JP7477754B2 - 加熱炉および加熱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱炉および加熱方法に関する。
ワークを収容し、加熱する加熱炉では、加熱中に炉内を所定の雰囲気となるように制御する必要がある。例えば、下記特許文献1には、炉内の雰囲気を制御するため、窒化炉に導入された窒素を窒化の途中で2回リフレッシュを行う技術が記載されている。また、下記特許文献2には、Arガスによって容器内を置換し、拡散浸透処理における雰囲気を制御する技術が記載されている。
特開平2-190466号公報 特開平7-173605号公報
上記のような加熱炉の雰囲気制御において、炉内雰囲気の維持には大量のガス供給が必要となることがある。一方、上記特許文献1または2に記載の技術では、炉全体を雰囲気ガスとするため、置換効率が低くなる場合がある。特に、上記特許文献1は、炉全体を真空とした後、雰囲気置換しており、上記特許文献2は、予備室を真空とした後、雰囲気置換していることから、置換に時間も要していた。
さらに、上記特許文献1には、ワーク出し入れの度に密閉室内の雰囲気が劣化するため完全置換を行なう技術が記載されている。また、上記特許文献2には、半密閉箱内の雰囲気を調整後、同雰囲気に制御された炉内を通して密閉箱内の雰囲気を維持することが記載されている。しかしながら、上記特許文献1の技術では、置換時の温度や雰囲気分布などの条件変動が生じる。また、上記特許文献2の技術では、密閉室内の雰囲気調整と加熱炉の雰囲気制御の2工程が必要となる。そのため、上記特許文献1、2の技術を用いてサイクルを短くしようとすると、ワークの搬入、加熱、および搬出を行うプロセスに対して、条件変動や工程増加、それに伴う設備規模拡大などの問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、加熱中の被加熱物周辺の雰囲気の制御を容易に行うことが可能な新規かつ優れた加熱炉および加熱方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、炉本体と、被加熱物を支持した状態で上記炉本体に対して、進退可能とされた進退部と、上記炉本体内に設けられ、該炉本体内に進入した状態の上記進退部とで、上記炉本体内で区画され上記被加熱物を収容する区画室を形成する区画室形成部と、上記区画室形成部に設けられ、上記区画室内と上記炉本体の外部とを連通する導入部及び排出部と、上記区画室内に上記導入部から上記排出部へ向かう気流を形成する送風部と、を備えた加熱炉が提供される。
上記区画室形成部が上記炉本体と独立に設けられてもよい。
上記進退部と上記区画室形成部との間に形成される間隙に、上記区画部の外部へ向かう気流を生じさせる通気構造をさらに備えてもよい。
上記加熱炉は、バッチ式加熱炉でもよい。
上記加熱炉は、連続式加熱炉でもよい。
上記導入部および上記排出部が、上記被加熱物の搬送方向に沿って複数設けられてもよい。
上記区画室形成部が、上記被加熱物の搬送方向に沿って複数設けられてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、炉本体内に被加熱物を支持した状態の進退部を進入させて、上記炉本体内の区画室形成部とともに、上記炉本体内に区画室を形成する工程と、上記区画室内を上記炉本体内の雰囲気と異なる特定雰囲気に置換して加熱する工程と、を含む、加熱方法が提供される。
上記特定雰囲気が、露点温度が制御された雰囲気であってもよい。
上記特定雰囲気が、不活性雰囲気であってもよい。
上記区画室内の圧力が、上記炉本体の上記区画室以外の領域の圧力よりも高く設定されてもよい。
以上、説明したように本発明によれば、加熱中の被加熱物周辺の雰囲気の制御を容易に行うことが可能な新規かつ優れた加熱炉および加熱方法が提供される。
本発明の第1の実施形態に係る加熱炉の構成例を示す側断面図である。 同実施形態に係る進退部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態に係る区画室の構成例を示す部分端面図である。 同実施形態に係る加熱方法の一例を示すフローチャートである。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態の変形例に係る加熱炉の構成例を示す側断面図である。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す側面図である。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す側面図である。 同実施形態の変形例に係る区画室の構成例を示す部分端面図である。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態の変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態の変形例に係る区画室の構成例を示す部分端面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加熱炉の構成例を示す側断面図である。 同実施形態に係る進退部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る加熱炉の構成例を示す側断面図である。 同実施形態に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態に係る進退部の構成例を示す外観斜視図である。 同実施形態に係る加熱炉の構成例を示す横断面図である。 本発明の実施形態に係る加熱炉が適用される熱間プレスラインを模式的に説明するための図である。 本発明の実施形態に係る加熱炉が適用される熱間プレスラインを模式的に説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
まず、図1~図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る加熱炉100の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る加熱炉100の構成例を示す側断面図である。図2は、同実施形態に係る進退部120の構成例を示す外観斜視図である。図3は、同実施形態に係る区画室形成部130の構成例を示す外観斜視図である。図4は、同実施形態に係る区画室170の構成例を示す部分端面図である。図1に示すように、本実施形態に係る加熱炉100は、被加熱物を内部に収容し、所定の雰囲気下において加熱を行う、いわゆるバッチ式の加熱炉100である。被加熱物としては、ワークWとしての鋼板、または中間成形品等が挙げられる。特に、ワークWとしては、加熱後の成形・冷却により高強度特性が得られる鋼板またはその中間成形品等が挙げられる。
