JP2013054827A - 色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】透明基板10と、透明基板10上に設けられる複数の電池部20A〜20Cを有し、電池部20A〜20Cがそれぞれ、一対の電極30,40と、一対の電極30,40の間に配置される電解質60と、一対の電極30,40を連結し、一対の電極30,40とともに電解質60を封止する環状の封止部50とを有する色素増感太陽電池モジュール100であって、透明基板10の電池部20A〜20C側に設けられ、封止部50の外周面50aに入射する紫外線を遮蔽する第1紫外線遮蔽部70と、透明基板10のうち電池部20A〜20Cと反対側の表面上に設けられ、封止部50に向かう紫外線を遮蔽する第2紫外線遮蔽部80とを備え、第1紫外線遮蔽部70の少なくとも一部が、複数の電池部20A〜20Cを包囲するように設けられている、色素増感太陽電池モジュール100。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池モジュールに関する。
光電変換素子として、安価で、高い発電効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極及び対極を連結する封止部と、作用極、対極及び封止部とによって囲まれる電解質とを備えている。
このような色素増感太陽電池として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。すなわち、特許文献1には、半導体電極と半導体電極の受光面上に隣接して配置される透明電極とを有する光電極と、対極と、光電極と対極とを連結するスペーサとを有し、半導体電極と対極とが電解質を介して対向配置された色素増感太陽電池が開示されている。そして、この色素増感太陽電池においては、光電極の受光面に隣接して、290nm以上385nm以下の波長を有する光の透過率が0.2%以下で、450nm以上900nm以下の波長を有する光の透過率が85%以上である光透過性を有する光吸収部材が設けられている。特許文献1には、光吸収部材において特に385nm以下の波長の光を有効に吸収させることにより、色素の分解反応を抑制して色素の安定性を向上させ、耐久性を向上させることが記載されている。
特開2004−349129号公報
ところで、色素増感太陽電池は、複数の色素増感太陽電池を有する色素増感太陽電池モジュールを構成するものとして使用されることがある。
しかし、上述した特許文献1に記載の色素増感太陽電池を色素増感太陽電池モジュールに適用しても、光電変換特性の低下を十分に抑制できない場合があり、耐久性の点で改善の余地があった。そのため、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュールが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献1に記載の色素増感太陽電池において、光電変換特性の低下を十分に抑制できない場合がある原因について検討した。その結果、紫外線によるスペーサの劣化が光電変換特性を低下させる原因となっているのではないかと本発明者は考えた。すなわち、特許文献1の色素増感太陽電池においては、光吸収部材が光電極の受光面に隣接して設けられているため、受光面側からスペーサに向かう紫外線の入射は抑制される。しかし、特許文献1に記載の色素増感太陽電池においては、スペーサの外周面が露出しているため、スペーサの外周面から紫外線が入射し、スペーサが劣化する。ここで、色素増感太陽電池には、その外周縁部を固定する外枠部材が設けられることがある。このため、外枠部材がスペーサの外周面を覆うように設けられていれば、スペーサの外周面からの紫外線の入射についても防止することが可能となる。
しかし、外枠部材は必ずしも、スペーサの外周面を覆うように設けられるものではない。また、複数の色素増感太陽電池を1つの共通の透明基板上に有する色素増感太陽電池においては、外枠部材を設けるだけではスペーサの外周面からの紫外線の入射を確実に防止することができない場合がある。すなわち、複数の色素増感太陽電池を1つの共通の透明基板上に有する色素増感太陽電池においては、外枠部材を設けても、複数の色素増感太陽電池のスペーサのうち紫外線の入射を防止できない箇所が現れる場合がある。
こうしてスペーサが紫外線により劣化すると、スペーサの粘度が低下してスペーサが柔らかくなる。このため、色素増感太陽電池モジュールが高温環境下におかれ、光電極と対極とスペーサとによって形成されるセル空間が膨張すると、スペーサが容易に延びることによって電極間の距離が増大し、スペーサがもとの状態に戻りにくくなる。またスペーサの劣化によってスペーサの持つ封止能が低下し、電解質の漏洩が起こる。その結果、色素増感太陽電池モジュールにおいて、光電変換特性の低下が起こるのではないかと本発明者は考えた。そこで、本発明者は、さらに鋭意検討を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、透明基板と、前記透明基板上に設けられる複数の電池部を有し、前記電池部がそれぞれ、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置される電解質と、前記一対の電極を連結し、前記一対の電極とともに前記電解質を封止する環状の封止部とを備える色素増感太陽電池モジュールであって、前記透明基板の前記電池部側に設けられ、前記封止部の外周面に入射する紫外線を遮蔽する第1紫外線遮蔽部と、少なくとも前記透明基板のうち前記電池部と反対側の表面上に設けられ、前記封止部に向かう紫外線を遮蔽する第2紫外線遮蔽部とを備え、前記第1紫外線遮蔽部の少なくとも一部が、前記複数の電池部を包囲するように設けられている色素増感太陽電池モジュールである。
