JP2010198821A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用されても、光電変換効率の低下を十分に抑制できる光電変換素子を提供すること。
【解決手段】互いに対向する一対の電極1,2と、一対の電極1,2を連結する封止部20と、一対の電極1,2及び封止部20によって包囲されるセル空間に充填される電解質3とを備え、封止部20は、一対の電極1,2間に設けられ、一対の電極1,2の電解質3側の表面1a,2a同士を連結する第1封止部4と、第1封止部4を包囲するように設けられる第2封止部5とを有し、第2封止部5は、第1封止部4と一対の電極2,3との境界11,12と、電極1,2の少なくとも一方の電極2の側面2bと、一対の電極1,2の少なくとも一方の電極2の表面のうち第1封止部4とは反対側の表面2cの一部を覆う光電変換素子100。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感型太陽電池が注目されており、色素増感型太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感型太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極に担持される光増感色素と、作用極と対極とを連結する封止部と、作用極、対極及び封止部によって包囲される空間(以下、「セル空間」と呼ぶ)に配置される電解質層とを備えている。
このような色素増感太陽電池として、封止部を、電解質層の側面、対極の側面及び対極のうち電解質層と反対側の背面の一部を覆う第1封止部と、第1封止部を覆う第2封止部とで構成した色素増感太陽電池が知られている(下記特許文献1)。
特開2008−226782号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の色素増感太陽電池は、特に周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用される場合、光電変換効率の経時的低下について未だ改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用されても、光電変換効率の低下を十分に抑制できる光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、周囲の環境温度の変化により電解質中の揮発性溶質及び電解質溶媒等の成分が揮発してセル空間の内圧が変化する場合、封止部を対極と作用極との間に設け、その封止部によって対極及び作用極の電解質側の表面同士を連結させ、その封止部をさらに別の封止部で覆う構成の方が、電解質層の側面、対極の側面及び対極のうち電解質層と反対側の背面の一部を封止部で覆い、その封止部をさらに別の封止部で覆う構成よりも、光電変換効率の低下を抑制する点で有利であることを見出した。
即ち前者の構成の方が、後者の構成の方よりも、封止部と対極との間で剥離が起こりにくく、電解質の漏洩も起こりにくくなることを見出した。そして、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、互いに対向する一対の電極と、前記一対の電極を連結する封止部と、前記一対の電極及び前記封止部によって包囲されるセル空間に充填される電解質とを備え、前記封止部は、前記一対の電極の間に設けられ、前記一対の電極の前記電解質側の表面同士を連結する第1封止部と、前記第1封止部を包囲するように設けられる第2封止部とを有し、前記第2封止部は、前記第1封止部と前記一対の電極との境界と、前記一対の電極の少なくとも一方の電極の側面と、前記一対の電極の少なくとも一方の電極の表面のうち前記第1封止部とは反対側の表面の一部を覆うことを特徴とする光電変換素子である。
この光電変換素子によれば、仮に電解質が、封止部と、第2封止部によって第1封止部と反対側の表面の一部及び側面が覆われている電極との界面を通過するとした場合、その電極の側面と第2封止部との界面、その電極の表面のうち第1封止部と反対側の表面の一部と第2封止部との界面のみならず、その電極と第1封止部との界面をも通過することになる。即ち第1封止部がない場合に比べて、第1封止部がある方が、電解質が漏洩するにあたって通過しなければならない界面距離が長くなる。このように本発明の光電変換素子は、界面距離が長くなる箇所を有するため、電解質の漏洩を十分に抑制することができる。
また、周囲の環境温度の変化により電解質中の成分が揮発してセル空間の内圧が変化する場合、一対の電極に対しては、両者を近接又は離間させる力が働く。ここで、一対の電極間には第1封止部が設けられており、一対の電極のうち少なくとも一方の電極については、第1封止部と反対側の表面の一部が第2封止部によって覆われている。このため、一対の電極同士を近接させる力が働く場合、一対の電極は電解質側へ動こうとするが、その動きが第1封止部によって規制される。一方、一対の電極同士を離間させる力が働く場合、一対の電極は電解質と反対側へ動こうとするが、第2封止部によって第1封止部と反対側の表面の一部及び側面が覆われている電極については、その動きが第2封止部によって規制される。この結果、第2封止部によって第1封止部と反対側の表面の一部及び側面が覆われている電極については、その側面からの第2封止部の剥離、その表面のうち第1封止部と反対側の表面の一部からの第2封止部の剥離や、その電極の表面からの第1封止部の剥離が十分に抑制され、電解質の漏洩が十分に抑制される。
上記光電変換素子においては、前記一対の電極のうち前記封止部と接触する部位に凹凸部が形成され、前記封止部が前記凹凸部に密着していることが好ましい。
この場合、電解質は、封止部と一対の電極との間の界面を通過する場合に、凹凸部に沿って通過するため、凹凸部がない場合に比べて界面距離が長くなるとともに、封止部が電極に対して強固に固定される。
