JP2006244830A - 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 安定で、優れた光電変換効率を有し、かつ大面積化に適した色素増感型太陽電池およびこれを用いた色素増感型太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体1と第二支持体7との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層2と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層3と、液体またはゲル電解質からなるキャリア輸送層4と、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備え、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層5を備え、かつ多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層であることを特徴とする色素増感型太陽電池により、上記の課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュールに関する。
化石燃料に代るエネルギー源として、太陽光を電力に変換できる太陽電池が注目されている。現在、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池および薄膜シリコン太陽電池が一部実用化され始めている。しかし、前者はシリコン基板の製造コストが高いという問題があり、後者は多種の半導体製造用ガスや複雑な装置を用いる必要があるために製造コストが高くなるという問題がある。このため、いずれの太陽電池においても光電変換の高効率化による発電出力当たりのコストを低減する努力が続けられているが、上記の問題を解決するには到っていない。
新しいタイプの太陽電池として、特許第2664194号公報(特許文献1)には、金属錯体の光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池が開示されている。
この湿式太陽電池は、表面上に電極を形成した2枚のガラス基板の電極間に、光増感色素を吸着させて可視光領域に吸収スペクトルをもたせた光電変換材料と電解質材料とからなる光電変換層を挟持したものである。
この湿式太陽電池に光が照射されると、光電変換層で電子が発生し、発生した電子が外部電気回路を通って電極に移動し、移動した電子が電解質中のイオンにより対向する電極に運ばれて光電変換層に戻る。このような一連の電子の流れにより、電気エネルギーが取り出される。
また、特開2000−91609号公報(特許文献2)には、上記の動作原理を有する湿式太陽電池を低コストで製造する技術が開示されている。その製造技術によれば、巻き取り可能なフレキシブルな基板上に白金導電膜(電極)と二酸化チタンコロイド発電層の積層体をコーティング手段で形成し、積層体の形成時または形成後に電解質液を前記発電層に含浸させ、さらに透明導電膜(電極)を形成したガラス基板を積層することにより、単一ユニットの有機太陽電池を製造することができる。
しかしながら、上記の湿式太陽電池は、2枚のガラス基板の電極間に電解液を注入した基本構造を有しているために、小面積の太陽電池の試作は可能であっても、1m角のような大面積の太陽電池への応用は困難である。
このような太陽電池において、1つの太陽電池(単位セル)の面積を大きくすると、発生電流は面積に比例して増加するが、電極部分に用いる透明導電性膜の横方向の抵抗成分が極端に増加するために、太陽電池としての内部直列電気抵抗が増大する。その結果、光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(フィルファクタ、FF)が低下し、光電変換効率が低くなるという問題が発生する。
また、上記の湿式太陽電池の製造工程では、電極(透明導電膜)付きのガラス基板上に酸化チタン膜を形成し、これを例えば、約450℃で少なくとも30分間焼成して、光電変換材料である半導体層を得ることがある。このような焼成では、各構成部材の膨張率の差異により、ガラス基板と電極が反り、その上に形成された酸化チタンも反った状態で焼成されてしまう。このような問題は、小面積の太陽電池では大きな問題を生じないが、大面積の太陽電池、特に複数の電池を製造する場合には、半導体層と対向電極の距離(セルギャップ)が一定にならず、電池性能のばらつきの原因になる。さらに、半導体層の酸化チタンと対向電極が接する場合があり、一部が短絡状態となるため、電池性能が大きく低下するという問題がある。
また、特開2001−345126号公報(特許文献3)には、光電変換材料である半導体層と対向電極間に、ろ過フィルタ、セパレータ、不織布などから構成される多孔性支持体を設けて、電解質材料である電解液が太陽電池の周囲から漏れるのを防止した湿式太陽電池が開示されている。
しかしながら、上記の湿式太陽電池は、多孔性支持体と半導体層である酸化チタンに対する電解液の濡れ性が異なると、一定量の電解液を注入しても多孔性支持体および半導体層の何れか一方に電解液が偏った状態となり、電池性能の低下を引き起こすという問題がある。
国際公開第WO97/16838号パンフレット(特許文献4)には、複数の色素増感型太陽電池を直列接続した色素増感型太陽電池モジュールが開示されている。
この色素増感型太陽電池モジュールは、透明導電膜(電極)を短冊形にパターニング形成したガラス基板上に、酸化チタン層、絶縁性多孔性層および対極を順次積層した構造の色素増感型太陽電池を形成し、隣接する色素増感型太陽電池と対極が接触するように配置して直列接続したものである。
しかしながら、上記の色素増感型太陽電池モジュールは、酸化チタン層上に約10μmの酸化チタンなど粒子を用いた中間多孔性を形成した後に、毛細管現象により電解質材料である電解液を注入しており、酸化チタン層と中間多孔性層の状態によって電解液が均一に注入できないという問題がある。
特許第2664194号公報 特開2000−91609号公報 特開2001−345126号公報 国際公開第WO97/16838号パンフレット
本発明者らは、湿式太陽電池において電解質材料として電解液の代わりに、多孔性支持体と半導体層に前駆体モノマーを注入し重合させたゲル電解質を用いる場合にも、電解液と同様に、多孔性支持体と半導体層に対する前駆体モノマーの濡れ性の差により、多孔性支持体または半導体層の何れか一方にゲル電解質が偏った状態となり、電池性能の低下を引き起こす問題があること、さらに多孔性支持体の剥離などの問題もあることを新たに見出した。