この色素増感太陽電池モジュールによれば、透明基板のうち電池部と反対側の表面側から光が入射されようとしても、光に含まれる紫外線は、第2紫外線遮蔽部によって遮蔽され、封止部に入射することが十分に抑制される。また封止部の外周面側から光が入射されようとしても、光に含まれる紫外線は、複数の電池部を包囲する第1紫外線遮蔽部によって遮蔽され、封止部の外周面に入射することが抑制される。このため、紫外線による封止部の劣化が十分に抑制され、封止部の粘度の低下を十分に抑制することができる。したがって、色素増感太陽電池モジュールが高温環境下におかれ、一対の電極と封止部とによって形成されるセル空間が膨張しても、一対の電極間の距離の増大が抑制される。また封止部の劣化が十分に抑制されるため、封止部の封止能の低下も十分に抑制することができ、電解質の漏洩を十分に抑制することもできる。よって、各電池部において、光電変換特性の低下が十分に抑制される。以上より、本発明の色素増感太陽電池モジュールによれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池モジュールは、前記封止部が、熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む場合に特に有効である。熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む封止部に紫外線が入射されると、紫外線の持つエネルギーにより樹脂中の分子鎖が特に切断され易く、粘度の低下や封止部自体の劣化が比較的起こり易い。その点、本発明の色素増感太陽電池モジュールは、第1紫外線遮蔽部及び第2紫外線遮蔽部により封止部の劣化が抑制されるため、有効である。
上記色素増感太陽電池モジュールにおいて、前記第1及び第2紫外線遮蔽部の少なくとも一方が、樹脂を含む樹脂含有層で構成され、前記樹脂含有層が、前記樹脂と金属酸化物との混合物で構成されていることが好ましい。
この場合、第1及び第2紫外線遮蔽部のうち樹脂含有層で構成される紫外線遮蔽部の紫外線遮蔽効果がより向上し、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュールが実現される。
上記色素増感太陽電池モジュールにおいて、前記一対の電極のうち前記透明基板側の電極が、前記透明基板上に設けられる透明導電膜と、前記透明導電膜上に設けられる酸化物半導体層とを有し、前記一対の電極のうち前記透明基板から遠い側の電極が対極基板を有し、前記対極基板が、前記複数の電池部に共通の対極基板であってもよい。
上記色素増感太陽電池モジュールにおいて、複数の電池部同士が互いに離間していてもよい。
上記色素増感太陽電池モジュールにおいて、前記一対の電極のうち前記透明基板側の電極が、前記透明基板上に設けられる透明導電膜と、前記透明導電膜上に設けられる酸化物半導体層と、前記透明導電膜上に設けられ、集電配線と、前記集電配線を覆って保護する配線保護層とを有する配線部とを有する場合には、少なくとも前記透明基板のうち前記電池部とは反対側の表面上に、前記配線保護層に向かう紫外線を遮蔽する第3紫外線遮蔽部が設けられており、前記配線保護層の少なくとも一部が樹脂を含むことが好ましい。
この場合、透明基板のうち電池部と反対の表面側から光が入射されようとしても、光に含まれる紫外線は、第3紫外線遮蔽部によって遮蔽され、配線保護層に含まれる樹脂に入射することが十分に抑制される。このため、紫外線による配線保護層の樹脂の劣化が十分に抑制され、電解質による集電配線の腐食が十分に抑制される。その結果、本発明の色素増感太陽電池モジュールによれば、光電変換特性の低下を十分に抑制することができる。
本発明によれば、優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュールが提供される。
本発明に係る色素増感太陽電池モジュールの一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る色素増感太陽電池モジュールの他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明に係る色素増感太陽電池モジュールの好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、色素増感太陽電池モジュール100は、透明基板10と、透明基板10の一面10a上に設けられる複数(図1では3つ)の電池部20とを有する。すなわち、透明基板10は、全電池部20に共通の透明基板となっている。以下、説明の便宜上、色素増感太陽電池モジュール100において3つの電池部20を電池部20A,20B,20Cと呼ぶことがある。なお、複数の電池部20は直列接続されてもよいし、並列接続されてもよい。また複数の電池部20の一部を直列接続とし、残部を並列接続としてもよい。
まず電池部20Aについて説明する。
電池部20Aは、透明基板10側に設けられる作用極30と、作用極30に対向する対極40と、作用極30と対極40との間に配置される電解質60と、作用極30及び対極40を連結し、作用極30及び対極40とともに電解質60を封止する環状の封止部50とを備えている。
作用極30は、透明基板10の上に設けられる透明導電膜31と、透明導電膜31の上に設けられる多孔質酸化物半導体層32と、透明導電膜31の上において多孔質酸化物半導体層32の周囲に設けられる配線部33とを有している。配線部33は、透明導電膜31上に設けられる集電配線34と、集電配線34を覆って保護する配線保護層35とを有している。多孔質酸化物半導体層32には光増感色素が担持されている。