上記光電変換素子においては、前記第1封止部及び前記第2封止部が同一の樹脂を含有することが好ましい。
この場合、第1封止部及び第2封止部が同一の樹脂を含有しない場合に比べて、第1封止部と第2封止部との密着性が向上する。このため、周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧が変化し、一対の電極同士を互いに離間させる力が働いた場合であっても、第2封止部によって第1封止部と反対側の表面の一部及び側面が覆われている電極については、第2封止部によって、電解質と反対側への動きをより規制することができる。
但し、上記光電変換素子において、前記第1封止部及び前記第2封止部を構成する樹脂がアイオノマー系樹脂又はエチレン−メタクリル酸共重合体からなり、前記第1封止部を構成する樹脂が、前記第2封止部を構成する樹脂と異なっていてもよい。この場合、アイオノマー樹脂は、エチレンーメタクリル酸共重合体を金属イオンで部分中和しただけのものであるため、エチレンーメタクリル酸共重合体との接着性及び密着性に優れる。
上記光電変換素子において、前記第1封止部が、前記一対の電極を結ぶ方向に沿って、無機材料からなる無機封止部と、樹脂からなる樹脂封止部とを有することが好ましい。
この場合、封止部のうちの無機封止部によって電解質の透過が阻止される。このため、封止部のうち、無機封止部に比べて電解質が透過しやすい樹脂封止部の割合を減少させることができる。このため、電解質の漏洩をより十分に抑制することができる。
本発明によれば、周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用されても、光電変換効率の低下を十分に抑制できる光電変換素子が提供される。
本発明の光電変換素子の第1実施形態を示す断面図である。 図1の部分拡大図である。 本発明の光電変換素子の第2実施形態を示す断面図である。 図3の部分拡大図である。 本発明の光電変換素子の第3実施形態を示す断面図である。 本発明の光電変換素子の第4実施形態を示す断面図である。 本発明の光電変換素子の第5実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず本発明に係る光電変換素子の第1実施形態について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明に係る色素増感型太陽電池の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1の部分拡大図である。
図1には、光電変換素子としての色素増感型太陽電池100が示されている。図1に示すように、色素増感型太陽電池100は、作用極1と、作用極1に対向するように配置される対極2とを備えている。作用極1には光増感色素が担持されている。作用極1と対極2とは、封止部20によって連結されている。そして、作用極1と対極2と封止部20とによって包囲されるセル空間内には電解質3が充填されている。
封止部20は、作用極1と対極2との間に設けられる第1封止部4と、第1封止部4を包囲するように設けられる第2封止部5とで構成されている。図2に示すように、第1封止部4は、作用極1の表面1a及び対極2の表面2a同士を連結している。第2封止部5は、第1封止部4及び作用極1の境界11と、第1封止部4及び対極2の境界12と、対極2の側面2bと、対極2の表面のうち第1封止部4とは反対側の表面(以下、「背面」と呼ぶ)2cの一部とを覆っている。
作用極1は、透明基板6と、透明基板6の対極2側に設けられる透明導電膜7と、透明導電膜7の上に設けられる多孔質酸化物半導体層8とを備えている。光増感色素は作用極1のうちの多孔質酸化物半導体層8に担持されている。
透明基板6を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板6の厚さは、色素増感型太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50μm〜10000μmの範囲にすればよい。
透明導電膜7を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(Fluorine−doped−Tin−Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜7は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜7が単層で構成される場合、透明導電膜7は、高い耐熱性及び耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。また透明導電膜7として、複数の層で構成される積層体を用いると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOで構成される層と、FTOで構成される層との積層体を用いることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電膜7が実現できる。透明導電膜7の厚さは例えば0.01μm〜2μmの範囲にすればよい。
多孔質酸化物半導体層8は、多孔質酸化物半導体で構成される。多孔質酸化物半導体は、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される酸化物半導体粒子で構成される。これら酸化物半導体粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、即ち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。ここで、多孔質酸化物半導体層8が、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させてなる積層体で構成されることが好ましい。この場合、積層体内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、入射光を積層体の外部へ逃がすことなく効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層8の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層8は、異なる材料からなる複数の半導体層の積層体で構成することもできる。
