JP2007198626A - 焼成炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】露点管理、及び、冷却勾配の制御が可能であって、高信頼性を有する被焼成物を安価で製造することができる焼成炉を提供する。
【解決手段】本発明に係る焼成炉は、炉室1と、可動仕切り装置2と、外部搬送口7とを有する。炉室1は、外部から室内への雰囲気ガスの導入が可能である。可動仕切り装置2は、その仕切り動作により、炉室1の同一室内100を、置換空間101と、焼成空間102とに仕切る。外部搬送口7は、開閉可能な遮蔽部70を有しており、炉室1の置換空間101となる部分において、炉室1を外部に向かって開口する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼成炉に関する。
従来、セラミック電子部品などを雰囲気焼成する場合、バッチ式焼成炉が広く用いられている。この種のバッチ式焼成炉は、例えば、特許文献1に開示されているように、炉床と、炉壁とが分離可能に組み合わされており、両者の組み合わせ状態において炉室が密閉されている。この炉室内に焼成前の焼成対象物(以下、未焼成物と称する)を搬入する場合、油圧シリンダや、チェーンブロック等の昇降装置により炉床を下降させ、炉室を一時的に開放する。そして、炉床上に未焼成物を載置した後、再び、昇降装置により炉床を上昇させることにより、炉床と、炉壁とが組み合わされるとともに、密閉された炉室内で未焼成物が雰囲気焼成される。一方、炉室から焼成後の焼成対象物(以下、被焼成物と称する)を搬出する場合、昇降装置により炉床を下降させ、炉室を一時的に開放し、被焼成物を搬出する。
上述したバッチ式焼成炉の問題点の1つは、炉室内の露点管理を行うことができない点にある。即ち、従来のバッチ式焼成炉では、未焼成物の搬入時、及び、被焼成物の搬出時に炉室が開放されることにより、炉壁が外気にさらされ、外気中の水分(湿気)が炉壁に吸湿される。この水分は、焼成工程において炉室内に放出されるから、例えば、水分の影響を受けやすい焼成対象物を雰囲気焼成する場合、炉壁から炉室内に放出された水分により、被焼成物の特性にばらつきや劣化が生じる。
加えて、従来のバッチ式焼成炉では、被焼成物は、焼成後に炉室内で自然冷却されるか、又は、炉室からの搬出後に外気中で自然冷却されるため、被焼成物に対する冷却勾配の制御、及び、冷却処理時間の短縮化が不可能であった。その結果、現状では焼成開始から冷却終了まで約34時間を要し、冷却処理の長時間化による生産性の低下が問題となっている。
また、被焼成物に対する冷却勾配の制御は、道具材への負担を軽減する側面からも求められている。例えば、冷却処理中に不適切な急冷が生じると、セラミック製の匣やセッター等の道具材にサーマルクラックが発生し、道具材の寿命を短くしてしまう。これに対し、従来のバッチ式焼成炉は、自然冷却であるため冷却勾配の制御ができず、急冷による道具材の劣化を回避することができない。
特開平6−159952号公報
本発明の課題は、露点管理の可能な焼成炉を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、冷却勾配の制御の可能な焼成炉を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、高信頼性を有する被焼成物を、効率的に製造することができる焼成炉を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る焼成炉は、炉室と、可動仕切り装置と、外部搬送口とを有する。炉室は、外部から室内への雰囲気ガスの導入が可能である。可動仕切り装置は、その仕切り動作により、炉室の同一室内を、置換空間と、焼成空間とに仕切ることができる。外部搬送口は、開閉可能な遮蔽部を有しており、炉室の置換空間となる部分において、炉室を外部に向かって開口する。
上述したように、本発明に係る焼成炉は、外部から室内への雰囲気ガスの導入が可能な炉室を有するから、この炉室の室内空間において未焼成物を雰囲気焼成することができるとともに、外部から導入される雰囲気ガスの組成を適宜調節することにより、室内空間の露点管理をおこなうことができる。より詳細に説明すると、本発明に係る焼成炉では、可動仕切り装置の仕切り動作により、炉室の室内空間が、置換空間と、焼成空間とに仕切られる。この置換空間となる部分には、炉室を外部に向かって開口する外部搬送口が備えられており、外部搬送口は開閉可能な遮蔽部を有するから、遮蔽部を操作して外部搬送口を開放させることにより、外部搬送口を通じて未焼成物を炉室内に搬入することができる。また、遮蔽部を操作して外部搬送口を閉鎖させることにより、炉室を外気から遮断して密閉することができるとともに、焼成物の搬入時に炉室内に流れ込んだ外気を、炉室が密閉された状態で、雰囲気ガスによって置換することができる。
