JP2009210194A - 焼成炉制御方法及び焼成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した特性の焼結物を得るのに適した焼成炉制御方法及び焼成装置を提供すること。
【解決手段】焼成炉1は、搬入準備室10と取出準備室18との間に、第1炉室11〜第7炉室17を有している。炉圧制御に当たり、第1炉室11〜第7炉室17の内圧P1〜P7を大気圧Paよりも高く保つ。また、搬入準備室10に隣接する第1炉室11の内圧P1を、第2炉室12の内圧P2よりも高く保つ。更に、取出準備室18に隣接する第7炉室17の内圧P7を、第6炉室16の内圧P6よりも高く保つ。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼成炉制御方法及び焼成装置に関する。
例えば、セラミックスを雰囲気焼成する際に用いられる焼成炉においては、被焼成物搬入及び取出時に、炉室の雰囲気が擾乱されないように配慮しなければならない。炉室の雰囲気が擾乱されると、焼結体の特性変動を招いてしまうからである。その一つの手段として、置換室と隣接する炉室とをシャッタによって閉じるとともに、被焼成物を搬入側置換室に搬入したことによって入った空気を、例えばN2ガスなどの不活性ガスによって置換し、その後、シャッタを開いて、被焼成物を炉室内に送り込む。
焼成後、焼成物を取り出す際には、予め、不活性ガスで満たした取出側置換室内に焼成物を取り込み、次に炉室と取出側置換室との間に設けられたシャッタを閉じた状態で、焼成物を取出側置換室から外部に取り出す。その後、焼成物取出操作に伴って取出側置換室内に入った空気を、不活性ガスで置換する。
雰囲気焼成炉においては、炉室内の雰囲気ガスの状態が、焼成品の特性に重大な影響を与えることから、従来より、種々の雰囲気ガス制御技術が提案され、実用に供されている。例えば、特許文献1は、焼成炉内を、被焼結体の移送方向に温度勾配を持つ焼結条件に設定することにより、焼結炉内を移送される被焼結体からその加熱過程で生じるガスを、その不活性ガス等の流れにより焼結炉外に円滑に排出する焼結方法及び焼結炉を開示している。具体的には、出口側の炉圧を高くし、入口側の炉圧を低く設計する。
また、特許文献1とは異なって、積極的な炉圧制御は行わず、焼成温度の影響で、焼成炉内の焼成安定部(高温部)で炉圧が高くなり、入口部及び出口部で炉圧が低くなる現象を利用する技術も、よく知られている。
しかし、何れの従来技術を適用した場合でも、未焼成物を搬入側置換室に導入する場合、及び、取出側置換室から焼成物を取り出す場合に、大気圧よりも高い内圧にある置換室が大気開放となるから、その内圧が大気圧まで低下してしまう。置換室と炉室は、シャッタによって一応区切られているが、シャッタ自体の密閉性は、その構造上、高いものではない。このため、置換室の内圧変動が炉室の内圧に波及し、その内圧の変動、炉室の雰囲気ガス組成分比の変動、炉室温度の変動を招き、焼結体の特性が変動してしまう。
しかも、特許文献1の場合は、出口側の炉圧を高くし、入口側の炉圧を低く設計するのであって、焼成炉全長にわたる一方向温度傾斜制御に限定され、安定した特性の焼結体を得る上に重要なゾーン制御に不向きである。
特開平6−346104
本発明の課題は、安定した特性の焼成物を得るのに適した焼成炉制御方法及び焼成装置を提供することである。
1.焼成炉制御方法
上述した課題を解決するため、本発明に係る焼成炉制御方法は、焼成炉の炉圧を制御するために適用される。前記焼成炉は、未焼成物搬入用の搬入準備室と焼結物取出用の取出準備室との間に、複数nに区画された前記第1炉室〜第n炉室を有している。