光増感色素としては、例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や、ポルフィリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
対極2は、対極基板9と、対極基板9のうち作用極1側に設けられて対極2の表面における還元反応を促進する導電性の触媒膜10とを備えている。
対極基板9は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料や、ITO、FTO等の導電性酸化物や、炭素、導電性高分子で構成される。対極基板9の厚さは、色素増感型太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005mm〜0.1mmとすればよい。
触媒膜10は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
電解質3は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。色素増感太陽電池100は、酸化還元対としてI/I のような揮発性溶質及び、高温下で揮発しやすいアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルのような有機溶媒を含む電解液を電解質3として用いた場合に特に有効である。この場合、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が特に大きくなり、封止部20と対極2との界面、および封止部20と作用極1との界面から電解質3が漏洩しやすくなるからである。なお、上記揮発性溶媒にはゲル化剤を加えてもよい。また電解質3は、イオン液体と揮発性成分との混合物からなるイオン液体電解質で構成されてもよい。この場合も、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が大きくなるためである。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。また揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I、4−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。さらに電解質3としては、上記イオン液体電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットイオンゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化したイオン液体電解質を用いてもよい。
第1封止部4及び第2封止部5を構成する材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料や銀などの金属材料、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。ここで、第1封止部4と第2封止部5との密着性を向上させる観点からは、第1封止部4及び第2封止部5を構成する材料は同一の樹脂を含むことが好ましい。但し、第1封止部4及び第2封止部5を構成する樹脂がアイオノマー又はエチレン−メタクリル酸共重合体からなり、第1封止部4を構成する樹脂が、第2封止部5を構成する樹脂と異なっていてもよい。即ち第1封止部4を構成する樹脂がアイオノマーからなり、第2封止部5を構成する樹脂がエチレン−メタクリル酸共重合体からなるか、又は、第1封止部4を構成する樹脂がエチレン−メタクリル酸共重合体からなり、第2封止部5を構成する樹脂がアイオノマーからなってもよい。この場合、アイオノマー樹脂は、エチレンーメタクリル酸共重合体を金属イオンで部分中和しただけのものであるため、エチレンーメタクリル酸共重合体との接着性及び密着性に優れる。
上述した色素増感型太陽電池100によれば、仮に電解質3が封止部20と対極2との界面を通過するとした場合、電解質3は、対極2の側面2bと第2封止部5との界面、対極2の背面2cの一部と第2封止部5との界面のみならず、対極2と第1封止部4との界面をも通過することになる。即ち第1封止部4がない場合に比べて、第1封止部4がある方が、電解質3が漏洩するにあたって通過しなければならない界面距離が長くなる。このように色素増感型太陽電池100は、界面距離が長くなる箇所を有するため、電解質3の漏洩を十分に抑制することができる。
また、周囲の環境温度の変化により電解質3中の成分の熱膨張及び揮発によってセル空間の内圧が変化する場合、作用極1及び対極2には、両者を近接又は離間させる力が働く。ここで、作用極1及び対極2間には第1封止部4が設けられており、対極2については、対極2の背面2cの一部が第2封止部5によって覆われている。このため、作用極1及び対極2同士を近接させる力が働いた場合、作用極1及び対極2は電解質3側へ動こうとするが、その動きが第1封止部4によって規制される。
一方、作用極1及び対極2同士を離間させる力が働いた場合、作用極1及び対極2は電解質3と反対側へ動こうとするが、対極2についてはその動きが第2封止部5によって規制される。この結果、その側面2bからの第2封止部5の剥離、対極2の背面2cの一部からの第2封止部5の剥離や、対極2の表面2aからの第1封止部4の剥離が十分に抑制され、電解質3の漏洩が十分に抑制される。