焼成空間に未焼成物を搬入する工程について、具体的に説明すると、まず、可動仕切り装置の仕切り動作(閉鎖動作)により、炉室の室内空間を、置換空間と、焼成空間とに仕切り、置換空間と、焼成空間とが通気的に遮断された状態で、外部搬送口を開放させる。未焼成物は、この外部搬送口を通じて置換空間に搬入される。未焼成物を置換空間に搬入させた後、外部搬送口が閉鎖され、未焼成物の搬入時に、外部搬送口を通じて置換空間に流れ込んだ外気が、雰囲気ガスによって置換される。この置換処理後に、可動仕切り装置の仕切り動作(開放動作)により、置換空間と、焼成空間とを連続させ、未焼成物を置換空間から焼成空間に搬入させる。未焼成物を焼成空間に搬入させた後、再び可動仕切り装置の仕切り動作により、炉室を、置換空間と、焼成空間とに仕切り、この密閉された焼成空間において未焼成物が雰囲気焼成される。この構成によると、焼成空間への未焼成物の搬入時において、炉室は外気と遮断されているから、焼成空間内に、外気が流入する不都合は回避される。
さらに言えば、置換空間と、焼成空間とを連続させることで、焼成空間には、未焼成物の搬入時に、置換空間内での置換処理に用いられる雰囲気ガスが流入するから、この雰囲気ガスを適宜選択することにより、焼成空間の露点管理を適正に行い、高信頼性を有する被焼成物を製造することができる。
一方、焼成空間から被焼成物を搬出する工程について、予め、外部搬送口を閉鎖し、炉室が密閉された状態で、可動仕切り装置の仕切り動作により、置換空間と、焼成空間とを連続させて、被焼成物を焼成空間から置換空間に搬出する。被焼成物を置換空間に搬入させた後、再び可動仕切り装置の仕切り動作により、炉室を、置換空間と、焼成空間とに仕切り、この密閉された置換空間において被焼成物を雰囲気ガス中で冷却する。この構成によると、焼成空間から被焼成物を搬出する工程において、置換空間は、外気と遮断されているから、焼成空間内に、外気が流入する不都合は回避される。
また、置換空間と、焼成空間とを連続させることにより、炉室内に、置換空間の雰囲気ガスを流入させ、置換空間での本冷却処理前に、置換空間と、焼成空間とが連続した状態で、被焼成物に対し予備的な冷却処理を行うことができる。従って、冷却勾配を段階的に制御することができる。
さらに、本発明に係る焼成炉では、被焼成物を置換空間に搬入させて後、可動仕切り装置の仕切り動作により、置換空間と、焼成空間とを通気的に遮断させた状態で、再び置換空間の雰囲気ガスを調整することができるから、この密閉された置換空間内における被焼成物の冷却勾配を適切に制御することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)高信頼性を有する被焼成物を安価で製造しえる焼成炉を提供することができる。
(2)露点管理が可能な焼成炉を提供することができる。
(3)冷却勾配の制御が可能な焼成炉を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る焼成炉の内部構造を模式的に示す側面断面図である。
図1に示された焼成炉は、セラミック電子部品などを雰囲気焼成するために用いられるものであって、炉室1と、可動仕切り装置2と、第1のガス供給管3と、第1の排気管4と、第2のガス供給管5と、第2の排気管6と、外部搬送口7と、搬送路8とを有する。
炉室1は、例えばT字状の室内空間100を有している。即ち、室内空間100は、焼成空間102となる部分と、置換空間101となる部分とを有し、この焼成空間102となる部分が、矢印Hで示す水平方向に伸びる置換空間101となる部分の中間部から、矢印Vで示す垂直方向に突出して配置されている。なお、焼成空間102となる部分と、置換空間101となる部分との相対的な位置関係は、気密性、断熱性、生産性、省スペース化などを考慮して決定することができ、必ずしも正確なT字形である必要はない。
可動仕切り装置2は、その仕切り動作により、室内空間100を、置換空間101と、焼成空間102とに仕切る。より詳細に説明すると、図1に示した焼成炉の可動仕切り装置2は、室内空間100において、伸縮可能な第1の仕切り部21、伸縮可能な第2の仕切り部22とを有している。