本発明に係る焼成炉制御方法は、上述した焼成炉の内圧を制御するに当たり、前記第1炉室〜第n炉室の内圧を大気圧よりも高く保ち、前記搬入準備室に隣接する前記第1炉室の内圧を、前記第1炉室に隣接する前記第2炉室の内圧よりも高く保ち、前記取出準備室に隣接する前記第n炉室の内圧を、前記第n炉室に隣接する前記第(n-1)炉室の内圧よりも高く保つ、ステップを含む。
上述したように、本発明に係る焼成炉制御方法では、第1炉室〜第n炉室の内圧を大気圧よりも高く保ってあるから、焼成工程において、大気が第1炉室〜第n炉室の内部に入る余地はない。
しかも、搬入準備室に隣接する第1炉室の内圧を、第1炉室に隣接する第2炉室の内圧よりも高く保ってあるから、被焼成物を搬入したことによって搬入準備室が大気開放され、その内圧が低下した場合でも、搬入準備室に隣接する第1炉室の高い内圧が「壁」となって、第2炉室以降の炉室から搬入準備室の方向へ向かう雰囲気ガスの流れが生じるのを遮断する。雰囲気ガスの流れを遮断する作用は、焼成工程においても、当然に維持される。
これに加えて、取出準備室に隣接する第n炉室の内圧を、第n炉室に隣接する第(n-1)炉室の内圧よりも高く保ってあるから、焼成物を取り出したことによって取出準備室が大気開放され、その内圧が低下した場合でも、取出準備室に隣接する第n炉室の高い内圧が「壁」となって、第n炉室より前の炉室から取出準備室の方向へ向かう雰囲気ガスの流れが生じるのを遮断する。この焼成工程においても、雰囲気ガスの流れを遮断する作用は、当然に維持される。
結局、第2炉室〜第(n-1)炉室の列では、両側の第1炉室及び第n炉室の高い内圧が「壁」となって、雰囲気ガスの炉室間流通が生じないように封じこめられることになる。この結果、中間部の炉室又は炉室群によって構成される焼成安定部の雰囲気ガス成分比、内圧の変動が抑制され、安定した特性を持つ焼成物が得られることになる。
本発明に係る焼成炉制御方法の適用される焼成炉においても、従来と同様に、未焼成物搬入側及び焼結物取出側に、搬入及び取出によって流入した空気を、不活性ガスで置換する搬入準備室及び取出準備室を有する。従って、従来と同様に、搬入準備室と隣接する炉室とをシャッタによって閉じるとともに、未焼成物を搬入準備室に搬入したことによって入った空気を、例えばN2ガスなどの不活性ガスによって置換し、その後、シャッタを開いて、未焼成物を搬入準備室から炉室内に送り込むことができる。不活性ガスによる置換後の搬入準備室及び取出準備室の内圧は、第1炉室及び第(n-1)炉室の内圧よりも高くても、低くてもよい。
焼結物を取り出す際には、予め、不活性ガスで満たした取出準備室内に焼結物を取り込み、次に一定の冷却時間を置いて、炉室と取出準備室との間に設けられたシャッタを閉じ、この状態で、焼結物を取出準備室から外部に取り出す。その後、焼結物取出操作に伴って取出準備室内に入った空気を、不活性ガスで置換することができる。
従って、対象物の搬入及び取出時に、炉室の雰囲気が擾乱されないようにし、炉室の雰囲気擾乱による焼結体の特性変動を抑制することができる。
しかも、搬入準備室に搬入された未焼成物を、第1炉室〜第n炉室に送って焼成し、焼結物を取出準備室から取り出す構成であるから、第1炉室〜第n炉室の雰囲気制御によるゾーン制御が可能である。ゾーン制御によれば、第1炉室〜第n炉室の各雰囲気を制御し、最適な雰囲気制御を実行することができる。例えば、第1炉室〜第n炉室において、不活性ガスと酸素の混合比を個別的に選択制御し、焼成の程度に応じた柔軟な雰囲気制御を行うことができ、これにより、優れた特性の焼結体を得ることができる。
一つの形態として、前記第2炉室と前記第(n-1)炉室との間に、これらよりも高い内圧を有する第r炉室(rは自然数)を含んでいてもよい。このような場合も、第1炉室及び第n炉室の内圧が、前記第2炉室及び前記第(n-1)炉室の内圧よりも高いという条件が満たされる限り、焼成工程において、焼結物の特性に影響を与えるほどの大きな雰囲気ガス流を生じないからである。