そこで、本発明は、安定で、優れた光電変換効率を有し、かつ大面積化に適した色素増感型太陽電池およびこれを用いた色素増感型太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体と第二支持体との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と、液体またはゲル電解質からなるキャリア輸送層と、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備えた色素増感型太陽電池において、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層を設け、多孔層の液体またはゲル電解質に対する毛管力と多孔性光電変換層の液体またはゲル電解質に対する毛管力との比を特定の範囲に設定することにより、多孔性光電変換層および多孔層の何れにもキャリア輸送層が偏った状態にならず、電池性能の低下を引き起こさない、安定で、優れた光電変換効率を有し、かつ大面積化に適した色素増感型太陽電池およびこれを用いた色素増感型太陽電池モジュールが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体と第二支持体との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と、液体またはゲル電解質からなるキャリア輸送層と、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備え、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層を備え、かつ多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層であることを特徴とする色素増感型太陽電池が提供される。
また、本発明によれば、上記の色素増感型太陽電池の少なくとも2つ以上が直列に接続され、集積化されてなることを特徴とする色素増感型太陽電池モジュールが提供される。
本発明によれば、安定で、優れた光電変換効率を有し、かつ大面積化に適した色素増感型太陽電池およびこれを用いた色素増感型太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池(以下、「太陽電池」という)は、少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体と第二支持体との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と、液体またはゲル電解質からなると、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備え、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層を備え、かつ多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層であることを特徴とする。
ここで、「偏りなく浸透し得る」とは、多孔性光電変換層および多孔層の何れにもキャリア輸送層が偏った状態にならないことを意味する。
多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層であるためには、多孔性半導体層と多孔層が、次式で表される多孔層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PT[Pa]:
T=2σ・cosθT/rT
(式中、σは液体またはゲル電解質の表面張力[N/m]であり、θTは液体またはゲル電解質と多孔層材料との接触角[°]であり、rTは多孔層の細孔半径[m]である)
と、次式で表される多孔性光電変換層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PK[Pa]:
K=2σ・cosθK/rK
(式中、σは液体またはゲル電解質の表面張力[N/m]であり、θKは液体またはゲル電解質と多孔性光電変換層材料との接触角[°]であり、rKは多孔性光電変換層の細孔半径[m]である)
との比(PT/PK)が0.2〜5の範囲になる層の組み合わせであるのが好ましい。
本発明の太陽電池の好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は一例であり、種々の形態での実施が本発明の範囲内で可能である。
図1は、本発明の太陽電池の層構成を示す概略断面図である。
図1において、1は第一支持体1、2は第一導電層、3は多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層、4はキャリア輸送層、5は多孔層、6は第二導電層、7は第二支持体、8は封止材、9は触媒層である。
まず、毛管力について説明する。
一般に、細孔を有する多孔体に物質が浸透する場合、その浸透は多孔体の物質に対する毛管力により推進される。例えば、細孔半径rの円管に液体が浸透する場合、浸透する推進力は、次式の毛管力Pで表すことができる。
P=2σ・cosθ/r
(式中、Pは毛管力[Pa]であり、σは液体の表面張力[N/m]であり、θは液体と円管の接触角[°]であり、rは円管の細孔半径[m]である)
また、一般に層状に別々の細孔を有する多孔体に液体が浸透する場合、毛管力Pはそれぞれの細孔の部分で推進力となり液体が浸透するが、細孔半径、表面張力、接触角などの各物性値による毛管力が大きな層に支配的に液体が浸透する。
さらに、液体がそれぞれの層に浸透し、一部に浸透していない部分が残った状態で保持すると、毛管力が大きい層に徐々に浸透が進み、毛管力が小さい層に浸透し充填された液体を吸い上げる状況が起こる。
多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と第二導電層との間に多孔層を設け、第一支持体と第二支持体との間に電解液などのキャリア輸送層を注入した場合、上記のような状況が起こり、均一にキャリア輸送層を形成することができず、安定で、優れた光電変換効率を有する太陽電池を得ることができない。
そこで、本発明では、多孔層の毛管力と多孔性光電変換層の毛管力とが同レベルとなる組み合わせの構成で太陽電池を製造する。
まず、本発明において重要な構成部材、多孔性光電変換層、多孔層およびキャリア輸送層、ならびにその形成方法について説明する。
(多孔性光電変換層)
多孔性光電変換層は、多孔性半導体層に色素が吸着されてなる。
(多孔性半導体)
多孔性半導体層は、半導体から構成され、その形態は、粒子状、膜状などの種々な形態のものを用いることができるが、膜状の形態が好ましい。
多孔性半導体層を構成する材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体、およびこれらの1種以上の組み合わせが挙げられる。これらの中でも、光電変換効率、安定性、安全性の観点から酸化チタンまたは酸化亜鉛が特に好ましい。
導電層を形成した支持体(「基板」ともいう)上に膜状の多孔性半導体層を形成する方法としては、特に限定されず、種々の公知の方法が挙げられる。具体的には、(1)スクリーン印刷法、インクジェット法などにより、半導体粒子を含有する懸濁液(ペースト)を基板上に塗布した後、焼成する方法、(2)原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより、基板上に成膜する方法、(3)原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法などにより、基板上に成膜する方法、(4)ゾル−ゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法などにより、基板上に成膜する方法などが挙げられる。
上記の方法の中で、厚膜の多孔性半導体層を低コストで製造できることから、懸濁液を用いたスクリーン印刷法が特に好ましい。
スクリーン印刷法で多孔性半導体層を印刷する場合には、印刷後のダレを少なくするために、数回に分けて印刷してもよい。また、数回に分けて印刷する場合には、異なる材料や粒径を有する半導体粒子を含有する懸濁液を用いて印刷してもよい。
半導体粒子としては、市販されているもののうち適当な平均粒径、例えば1〜500nm程度(例えば、20nm)の平均粒径を有する単一または化合物半導体の粒子などが挙げられる。また、多孔性半導体層中に、粒径の異なる半導体微粒子が含有されていてもよい。本明細書において、「平均粒径」とは、SEM観察により測定した値を意味する。