一方、対極40は、光を遮蔽する対極基板41と、対極基板41の作用極30側に設けられて触媒反応を促進する触媒層42とを備えている。
電池部20B,20Cも、電池部20Aと同一の構成を有している。但し、本実施形態の色素増感太陽電池モジュール100において、電池部20A,20B,20Cは互いに離間している。すなわち、電池部20A〜20Cの透明導電膜31、環状の封止部50、及び対極40は透明基板10上で互いに離間して設けられている。
また透明基板10の電池部20A〜20C側には、複数の電池部20A〜20Cを覆うように、電池部20A〜20Cの封止部50の外周面50aに入射する紫外線を遮蔽するシート状の第1紫外線遮蔽部70が設けられている。ここで、第1紫外線遮蔽部70の一部は、電池部20A〜20Cを包囲するように設けられている。第1紫外線遮蔽部70の縁部は、透明基板10の電池部20側の表面10aであって、環状の封止部50の外周領域に直接固定されている。
また透明基板10のうち電池部20A〜20Cと反対側の表面10bには、封止部50に向かう紫外線を遮蔽するフィルム状の第2紫外線遮蔽部80が設けられている。フィルム状の第2紫外線遮蔽部80は、透明基板10のうち電池部20A〜20Cと反対側の表面10bの全体を覆っている。そして、第1紫外線遮蔽部70の縁部と透明基板10の縁部と第2紫外線遮蔽部80の縁部とが、環状の外枠部材90によって積層状態で固定されている。環状の外枠部材90は、具体的には、環状の本体部91と、本体部91の両端部からそれぞれ内側に向かって延びる一対の突出部92a,92bとを有しており、一対の突出部92a,92bにより、第1紫外線遮蔽部70の縁部が透明基板10側に密着され、第2紫外線遮蔽部80の縁部も透明基板10側に密着されている。なお、外枠部材90は、複数の固定部に分割されていてもよい。なお、色素増感太陽電池モジュール100においては、第2紫外線遮蔽部80は、第3紫外線遮蔽部を兼ねている。
この色素増感太陽電池モジュール100によれば、以下の作用効果が奏される。すなわち、色素増感太陽電池モジュール100によれば、透明基板10の表面10b側から光が入射されようとしても、光に含まれる紫外線は、第2紫外線遮蔽部80によって遮蔽され、封止部50に入射することが十分に抑制される。また電池部20A〜20Cのそれぞれの封止部50の外周面50a側から光が入射されようとしても、光に含まれる紫外線は、第1紫外線遮蔽部70によって遮蔽され、封止部50の外周面50aに入射することが十分に抑制され、封止部50の粘度の低下を十分に抑制することができる。したがって、色素増感太陽電池モジュール100が高温環境下におかれ、作用極30と対極40と封止部50とによって形成されるセル空間が膨張しても、作用極30と対極40との間の距離の増大が抑制される。また封止部50の劣化が十分に抑制されるため、封止部50の封止能の低下も十分に抑制することができ、電解質60の漏洩を十分に抑制することもできる。よって、各電池部20A,20B,20Cにおいて、光電変換特性の低下が十分に抑制される。以上より、色素増感太陽電池モジュール100によれば、優れた耐久性を有することが可能となる。
次に、透明基板10、作用極30、対極40、封止部50、電解質60、第1紫外線遮蔽部70、第2紫外線遮蔽部80、及び、外枠部材90について詳細に説明する。
(透明基板)
透明基板10は、光透過性の材料からなる基板により構成される。このような材料としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられ、通常、光電変換素子の透明基材として用いられる材料であればいかなるものでも用いることができる。透明基板10は、これらの中から電解質60への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基板10は、光透過性に優れる基材であることが好ましく、光透過率が90%以上の基材であることがより好ましい。
(作用極)
透明導電膜31は、作用極30の透明性を著しく損なわない構造とするために、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。このような導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが挙げられる。また、透明導電膜31は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜31が単層で構成される場合、透明導電膜31としては、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましく、また、高い耐熱性及び耐薬品性を有する観点から、FTOがより好ましい。
また、透明導電膜31が複数の層で構成される積層体により構成されると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電膜31が実現でき、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。また、透明導電膜31の厚さは例えば0.01μm〜2μmの範囲にすればよい。
