JP2009203621A - 合成セグメントの製造方法 - Google Patents

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【課題】セグメント群を組み立てた場合に、隙間が生じることがなく、真円を形成することができるセグメントの製造方法を提供する。
【解決手段】円弧状の底板と、周囲の枠材とで構成した鋼殻11と、鋼殻11の内部と、枠材よりも高い位置まで充填したコンクリート12とによって構成した合成セグメント1を製造する方法である。セグメント群を組み立てた円筒の外径よりも大きい外径を有し、セグメント群を組み立てた円筒の内径よりも小さい内径を有するドーナツ状のリング妻板3を使用する。回転する回転外筒の内部に、その円周方向に沿って2枚のリング妻板3を平行に設置する。リング妻板3の間に、円弧状の鋼殻11を複数枚、設置する。ひとつの鋼殻11と、隣接して設置した鋼殻11との間には目地板4を介在させる。回転外筒と一体で回転する鋼殻11群の内部にコンクリート12を打設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成セグメントの製造方法に関するものである。
合成セグメントでは、一般に図6に示すように、円弧状の底板と、周囲の枠材とで鋼殻bを構成し、この鋼殻bの内部および周囲の枠材よりも高い位置までコンクリートaを充填して構成してある。
このような形状のセグメントを製造する方法として特許文献1記載のような発明が知られている。
この方法は、鋼殻bを円形に並べて内部にコンクリートaを打設して製造するものであるが、この場合には、コンクリートa部分の縁が切れるように両者間を絶縁しなければならない。
その状態を図7で説明すると、特許文献1記載の発明で製造する場合には、コンクリートaとコンクリートaが接する部分には目地形成型dを介在させて、ひとつのセグメントのコンクリートaと隣接するセグメントのコンクリートaとを絶縁させる方法が採用されている。

特開2004−108024号公報。
前記した特許文献1記載の方法で製造したセグメントは、図6に示すように、コンクリートaの端面が、目地形成型dの形状だけ、鋼殻bの端面よりも後退していることになる。
そのために、トンネル内で組み立てた場合に、ひとつのセグメントのコンクリートaの端面と、隣接するセグメントのコンクリートaの端面とが接触しないことになる。
したがって、セグメントの組み立て後の工程で、目地形成型dによって形成された溝を、モルタルなどで埋めなければならない、という不経済な問題が存在する。
上記のような課題を解決する本発明の合成セグメントの製造方法は、円弧状の底板と、周囲の枠材とで構成した鋼殻と、鋼殻の内部と、枠材よりも高い位置まで打設したコンクリートとによって構成した合成セグメントを製造する方法であって、セグメント群を組み立てた円筒の外径よりも大きい外径を有し、セグメント群を組み立てた円筒の内径よりも小さい内径を有するドーナツ状のリング妻板を使用し、回転する外筒の内部に、その円周方向に沿って2枚のリング妻板を平行に設置し、リング妻板の間に、円弧状の鋼殻を複数枚、設置し、ひとつの鋼殻と、隣接して設置した鋼殻との間には突起をつけた目地板を介在させ、かつ鋼殻の外面と外筒の内面との間にはスペーサーを介在させて配置し、外筒と一体で回転する鋼殻群の内部に、コンクリートを打設して行うことを特徴としたものである。
本発明の合成セグメントの製造方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> セグメント群を組み立てた場合に、隙間が生じることがなく、真円を形成することができる。
<2> 鋼殻の端面と、コンクリートの端面が同一面を形成するから、セグメントを組み立てた場合に鋼殻と鋼殻、およびコンクリートとコンクリートが直接に接触することができ、大きい曲げモーメントの伝達率を得ることができる。