図1に示すように、加熱炉100は、炉本体110と、進退部120と、区画室形成部130と、導入部140および排出部150と、送風部160とを備える。
[炉本体]
炉本体110は、ワークWを内部に収容し、所定の雰囲気において加熱を行う筐体部分である。炉本体110を構成する材料は、炉本体110に求められる加熱可能温度等によって適宜決定されればよく、耐火レンガ等の断熱材、金属製部材またはこれらの組み合わせ等、特に限定されない。また、炉本体110の内部容積、または形状も、内部に収容されるワークWの寸法、または加熱効率等によって設定されればよく、特に限定されない。
炉本体110における加熱方式は、特に限定されない。例えば、ラジアントチューブ式加熱、電気式加熱が挙げられる。また、炉本体110の内部雰囲気は、特に限定されず、大気であってもよい。炉本体110は、一例として、950~1000℃程度で、4~5分間程度の加熱が可能な構成を有する。
炉本体110は、後述する進退部120が通過可能な開口111を有する。かかる開口111を介して被加熱物が炉本体110内に収容される。また、炉本体110は、開口111を覆う炉蓋113を有する。なお、炉蓋113が設けられず、開口111が、常に開放された状態であってもよい。また、炉本体110には、排気口115が設けられる。かかる排気口115から図示しない排気ブロワによって炉内の雰囲気が排出される。
[進退部]
進退部120は、被加熱物を炉内外の間で搬送する機構の一部を形成する。進退部120は、被加熱物を支持した状態で、炉本体110に対して進退可能とされている。すなわち、進退部120は、被加熱物を支持した状態で炉本体110内に進入し、加熱処理の終了後、被加熱物を支持した状態で炉本体110から退出する(図1中の白抜両矢印参照)。詳細は、後述するが、進退部120は、区画室形成部130とともに、炉本体110内に区画室170を形成する。
進退部120の一例としては、トレー120Aが挙げられる。トレー120Aは、ワークWを載置可能な、図2におけるY-Z平面断面視で略L字状の部材である。図2に示すように、トレー120Aは、具体的には、平板状の本体部121と、第1の縦壁部123と、仕切り壁部125と、一対の側壁部127と、支持突起129とを有する。
本体部121は、ワークWを載置可能な長方形状の平板な部位である。第1の縦壁部123は、本体部121の長手方向(図2におけるY方向)の一端121Aに立設された壁状の部位である。仕切り壁部125は、本体部121の長手方向(図2におけるY方向)の中間部に立設された壁状の部位である。側壁部127は、本体部121のX方向の両端部に沿って立設された壁状の部位である。支持突起129は、本体部121から突出した突起であり、かかる突起の先端部で、ワークWを支持する。具体的には、図2に示すように、支持突起129は、図2におけるX方向視で三角形状の部位であり、底辺側で本体部121に取り付けられ、頂点側でワークWを支持する。
支持突起129には、図2に示すように、Y方向に貫通した貫通孔129Aが設けられている。かかる貫通孔129Aが設けられていることにより、ワークWの下面にも気流が生じ易くなり、効率的に区画室170内を置換することができる。
図1に示すように、第1の縦壁部123の高さHは、仕切り壁部125の高さhよりも高くなるように設定されている。これにより、第1の縦壁部123と仕切り壁部125との間に形成される空間において、特定雰囲気が滞留しやすくなる。
また、図4に示すように、支持突起129の高さTは、側壁部127の高さtよりも高くなるように設定されている。これにより、支持突起129に支持されたワークWをトレー120Aから取り上げる際に、側壁部127による干渉が抑制される。すなわち、例えば、一対のアームによってワークWをトレー120AのX方向の両側方から取り上げる場合、アームと側壁部127とが干渉することが抑制される。
進退部120としてのトレー120Aは、例えば、金属から成る。特に、トレー120Aは、ステンレス鋼から成る。また、加熱効率を向上させるため、トレー120Aは、予熱された状態で加熱炉100へ進入されるようにしてもよい。
ハースローラ機構190は、トレー120Aを炉内および炉外との間で搬送するための機構である。ハースローラ機構190は、複数のローラ191と、図示しない駆動部とを有する。ハースローラ機構190は、複数のローラ191を介してトレー120Aの本体部121を支持しながら、トレー120Aを炉内と炉外との間で移送する。このとき、複数のローラ191は、図示しない駆動部によって転動し、かかるローラ191の転動によって、トレー120Aが移動される。
[区画室形成部]
区画室形成部130は、炉本体110内に設けられ、進退部120を上方と側方から覆うカバー状の部材である。図1に示すように、区画室形成部130は、進退部120の搬送経路の鉛直方向(図1に示すZ方向)の上側に設けられ、炉本体110に対して固定されている。区画室形成部130のカバー形状の側方の内、一方は開放され、かかる開放箇所から進退部120が進入可能となっている。進退部120と区画室形成部130との間には、進退部120の進退に際し干渉が生じない程度であって、区画室170内の雰囲気が容易に排出されない程度の隙間が形成される。
また、区画室形成部130は、炉本体110の炉壁117とは独立して設けられている。すなわち、区画室形成部130は、炉本体110の炉壁117とは別体の部材が炉本体110内に取り付けられることにより、炉本体110内に設けられている。これにより、炉壁117をそのまま使用して区画室170を形成した場合と比較して、区画室170内の容積が低減される。この結果、区画室170内の特定雰囲気の置換効率が向上する。また、区画室形成部130は、炉本体110内で、後述する区画室170の内部が均等に加熱される位置に設けられる。
具体的には、区画室形成部130は、図3に示すように、天井部131と、第1の側壁部133と、第2の側壁部135とを有する。天井部131は、進退部120の本体部121と対向する位置に設けられた平板状の部位である。天井部131には、後述する導入部140としての配管141が、Y方向の一端131Aに取り付けられている。また、後述する通気構造180の一部としての複数の配管185Aが、天井部131のX方向の両端において、Y方向に沿って取り付けられている。
第1の側壁部133は、天井部131のX方向両端から立設された一対の壁状の部位である。第1の側壁部133は、進退部120の側壁部127と対向し、進退部120のX方向の側方を外方側から覆う。第1の側壁部133は、図4に示すように、側方視(図4におけるX方向視)したときに、進退部120の側壁部127と重なり合う領域を形成する長さを有する。