多孔質酸化物半導体層32を形成する酸化物半導体は、特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体層を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、シリカ(SiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら酸化物半導体の粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、すなわち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。また、多孔質酸化物半導体層32は、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させて構成されることが好ましい。この場合、半導体層内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、多孔質酸化物半導体層32の外部へ逃がす入射光を少なくして、効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層32の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層32は、異なる材料からなる複数の酸化物半導体の積層体で構成することもできる。
光増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などが挙げられ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。具体的には、N3、N719、N749などを使用することができる。
集電配線34を構成する材料は、透明導電膜31より低い抵抗を有する金属を含むものであればよい。このような金属としては、例えば銀が用いられる。
配線保護層35は、集電配線34を覆って電解質60から集電配線34を保護するものである。配線保護層35は、電解質60から集電配線34を保護するものであればよく、例えば無機物からなる無機層、樹脂を含む樹脂層、又はこれら無機層と樹脂層との積層体で構成される。
無機物としては、低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料が挙げられる。
樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの熱可塑性樹脂、及び、紫外線硬化樹脂が挙げられる。
配線保護層35が樹脂を含む場合、温度サイクルが繰り返されても、樹脂が柔軟なため耐久性を維持できるというメリットがあるが、配線保護層35は紫外線により劣化するおそれがある。その点、色素増感太陽電池モジュール100では、配線保護層35に向かう紫外線は、第3紫外線遮蔽部を兼ねる第2紫外線遮蔽部80によって遮蔽され、配線保護層35に向かう紫外線の入射が十分に抑制される。このため、配線保護層35の劣化により電解質60が集電配線34を腐食することが十分に抑制される。
(対極)
対極基板41としては、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料を用いることができる。
触媒層42は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
対極40の厚さは例えば0.005〜0.5mmの範囲内であればよい。
(封止部)
封止部50を構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体が挙げられる。なお、封止部50は樹脂のみで構成されてもよいし、樹脂と無機フィラーとで構成されていてもよい。
色素増感太陽電池モジュール100は、封止部50が熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む場合に特に有効である。熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む封止部50は、温度サイクルが繰り返されても、柔軟性があるため耐久性を維持できるというメリットがあるが、熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む封止部50に紫外線が入射されると、紫外線の持つエネルギーにより樹脂中の分子鎖が特に切断され易く、粘度の低下や封止部自体の劣化が比較的起こり易い。その点、色素増感太陽電池モジュール100は、第1紫外線遮蔽部70及び第2紫外線遮蔽部80により封止部50の劣化が抑制されるため、有効である。
また封止部50に含まれる樹脂と、配線保護層15に含まれる樹脂とは同一であってもよいし、異なるものであってもよいが、同一であることが好ましい。この場合、樹脂と同一工程で配線保護層35を作製することができる。
(電解質)
電解質60は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。色素増感太陽電池モジュール100は、酸化還元対としてI/I のような揮発性溶質及び、高温下で揮発しやすいアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルのような有機溶媒を含む電解液を電解質として用いた場合に特に有効である。この場合、色素増感太陽電池モジュール100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が特に大きくなり、封止部50と対極40との界面、および封止部50と作用極30との界面から電解質60が漏洩しやすくなるからである。なお、上記揮発性溶媒にはゲル化剤を加えてもよい。また電解質60は、イオン液体と揮発性成分との混合物からなるイオン液体電解質で構成されてもよい。この場合も、色素増感太陽電池モジュール100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が大きくなるためである。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。また揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I、4−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。さらに電解質60としては、上記イオン液体電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットイオンゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化したイオン液体電解質を用いてもよい。