<3> 目地板およびリング妻枠の表面に突条を突設しておけば、コンクリートの端面にシール溝、面取り溝、コーキング溝などを形成することができる。そのようなセグメントを組み立ててトンネルを構築すれば、地下水のセグメント間への浸入を有効に阻止することができ、また、セグメントのコンクリート端面の欠けの防止につながり、トンネル内面を平滑にすることができる。
<4> 目地板と鋼殻との接触面の目地板に外筒の中心軸と平行に溝を設け、弾性体(薄いゴム、シリコンチューブ)を貼り付けることで、コンクリートペーストの鋼殻外面側への漏出を防止することができる。
<5> 目地板をリング妻枠に固定することにより、一般的なボルト接合によるセグメント継手だけでなく、いわゆるワンタッチ継手などにも適用することができる。
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>対象とするセグメント。
セグメントとはトンネルや立坑の内面に取り付けて周囲の土砂の崩壊を阻止するための部材である。
工事に際しては、複数のセグメントを円形に組み立てて、掘削直後のトンネルや立坑の内面に取り付けて崩壊を阻止しつつトンネルや立坑を構築してゆく。
そして本発明の製造方法の対象とするセグメントは、図5に示すような合成セグメント1である。
合成セグメント1とは、公知のように、鋼殻11の内部にコンクリート12を打設したセグメントである。
この鋼殻11は円弧状の底板と、周囲の枠材とで構成してあり、その鋼殻11の内部と、枠材よりも高い位置までコンクリート12を打設したものである。
そして、鋼殻11の端面と、コンクリート12の端面が同一平面を形成しており、コンクリート12の端面が鋼殻11よりも後退していないセグメントである。
<2>遠心力成型装置。
本発明の製造方法では、図3に示すような遠心力成型装置を使用する。
この遠心力成型装置は、従来からヒューム管を製造するために使用されているものである。
この装置の中心部は回転する筒体である回転外筒2である。
この回転外筒2の内面に沿って鋼殻11を設置する。
そして回転外筒2の内部にベルトコンベア5などを使用してコンクリート12を打設する。
すると遠心力によってコンクリート12は強制的に締め固められ、かつ内面がきれいな曲面を備えたコンクリート製品を得ることができる。
回転外筒2の内径は、後述するリング妻板の外径に等しく形成してある。
<3>リング妻板。
リング妻板3は、ドーナツ状の鋼製の板体である。
このリング妻板3の外径は、製造対象であるセグメント1群を組み立てた円筒の外径よりも大きい外径を有する。
そして、リング妻板3の内径は、セグメント1群を組み立てた円筒の内径よりも小さい内径を有するように形成してある。
このリング妻板3を、回転可能な回転外筒2の内部に、その円周方向に沿って2枚を平行に設置する。
平行な2枚のリング妻板3の取り付け間隔は、鋼殻11の円弧軸方向の幅と同一の寸法である。
<4>鋼殻11の取り付け。
円弧状の鋼殻11を、回転外筒2の内部であって、リング妻板3の間に設置して取り付ける。
鋼殻11とリング妻板3の取り付けは、たとえば鋼殻11の内側にナットを固定しておき、このナットに、リング妻板3の外部からボルトをねじ込んで行うことができる。
鋼殻11は1枚ではなく、トンネルの1リング分を同一円周上に隣接させて設置する。
リング妻板3の外周、すなわち回転外筒2の内径は、セグメント1群を円形に組み立てた場合の外径よりも大きい外径を備えている。
すなわちセグメント1の外側の曲面の曲率と、回転外筒2の内面の曲率とは多少異なって形成されている。
したがって1枚のセグメントの鋼殻11は、その中央部分は回転外筒2の内面に接触する場合があるが、鋼殻11の両端は、回転外筒2の内面から離れた状態にある。
そのために鋼殻11の端部においては、その外側と回転外筒2の内側との間にスペーサー21を介在させてコンクリート12の打設の際の圧力に抵抗させる。
回転外筒2の内径と、鋼殻11の外径とが大きく相違する場合には、鋼殻11の外面のどの位置も回転外筒2の内面に接触しない場合があり、その場合には中央部分にもスペーサー21を介在させることになる。
<5>目地板の介在。
ひとつの鋼殻11と、隣接して設置した鋼殻11との間には目地板4を介在させる。
