JP2009200012A - 色素増感太陽電池、その作製方法、及び導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法 - Google Patents

色素増感太陽電池、その作製方法、及び導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電配線の保護と電極間の封止のためにガラスまたはセラミックス材料を用い、集電配線の電解液に対する高い耐腐食性と、セルの高い封止能を有する特定構造の色素増感太陽電池を提供するとともに、該色素増感太陽電池を作製する方法及び前記作製方法の依拠する導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法の提供。
【解決手段】集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の側面保護層を前記集電配線と同じ高さに形成した後、前記集電配線の上面及び前記それぞれの側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で絶縁保護する等、前記集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、前記集電配線上に上面の平坦な絶縁保護層を形成し、該絶縁保護層を用いて両電極を貼り合わせる。
【選択図】図9

Description

本発明は、光電極と対極とがガラスまたはセラミックス材料の隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、集電配線の電解液に対する高い耐腐食性と、セルの高い封止能を有する色素増感太陽電池及びその作製方法に関する。
1991年にスイス、ローザンヌ大学のグレッツェルらによって発表された新しいタイプの色素増感太陽電池は光電変換効率が10〜11%に達してきており、また従来のシリコン型太陽電池と比較して使用する材料が安価であること、製造工程が比較的単純であることから、製造コストを大幅に削減できる可能性があり、実用化が期待されている。
このような色素増感太陽電池につき大面積化の要求があるところ、単一セルでこれに対応していくためには、導電性基板に集電配線及び該集電配線を電解液から保護するための絶縁保護層を形成する必要がある。しかし、特許文献1に開示されるような従来型の集電配線では、電解液が集電配線の絶縁保護層表面と常に接触する状態にある。そして、絶縁保護層の厚みは数十μm程度しかなく、また該絶縁保護層にはピンホールが発生しやすいため、集電配線が電解液により腐食される可能性が高くなる。また電池を大面積化していくと構造強度にも課題が生じる。
特開2004−164970号公報 特開2003−178817号公報 R. Sastrawan et al, Solar Energy Materials & Solar Cells 90 (2006) 1680-1691 Songyuan Dai et al, Solar Energy Materials & Solar Cells 85 (2005) 447-455
そこで、本願発明は、集電配線の保護と電極間の接着のためにガラスまたはセラミックス材料を用い、集電配線の電解液に対する高い耐腐食性と、セルの高い封止能を有する特定構造の色素増感太陽電池を提供するとともに、該色素増感太陽電池を作製する方法及び前記作製方法の依拠する導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、第一電極と第二電極とがガラスまたはセラミックス材料の隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記隔壁は少なくとも、前記第一集電配線を絶縁保護するとともに前記両電極の周縁部を封止するように形成されており、
前記隔壁の側面は、実質的にくびれを有しないことを特徴とする色素増感太陽電池である。
本発明の第二の態様は、ガラスまたはセラミックス材料を用いて第一電極と第二電極を貼り合わせることにより、色素増感太陽電池を作製する方法であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
前記作製方法は、
(1)第一集電配線を備える第一電極を準備する工程と、
(2)前記第一電極上に、ガラスまたはセラミックス材料を用いて第一絶縁保護層を形成する工程であって、
前記第一絶縁保護層は少なくとも、前記第一集電配線を絶縁保護するとともに前記第一電極上の周縁部にもあるように形成され、
前記第一絶縁保護層のうち、前記第一集電配線を絶縁保護する部分については、前記前記第一集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成する工程と、
(3)前記第一電極と第二電極を貼り合わせる際に、前記第一電極上の第一絶縁保護層と対向することになる前記第二電極の部分に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層を形成する工程と、
(4)荷重を印加しながら加熱により、前記第一電極上の第一絶縁保護層と前記第二電極上の第二絶縁保護層とを溶融接着することにより、両電極の周縁部を封止するとともに前記第一集電配線を絶縁保護する隔壁を形成して、両電極を貼り合わせる工程と、
を順に含み、ただし前記工程(3)は、前記工程(4)の前に行う限り、任意の順序で行ってもよいことを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法である。
本発明の第三の態様は、第一導電基板と第二導電基板とをガラスまたはセラミックス材料を用いて貼り合わせることにより、導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法であって、
前記第一導電基板は第一金属配線を備え、
前記方法は、
(1)前記第一金属配線を備える第一導電基板を準備する工程と、
(2)前記第一金属配線の表面上に第一絶縁保護層を形成する工程であって、前記第一金属配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成する工程と、
(3)前記第一導電基板と第二導電基板を貼り合わせる際に、前記第一導電基板上の第一絶縁保護層と対向することになる前記第二導電基板上の位置に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層を形成する工程と、
(4)荷重を印加しながら加熱により、前記第一導電基板上の第一絶縁保護層と、前記第二導電基板上の第二絶縁保護層とを溶融接着することにより、少なくとも前記第一金属配線を絶縁保護する隔壁を形成し、前記第一導電基板と前記第二導電基板とを貼り合わせる工程と、
を順に含み、ただし前記工程(3)は、前記工程(4)の前に行う限り任意の順序で行ってもよいことを特徴とする方法である。
本発明によれば、集電配線は両電極を支えるガラスまたはセラミックスの隔壁により絶縁保護され、しかも、該隔壁のうち前記両電極を貼り合わせた際の不完全な接着に由来するくびれをほとんど有せず、より良好に電解液に対して保護される。
このため、前記集電配線が電極の周縁部に備えられたものについては、ガラスまたはセラミックスの隔壁で封止されたセルにつき高い封止能を得ることができる。
また、前記集電配線が電極の周縁部より内側に備えられたものについては、電解液が集電配線の上部を流動することによる電解液と集電配線の間の接触を阻止できるとともに、前記隔壁上のくびれに由来する電解液との接近を避けられる、また隔壁の境界から集電配線までの距離が十分に得られるので、集電配線の電解液に対する高い耐腐食性を得ることができる。
1.本発明の第一の態様について
(A)本発明の第一の態様は、第一電極と第二電極とがガラスまたはセラミックス材料の隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記隔壁は少なくとも、前記第一集電配線を絶縁保護するとともに前記両電極の周縁部を封止するように形成されており、
前記隔壁の側面は、実質的にくびれを有しないことを特徴とする色素増感太陽電池である。
本態様の典型例としては図2〜図8に示される構造のものが例示される。
前記第一電極は、光電極または対極のいずれでもよく、前記第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、前記第一の電極ではないものをいう。しかし、以下では、典型例として、第一電極が光電極で、第二電極が対極の場合に限って説明する。第一電極が対極で、第二電極が光電極の場合は、上記の場合に準じて考えればよい。
(B)光電極と対極との間に隔壁を形成して貼り付けるための材料としては、熱可塑性樹脂等の樹脂材料がよく用いられ、このような材料であれば、集電配線上に隔壁を形成する場合でも、流動性がよく、室温で塗布することができるため、特に問題なく両電極を貼り合わせることが可能である。しかし、このような樹脂材料は、そこに含まれる低揮発性成分による光電極(酸化物半導体層)に悪影響を及ぼすおそれがある。また、樹脂材料は高温耐久性に劣る。
このような観点からは、封止材料としてガラスまたはセラミックス材料を用いることが望ましく、非特許文献1や非特許文献2ではガラスフリット材料を用いて太陽電池セルを封止することが試みられている(たとえば、非特許文献1の図1参照)。しかし、本発明のように集電配線上にガラスフリット材料の隔壁を形成することについては、記載も示唆もない。
本発明のように集電配線上に隔壁を形成する場合、一般にスクリーン印刷装置を用いてガラスまたはセラミックス材料のペーストを集電配線およびその周辺部の電極基材に印刷する。その後、加熱してガラスまたはセラミックス材料で集電配線を被覆する。この時、集電配線周辺部の断面の概略図は図1(a)に示すとおり、得られた集電配線上の被覆層の高さは周辺部のそれよりも高くなり段差が生じる。これを対極上の対向するガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層と、加熱・溶融によって接着して隔壁を形成しても[図1(b)参照]、接着が不十分となり、図1(c)に示すように不十分な接着に由来する深いくびれが発生することがわかった。これはガラスまたはセラミックス材料が軟化・溶融し始める温度と電極基材が軟化・変形をし始める温度が接近しているために加熱温度を高めることができず、くびれがなくなるほどの流動性をもたせることができなかったためである。これでは集電配線の電解液に対する保護が不十分であるとともに、電極の封止が不完全となる部分が生じる。このような知見は、非特許文献1にはない新たな知見である。
このように、ガラスまたはセラミックス材料を用いて集電配線上に隔壁を形成することで電極を貼り合わせ、十分な封止及び集電配線の保護を得ることは、熱可塑性樹脂等の樹脂材料を用いた場合のようには容易ではなく、また集電配線のない電極上にガラスフリット等のガラスまたはセラミックス材料の隔壁を形成する場合ほど容易とはいえない。
しかし、後記する本発明の第二の態様の作製方法を用いれば、両電極を貼り合わせるガラスまたはセラミックス材料の隔壁の側面に、実質的にくびれを有しない色素増感太陽電池を得ることができる。
ここで、実質的にくびれを有しないとは、以下のように定義される。
すなわち、隔壁の所定の位置において、集電配線の備えられている電極平面に沿って該集電配線の短軸方向に、該隔壁の境界からくびれの一番深いところまでの距離をd(以下、「くびれの深さ」と称する)、集電配線の備えられている電極平面に沿って該集電配線の短軸方向に、該隔壁の境界から該集電配線の近位端までの距離をD(以下、「絶縁保護幅」と称する)と定義し、(d/D)×100(%)の値を基準にして判断する[図1(c)参照]。ここで、隔壁の境界とは、くびれがないと仮定した場合の該隔壁の側面部分をいい、設計どおりに、両電極の溶融接着が完全に行われた場合の該隔壁の側面部分に相当する。