第1の仕切り部21は、第1の駆動装置211と、第1の仕切り板212とを有する。第1の駆動装置211は、例えば油圧シリンダ等であって、水平方向Hに伸縮可能なアーム(ロッド)213を有する。第1の仕切り板212は、互いに直交する2つの仕切り面214、215を有するとともに、伸縮アーム213の先端に配置されており、この伸縮アーム213を水平方向Hに伸長動作させることにより、室内空間100において置換空間101となる部分が、一方の仕切り面214で部分的に仕切られ、密閉された置換空間101が形成される。この時、他方の仕切り面215が、室内空間100の焼成空間102となる部分を遮蔽することにより、置換空間101と、焼成空間102との間の気密性、及び、断熱性が向上する。一方、伸縮アーム213を水平方向Hに収縮動作させることにより、仕切り面214で密閉された置換空間101が開放される。この時、好ましくは、仕切り面215で密閉された焼成空間102も同時に開放される。
第2の仕切り部22は、第2の駆動装置221と、第2の仕切り板222とを有する。第2の駆動装置221は、例えば油圧シリンダ等であって、垂直方向Vに伸縮動作する伸縮アーム223を有する。第2の仕切り板222は、仕切り面224を有するとともに、伸縮アーム223の先端に配置されており、伸縮アーム223を垂直方向Vに伸縮動作させることにより、室内空間100において焼成空間102となる部分が、仕切り面224で部分的に仕切られ、密閉された焼成空間102が形成される。一方、伸縮アーム223を垂直方向Vに収縮動作させることにより、仕切り面224で密閉された焼成空間102が開放される。
図1に示す室内空間100は、置換空間101と、焼成空間102とのいずれにおいても、外部からの雰囲気ガスの導入が可能である。置換空間101に雰囲気ガスを導入する構造について、具体的に置換空間101には、第1のガス供給管3が接続されている。第1のガス供給管3は、図示しないガス供給装置に接続されており、この第1のガス供給管3を通じて置換空間101に置換用雰囲気ガス(以下、置換ガスと称する)が供給される。用いられる置換ガスは、例えば窒素ガス、又は、窒素を主成分とするガスが好ましい。
さらに、置換空間101には、第1の排気管4が接続されている。第1の排気管4は、図示しないブロワ装置に接続されており、置換空間101の換気や、置換ガス濃度の制御に用いられる。さらに第1の排気管4は、好ましくは、第1のガス供給管3と通気的に接続される。即ち、図1に示した焼成炉では、第1の排気管4により排気した置換空間101の置換ガスを、再び第1のガス供給管3から室内空間100に供給させる置換ガス循環システムを有することにより、製造コストを低減することができる。
一方、焼成空間102に雰囲気ガスを導入する構造について、具体的に焼成空間102には、第2のガス供給管5が接続されている。第2のガス供給管5は、図示しないガス供給装置に接続されており、この第2のガス供給管5を通じて焼成空間102に焼成用雰囲気ガス(以下、焼成ガスと称する)が供給される。用いられる焼成ガスは、置換ガスと同様に、窒素ガス、又は、窒素を主成分とするガスが好ましい。
さらに、焼成空間102には、第2の排気管6が接続されている。第2の排気管6は、図示しないブロワ装置に接続されており、焼成空間102の換気、及び、焼成ガス濃度の制御に用いられる。さらに第2の排気管6は、好ましくは、第2のガス供給管5と通気的に接続される。即ち、焼成炉は、第2の排気管6により排気した焼成空間102の焼成ガスを、再び第2のガス供給管5から室内空間100に供給させる焼成ガス循環システムを有することにより、製造コストを低減することができる。
外部搬送口7は、開閉可能な遮蔽部70を有しており、置換空間101となる部分において、室内空間100を外部に向かって開口する。遮蔽部70は、具体的には可動式気密シャッターであって、昇降装置71と、遮蔽板72とを有する。昇降装置71は、例えば油圧シリンダ、又は、チェーンブロック等であって、外部搬送口7の上部側に備えられており、遮蔽板72を垂直方向Vに昇降させることにより、外部搬送口7を開閉させる。
搬送路8は、搬送路面内に送りローラ80を有し、外部搬送口7から室内空間100に連なっている。送りローラ80は、好ましくは、駆動装置(図示しない)により回転数、及び、回転方向が制御されており、遮蔽板72の昇降動作に同期して、室内空間100への未焼成物9aの搬入、及び、室内空間100からの被焼成物9bの搬出を行うことができる。
なお、第2の仕切り部22は、好ましくはプッシャーとしての機能も有し、焼成空間102を開閉するとともに、搬送路8から送られてきた未焼成物9aを焼成空間102に搬入し、又は、被焼成物9bを焼成空間102から搬出する。