前記内圧は、(ガス供給量/時間)と(ガス排気量/時間)の関係を調整することによって制御される。内圧は、結局は、雰囲気ガス供給量雰囲気ガス排気量とのバランスによって決まるからである。
内圧は、前記第1炉室〜第n炉室の全てにおいて調整してもよいが、本発明の目的の観点からは、前記内圧は、少なくとも、前記第1炉室及び第n炉室において調整される必要がある。
2.焼成装置
本発明は、更に焼成装置を開示する。この焼成装置は、基本的には、上述した焼成炉制御方法を実施するのに適した構成であればよい。即ち、本発明に係る焼成装置は、焼成炉を含む。前記焼成炉は、未焼成物搬入用の搬入準備室と焼結物取出用の取出準備室との間に、複数nに区画された前記第1炉室〜第n炉室を有している。
前記第1炉室〜第n炉室は、内圧が大気圧よりも高く保たれる。また、前記搬入準備室に隣接する前記第1炉室の内圧は、前記第1炉室に隣接する前記第2炉室の内圧よりも高く保たれる。更に、前記取出準備室に隣接する前記第n炉室の内圧は、前記第n炉室に隣接する前記第(n-1)炉室の内圧よりも高く保たれる。
本発明に係る焼成装置は、ガス供給装置と、ガス排出装置とを含むことができる。この場合、前記内圧は、前記ガス供給装置によるガス供給量と、前記ガス排出装置によるガス排出量の関係を調整することによって制御される。
前記ガス供給装置及び前記ガス排出装置は、前記第1炉室〜第n炉室の全てに備える必要はない、少なくとも、前記第1炉室及び第n炉室のそれぞれに備えられていればよい。
本発明に係る焼成装置は、その具体的構成として、焼成炉と、ガス供給装置と、ガス排出装置とを含む。前記焼成炉は、搬入準備室と、取出準備室と、炉室とを有する。前記搬入準備室は、未焼成物搬入側に配置され、内部空気を不活性ガスで置換する。前記取出準備室は、焼結物取出側に配置され、内部空気を不活性ガスで置換する。前記炉室は、連続するn個に区画された第1炉室〜第n炉室を有している。
前記ガス供給装置及び前記ガス排出装置は、対となって、少なくとも、前記搬入準備室、前記取出準備室、前記第1炉室および第n炉室にそれぞれ備えられる。前記ガス供給装置は、ガス供給量調節部を有し、前記ガス排出装置は、ガス排出量調節部を有する。
上述した焼成装置が、本発明に係る焼成炉制御方法の実施に適していることは、これまでの説明から明らかである。
具体的形態として、前記搬入準備室及び前記取出準備室に備えられた前記ガス供給装置は、不活性ガスのみを供給する。また、前記第1炉室及び前記第2炉室に備えられた前記ガス供給装置は、不活性ガス及びO2ガスの混合比率を制御する機能を有する。前記ガス供給装置及びガス排出装置は、前記第1炉室〜第n炉室の全てに備えられてもよいし、その一部、例えば、前記第1炉室及び第n炉室だけに備えられていてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、安定した特性の焼成物を得るのに適した焼成炉制御方法及び焼成装置を提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
図1は、本発明に係る焼成装置の概略的な構成と、この焼成装置を用いた焼成炉制御方法とを示す図である。図1において、上半部(A)は焼成装置の構成を示し、下半部(B)は制御方法に関連する位置ー圧力(炉圧、内圧)との関係を示すグラフである。位置は焼成炉1の位置に対応している。
本発明における焼成炉及び焼成装置は、連続式焼成炉の範疇に入るタイプを包含する。具体的には、トンネル炉、ローラーはースキルン、プッシャー炉、セラミックチェーンコンベア炉、メッシュベルト焼成炉、ウォーキングビーム焼成炉等が含まれる。
