルとには出力差が生じる。定常時(H濃度が一定の場合)においては、両セルの出力差によってHの濃度を検出できる。「異なる特性で拡散させる」には、例えば一方に触媒層を設けたり、両拡散抵抗層の気孔率を異ならせたりすることで実現可能である。
一方、過渡時(H濃度が時間と共に変化する場合)においては、両セルの出力差と、H濃度との関係が定常時と異なるため、補正手段により補正第2セルの出力値を補正し
ている。
ここで、第1セルの出力値の変化率が第1所定値よりも大きいとは、実際のH濃度が変化しており、両セルの出力差と、H濃度との関係が定常時と異なっていることを意味する。すなわち、第1所定値は、両セルの出力差と、H濃度との関係が定常時と同等とすることのできる上限値である。ここで、第1所定値は、第2セルの出力値の変化率、または両セルの出力値の差から決定しても良い。
また、第2セルの出力値の変化率が第2所定値よりも大きいとは、実際のH濃度が変化しており、両セルの出力差と、H濃度との関係が定常時と異なっていることを意味する。すなわち、第2所定値は、両セルの出力差と、H濃度との関係が定常時と同等とすることのできる上限値である。
第1セルの出力値の変化量が大きな場合には、過渡での応答差による影響が含まれていると考えられる。これに対し本発明では、第2セルの出力値を補正している。そして、補正係数として、第1セルの出力値の変化率を第2セルの出力値の変化率で除した値を用いている。すなわち、両セルの出力値の変化率の比は、応答差と相関関係にあるため、この値に基づいて第2セルの出力値を補正している。これにより、応答差を打ち消すことができるため、H濃度をより正確に検出することができる。
なお、出力値の変化率とは、単位時間(または微小時間)あたりの出力値の変化量としても良く、所定の時間における出力値の変化量としても良い。
本発明によれば、過渡状態であってもH濃度をより正確に検出することができる。
実施例において用いられる排気ガスセンサの構成を説明するための図である。 濃度とセンサ出力値との関係を示した図である。 第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との推移を示すタイムチャートである。 第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との差の推移を示すタイムチャートである。 第2セル出力VAD2を補正するための補正係数Kと、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1を第2セル出力VAD2の変化率dVAD2で除した値との関係を示した図である。 実施例に係るH濃度の算出フローを示したフローチャートである。 電極の配置を示した図である。 始動時のヒータ制御のフローを示したフローチャートである。 温度とセンサ出力との関係を示した図である。 温度とセンサ出力との関係を空燃比(A/F)毎に示した図である。 爆発条件外か否か判定するための図である。 通常時のヒータ制御のフローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係るHセンサの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
(センサの構成)
図1は、本実施例において用いられる排気ガスセンサ10の構成を説明するための図である。より具体的には、図1(A)は、排気ガスセンサ(Hセンサ)10の斜視図である。また、図1(B)は、排気ガスセンサ10を、図1(A)に矢印Bを付して示す平面で切断することで得られる断面図を示す。
図1(A)に示すように、排気ガスセンサ10は、センサ本体12を備えている。センサ本体12の上部には、第1拡散抵抗層14と、第2拡散抵抗層16とが設けられている。第1拡散抵抗層14及び第2拡散抵抗層16は、セラミクス等の多孔質物質で構成された部材である。本実施例において、それらは、孔の大きさや密度等の特性が同じになるように設けられている。
第1拡散抵抗層14の表面には、H成分の分解或いは反応を促すための触媒層18が形成されている。触媒層18は、具体的には、プラチナ、ロジウム、バリウム等の塗布膜により形成されている。
第1拡散抵抗層14は、第1電極20を覆うように形成されている。他方、第2拡散抵抗層16は、第2電極22を覆うように構成されている。本実施例の排気ガスセンサ10は、車両に搭載される内燃機関の排気通路内に配置され、排気ガス中の空燃比A/Fと、H濃度とを計測するためのセンサである。本実施例では、図1(A)に示すように、第1電極20が、空燃比A/Fの検出用に用いられる。
図1(B)に示すように、センサ本体12は、電解質層24と、スペーサ部材26と、ヒータ層28とを備えている。電解質層24は、YSZ(イットリア安定化単結晶ジルコニア)などにより構成されている。上述した第1電極20及び第1拡散抵抗層14、並びに第2電極22及び第2拡散抵抗層16は、互いに離間した状態で、電解質層24の表面に形成されている。