第2の側壁部135は、天井部131のY方向の他端131Bに設けられた壁状の部位である。第2の側壁部135は、進退部120の搬送方向と交差する方向に延出され、進退部120の搬送方向の最奥側(本体部121の他端121B側)を外方から覆う。また、第2の側壁部135は、第1の側壁部133と連続して形成されている。第2の側壁部135には、後述する排出部150としての配管151が設けられている。
区画室形成部130は、例えば、金属から成る。特に、区画室形成部130は、ステンレス鋼から成る。
[導入部]
導入部140は、区画室形成部130に設けられ、区画室170内と、炉本体110の外部とを連通する。また、導入部140は、区画室170内に特定雰囲気を導入する。具体的には、図1に示すように、導入部140は、区画室形成部130の天井部131と連結された配管141から特定雰囲気を送り出す。図3に示すように、配管141は、天井部131に取り付けられる側の端部がX方向に拡幅されているとともに、Y方向の開口幅が狭くなる、いわゆるスリットノズル形状となっている。これにより、区画室170内に特定雰囲気が均一に導入される。
[排出部]
排出部150は、区画室形成部130に設けられ、区画室170内と、炉本体110の外部とを連通する。また、排出部150は、区画室170内から雰囲気を排出する。排出部150は、区画室形成部130の第2の側壁部135に端部が取り付けられた配管151を介して排気を行う。導入部140と排出部150とによって、区画室170内の雰囲気が置換される。図3に示すように、配管151は、第2の側壁部135に取り付けられる側の端部が拡幅されている。これにより、区画室170内の特定雰囲気への置換が効率的に行われる。
[送風部]
送風部160は、区画室170内に導入部140から排出部150へ向かう気流を生じさせる。送風部160は、例えば、区画室形成部130に取り付けられた導入部140を介して区画室170内に図示しないガス供給源から供給された特定雰囲気を送風するブロワ161と、エアドライヤ163と、ヒータ165とを有している。
特定雰囲気とは、炉本体110内の雰囲気とは異なる雰囲気であり、被加熱物に対する加熱のために調整された雰囲気である。例えば、特定雰囲気は、エアドライヤ163により所定の露点温度に調整される。また、特定雰囲気は、炉内温度変動を軽減し、加熱効率を向上させるため、ヒータ165により所定温度に予熱された状態で、区画室170内に導入される。
特定雰囲気としては、不活性ガスが挙げられる。具体的には、不活性ガスとしては、高純度の窒素ガス、高純度のArガス等が挙げられる。特定雰囲気を不活性ガスとすることで、ワークWにおける酸化被膜の発生を抑制することができる。また、特定雰囲気としては、露点温度の制御された雰囲気が挙げられる。特に、露点温度が-70~-60℃程度の低露点温度に制御された雰囲気が挙げられる。特定雰囲気の露点温度が低くなるように制御することで、加熱中のワークWへの水素侵入を抑制し、遅れ破壊を抑制する。特に、ワークWが加熱後の成形・冷却により高強度特性が得られる鋼板から成る場合に、露点温度が低くなるように特定雰囲気が制御される。
[区画室の形成]
上述した、進退部120と区画室形成部130とにより、区画室170が形成される。すなわち、図1に示すように、炉本体110内に進入した状態の進退部120が所定の位置に停止し、区画室形成部130によって外方から覆われることにより、進退部120と区画室形成部130との間に区画室170が形成される。かかる区画室170内には、進退部120に支持された被加熱物としてのワークWが収容される。
具体的には、図1および図4に示すように、区画室形成部130の天井部131と、進退部120の本体部121とが対向し、それぞれ区画室170の上面および下面を形成する。また、区画室形成部130の第1の側壁部133が、進退部120の側壁部127と対向し、区画室170のX方向の両側面を形成する。また、区画室形成部130の第2の側壁部135が、区画室170のY方向の他側面を形成する。進退部120の縦壁部123が、区画室170のY方向の一側面を形成する。このように、炉本体110内に、進退部120と区画室形成部130とにより筐体状の区画室170が形成される。
進退部120に設けられた仕切り壁部125は、区画室170が形成された状態で、区画室形成部130に設けられた導入部140と対向する。図1に示すように、仕切り壁部125は、導入部140のY方向幅Lの範囲内に設けられている。これにより、導入部140から導入された特定雰囲気が、区画室170内に導入される。また、特定雰囲気の一部は仕切り壁部125によって分けられ、後述する予備室171内にも導入される。仕切り壁部125によって分かれ(図1中の二又矢印参照)、それぞれ区画室170内と後述する予備室171内へと導入される。仕切り壁部125によって、区画室170内へ特定雰囲気が効果的に導入され、区画室170内の置換効率がさらに向上する。
仕切り壁部125と第1の縦壁部123との間には予備室171が形成される。図1に示すように、予備室171は、区画室170にX方向に隣接した領域である。これにより、予備室171において特定雰囲気が滞留するので、炉本体110から区画室170への外気の侵入が抑制される。
さらに、予備室171には、区画室170へ導入される特定雰囲気が、導入部140からの経路以外の経路で別途導入される。図1に示すように、区画室形成部130の天井部131には、予備室171と対向する位置に流路181Aが設けられる。かかる流路181Aからは、予備室171へ向かって特定雰囲気が導入される。
なお、区画室170は、進退部120と区画室形成部130とによって形成され、炉本体110全体の雰囲気の置換よりも効率的な置換が可能となる、炉本体110よりも小さい容積を有していればよく、その構造、形状は特に限定されない。上記説明において、区画室170の形状が直方体の筐体となる例を示したが、本発明は、これに限定されない。例えば、正方形状、角丸四角形状、円柱形状などであってもよい。
[通気構造]
本実施形態に係る加熱炉100は、進退部120と区画室形成部130との間の間隙に区画室170の外部へ向かう特定雰囲気の気流を生じさせる通気構造180をさらに備える。具体的には、加熱炉100は、通気構造180として、第1の通気構造181と、第2の通気構造183と、第3の通気構造185とを有する。
