JP2005243557A - 光電変換素子および光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子および光電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】減光作用と高い視認性とを備え、かつ高い光電変換特性を備えた光電変換素子および光電変換モジュールを提供する。
【解決手段】第1の集電体9の電気抵抗が電極4の電気抵抗よりも低く、第2の集電体10の電気抵抗が対電極6の電気抵抗よりも低く、第1の集電体9および第2の集電体10が光の透過が可能な開口部を備え、半導体層5と直交する方向から、光電変換素子1の一方の面に波長550nmの光を入射させた場合に、封止部11の内部を通過して光電変換素子1の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T1が0.1%以上40%以下であり、半導体層5の内部を通過して光電変換素子1の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T2が0.1%以上40%以下であり、透過率T1とT2との比T1/T2が0.05以上20以下である光電変換素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子および光電変換モジュールに関し、特に減光作用と高い視認性とを備え、かつ高い光電変換特性を備えた光電変換素子および光電変換モジュールに関する。
グレッツェルらが提唱した新しいタイプの色素増感太陽電池は、従来の色素増感太陽電池に比べ、飛躍的に高い光電変換効率(7%台)を示して注目を浴びた。色素増感太陽電池は、光を捕集した色素が生成する励起電子を半導体に注入させることによって光電変換を実現している。従って、光捕集力を高めるために増感色素を半導体に多量に担持させること、さらに増感色素からできるだけ早く半導体へ電子を注入させることが重要である。グレッツェル・セルとも言われるこの新しい色素増感太陽電池は、超微粒子の酸化チタンからなる多孔質膜に増感色素であるルテニウム錯体を担持させることで、この課題を解決している(例えば、非特許文献1参照。)。
このグレッツェル・セルは、酸化チタンの超微粒子を分散したペーストを透明電極に塗布し、その酸化チタンに増感色素を担持させ、対電極との間に電解質を充填するだけで組み立てることができる。従来の太陽電池と比べ、簡便な装置で製造が可能であり、次世代太陽電池の一つとして注目されている。
従来の太陽電池などの光電変換素子は、結晶シリコン、アモルファスシリコン、CdTe、CuInSeなどの材料から構成されており、光電変換素子自体に透光性がないものである。しかし、グレッツェル・セルからなる光電変換素子は、光電変換素子自体に透光性があるとともに、増感色素による減光性をも有するものである。従って、この減光性を利用して、光電変換素子を減光フィルターとして活用する方法がある。
従来の減光フィルターとしては、有色のプラスチックまたはガラスからなるフィルム状や板状の減光フィルター、あるいはフィルム状または板状のプラスチック基板やガラス基板の上に有色膜を設けた減光フィルターなどがある。一般に減光フィルターは、減光作用とともにある程度の透光性、即ち減光フィルターを通して物を見ることができる視認性をも備えている。これに対して、グレッツェル・セルからなる光電変換素子を減光フィルターとして活用した場合には、減光作用と視認性に加えて、減光する光エネルギーを電気に変換できるという新たな価値を付与することができる。
一方、グレッツェル・セルの課題の一つは耐久性であり、特に電解質の漏液対策は重要である。即ち、酸化チタンが付着された透明電極と対電極との間に配置される電解質を長期にわたり保持しなければならない。そのため、両電極間に電解質を保持するだけではなく、物理的および化学的な刺激をセルに加えても、電解質がセルから液漏れしないような封止対策が不可欠である。セルの封止の要点は、電解質組成を考慮した封止材の選定と、その封止構造にある。従来、電解質と接する封止材にシリコーン樹脂を用い、その外側にエポキシ樹脂を配した封止構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、耐久性および耐薬品性に優れたガラスフリットを封止材に使用することも提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。さらに、ホットメルト樹脂なども封止材と
して用いられていた。ここで、エポキシ樹脂やガラスフリットは透光性のない封止材であり、ホットメルト樹脂は透光性のある封止材である。
さらに、光電変換素子の光電変換効率を向上させるために、封止部内に集電体を配置する構造が提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。即ち、特許文献4には、封止部内に導電性粒子を配置することが提案されている。また、特許文献5には、導電性ワイヤーを配置することが提案されている。ここで、封止部内に配置される集電体や導電性粒子は透光性のない材料である。
グレッツェル(Gratzel)、外1名、「ネイチャー(Nature)」、(英国)、1991年10月24日、第353巻、p.737−740 欧州特許第855726号明細書 特開2000−348783号公報 特開2001−185244号公報 国際公開第00/57441号パンフレット 国際公開第00/42674号パンフレット