また、第1の仕切り部21と、第2の仕切り部22とは、好ましくは協働して伸縮動作することにより、置換空間101と、焼成空間102との仕切り状態を同期して制御する。第1の仕切り部21と、第2の仕切り部22との具体的な協働機構として、例えば、第1の仕切り部21にカムリンク及びカムフロアを備えさせることにより、両者の伸縮動作を同期させ、置換空間101と焼成空間102との間の未焼成物9a、及び、被焼成物9bの搬送を効率的に行うことができる。
図1を参照して説明した焼成炉の利点について、以下、図2乃至図9を参照して説明する。また、図2乃至図8は本発明の一実施形態に係る焼成炉を用いた焼成工程を模式的に示す側面断面図である。また、図9は、本発明の一実施形態に係る焼成炉を用いた焼成工程の温度プロファイルを示すグラフである。図2乃至図9において、図1に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図1に示した焼成炉を用いた焼成工程について、まず、図2を参照すると、炉室1の室内空間100を、第1の仕切り部21によって、置換空間101と、焼成空間102とに仕切り、焼成空間102を外気と遮断させた状態で、昇降装置71により遮蔽板72を垂直方向Vに上昇させ、外部搬送口7を開放させる。送りローラ80は、好ましくは遮蔽板72の上昇動作に同期して回転駆動しており、送りローラ80上の未焼成物9aが、置換空間101に適時搬入される。
次に、図3を参照すると、図2に示す工程により置換空間101に未焼成物9aを搬入させた後、遮蔽板72を垂直方向Vに下降させて、外部搬送口7を閉鎖し、置換空間101と外気とを遮断する。このようにして置換空間101と、外気とが遮断された状態で、未焼成物9aの搬入時に、外部搬送口7を通じて置換空間101に流れ込んだ外気を、第1の排気管4から排出させるとともに、第1のガス供給管3から置換空間101に供給される置換ガスによって置換される。例えば、置換ガスとして窒素ガスを用いた場合、純窒素の露点は通常−50℃以下であるから、置換空間101の露点が−40℃程度に制御される。
次に、図4を参照すると、図3に示す工程により置換空間101を置換ガスで充満させた状態で、第1の仕切り部21を移動させ、置換空間101と、焼成空間102とを連続させることにより、置換空間101から焼成空間102に未焼成物9aを搬送させる。より詳細に説明すると、第1の駆動装置211の伸縮アーム213を収縮させて、第1の仕切り板212を水平方向Hに移動させ、仕切り面214、215により仕切られた置換空間101と、焼成空間102とを連続させる。この時、置換空間101の置換ガスが焼成空間102に流入する。さらに、置換空間101の未焼成物9aは、送りローラ80により、第2の仕切り板222上に搬送される。
次に、図5を参照すると、図4に示す工程により第2の仕切り板222に載置された未焼成物9aに対し、第2の駆動装置221の伸縮アーム223を伸長させて、第2の仕切り板222を垂直方向Vに移動させることにより、第2の仕切り板222上の未焼成物9aを焼成空間102となる部分に搬入する。さらに、第2の仕切り部22は、垂直方向Vに移動終了時に、仕切り面224が焼成空間102となる部分を遮蔽することにより、密閉された焼成空間102が形成される。
未焼成物9aが焼成空間102に搬入されて後、この密閉された焼成空間102において、さらに第2のガス供給管5から焼成ガスを焼成空間102に供給して雰囲気調整した後、未焼成物9aを焼成する。ここで、図9を参照すると、焼成空間102の室内空間100では、焼成開始後4時間程度までは1300℃まで徐々に上昇した後、1300℃の温度条件で90分間ほどの高温雰囲気焼成を行う。
次に、図6を参照すると、第2の駆動装置221により第2の仕切り板222を垂直方向Vに下降させ、焼成空間102を開放させるとともに、図5に示す焼成処理により得られた被焼成物9bを、焼成空間102から搬出する。この時、外部搬送口7は遮蔽部70を閉鎖させ、置換空間101への外気の流入を防止させておく。被焼成物9bには、置換空間101と、焼成空間102とが連続する状態の室内空間100において、予備的、又は、段階的な冷却処理として、最高温度(1300℃)から、点P1で示す1000℃程度まで、60分程度の冷却処理が施される。(図9参照)。
次に、図7を参照すると、焼成空間102から搬出され、予備的な冷却処理を受けた被焼成物9bは、さらに送りローラ80により、搬送路8上を置換空間101となる部分に搬送される。室内空間100は、被焼成物9bが置換空間101となる部分に搬入された後、再び第1の仕切り部21によって、置換空間101と、焼成空間102とに仕切られる。被焼成物9bには、この密閉された置換空間101の置換ガス中において、点P1で示す1000℃から100℃まで、90分程度の本冷却処理が施される(図9参照)。