第1の通気構造181は、進退部120の第1の縦壁部123と区画室形成部130との間に設けられる。具体的には、上述の通り、仕切り壁部125と第1の縦壁部123との間の予備室171には、特定雰囲気が導入される。特に、特定雰囲気は、区画室形成部130に設けられた流路181Aから予備室171へ向かって導入される。具体的には、流路181Aは、導入部140の配管141と併設されたスリットノズルである。流路181Aから導入された特定雰囲気の一部は、最終的に進退部120と区画室形成部130との間から炉本体110内へと流出する。すなわち、進退部120の第1の縦壁部123と区画室形成部130との間の間隙181Bに区画室170の外部へと向かう特定雰囲気の気流が生じる(図1中の矢印参照)。
また、第2の通気構造183は、図1に示すように、区画室形成部130の第2の側壁部135の下端に設けられる。具体的には、進退部120の本体部121の他端121Bが、区画室形成部130の第2の側壁部135に設けられた収容部183Aに収容される。かかる収容部183Aには、配管183Bが連結されており、配管183Bから特定雰囲気が導入される。すなわち、進退部120の本体部121と、区画室形成部130との間の間隙183Cに区画室170の外部へと向かう特定雰囲気の気流が生じる(図1中の矢印参照)。
また、第3の通気構造185は、図4に示すように、進退部120の側壁部127と区画室形成部130の第1の側壁部133との間に設けられる。具体的には、進退部120の側壁部127と区画室形成部130の第1の側壁部133とが、側方視(図4におけるX方向視)したときに重なり合うように位置した領域に向かって、配管185Aから特定雰囲気が導入される。すなわち、進退部120の側壁部127と、区画室形成部130との間の間隙185Bに区画室170の外側へと向かう特定雰囲気の気流が生じる(図4中の矢印参照)。
加熱炉100は、通気構造180を備えることで、進退部120と区画室形成部130との間の隙間に区画室170の外側へと向かう特定雰囲気の気流を生じさせることができる。これにより、炉本体110内から区画室170内へ外気の侵入を抑制することができる。この結果、区画室170内の特定雰囲気が維持されやすくなり、区画室170内の雰囲気制御を容易に行うことができる。
また、区画室形成部130には、区画室170内の状態を検出するための検出部を区画室170内へ位置させるための筒状部137が設けられてもよい。図1に示すように、区画室形成部130の天井部には、筒状部137が取り付けられている。なお、図3では、説明の便宜のため筒状部137の記載を省略している。かかる筒状部137内には、温度センサとしての熱電対139が挿入され、熱電対139が筒状部137を介して区画室170内へ突出されている。これにより、区画室170内の温度を検出可能とされている。また、筒状部137内には、外部から特定雰囲気が導入され、筒状部137を介して区画室170内へ外気が侵入することを抑制している。なお、筒状部137を介して区画室170内へ位置する検出部は、温度センサ以外に圧力センサ、ガス成分センサ等であってもよい。以上、本実施形態に係る加熱炉100の構成例について説明した。
<2.加熱方法>
続いて、本実施形態に係る被加熱物の加熱方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る加熱方法の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、炉本体110内に被加熱物としてのワークWを支持した状態の進退部120が進入され、炉本体110内の区画室形成部130とともに、炉本体110内に区画室170が形成され、加熱が開始される(S101)。具体的には、ハースローラ機構190によって、進退部120が炉本体110内に進入し、所定の位置で停止する。このとき、区画室形成部130によって、進退部120の上方および三方の側方が覆われ、区画室170が形成される。
その後、導入部140によって区画室170内に、特定雰囲気の供給が開始され、排出部150によって区画室170内の排気が開始される(S103)。その後、区画室170内は、炉本体110内の雰囲気と異なる特定雰囲気に置換される(S105)。具体的には、区画室形成部130に設けられた導入部140を介して、送風部160から予熱された特定雰囲気が区画室170内へ導入される。さらに、区画室170から排出部150によって排気が行われる。このように、区画室170内が特定雰囲気に置換される。続いて、特定雰囲気となった区画室170内において、ワークWが所定の加熱時間で加熱されたか判断される(S107)。具体的には、炉本体110内に設けられた熱源から生じた熱が、進退部120および区画室形成部130を介して区画室170内へ伝わり、区画室170内のワークWが加熱される。特定雰囲気の供給、排気の停止後(S109)に、進退部120が後退し(S111)、炉本体110からワークWが取り出される。
加熱の際、区画室170内の圧力は、炉本体110の区画室170以外の領域の圧力よりも高く設定される。これにより、区画室170内へ炉本体110内の雰囲気が侵入することが抑制され、区画室170内の特定雰囲気を維持することが容易になる。
また、区画室170内へ導入される特定雰囲気は、露点制御された雰囲気であってもよい。これにより、ワークW中への水素侵入に起因する遅れ破壊を抑制できる。また、区画室170内へ導入される特定雰囲気が、不活性雰囲気であってもよい。これにより、加熱中の酸化被膜の形成を抑制できる。以上、本実施形態に係る加熱方法について説明した。
(作用効果)
本実施形態によれば、被加熱物の周辺領域を区画室170によって区画し、導入部140と排出部150とによって区画室170内を特定雰囲気に置換し、さらに区画室170内に気流を生じさせることにより、被加熱物の周辺の雰囲気制御を容易に行える。すなわち、炉本体110の内部全体を特定雰囲気に置換するのではなく、内部容積の小さい区画室170内のみを特定雰囲気に置換することで、被加熱物の周辺の雰囲気を特定雰囲気に維持しやすくなる。また、被加熱物の種類、加熱条件に応じて、特定雰囲気を切り替える場合にも、区画室170内のみを置換すればよいので、置換効率が向上し、雰囲気制御が容易になる。
また、本実施形態によれば、加熱炉100がバッチ式である場合でも、被加熱物の周辺の雰囲気制御が容易に行える。すなわち、バッチ式加熱炉において、ワークWの出し入れの際の随伴流や、炉内外の温度差に起因する自然対流によって、炉内の雰囲気が変化しやすい場合がある。この場合でも、区画室170内に特定雰囲気を導入し、置換することで、被加熱物の周囲を特定雰囲に維持しやすくなる。以上、本発明の第1の実施形態に係る加熱炉100について説明した。
(変形例1)