このように、従来の光電変換素子に用いられてきた封止材は、透光性があるものと、透光性がないものに大きく分けられる。しかし、光電変換素子を前述の減光フィルターとして使用する場合には、透光性のない封止材を用いると、封止材の部分が遮光体となり減光フィルターの視認性を低下させる。また、透光性の高い封止材を用いると、封止材の部分を光が透過するため減光フィルターの減光作用が低下する。
また、封止部内に配置された従来の集電体は、封止部の透光性については全く考慮されていない。
そこで、本発明は、減光作用と高い視認性とを備え、かつ高い光電変換特性を備えた光電変換素子および光電変換モジュールを提供するものである。
本発明は、電極と、前記電極の一方の面に接して配置され色素が固定された半導体層と、前記半導体層を介して前記電極と対向するように配置された対電極と、前記電極と前記対電極との間に配置された電解質層と、前記電解質層を密封する封止部とを備えた光電変換素子であって、前記封止部内に、前記電極に電気的に接続された第1の集電体と、前記対電極に電気的に接続された第2の集電体とが配置され、前記第1の集電体の電気抵抗が、前記電極の電気抵抗よりも低く、前記第2の集電体の電気抵抗が、前記対電極の電気抵抗よりも低く、前記第1の集電体および前記第2の集電体が、光の透過が可能な開口部を備え、前記半導体層と直交する方向から、前記光電変換素子の一方の面に波長550nmの光を入射させた場合に、前記封止部の内部を通過して前記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T1が、0.1%以上40%以下であり、前記半導体層の内部を通過して前記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T2が、0.1%以上40%以下であり、かつ、前記透過率T1とT2との比T1/T2が、0.05以上20以下であることを特徴とする光電変換素子を提供する。
また、本発明は、上記本発明の光電変換素子を複数個配置したことを特徴とする光電変換モジュールを提供する。
本発明は、減光作用と高い視認性とを備え、かつ高い光電変換特性を備えた光電変換素子および光電変換モジュールを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
本発明の光電変換素子の一例は、電極と、上記電極の一方の面に接して配置され色素が固定された半導体層と、上記半導体層を介して上記電極と対向するように配置された対電極と、上記電極と上記対電極との間に配置された電解質層と、上記電解質層を密封する封止部とを備えた光電変換素子である。
また、上記封止部内に、上記電極に電気的に接続された第1の集電体と、上記対電極に電気的に接続された第2の集電体とが配置され、上記第1の集電体の電気抵抗は上記電極の電気抵抗よりも低く設定され、上記第2の集電体の電気抵抗は上記対電極の電気抵抗よりも低く設定され、上記第1の集電体および上記第2の集電体は、光の透過が可能な開口部を備えている。
上記第1の集電体の電気抵抗を上記電極の電気抵抗よりも低く設定し、上記第2の集電体の電気抵抗を上記対電極の電気抵抗よりも低く設定することにより、上記電極および上記対電極から集電する際の抵抗損失を抑制して、光電変換素子の光電変換効率を高めることができる。また、上記第1の集電体および上記第2の集電体が光の透過が可能な開口部を備えることにより、後述する光電変換素子の封止部における視認性を向上させることができる。
さらに、上記半導体層と直交する方向から、上記光電変換素子の一方の面に波長550nmの光を入射させた場合に、上記封止部の内部を通過して上記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T1は0.1%以上40%以下であることが必要であり、より好ましくは0.1%以上20%以下、さらに好ましくは1%以上10%以下である。また、同様に上記半導体層の内部を通過して上記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T2は0.1%以上40%以下であることが必要であり、より好ましくは0.1%以上20%以下、さらに好ましくは1%以上10%以下である。また、上記透過率T1とT2との比T1/T2は0.05以上20以下であることが必要であり、より好ましくは0.1以上10以下、さらに好ましくは0.5以上2以下である。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、減光作用と高い視認性と、さらに発電機能とを有する減光フィルターを提供するためには、封止部が光電変換部と同等の減光作用と視認性を持つことが有効であることを見出した。そのためには、人間の目が色の有無を鋭敏に判定できる波長が550nmの光による封止部の透過率T1が0.1%以上40%以下であることが必要であることが判明した。透過率T1が0.1%未満である場合には、封止部が遮光部となり視認性が低下する。また、透過率T1が40%を超える場合には、封止部を通って外光が強く入り、十分な減光作用が得られない。また、光電変換部に関しても、波長550nmの光の透過率T2が0.1%以上40%以下であることが必要である。透過率T2が0.1%未満である場合には、光電変換部が遮光部となり視認性が低下する。また、透過率T2が40%を超える場合には、透光損失が大きくなり十分な電力が得られない。さらに、透過率T1と透過率T2との比T1/T2が0.05以上20以下であることが必要である。T1/T2が0.05未満である場合には、封止部と同様の減光作用を光電変換部が発現しない。また、T1/T2が20を超える場合には、光電変換部と同様の減光作用を封止部が発現しない。