図示の焼成装置において、焼成炉1は、未焼成物41を搬入するために用いられる搬入準備室10と、焼結物42を取出すために用いられる取出準備室18との間に、複数n=7に区画された第1炉室11〜第7炉室17を有している。炉室数nは、任意数である。
第1炉室11〜第7炉室17は、内圧が大気圧よりも高く保たれる。また、搬入準備室10に隣接する第1炉室11の内圧P1は、第1炉室11に隣接する第2炉室12の内圧P2よりも高く保たれる。更に、取出準備室18に隣接する第7炉室17の内圧P7は、第7炉室17に隣接する第6炉室16の内圧P6よりも高く保たれる。搬入準備室10と第1炉室11との間には、シャッタ101が配置されており、取出準備室18と第7炉室17との間にも、シャッタ181が配置されている。
図1(A)は、シャッタ101、181が閉じられた焼成中の状態を示している。
第1炉室11〜第7炉室17は、一列に配置されており、炉室間には隔壁が設けられている。第1炉室11〜第7炉室17は、その内圧調整手段として、ガス供給装置(211、212)〜(271、272)と、ガス排出装置31〜37とを含む。第1炉室11〜第7炉室17の内圧は、ガス供給装置(211、212)〜(271、272)によるガス供給量と、ガス排出装置31〜37によるガス排出量の関係を調整することによって制御される。
ガス供給装置(211、212)〜(271、272)及びガス排出装置31〜37は、第1炉室11〜第7炉室17の全てに備える必要はない。少なくとも、第1炉室11及び第7炉室17のそれぞれに備えられていればよい。ガス供給装置(211、212)〜(271、272)及びガス排出装置31〜37は、対となっている。ガス供給装置(211、212)〜(271、272)の実体は、マス・コントローラなどのガス供給量調節機構である。ガス排出装置31〜37はガス排出量調節弁を有するようなタイプのものが用いられる。
また、搬入準備室10には、ガス供給装置20及びガス排出装置30が備えられ、取出準備室18には、ガス供給装置28及びガス排出装置37が備えられている。搬入準備室10及び取出準備室18に備えられたガス供給装置20、28は、N2ガスなどの不活性ガスのみを供給する。また、第1炉室11〜第7炉室17に備えられたガス供給装置(211、212)〜(271、272)は、N2ガス及びO2ガスの混合比率を制御する機能を有する。ガス供給装置(211、212)〜(271、272)及びガス排出装置31〜37は、第1炉室11〜第7炉室17の全てに備えられてもよいし、その一部だけに備えられていてもよい。例えば、第1炉室11及び第7炉室17だけに備えられているような場合もありえる。
上述した焼成装置を用いて本発明に係る制御方法を実行する場合、まず、搬入準備室10の内部に未焼成物41を搬入する。未焼成物41は、未焼成誘電体セラミック成型体、未焼成磁性セラミック成型体又はその複合セラミック成型体などであり、一般には、図示されていない搬送用トレー、台車などに搭載され、第1炉室11〜第7炉室17の内部を、矢印Fで示す方向に搬送される。
未焼成物41を搬入準備室10の内部に搬入した後、ガス供給装置20から搬入準備室10の内部にN2ガスを導入し、搬入時に入った空気をN2ガスによって置換する。この置換工程では、搬入準備室10と第1室11とを仕切るシャッタ101は閉じておくとよい。搬入準備室10の内圧が所定値に達したら、シャッタ101を開け、プッシャなどの適当な移送手段5を用いて、未焼成物41を第1炉室11の内部に送り込む。第1炉室11〜第7炉室17の内部には、先に送り込まれた被焼結物が順次に整列した状態で一列に並んでいるので、未焼成物41を第1炉室11の内部に送り込むと、被焼結物の列の全体が、矢印Fで示す方向に送り出され、最前列に位置する被焼結物が、焼成の済んだ焼結物42として、取出準備室18の内部に取り込まれる。そして、取出準備室18の内部において、N2ガス雰囲気の中で除冷される。