(第1紫外線遮蔽部)
第1紫外線遮蔽部70は、封止部50の外周面50aに入射する紫外線を遮蔽できるものであればよく、例えば金属層、紫外線遮蔽機能を有し樹脂を含む樹脂含有層、又は、金属層と樹脂含有層との積層体のいずれでもよい。
第1紫外線遮蔽部70が金属層を含む場合には、金属層で紫外線が遮蔽されるため、樹脂層は紫外線遮蔽機能を有していても有していなくてもよい。ここで、金属層を構成する金属材料としては、例えばアルミニウム、銅が用いられる。
但し、第1紫外線遮蔽部70が樹脂含有層のみで構成される場合には、樹脂含有層は紫外線遮蔽機能を有する。樹脂含有層としては、樹脂、又は、樹脂と金属酸化物との組合せを含むものを用いることができる。中でも、第1紫外線遮蔽部70が樹脂含有層のみで構成される場合、樹脂含有層は、樹脂と金属酸化物との混合物で構成されることが好ましい。この場合、樹脂含有層が樹脂のみで構成される場合と比べて、第1紫外線遮蔽部70の紫外線遮蔽効果がより向上し、より優れた耐久性を有する色素増感太陽電池モジュール100が実現される。
樹脂含有層に含有される樹脂としては、紫外線吸収性の樹脂が用いられる。このような樹脂としては、例えばフッ素モノマーとビニルエーテルとの共重合体であるフッ素樹脂、アクリルモノマーと紫外線吸収性モノマーとの共重合体であるアクリル樹脂、およびシリーコン化合物の乳化剤をアクリルエマルジョン中に分散させてなるシリコーン樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
金属酸化物としては、例えば酸化亜鉛及び酸化チタンが挙げられる。これらの金属酸化物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記金属酸化物の平均粒径は5〜50nmであることが好ましく、15〜25nmであることがより好ましい。この場合、金属酸化物の平均粒径と紫外線の波長の大きさが近づくため、紫外線が効果的に散乱される。このため、第1紫外線遮蔽部70にて紫外線をより十分に遮蔽することができ、封止部50に向かう紫外線の入射をより十分に抑制することができる。
第1紫外線遮蔽部70の厚さは1〜80μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。第1紫外線遮蔽部70の厚さが上記範囲内にあると、1μm未満である場合と比べて、ピンホールが形成されにくく、紫外線遮蔽効果もより十分に得られるという利点があり、第1紫外線遮蔽部70の厚さが上記範囲内にあると、80μmを超える場合と比べて、紫外領域以外の透過率が減少しにくく、色素増感太陽電池モジュール100の性能劣化がより起こりにくいという利点がある。
なお、第1紫外線遮蔽部70は、電池部20A〜20Cの各対極40を作用極30側に向かって押し付けるように透明基板10に固定されていることが好ましい。この場合、色素増感太陽電池モジュール100が高温環境下におかれ、作用極30、対極40及び封止部50によって形成されるセル空間が膨張しようとしても、第1紫外線遮蔽部70によって対極40が作用極30側に向かって押し付けられるため、セル空間の膨張がより十分に抑制され、作用極30と対極40との間の距離の増大をより十分に抑制される。
(第2紫外線遮蔽部)
第2紫外線遮蔽部80は、封止部50に向かう紫外線を遮蔽できるものであればよい。但し、第2紫外線遮蔽部80は、多孔質酸化物半導体層32に担持されている光増感色素に光を入射させる必要があるため、第2紫外線遮蔽部80は、紫外線を遮蔽しつつ光増感色素を励起させる波長の光については十分に透過させるものでなければならない。従って、第2紫外線遮蔽部80としては、金属層を含むものを用いず、樹脂含有層が単独で用いられる。
第2紫外線遮蔽部80としては、紫外線吸収を吸収し得る紫外線吸収性樹脂、金属酸化物、またはこれらの2種以上の組合せを用いることが可能である。中でも、第2紫外線遮蔽部80は、第1紫外線遮蔽部70と同様の理由から、紫外線吸収性樹脂と金属酸化物との混合物で構成されることが好ましい。
紫外線吸収性樹脂及び金属酸化物としては、第1紫外線遮蔽部70と同様のものを用いることができる。
金属酸化物の平均粒径の好ましい範囲についても、第1紫外線遮蔽部70と同様である。
第2紫外線遮蔽部80の厚さは1〜80μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。第1紫外線遮蔽部70の厚さが上記範囲内にあると、1μm未満である場合と比べて、ピンホールがより形成されにくく、紫外線遮蔽効果もより十分に得られるという利点があり、第1紫外線遮蔽部70の厚さが上記範囲内にあると、80μmを超える場合と比べて、紫外領域以外の透過率が減少しにくく、色素増感太陽電池モジュール100の性能劣化がより起こりにくいという利点がある。
(外枠部材)