上記光電変換部における波長550nmの光の透過率を0.1%以上40%以下とするためには、上記電極の半導体層に固定する色素の量を調整することにより行うことができるが、これに限定されるものではない。
また、上記封止部における波長550nmの光の透過率を0.1%以上40%以下とするためには、(i)封止材に有色フィルムを挟み込む、(ii)色素を担持した半導体粒子を混在させた封止材を用いる、(iii)染料や顔料を混在させた封止材を用いる、(iv)色素を担持した半導体層の一部に封止材を浸透させることで封止を行う、(v)封止部に相当する領域の基板上に有色フィルムを配置する、(vi)封止部に相当する領域の基板に色をつける、などが有効であるが、これらに限定されるものではない。また、上記手法の二つ以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、封止部における光の透過率の測定に際しては、封止部を通過する波長550nmの光の透過光量と入射光量との比により求める。また、光電変換部における光の透過率は、光電変換部を通過する波長550nmの光の透過光量と入射光量との比により求める。また、封止部および光電変換部の透過率は、各部位を任意に10か所測定した際の平均値とする。
なお、封止部の透過率を左右する要素には、封止材、封止材の内部に配置した集電体、対電極、基板および基板上に設けた物質などの構成材料に由来した光吸収、光散乱などがある。光電変換部の透過率を左右する要素には、光電変換部、対電極、電解質、基板および基板上に設けた物質などの構成材料に由来した光吸収、光散乱などがある。
本実施形態の光電変換素子の利用形態としては、減光作用と視認性が求められる部位に設置し、必要な減光作用と視認性を発揮しつつ、減光成分を変換して得られた電力を活用する利用形態が考えられる。具体的には、カーテン、ブラインド、住宅用の窓、自動車、電車、飛行機などの移動体の窓やサンルーフ、アーケードルーフ、車庫や自転車置き場などの屋根、ガラス壁、ドアや仕切り板の透光性のある部分、自動ドア、ベランダに設ける目隠し材や風除けシート、可動式日よけ屋根、パラソル、雨傘、日傘、サングラス、時計や携帯機器の透光性カバー部、ヘルメットのフェイスカバーなどが好ましい。また、透光性(視認性)といった特長を活かし、液晶表示部や電子ペーパーなどの表示機能を備えた機器上に設置する光電変換素子としての利用も好ましい。ただし、本発明の光電変換素子の利用形態は上記に限定されるものではない。
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概要断面図である。図1において、光電変換素子1は、増感色素を担持(固定)した半導体層5が付着された電極4と、半導体層5と対峙する対電極6と、電解質層7とが、染料により着色した封止材8を介して積層されている。電極4は基板2の表面に付着されて形成されており、対電極6は基板3の表面に付着されて形成されている。また、封止材8の内部には、電極4と電気的に接続された網状の集電体9と、対電極6と電気的に接続された網状の集電体10とが配置されている。図1において、光電変換素子1を積層方向13から見た場合、11が封止部であり、12が光電変換部である。
集電体9を構成する材料としては、電極4を構成する材料よりも電気抵抗が低い材料であることが必要である。また、集電体10を構成する材料としては、対電極6を構成する材料よりも電気抵抗が低い材料であることが必要である。例えば、電極4および対電極6を導電性の金属酸化物、例えばインジウム−錫複合酸化物(ITO)、フッ素をドープした酸化錫などの透明導電性材料で形成した場合には、集電体9、10の材料としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、Ti、Crなどの金属材料、またはそれらの合金を用いることができる。
上記集電体9および上記集電体10としては、光の透過が可能な開口部を備えていることが必要であり、線材からなるシート、膜厚方向に貫通孔を設けた有孔膜などを用いることが好ましい。これにより、集電体9、10に容易に透光性を付与でき、また容易に光の透過率を制御できるからである。上記集電体9、10に設けた開口部は、光を通過させるためのものであり、集電体の面内抵抗を著しく低下させない限り、その開口部の形状、分布などは任意に選択できる。
また、線材からなるシートを用いる場合には、上記線材を上記シートの面内において、平行線状、格子状などの形態で配列することができる。上記線材としては、線状の導電性材料、導電性微粒子からなる線状の構造体などを用いることができる。上記線材の線幅は、1μm以上1000μm以下が好ましい。線幅が1μm未満では、線材の断線が発生しやすいため取り扱いが困難で、また製造後に断線すると本来の損失抵抗の低減効果が得られず、光電変換特性の向上効果が得られない。また、線幅が1000μmを超えると、線材の存在により封止部の視認性が低下する。