次に、図8を参照すると、図7に示す工程により置換空間101で本冷却処理された被焼成物9bは、搬送路8を通じて置換空間101から室外に搬出される。即ち、昇降装置71により遮蔽板72を垂直方向Vに上昇させて、外部搬送口7を開放させるとともに、この遮蔽板72の上昇動作に同期して回転する送りローラ80により、被焼成物9bを置換空間101から室外に搬出させる。この置換空間101からの被焼成物9bの搬出工程において、焼成空間102は、第1の仕切り部21により遮蔽されており、焼成空間102への外気の流入が防止されている。
図2乃至図9を参照して説明したように、図1に示した焼成炉は、炉室1の内部に、外部から室内空間100への雰囲気ガスの導入が可能な室内空間100を有するから、この室内空間100において未焼成物9aを雰囲気焼成することができるとともに、外部から導入される雰囲気ガスの組成を適宜調節することにより、室内空間100の露点管理をおこなうことができる。より詳細に説明すると、図1に示した焼成炉では、可動仕切り装置2の仕切り動作により、室内空間100が、置換空間101と、焼成空間102とに仕切られる。この置換空間101となる部分には、室内空間100を外部に向かって開口する外部搬送口7が備えられており、外部搬送口7は開閉可能な遮蔽部70を有するから、遮蔽部70を操作して外部搬送口7を開放させることにより、外部搬送口7を通じて未焼成物9aを室内空間100に搬入することができる。また、遮蔽部70を操作して外部搬送口7を閉鎖させることにより、置換空間101を外気から遮断して密閉することができるとともに、未焼成物9aの搬入時に置換空間101に流れ込んだ外気を、置換ガスによって置換することができる。
また、図2乃至図9を参照して説明したように、焼成空間102への未焼成物9aの搬入時において、置換空間101は外気と遮断されているから、焼成空間102内に、外気が流入する不都合を回避することができる。
さらに、置換空間101の置換処理後に、可動仕切り装置2の仕切り動作(開放動作)により、置換空間101と、焼成空間102とを連続させることで、焼成空間102への未焼成物9aの搬入時に、置換空間101の置換ガスが焼成空間102に流入するから、置換空間101の置換ガスを適宜選択することにより、焼成空間102の露点管理を適正に行い、高信頼性を有する被焼成物9bを製造することができる。例えば、置換ガスとして窒素ガスを用いた場合、純窒素の露点は通常−50℃以下であるから、室内空間100、及び、置換空間101の露点が−40℃程度に制御される。従って、焼成空間102の露点管理を確実に行うことができ、水分(湿気)の影響を受けやすい未焼成物9aを雰囲気焼成する場合にも、特性のばらつきや劣化が生じない高信頼性の被焼成物9bを製造することができる。
一方、焼成空間102から被焼成物9bを搬出させる工程においても、置換空間101と、外気とを遮断させることができるから、焼成空間102に、外気が流入する不都合を回避することができる。
また、置換空間101と、焼成空間102とを連続させることにより、室内空間100が、置換空間101の置換ガスで充満されるから、この室内空間100において、置換空間101での本冷却処理前に、被焼成物9bに対し予備的な冷却処理を行うことができる。従って、冷却勾配を段階的に制御することができる。
さらに、被焼成物9bを置換空間101に搬入させて後、可動仕切り装置2の仕切り動作(閉鎖動作)により、置換空間101と、焼成空間102とを通気的に遮断させた状態で、再び置換空間101の置換ガスを調整することができるから、この密閉された置換空間101で本冷却処理をおこなうことができるとともに、その冷却勾配を適切に制御することができる。即ち、従来、バッチ炉など気密性を必要とする雰囲気焼成炉では、冷却勾配を制御することができず、焼成開始から冷却終了まで34時間程度も必要となり、生産量に大きく影響していた。また冷却勾配を制御することができなかったため、セラミック製の匣や、セッター等の道具材に、急冷によりサーマルクラックが発生し、寿命を短くしていた。
これに対して、図1乃至図9に示した焼成炉によると、被焼成物9bを、雰囲気中で調整された置換空間101で冷却させることができるから、冷却時間の短縮(焼成開始から冷却終了まで8時間程度)による生産性の向上を実現するとともに、焼成空間102の扉を開きながら焼成空間102の温度を下げ、逆に置換空間101をあたため、被焼成物9bの温度が急激に低下することを防ぐ冷却勾配の制御が可能であり、特性劣化、及び、製品寿命の短縮を引き起こす急冷によるサーマルクラック等を回避することができる。