外枠部材90は、遮光性を有することが好ましい。この場合、透明基板10の外周面からの紫外線を外枠部材90によって遮断できる。このため、封止部50の劣化をより十分に抑制することができる。遮光性を有する外枠部材90としては、例えばアルミナなどの金属を用いることができる。
次に、上述した色素増感太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。
[準備工程]
まず作用極30及び対極40を準備する。
(作用極)
作用極30は、以下のようにして得ることができる。
はじめに透明基板6の上に透明導電膜31を形成する。透明導電膜31の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD:Spray Pyrolysis Deposition)及びCVD法などが用いられる。
次に、透明導電膜31上に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷する。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストは、酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
次に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを焼成して透明導電膜31上に多孔質酸化物半導体層32を形成する。焼成温度は酸化物半導体粒子により異なるが、通常は140〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子により異なるが、通常は1〜5時間である。
次に、透明導電膜31上であって、多孔質酸化物半導体層32の周囲に配線部33を形成する。
そのためには、まず集電配線34を形成する。集電配線34は、例えば導電ペーストを、スクリーン印刷法などを用いて透明導電膜31上に塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。このとき、導電ペーストとしては、例えば、金属粒子とポリエチレングルコールなどの増粘剤とを配合したものを用いることができる。
次に、集電配線34を配線保護層35で被覆する。こうして透明導電膜31上に配線部33が形成される。
(対極)
対極40は、以下のようにして得ることができる。
すなわちまず対極基板41を準備する。そして、対極基板41の上に触媒層42を形成する。触媒層42の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。
[接着剤圧着工程]
そして、例えば作用極30及び対極40の各々の上に、例えば封止樹脂からなる環状のホットメルト接着剤を配置し、作用極30及び対極40にそれぞれ溶融圧着させる。
[電解質配置工程]
次に、例えば作用極30上であって接着剤の内側に電解質60を配置する。電解質60は、作用極30上であって環状の接着剤の内側に注入したり、印刷したりすることによって配置することができる。
[封止工程]
次に、接着剤が固定された作用極30と、接着剤が固定された対極40とを、接着剤同士が重なり合うように対向させ、接着剤を加熱溶融させながら加圧する。すると、作用極30と対極40との間に、これらを連結する封止部50が得られる。
続いて、例えばシート状の第1紫外線遮蔽部70を用意し、このシート状の第1紫外線遮蔽部70を、透明基板10に、複数の電池部20A〜20Cを覆うように設置する。
次に、透明基板10のうち電池部20A〜20Cと反対側の表面10b上に、第2紫外線遮蔽部80を貼り付ける。第2紫外線遮蔽部80は、樹脂塗布法やフィルム塗布法を用いて透明基板10に貼り付けることができる。樹脂塗布法は、第2紫外線遮蔽部80を構成する樹脂を透明基板10の表面10b上に塗布した後、乾燥を行うことで樹脂内の溶媒を飛ばし、透明基板10に第2紫外線遮蔽部80を固定する方法である。フィルム塗布法は、樹脂、PETフィルム及び接着剤で構成されるフィルムを作製し、このフィルムを第2紫外線遮蔽部80として接着させる方法である。最後に、第1紫外線遮蔽部70、透明基板10及び第2紫外線遮蔽部80の縁部を環状の外枠部材90の突出部92,92bで挟みこむ。こうして色素増感太陽電池モジュール100の製造が完了する。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば上記実施形態では、複数の電池部20A〜20Cの各対極40同士が互いに離間しているが、図2に示す色素増感太陽電池モジュール200のように、各対極40同士が一体となっていてもよい。すなわち上記実施形態では、各対極40の対極基板41が互いに離間しているが、色素増感太陽電池モジュールは、複数の電池部20A〜20Cに共通の対極基板41を有していてもよい。この場合、環状の封止部50同士は一体化されてもされていなくてもよいが、一体化されていることが好ましい(図2参照)。
また上記実施形態では、透明導電膜31上に配線部33が形成されているが、配線部33は省略が可能である。