また、集電体9、10の厚さは、50nm以上500μm以下であることが好ましい。厚さが50nm未満では、集電体としての電気抵抗が下がらず、光電変換特性の向上への寄与が少なく、また集電体自体が破断しやすいため取り扱いが困難で、製造後に破断すると本来の損失抵抗の低減効果が得られず、光電変換特性の向上効果が得られない。また、厚さが500μmを超えると、電極4と対電極6との距離が1000μm以上となり、電極間を移動する電解質の輸送速度が低下して、光電変換特性が低下する。
上記集電体9、10の形成方法としては、シート状の集電体を電極4または対電極6に貼り付けて電気的に接続させる方法、電極4または対電極6の上に導電性材料をスクリーン印刷などにより配置する方法などが挙げられる。
また、上記集電体9、10は電解液に対し耐性が低い場合があるが、本実施形態のように封止材8の内部にのみ集電体9、10を設け、集電体9、10と電解液との接触を防ぐことにより、耐久性のある光電変換素子を提供することができる。
本実施形態では、集電体9、10は、それぞれ電極4および対電極6の片側にのみ設けたが、それそれ電極4および対電極6の両側に設けてもよい。また、集電体9、10のそれぞれに、セルの外部に露出する取り出し電極をさらに設けてもよい。
本実施形態では、光電変換素子1を構成する増感色素を担持した半導体層5は多孔質な半導体薄膜により構成され、増感色素を多く担持することができる。よって、この半導体薄膜の厚さを変化させて増感色素の量を調整することにより、光電変換部12における波長550nmの光の透過率を0.1%以上40%以下に設定することができる。
また、本実施形態では、封止材8に染料を添加して着色している。よって、この染料の量を調整することにより、封止部11における波長550nmの光の透過率を0.1%以上40%以下に設定することができる。なお、封止材8を着色する方法は、染料を添加する方法に限らず、顔料を添加する方法、封止材自体に有色材料を用いる方法などがある。また、封止材8に透明材料を使用する場合は、封止材8に有色フィルムを挟み込んでもよい。
基板2および基板3としては、透明なガラスまたはプラスチックなどを使用できる。また、プラスチックは可撓性を有するので、柔軟性を必要とする用途に適する。
基板2の一方の面に成膜される電極4は、光電変換素子1の負極として機能し、基板に導電材層を有するものなどで構成できる。好ましい導電材としてはITO、フッ素をドープした酸化錫などの金属酸化物などが挙げられる。
対電極6は光電変換素子1の正極として機能し、その材質としては電解質の酸化体に電子を与える触媒作用を有する白金(Pt)やグラファイトなどが好ましい。また、対電極6と基板3との間には、対電極6とは異なる材料からなる導電性のある膜を設けてもよい。
増感色素を担持した半導体層5の厚さは、0.1〜100μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、十分な光電変換特性が得られ、また可視光および近赤外光に対する透過性を維持できるからである。半導体層5の厚さのより好ましい範囲は1〜50μmであり、特に好ましい範囲は5〜30μmであり、最も好ましい範囲は10〜20μmである。
増感色素を担持した半導体層5が半導体粒子により構成される場合、半導体粒子の粒径は一般的には5nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、電解質溶液中の酸化還元物質の移動が容易になるとともに、半導体の表面積が十分に大きくなるため、増感色素の担持量が増加して、十分な光電流が得られるからである。半導体粒子の粒径の特に好ましい範囲は、10〜100nmである。
半導体材料としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属の酸化物、SrTiO3、CaTiO3などのペロブスカイト、または、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2Sなどの硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgSe、PbSe、CdTeなどの金属カルコゲナイド、その他GaAs、Si、Se、Cd32、Zn32、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3などが好ましい。また、上記半導体材料から選ばれる少なくとも1種以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1-yS、CdS/HgS/CdSなどが好ましい。
図1に示されるような、増感色素を担持した半導体層5は、例えば電極4を有する基板2の表面に、半導体微粒子からなるスラリー液を公知慣用の方法、例えばドクターブレードやバーコータなどを用いる塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、電着法などにより成膜処理を行い、その後、必要に応じて半導体層5の固定化処理を行うとよい。固定化処理法としては、加熱処理や加圧処理などが挙げられる。加熱処理条件としては、電気炉やホットプレート、マイクロ波などによる加熱方式が好ましく、ガラス基板の場合400〜600℃程度、フィルム基板の場合80〜250℃程度が好ましい。また、また、加圧処理としては、プレス機やカレンダなどによる加圧が挙げられ、圧力としては1〜200MPa程度が好ましい。