太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、後述する色素を多孔性半導体層により多く吸着させることが必要である。このため、膜状の多孔性半導体層は、比表面積の大きなものが好ましく、10〜200m2/g程度が好ましい。本明細書において、「比表面積」は、BET吸着法により測定した値を意味する。
半導体粒子を含有する懸濁液を調製するために用いる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、イソプロピルアルコール/トルエンなどの混合溶剤、水などが挙げられる。
スクリーン印刷法で多孔性半導体層を印刷する場合、乾燥および焼成は、使用する基板や半導体粒子の種類などにより、温度、時間、雰囲気などの条件を適宜設定して行われる。例えば、温度は50〜800℃程度、時間は10秒〜12時間程度、雰囲気は大気下または不活性ガス雰囲気下が挙げられる。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行ってもよい。
多孔性半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、光透過性、光電変換効率などの観点より、0.5〜100μm程度が好ましい。
(色素)
多孔性半導体層に吸着して光増感剤として機能する色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を有するものが挙げられる。また、多孔性半導体層に色素を強固に吸着させるためには、色素分子中にカルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。これらの中でも、カルボン酸基およびカルボン酸無水基がより好ましい。なお、インターロック基は、励起状態の色素と多孔性半導体層の伝導帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供するものである。
インターロック基を含有する色素として、例えば、ルテニウムビピリジン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
多孔性半導体層に吸着させる方法としては、例えば、基板上に形成された多孔性半導体層を、色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
色素を溶解させる溶剤としては、色素を溶解するものであればよく、具体的には、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類、水などが挙げられる。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶剤の種類により適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるためにはできるだけ高濃度である方が好ましく、例えば、5×10-4モル/リットル以上であればよい。
(多孔層)
多孔層は、多孔性光電変換層と第二導電層もしくは触媒層の間に設置され、それぞれを電気的に分離するために設けられる。
多孔層を構成する材料としては、充填(浸透)されるキャリア輸送層の電荷輸送を妨げず、かつ毛管力が多孔性光電変換層と同等のものであれば特に限定されない。例えば、二次電池などに用いられているセパレータや不織布、およびろ過フィルターなどが挙げられる。
セパレーターの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類、ポリフェリレンスルフィド、ビニヨン(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合物)、ポリイミド、ビニロン(アセタール化ポリビニルアルコール)などが挙げられる。
ろ過フィルターの材質としては、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類などが挙げられる。
多孔層の細孔半径および膜厚は、特に限定されるものではないが、光透過性、光電変換効率などの観点より、それぞれ1nm〜10μm程度および1〜50μm程度が好ましい。
多孔層としては、例えば、細孔半径50nm、膜厚25μmのポリエステル製のセパレーター(「多孔層A」という)が挙げられる。
また、多孔層は、絶縁性粒子を用いて多孔性光電変換層の作製手法と同様な手法により作製することもできる。絶縁性粒子としては、酸化タングステン、ガラス、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニアなどが挙げられる。したがって、多孔性光電変換層材料の伝導帯準位より高い伝導帯準位を持つ材料を用いることにより、多孔性光電変換層材料の伝導帯準位より低い材料で多孔層を構成させるより太陽電池のリーク電流が低減され性能が向上する。
(キャリア輸送層)
キャリア輸送層は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料を含む層であり、多孔性光電変換層と第二導電層との間に充填される。
導電性材料としては、例えば、ポリカルバゾールなどのホール輸送材、テトラニトロフロオルレノンなどの電子輸送材、ポリロールなどの導電性ポリマー、液体電解質を高分子化合物により固体化した高分子電解質、ヨウ化銅、チオシアン酸銅などのp型半導体、溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などが挙げられる。
キャリア輸送層は、液体電解質、ゲル電解質、溶融塩ゲル電解質のいずれであってもよい。
液体電解質(電解液ともいう)は、電解質と溶剤からなる。
電解質としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物、およびテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などのヨウ化物と、I2との組み合わせ;LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物、およびテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などの臭化物と、Br2との組み合わせ;フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体;ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物;ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどが挙げられる。これらの中でも、LiI、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドとI2との組み合わせが開放電圧の改善の点で好ましい。上記の電解質は2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物;3-メチル-2-オキサゾリジノンなどの複素環化合物;ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物;ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質;水などが挙げられる。
ゲル電解質は、通常、電解質とゲル化剤からなる。