続いて、本発明の第1の実施形態に係るいくつかの変形例について、図6~図13を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と共通する構成については説明を省略する場合がある。まず、図6を参照しながら、本実施形態に係る一の変形例について説明する。図6は、本変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。本変形例では、図6に示すように、第2の通気構造183は、収容部183Aと、一対の縦壁収容部183Dと、配管183Bとを有している。一対の縦壁収容部183Dは、収容部183AのX方向の両端部から立設された部位である。また、一対の縦壁収容部183Dは、進退部120の側壁部127のY方向の端部を収容可能とされている。かかる収容部183Dには、配管183Bから特定雰囲気が導入される。すなわち、進退部120の本体部121と、区画室形成部130との間の間隙183Cに区画室170の外部へと向かう特定雰囲気の気流が生じる(図1中の矢印参照)。
(変形例2)
次に、図7Aおよび図7Bを参照しながら本実施形態に係る他の変形例について説明する。図7Aは、本変形例に係る加熱炉の構成例を示す側断面図である。図7Bは、本変形例に係る区画室形成部の構成例を示す外観斜視図である。本変形例では、図7Aおよび図7Bに示すように、第2の通気構造183は、被覆部183Eと、配管183Bとを有する。かかる被覆部183Eは、区画室形成部130の第2の側壁部135の下端に設けられる。被覆部183は、進退部120の本体部121の他端121Bを下方から覆う板状部材である。被覆部183と本体部121との間には、間隙183Cが形成される。また、配管183Bからは特定雰囲気が導入される。これにより、本体部121と区画室形成部130との間の間隙183Cに区画室170の外部へと向かう特定雰囲気の気流が生じる(図7A中の矢印参照)。
(変形例3)
また、本実施形態に係るその他の例として、第3の通気構造185は、単一の配管から複数に分岐した構造を有してもよい。具体的には、図8に示すように、単一の第1の配管185Gは、Y方向に延設された第2の配管185Fに連結されている。さらに、第2の配管185Fには、Y方向の所定の位置において、複数の配管185Eの一端が連結されている。かかる複数の配管185Eの他端側は、区画室形成部130に取り付けられている。
さらに、本変形例において、複数の配管185Eの他端は、扁平な形状とされ、他端において長円状の開口を有する構造とされてもよい。具体的には、図9に示すように配管185Aの区画室170内に挿入された他端側が平坦な形状とされ、X方向に幅狭とされ、Y方向に拡幅された長円状の開口185Hを有している。さらに、かかる扁平な形状の配管185Aの他端は、図10に示すように、進退部120の側壁部127と、区画室形成部130の第1の側壁部133との間の間隙185Bに対向している。これにより、流速が上昇し、図10に示すY方向の噴流範囲が拡大する。
(変形例4)
また、本実施形態に係るその他の変形例として、第3の通気構造185において、配管185Aが、複数の円筒形状ではなく、いわゆるスリットノズル形状とされてもよい。具体的には、図11に示すように、配管185Dの区画室形成部130側の端部185Cが、Y方向に拡幅されて、区画室形成部130の天井部131に取り付けられる。さらに、配管185Aの区画室形成部130側の端部185Cは、X方向に幅狭とされている。
(変形例5)
また、本実施形態に係るその他の例として、区画室形成部130の第1の側壁部133が、二重壁構造となっていてもよい。具体的には、図12に示すように、第1の側壁部133は、第1の側壁133Aと、第2の側壁133Bとを有する。第1の側壁133Aは、天井部131とともに、区画室形成部130の外形をなしている。第2の側壁133Bは、第1の側壁133Aよりも区画室170の内側に設けられ、天井部131から立設された壁状の部位である。また、第2の側壁133Bは、第1の側壁133Aと並行してY方向に設けられている。
また、図13に示すように、第1の側壁133Aと第2の側壁133Bとの間には、進退部120の側壁部127が、収容可能とされている。さらに、第1の側壁133Aと第2の側壁133Bとの間には、配管185Aが挿入されている。
上記した幾つかの変形例に係る構造を、いずれの導入部140または通気構造180に適用するかは、区画室170内の形状、置換条件などによって適宜設定される。また、上記した幾つかの変形例が組み合わされて、導入部140、または通気構造180に適用されてもよい。さらに、上記した幾つかの変形例に係る構造は、本実施形態または後述する第2もしくは第3実施形態に係る導入部140、通気構造180または排出部150のいずれにも適用可能である。
<3.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態に係る加熱炉200について、図14~16を参照しながら説明する。図14は、本実施形態に係る加熱炉200の構成例を示す側断面図である。図15は、同実施形態に係る進退部220の構成例を示す外観斜視図である。図16は、同実施形態に係る区画室形成部230の構成例を示す外観斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、加熱炉200が連続式の加熱炉である点で主に相違する。なお、本実施形態の説明において、上記実施形態と共通する構成については、説明を省略する場合がある。
図14に示すように、本実施形態に係る加熱炉200の炉本体210は、搬送方向の一端210A側と他端210B側が開口したトンネル形状を有している。進退部220に支持された状態のワークWは、トンネル内を移動しながら、加熱される。進退部220は、図15に示すように、本体部221の長手方向(図15におけるY方向)の一端221Aから立設された第1の縦壁部223Aと、本体部221の他端221Bから立設された第2の縦壁部223Bとを有している。
また、進退部220は、本体部221から立設された第1の仕切り壁部225Aと、第2の仕切り壁部225Bとを有している。第1の縦壁部223Aと第1の仕切り壁部225Aとの間に第1の予備室271が形成される。また、第2の縦壁部223Bと第2の仕切り壁部225Bとの間に第2の予備室273が形成される。
区画室形成部230は、図16に示すように、天井部231と、天井部231のX方向の両端から延設された一対の側壁部233とを有している。すなわち、区画室形成部230は、Y方向に進退部220が通過可能とされている。また、区画室形成部230には、導入部240と排出部250とが設けられている。具体的には、区画室形成部230の天井部231のY方向の一端部231Aに導入部240が設けられ、天井部のY方向の他端部231Bには排出部250が設けられている。
進退部220と区画室形成部230とによって、区画室270が形成される。具体的には、図14に示すように、進退部220の第1の縦壁部223Aと第2の縦壁部223Bとによって、搬送方向の両端が閉塞される。また、区画室形成部230によって、進退部220の上方とX方向の側方が覆われる。これにより、区画室270が形成される。