取出準備室18の内部で所定温度まで冷却された焼結物42は、周知の取出機構によって、取出準備室18から外部に取り出される。この取出工程の前に、取出準備室18と第7炉室17との間を仕切るシャッタ181が閉じられる。そして、焼結物42を取出準備室18から外部に取り出した後、ガス供給装置28及びガス排出装置38の協働により、取出準備室18に存在していた空気を、N2ガスによって置換し、次のステップに備える。
上述した送り込み及び取出工程とは別に、第1炉室11〜第7炉室17の内圧を制御する。第1炉室11〜第7炉室17の内圧を制御するに当たり、図1(B)に図示するように、第1炉室11〜第7炉室17の最小内圧Pminを、大気圧Paよりも高く保つ。また、搬入準備室10に隣接する第1炉室11の内圧P1を、第1炉室11に隣接する第2炉室12の内圧P2よりも高く保つ。同様に、取出準備室18に隣接する第7炉室17の内圧P7を、第7炉室17に隣接する第6炉室16の内圧P6よりも高く保つ。この状態で焼成プロセスを実行する。
上述したように、第1炉室11〜第7炉室17の内圧を大気圧Paよりも高く保ってあるから、焼成工程において、大気が第1炉室11〜第7炉室17の内部に入る余地はない。
しかも、搬入準備室10に隣接する第1炉室11の内圧P1を、第1炉室11に隣接する第2炉室12の内圧P2よりも高く保ってあるから、被焼結物41を搬入したことによって搬入準備室10が大気開放され、その内圧が低下した場合でも、搬入準備室10に隣接する第1炉室11の高い内圧P1が「壁」となって、第2炉室12以降の炉室から搬入準備室10の方向へ向かう雰囲気ガスの流れが生じるのを遮断することができる。雰囲気ガスの流れを遮断する作用は、焼成工程においても、当然に維持される。
これに加えて、取出準備室18に隣接する第7炉室17の内圧P7を、第7炉室17に隣接する第6炉室16の内圧P6よりも高く保ってあるから、焼結物42を取り出したことによって取出準備室18が大気開放され、その内圧が低下した場合でも、取出準備室18に隣接する第7炉室17の高い内圧P7が「壁」となって、第7炉室17より前の炉室から取出準備室18の方向へ向かう雰囲気ガスの流れが生じるのを遮断する。この焼成工程においても、雰囲気ガスの流れを遮断する作用は、当然に維持される。
結局、第2炉室12〜第6炉室16の列では、両側の第1炉室11及び第7炉室17の高い内圧P1、P7が「壁」となって、雰囲気ガスの炉室間流通が生じないように封じこめられることになる。この結果、中間部の炉室又は炉室群によって構成される焼成安定部の雰囲気ガス成分比、内圧の変動が抑制され、安定した特性を持つ焼結物が得られることになる。
実施例において、従来と同様に、被焼結物搬入側及び焼結物取出側に、内部空気がN2ガスで置換される搬入準備室10及び取出準備室18を有する。従って、従来と同様に、搬入準備室10と、隣接する第1炉室11とをシャッタ101によって閉じるとともに、被焼結物41を搬入準備室10に搬入したことによって入った空気を、N2ガスによって置換し、その後、シャッタ101を開いて、被焼結物41を、搬入準備室10から第1炉室11の内部に送り込むことができる。
焼成後に焼結物42を取り出す際には、予め、不活性ガスで満たした取出準備室18の内部に焼結物42を取り込み、次に一定の冷却時間を置いて、第7炉室17と取出準備室18との間に設けられたシャッタ181を閉じ、この状態で、焼結物42を取出準備室18から外部に取り出す。その後、焼結物取出操作に伴って取出準備室18内に入った空気を、不活性ガスで置換することができる。従って、搬入及び取出時に、炉室の雰囲気が擾乱されないようにし、炉室の雰囲気擾乱による焼結体の特性変動を抑制することができる。