また、多孔質の半導体層5の膜厚を制御することにより、ラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実面積の割合)を決定することができる。ラフネスファクターは20以上であることが好ましく、150以上であることが一層好ましい。ラフネスファクターが20以上であれば増感色素の担持量が十分となり、光電変換特性の改善が可能となる。ラフネスファクターの上限値は、一般的には5000程度である。ラフネスファクターは半導体層5の膜厚を厚くすると大きくなって半導体の表面積が広がり、増感色素の担持量の増加が期待できる。しかし、膜厚が厚くなりすぎると、半導体層5の光透過率ならびに抵抗損失の影響が現れ始める。また、半導体層5のポロシティーを高くすれば、膜厚を厚くしなくてもラフネスファクターを大きくすることが可能である。しかし、ポロシティーが高すぎると、導電性粒子である半導体粒子間の接触面積が減少して、抵抗損失の影響を考慮しなくてはならない。このようなことから、半導体層5のポロシティーは50%以上が好ましく、その上限値は一般的には約80%程度である。半導体層5のポロシティーは液体窒素温度下で窒素ガスまたはクリプトンガスの吸着−脱離等温曲線の測定結果から算出することができる。
本実施形態の増感色素を担持した半導体層5に使用される増感色素としては、従来の色素増感性光電変換素子で常用の色素であれば全て使用できる。このような無機色素としては、例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体(ここで、Lは、4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジンを示す。)、または、ルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)などのタイプの遷移金属錯体、または亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。また、有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。この中でもルテニウム−ビス(RuL2)誘導体が好ましい。
半導体層5への増感色素の担持量としては、1×10-8〜1×10-6mol/cm2の範囲にあればよく、特に0.1×10-7〜9.0×10-7mol/cm2の範囲が好ましい。この範囲内であれば、光電変換効率の向上効果が十分となり、かつ無駄な増感色素が無くなるため経済的である。
半導体層5への増感色素の担持方法は、例えば、増感色素を溶かした溶液に、半導体層5を付着させた基板2を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど増感色素を溶解可能なものであれば全て使用できる。また、浸漬方法として増感色素溶液に、半導体層5を被着させた基板2を一定時間浸漬させている時に、加熱還流をしたり、超音波を印加したりすることが有効である。
増感色素を担持した半導体層5と対電極6との間には電解質層7が存在する。電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、その種類は特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。本実施形態における酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体および還元体の形で存在する一対の物質をいう。また、酸化体とは酸化状態の電解質(例えば、I3 -)をいい、還元体とは還元状態の電解質(例えば、I-)をいう。
本実施形態で使用できる酸化還元系構成物質は、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。なかでもヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなどの金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージドなどのヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムなどのヨ
ウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
また、電解質層7を構成する溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒の何れも使用できるが、半導体層5の表面の色素および酸化還元系構成物質をより安定な状態に保つために有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドラフランなどのエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル化合物、スルフォラン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。
なかでも、電解質層7に使用する溶媒としては、沸点が100℃以上の溶媒で電解質層7を構成することが好ましい。沸点が100℃より低い溶媒を使用した場合、光電変換素子を高温環境下で保存したときに内圧上昇に伴う封止破壊が生じやすく、これによる著しい光電変換効率の低下が生じる。それに対し、沸点が100℃以上の溶媒で電解質層7を構成した場合、封止破壊が起こりにくく、長期安定性に優れた光電変換素子を提供できる。さらに、ニトリル系の溶媒は、粘度が低くイオン伝導性に優れた電解質層7を構築できる特徴を持つ。