進退部220は、ワークWを支持した状態でハースローラ機構290によって、間欠的に移動され、炉本体210内に進入する。すなわち、進退部220は、区画室形成部230と対向する所定の位置で一旦停止される。さらに、導入部240と排出部250とによって、区画室270内が特定雰囲気へ置換される。また、加熱炉200内に設けられた図示しない加熱機構によって、区画室270内が間接的に加熱される。所定の加熱条件を満たした後、進退部220は、再度搬送され、炉本体210から炉外へ排出される。
また、本実施形態において、通気構造280が進退部220と区画室形成部230との間の隙間に区画室270の外方へ向かう気流を形成する。具体的には、第1の予備室271に対向する位置に流路281Aが設けられ、かかる流路281Aから特定雰囲気が第1の予備室271へ導入される。また、第2の予備室273に対向する位置に流路283Aが設けられ、かかる流路283Aから特定雰囲気が第2の予備室273へ導入される。このように、第1の予備室271、または第2の予備室273へ導入された特定雰囲気は、区画室形成部230と進退部220との間の隙間281B、283Bから流出する(図14中の矢印参照)。
また、通気構造280は、進退部220の側壁部275と区画室形成部230の側壁部233との間の隙間に区画室270の外方へ向かう特定雰囲気の気流を生じさせる。
本実施形態によれば、加熱炉200が連続炉であっても、被加熱物の周辺領域を区画室270によって区画し、導入部240と排出部250を介して特定雰囲気を置換し、さらに区画室270内に気流を生じさせることにより、被加熱物の周辺の雰囲気制御を容易に行える。以上、本発明の第2の実施形態に係る加熱炉200について説明した。
また、本実施形態の変形例として、複数の区画室形成部230が、搬送方向に沿って別個に設けられ、さらに、区画室形成部230ごとに導入部240と排出部250が設けられてもよい。この場合において、区画室270内に置換される特定雰囲気が、複数の区画室形成部230ごとに変更されるようにしてもよい。これにより、様々な特定雰囲気における加熱が、一度の搬送中に行われる。
また、本実施形態において、一つの連続式加熱炉200で特定雰囲気への置換が行われる例を示したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、複数の連続式加熱炉200が、搬送方向に沿って直列に設けられてもよい。つまり、進退部220が、一の連続式加熱炉200に進入し、ワークWが加熱された後、一の連続式加熱炉200から退出して、さらに隣接する他の連続式加熱炉200において、再度加熱されるようにしてもよい。これにより、本実施形態に係る連続式加熱炉200を用いて、多工程の熱処理が実現される。この場合において、連続式加熱炉200ごとに置換される特定雰囲気が変更されてもよい。
<4.第3の実施形態>
次に、図17~図20を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る加熱炉300について説明する。図17は、本発明の第3の実施形態に係る加熱炉300の構成例を示す側断面図である。図18は、同実施形態に係る区画室形成部330の構成例を示す外観斜視図である。図19は、同実施形態に係る進退部320の外観斜視図である。図20は、同実施形態に係る加熱炉300の構成例を示す横断面図であり、図17に示すA-A’線断面図である。本実施形態では、上記実施形態と比較して、区画室形成部330において導入部340と排出部350とが搬送方向に沿って複数設けられている点で主に相違する。なお、本実施形態の説明において、上記実施形態と共通する構成については、説明を省略する場合がある。
具体的には、図17に示すように、本実施形態に係る加熱炉300において、区画室形成部330が搬送方向(図17に示すY方向)に沿って延在されている。さらに、区画室形成部330の長手方向に沿って、導入部340および排出部350が複数設けられている。図18に示すように、導入部340と排出部350は、区画室形成部330の天井部331に搬送方向と直交する方向(図18に示すX方向)に並んで設けられている。さらに、導入部340と排出部350は、区画室形成部330の延在方向(図18に示すY方向)に沿って、複数設けられている。
図19に示すように、進退部320は、第1の側壁部327のX方向内側に第2の側壁部325を有している。図20に示すように、ワークWを支持した状態でハースローラ機構390によって炉本体310内に進入する。このとき、複数の進退部320が順次、炉本体320内に進入していく。進退部320は、区画室形成部330と対向しながら搬送される。さらに、導入部340と排出部350とによって、搬送中に区画室370内が特定雰囲気へ置換される。また、加熱炉300内に設けられた図示しない加熱機構によって、区画室370内が間接的に加熱される。進退部320が炉本体310内を通過しながら、区画室370内の加熱温度、時間、雰囲気等の所定の加熱条件を満たした後、進退部320は炉本体310から炉外へ排出される。導入部340および排出部350は、移動する進退部320と、区画室形成部330との間を置換可能な程度の数、および間隔で配置されている。
また、本実施形態において、通気構造380が進退部320と区画室形成部330との間の隙間に区画室370の外方へ向かう気流を形成する。具体的には、第1の予備室371に対向する位置に流路381Aが設けられ、かかる流路381Aから特定雰囲気が第1の予備室371へ導入される。また、第2の予備室373に対向する位置に流路383Aが設けられ、かかる流路383Aから特定雰囲気が第2の予備室373へ導入される。このように、第1の予備室371、または第2の予備室373へ導入された特定雰囲気は、区画室形成部330と進退部320との間の隙間381B、383Bから流出する(図17中の矢印参照)。
また、図20に示すように、通気構造380は、進退部320の側壁部と区画室形成部330の側壁部333との間の隙間に区画室370の外方へ向かう特定雰囲気の気流を生じさせる。具体的には、進退部320の第2の側壁部325と第1の側壁部327との間の第3の予備室375には、流路385から特定雰囲気が導入される。このように、第3の予備室375に導入された特定雰囲気は、区画室形成部330と進退部320との間の隙間385Bから流出する(図20中の矢印参照)。
(加熱方法)