しかも、搬入準備室10に搬入された未焼成物41を、第1炉室11〜第7炉室17に送って焼成し、焼結物を取出準備室18から取り出す構成であるから、第1炉室11〜第7炉室17の雰囲気制御によるゾーン制御が可能である。ゾーン制御によれば、例えば、第1炉室11〜第7炉室17において、N2ガスとO2ガスの混合比及び昇温特性を個別的に選択制御し、焼成過程に応じた柔軟な雰囲気制御及び温度制御を行うことができ、これにより、優れた特性の焼結体42を得ることができる。
図1に示す例では、搬入準備室10の内圧P0が第1炉室11の内圧P1よりも高くなっており、また、取出準備室18の内圧P8も、第7炉室17の内圧P7よりも高くなっている。この内圧分布によれば、第1炉室11〜第7炉室17の炉室列では、両側の搬入準備室10及び取出準備室18の高い内圧P0、P8が「壁」となって、雰囲気ガスの炉室間流通が生じないように封じこめられることになる。
もっとも、本発明において選択された焼成炉内圧分布は、雰囲気ガスが炉室間で流通しないように封じ込めることにその目的があるから、この目的が達成される限り、図1に示すような内圧分布に限定される必要はない。そのような代表例を図2、図3に例示する。図2及び図3において、図1に現れた構成部分と対応する部分については、同一の参照符号を付し、重複説明はこれを省略する。
まず、図2では、搬入準備室10の内圧P0が、第1炉室11の内圧P1よりも低くなっており、取出準備室18の内圧P8も第7炉室17の内圧P7よりも低くなっているが、第1炉室11の内圧P1は、第2炉室12の内圧P2よりも高くなっており、第7炉室17の内圧P7も、第6炉室16の内圧P6よりも高くなっている。従って、第2炉室12〜第6炉室16の炉室列では、両側の第1炉室11及び第7炉室17の高い内圧P1、P7が「壁」となって、雰囲気ガスの炉室間流通が生じないように封じこめられる。
次に、図3では、第2炉室12と第6炉室16との間に、これらの内圧P2、P6よりも高い内圧P4を有する第4炉室を含んでいる。この場合も、第1炉室11及び第7炉室17の内圧P1、P2が、第2炉室12及び第6炉室16の内圧P2、P6よりも高いという条件が満たされる限り、焼成工程において、焼結物の特性に影響を与えるほどの大きな雰囲気ガス流を生じない。
内圧は、(ガス供給量/時間)と(ガス排気量/時間)の関係を調整することによって制御される。内圧は、結局は、雰囲気ガス供給量雰囲気ガス排気量とのバランスによって決まるからである。
内圧は、第1炉室11〜第7炉室17の全てにおいて調整してもよいが、本発明の目的からは、内圧は、少なくとも、第1炉室11及び第7炉室17において調整される必要がある。
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
本発明に係る焼成装置の概略的な構成と、焼成炉制御方法とを示す図であって、上半部(A)は焼成装置の構成を示し、下半部(B)は制御方法に関連する位置−圧力(内圧)との関係を示すグラフである。 発明に係る焼成装置の概略的な構成と、焼成炉制御方法の別の例を示す図であって、上半部(A)は焼成装置の構成を示し、下半部(B)は制御方法に関連する位置−圧力(内圧)との関係を示すグラフである。 発明に係る焼成装置の概略的な構成と、焼成炉制御方法の更に別の例を示す図であって、上半部(A)は焼成装置の構成を示し、下半部(B)は制御方法に関連する位置−圧力(内圧)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 焼成炉