100℃以上のニトリル系溶媒としては、3−メトキシプロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、α−トルニトリルなどが挙げられる。特に、3−メトキシプロピオニトリルは高い光電変換効率が得られ、かつ長期安定性に優れた光電変換素子を提供できる。
また、電解質層7を構成する溶媒としては、室温溶融塩なども好ましく用いることができる。室温溶融塩としては、特表平9−507334号公報に記載のイミダゾリウム塩などが挙げられる。なかでも、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドは粘度が低いため、高い光電変換効率を得るためには好ましい溶媒である。電解質層7を構成する溶媒としては、室温溶融塩と有機溶媒とを混合したものを用いてもよい。
また、本実施形態における電解質層7としては、電解液を高分子マトリックスに保持させる構造をとってもよい。高分子マトリックスとして使用するポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、あるいはフッ化ビニリデンと他の重合性モノマー、好適にはラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合させる他の重合性モノマー(以下、共重合性モノマーという。)としては、具体的には、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレンなどを例示することができる。
これらの共重合性モノマーは、モノマー全量に対して1〜50mol%、好ましくは1〜25mol%の範囲で使用することができる。共重合性モノマーとしては、好適にはヘキサフロロプロピレンが用いられる。本実施形態においては、特にフッ化ビニリデンにヘキサフロロプロピレンを1〜25mol%共重合させたフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を高分子マトリックスとするイオン伝導性フィルムを好ましく用いることができる。また、共重合比の異なる2種類以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して使用してもよい。
また、これらの共重合性モノマーを2種類以上用いてフッ化ビニリデンと共重合させることもできる。例えば、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+テトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+エチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+プロピレンなどの組み合わせで共重合させて得られる共重合体を使用することもできる。
さらに、本実施形態においては高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から選ばれる高分子化合物を1種類以上混合して使用することもできる。このときの混合割合は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物100質量部に対して、上記高分子化合物を通常200質量部以下で混合することができる。
本実施形態において用いられるポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の数平均分子量は、通常10,000〜2,000,000であり、好ましくは100,000〜1,000,000の範囲のものを好適に使用することができる。
上記電解質層7の外周部に配置される封止材8としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、低密度ポリエチレン、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、アイオノマー樹脂のほか、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、フッ素樹脂系、ポリアミド系のエラストマーなどを使用することができる。
(実施形態2)
本発明の光電変換モジュールの一例は、実施形態1で説明した光電変換素子を複数個平面状に配置したものである。即ち、本実施形態の光電変換モジュールは、複数の光電変換部を備え、隣接する光電変換部同士の間に封止部を備えてなる光電変換モジュールであり、少なくとも、上記隣接する光電変換部同士の間にある封止部における波長550nmの光の透過率T1が0.1%以上40%以下であり、上記光電変換部における波長550nmの光の透過率T2が0.1%以上40%以下であり、上記透過率T1と上記透過率T2との比T1/T2が0.05以上20以下である。これにより、広い面積にわたり視認性に優れ、高い光電変換特性を備える光電変換モジュールを構成することができる。なお、その他の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして、図1に示したものと同様の構造の光電変換素子を作製した。
平均一次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製した。このペーストを、フッ素がドープされたSnO2を表面にコーティングした導電性ガラス基板(旭硝子製“F−SnO2”、厚さ:1mm、表面抵抗:10Ω/sq)上に2cm×5cm角の大きさに塗布して乾燥し、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成し、基板上に厚さ8μmの多孔質酸化チタン膜を形成して電極4とした。