次に、本実施形態に係る被加熱物の加熱方法について説明する。図5のフローチャートにおけるステップS101に対応するステップにおいて進退部320と区画室形成部330とによって、区画室370が形成される際、進退部320は所定の位置で停止する。かかる所定の位置は、導入部340と排出部350とが、進退部320と対向するようになる位置である。かかる所定の位置において、区画室370内への吸排気が行われ(図5のステップS103に相当)、区画室370内が特定雰囲気に置換される(図5のステップS105に相当)。続いて、区画室370内が加熱される(図5のステップS107に相当)。その後、進退部320は、区画室形成部330に沿って移動しながら、所定の位置で間欠的に停止され、雰囲気置換とその後の加熱を繰り返す。所定回数の雰囲気置換、加熱を繰り返した後、進退部320は、加熱炉300から退出する(図5のステップS109に相当)。
また、本実施形態に係る被加熱物の加熱方法のその他の例として、図5のフローチャートにおけるステップS101に対応するステップにおいて進退部320は、加熱炉300内に進入し、区画室形成部330との間で区画室370を形成され、加熱が開始される。このとき、進退部320は、加熱炉300内を移動しながら、区画室370を形成する。続いて、導入部340および排出部350によって、区画室370内の吸排気が開始され(図5のステップS103に相当)、区画室370内が特定雰囲気に置換される(図5のステップS105に相当)。このときも進退部320は、加熱炉300内を移動している。さらに、区画室370内が、加熱炉300内を移動しながら所定の加熱時間、加熱されたか判定される(図5のステップS107に相当)。その後、特定雰囲気の吸排気が停止され(図5のステップS109に相当)、進退部320は、加熱炉300から退出する(図5のステップS111に相当)。以上、本実施形態に係る被加熱物の加熱方法について説明した。
本実施形態によれば、連続式加熱炉300において、搬送方向に沿って連続的に特定雰囲気の置換を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、進退部320を移動させながら雰囲気を維持できるので、区画室370毎に進退部320を停止せずともよく、区画室370間のスペース削減が実現され、炉の処理能力、生産効率が向上する。以上、本発明の第3の実施形態に係る加熱炉300について説明した。
なお、本実施形態において、通気構造380の流路381Aと、流路383Aが、区画室形成部330のY方向に沿って複数設けられている例を示したが、これに限定されず、区画室形成部330のY方向の両端部にのみ設けられていてもよい。
<5.熱間プレスライン装置>
続いて、本発明の実施形態に係る加熱炉が適用された熱間プレスライン装置について、図21および図22を参照しながら説明する。図21は、本発明の第1の実施形態に係る加熱炉100が適用される熱間プレスライン装置10を模式的に説明するための図である。熱間プレスライン装置10は、熱間加工によって所定形状の製品を成形するための装置である。具体的には、図21に示すように、熱間プレスライン装置10は、第1のプレス装置11と、搬送装置12と、加熱炉100と、第2のプレス装置13とを有する。
まず、第1のプレス装置11によって、ワークWとしてのブランクが予備的な形状を有する中間成形品へと加工される。特に、第1のプレス装置11の有する金型は、焼入れのための冷却機構を備え、加工と同時に焼入れが行われる。その後、ワークWとしての中間成形品は、搬送装置12の一例としてのロボットアームにより加熱炉100へ搬送される。ワークWは、加熱炉100内で所定の温度まで加熱される。加熱後のワークWは、第2のプレス装置13へ搬送され、プレス加工がおこなわれる。特に、第2のプレス装置13の有する金型は、焼入れのための冷却機構を備え、加工と同時に焼入れが行われる。この結果、所定の形状を有するプレス成形品が形成される。
熱間プレスライン装置10は、さらに制御部14を有し、かかる制御部14によって、第1のプレス装置11、搬送装置12、第2のプレス装置13、および加熱炉100が制御される。また、熱間プレスライン装置10は、熱間プレス成形工程と、前工程または後工程との間でワークを搬送する搬送装置15、16をさらに有してもよい。
また、熱間プレスライン装置10において、次のような工程でワークWに対して加工が行われてもよい。すなわち、第1のプレス装置11において、冷間プレス成形が行われた後、加熱炉100において加熱が行われる。さらに、加熱後のワークWに対して、第2のプレス装置13において、熱間プレス成形が行われる。
さらに、その他の工程として、ワークWとしてのブランクを加熱炉100において、加熱した後、第1のプレス装置11において、熱間プレス成形して、所定の形状を有するワークWとしてもよい。
また、図22は、本発明の第2または第3の実施形態に係る加熱炉200、300が適用される熱間プレスライン装置20を模式的に説明するための図である。以下、熱間プレスライン装置20の構成の説明において、一例として加熱炉200が適用される例を示して説明するが、加熱炉300も同様に適用され得る。熱間プレスライン装置20は、熱間加工によって所定形状の製品を成形するための装置である。具体的には、図20に示すように、熱間プレスライン装置20は、第1のプレス装置21と、第2のプレス装置22と、搬送装置23と、加熱炉200とを有する。
まず、ワークWは、加熱炉200内を搬送される。これにより、ワークWは、加熱炉200内で所定の温度まで加熱される。加熱後のワークWは、第1のプレス装置21へ搬送装置23の一例としてのロボットアームにより搬送され、第1のプレス装置21でプレス加工がおこなわれる。第1のプレス装置21によって、ワークWとしてのブランクが予備的な形状を有する中間成形品へと加工される。特に、第1のプレス装置21の有する金型は、焼入れのための冷却機構を備え、加工と同時に焼入れが行われる。第1のプレス装置21での成形後、従来の加熱炉の構成を有する多段式加熱炉25によってワークWが再加熱される。つまり、雰囲気の制御が求められる最初の加熱では、加熱炉200によって特定雰囲気に制御された状態でワークWが加熱され、比較的雰囲気の制御が厳しく要求されない、後の加熱工程では、一般的な多段式加熱炉25が用いられる。多段式加熱炉25によりワークWに対し焼き戻し等の熱処理が行われ、第2のプレス装置22の金型によりワークWに対して加工と冷却とが行われる。この結果、ワークWとして、所定の形状を有するプレス成形品が形成される。
熱間プレスライン装置20は、さらに制御部24を有し、かかる制御部24によって、第1のプレス装置21、第2のプレス装置22、搬送装置23、および加熱炉200が制御される。また、熱間プレスライン装置20は、熱間プレス成形工程の前工程との間でワークWを搬送する搬送装置26、27をさらに有してもよい。