さらに上記実施形態では、対極基板41が光を遮蔽するものとなっているが、対極基板41は光を遮蔽するものではなく、光を透過するものであってもよい。例えば対極基板41は、上述した透明基板10の上にITO、FTO等の導電性酸化物を積層してなるものであってもよい。この場合、第1紫外線遮蔽部70は、複数の電池部20A〜20Cを覆っても良いが、封止部50の外周面50aのみを覆うようしても良い。この場合、さらに対極基板41のうち触媒層42と反対側の表面には第2紫外線遮蔽部80が設けられる。また第2紫外線遮蔽部80が、対極基板41のうち触媒層42と反対側の表面において配線保護層35を隠すように設けられていない場合には、対極基板41のうち触媒層42と反対側の表面において配線保護層35を隠すように第3紫外線遮蔽部を設けることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、1つの第2紫外線遮蔽部80が、透明基板10のうち電池部20A〜20Cと反対側の表面10b全体を覆っているが、複数の環状の第2紫外線遮蔽部80の各々が、透明基板10の表面10b側から見た場合に、封止部50を隠し、多孔質酸化物半導体層13を隠さないように設けられてもよい。この場合、第2紫外線遮蔽部80の各々が、透明基板10の表面10b側から見た場合に、多孔質酸化物半導体層13を隠さないため、第2紫外線遮蔽部80は、必ずしも光増感色素を励起させる波長の光を透過させる必要はない。
さらにまた上記実施形態では、第2紫外線遮蔽部80が第3紫外線遮蔽部を兼ねているが、第2紫外線遮蔽部80は第3紫外線遮蔽部を兼ねている必要はなく、第2紫外線遮蔽部は、封止部50に向かう紫外線を遮蔽するように透明基板10に設けられ、第3紫外線遮蔽部は、配線保護層15に入射する紫外線を遮蔽するように透明基板10に設けられてもよい。
また上記実施形態では、第1紫外線遮蔽部70の縁部が透明基板10上に直接固定されているが、第1紫外線遮蔽部70の縁部は、透明基板10上に透明導電膜31を介して固定されていてもよい。
また上記実施形態では、外枠部材90が用いられているが、第1紫外線遮蔽部70、第2紫外線遮蔽部80を透明基板10に密着させることが可能である場合には、外枠部材90は必ずしも必要なものではなく、省略が可能である。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず厚さ4mm×20cm×20cmのガラスからなる透明基板を用意した。そして、この透明基板の上の3箇所にFTO膜を形成し、FTO基板を用意した。このとき、FTO膜の寸法は、800nm×6cm×20cmとした。そして、各FTO膜の表面上に、スクリーン印刷法により酸化チタンナノ粒子のペースト(Solaronix社製、Ti nanoixide T/sp)を塗布し、500℃で1時間焼成し、多孔質酸化物半導体層を得た。続いて、FTO膜上に、多孔質酸化物半導体層を包囲するように、銀ペースト(福田金属社製)をスクリーン印刷法にて塗布し、520℃で1時間焼成を行い、銀配線を形成した。そして、銀配線の上に、幅2mm、厚さ50μmのホットメルト接着剤であるニュクレル(商品名、三井デュポンポリケミカル社製)からなる環状のフィルムを配置した後、150℃にて銀配線に溶融圧着させ、配線保護層を形成した。こうして透明基板上に3個の作用極を得た。
次に、これらの作用極を、光増感色素であるN719色素を0.2mM溶かした脱水エタノール液中に一昼夜浸漬し、各作用極の多孔質酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。
そして、作用極の3箇所の多孔質酸化物半導体層の各々を包囲するように、ホットメルト接着剤として、幅2mm、厚さ50μmのニュクレル(商品名、三井デュポンポリケミカル社製)からなる環状の接着剤を配置して150℃で溶融圧着した。こうして各多孔質酸化物半導体層を包囲するように環状の接着剤を固定した。
次に、対極基板として、厚さ20μmのTi箔を3枚用意した。そして、各Ti箔の上にスパッタリング法により厚さ20nmの白金膜を形成した。こうして3個の対極を得た。そして、各白金膜の上に、ホットメルト接着剤として、幅2mm、厚さ50μmのニュクレル(三井デュポンポリケミカル社製)からなる環状の接着剤を配置して150℃で溶融圧着した。こうして各対極の周縁部に環状の接着剤を固定した。
そして、作用極に固定した環状の接着剤の各々の内側に、ヨウ化リチウム0.1M、ヨウ素0.05M、4−tert−ブチルピリジン0.5Mをメトキシプロピオニトリル中に溶解させた電解質を注入した。そして、作用極と対極の接着剤同士を互いに対向させた。そして、作用極に固定された接着剤、及び、対極に固定された接着剤を、3MPa、150℃の条件で溶融圧着した。こうして透明基板上に、3個の電池部を形成した。
次に、第2紫外線遮蔽部として、フッ素樹脂を用意した。フッ素樹脂としては、フルオロエチレンとビニルエーテルとの共重合体であるオブリガード(商品名、AGCコーテック株式会社製)を用いた。そして、このフッ素樹脂を、透明基板のうちFTO膜と反対側の表面全体にわたって塗布し、乾燥を行った。このときの樹脂の塗布寸法は、15μm×6cm×20cmであった。
次に、第1紫外線遮蔽部として、第2紫外線遮蔽部と同様のフッ素樹脂からなる樹脂フィルムを用意した。樹脂フィルムの寸法は、950μm×20cm×20cmとした。そして、全電池部を覆うように樹脂フィルムを透明基板に固定した。このとき、樹脂フィルムの縁部は、透明基板のうち電池部側の表面上に透明導電膜であるFTO膜を介して固定した。
樹脂フィルム、透明基板、及びフィルム状の第2紫外線遮蔽部の縁部を、アルミニウムからなる環状で且つ断面U字状の外枠部材で挟み込んだ。こうして図1に示すような構造を有する色素増感太陽電池モジュールを得た。
(実施例2〜18)
封止部、第1紫外線遮蔽部及び第2紫外線遮蔽部として表1に示すものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すような構造を有する色素増感太陽電池モジュールを作製した。
なお、表1において、フッ素樹脂、アクリル樹脂、および、シリコーン樹脂としては、具体的には以下のものを使用した。
(1)フッ素樹脂
オブリガード(商品名)、AGCコーティング株式会社製