より具体的には、電極内側にある保護部隔壁については、該保護部隔壁の所定の位置について、両側面ぞれぞれのくびれの深さdの平均をdm、両側面ぞれぞれの絶縁保護幅Dの平均をDmとした場合に、(dm/Dm)×100≦20を充たす場合に実質的にくびれがないと定義する。ここに平均とは、該保護部隔壁は電解液と接触する側面を2つ有していることから、この2つについて平均したものをいう。
また、電極周縁部にある封止部隔壁については、電解液と接触する側面が一つしかないことから、該封止部隔壁の所定の位置について、電解液と接触する側面からのくびれの深さをde、電解液と接触する側面からの絶縁保護幅をDeとした場合に、(de/De)×100≦20を充たす場合に実質的にくびれがないと定義する。
ここで、(dm/Dm)×100及び(de/De)×100を、隔壁の所定の位置における「くびれ率」と称することとする。実質的にくびれがない場合を、このくびれ率が20%以下と定義しているが、これは集電配線と電解液の間に介在する隔壁部分の80%以上が接着していれば、電解液の漏れ防止や集電配線の保護を十分達成しうると考えられるからである。もっとも、より好ましくはくびれ率は10%以下である。
次いで、絶縁保護幅Dの測定法につき説明する。光電極と対極をガラスまたはセラミックス材料、たとえばガラスフリットを用いて集電配線上で貼り合せた部分を、たとえば光電極側から光学顕微鏡で観察(たとえば500倍で)すると、該集電配線の両脇にガラス隔壁が観察でき、その外側に酸化物半導体層が観察できる。該ガラス隔壁の境界の位置及び集電配線の近位端は、この光学顕微鏡による観察によって十分明確に認識できるため、その間の距離である絶縁保護幅Dは容易に測定できる。この際、注意すべき点として、ガラスまたはセラミックス材料の熱融着の際に、該ガラスまたはセラミックス材料の滲み(ガラス隔壁の高さに比べて圧倒的に高さが低く、これをガラス隔壁の一部とみることはできない)が前記ガラス隔壁の境界を超えて生じるので、前記ガラス隔壁の境界を確認する上においては、かかる滲みを生じた領域を排除する。この滲みは、用いるがガラスまたはセラミックス材料の種類によって異なるが、100μm前後の幅になる場合がある。
次にくびれの深さdの測定法につき説明する。両電極を貼り合せた後に、酸化物半導体層に色素を吸着させ、次いでヨウ素等を含む電解液を注入すると、着色した(赤紫色の)電解液が両電極間の隙間部分に浸入する。この際、くびれがない貼り合せになっている場合、電解液は酸化物半導体層に面しているガラスまたはセラミックス材料の隔壁の境界[図1(c)参照]から、集電配線側には浸入できないはずである。しかし、くびれが存在すると、前記境界より集電配線側に電解液が浸入し、くびれ部分が電解液の色によってガラスの色調が異なっている領域として、光学顕微鏡を用いて容易に観察することができる。そこで、隔壁の所定の位置において、前記のようにして確認された隔壁の境界から、電解液により着色されたくびれ部分の一番深いところまでの距離を測定することで、くびれの深さdを容易に測定できる。例えば100倍の倍率では30μm以上のくびれを検出することを容易に行うことができる。
あるいは、上記のようなくびれの深さdの測定方法が、電極基板の透明度が低い等により困難な場合には、作製された電池を切断し、その断面を同様に光学顕微鏡によって観察することによって、直接、くびれの深さdを測定し、補充的にくぼみ率を算出することもできる。
なお、前記隔壁のうち集電配線のない隔壁部分についての「くびれ率」についても、集電配線のある隔壁部分と同様に定義できる。すなわち、該集電配線のない隔壁部分にも、同様な集電配線が中央部分にあると仮定して計算する。電極上に集電配線の幅として複数のものが使用されている場合には、最も短い幅の集電配線があるものとして計算する。
(C)本態様の色素増感太陽電池の構造と類似するものとして、たとえば特許文献2には封止材が集電体(集電配線)の上に配置される構造が開示されている(特許文献2の段落番号0038及び図2参照)。しかし、ここで用いられている封止材はホットメルト樹脂(デュポン社製、Bynel、特許文献2の段落番号0062参照)であり、ガラスまたはセラミックス材料とは異なる。また、特許文献2の発明は、集電体と半導体層との距離をできるだけ小さくすることにより、光電変換素子の内部抵抗をより低減させ、形状因子のより高い光電流−電圧特性を得ようとするものであり、封止材の隔壁により集電配線を絶縁保護しようとするものではない。
また、本態様の色素増感太陽電池の構造と類似する別のものとして、非特許文献2の図3に開示されているものがある。しかし、ここで用いられている封止材はデュポン社製のSurlyn及びBynelポリマーであり、本態様で用いているガラスまたはセラミック材料とは全く異なる。上記(B)でも説明したように、ガラスまたはセラミックス材料を用いて集電配線上に隔壁を形成することで電極を貼り合わせ、十分な封止及び集電配線の保護を得ることは、熱可塑性樹脂等の樹脂材料を用いた場合のように容易とはいえず、前述したように、電極貼り合わせの際の不十分な接着に由来する深いくびれが生じてしまう傾向にあることを本発明者らは見出している。また、非特許文献2には、特に両電極を封止ないし貼り合わせるための隔壁の材料についてSurlyn及びBynelポリマー以外の材料について全く考慮しておらず、ましてやガラスまたはセラミックス材料を用いた場合の接着の困難性についてもなんら示唆するところはない。
(D)本発明の第一集電配線は光電極上に任意のパターンで施され、該パターンとして平行線状、交差線状、その他、格子状網目、たとえば四角形あるいは八角形からできた格子状網目などを提示することができる。
材料としては金属ペースト、カーボンペースト等の導電性ペーストが例示され、より好ましくは銀ペーストを用い、スクリーン印刷等の印刷技術、スプレー法、スパッタ法、インクジェット法等、簡便性の点で、好ましくはスクリーン印刷等の印刷技術よって形成できる。
考えられるケースとしては、たとえば以下のものが含まれる。
(a)光電極周縁部に集電配線を備えるケース[たとえば図2及び図3参照]。
(b)光電極内側に集電配線を備えるケース[たとえば図5参照]。
(c)光電極周縁部及び内側の双方に集電配線を備えるケース[たとえば図6参照]。
ここで、「光電極周縁部」とは、光電極の周囲であって両電極を封止するための隔壁(封止部隔壁)が設けられる部分をいう。
また、「光電極内側」とは、光電極上、該光電極の周縁部より内側の部分をいう。
対極として非金属材料を用いる場合、対極が、光電極上の第一集電配線と同様の第二の集電配線を備えることが好ましいが、この場合、上記(a)〜(c)のそれぞれに対して、
(d)対極周縁部に集電配線を備えるケース[たとえば図3及び図4参照]。
(e)対極の内側に集電配線を備えるケース[たとえば図7参照]。
(f)対極の周縁部及び内側の双方に集電配線を備えるケース[たとえば図8参照]。
との組合せがさらに考えられる。
ここで、「対極周縁部」とは、対極の周囲であって両電極を封止するための隔壁(封止部隔壁)が設けられる部分をいう。
また、「対極内側」とは、対極上、該対極の周縁部より内側の部分をいう。
(E)本発明の隔壁はガラスまたはセラミックス材料からなり、両電極の周縁部を封止するとともに、少なくとも光電極上の第一集電配線全面を絶縁保護するように形成されている。
すなわち前記隔壁は少なくとも、両電極の周縁部を封止する封止部隔壁を有し、さらに上記(D)の(b)及び(c)の場合には、前記第一集電配線の全部を絶縁保護できるように補充的に保護部隔壁を有する。
前記封止部隔壁のみならず、前記保護部隔壁も両電極双方に接着した状態で存在する。前記隔壁の幅は、発電電流値に依存するため一概には決められないが、一般的には、例えば1.5mm〜60μm程度の範囲とすることができ、また隔壁の高さは、15〜50μm程度が好ましい。
また、第二電極が第二集電配線を備える場合には、前記第二電極の全部を絶縁保護できるように補充的に保護隔壁を有する。
以上の保護隔壁は、第一集電配線または第二集電配線のいずれか一方を絶縁保護するものでもよいし、同時に双方を絶縁保護するものでもよい。
a. ガラスまたはセラミックス材料としては、電極基板よりも融点が低く、電解液に対する耐性が高く、また前記隔壁が形成される電極上の材料と熱膨張率の差が小さいものを用いることが好ましい。具体的には、ガラスフリットのペースト、その中でも無鉛ガラスフリットのペーストが好ましい。
b. 前記第一集電配線は全面が絶縁保護されるように、本発明の隔壁は形成されており、前記(D)(a)の場合には前記封止部隔壁により絶縁保護され、前記(D)(b)の場合には前記保護部隔壁で絶縁保護され、前記(D)(c)の場合には、前記封止部隔壁と保護部隔壁の両方で絶縁保護される。
これらの中でも、セルの強度の観点から、特に大面積のセルを用いたような場合、前記第一集電配線が、少なくとも前記保護部隔壁で絶縁保護されることが好ましい。
前記第一集電配線が前記(D)(a)または(c)の場合、前記封止部隔壁の側面には、両電極を貼り合わせる際の不十分な接着に起因するくびれを実質的に有しないため、前記くびれからの電解液との接触を回避することができ、該第一集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与するとともに、電解液の漏れを防止する。
前記第一集電配線が前記(D)(b)または(c)の場合、少なくとも一部が電解液と直接に接触するおそれの大きい位置にあるため、特に電解液からの保護の必要性が大きい(図5及び図6参照)。前記保護部隔壁は、両電極に跨って存在するため、該第一集電配線の上部を通過する電解液の流れを阻止することができ、前記第一集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与する。また、前記保護部隔壁の側面には、両電極を貼り合わせる際の不十分な接着に起因するくびれを実質的に有しないため、前記くびれからの電解液との接触を回避することができ、さらに前記第一集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与する。
c. さらに対極上に第二集電配線が備えられている場合、これら第二集電配線の全面も絶縁保護するように本発明の隔壁は形成されており、前記第二集電配線が前記(D)(d)の場合には、前記封止部隔壁により絶縁保護され、前記第二集電配線が前記(D)(e)の場合には、前記保護部隔壁により絶縁保護され、前記第二集電配線が前記(D)(f)の場合には、前記封止部隔壁と保護部隔壁の両方で絶縁保護される。
セルの強度の観点から、特に大面積のセルを用いたような場合、前記第二集電配線が、少なくとも前記保護部隔壁で絶縁保護されることが好ましい。
前記第二集電配線が前記(D)(d)または(f)の場合、前記封止部隔壁の側面には、両電極を貼り合わせる際の不十分な接着に起因するくびれを実質的に有しないため、前記くびれからの電解液との接触を回避することができ、該第二集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与するとともに、電解液の漏れを防止する。
前記第二集電配線が前記(D)(e)または(f)の場合、少なくとも一部が電解液と直接に接触するおそれの大きい位置にあるため、特に電解液からの保護の必要性が大きい(図7及び図8参照)。前記保護部隔壁は、両電極に跨って存在するため、該第二集電配線の上部を通過する電解液の流れを阻止することができ、前記第二集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与する。また、前記保護部隔壁の側面には、両電極を貼り合わせる際の不十分な接着に起因するくびれを実質的に有しないため、前記くびれからの電解液との接触を回避することができ、さらに前記第二集電配線の電解液に対する高い耐腐食性に寄与する。