電解質層24の裏面側には、スペーサ部材26とヒータ層28により囲まれた大気室30が形成されている。そして、電解質層24の裏面には、第1電極20と重なる位置、及び第2電極22と重なる位置に、2つの大気側電極32,34が形成されている。大気室30は、図示しない大気孔を介して大気に連通している。このため、排気ガスセンサ10が排気通路内に配置された状態であっても、大気側電極32,34は、大気に晒された状態に維持される。
以下、第1拡散抵抗層14と、触媒層18と、第1電極20と、大気側電極32と、それらに挟まれた電解質層24の領域とを総称して、「第1セル101」と称す。また、第2拡散抵抗層16と、第2電極22と、大気側電極34と、それらに挟まれた電解質層24の領域とを総称して、「第2セル102」と称す。
ヒータ層28には、ヒータ36が埋め込まれている。排気ガスセンサ10は、所定の活性温度に達することにより、所期のセンサ機能を実現する。ヒータ36は、外部の駆動回路から電力の供給を受けることにより、排気ガスセンサ10を所望の活性温度に加熱することができる。
第1電極20、第2電極22、2つの大気側電極32,34は夫々ECU40に電気的に接続されており、該ECU40により第1セル101に発生するセンサ電流の値(第1セル出力VAD1)、および第2セル102に発生するセンサ電流値(第2セル出力VAD2)を検知することができる。
[排気ガスセンサ10の基本動作]
(センサ動作原理)
排気ガスセンサ10において、第1セル101及び第2セル102は、それぞれ、限界電流式の空燃比センサとして機能する。すなわち、第1拡散抵抗層14、及び第2拡散抵抗層16は、何れも排気通路の内部で、排気ガスに晒された状態で用いられる。そして、排気ガス中の各種成分は、それぞれ、第1拡散抵抗層14及び第2拡散抵抗層16の表面に到達した後、拡散によりそれらの内部を進行する。
排気ガス中には、CO、H、HC等の還元剤と、O、NOxなどの酸化剤が含まれ
ている。それらの成分は、第1電極20や第2電極22の表面に到達する過程、及び到達後の燃焼により完全に反応し合う。理論空燃比が実現されている場合は、酸化剤と還元剤が共に消滅する。これに対して、空燃比がリッチである場合は還元剤が残存し、空燃比がリーンである場合は酸化剤が残存する事態が生ずる。
第1セル101は、上述した電圧印加を受けている場合、第1電極20側に残存する酸素を大気側電極32側にポンピングする。他方、第1電極20側に還元剤が残存している場合は、その還元剤を焼失させるのに必要な酸素を大気側電極32側から第1電極20側へポンピングする。このため、第1セル101には、第1電極20の表面に到達した還元剤と酸化剤との比率、つまり、その表面における空燃比に応じたセンサ電流が生ずる。
第2セル102についても、第2電極22と大気側電極34との間では、上記と同様に、酸素がポンピングされる。その結果、上記の電圧印加を受けた第2セル102には、第2電極22の表面における空燃比に応じたセンサ電流が流通する。従って、本実施例のシステムによれば、ECU40は、第1電極20の表面における空燃比および第2電極22の表面における空燃比をそれぞれ検知することができる。
(H成分の影響)
排気ガス中に含まれるH成分は、他の成分に比して、特に、OやNOxなどの酸化
剤に比して、拡散速度が早いという特性を有している。このため、例えば、第2拡散抵抗層16の表面に、HとOとがバランスの取れた割合で存在していたとすれば、第2電極22の表面には、HがOに比して多量に到達する。
第2電極22の表面に、還元剤であるHが、酸化剤であるOより多量に到達すれば、その表面付近において還元剤が過多となり、その付近の空燃比はリッチとなる。従って、この場合、排気ガスセンサ10の周囲における空燃比が理論空燃比であるにも関わらず、第2セル102には、空燃比がリッチであることを表すセンサ電流が流通する。
つまり、排気ガス中にH成分が存在している場合、O等の酸化剤に対するH成分の割合は、第2拡散抵抗層16の表面に比して、第2電極22の表面において高くなる。その結果、第2セル102に生ずるセンサ電流は、排気ガスセンサ10を取りまく排気ガスの空燃比に対してリッチ側にシフトした値となる。このため、排気ガス中にH成分が存在する場合は、第2セル102のセンサ電流値によっては、排気空燃比を正確に検知することはできない。
(空燃比A/Fの検出)
第1セル101は、第1拡散抵抗層14の表面に、H成分の分解・反応を促進する触媒層18を備えている。このため、第1セル101の側では、殆どのH成分は、第1拡散抵抗層14の内部に到達する以前に焼失する。つまり、第1セル101の側では、排気ガス中にH成分が存在する場合であっても、第1拡散抵抗層14には、H成分と酸化剤との平衡反応後(中和がとられた後)の排気ガスが到達する。