(2)アクリル樹脂
ハルスハイブリッド(商品名)、株式会社日本触媒製
(3)シリコーン樹脂
シルビアUVカットクリア(商品名)、日本特殊塗料株式会社製
また実施例8〜13及び17において、樹脂と金属酸化物との配合比率は質量比で90:10とした。さらに第1紫外線遮蔽部としてアルミニウムを用いる場合には、第1紫外線遮蔽部を透明基板に固定するためにブチルゴムを用いた。
(比較例1)
第1紫外線遮蔽部および第2紫外線遮蔽部をそれぞれ透明基板に設けなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池モジュールを作製した。
(比較例2)
第1紫外線遮蔽部および第2紫外線遮蔽部をそれぞれ透明基板に設けなかったこと以外は実施例2と同様にして色素増感太陽電池モジュールを作製した。
(比較例3)
第2紫外線遮蔽部を透明基板に設けなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池モジュールを作製した。
(比較例4)
第1紫外線遮蔽部を透明基板に設けなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池モジュールを作製した。
[特性評価]
実施例1〜18及び比較例1〜4で得られた色素増感太陽電池モジュールについて、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて擬似太陽光を1000時間照射して電流電位曲線を得た。
そして、この電流電位曲線の結果から光電変換効率を算出した。そして、擬似太陽光を照射する前後の光電変換効率の値から下記式:
光電変換効率の減少率(%)=(η−η)/η)×100
(上記式中、ηは擬似太陽光照射前の光電変換効率を表し、ηは、擬似太陽光を1000h照射した後の光電変換効率を表す)
に基づいて光電変換効率の減少率を算出した。結果を表1に示す。
またこ、擬似太陽光を照射する前後の配線抵抗の値から下記式:
配線抵抗の増加率(%)=(R−R)/R)×100
(上記式中、Rは擬似太陽光照射前の配線抵抗を表し、ηは、擬似太陽光を1000h照射した後の配線抵抗を表す)
に基づいて配線抵抗の増加率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2013054827
表1に示す結果より、実施例1〜18の色素増感太陽電池モジュールは、比較例1〜4の色素増感太陽電池モジュールに比べて、光電変換効率の減少率が極めて小さいことが分かった。
このことから、本発明の色素増感太陽電池モジュールは、優れた耐久性を有することが確認された。
10…透明基板
20,20A,20B,20C…電池部
30…作用極(電極)
40…対極(電極)
50…封止部
50a…外周面
60…電解質
70…第1紫外線遮蔽部
80…第2紫外線遮蔽部(第3紫外線遮蔽部)
100…色素増感太陽電池モジュール

Claims (6)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に設けられる複数の電池部とを有し、
    前記電池部がそれぞれ、
    一対の電極と、
    前記一対の電極の間に配置される電解質と、
    前記一対の電極を連結し、前記一対の電極とともに前記電解質を封止する環状の封止部とを備える色素増感太陽電池モジュールであって、
    前記透明基板の前記電池部側に設けられ、前記封止部の外周面に入射する紫外線を遮蔽する第1紫外線遮蔽部と、
    少なくとも前記透明基板のうち前記電池部と反対側の表面上に設けられ、前記封止部に向かう紫外線を遮蔽する第2紫外線遮蔽部とを備え、
    前記第1紫外線遮蔽部の少なくとも一部が、前記複数の電池部を包囲するように設けられている、色素増感太陽電池モジュール。
  2. 前記封止部が、熱可塑性樹脂からなる樹脂を含む、請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  3. 前記第1及び第2紫外線遮蔽部の少なくとも一方が、樹脂を含む樹脂含有層で構成され、前記樹脂含有層が、前記樹脂と金属酸化物との混合物で構成されている、請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  4. 前記一対の電極のうち前記透明基板側の電極が、前記透明基板上に設けられる透明導電膜と、前記透明導電膜上に設けられる酸化物半導体層とを有し、前記一対の電極のうち前記透明基板から遠い側の電極が対極基板を有し、
    前記対極基板が、前記複数の電池部に共通の対極基板である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  5. 前記複数の電池部同士が互いに離間している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  6. 前記一対の電極のうち前記透明基板側の電極が、
    前記透明基板上に設けられる透明導電膜と、
    前記透明導電膜上に設けられる酸化物半導体層と、
    前記透明導電膜上に設けられ、集電配線と、前記集電配線を覆って保護する配線保護層とを有する配線部とを有し、
    前記配線保護層が樹脂を含み、
    少なくとも前記透明基板のうち前記電池部とは反対側の表面上に、前記配線保護層に向かう紫外線を遮蔽する第3紫外線遮蔽部が設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池モジュール。
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