d. 前記第一集電配線を絶縁保護する隔壁部分と、前記第二集電配線を絶縁保護する隔壁部分とは、同じ隔壁部分でもよいし異なる隔壁部分でもよい。前者の場合、前記第一集電配線と第二集電配線は、前記同じ隔壁部分を介して対向し[たとえば図4及び図8参照]、後者の場合、対向していない[たとえば図3及び図7参照]。集光面積、集電効率を稼ぐ観点からは前者の方が好ましい。
(F)その他
a. 本発明の光電極は、前記透明導電基板上に形成された金属酸化物半導体膜からなり、該金属酸化物半導体層には分光増感色素が担持されている。
該金属酸化物半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の公知の多孔質材料を用いることができ、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、インクジェット法等により前記透明導電基板上に形成できるが、操作の簡便さの観点からはスピンコート法、スプレー法、ディッピング法が、量産化の観点からはスクリーン印刷法によるのが好ましい。
分光増感色素としては、可視領域および/または赤外光領域に吸収をもつ種々の金属錯体や有機色素を用いることができ、任意の公知の方法、たとえば、二酸化チタン等の酸化物半導体薄膜を色素溶液に所定の温度で浸漬する方法(ディップ法、ローラ法、エヤーナイフ法など)や、色素溶液を酸化物半導体層表面に塗布する方法(ワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等により該金属酸化物半導体膜に吸着されている。
なお、透明導電基板としては、透明ガラスあるいは透明樹脂フィルム等の透明基板上に、透明導電膜として酸化チタン、酸化亜鉛(アンチモンまたはアルミニウムをドープしたものでもよい)、酸化インジウム(スズまたは亜鉛をドープしたものでもよい)、酸化スズ[アンチモンをドープしたもの(ATO)、またはフッ素をドープしたもの(FTO)でもよい]等の膜を形成したものが好ましく用いられる。
b. 本発明の対極としては、対極と光電極との間に封入されるべき電解質中の腐食性成分に対する耐腐食性を有するものであれば特に制限されないが、チタン、ステンレス、導電性ガラス等が例示され、その中でも前記隔壁材料として用いるガラスまたはセラミックス材料との熱膨張率の差が小さいことが電極との接着性には好ましいとの観点からは、導電性ガラスがより好ましく、さらに窓ガラスに置き換えて使用する観点では、透光性の導電性ガラスが好ましい。
c. 光電極と対極との間には、電解液が封入されている。電解液としては、I3 -/I-系、Br3 -/Br-系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元電解質を含む電解液が例示される。
2.本発明の第二の態様について
(A)本発明の第二の態様は、前記本発明の第一の態様の色素増感太陽電池の作製方法に相当する。
本態様の第一電極は、光電極または対極のいずれでもよく、本態様の第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、前記第一の電極ではないものをいう。しかし、以下では、典型例として、第一電極が光電極で、第二電極が対極の場合に限って説明する。第一電極が対極で、第二電極が光電極の場合は、上記の場合に準じて考えればよい。
(B)前記1.(B)で説明したように、前記光電極上の第一集電配線上に第一絶縁保護層を塗布する場合、材料がガラスまたはセラミックス材料では、図1(a)に示すように第一絶縁保護層に段差が生じる。その結果、前記光電極上の第一絶縁保護層と前記対極上の第二絶縁保護層とを溶融接着して隔壁を形成し、両電極を貼り合わせても接着が不十分となり、前記隔壁の側面に深いくびれが発生する[図1(c)参照]。これでは前記第一集電配線が電極の周縁部に備えられていた場合には、封止が不完全となり電解液の漏れの原因となるとともに、前記第一集電配線の腐食の危険も大きくなる。また、前記第一集電配線が光電極の内側に備えられていた場合にも、前記くびれの部分で電解液と接触し腐食する危険が大きくなる。
そこで、本態様では、光電極上に形成される第一絶縁保護層のうち、前記第一集電配線を保護する部分については、前記第一集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成することで、上面がほぼ平坦な第一絶縁保護層を得ることができ、もって完全な溶融接着を可能とするものである。
より具体的には、たとえば、以下のi.〜iv.の方法を好ましく用いることができる。すなわち、
i.前記第一集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第一側面保護層を前記第一集電配線と同じ高さに形成した後、前記第一集電配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法、
ii.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一集電配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨して平坦にすることによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法、
iii.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一集電配線の上面が露出するまで研磨して、前記第一集電配線の両側それぞれに一対の第一側面保護層を前記第一集電配線と同じ高さに形成した後、前記第一集電配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するという三段階の方法、
または、
iv.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法、
を挙げることができる。
これらi.〜iv.の方法はあくまで例示であり、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成するという目的に適う限り、被覆処理の回数・順序・箇所や研磨の有無・順序を適宜変更した方法が含まれる。たとえば、目的を損なうことのない限りにおいて、前記方法i.〜iv.によって得られた第一絶縁保護層に対して、さらに多少の研磨処理を施したり、該第一絶縁保護層の上面にさらにガラスまたはセラミックス材料で多少の被覆を行ってもよい。
(C) 前記i.の方法(図9)について
前記第一集電配線を備えた光電極を準備し[工程(1)]、前記第一集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる側面保護層を形成する[以下、「一対の第一側面保護層」という。工程(2)の部分工程(1)、図9(a)参照]。たとえば、集電配線である銀配線の両側にスクリーン印刷装置などを用いて、ガラスまたはセラミックス材料であるガラスフリットを印刷する。
ここで、前記一対の第一側面保護層は、前記第一集電配線と同じ高さに形成される。ここで、「同じ高さ」とは厳密に同じ高さである必要はなく、前記第一集電配線の高さの−30%〜+30%の範囲の差は許容される。また、前記一対の第一側面保護層は、前記第一集電配線の側面と、できる限り接していることが好ましいが、集電配線の幅の2分の1の程度までは許容される。また、前記それぞれの第一側面保護層の幅は、集電配線の幅の同程度から20分の1程度が好ましい。
次いで、さらに前記第一集電配線の上面及び前記一対の第一側面保護層の上面によって形成される平面に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第一上面保護層を形成すると、両側に、前記一対の第一の側面保護層があるために、図1(a)に見られるような絶縁保護層の段差は生じず、上面が平坦な第一絶縁保護層を、前記第一集電配線上に形成することが可能となる[工程(2)の部分工程(2)、図9(b)参照]。この際、前記第一側面保護層と前記第一集電配線との間に集電配線の幅の2分の1程度までの多少の隙間があっても、前記上面保護層を形成すると同時に、前記隙間をガラスまたはセラミックス材料で埋めることができる。
たとえば、スクリーン印刷装置などで、ガラスフリットを、集電配線及びその両側に印刷された一対のガラスフリット層上に印刷することによって、前記集電配線を絶縁保護した、上面がほぼ平坦なガラスフリット層を形成できる。
この際、前記集電配線の上面に形成される第一絶縁保護層の厚みは10〜30μm程度となるように調整するのが好ましい[工程(2)の部分工程(2)、図9(b)参照]。
なお、この方法を用いて作製された電池については、側面保護層と集電配線との間の多少の隙間の存在があったことに由来して、ガラス中に細かい気泡が観察される場合がある。しかし、このような気泡は非常に細かいものであり、実際の電池の性能に悪影響を及ぼすものではない。
(D) 前記ii.の方法(図10)について
前記第一集電配線を備えた光電極を準備し[工程(1)]、前記第一集電配線の全面、すなわち両側面及び上部に硝子またはセラミックス材料で同時に被覆層を形成する。たとえば、集電配線である銀配線上にスクリーン印刷でガラスフリットペーストを印刷して絶縁被覆する[工程(2)の部分工程(1)、図10(a)参照]。
この際、前記被覆層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分(段差下部)の高さが、前記第一集電配線よりも十分高くなるように、好ましくは15〜20μm程度になるように被覆する。そのようにするためにはスクリーン印刷機を用いて、ガラスまたはセラミックス材料のペーストの重ね塗り(例えば、印刷、乾燥、印刷を繰り返す)を行う。所定の高さを得るためにはスクリーン印刷装置の版のメッシュの目開きを変更し、塗布厚さを制御する。
得られる被覆層は、前記1.(B)で説明したように、前記第一集電配線上にガラスまたはセラミックス材料を均一に塗布できず、前記被覆層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分(段差下部)の高さが、前記第一集電配線の上部にある部分(段差上部)の高さよりも相対的に低くなるという段差を生じる。
次いで、前記全面保護層が前記第一集電配線の全面を絶縁保護した状態を維持しつつ、前記被覆層の上面を研磨して、上面をほぼ平坦にした第一絶縁保護層を形成できる[工程(2)の部分工程(2)、図10(b)参照]。これにはケミカルメカニカルポリッシング装置などを用いることができる。
最初に前記第一集電配線の全面を、ガラスまたはセラミックス材料で絶縁被覆して前記被覆層を形成した際に、前記第一集電配線の両側にある部分の高さが、前記第一の集電配線よりも十分高くなるように形成しているため、研磨による平坦化の後も、前記絶縁保護層につき、前記第一集電配線の上面における厚みを、好ましくは5〜10μmは残すようにすることができる。
(E)前記iii.の方法(図11)について
前記第一集電配線を備えた光電極を準備し[工程(1)]、前記第一集電配線の全面、すなわち両側面及び上部に硝子またはセラミックス材料で同時に被覆層を形成する。たとえば、集電配線である銀配線上にスクリーン印刷でガラスフリットペーストを印刷して絶縁被覆する[工程(2)の部分工程(1)、図11(a)参照]。