排気ガスの空燃比、つまり、排気ガス中の還元剤と酸化剤とのバランスは、触媒層18においてH成分が平衡反応に供される前後で変化することはない。そして、排気ガスが第1拡散抵抗層14の内部を進行する段階でも、H成分が既に存在していないことから、還元剤と酸化剤とのバランスは、殆ど変化しない。つまり、第1セル101においては、排気ガス中にH成分が存在する場合であっても、第1電極20の表面に、現実の排気空燃比と殆ど同じ空燃比で排気ガス成分が到達する。
このため、ECU40は、H成分が存在する状況下でも、第1セル101のセンサ電流値を基礎とすれば、排気空燃比を極めて正確に検知することができる。以上の理由により、本実施例では、上述した通り、第1セル101(第1電極20)が、空燃比A/Fの検出用に用いられる。
(H濃度の検出)
図2は、H濃度とセンサ出力値との関係を示した図である。実線は第2セル102の出力値を示し、一点鎖線は第1セル101の出力値を示している。
上述した通り、排気ガスセンサ10によれば、排気ガス中にH成分が含まれている場合、その影響が、第2セル102のセンサ電流値にのみ反映される。そして、その影響は、排気ガス中のH濃度が高いほど大きなものとなる。
この場合、第1セル101のセンサ電流値I1と、第2セル102のセンサ電流値I2との差は、排気ガス中のH成分の濃度と相関を有するものとなる。つまり、空燃比により両センサ電流値は変化するものの、この差は排気ガス中のH成分の濃度と相関を有する。従って、本実施例のシステムでは、両者の差ΔI=I1−I2に基づいて、H濃度を検出することが可能である。
以上説明した通り、本実施例のシステムは、第1拡散抵抗層14の表面に触媒層18を設けることにより、H成分の検出を可能としている。
[触媒層での反応による遅れ]
(遅れの影響)
上述した通り、同時にサンプリングした第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との差に基づいて、排気ガス中のH濃度を算出することとしている。ところで、第1セル101においては、排気ガスセンサ10の周囲を流通する排気ガスが、触媒層18において反応した後、第1拡散抵抗層14の内部に進入する。他方、第2セル102においては、そのような反応を経ることなく、排気ガスが第2拡散抵抗層16に進入する。このため、第1セル101における排気ガスの拡散時間は、第2セル102における拡散時間に比して、僅かながら長期化する。
図3は、第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との推移を示すタイムチャートである。実線は第2セル出力VAD2を示し、一点鎖線は第1セル出力VAD1を示している。また、図4は、第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との差の推移を示すタイムチャートである。
第1セル101と第2セル102とには応答差がある。この応答差は、H濃度が一定であれば問題とならない。しかし、H濃度が変化する過渡時においては、同じADタイミングで取り込んだ第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との差に、H成分の影響の他、上述した応答遅れに起因する誤差が重畳している。
排気ガス中のH濃度を正確に検知するためには、H成分の影響のみに起因して、第
1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との間に発生した差を検知することが有効である。そして、このような差は、任意のADタイミングで取得した第1セル出力VAD1と、該ADタイミングで取得した第2セル出力VAD2を補正した値と、の差を求めることで得ることができる。つまり、過渡時においては、(I1−I2×K)に基づいて、H濃度を検出することが可能である。補正係数Kは、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1を第2セル出力VAD2の変化率dVAD2で除した値である。この補正係数Kは、応答差と相関関係にあるため、この補正係数Kで第2セル出力VAD2を補正することにより応答差を打ち消すことができる。
図5は、第2セル出力VAD2を補正するための補正係数Kと、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1を第2セル出力VAD2の変化率dVAD2で除した値との関係を示した図である。
なお、第2セル出力VAD2を補正するか否か、すなわち、過渡時であるか否かは、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1および第2セル出力VAD2の変化率dVAD2に基づいて判定する。第1セル出力VAD1の変化率dVAD1および第2セル出力VAD2の変化率dVAD2がある程度大きな場合には、H濃度が時間と共に変化していると考えられる。つまり、過渡時であると考えられる。この閾値として、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1には所定値dVAD1’が与えられ、第2セル出力VAD2の変化率dVAD2には所定値dVAD2’が与えられる。すなわち、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1が所定値dVAD1’よりも大きく、且つ、第2セル出力VAD2の変化率dVAD2が所定値dVAD2’よりも大きな場合には、過渡時であるとして、第2セル出力VAD2を補正する。