熱間プレスライン装置10、20に加熱炉100、200、300を適用することで、短時間でのガス置換により、加熱雰囲気が維持できる温度範囲が広くなり、製造条件が安定する。さらに、ホットスタンプ向けでは、一般的に長大な連続式加熱炉で多量に雰囲気を循環させないと困難な特定雰囲気の維持が、炉長や炉容に依存せず、ガス量を抑制した構成で実現可能となる。
熱間プレスライン装置10、20において、加熱炉100、200、300での加熱後、プレス装置までの搬送に掛けられる時間は、温度低下を抑制する観点から、できるだけ短い方が望ましい。このため、加熱炉100、200、300でのワークWの搬送に要する時間は、例えば、数秒程度であり、高速搬送によって随伴流が生じ易い。そこで、本発明に係る実施形態の加熱炉100、200を熱間プレスライン装置10、20に適用することで、高速搬送によって加熱炉100内に雰囲気変化が生じても、区画室170、270内を特定雰囲気に置換し、加熱を行うことができる。
また、加工対象が加熱後の成形・冷却により高強度特性が得られる鋼材であり、第1のプレス装置11、21および第2のプレス装置13、23における加工が、ホットプレス成形である場合、加熱中の高温環境下の水素侵入、または加工中もしくは加工後の引張り残留応力等に起因するワークWの遅れ破壊の発生を抑制する必要がある。そこで、本発明に係る実施形態の加熱炉100、200を熱間プレスライン装置に適用することで、加熱中の水素侵入量を低減できることから、遅れ破壊の発生を抑制できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は、かかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、搬送機構がハースローラ式である例を示したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、ウォーキングビーム式の搬送機構であってもよい。また、搬送機構の他の例として、チェーン式、ベルト式、ロール式等であってもよい。さらに、搬送機構のその他の例として、搬送方向に延在された一対のレール上を進退部120が搬送されるように構成してもよい。また、搬送の際の駆動方法は、手動で進退部を加熱炉100内へ押し込む、または引き出す方式であってもよい。
また、上記実施形態において、進退部120に設けられる支持突起129が、図1に示すX方向視で三角形状の突起である例を示したが、本発明はかかる例に限定されず、ワーク下面の通気性と支持強度を満たせば形状や配置は限定されない。例えば、支持突起129は、本体部121から立設された棒状のピンでもよい。
また、上記実施形態において、炉幅方向(図1に示すX方向)に一つの進退部120が搬送され、区画室170が形成される例を示したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、区画室形成部130の炉幅方向(図1に示すX方向)の距離を長くし、進退部120がX方向に複数並んで搬送され、区画室形成部130との間に、炉幅方向において、複数の区画室170が形成されるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、導入部140または排出部150の配管が、区画室形成部130に取り付けられる側で拡幅された例を示したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、導入部140または排出部150として、複数の配管が図3に示すX方向に並んで取り付けられるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、区画室形成部130の天井部131は、平面状となる例を示したが、本発明は、かかる例に限定されない。例えば、天井部131は、図3に示すY方向視で、三角形状または円弧状であってもよい。
また、上記第2の実施形態の連続式加熱炉における進退部220および区画室形成部230の構造は、上記第1の実施形態のバッチ式加熱炉に適用されてもよい。
上記実施形態において、導入部140、240、340の区画室170、270、370側の端部が、Y方向の幅が狭くなるスリットノズル形状である例を示したが、Y方向の幅が変化しない長円状の孔であってもよい。
100、200、300 加熱炉
110、210、310 炉本体
120、220、320 トレー(進退部)
130、230、330 区画室形成部
140、240、340 導入部
150、250、350 排出部
160、260、360 送風部
170、270、370 区画室
180、280、380 通気構造
W ワーク(被加熱物)

Claims (10)

  1. 炉本体と、
    被加熱物を支持した状態で前記炉本体に対して、進退可能とされた進退部と、
    前記炉本体内に設けられ、該炉本体内に進入した状態の前記進退部とで、前記炉本体内で区画され前記被加熱物を収容する区画室を形成する区画室形成部と、
    前記区画室形成部に設けられ、前記区画室内と前記炉本体の外部とを連通する導入部及び排出部と、
    前記区画室内に前記導入部から前記排出部へ向かう気流を形成する送風部と、
    を備え
    前記区画室形成部が、前記炉本体の内部において前記炉本体と独立に設けられる、
    加熱炉。
  2. 前記進退部と前記区画室形成部との間に形成される間隙に、前記区画室の外部へ向かう気流を生じさせる通気構造をさらに備える、
    請求項に記載の加熱炉。
  3. 前記加熱炉は、バッチ式加熱炉である、
    請求項1又は2に記載の加熱炉。
  4. 前記加熱炉は、連続式加熱炉である、
    請求項1又は2に記載の加熱炉。
  5. 前記導入部および前記排出部が、前記被加熱物の搬送方向に沿って複数設けられている、
    請求項に記載の加熱炉。
  6. 前記区画室形成部が、前記被加熱物の搬送方向に沿って複数設けられている、
    請求項4又は5に記載の加熱炉。
  7. 炉本体内に被加熱物を支持した状態の進退部を進入させて、前記炉本体内の内部において前記炉本体と独立に設けられる区画室形成部とともに、前記炉本体内に区画室を形成する工程と、
    前記区画室内を前記炉本体内の雰囲気と異なる特定雰囲気に置換して加熱する工程と、
    を含む、加熱方法。
  8. 前記特定雰囲気が、露点温度が制御された雰囲気である、
    請求項に記載の加熱方法。
  9. 前記特定雰囲気が、不活性雰囲気である、
    請求項に記載の加熱方法。
  10. 前記区画室内の圧力が、前記炉本体の前記区画室以外の領域の圧力よりも高く設定される、
    請求項7~9のいずれか1項に記載の加熱方法。
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