以上より、色素増感型太陽電池100によれば、周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用されても、光電変換効率の低下を十分に抑制できる。
また第1封止部4及び第2封止部5が同一の樹脂を含有している場合、含有しない場合に比べて、第1封止部4と第2封止部5との密着性及び接着性が向上する。このため、周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧が変化し、作用極1及び対極9同士を互いに離間させる力が働いた場合であっても、対極2については、第2封止部5によって、電解質3と反対側への動きをより規制することができる。
次に、色素増感型太陽電池100の製造方法について説明する。
まず作用極1を以下のようにして準備する。
はじめに透明基板6の上に透明導電膜7を形成して積層体を形成する。透明導電膜7の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD:Spray Pyrolysis Deposition)及びCVD法などが用いられる。これらのうちスプレー熱分解法が装置コストの点から好ましい。
次に、上記のようにして得られた積層体の透明導電膜7上に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷する。半導体層形成用ペーストは、上述した酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
次に、半導体層形成用ペーストを焼成して透明導電膜7上に多孔質酸化物半導体層8を形成する。焼成温度は酸化物半導体粒子により異なるが、通常は350℃〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子により異なるが、通常は1〜5時間である。
次に、作用極1の多孔質酸化物半導体層8に光増感色素を担持させる。このためには、作用極1を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その色素を多孔質酸化物半導体層8に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層8に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層8に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体多孔膜に吸着させても、光増感色素を多孔質酸化物半導体層8に担持させることが可能である。
一方、以下のようにして対極2を準備する。
まず対極基板9を準備する。そして、対極基板9の上に触媒膜10を形成する。触媒膜10の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。
次に、例えば熱可塑性樹脂からなるシートを準備し、色素を担持した作用極1と対極2とで上記シートを挟み、シートを加熱溶融させることにより作用極1と対極2とを接着して連結する。こうして作用極1と対極2との間に第1封止部4を形成する。このとき、対極2には、電解質3を注入するための貫通孔(図示せず)を予め形成しておく。
そして、対極2に形成された貫通孔を通して、作用極1と対極2と第1封止部4とによって包囲されたセル空間内に電解質3を注入して充填する。
電解質3の充填後、その貫通孔を、例えば上記シートと同様のシートで封止する。
最後に、第1封止部4及び対極2の境界11と、第1封止部4及び作用極1の境界12と、対極2の側面2bと、対極2の背面2cの一部を覆うように且つ第1封止部4を包囲するように第2封止部5を形成する。こうして、色素増感型太陽電池100が得られ、色素増感型太陽電池100の製造が完了する。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る光電変換素子の第2実施形態について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本発明に係る光電変換素子の第2実施形態を示す断面図、図4は、図3の部分拡大図である。なお、図3及び図4において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図3及び図4に示すように、本実施形態の色素増感太陽電池200は、作用極1と封止部20とが接触する部位に凹凸部201が形成され、対極2と封止部20とが接触する部位に凹凸部202が形成され、封止部20が凹凸部201及び凹凸部202のそれぞれに密着している点で第1実施形態の色素増感太陽電池100と相違する。
ここで、上記凹凸部201,202は、作用極1と対極2とを熱可塑性樹脂シートで接着させる前に、作用極1及び対極2のそれぞれについて形成される。作用極1については、その表面1aのうち封止部20を接着させる部位に対して凹凸部201が形成される。また対極2については、対極2の表面2aのうち封止部20を接着させる部位、対極2の側面2b、及び対極2の背面2cのうち第2封止部5を覆う部位に対して凹凸部202が形成される。上記の凹凸部201,202は、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨紙(例えば300〜1000番)により研磨する方法を用いることによって形成することができる。このとき、凹凸部は、表面粗さRzが例えば1μm〜2000μm、好ましくは10μm〜1500μmとするように形成すればよい。ただし、凹凸部201、202のRzの値はそれぞれ作用極1、対極2の総厚の1/2以下であることが好ましい。例えば、対極2の総厚が100μmである場合には、より好ましいRzは10μm〜50μmであり、作用極1の総厚が4000μmである場合にはより好ましいRzは10μm〜150μmとなる。なお、凹凸部201,202を、切断機を用いて溝を形成することで作製することもできる。この場合、溝の深さはそれぞれ作用極1、対極2の総厚の1/4以下であればよい。