第1セル出力VAD1の変化率dVAD1に対して設定される所定値dVAD1’は、第1セル出力VAD1と第2セル出力VAD2との差から決定する。この関係は予め実験等により求めてECU40に記憶しておく。
(具体的処理)
図6は、本実施例に係るH濃度の算出フローを示したフローチャートである。本ルーチンはECU40により所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、第1セル出力VAD1および第2セル出力VAD2が取得される。
ステップS102では、第1セル出力VAD1の変化率dVAD1が所定値dVAD1’よりも大きいか否か判定される。つまり、ステップS101で取得される第1セル出力VAD1から、その変化率dVAD1を算出し、該変化率dVAD1が所定値dVAD1’よりも大きいか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、否定判定がなされた場合には補正の必要がないためステップS105へ進む。
ステップS103では、第2セル出力VAD2の変化率dVAD2が所定値dVAD2’よりも大きいか否か判定される。つまり、ステップS101で取得される第2セル出力VAD2から、その変化率dVAD2を算出し、該変化率dVAD2が所定値dVAD2’よりも大きいか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、否定判定がなされた場合には補正の必要がないためステップS105へ進む。
ステップS104では、過渡時における補正が行われる。つまり、第2セル出力VAD
2に補正係数Kを乗じた値が新たに第2セル出力VAD2とされる。なお、本実施例においてはステップS104を処理するECU40が、本発明における補正手段に相当する。
ステップS105では、第1セル出力VAD1から第2セル出力VAD2を減じた値からH濃度を算出する。第1セル出力VAD1から第2セル出力VAD2を減じた値とH濃度との関係は予めECU40に記憶しておく。
以上説明したように本実施例によれば、過渡時において一方のセルの出力値を補正することにより、過渡時であってもH濃度をより正確に求めることができる。
なお、本実施例では、特定の検出対象成分を夫々異なる特性で拡散させるために、第1拡散抵抗層14の表面にH成分の分解或いは反応を促すための触媒層18を形成しているが、これに代えて両拡散抵抗層の気孔率(孔の大きさや密度等)を変えても良い。
(他の例)
センサの応答差に対する対策をハード構成により行うこともできる。例えば、夫々の排気の検出部から電極までの拡散距離を同一としても良い。図7は、電極200,201の配置を示した図である。生産性または信頼性を向上させる観点により拡散抵抗層の気孔率を変える場合には、図7のCに示す配置が適している。また、触媒層を設ける場合には、図7のAに示す配置が適している。これら両者を採用する場合には、図7のBに示す配置が適している。
さらに、Hの反応速度が速い触媒層を採用しても良い。すなわち、Rh等の酸化能力の高い貴金属を避け、Pt/Pd等の貴金属を用いる。この場合、酸化雰囲気での作動を避けることが望ましい。
ここで、限界電流式センサの基本式は、以下の式で表される。
センサ電流IL=限界電流IL=Do2×((4・F)/(R・T))・(S/I)・(Poe−Pod)
但し、R:気体定数、F:Faraday定数、T:絶対温度、S:電極面積、I:拡散距離、Do2:酸素ガス(および各種未燃成分)の拡散抵抗層での拡散係数、Poe:排気中の酸素分圧、Pod:排気側電極上の酸素分圧、である。
拡散抵抗層の気孔率を変更した場合には、拡散係数が変化する。従って、拡散係数の変化分をαとすると、IL=Do2・(α/I)・Kとなるので、酸素濃度に対する出力変化がないように拡散距離を1/αとする。つまり、複数のセルにおいて、(拡散係数×拡散距離=一定)となる異なる拡散抵抗層気孔率および拡散距離を有する。同様に触媒層を設けた場合に触媒反応により応答性が悪化した場合でも、拡散抵抗層気孔率または拡散距離を変更することで、同様の応答性を得ることができる。この場合には、触媒層の付与による影響をβとし、(触媒による平衡化影響β×気孔率影響α=一定)とする。
一方、触媒層については応答性の影響が無いように、触媒層に含まれるRh比率を0〜5%以内とする。但し、Rh比が低い場合には耐久性の悪化が懸念されるため、酸化雰囲気でのセンサの電力供給を禁止しても良い。