この際、前記被覆層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分の高さを、前記方法ii.のように前記第一集電配線よりも十分高くなるようにする必要はなく、ほぼ同等の高さになるようにすれば足りる。
得られる被覆層は、前記1.(B)で説明したように、前記第一集電配線上にガラスまたはセラミックス材料を均一に塗布できず、前記全面保護層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分(段差下部)の高さが、前記第一集電配線の上部にある部分(段差上部)の高さよりも相対的に低くなるという段差が生じる。
次いで、前記被覆層の上面を研磨して、前記第一集電配線の上面を露出させる[工程(2)の部分工程(2)、図11(b)参照]。これにはケミカルメカニカルポリッシング装置などを用いることができる。これにより、前記第一集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなり、前記第一集電配線と同じ高さの側面保護層[以下、「一対の第一側面保護層」という。]が形成される。
次いで、さらに前記第一集電配線の上面及び前記一対の第一側面保護層の上面から形成される平面に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第一上面保護層を形成すると、両側に、前記一対の第一側面保護層があるために、図1(a)に見られるような被覆層の段差は生じず、上面が平坦な第一絶縁保護層を、前記第一集電配線上に形成することが可能となる[工程(2)の部分工程(3)、図11(c)参照]。
たとえば、スクリーン印刷装置などで、ガラスフリットを、銀配線及びその両側に印刷された一対のガラスフリット層上に印刷して、前記銀配線を絶縁保護した、上面がほぼ平坦なガラスフリット層を形成できる。この際、前記集電配線の上面に形成される第一絶縁保護層の厚みは5〜20μmとなるように調整するのが好ましい[工程(2)、図11(c)参照]。
この方法によって作製された電池については、集電配線の上面を露出するまで研磨しているため、電池を切断して集電配線の断面を観察すれば、通常の単に集電配線を印刷しただけのものと比較していくつかの特徴が見出される。すなわち、集電配線の厚さがより均一となり、集電配線の上面の平坦性が高い。また、集電配線のエッジ部も、通常の単に集電配線を印刷しただけのものと比較すれば、比較的に丸みを帯びていない。
(F)前記iv.の方法(図12)について
前記第一集電配線を備えた光電極を準備し[工程(1)]、前記第一集電配線の全面、すなわち両側面及び上部にガラスまたはセラミックス材料で同時に被覆層を形成する。たとえば、集電配線である銀配線上にスクリーン印刷でガラスフリットペーストを印刷して絶縁被覆する[工程(2)の部分工程(1)、図12(a)参照]。これらの工程は、方法iii.における前記(E)の工程(1)、及び工程(2)の部分工程(1)に準じて行うことができる。
得られる被覆層は、前記1.(B)で説明したように、前記第一集電配線上にガラスまたはセラミックス材料を均一に塗布できず、前記被覆層に段差ができる。すなわち、前記被覆層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分(段差下部)の高さが、前記第一集電配線の上部にある部分(段差上部)の高さよりも相対的に低くなるという段差が生じる。
次いで、前記段差下部上に、方法i.の前記(C)の工程(2)に準じて、一対の第一側面保護層を段差上部とほぼ同じ高さになるように形成する[工程(2)の部分工程(1)、図12(b)参照]。この場合の「第一側面保護層」にいう「側面」とは、方法i.のように第一集電配線の側面を意味するものではなく、前記被覆層のうち、前記段差上部の側面を意味する。
このようにして得られた被覆層の上面は、前記一対の第一側面保護層により、前記厚みの段差がかなりの程度、軽減され、対極と貼り合せた場合にも、実質的にくぼみのない隔壁を形成するに十分なほどに平坦である。したがって、このまま対極との貼り合せ工程に用いることができる[工程(2)の部分工程(2)、図12(c)参照]。
なお、この方法を用いて作製された電池については、前記方法i.で作製された電池と同様、側面保護層と段差上部との間の多少の隙間の存在があったことに由来して、ガラス中に細かい気泡が観察される場合がある。しかし、このような気泡は非常に細かいものであり、実際の電池の性能に悪影響を及ぼすものではない。
(G)前記第一絶縁保護層のうち、前記第一集電配線を絶縁保護する部分以外の部分については、通常の方法でガラスまたはセラミックス材料を塗布して絶縁保護層を形成しても、上面が平坦な層を形成できる。もっとも、任意選択的に得られた絶縁保護層の上面を研磨してもよい。
このため、前記i.、iii.またはiv.の方法において、たとえば、前記一対の第一側面保護層をスクリーン印刷すると同時に、若しくは前記第一集電配線の上面及び前記一対の第一側面保護層の上面から形成される平面に前記第一上面保護層をスクリーン印刷すると同時に、前記第一集電配線を絶縁保護する部分以外の部分についても、スクリーン印刷により絶縁保護層を形成できるし、
前記ii.、iii.またはiv.の方法において、たとえば前記第一集電配線の全面に前記被覆層をスクリーン印刷すると同時に、前記第一集電配線を絶縁保護する部分以外の部分についても、スクリーン印刷により絶縁保護層を形成できる。
(H)別途、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層を備えた対極、たとえばガラスフリットを印刷した対極を用意し[工程(3)、図9(c)、図10(c)、図11(d)及び図12(c)参照]、上記(C)〜(F)のいずれかにより上面がほぼ平坦となった第一絶縁保護層を有する第一集電配線を備えた光電極と貼り合わせる[工程(4)、図9(d)、図10(d)、図11(e)及び図12(d)参照]。
前記対極上の第二絶縁保護層は、両電極を貼り合わせた際に、前記第一絶縁保護層と対向するように形成される。
荷重を印加しながら加熱することで、両電極の絶縁保護層同士を溶融接着して両電極を貼り合わせれば、絶縁保護層の上面がほぼ平坦なため、溶融接着が十分に行われ、実質的にくびれのない隔壁が形成される。
溶融温度としては、材料によっても異なり、たとえばガラスフリットを採用する場合でも、その種類により異なるが、一般には500℃程度の温度とすることができる。
この際、前記対極上の第二絶縁保護層も上面がほぼ平坦であることが前提となっている。これは対極に第二集電配線が備えられていない場合には、通常の方法で第二絶縁保護層を形成すれば上面がほぼ平坦なものが準備できるし、対極に第二集電配線が備えられ、該第二集電配線上に第二絶縁保護層を形成する場合においては、後記の(K)でも説明するように、上記の(C)〜(F)で説明した本態様のi.〜iv.の方法に準じて、上面のほぼ平坦な第二絶縁保護層を形成した後に、前記第一絶縁保護層と溶融接着して、両電極を貼り合せればよい。
(I)工程(1)、(2)は光電極に関する工程であるのに対して、工程(3)は対極に関する工程であることから、互いに別個独立に行うことが可能である。このため、工程(3)は、両電極の貼り合わせ工程である工程(4)の前に行う限り、工程(1)及び(2)とは無関係に任意の順序で行うことができる。
(J)光電極上の第一集電配線は、前記1.(D)でも説明したように、前記光電極上の周縁部に備えられていてもよいし、内側に備えられていてもよいし、双方に備えられていてもよい。集電効率の観点からは、少なくとも前記光電極上の内側に備えられていることが好ましいが、集光面積を稼ぐ観点からは、前記第一集電配線を前記光電極の周縁部にも設けることが好ましい。
前記第一集電配線が、前記光電極の内側に備えられている場合、前記光電極上の第一絶縁保護層と前記対極上の第二絶縁保護層とを溶融接着して、両電極を貼り合わせる際には、両電極の周縁部を封止する封止部隔壁のみならず、前記第一集電配線の全部を補充的に絶縁保護するための保護部隔壁も形成される。該保護部隔壁は、セル強度の観点から、特にセルが大面積の場合に好ましい。
(K)対極上には第二集電配線が備えられていてもよい。
a. この場合、前記工程(2)の前記光電極上の第一絶縁保護層は、前記光電極と前記対極を貼り合わせる際に、前記第二集電配線と対向することになる前記光電極の部分も含むように追加的に形成される。
b. この場合、前記工程(3)の前記対極上の第二絶縁保護層は、さらに前記第二集電配線の全面も絶縁保護するように形成され、前記第二絶縁保護層のうち、前記第二集電配線を絶縁保護する部分については、前記第二集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第二絶縁保護層を形成する。
より具体的には、たとえば、以下のi.〜iv.の方法を好ましく用いることができる。
i.前記第二集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第二側面保護層を前記第二集電配線と同じ高さに形成した後、前記第二集電配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法、
ii.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二集電配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨してほぼ平坦にすることによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法、
iii.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二集電配線の上面が露出するまで研磨して、前記第二集電配線の両側それぞれに一対の第二側面保護層を前記第二集電配線と同じ高さに形成した後、前記第二集電配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するという三段階の方法、
または、
iv.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するという二段階の方法。
その詳細は、前記光電極上の第一絶縁保護層のうち、前記第一集電配線を絶縁保護する部分についての方法i.〜iv.の方法にそれぞれ準じて行うことができる。
c. 前記対極上の第二集電配線は、両電極を貼り合わせた際に、前記光電極上の第一集電配線と対向する位置に形成されてもよいし、対向しないように形成されてもよい。
前者の場合、同じ隔壁部分の光電極側と対極側それぞれに第一集電配線と第二集電配線が対向して配置されることになる。
後者の場合、同じ隔壁部分の一方、すなわち光電極側または対極側のいずれか一方に第一集電配線または第二集電配線が配置され、互いに対向しないことになる。
d.前記対極上の第二集電配線は、前記1.(D)でも説明したように、前記対極の周縁部に備えられていてもよいし、内側に備えられていてもよいし、双方に供えられていてもよい。集電効率の観点からは、少なくとも前記対極の内側に備えられていることが好ましく、集光面積を稼ぐ観点からは、前記対極の周縁部にも設けることが好ましい。
前記第二集電配線が、前記対極の内側に備えられている場合、前記光電極上の第一絶縁保護層と前記対極上の第二絶縁保護層とを溶融接着して、両電極を貼り合わせる際に、両電極の周縁部を封止する前記封止部隔壁のみならず、前記第一集電配線及び前記第二集電配線の全部が絶縁保護されるように、前記封止部隔壁の補充的な隔壁として保護部隔壁が形成される。該保護部隔壁は、セル強度の観点から、特にセルが大面積の場合に好ましい。