この目地板4は、隣接するセグメント間のコンクリート12とコンクリート12との縁切りを行うための鋼製、木製、合成樹脂製の板である。
目地板4は図1に示すように、リング妻枠にボルトなどによって固定して取り付ける。
目地板4の高さは、鋼殻11の高さよりも高く設定してあり、したがって鋼殻11よりも内側の高い位置まで打設するコンクリート12を、セグメント1ごとに絶縁をすることができる。
さらに鋼殻11と鋼殻11の間に目地板4を介在させることによって、図5に示すように、鋼殻11の端面とコンクリート12の端面とが同一の平面を形成した合成セグメントを得ることができる。
鋼殻11と鋼殻11の間に介在させる目地板4には、1枚の板でもよいがその鋼殻11側の面に、回転外筒の中心軸と平行に1本、または複数本の突条41を突設させて形成することもできる。
このように突条が形成してあると、後の工程で打設したコンクリート12の端面に溝を形成することができ、止水材を溝内に挿入することによって止水性の高い合成セグメント1を得ることができる。
また、合成セグメント1のコンクリート12端面の欠けの防止につながり、内面を平滑にすることができる。
さらに、目地板4と鋼殻11との接触面の目地板4に回転外筒の中心軸と平行に溝を設け、薄いゴムなどを貼り付けることで、コンクリート12ペーストの鋼殻11外面側への漏出を防止することができる。
<6>コンクリート12の打設。(図3)
リング妻板3を取り付け、その間に鋼殻11を設置した回転外筒2を、一定の速度で回転させる。
そして回転外筒2の内部に配置したベルトコンベア5などからコンクリート12を供給する。
このコンクリート12は回転中の鋼殻11の内部に供給され、遠心力で十分に充填される。
コンクリート12の表面の位置が、鋼殻11の縁よりも上方、すなわち回転外筒2の中心側に位置するまでコンクリート12を供給する。
こうして鋼殻11の端面と、コンクリート12の端面が同一平面を形成している合成セグメント1の製造を行うことができる。
本発明の合成セグメントの製造方法の実施例であって、鋼殻を回転筒に取り付ける状態の説明図。 鋼殻を回転筒に取り付けた状態の平面からの説明図。 製造装置の説明図。 回転筒と鋼殻の配置状態の説明図。 本発明の方法で製造した合成セグメントの斜視図。 特許文献1記載の発明で製造したセグメントの斜視図。 特許文献1記載の発明で製造する場合の目地成形型の配置図。
符号の説明
1:合成セグメント
11:鋼殻
12:コンクリート
2:回転外筒
21:スペーサー
3:リング妻板
4:目地板
5:ベルトコンベア

Claims (3)

  1. 円弧状の底板と、周囲の枠材とで構成した鋼殻と、
    鋼殻の内部と、枠材よりも高い位置まで打設したコンクリートとによって構成した合成セグメントを製造する方法であって、
    セグメント群を組み立てた円筒の外径よりも大きい外径を有し、
    セグメント群を組み立てた円筒の内径よりも小さい内径を有するドーナツ状のリング妻板を使用し、
    回転する外筒の内部に、その円周方向に沿って2枚のリング妻板を平行に設置し、
    リング妻板の間に、円弧状の鋼殻を複数枚、設置し、
    ひとつの鋼殻と、隣接して設置した鋼殻との間には突起をつけた目地板を介在させ、
    かつ鋼殻の外面と外筒の内面との間にはスペーサーを介在させて配置し、
    外筒と一体で回転する鋼殻群の内部に、
    コンクリートを打設して行う、
    合成セグメントの製造方法。
  2. 鋼殻と鋼殻の間に介在させる目地板は、リング妻枠に固定し、
    その鋼殻側の面に、外筒の中心軸と平行に、
    突条を突設させて形成し、
    目地板と鋼殻との接触面の目地板には外筒の中心軸と平行に溝を設け、薄い弾性体を貼付けた、
    請求項1記載の合成セグメントの製造方法。
  3. 回転する外筒の内部に、その円周方向に沿って設置するリング妻板には、円周方向に突条を突設させて形成してある、
    請求項1記載の合成セグメントの製造方法。
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