なお、センサ制御には、爆発や被水割れを回避しつつ早期活性を実現するヒータ制御と、過渡および経時劣化を考慮した検出精度の確保と、の2つの課題がある。過渡時における検出精度の確保については上述したので、ヒータ制御について説明する。
(始動時のヒータ制御)
は、その反応性から酸素共存下での爆発限界が3%と低く、固体電解質を用いたセンサを用いる場合に爆発する虞がある。また、冷間始動時においては燃焼ガスの排気系での冷却により発生する水によって素子が割れる虞がある。これに対し、以下のヒータ制御を行う。
図8は、始動時のヒータ制御のフローを示したフローチャートである。
ステップS201では、低温保持のための電力供給が行なわれる。つまり、被水を考慮した低電圧制御が行われる。ステップS202では、排気系の温度情報が取得される。つまり、水の発生に関する情報が取得される。ステップS203では、センサが被水するか否かが排気系の温度情報に基づいて判定される。水が発生している場合にセンサが被水するとしても良い。ステップS203で肯定判定がなされた場合にはステップS204へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
ステップS204では、酸素濃度情報が取得される。エンジンの運転情報および他の酸素濃度センサの出力を用いることにより、Hセンサの近傍の酸素濃度を推定する。
ステップS205では、Hセンサの出力が取得される。なお、所定温度以上であれば、作動温度よりも低い温度であってもH濃度を検出できるため、実雰囲気およびH濃度が分かる。
ここで、図9は、温度とセンサ出力との関係を示した図である。図9では、H濃度が3%の場合を示している。また、図10は、温度とセンサ出力との関係を空燃比(A/F)毎に示した図である。両図ともH濃度は一定とする。このように、ある程度温度が高くなれば、センサ出力は一定となる。
ステップS206では、爆発条件外か否か判定される。すなわち、爆発の虞はないか否か判定される。本ステップでは、酸素濃度が爆発限界を超えるか、または還元雰囲気であるかに基づいて判定される。ステップS206で肯定判定がなされた場合にはステップS207へ進みヒータ通電が許可される。否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。ここで、図11は、爆発条件外か否か判定するための図である。
(通常時のヒータ制御)
通常時のヒータ制御においては、還元雰囲気下での使用が前提であるが、何らかの理由により還元雰囲気となった場合、即座にセンサへの電力供給を禁止する。
図12は、通常時のヒータ制御のフローを示したフローチャートである。
ステップS301では、雰囲気情報が取得される。例えばアクセル開度情報やエンジン運転情報、他の酸素濃度センサの出力等によりセンサ近傍の雰囲気情報を得る。なお、爆発反応はセンサ周辺での起こる可能性が最も高いため、センサへの電力供給と、電極間インピーダンスの積算値と、を考慮して判定しても良い。
ステップS302では、爆発する可能性があるか否か判定される。つまり、酸化雰囲気になり得るか否か判定される。ステップS302で肯定判定がなされた場合にはステップS302へ進みヒータへの電力供給が禁止される。否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
なお、H噴射要求があったり爆発条件外となっていたりすることによりヒータへの通電が再開される。
10 排気ガスセンサ
12 センサ本体
14 第1拡散抵抗層
16 第2拡散抵抗層
18 触媒層
20 第1電極
22 第2電極
24 電解質層
26 スペーサ部材
28 ヒータ層
30 大気室
32 大気側電極
34 大気側電極
36 ヒータ
40 ECU
101 第1セル
102 第2セル

Claims (1)

  1. 被検出ガス中に露出される第1拡散抵抗層と、前記第1拡散抵抗層に覆われた第1電極とを備え、前記第1電極の表面におけるガス成分比率に応じた出力を発する第1セルと、
    前記被検出ガス中に露出される第2拡散抵抗層と、前記第2拡散抵抗層に覆われた第2電極とを備え、前記第2電極の表面におけるガス成分比率に応じた出力を発する第2セルとを備え、
    前記第1拡散抵抗層と、前記第2拡散抵抗層とは、特定の検出対象成分を、それぞれ異なる特性で拡散させ、
    被検出ガス中に前記検出対象成分が含まれる状況下で、前記第1セルの出力値から前記第2セルの出力値を減じた値からH濃度を検出するHセンサにおいて、
    前記第1セルの出力値の変化率が第1所定値よりも大きく、且つ、前記第2セルの出力値の変化率が第2所定値よりも大きい場合には、前記第2セルの出力値に、前記第1セルの出力値の変化率を前記第2セルの出力値の変化率で除した値を乗じて該第2セルの出力値を補正する補正手段を備えることを特徴とするHセンサ。
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