(L)用いる光電極及び対極については、前記1.(F)a.及びb.で説明されているが、どの作製段階の光電極あるいは対極を用いるかで、いくつかの場合が考えられる。
a. 光電極については、前記光電極上の金属酸化物半導体層を、どの段階で形成するかにつき、いくつかの場合が考えられる。
基本的には、どの段階で形成してもよいが、典型的には、光電極上に第一集電配線を形成する前に形成する場合、すなわち、本態様の工程(1)の段階で、すでに前記酸化物半導体層が備わっている場合と、工程(2)で第一絶縁保護層を形成後に形成する場合が考えられる。
しかし、金属酸化物半導体層の汚染をできるだけ回避するという観点からは、できるだけ遅い時期に、前記金属酸化物半導体層を光電極上に形成することが好ましい。このため、本態様の工程(3)の第一絶縁保護層形成の終了後、工程(4)の両電極の貼り合せ工程前に、前記金属酸化物半導体層を形成するのが好ましい。
また、分光増感色素の前記金属酸化物半導体層への吸着は、工程(4)の両電極の貼り合せ工程終了後に、たとえば、予め対極に開けていた外径1mm程度の孔にシリコーンチューブを差込み、UV硬化樹脂で固定した後、ロータリー・チュービング・ディスペンサーを用いて色素溶液を注入するという操作で行うことができる。
b. 対極については、前記対極上に第二集電配線が備えられている場合において、白金等の触媒層を形成しなければならない場合に、どの段階で前記触媒層を形成するかにつき、いくつかの場合が考えられる。
基本的には、どの段階で形成してもよいが、スピンコート法を用いて白金を含有する液体を基板に塗布する場合は、前記第二集電配線を形成する前に形成する方が、塗布厚の均一性の観点より好ましい。
(M)上記のようにして得られたセルに、電解液を注入することで本発明の色素増感太陽電池を得ることができる。電解液については前記1.(F)c.で説明されている。
3.本発明の第三の態様について
(A)本発明の第三の態様は、第一導電基板と第二導電基板とをガラスまたはセラミックス材料を用いて隔壁を形成し、もって両導電基板を貼り合わせることにより、導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法である。
本態様の方法においては、前記第一導電基板が第一金属配線を備え、前記隔壁が前記第一導電基板を絶縁保護するように形成するとともに、前記隔壁の側面に、両導電基板を貼り合せた際の不完全な接着に由来するくびれを実質的に有しないようにすることができる。
このため、前記第一金属配線が前記導第一導電基板の周縁部に備えられたものについては、ガラスまたはセラミックスの隔壁で封止されたセルにつき高い封止能を得ることができる。また、前記第一金属配線が導電基板の内側に備えられたものについては、電解液が前記第一金属配線の上部を流動することによる電解液と前記第一金属配線の間の接触を阻止できるとともに、前記保護隔壁上のくびれに由来する電解液との接触を避けることができるので、前記第一金属配線の電解液に対する高い耐腐食性を得ることができる。
また、本態様には、前記第一導電基板と第二導電基板とを貼り合わせる際に、前記第一導電基板上の第一金属電配線と対向することになる前記第二導電基板上の位置にも第二金属配線が備えられ、前記隔壁が、第二導電基板上で前記第二金属配線をも同時に絶縁保護するように形成される場合も含まれる。
(B)前記本発明の第二の態様では、本発明を色素増感太陽電池の作製方法として規定したが、本発明の第三の態様では、本発明を導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法と把握する。この場合、この方法は色素増感太陽電池のみならず、電解液を用いるより一般的な湿式電池において、ガラスまたはセラミックス材料を用いた隔壁を両導電基板間に形成することによって、前記金属配線を保護するために応用することも可能である。
そこで、本態様の方法では、前記本発明の第二の態様において、
i. 前記第一及び第二集電配線をそれぞれ本態様における前記第一及び第二金属配線に、
ii. 前記第一及び第二電極をそれぞれ前記第一及び第二導電基板に、
それぞれ読み替えて、前記第二の態様の記載に準じて行えばよい。
(C)その他
a. 本態様における第一導電基板は、陰極または陽極のいずれかをいい、第二導電基板は、陰極または陽極のいずれかであって、第一導電基板とは異なるものをいう。具体例としては、チタン、ステンレス、導電性ガラス等が例示され、その中でも前記保護隔壁材料として用いる硝子またはセラミックス材料との熱膨張率の差が小さいことが電極との接着性には好ましいとの観点からは、導電性ガラスがより好ましい。
b. 本態様における第一金属配線とは、第一導電基板に備えられた金属配線のことを、第二金属配線とは、第二導電基板に備えられた金属配線のことをいい、前記金属配線はそれぞれの導電基板上に任意のパターンで施され、該パターンとして平行線状、交差線状、その他、格子状網目、たとえば四角形あるいは八角形からできた格子状網目などを提示することができる。
材料としては金属ペースト、カーボンペースト等の導電性ペーストが例示され、より好ましくは銀ペーストを用い、スクリーン印刷等の印刷技術、スプレー法、スパッタ法、インクジェット法等、簡便性の点で、好ましくはスクリーン印刷等の印刷技術よって形成できる。
c. 本態様における隔壁とは、第一導電基板上の第一絶縁保護層と第二導電基板上の第二絶縁保護層とを溶融接着することにより得られた隔壁であって、前記第一金属配線、または第一及び第二金属配線を絶縁保護するとともに、両導電基板を貼り合せている。
以下、本発明をより具体的に実施例によって説明する。もっとも、それらはあくまで本発明の例示であって、それらに限定されるものではない。
本発明の方法iii.による作製(一方の電極に集電配線あり)
(セルの作製)
市販されている銀ペーストをFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製FTO膜付きガラス基板、形状50mm×50mm、厚さ約4mm)にスクリーン印刷機(マイクロ-テック(株)MT−320TV)を用いて印刷した。印刷の形状は外側の1辺の長さが24mm、内側の1辺の長さが22mmの4角形状の枠(枠の幅は2mm)とした。次に160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行い、厚さが約10μmの銀配線を形成した。
この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。 形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。印刷後、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。この時のガラスの厚さは約10μmであった。
次に研磨紙を用いて銀配線の表面が露出するまでガラス表面から研磨した。研磨後、スクリーン印刷装置を用いて露出した銀配線の上面および両サイドのガラス上面から形成される平面上に無鉛ガラスフリットペーストを印刷した。印刷後、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行った。銀配線周辺部の断面の概略図は図11(c)のようである。
この基板の貼り合せの対極は、FTOガラス基板上に無鉛ガラスフリットペーストを、両電極を貼り合わせる際に前記銀配線上に形成したガラス被覆層と対向する位置に印刷し、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い作製した。ガラスの形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、厚さ約10μmの4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。次にガラスの枠内にドリルを用いて直径が1mmの貫通穴を2ヵ所作製し、その後、ガラス表面を多少、研磨し平坦化した。
これら2種類のガラス基板を貼り合せするためにガラスの枠同士が向き合う様に重ねて、厚さが4mmのアルミ板上にのせ、重さが3キログラムの金属錘をFTOガラス基板上に乗せた。これを電気炉に挿入し、種々の温度で熱処理を行った。
(接着具合の確認)
表1に熱処理条件と、熱処理後のFTO基板同士の接着具合の結果を示した。この結果から、530℃以上で180分間熱処理を行った試料はFTOガラス基板同士が十分に接着していることが分った。30℃以上で180分間の条件で貼り合せた試料の断面の一部の概略図は図11(e)のように、実質的にくびれのない隔壁であった。
Figure 2009200012
(電解液の漏れの有無の確認)
そこで、電解液の漏れの有無を確認するために、上記表1の処理番号3のセルにつき、2ヵ所の穴から電解液を導入し、UV硬化樹脂を接着剤として厚さが1mmのガラス(約10×10mm)で2ヵ所の穴を封止した。電解液として、3−メトキシプロピオニトリル溶液に0.15mol%のヨウ素とチオシアン酸グアニジン、1−メチルベンゾイミダゾール、ヨウ化1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムを溶かしたものを使用した。封止後、封止穴およびガラスで接着した枠からの液漏れは観察されなかった。
ここで、電解液注入後、60分後に、電解液の浸入を観察することによってくびれ率を計算しても、20%より大きくなる部分はなかった。
次にこの試料を85℃の恒温装置に数日間保管し、電解液の漏れの有無を目視により観察した。その結果、774時間後までは電解液の色、量に変化は認められなかった。
その後では多少電解液が減少し、気泡の導入が認められた。しかしながらガラス枠周辺に電解液がしみ出した様子は観察されなかった(しみ出るとヨウ素によると思われる淡い赤色状のしみが形成される)。
液導入口周辺の樹脂に赤色のしみが認められ、また気泡は封止部周辺に発生していたことから、封止口から液漏れが生じたと考えられるが、問題となる程度のものではなかった。
このことから、前記手法で形成した2種類の基板同士の貼り合せ方法は、基板同士の接合および銀配線の腐食からの保護が十分に行える事が判明した。
本発明の方法ii.による作製(一方の電極に集電配線あり)
(セルの作製)
市販されている銀ペーストをFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製FTO膜付きガラス基板、形状おおよそ50mm×50mm、厚さ約4mm)にスクリーン印刷機を用いて印刷した。印刷の形状は外側の1辺の長さが24mm、内側の1辺の長さが22mm、厚さ約10μmの4角形状の枠(枠の幅は2mm)とした。
次に160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行い、銀配線を形成した。この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。印刷後、160℃で10分間乾燥した後、再度スクリーン印刷装置を用いて無鉛ガラスフリットペーストを重ね塗りした。この後、160℃で10分間乾燥し、500℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。この時のガラスの厚さは約20μmであった。
次に研磨紙を用いてガラス表面から約15μm程度研磨した(実施例1は銀配線が露出するまで研磨したが、実施例2では銀配線上におおよそ5μm程度残存するように研磨した)。銀配線周辺部の断面の概略図は図10(b)のようである。