色素増感太陽電池200によれば、電解質3は、封止部20と作用極1との界面を通過する場合には、凹凸部201に沿って通過するため、凹凸部201がない場合に比べて界面距離が長くなる。また電解質3は、封止部20と対極2との界面を通過する場合には、凹凸部202に沿って通過するため、凹凸部202がない場合に比べて界面距離が長くなる。さらに封止部20が作用極1の凹凸部201に密着し、対極2の凹凸部202に密着しているため、界面の面積が増大する。このため、作用極1及び対極2のそれぞれに対する封止部20の密着性が向上する。従って、色素増感太陽電池200によれば、第1実施形態に係る色素増感太陽電池100と比べて、光電変換効率の経時的低下をより十分に抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る光電変換素子の第3実施形態について図5を用いて説明する。図5は、本発明に係る光電変換素子の第3実施形態を示す断面図である。なお、図5において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の色素増感太陽電池300は、第1封止部4が、作用極1及び対極2を結ぶ方向に沿って、無機材料からなる無機封止部4Aと、樹脂からなる樹脂封止部4Bとを有する点で第1実施形態の色素増感太陽電池100と相違する。
無機封止部4Aを構成する無機材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料や、銀などの金属材料が挙げられる。無機封止部4Aとしては、作用極1の表面1a上に形成される配線部を用いることもできる。ここで、配線部は、銀などの金属材料からなる集電配線と、それを被覆し非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料からなる配線保護層から構成されるものである。
樹脂封止部4Bを構成する樹脂としては、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
色素増感太陽電池300によれば、第1封止部4のうちの無機封止部4Aによって電解質3の透過が阻止される。このため、第1封止部4のうち、無機封止部4Aに比べて電解質3が透過しやすい樹脂封止部4Bの割合を減少させることができる。従って、色素増感太陽電池300によれば、第1実施形態に係る色素増感太陽電池100と比べて、電解質3の漏洩をより十分に抑制することができ、ひいては光電変換効率の経時的低下をより十分に抑制することができる。
なお、図5においては、無機封止部4Aが作用極1上に設けられ、樹脂封止部4Bが対極2上に設けられているが、無機封止部4Aが対極2上に設けられ、樹脂封止部4Bが作用極1上に設けられていてもよい。また図5においては、第1封止部4は、1つの無機封止部4A及び1つの樹脂封止部4Bとから構成されているが、無機封止部4A及び樹脂封止部4Bの少なくとも一方を2つ以上にした構成とすることも可能である。
本発明は、上記第1〜第3実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1〜第3実施形態においては、第2封止部5は、作用極1及び第1封止部4の境界11、対極2及び第1封止部4の境界12と、対極2の側面2bと、第1封止部4と反対側の背面2cの一部を覆い、作用極1の側面1b及び作用極1の表面のうち第1封止部4と反対側の表面の一部を覆っていないが、第2封止部5は、図6に示す色素増感太陽電池400のように、さらに作用極1の側面1b、作用極1の第1封止部4と反対側の表面の一部を覆っていてもよい。また図7に示す色素増感太陽電池500のように、対極2として、作用極1よりも大きい面積を有するものを用い、第2封止部5が、作用極1及び第1封止部4の境界11、対極2及び第1封止部4の境界12、作用極1の側面1b及び作用極1の表面のうち第1封止部4と反対側の表面1cの一部を覆い、対極2の側面1bおよび対極2の背面2cの一部は覆わない構成であってもよい。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、10cm×10cm×4mmのFTO基板を準備した。続いて、FTO基板の上に、ドクターブレード法によって酸化チタンペースト(Solaronix社製、Ti nanoixide T/sp)を、その厚さが10μmとなるように塗布した後、熱風循環タイプのオーブンに入れて500℃で3時間焼成し、FTO基板上に多孔質酸化物半導体層を形成し、5cm×5cmの積層体を得た。次に、積層体に2つの貫通孔を形成し、作用極を得た。
次に、この作用極を、光増感色素であるN719色素を0.2mM溶かした脱水エタノール液中に一昼夜浸漬して作用極に光増感色素を担持させた。
一方、6cm×6cm×35μmのチタン箔からなる対極基板を準備した。そして、対極基板上に、スパッタリング法により、厚さ10nmの白金触媒膜を形成し、対極を得た。
そして、作用極と対極とで、アイオノマーであるハイミラン(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる6cm×6cm×100μmのシートの中央に、5cm×5cm×100μmの開口を形成した樹脂シートを挟んだ。このとき、この樹脂シートの内側に、多孔質酸化物半導体層が配置されるようにした。そして、この樹脂シートを180℃で5分間加熱し溶融させ、作用極と対極とを接着し、作用極と対極との間に第1封止部を設けた。