ゲル化剤としては、例えば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられ、これらを好適に用いることができる。
溶融塩ゲル電解質は、通常、ゲル電解質材料と常温型溶融塩からなる。
常温型溶融塩としては、例えば、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などが挙げられ、これらを好適に用いることができる。
キャリア輸送層の電解質濃度は、電解質や溶剤の種類などにより適宜設定すればよく、例えば、0.01〜1.5モル/リットル、好ましくは0.01〜0.7モル/リットルである。
電解液としては、例えば、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.6モル/リットル、リチウムアイオダイド0.1モル/リットル、ヨウ素0.1モル/リットル、ターシャルブチルピリジン0.5モル/リットルの濃度となるようにそれぞれをアセトニトリルに溶解させたものが挙げられる。
次に、具体的な材料を用いた場合の毛管力について説明する。
上記の電解液、多孔層Aおよび酸化チタンで構成される多孔性半導体層を用いた場合の毛管力を前記の式に基づいて計算した。すなわち、式における液体を電解液、円管を多孔性光電変換層の材料である酸化チタンとして計算をした。
次式:
R=ΔV/Δlog(R)[mm3/nm・g]
(式中、Rは細孔半径[nm]であり、ΔVは単位重量当たりの細孔容積であり、Δlog(R)は細孔半径の変化である)
で表される多孔性光電変換層の細孔半径分布特性における細孔体積変化率RのピークRpの関係を図2に示す。この図から、ピークRpを57.6nmとした。
接触角θを多孔層および多孔性光電変換層を形成するバルク材料(アナターゼ型酸化チタン)とキャリア輸送層である電解液との接触角とした。
計算の結果、多孔層(セパレータ)の電解液に対する毛管力PTは911787Paであり、多孔性光電変換層の電解液に対する毛管力PKは857453Paであり、PT/PKは1.06であった。
このような推進力を有する電解液を多孔性光電変換層と多孔層に毛細管現象を使用して約30μl注入し、注入後、約5分後に太陽電池特性を評価した結果、変換効率は6.47%であった。
また、別の多孔層として、細孔半径500nm、膜厚25μmのポリエステル製の多孔層(「多孔層B」という)、細孔半径20nm、膜厚25μmのポリエステル製の多孔層(「多孔層C」という)を用いること以外は、上記と同様にして太陽電池を作製し評価した。
それらの結果、多孔層Bの場合には、PT/PKは0.11で、変換効率は4.51%であった。また、多孔層Cの場合には、PT/PKは2.66で、変換効率は6.26%であった。
太陽電池の性能を評価した後、多孔層のみを取り出し、酸化チタン表面をキムワイプ(登録商標)で拭き取り、秤量してセル作製前後の重量差を算出したところ、3.5mg(多孔層A使用セル)、1.8mg(多孔層B使用セル)、3.8mg(多孔層C使用セル)であった。
以上のように、毛管力が多孔性光電変換層と同レベルの多孔層を用いることにより、高い変換効率を得ることができた。これは、多孔性光電変換層と多孔層に電解液が均一に注入されているためと考えられる。
更に毛管力が異なる多孔層を用いて、太陽電池の性能評価を行った結果を図3に示す。
この結果から、前記の式で表される多孔層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PTと多孔性光電変換層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PKの比(PT/PK)が0.2以下および5以上で大きくFFが低下していることがわかる。これは、毛管力の比率が大きく異なることによる電解液の不均一化に起因するものと考えられる。
したがって、毛管力の比(PT/PK)は0.2〜5の範囲にあるのが好ましい。
次に、多孔層Aを用い、多孔性光電変換層として面積5mm×80mmの酸化チタンを用いて、大面積の単位セルの太陽電池を作製し評価した。なお、多孔層を用いたものと用いないものをそれぞれ10個ずつ作製し、それぞれの変換効率のばらつきに関して検討を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006244830
表1の結果から、大面積の太陽電池を作製した場合、酸化チタンである多孔性光電変換層を焼成する際のそりにより、セルギャップがばらつくため、変換効率に影響を及ぼしているが、多孔層の設置により一定な太陽電池の作製が可能であることがわかる。
下記の太陽電池単位セルの製造例に記載の酸化チタンペースト(酸化チタンペーストE)を基準とし、酸化チタンペーストAは酸化チタン粒子を9nm、酸化チタンペーストBは酸化チタン粒子を17nm、酸化チタンペーストCは酸化チタン固体濃度を15wt%、エチルセルロースを7wt%、酸化チタンペーストDはエチルセルロースを8wt%、酸化チタンペーストFはエチルセルロースを15wt%として作製した。それぞれの多孔性光電変換層の細孔分布特性を図4に示す。
これらの多孔性光電変換層を用いて、上述のセパレータCを使用して太陽電池を作製し性能評価を行った結果を図5に示す。この結果から、多孔性光電変換層の細孔半径は20〜60nmの範囲で良好な性能を示すことが分かる。なお、毛管力比は酸化チタンペーストAからF順に、0.25、0.36、1.03、1.68、2.66、3.35であり、これらは0.25〜3.35の範囲であった。
以下、その太陽電池の構成材料およびその形成方法について説明する。
(第一支持体および第二支持体)
第一支持体および第二支持体(合わせて「支持体」という)は、太陽電池の受光面となる部分では光透過性が必要となるため、少なくとも一方が光透過性の材料からなる。例えば、第一支持体に光透過性の材料を用いることにより、第一支持体側から光入射が可能な太陽電池が得られる。この場合、入射光を有効に使用するために、不透明の第二支持体は、入射光を反射できる金属などの材料からなるのが好ましい。
また、両面に光透過性の材料を用いて、両面からの光入射が可能な太陽電池としてもよい。
本発明において「光透過性」とは、少なくとも多孔性光電変換層の色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させることを意味し、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有することを意味しない。
支持体を構成する材料としては、250℃以上の耐熱性を有するものが好ましく、その厚さは0.2〜5mm程度が好ましい。
支持体を構成する材料としては、例えば、ソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラス、合成石英ガラスなどのガラス基板、可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板、金属板などが挙げられる。
可撓性フィルム(以下、「フィルム」という)は、例えば、ポリエステル、ポリアクリル、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの長期耐候性のシートやフィルムが挙げられる。
支持体上に加熱を伴って他の層を形成する場合、例えば、第一支持体上に250℃程度の加熱を伴って導電層を形成する場合には、上記のフィルム材料の中でも、250℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)が特に好ましい。