この基板の貼り合せの対極は、FTOガラス基板上に無鉛ガラスフリットペーストを、両電極を貼り合わせる際に前記銀配線上に形成したガラス被覆層と対向する位置に印刷し、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い作製した。ガラスの形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、厚さ約10μmの4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。次にガラスの枠内にドリルを用いて直径が1mmの貫通穴を2ヵ所作製し、その後、ガラス表面を多少、研磨し平坦化した。
これら2種類のガラス基板を貼り合せするためにガラスの枠同士が向き合う様に重ねて、厚さが4mmのアルミ板上にのせ、重さが3キログラムの金属錘をFTOガラス基板上に乗せた。これを電気炉に挿入し、530℃で180分間熱処理を行った。熱処理後この試料はFTOガラス基板同士が十分に接着していた。貼り合せた試料の断面の一部の概略図は図10(d)のようである。
(電解液の漏れの有無の確認)
そこで、電解液の漏れの有無を確認するために、2ヵ所の穴から実施例1で用いた電解液を導入し、UV硬化樹脂を接着剤として厚さが1mmのガラス(約10×10mm)で2ヵ所の穴を封止した。封止後、室温では封止穴およびガラスで接着した枠からの液漏れは観察されなかった。
ここで、電解液注入後、60分後に、電解液の浸入を観察することによってくびれ率を計算しても、20%より大きくなる部分はなかった。
次にこの試料を85℃の恒温装置に数日間保管し、電解液の漏れの有無を目視により観察した。その結果、432時間後までは電解液の色、量に変化は認められなかった。その後多少電解液が減少し、気泡の導入が認められた。ガラス枠周辺に電解液がしみ出した様子は観察されなかった(しみ出るとヨウ素によると思われる淡い赤色状のしみが形成される)。
液導入口周辺の樹脂に赤色のしみが認められたことから、封止口から液漏れが生じたと考えらたが、問題となる程度ではなかった。
このことから、前記手法で形成した2種類の基板同士の貼り合せ方法は、基板同士の接合および銀配線の腐食からの保護が十分に行える事が判明した。
本発明の方法i.による作製(両電極に集電配線あり)
(セルの作製)
対極は、以下のようにして作製した。
市販されている銀ペーストを表面に白金触媒を塗布したATO導電性ガラス基板[ATO導電性ガラス基板(ジオマテック(株)製ATO膜付きガラス基板)、縦および横は12.75cm、厚さ1mm]にスクリーン印刷装置を用いて印刷した。図14に印刷パターンの概略図を示した。これを160℃で10分間乾燥させた後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をATOガラス基板上に形成した。
この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。印刷は2種類の版を用い、先ず第一の版を用いて銀配線の両脇に銀配線とほぼ同等の高さの無鉛ガラスフリットペーストで形成した第二側面保護層を作製し、無鉛ガラスフリットペーストを160℃で10分間乾燥させた後、第二の版を用いて、無鉛ガラスフリットの第二側面保護層の上面および銀配線の上面により形成される平面上に無鉛ガラスフリットペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥させた(前記第二側面保護層と銀配線との間に多少の隙間があったが、この印刷により十分に隙間を埋めることができた)。乾燥後、再度、第二の版を用いて重ね塗りを行い、160℃で10分間乾燥させた。
次に480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。このガラスの枠内にドリルを用いて直径が1mmの貫通穴を合計4ヵ所形成した。
光電極は、以下のようにして作製した。
市販されている銀ペーストをATO導電性ガラス基板[ATO導電性ガラス基板(ジオマテック(株)製ATO膜付きガラス基板)、縦および横は12.75cm、厚さ1mm]にスクリーン印刷装置を用いて印刷した(ガラスフリットで被覆される銀配線の幅は、1または2mm)。図13に印刷パターンの概略図を示した。前記図14で示す対極の印刷パターンとは、両電極を貼り合せた場合に、互いに対向しないようにパターンを採用している。これを160℃で10分間乾燥させた後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をATOガラス基板上に形成した。
この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。印刷は2種類の版を用い、先ず第一の版を用いて銀配線の両脇に銀配線とほぼ同等の高さの無鉛ガラスフリットペーストで形成した第一側面保護層を作製し、無鉛ガラスフリットペーストを160℃で10分間乾燥させた後、第二の版を用いて、無鉛ガラスフリットの第一側面保護層の上面および銀配線の上面により形成される平面上に無鉛ガラスフリットペーストを印刷した。
その後160℃で10分間乾燥し、再度、第二の版を用いて無鉛ガラスフリットペーストを重ね塗りした(前記第一側面保護層と銀配線との間に多少の隙間があったが、この印刷により十分に隙間を埋めることができた)。その後、160℃で10分間乾燥し、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。
図9に銀配線および銀配線の両脇に第一側面保護層を形成したときの断面形状の概略図[図9(a)]、第一側面保護層の上面および銀配線の上面により形成される平面上に無鉛ガラスフリットペーストを印刷した時の断面形状の概略図[図9(b)]を示した。
次に市販のチタニアペーストをATOガラス上にスクリーン印刷装置を用いて印刷し、160℃で10分間乾燥させた。乾燥後、再度、チタニアペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥させた後、480℃で40分間、熱処理を行った。熱処理後のチタニア層の厚さは8μm程度であった。
これらガラスにより銀配線を被覆した基板を貼り合せするために電極同士が向き合う様に重ねて、厚さが4mmのアルミ板上にのせ、さらに重さが6キログラムの金属錘を乗せた。これを電気炉に挿入し、535℃で180分間熱処理を行った。熱処理後、光電極と対極基板同士は十分に接着していた[図16〜図18参照]。
(電解液の漏れの有無の確認)
そこで、電解液の漏れの有無を確認するために、2ヵ所の穴から、まず自製の増感色素を注入し、チタニア層に吸着させた後、電解液を導入し、UV硬化樹脂を接着剤として厚さが1mmのガラス(約10×10mm)で4ヵ所の穴を封止した。その結果、室温では封止穴およびガラスで接着した枠からの液漏れは観察されなかった[図15参照]。
ここで、電解液注入後、60分後に、電解液の浸入を観察することによってくびれ率を計算しても、20%より大きくなる部分はなかった。
次にこの試料を85℃の恒温装置に数日間保管し、電解液の漏れの有無を目視により観察した。その結果、240時間後までは電解液の色に大きな変化は認められず、また銀配線の腐食は全く生じていなかった。しかしながら液導入口周辺に気泡が認められたことから、封止口から微量の液漏れが生じたと考えられた。
このことから、無鉛ガラスフリットペーストを用い、前記手法で形成した2種類の基板同士の貼り合せ方法は、基板同士の接合および銀配線の腐食からの保護が十分に行える事が判明した。
図15に85℃で240時間保持した試料の封止部隔壁を光学顕微鏡で観察した写真(倍率100倍)を示す。ガラス隔壁の境界より約70μm程度の領域まで電解液の浸入が認められるものの、それ以上の浸入は認められず、銀の集電配線の腐食も全く観察されなかった。該封止部隔壁については、くびれの深さdはおよそ70μmであり、絶縁保護幅Dを1.5mmに設計(この幅は、実際に光学顕微鏡で観察した幅とほぼ一致した)していることから、該封止部隔壁のくびれ率は4.7%[すなわち、(0.07/1.5)×100=4.7(%)]と測定できた。
次にこの試料を(株)マルトー製ラボカッター(MC−120)で切断し、保護部隔壁断面を光学顕微鏡で観察した。図16に集電配線を含む前記断面の中央部、図17が前記切断部の左側、図18が前記断面の右側を示す。図16の集電配線断面の幅は約1mmあり、印刷パターン通りとなっていた。また、図17のガラス隔壁の終端部から銀配線の終端部までの幅は約0.88mmで、図18のガラス隔壁の終端部から銀配線の終端部までの幅は約1.18mmであり、終端部から終端部までの長さは3.06mmとなっている。
第二の版の印刷後ではガラスフリットの幅は3.2mm(これは隔壁の両側面におけるそれぞれの隔壁の境界の間の距離に相当する)となる設計から(この幅は、実際に光学顕微鏡で観察した幅とほぼ一致した)、ガラス隔壁の両側面におけるそれぞれのくびれの深さの合計はおおよそ、わずかに140μm程度(すなわち、3.2−3.06=0.14mm)であり、片方の側面のくびれにつき、平均しておおよそ70μmの深さdのくびれが生じていることが分った。この値は図15の観察結果による封止部隔壁のくびれの深さと同様のものであった。
他方、絶縁保護幅Dは、平均して1.1mm[すなわち、(3.2−1.0)/2=1.1]であった。
したがって、電池を切断した断面を光学顕微鏡で観察することにより計算された当該保護隔壁のくびれ率は6.4%[すなわち、(0.07/1.1)×100=6.4(%)]であった。
[比較例1]
(セルの作製)
市販されている銀ペーストをFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製FTO膜付きガラス基板、厚さ約4mm)にスクリーン印刷機(マイクロ-テック(株)MT−320TV)を用いて印刷した。印刷の形状は外側の1辺の長さが24mm、内側の1辺の長さが22mm、厚さ約10μmの4角形状の枠(枠の幅は2mm)とした。次に160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行い、銀配線を形成した。
この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、厚さ約20μmの4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。印刷後、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。銀配線周辺部の断面の概略図は図1(a)のようになる。
この基板の貼り合せの対極は、FTOガラス基板上に無鉛ガラスフリットペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い作製した。ガラスの形状は外側の1辺の長さが30mm、内側の1辺の長さが18mm、厚さ約10μmの4角形状の枠(枠の幅は6mm)とした。次にガラスの枠内にドリルを用いて直径が1mmの貫通穴を2ヵ所作製した。これら2種類のガラス基板を貼り合せするためにガラスの枠同士が向き合う様に重ねて、厚さが4mmのアルミ板上にのせ、重さが3キログラムの金属錘をFTOガラス基板上に乗せた。これを電気炉に挿入し、535℃で180分間熱処理を行った。
熱処理後の試料はFTOガラス基板同士が接着しているが、一部の領域でガラスフリット同士が接着されていないことが分った。貼り合せをした試料の断面の一部の概略図は図1(c)のようである。
(電解液の漏れの有無の確認)
電解液の漏れの有無を確認するために、2ヵ所の穴から電解液を導入したところ、未接着部分から電解液が漏れだした。
ここで、電解液注入後、60分後に、電解液の浸入を観察することによってくびれ率を計算すると、銀線のある隔壁で20%をはるかに超えるくびれ率の場所が認められ、液漏れが生じた部分はくびれ率は100%であった。