次いで、作用極に形成した貫通孔を通して、メトキシアセトニトリルを主溶媒とし、ヨウ化リチウムを0.1M、ヨウ素を0.05M、4−tert−ブチルピリジンを0.5M含む電解質を、作用極と対極と封止部とによって包囲されるセル空間内に注入して充填させた。そして、作用極に形成した貫通孔を、上記シートと同様のハイミランを用いて封止した。次に、紫外線硬化性樹脂(UV硬化性樹脂)である31x−101(商品名、スリーボンド社製)を準備した。次いで、第1封止部及び対極との境界と、第1封止部及び作用極の境界と、対極の側面と、対極の背面の一部を覆うように且つ第1封止部を包囲するようにUV硬化性樹脂を塗布した。そして、室温乾燥雰囲気の環境下で、UV硬化性樹脂に紫外線を照射することによって、UV硬化性樹脂を硬化させ、UV硬化樹脂からなる第2封止部を形成した。こうして色素増感型太陽電池を得た。
(実施例2)
第2封止部を構成する材料として、ビニルアルコール重合体であるポバール(商品名、クラレ社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、第2封止部は、次のようにして形成した。即ちまずポバールを純水に溶解させた水溶液を準備した。次いで、第1封止部及び対極との境界と、第1封止部及び作用極の境界と、対極の側面と、対極の背面の一部を覆うように且つ第1封止部の周囲を包囲するように上記水溶液を塗布した。そして、室温乾燥雰囲気の環境下で、溶媒である水を自然乾燥させて、ポバールからなる第2封止部を形成した。
(実施例3)
第1封止部を構成する材料として、エチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレル(三井・デュポンポリケミカル社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例4)
第1封止部を構成する材料として、ニュクレルを用い、第2封止部を構成する材料として、実施例2のポバールを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例5)
第2封止部を構成する材料として、ニュクレルを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、第2封止部は、次のようにして形成した。即ちまずフィルム状ニュクレルを準備した。次いで、第1封止部及び対極との境界と、第1封止部及び作用極の境界と、対極の側面と、対極の背面の一部とを覆うように且つ第1封止部を包囲するようにニュクレルフィルムを配置し、第2封止部形成部を覆うようにテフロンフィルムをかぶせ、テフロンフィルムを越しにニュクレルを加熱溶融させ、室温で自然冷却させたのち、テフロンフィルムを除去することで第2封止部を形成した。即ち、テフロンフィルムは離型フィルムとして使用した。
(実施例6)
第2封止部を構成する材料として、ハイミランを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、第2封止部は、次のようにして形成した。即ちまずアイオノマーであるハイミランフィルムを準備した。次いで、第1封止部及び対極との境界と、第1封止部及び作用極の境界と、対極の側面と、対極の背面の一部とを覆うように且つ第1封止部を包囲するようにハイミランフィルムを配置し、第2封止部形成部を覆うようにテフロンフィルムをかぶせ、テフロンフィルム越しにハイミランを加熱溶融させ、室温で自然冷却させたのち、テフロンフィルムを除去することで第2封止部を形成した。
(実施例7)
第1封止部を構成する材料として、ニュクレルを用い、第2封止部を構成する材料として、ニュクレルを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。このとき、第2封止部は、実施例5と同様にして形成した。
(実施例8)
第1封止部を構成する材料として、ニュクレルを用い、第2封止部を構成する材料として、ハイミランを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。このとき、第2封止部は、実施例6と同様にして形成した。
(実施例9)
対極の白金薄膜上に、UV硬化樹脂の前駆体としてのUV硬化性樹脂である31x−101cを塗布した後、対極と作用極とを対向させ、UV硬化性樹脂に紫外線を照射してUV硬化性樹脂を硬化させることによって第1封止部を形成したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(実施例10)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約100μmとなるようにした。
(実施例11)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例2と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例12)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例3と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例13)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例4と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例14)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例5と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例15)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例6と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例16)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例7と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例17)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例8と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(実施例18)