また、支持体を形成した後に加熱工程がない場合には、支持体は耐熱性を有さなくてもよい。
支持体は、第一導電層や第二導電層を埋め込むための凹部を有していてもよい。
また、完成した太陽電池を他の構造体に取り付けるときに支持体を利用することができる。すなわち、ガラス基板などの支持体の周辺部を、金属加工部品とねじを用いて他の支持体に容易に取り付けることができる。
(第一導電層および第二導電層)
第一導電層および第二導電層(合わせて「導電層」という)は、それぞれ第一支持体および第二支持体上に形成され、支持体と同様に、太陽電池の受光面となる部分では光透過性が必要となるため、少なくとも一方が光透過性の材料からなる。
支持体の片面に発生した電子を集める機能を有する導電層を「集電電極層」ともいい、その対となる導電層を「対極層」ともいう。
導電層を構成する材料としては、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)、フッ素をドープした酸化スズ、ボロン、ガリウムまたはアルミニウムをドープした酸化亜鉛、ニオブをドープした酸化チタンなどの透明導電性金属酸化物など、金、銀、アルミニウム、インジウム、白金、カーボン(カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブ、フラーレン)などが挙げられる。
導電層を一般に不透明の金属材料で構成する場合、薄膜化により透明性にしてもよい。
支持体上に導電層を形成する方法としては、特に限定されず、CVD法、スパッター法、無電解メッキ法、電着法、印刷法、接着剤や両面テープで金属や合金の薄板を貼り付けるなど、一般的に電極を形成する方法が挙げられる。
また、支持体と導電層とが同一材料から構成されている場合には、製造プロセスが簡略化できるので好ましい。
薄膜形成した導電層の膜厚は、0.01〜2μm程度である。
また、光透過性を必要としない不透明の導電層は薄膜化する必要はない。
対極層となる導電層は、後述するキャリア輸送層の酸化還元反応の触媒機能を有するのが好ましく、触媒能を有する白金などの層で対極層を構成するか、キャリア輸送層に接する側に触媒能を有する白金などの層を設けて2層以上の構成とするのが好ましい。
(触媒層)
多孔層に対する第一導電層もしくは第二導電層の表面には触媒層が形成されているのが好ましい。触媒層は、太陽電池の変換効率の向上に寄与する。
触媒層を構成する材料としては、多孔性半導体層の伝導帯準位より低い仕事関数を有し、キャリア輸送層の酸化還元反応を活性化させるものが好ましい。
例えば、多孔性半導体層に酸化チタン(仕事関数:4.17eV)を用いる場合には、白金(仕事関数:6.35eV)、カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブ、フラーレンなどカーボン(仕事関数4.78eV)が好ましい。
(封止材)
封止材は、キャリア輸送層の電解液の揮発と電池内への水などの浸入を防止するために設けるのが好ましい。
また、封止材は、(1)支持体に作用する落下物や応力(衝撃)を吸収する、(2)長期にわたる使用時において支持体に作用するたわみなどを吸収する機能も有する。
封止材を構成する材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラスフリットなどが好ましく、これらは2種類以上を2層以上にして用いることもできる。キャリア輸送層の溶剤としてニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤を使用する場合には、シリコーン樹脂やホットメルト樹脂(例えば、アイオノマー樹脂)、ポリイソブチレン系樹脂、ガラスフリットが特に好ましい。
封止材のパターンは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスフリットを使用する場合には、ディスペンサーにより、ホットメルト樹脂を使用する場合には、シート状のホットメルト樹脂にパターニングした穴を開けることにより、形成することができる。
封止材の層方向の厚さは、支持体間にある構成材料の膜厚に応じて設定すればよい。
上述の材料を使用して、第一支持体であるガラス上に形成された第一導電層であるフッ素ドープされた酸化スズ上に酸化チタンである多孔性光電変換層を1cm×8cmの大きさで作製した。この酸化チタン多孔性光電変換層の細孔分布特性を測定した結果、図2の分布が得られた。図2より、この酸化チタン多孔性光電変換層の主となる細孔半径は57.6nmである。
この多孔性光電変換層に次式のルテニウム色素(Solaronix社製、商品名Ruthenium719)を吸着させた。
Figure 2006244830
一方、第一支持体と第一導電層と同じ構成の第二支持体と第二導電層上に白金層をスパッタにより約300nmの膜厚で作製した。
色素を吸着させた多孔性光電変換層上に多孔性光電変換層と同じ大きさの多孔体であるセパレータを設置し、その上に白金層がセパレータと接触するように第二支持体と第二導電層を設置し太陽電池の作製を行う。
本発明の色素増感型太陽電池モジュール(以下、「太陽電池モジュール」という)は、本発明の太陽電池の少なくとも2つ以上が直列に接続され、集積化されてなる。
そして、本発明の太陽電池モジュールは、
(1)色素増感型太陽電池の第一支持体上の第一導電層と、それに隣接する他の色素増感型太陽電池の第二支持体上の第二導電層とが電気的に接続されているか、
(2)色素増感型太陽電池の第一支持体上の第一導電層と、それに隣接する他の色素増感型太陽電池の第一支持体上の第二導電層とが同一層として構成されているのが好ましい。
(実施例)
本発明を製造例および実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの製造例および実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、実施例において、特に断りのない限り、製造例の条件を用いて太陽電池(太陽電池単位セル)および太陽電池モジュールを製造した。便宜上、製造例を太陽電池の製造例と太陽電池モジュールの製造例に分けて説明しているが、太陽電池の製造例における製造工程を適宜太陽電池モジュール製造に用いてもよく、その逆であってもよい。
以下の説明で用いる本発明の太陽電池および太陽電池モジュールの概略断面図などはすべて一例であり、これらの図により本発明が限定されるものではない。
(太陽電池単位セルの製造例)
図1は、本発明の太陽電池の層構成を示す概略断面図である。
図1に示すような太陽電池の作製した。その製造工程を以下に示す。
図1において、1は第一支持体(基板ともいう)、2は第一導電層、3は多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層、4はキャリア輸送層、5は多孔層(キャリア輸送材料が充填されているものとする)、6は第二導電層、7は第二支持体、8は封止材、9は触媒層である。
厚さ1.1mm程度のガラス基板からなる第一支持体1の片面上に、第一導電層2として膜厚900nm程度のSnO2をCVDにより成膜した。なお、ガラス基板およびSnO2は450℃以上の耐熱性を有する。
金属酸化物であるTiO2粉末に溶剤およびバインダーを混合してスラリー状またはペースト状とし、これを別途パターン形成を行ったスクリーン版を用いて、第一支持体1上の所定の位置にスクリーン印刷し、レベリングの後、80℃のオーブン中で乾燥させ、空気中、500℃で焼成することにより、膜厚20μm程度の多孔性半導体層を作製した。