このことから、接着部分の構造(形状)によっては電解液の封止が困難である事が判明した。
[比較例2]
(セルの作製)
市販されている銀ペーストをFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製FTO膜付きガラス基板、縦および横は12.75cm、厚さ約4mm)にスクリーン印刷装置を用いて印刷した(ガラスフリットで被覆される銀配線の幅は1または2mm)。図13に印刷パターンの概略図を示した。これを160℃で10分間乾燥させた後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をFTOガラス基板上に形成した。
この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。印刷は1種類の版を用い、銀配線を覆うようにして行った。次に無鉛ガラスフリットペーストを160℃で10分間乾燥させた後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。このガラスの枠内にドリルを用いて直径が1mmの貫通穴を合計4ヵ所形成した。
貼り合せの対極は、以下のようにして作製した。市販されている銀ペーストをFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製FTO膜付きガラス基板、縦および横は12.75cm、厚さ約4mm)にスクリーン印刷装置を用いて印刷し、これを160℃で10分間乾燥させた後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をFTOガラス基板上に形成した。この銀配線上に無鉛ガラスフリットペーストをスクリーン印刷装置を用いて印刷した。図14に印刷パターンの概略図を示した。印刷は1種類の版を用い、銀配線を覆うようにして無鉛ガラスフリットペーストを印刷した。次に160℃で10分間乾燥させた後、再度、無鉛ガラスフリットペーストを重ね塗りし、160℃で乾燥した後、480℃で30分間熱処理を行い、銀配線をガラスにより完全に被覆した。
これら2種類の基板を貼り合せるために基板同士を向き合う様に重ねて、厚さが4mmのアルミ板上にのせ、重さが6キログラムの金属錘をFTOガラス基板上に乗せた。これを電気炉に挿入し、535℃で180分間熱処理を行った。熱処理後この試料はFTOガラス基板同士は接着していたが、銀配線上でしか接着していない部分が多数認められた[図19参照]。図1(c)に示した構造の接着になっていると考えられる。
(電解液の漏れの有無の確認)
次に、電解液の漏れの有無を確認するために、2ヵ所の穴から電解液を導入し、UV硬化樹脂を接着剤として厚さが1mmのガラス(約10×10mm)で4ヵ所の穴を封止した。その結果は、封止の30分後くらいから、セル上部の電極周辺部より、電解液が外部に漏れ出てくる様子が観察され、24時間後には銀配線の腐食も認められた[図20参照]。ここで、電解液注入後、60分後に電解液の浸入を観察することによって、くびれ率を計算すると、封止部隔壁で80%以上のくびれ率の領域があり、深いくびれの存在が認められた。
図19に85℃で96時間保持した試料の封止部隔壁を光学顕微鏡で観察した写真(倍率100倍)を示す。ガラス隔壁は銀配線の端に沿って1.5mmの幅で形成されているが、ガラス隔壁の境界より約1.46mm程度の領域まで電解液の浸入が認められる。これらの値からくびれ率を計算すると97%となる。図20には同一の試料で異なる封止部隔壁を光学顕微鏡で観察した写真(倍率100倍)を示す。この写真では電解液が銀配線に到達し、銀配線の腐食が生じていることが分る。
次にこの試料を(株)マルトー製ラボカッター(MC−120)で切断し、保護部隔壁断面を光学顕微鏡で観察した。図21に集電配線を含む前記断面の中央部を示す。図21の集電配線断面の幅は約1mmあり、スクリーン印刷後の幅とほぼ等しい。他方、写真右側のガラス隔壁の終端部から銀配線の終端部までの幅は約0.17mmで、写真左側のガラス隔壁の終端部から銀配線の終端部までの幅は約0.01mm程度であり、ガラス隔壁の終端部から終端部までの長さは1.17mmとなっており、印刷後のガラス隔壁の幅3.0mmに対して短い。すなわち図1(c)に示す構造の非常に深いくびれが生じていることが分る。
すなわち当該保護部隔壁の幅は3.0mmとなる設計から(この幅は、実際に光学顕微鏡で観察した幅とほぼ一致した)、ガラス隔壁の両側面におけるそれぞれのくびれの深さの合計はおおよそ、1.82mm程度[すなわち、3.0−(0.17+1+0.01)=1.82mm)であり、片方の側面のくびれにつき、平均しておおよそ0.91mmの深さdのくびれが生じていることが分った。
他方、絶縁保護幅Dは、平均して1.0mm[すなわち、(3.0−1.0)/2=1.0]であった。
したがって、電池を切断した断面を光学顕微鏡で観察することにより計算された当該保護隔壁のくびれ率は91%[すなわち、(0.91/1.0)×100=91(%)]と計算できた。
本発明は、少なくともいずれか一方の電極に集電配線を有する両電極を、ガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を用いて貼り合わせて、湿式電池用セルを形成するのに有効に用いることができる。
従来法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を、順に(a)〜(c)で示す図である。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明の方法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を示す図である。前記i.の方法を順に(a)〜(d)で順に(a)〜(d)で示す。 本発明の方法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を示す図である。前記ii.の方法を順に(a)〜(d)で順に(a)〜(d)で示す。 本発明の方法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を示す図である。前記iii.の方法を順に(a)〜(e)で示す。 本発明の方法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を示す図である。前記iv.の方法を順に(a)〜(d)で示す。
実施例3及び比較例2において、光電極側の銀配線の印刷パターンを示す図である。 実施例3及び比較例2において、対極側の銀配線の印刷パターンを示す図である。 実施例3で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電極のガラス基板を通して観察した。 実施例3で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電池を切断し、その断面を観察した。銀の集電配線を含む断面の中央部を示す。 実施例3で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電池を切断し、その断面を観察した。銀の集電配線を一部含む断面の左側部分を示す。 実施例3で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電池を切断し、その断面を観察した。銀の集電配線を一部含む断面の右側部分を示す。 比較例2で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電極のガラス基板を通して観察した。電解液が浸入した界面を示している。 比較例2で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電極のガラス基板を通して観察した。前記図19とは異なる部位について、さらに集電配線が腐食した状態をも示す。 比較例2で得られた電池について、電極上の銀配線がガラス隔壁により絶縁被覆されている状態を示す光学顕微鏡写真(倍率:100倍)。電池を切断し、その断面を観察した。
符号の説明
1 ガラスまたはセラミックス材料の隔壁(ガラス隔壁)の末端
2 透明導電基板(ガラス基板)
3 集電配線(銀線)
4 対極の端子
5 光電極の端子

Claims (16)

  1. 第一電極と第二電極とがガラスまたはセラミックス材料の隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
    前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
    前記第一電極は、第一集電配線を備え、
    前記隔壁は少なくとも、前記第一集電配線を絶縁保護するとともに前記両電極の周縁部を封止するように形成されており、
    前記隔壁の側面は、実質的にくびれを有しないことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記第一集電配線は、少なくとも前記第一電極内側に備えられ、
    前記隔壁は、前記両電極の周縁部を封止する封止部隔壁と、前記封止部隔壁より内側に配置される保護部隔壁からなり、
    前記保護部隔壁は少なくとも、前記第一集電配線の、前記第一電極内側部分を絶縁保護するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. さらに、前記第二電極が第二集電配線を備え、
    前記隔壁は前記第二集電配線をも絶縁保護するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  4. さらに、前記第二電極が第二集電配線を備え、
    前記隔壁は前記第二集電配線をも絶縁保護するように形成されており、
    前記第二集電配線は、少なくとも前記第二電極内側に備えられ、
    前記保護部隔壁は前記第二集電配線の、前記第二電極内側部分も絶縁保護するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記第一電極が光電極であり、前記第二電極が対極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  6. ガラスまたはセラミックス材料を用いて第一電極と第二電極を貼り合わせることにより、色素増感太陽電池を作製する方法であって、
    前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
    前記作製方法は、
    (1)第一集電配線を備える第一電極を準備する工程と、
    (2)前記第一電極上に、ガラスまたはセラミックス材料を用いて第一絶縁保護層を形成する工程であって、
    前記第一絶縁保護層は少なくとも、前記第一集電配線を絶縁保護するとともに前記第一電極上の周縁部にもあるように形成され、
    前記第一絶縁保護層のうち、前記第一集電配線を絶縁保護する部分については、前記第一集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成する工程と、
    (3)前記第一電極と第二電極を貼り合わせる際に、前記第一電極上の第一絶縁保護層と対向することになる前記第二電極の部分に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層を形成する工程と、
    (4)荷重を印加しながら加熱により、前記第一電極上の第一絶縁保護層と前記第二電極上の第二絶縁保護層とを溶融接着することにより、両電極の周縁部を封止するとともに前記第一集電配線を絶縁保護する隔壁を形成して、両電極を貼り合わせる工程と、