次に、この多孔質酸化チタン膜を設けた基板を、[Ru(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)2−(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、20℃で24時間放置した。この増感色素溶液としては、アセトニトリルとt−ブタノールの容積比50:50の混合溶液に、上記増感色素を3×10-4mol/dm3の濃度で含有させた溶液を使用した。
対電極6には、上記導電性ガラス基板“F−SnO2”に5×10-3mol/dm3のH2PtCl6溶液(溶媒:イソプロピルアルコール)を5×10-3dm3/cm2の割合で塗布し、450℃で15分間熱処理したものを用いた。対電極6の表面抵抗は、30Ω/sqであった。
色素を担持した酸化チタン膜を設けた電極4と対電極6との張り合わせは、封止材8として厚さ20μmの熱可塑性合成樹脂(三井デュポンポリケミカル製“ハイミラン”)を赤色染料により染色したものを電極4と対電極6との間に配置した後、150℃で60秒間加熱して行った。
また、上記張り合わせに際して網状の銅集電体9、10を電解質層7と接触しない形で封止材8と電極4および対電極6との間に配置して、銅集電体9と電極4および銅集電体10と対電極6をそれぞれ電気的に接続した。なお、網状の銅集電体9、10としては、開口率60%で、線材の線幅が15μmの銅メッシュ(電気抵抗:0.3Ω/sq)を用いた。
電解液の注入は、対電極6に設けた直径1mmの注入口より減圧注入方式により行い、注入口部の封止は、厚さ500μmのカバーガラスを上記“ハイミラン”により固定させることで行った。また、セルの周囲部には、エポキシ系接着剤(アネルバ製“トールシール”)を塗布し、封止強度の向上を図った。
上記電解液としては、3−メトキシプロピオニトリルに、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.6mol/dm3、ヨウ素を0.1mol/dm3、N−メチルベンゾイミダゾールを0.5mol/dm3それぞれ溶解したものを用いた。
上記のようにして作製した光電変換素子の封止部11と光電変換部12における波長550nmの光の透過率を前述の測定方法で測定した。その結果、ガラス基板表面での反射損失、網状の銅集電体および有色の封止材による透光損失の影響により、封止部11の透過率T1は25%であった。また、光電変換部12の透過率T2は20%であり、透過率T1と透過率T2との比T1/T2は1.25であった。
なお、本実施例で使用した試薬はすべて乾燥したものを用い、また、組み立て作業はドライルーム内で行い、組み立て時にセル内に水分が混入することを極力避けるよう注意した。
(実施例2)
電極4と対電極6との張り合わせに際して、封止材8を配置する位置に対応する電極4および対電極6の上に、銅粒子からなる銅ペーストを厚さ4μmでスクリーン印刷し、線幅20μm、開口率60%の網状の銅集電体9、10(電気抵抗:0.5Ω/sq)を設けて、銅集電体9と電極4および銅集電体10と対電極6を電気的に接続した。上記以外は実施例1と同様にして実施例2の光電変換素子を作製した。
上記のようにして作製した光電変換素子の封止部11と光電変換部12における波長550nmの光の透過率を実施例1と同様にして測定した。その結果、ガラス基板表面での反射損失、網状の銅集電体および有色の封止材による透光損失の影響により、封止部11の透過率T1は15%であった。また、光電変換部12の透過率T2は20%であり、透過率T1と透過率T2との比T1/T2は0.75であった。
(比較例1)
電極4と対電極6との張り合わせに際して、銅箔からなる銅集電体9、10(電気抵抗:0.1Ω/sq)を電解質層7と接触しない形で封止材8と電極4および対電極6との間に配置して、銅集電体9と電極4および銅集電体10と対電極6を電気的に接続した。上記以外は実施例1と同様にして比較例1の光電変換素子を作製した。
上記のようにして作製した光電変換素子の封止部11と光電変換部12における波長550nmの光の透過率を実施例1と同様にして測定した。その結果、銅箔からなる銅集電体の存在により、封止部11の透過率T1は0%であった。また、光電変換部12の透過率T2は20%であり、透過率T1と透過率T2との比T1/T2は0であった。
(比較例2)
電極4と対電極6との張り合わせに際して、封止材8の内部に集電体を配置しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の光電変換素子を作製した。図2は、比較例2で作製した光電変換素子の概略断面図であり、図1と同じ部分には同じ符号を付けたものである。
上記のようにして作製した光電変換素子の封止部11と光電変換部12における波長550nmの光の透過率を実施例1と同様にして測定した。その結果、封止部11の透過率T1は50%であった。また、光電変換部12の透過率T2は20%であり、透過率T1と透過率T2との比T1/T2は2.5であった。
(比較例3)
平均一次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製し、これを第1のペーストとした。次に、平均一次粒子径が20nmと平均一次粒子径が400nmの高純度酸化チタン粉末とをエチルセルロース中に分させ、スクリーン印刷用のペーストを作製し、これを第2のペーストとした。