具体的には、チタンイソプロポキシド(キシダ化学株式会社製)125mlを0.1Mの硝酸水溶液(キシダ化学株式会社製)750mLに滴下し、加水分解させ、得られた混合液を80℃で8時間加熱することにより、ゾル液を得た。得られたゾル液を、チタン製オートクレーブ中で230℃で11時間処理し、粒子成長させ、次いで30分間超音波分散を行うことにより、平均一次粒径20nmの酸化チタン粒子(「酸化チタンA」という)を含むコロイド溶液を得た。
得られたコロイド溶液を、その酸化チタン濃度が15wt%になるまでエバポレーターでゆっくりと濃縮した。得られた濃縮液に、市販の酸化チタン粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名P−25、アナターゼ型:ルチル型=(7:3)混合、平均一次粒径20nm:「酸化チタンB」という)を添加し、コロイド溶液の2倍容量のエタノールを加え、回転数5000rpmで遠心分離を行った。得られた酸化チタン粒子をエタノールで洗浄した後、エチルセルロース(キシダ化学株式会社製)とテルピネオール(キシダ化学株式会社製)を無水エタノールに溶解させたものを加え、攪拌して酸化チタン粒子を分散させた。その後、40mbarの真空下、50℃でエタノールを蒸発させて酸化チタンペーストを得た。最終的な組成として、酸化チタン固体濃度20wt%、エチルセルロース10wt%、テルピネオール64wt%となるように濃度を調整した。
得られた酸化チタンペーストをスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)で第一支持体1上に印刷して多孔性半導体層を得た。
多孔性半導体層の細孔分布特性を測定したところ、57.6nmの細孔半径であった。
次に、第一導電層2および多孔性半導体層を形成した第一支持体1を色素溶液に浸漬し、約2時間還流して多孔性半導体層に色素を吸着させて、多孔性光電変換層3を得た。
具体的には、アセトニトリルとn−ブタノールエタノールを体積比で1:1で混合した溶剤に、前記式のルテニウム色素(Solaronix社製、商品名Ruthenium719)を濃度4×10-4モル/リットルで溶解させて、吸着用色素溶液を得た。得られた吸着用色素溶液および上述で得られた基板を容器にそれぞれ入れ、約30分間還流させることにより多孔性半導体層に色素を吸着させた。その後、基板を無水エタノールで洗浄し、約60℃で約20分間乾燥させた。
厚さ1.1mm程度のガラス基板からなる第二支持体7の片面上に、触媒層9を兼ねる第二導電層6として膜厚300nm程度の白金をスパッタリングにより成膜した。
第一支持体1と第二支持体7とを多孔性光電変換層3と第二導電層6とが対向するように、細孔半径50nm、膜厚25μmのポリエステル製の多孔層5を介して設置した。次に、キャリア輸送層4として、アセトニトリルに、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.6モル/リットル、リチウムアイオダイド0.1モル/リットル、ヨウ素0.1モル/リットル、ターシャルブチルピリジン0.5モル/リットルの濃度となるように溶解させて作製した電解液を多孔性光電変換層と多孔層に浸透させた。さらに、第一支持体1と第二支持体7とを対峙させた側面部分にエポキシ樹脂からなる封止材で封止して太陽電池を得た。
(太陽電池モジュールの製造例1)
図6は、本発明の太陽電池モジュールの層構成を示す概略断面図である。
図6において、401は第一支持体、409は第二支持体であり、単位セルAとして、412は第一導電層、413は多孔性光電変換層、414は多孔層、415は触媒層、416第二導電層、417は絶縁層であり、単位セルBとして、422は第一導電層、423は多孔性光電変換層、424は多孔層、425は触媒層、426第二導電層、427は絶縁層である。
厚さ1.1mm程度のガラス基板からなる第一支持体401の片面上に、膜厚900nm程度のSnO2をCVDにより成膜した。なお、ガラス基板およびSnO2は450℃以上の耐熱性を有する。
次に、成膜したSnO2上にYAGレーザー光(基本波長1.06μm)を照射し、照射部分のみを蒸発させてパターニングし、第一導電層412、422を形成した。
その後、太陽電池単位セルの製造例と同様にして、酸化チタンペーストを用いて所定の位置に多孔性半導体層となる層を作製した。
次に、酸化ジルコニウムペーストをスクリーン印刷により多孔性半導体層となる層上の所定の位置に塗布し、レベリングの後、80℃のオーブン中で乾燥させ、空気中、500℃で焼成することにより、多孔性光電変換層413、423となる膜厚20μm程度の多孔性半導体層および膜厚5μm程度の多孔層414、424を作製した。
具体的には、酸化ジルコニウム粒子(直径25nm)を、界面活性剤(キシダ化学社製、商品名:Triton−X)、分散用ガラスビーズ(直径3mm)および溶剤40mlに対して100gのジエチレングリコールモノメチルエーテルと混合し、ペイントシェーカーで2時間分散させることにより酸化ジルコニウムペーストを調整した。重量混合比は、酸化ジルコニウム濃度30%、界面活性剤濃度1%とした。
多孔層の細孔分布特性を測定したところ、30.2nmの細孔半径であった。
また、多孔性光電変換層413、423となる多孔性半導体層と多孔層414、424の細孔分布特性をを同時に測定したところ、それぞれの細孔半径で細細孔半径分布特性の細孔体積変化率ΔVp/Δlog(Rp)のピークが明確となった。PT/PKは1.91であった。
次に、太陽電池単位セルの製造例と同様にして、多孔性半導体層に色素を吸着させて、 多孔性光電変換層413、423を得た。
厚さ10μmのSUS304箔からなる第二導電層416、426の所定の位置に、触媒層415、425として、膜厚300nm程度の白金をスパッタリングにより成膜した。
次いで、第二導電層416、426の一部を第一導電層412、422の一部に銀ペーストを用いて電気的に接触させ、その後、絶縁層417、427として、エポキシ樹脂を塗布し硬化させた。
次に、キャリア輸送層(図示せず)として、高分子電解質形成用のモノマーを多孔性光電変換層413、423および多孔層414、424に注入し、90℃で2時間加熱して、モノマーを重合させた。
高分子電解質中の電解液として、γ−ブチロラクトン(キシダ化学社製)とエチレンカーボネート(キシダ化学社製)の混合溶剤(混合比は、γ―ブチロラクトン:エチレンカーボネート=7:3(容積比))に、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.6モル/リットル、リチウムアイオダイド0.1モル/リットル、ヨウ素0.1モル/リットルを溶解させたものを用いた。
高分子材料としては、化合物Aとして下記の合成方法1により作製した化合物、化合物Bとしてジエチルトルエンジアミンを用いた(混合比は、化合物A:化合物B=13:1(重量比))。
(合成方法1)
反応容器中にポリテトラメチレングリコール(三菱化成工業社製、商品名PTMG2000)100重量部に対して、トリレンジイソシアネート18重量部と触媒としてのジブチルチンジラウレート0.05重量部を加え、80℃で反応させて、分子量2350の化合物Aを得た。
その後、触媒層415、425と多孔層414、424とがそれぞれ対向するように折り曲げた後、第二支持体409として、PET(ポリエチレンテレフタレート)−アルミニウム−PETが積層されたフィルムをEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)シートを用いて、約100℃でラミネートすることにより太陽電池モジュールを得た。