    を順に含み、ただし前記工程(3)は、前記工程(4)の前に行う限り、任意の順序で行ってもよいことを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法。
  7. 前記工程(2)において、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成する方法として、
    i.前記第一集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第一側面保護層を前記第一集電配線と同じ高さに形成した後、前記第一集電配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するか、
    ii.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一集電配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨して平坦にすることによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するか、
    iii.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一集電配線の上面が露出するまで研磨して、前記第一集電配線の両側それぞれに一対の第一側面保護層を前記第一集電配線と同じ高さに形成した後、前記第一集電配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するか、
    または、
    iv.前記第一集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一集電配線の全面を絶縁保護するか、
    のいずれかの方法を用いることを特徴とする請求項6に記載の色素増感太陽電池の作製方法。
  8. 請求項6または7に記載の色素増感太陽電池の作製方法であって、
    前記工程(1)の前記第一集電配線は、少なくとも前記第一電極内側に形成され、
    前記工程(4)において、前記隔壁は、前記両電極の周縁部を封止する封止部隔壁と、前記封止部隔壁より内側に配置される保護部隔壁からなり、
    前記保護部隔壁は少なくとも、前記第一集電配線の、前記第一電極内側部分をも絶縁保護するように形成して、両電極を貼り合わせることを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法。
  9. 請求項6または7に記載の色素増感太陽電池の作製方法であって、
    前記第二電極は第二集電配線を備え、
    前記工程(2)の第一絶縁保護層は、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる際に、前記第二集電配線と対向することになる前記第一電極の部分も含むように形成され、
    前記工程(3)の第二絶縁保護層は、前記第二集電配線をも絶縁保護するように形成され、
    前記第二絶縁保護層のうち、前記第二集電配線を絶縁保護する部分については、前記第二集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第二絶縁保護層が形成され、
    前記隔壁は、前記第二集電配線をも絶縁保護するように形成されるものであることを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法。
  10. 請求項8に記載の色素増感太陽電池の作製方法であって、
    前記第二電極は第二集電配線を備え、
    前記工程(2)の第一絶縁保護層は、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる際に、前記第二集電配線と対向することになる前記第一電極の部分も含むように形成され、
    前記工程(3)の第二絶縁保護層は、前記第二集電配線をも絶縁保護するように形成され、
    前記第二絶縁保護層のうち、前記第二集電配線を絶縁保護する部分については、前記第二集電配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第二絶縁保護層が形成され、
    前記第二集電配線は、少なくとも前記第二電極内側に備えられ、
    前記保護部隔壁は前記第二集電配線の、前記第二電極内側部分をも絶縁保護するように形成するものであることを特徴とする色素増感太陽電池の作製方法。
  11. 上面が平坦な第二絶縁保護層を形成する方法として、
    i.前記第二集電配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第二側面保護層を前記第二集電配線と同じ高さに形成した後、前記第二集電配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するか、
    ii.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二集電配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨して平坦にすることによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するか、
    iii.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二集電配線の上面が露出するまで研磨して、前記第二集電配線の両側それぞれに一対の第二側面保護層を前記第二集電配線と同じ高さに形成した後、前記第二集電配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するか、
    または、
    iv.前記第二集電配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二集電配線の全面を絶縁保護するか、
    のいずれかの方法を用いることを特徴とする請求項9または10に記載の色素増感太陽電池の作製方法。
  12. 前記第一電極が光電極であり、前記第二電極が対極であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の色素増感太陽電池の作製方法。
  13. 第一導電基板と第二導電基板とをガラスまたはセラミックス材料を用いて貼り合わせることにより、導電基板上の金属配線を絶縁保護する方法であって、
    前記第一導電基板は第一金属配線を備え、
    前記方法は、
    (1)前記第一金属配線を備える第一導電基板を準備する工程と、
    (2)前記第一金属配線の表面上に第一絶縁保護層を形成する工程であって、前記第一金属配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第一絶縁保護層を形成する工程と、
    (3)前記第一導電基板と第二導電基板を貼り合わせる際に、前記第一導電基板上の第一絶縁保護層と対向することになる前記第二導電基板上の位置に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁保護層を形成する工程と、
    (4)荷重を印加しながら加熱により、前記第一導電基板上の第一絶縁保護層と、前記第二導電基板上の第二絶縁保護層とを溶融接着することにより、少なくとも前記第一金属配線を絶縁保護する隔壁を形成し、前記第一導電基板と前記第二導電基板とを貼り合わせる工程と、
    を順に含み、ただし前記工程(3)は、前記工程(4)の前に行う限り任意の順序で行ってもよいことを特徴とする方法。
  14. 前記工程(2)が、
    i.前記第一金属配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第一側面保護層を前記第一金属配線と同じ高さに形成した後、前記第一金属配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一金属配線の全面を絶縁保護するか、
    ii.前記第一金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一金属配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨して平坦にすることによって、前記第一金属配線の全面を絶縁保護するか、
    iii.前記第一金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第一金属配線の上面が露出するまで研磨して、前記第一金属配線の両側それぞれに一対の第一側面保護層を前記第一金属配線と同じ高さに形成した後、前記第一金属配線の上面及び前記それぞれの第一側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一金属配線の全面を絶縁保護するか、
    または、
    iv.前記第一金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第一金属配線の全面を絶縁保護するか、
    のいずれかの方法により行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 請求項13または14に記載の方法であって、
    前記第二導電基板は、前記第一導電基板と第二導電基板とを貼り合わせる際に、前記第一導電基板上の第一金属電配線と対向することになる前記第二導電基板上の位置に、第二金属配線を備え、
    前記工程(3)の第二絶縁保護層は、前記第二金属配線上に、ガラスまたはセラミックス材料を複数回に分けて被覆処理を行うことにより、または被覆処理と研磨処理を組み合わせて行うことにより、上面が平坦な第二絶縁保護層が形成され、
    前記隔壁は、前記第二金属配線も絶縁保護するように形成することを特徴とする方法。
  16. 上面が平坦な第二絶縁保護層を形成する方法として、
    i.前記第二金属配線の両側それぞれに、ガラスまたはセラミックス材料からなる一対の第二側面保護層を前記第二金属配線と同じ高さに形成した後、前記第二金属配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二金属配線の全面を絶縁保護するか、
    ii.前記第二金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二金属配線の全面を被覆した状態を維持しつつ研磨して平坦にすることによって、前記第二金属配線の全面を絶縁保護するか、
    iii.前記第二金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の上面を、前記第二金属配線の上面が露出するまで研磨して、前記第二金属配線の両側それぞれに一対の第二側面保護層を前記第二金属配線と同じ高さに形成した後、前記第二金属配線の上面及び前記それぞれの第二側面保護層の上面によって形成される平面をさらに、ガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二金属配線の全面を絶縁保護するか、
    または、
    iv.前記第二金属配線の全面をガラスまたはセラミックス材料で被覆し、次いで得られた被覆層の段差下部につき、該被覆層の上面が平坦になるようにさらにガラスまたはセラミックス材料で被覆することによって、前記第二金属配線の全面を絶縁保護するか、
    のいずれかの方法を用いることを特徴とする請求項15に記載の方法。
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