対極のうち封止部と接触する部位、および、作用極のうち封止部と接触する部位に凹凸部を形成したこと以外は実施例9と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
このとき、凹凸部の形成はサンドブラスト法を用い、表面粗さRが約10μmとなるようにした。
(比較例1)
第2封止部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例2)
第2封止部を形成しなかったこと以外は実施例3と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例3)
第1封止部を構成する材料として、エチレン−ビニルアルコール共重合体であるエバール(商品名、クラレ社製)を用い、第2封止部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例4)
第1封止部を構成する材料として、ポバールを用い、第2封止部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
(比較例5)
第2封止部を形成しなかったこと以外は実施例9と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
[熱サイクル試験による光電変換効率の変化についての評価:評価1]
実施例1〜18及び比較例1〜5で得られた色素増感太陽電池について、光電変換効率を測定した後、熱サイクル試験を行った。熱サイクル試験後、色素増感太陽電池について再度光電変換効率を測定し、光電変換効率の低下率を算出した。結果を表1に示す。なお、表1においては、光電変換効率の低下率の値に応じて以下のように表示することとした。
10%以下・・・・・・・・・・・◎
10%超20%以下・・・・・・・○
20%超・・・・・・・・・・・・×
と表示することとした。
なお、熱サイクル試験は、−40℃から90℃まで昇温させ、90℃で10分間保持し、その後、90℃から−40℃まで降温させ、−40℃で10分間保持するというサイクルを1サイクルとし、これを100回行った。このとき、昇温速度及び降温速度はいずれも10℃/minとした。
[熱サイクル試験による電解質残存率の評価:評価2]
実施例1〜18及び比較例1〜5で得られた色素増感太陽電池について、上記と同様の熱サイクル試験を行い、その後、色素増感太陽電池(セル)の容積、即ち作用極と対極と封止部とによって囲まれるセル空間の容積、に占める電解質の残存量の割合を測定した。結果を表1に示す。なお、表1においては、電解質残存割合の値によって以下のように表示することとした。
90%以上・・・・・・・・・・・◎
80%以上90%未満・・・・・・○
80%未満・・・・・・・・・・・×
漏洩が特に確認できない・・・・・●
Figure 2010198821
表1に示す結果より、実施例1〜18の色素増感型太陽電池は、比較例1〜5の色素増感型太陽電池に比べて、熱サイクル試験後による光電変換効率の低下が十分小さく、且つ電解質の残存割合も高いことが分かった。
よって、本発明の光電変換素子によれば、周囲の環境温度の変化が大きい場所で使用されても、光電変換効率の低下を十分に抑制できることが確認された。
1…作用極(電極)、1b…作用極の側面、1c…作用極の表面のうち第1封止部と反対側の表面、2…対極(電極)、2b…対極の側面、2c…対極の表面のうち第1封止部と反対側の表面、3…電解質、4…第1封止部、5…第2封止部、11…作用極と第1封止部との境界、12…対極と第1封止部との境界、201,202…凹凸部、20…封止部、100,200,300,400,500…色素増感型太陽電池(光電変換素子)。

Claims (5)

  1. 互いに対向する一対の電極と、
    前記一対の電極を連結する封止部と、
    前記一対の電極及び前記封止部によって包囲されるセル空間に充填される電解質とを備え、
    前記封止部は、
    前記一対の電極の間に設けられ、前記一対の電極の前記電解質側の表面同士を連結する第1封止部と、
    前記第1封止部を包囲するように設けられる第2封止部とを有し、
    前記第2封止部は、
    前記第1封止部と前記一対の電極との境界と、前記一対の電極の少なくとも一方の電極の側面と、前記一対の電極の少なくとも一方の電極の表面のうち前記第1封止部と反対側の表面の一部を覆うこと、
    を特徴とする光電変換素子。
  2. 前記一対の電極のうち前記封止部と接触する部位に凹凸部が形成され、
    前記封止部が前記凹凸部に密着していること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1封止部及び前記第2封止部が同一の樹脂を含有すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第1封止部及び前記第2封止部を構成する樹脂がアイオノマー系樹脂又はエチレン−メタクリル酸共重合体からなり、前記第1封止部を構成する樹脂が、前記第2封止部を構成する樹脂と異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  5. 前記第1封止部が、前記一対の電極を結ぶ方向に沿って、無機材料からなる無機封止部と、樹脂からなる樹脂封止部とを有すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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