図10は、本発明のもう一つの実施形態に係る焼成炉の内部構造を模式的に示す平面断面図である。また、図11乃至図17は、図10に示した焼成炉を用いた焼成工程を模式的に示す平面断面図であって、具体的に図11は置換空間101に未焼成物9aを搬入する工程、図12は置換空間101を置換ガスで置換する工程、図13は焼成空間102に未焼成物9aを搬入する工程、図14は未焼成物9aを焼成する工程、図15は焼成空間102から被焼成物9bを搬出し、冷却する工程、図16は置換空間101に被焼成物9bを搬入し、冷却する工程、図17は置換空間101から被焼成物9bを搬出し、冷却する工程を示す。これらは、図2乃至図9を参照して説明した工程と同様である。図10乃至図17において、図1乃至図11に図示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図10乃至図17に図示された焼成炉は、図1乃至図9を参照して説明した焼成炉と同様の基本的構成を有することに加え、置換空間101と、焼成空間102との配置に工夫を加えた点に特徴がある。即ち、図1乃至図9の焼成炉では、室内空間100の焼成空間102が、水平方向Hに伸びる置換空間101の中間部から、垂直方向Vに突出して配置されているのに対し、図10乃至図17の焼成炉では、室内空間100の焼成空間102となる部分が、矢印Lで示す長さ方向に伸びる置換空間101となる部分の中間部から、矢印Wで示す幅方向に突出して配置されている。
図10乃至図17を参照して説明した焼成炉、及び、これを用いた焼成工程によると、図1乃至図9を参照して説明した利点を全て有する焼成炉を提供することができるとともに、焼成炉を小型化し、多様な設置スペースに適用可能な焼成炉を提供することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明の一実施形態に係る焼成炉の内部構造を模式的に示す側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る焼成炉を用いた焼成工程を模式的に示す側面断面図である。 図2に示した工程の後の工程を示す図である。 図3に示した工程の後の工程を示す図である。 図4に示した工程の後の工程を示す図である。 図5に示した工程の後の工程を示す図である。 図6に示した工程の後の工程を示す図である。 図7に示した工程の後の工程を示す図である。 本発明の一実施形態に係る焼成炉を用いた焼成工程の温度プロファイルを示すグラフである。 本発明のもう一つの実施形態に係る焼成炉の内部構造を模式的に示す平面断面図である。 本発明のもう一つの実施形態に係る焼成炉を用いた焼成工程を模式的に示す平面断面図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。 図12に示した工程の後の工程を示す図である。 図13に示した工程の後の工程を示す図である。 図14に示した工程の後の工程を示す図である。 図15に示した工程の後の工程を示す図である。 図16に示した工程の後の工程を示す図である。
符号の説明
1 炉室
100 室内空間
101 置換空間
102 焼成空間
2 可動仕切り装置
21 第1の仕切り部
22 第2の仕切り部
7 外部搬送口
70 遮蔽部
9a/9b 未焼成物/被焼成物

Claims (3)

  1. 炉室と、可動仕切り装置と、外部搬送口とを有する焼成炉であって、
    前記炉室は、外部から室内への雰囲気ガスの導入が可能であり、
    前記可動仕切り装置は、その仕切り動作により、前記炉室の同一室内を、置換空間と、焼成空間とに仕切ることが可能であり、
    前記外部搬送口は、開閉可能な遮蔽部を有しており、前記炉室の前記置換空間となる部分において、前記炉室内を外部に向かって開口する、
    焼成炉。
  2. 請求項1に記載された焼成炉であって、さらに前記可動仕切り装置は、伸縮可能な第1の仕切り部を有しており、
    前記第1の仕切り部は、その伸縮動作により、前記炉室の室内に、密閉された前記置換空間を形成する、
    焼成炉。
  3. 請求項1または2に記載された焼成炉であって、さらに前記可動仕切り装置は、伸縮可能な第2の仕切り部を有しており、
    前記第2の仕切り部は、その伸縮動作により、前記炉室の室内に、密閉された前記焼成空間を形成する、
    焼成炉。

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