10 搬入準備室
11〜17 第1炉室〜第7炉室
18 取出準備室
20、28、(211、212)〜(271、272)
ガス供給装置
30〜38 ガス排出装置

Claims (11)

  1. 焼成炉の炉圧を制御する焼成炉制御方法であって、
    前記焼成炉は、未焼成物搬入用の搬入準備室と焼結物取出用の取出準備室との間に、複数nに区画された前記第1炉室〜第n炉室を有しており、
    前記第1炉室〜第n炉室の内圧を大気圧よりも高く保ち、
    前記搬入準備室に隣接する前記第1炉室の内圧を、前記第1炉室に隣接する前記第2炉室の内圧よりも高く保ち、
    前記取出準備室に隣接する前記第n炉室の内圧を、前記第n炉室に隣接する前記第(n-1)炉室の内圧よりも高く保つ、
    ステップを含む焼成炉制御方法。
  2. 請求項1に記載された焼成炉制御方法であって、前記第2炉室と前記第(n-1)炉室との間に、これらよりも高い内圧を有する第r炉室(rは自然数)を含む、焼成炉制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載された焼成炉制御方法であって、前記内圧は、ガス供給量とガス排気量の関係を調整することによって制御される、焼成炉制御方法。
  4. 請求項3に記載された焼成炉制御方法であって、前記内圧は、少なくとも、前記第1炉室及び第n炉室において調整される、焼成炉制御方法。
  5. 焼成炉を含む焼成装置であって、
    前記焼成炉は、未焼成物搬入用の搬入準備室と焼結物取出用の取出準備室との間に、複数nに区画された前記第1炉室〜第n炉室を有しており、
    前記第1炉室〜第n炉室は、内圧が大気圧よりも高く保たれ、
    前記搬入準備室に隣接する前記第1炉室の内圧は、前記第1炉室に隣接する前記第2炉室の内圧よりも高く保たれ、
    前記取出準備室に隣接する前記第n炉室の内圧は、前記第n炉室に隣接する前記第(n-1)炉室の内圧よりも高く保たれる、
    焼成装置
  6. 請求項5に記載された焼成装置であって、前記第2炉室と前記第(n-1)炉室との間に、これらよりも高い内圧を有する第r炉室(rは自然数)を含む、焼成装置。
  7. 請求項5又は6に記載された焼成装置であって、ガス供給装置と、ガス排出装置とを含み、前記ガス供給装置によるガス供給量と、前記ガス排出装置によるガス排出量の関係を調整することによって、前記内圧を制御する、焼成装置。
  8. 請求項7に記載された焼成装置であって、前記内圧は、少なくとも、前記第1炉室及び第n炉室において調整される、焼成装置。
  9. 焼成炉と、ガス供給装置と、ガス排出装置とを含む焼成装置であって、
    前記焼成炉は、搬入準備室と、取出準備室と、炉室とを有しており、
    前記搬入準備室は、被焼成物搬入側に配置され、内部空気を不活性ガスで置換するものであり、
    前記取出準備室は、焼成物取出側に配置され、内部空気を不活性ガスで置換するものであり、
    前記炉室は、複数nに区画された第1炉室〜第n炉室を有しており、
    前記ガス供給装置及び前記ガス排出装置は、対となって、前記搬入準備室、前記取出準備室、前記第1炉室および第n炉室にそれぞれ備えられている、
    焼成装置。
  10. 請求項9に記載された焼成装置であって、
    前記第1炉室及び前記第2炉室に備えられた前記ガス供給装置は、不活性ガス及びO2ガスの混合比率を制御する機能を有する、焼成装置。
  11. 請求項9に記載された焼成装置であって、前記ガス供給装置及びガス排出装置は、前記第1炉室〜第n炉室に備えられている、焼成装置。
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