(太陽電池モジュールの製造例2)
図7は、本発明の太陽電池モジュールの層構成を示す概略断面図である。
図7において、501は第一支持体、507は絶縁層、508は第二導電層(第二導電体)、509は第二支持体であり、単位セルCとして、512は第一導電層、513は多孔性光電変換層、514は多孔層、515は触媒層、単位セルDとして、522は第一導電層、523は多孔性光電変換層、524は多孔層、525は触媒層である。
第一支持体501および第一導電層512、522側を受光面とする太陽電池モジュールを作製した。
太陽電池モジュールの製造例1と同様にして、厚さ1.1mm程度のガラス基板からなる第一支持体501の片面上に、膜厚900nm程度のSnO2をCVDにより成膜した。なお、ガラス基板およびSnO2は450℃以上の耐熱性を有する。
次に、成膜したSnO2上にYAGレーザーなどを照射し、照射部分のみを蒸発させてパターニングし、第一導電層512、522を形成した。
太陽電池モジュールの製造例1と同様にして、厚さ50μmのSUS304箔からなる第二導電層508の所定の位置に、触媒層515として、膜厚300nm程度の白金をスパッタリングにより成膜した。
第一導電層512、522を形成した第一支持体501の所定の位置に、白金触媒ペースト(Solaronix社製、Pt−CatalystT/SP)をスクリーン印刷機で印刷し、触媒層525を得た。
次に、太陽電池モジュールの製造例1と同様にして、酸化チタンペーストを用いて第一導電層512と第二導電層508の所定の位置に多孔性半導体層となる層を作製した後、さらに酸化ジルコニウムペーストを用いて多孔層となる層を塗布し、レベリングの後、80℃のオーブン中で乾燥させ、空気中、500℃で焼成することにより、多孔性光電変換層513、523となる、膜厚20μm程度の多孔性半導体層および膜厚5μm程度の多孔層514、524を作製した。
次いで、絶縁層507としてエポキシ樹脂を塗布し、硬化させた後、太陽電池モジュールの製造例1と同様にして、多孔性光電変換層513、523となる多孔性半導体層に色素を吸着させた。
次に、触媒層515、525と多孔層514、524とがそれぞれ対向するように設置し、太陽電池モジュールの製造例1と同様にして、キャリア輸送層(図示せず)として、高分子電解質形成用のモノマーを多孔性光電変換層513、523および多孔層514、524に注入し、90℃で2時間加熱して、モノマーを重合させた。
第二支持体509として、PET−アルミニウム−PETが積層されたフィルムをEVAシートを用いて、約100℃でラミネートすることにより太陽電池モジュールを得た。
(実施例1)
太陽電池単位セルの製造例に基づいて、図1に示される本発明の多孔層を用いた太陽電池(単位セル)を作製した。
第一導電層2付き第一支持体1として、20mm×45mm×4mmのSnO2(フッ素ドープ酸化スズ)付きガラス基板(日本板ガラス社製)を用い、多孔性半導体層を、酸化チタンペーストを用いて大きさが5mm×30mm、焼成後の膜厚が20μmとなるように作製した。なお、毛管力比は1.06であった。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度14.2mA/cm2、開放電圧値0.680V、FF0.670、モジュール変換効率6.47%であった。
得られた結果を表3に示す。
(実施例2)
多孔性半導体層の焼成後の膜厚が5μmとなるようにすること以外は、実施例1と同様にして太陽電池(単位セル)を作製した。なお、毛管力比は1.91であった。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度14.5mA/cm2、開放電圧値0.675V、FF0.656、モジュール変換効率6.42%であった。
得られた結果を表3に示す。
(実施例3)
酸化ジルコニウムと酸化ケイ素の混合ペースト(体積比1:1)を用いて多孔層を作製すること以外は、実施例2と同様にして太陽電池(単位セル)を作製した。なお、毛管力比は1.15であった。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度14.4mA/cm2、開放電圧値0.683V、FF0.671、モジュール変換効率6.60%であった。
得られた結果を表3に示す。
得られた結果から、酸化ジルコニウムより伝導帯準位の高い酸化ケイ素を多孔層に混入することにより、FFと変換効率が向上することがわかる。
Figure 2006244830
(実施例4)
太陽電池単位セルの製造例1に基づいて、図8に示される5個の単位セルを直列に接続した集積化された本発明の太陽電池モジュールを作製した。
第一導電層付き第一支持体61として、57mm×70mm×4mmのSnO2(フッ素ドープ酸化スズ)付きガラス基板(日本板ガラス社製)を用いた。
このSnO2において後述する酸化チタン製多孔性光電変換層を作製する位置62と0.5mm間隔の部分にYAGレーザー光(基本波長1.06μm)を照射し、照射部分64のみを蒸発させてパターニングした。
次に、太陽電池単位セルの製造例と同様にして、酸化チタンペーストをスクリーン印刷により、大きさ5mm×50mmで成膜し、室温で30分間レベリングを行った後、空気中、500℃で焼成させることにより、膜厚20μmの多孔性光電変換層となる多孔性半導体層を得た。なお、印刷位置は第一支持体の端部と多孔性光電変換層の端部が10mm、それぞれの多孔性光電変換層の間隔が3mmとなるようにした。
一方、7.5mm×50mm×50μmのSUS304箔からなる第二導電層にスパッタリングにより、膜厚300nm程度の白金からなる触媒層を成膜し、その端部の1mm×50mmを折り、図8中63の部分に銀ペーストを用いて接着し、多孔性光電変換層と第二導電層間(図3中の絶縁層417、427に対応)にエポキシ樹脂をディスペンサーにより塗布し、硬化させた。
太陽電池単位セルの製造例と同様にして、多孔性半導体層に色素を吸着させた後、太陽電池単位セルの製造例に示した多孔層を5mm×50mmの大きさに加工し、多孔性光電変換層の上部に設置した。なお、毛管力比は1.06であった。
その後、キャリア輸送層として、高分子電解質形成用のモノマーを全体に注入し、90℃で2時間重合させた。
触媒層である白金が多孔層と対向するように折り曲げた後、第二支持体として、PET−アルミニウム−PETが積層されたフィルムをEVAシートを用いて、約100℃でラミネートすることにより太陽電池モジュールを得た。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、構成単位セル換算で短絡電流密度13.5mA/cm2、開放電圧値0.678V、FF0.650、モジュール変換効率5.95%(実効面積基準)であった。
得られた結果を表3に示す。
(実施例5)
実施例3で示した多孔層を用いること以外は、実施例4に基づいて太陽電池モジュールを作製した。なお、毛管力比は1.15であった。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下において動作特性を調べた結果、構成単位セル換算で短絡電流密度13.8mA/cm2、開放電圧値0.681V、FF0.655、モジュール変換効率6.16%(実効面積基準)であった。
得られた結果を表3に示す。
(実施例6)
太陽電池単位セルの製造例2に基づいて、図9に示される5個の単位セルを直列に接続した集積化された本発明の太陽電池モジュールを作製した。
第一導電層付き第一支持体71aとして、57mm×70mm×4mmのSnO2(フッ素ドープ酸化スズ)付きガラス基板(日本板ガラス社製)を用いた。