次に、第1のペーストを厚さ1mmの前述の導電性ガラス基板“F−SnO2”上に塗布して乾燥し、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成し、基板上に厚さ10μmの多孔質酸化チタン膜を形成した。
続いて、形成した多孔質酸化チタン膜上に第2のペーストを塗布して乾燥し、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成し、厚さ10μmの多孔質酸化チタン膜上にさらに4μmの酸化チタン膜を形成した。その後は実施例1と同様にして比較例3の光電変換素子を作製した。
上記のようにして作製した光電変換素子の封止部11と光電変換部12における波長550nmの光の透過率を実施例1と同様にして測定した。その結果、ガラス基板表面での反射損失、網状の銅集電体および有色の封止材による透光損失の影響により、封止部11の透過率T1は25%であった。また、光電変換部12の透過率T2は1%であり、透過率T1と透過率T2との比T1/T2は25であった。
このようにして得られた光電変換素子の特性について、擬似太陽光(100mW/cm2、AM1.5)を光源として、(光電変換素子の出力)/(光入射のエネルギー)で表される光電変換効率により評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2005243557
表1から明らかなように、実施例1および2では、封止部内に集電体を配置したことにより高い光電変換効率を達成でき、かつ封止部に配置した集電体が透光性を有することにより封止部と光電変換部との透過率の比T1/T2を0.05以上20以下とることができ、減光フィルターとして活用できる光電変換素子が得られた。
一方、比較例1のように封止部に透光性のない集電体を用いた場合には、封止部が透光性をもたず、減光フィルターとして使用するに当たり封止部に視認性がなくなる。また、比較例3のように封止部と光電変換部との透過率の比T1/T2が20を超える場合には、減光フィルターとして使用するに当たり封止部が光電変換部と同様の減光作用を発現しない。さらに、比較例2のように封止部に集電体を配置しない場合には、抵抗損失の影響により光電変換効率が低くなる。
以上のように本発明は、減光作用と高い視認性とを備え、かつ高い光電変換効率を備えた光電変換素子および光電変換モジュールを提供することができるので、減光作用と高い視認性を有し、さらに発電機能をも有する減光フィルターとして利用できる。
本発明の光電変換素子の一例を示す概要断面図である。 比較例2で作製した光電変換素子の概略断面図である。
符号の説明
1 光電変換素子
2 基板
3 基板
4 電極
5 半導体層
6 対電極
7 電解質層
8 封止材
9 集電体
10 集電体
11 封止部
12 光電変換部
13 積層方向

Claims (6)

  1. 電極と、前記電極の一方の面に接して配置され色素が固定された半導体層と、前記半導体層を介して前記電極と対向するように配置された対電極と、前記電極と前記対電極との間に配置された電解質層と、前記電解質層を密封する封止部とを備えた光電変換素子であって、
    前記封止部内に、前記電極に電気的に接続された第1の集電体と、前記対電極に電気的に接続された第2の集電体とが配置され、
    前記第1の集電体の電気抵抗が、前記電極の電気抵抗よりも低く、
    前記第2の集電体の電気抵抗が、前記対電極の電気抵抗よりも低く、
    前記第1の集電体および前記第2の集電体が、光の透過が可能な開口部を備え、
    前記半導体層と直交する方向から、前記光電変換素子の一方の面に波長550nmの光を入射させた場合に、
    前記封止部の内部を通過して前記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T1が、0.1%以上40%以下であり、
    前記半導体層の内部を通過して前記光電変換素子の外部に透過してくる光の、入射光に対する透過率T2が、0.1%以上40%以下であり、
    かつ、前記透過率T1とT2との比T1/T2が、0.05以上20以下であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第1の集電体および前記第2の集電体が、線材からなるシートおよび膜厚方向に貫通孔を設けた有孔膜から選ばれる少なくとも1種から形成されている請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記線材が、前記シートの面内において、平行線状および格子状から選ばれるいずれか一方の形態で配列されている請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記線材の線幅が、1μm以上1000μm以下である請求項2または3に記載の光電変換素子。
  5. 前記第1の集電体および前記第2の集電体の厚さが、50nm以上500μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子を複数個配置したことを特徴とする光電変換モジュール。
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