このSnO2において後述する酸化チタン製多孔性光電変換層を作製する位置72aと0.5mm間隔の部分にYAGレーザー光(基本波長1.06μm)を照射し、照射部分74のみを蒸発させてパターニングした。
次に、太陽電池単位セルの製造例と同様にして、酸化チタンペーストをスクリーン印刷により、大きさ5mm×50mmで成膜し、室温で30分間レベリングを行った後、80℃のオーブン中で乾燥させた。その上に、実施例3と同じ材料を用いてスクリーン印刷で成膜し、室温で30分間レベリングを行った後、空気中、500℃で焼成させることにより、膜厚20μmの多孔性光電変換層となる多孔性半導体層と膜厚5μmの多孔層を得た。なお、印刷位置は第一支持体の端部と多孔性光電変換層の端部が10mm、それぞれの多孔性光電変換層の間隔が3mmとなるようにした。なお、毛管力比は1.15であった。
一方、15mm×50mm×50μmのSUS304箔からなる第二導電層71bの72b部分に、酸化チタンペーストをスクリーン印刷により、大きさ5mm×50mmで成膜し、室温で30分間レベリングを行った後、80℃のオーブン中で乾燥させた。その上に、実施例3と同じ材料を用いてスクリーン印刷で成膜し、室温で30分間レベリングを行った後、80℃のオーブン中で乾燥させた。
その後、73b部分に5mm×50mmの大きさで、白金触媒ペースト(Solaronix社製、Pt−CatalystT/SP)をスクリーン印刷により成膜し、500℃の空気中で焼成させることにより、多孔性光電変換層、多孔層、触媒層を作製した。同様の工程を繰り返すことにより、合計2つの基板を作製した。
太陽電池単位セルの製造例と同様にして、多孔性半導体層に色素を吸着させた後、図9(a)中72aの多孔性光電変換層と図9(b)73bの触媒層が対向するように設置し、キャリア輸送層として、高分子電解質形成用のモノマーを全体に注入し、第二支持体としてPET−アルミニウム−PETが積層されたフィルムをEVAシートを用いて、約90℃で2時間ラミネートすることにより、高分子電解質形成用モノマーの重合と第二支持体のラミネートを同時に行うことにより、太陽電池モジュールの作製を得た。
作製した太陽電池単位セルについて、AM1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、構成単位セル換算で短絡電流密度13.2mA/cm2、開放電圧値0.682V、FF0.650、モジュール変換効率5.85%(実効面積基準)であった。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2006244830
本発明の太陽電池の層構成を示す概略断面図である。 多孔性光電変換層の細孔分布特性を示す図である。 多孔層と多孔性光電変換層の毛管力比率と変換効率およびFFの関係を示す図である。 多孔性光電変換層の細孔分布特性を示したす図である。 本発明の多孔層を用いた太陽電池の多孔性光電変換層の細孔半径と変換効率の関係を示す図である。
本発明の太陽電池モジュールの層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの支持体を示す概略平面図である。 本発明の太陽電池モジュールの支持体を示す概略平面図である。
符号の説明
1、61、71a、71b、401、501 第一支持体
2、412、422、512、522 第一導電層
3、413、423、513、523 多孔性光電変換層
4 キャリア輸送層
5、414、424、514、524 多孔層
6、416、426、508 第二導電層
7、409、509 第二支持体
8 封止材
9、73a、73b、415、425、515、525 触媒層
62、72a、72b 多孔性光電変換層を作製する位置
63 第二導電層の貼付部分
64、74レーザー光の照射部分
417、427、507 絶縁層
A、B、C、D 単位セル

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体と第二支持体との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と、液体またはゲル電解質からなるキャリア輸送層と、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備え、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層を備え、かつ多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 多孔性半導体層と多孔層が、次式で表される多孔層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PT[Pa]:
    T=2σ・cosθT/rT
    (式中、σは液体またはゲル電解質の表面張力[N/m]であり、θTは液体またはゲル電解質と多孔層材料との接触角[°]であり、rTは多孔層の細孔半径[m]である)
    と、次式で表される多孔性光電変換層の液体またはゲル電解質に対する毛管力PK[Pa]:
    K=2σ・cosθK/rK
    (式中、σは液体またはゲル電解質の表面張力[N/m]であり、θKは液体またはゲル電解質と多孔性光電変換層材料との接触角[°]であり、rKは多孔性光電変換層の細孔半径[m]である)
    との比(PT/PK)が0.2〜5の範囲になる層の組み合わせである請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 多孔性半導体層が、次式で表される多孔性光電変換層の細孔半径分布特性:
    K=ΔVK/Δlog(RK)[mm3/nm・g]
    (式中、RKは多孔性光電変換層の細孔半径[nm]であり、ΔVKは単位重量当たりの細孔容積であり、Δlog(RK)は細孔半径の変化である)
    における細孔体積変化率RのピークRpが20〜60nmの範囲になる層である請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 少なくとも一方が光透過性の材料からなる第一支持体と第二支持体との間に、第一支持体上に設けられる第一導電層と、多孔性半導体層に色素を吸着させた多孔性光電変換層と、液体またはゲル電解質からなるキャリア輸送層と、第二支持体に接して設けられる第二導電層とを備え、多孔性光電変換層と第二導電層との間にさらに多孔層を備え、かつ多孔性半導体層と多孔層が、液体またはゲル電解質が多孔性半導体層と多孔層に偏りなく浸透し得る層である請求項1〜3のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池の少なくとも2つ以上が直列に接続され、集積化されてなることを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。
  5. 色素増感型太陽電池の第一支持体上の第一導電層と、それに隣接する他の色素増感型太陽電池の第二支持体上の第二導電層とが電気的に接続されている請求項4に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
  6. 色素増感型太陽電池の第一支持体上の第一導電層と、それに隣接する他の色素増感型太陽電池の第一支持体上の第二導電層とが同一層として構成されている請求項4に記載の色素増感型太陽電池モジュール。
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