JP2003282163A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムのガス透過を抑制し、
色素増感太陽電池の特性劣化を防止する手段を提供す
る。また同時に、素子内部への紫外光の侵入による電解
質や色素、封止剤等の劣化を防止し、耐久性を向上する
手段を提供する。 【解決手段】 少なくとも基材上に透明導電層、色素を
吸着させた多孔質の金属酸化物半導体層、電荷輸送層、
導電性触媒層及び/又は導電層を順に形成してなる色素
増感太陽電池において、前記基材の少なくとも片面に、
無機化合物層及び水溶性高分子に、(a)1種以上の金
属アルコキシド及びその加水分解物、(b)または塩化
錫、の少なくとも一方を含む被覆層が形成されてなるこ
とを特徴とする色素増感太陽電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属酸化物半導体上
に吸着した増感色素により、光を吸収し、電気に変換す
る色素増感太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に太陽電池には、単結晶シリコン太
陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体
太陽電池などが知られているが、製造コストや原材料コ
ストの抑制が難しく、太陽電池普及の妨げになってい
た。こうした中、半導体層表面に色素を担持させて構成
した電極を用いた色素増感太陽電池が、低コスト、高変
換効率という特徴を有していることが知られており、例
えば特許第2664194号、もしくは特許第2101
079号各明細書に記述されている。
【0003】一般的に知られている色素増感太陽電池
は、透明導電膜上に色素が吸着した多孔質の金属酸化物
半導体を形成した光電極、及び、透明あるいは不透明導
電膜及び/または触媒となる導電膜からなる対向電極、
及び電荷輸送層から構成され、電荷輸送層を介して光電
極及び対向電極を重ねることにより色素増感太陽電池は
製造される。
【0004】色素増感太陽電池の動作原理は次の通りで
ある。光電極側より入射した光は透明導電膜及び金属酸
化物半導体を通して金属酸化物半導体表面に担持された
色素によって吸収され、光を吸収した増感色素は励起さ
れる。励起された色素は速やかに金属酸化物半導体へ電
子を渡し、電子は金属酸化物半導体中を伝い、透明導電
膜へと流れる。電子を出した後、正電荷を持つ色素は電
荷輸送層より電子を受け取ることにより中性に戻る。以
上のように、色素増感太陽電池は光電極と対向電極をそ
れぞれ負極および正極として動作する。
【0005】色素増感太陽電池はシリコン系太陽電池や
化合物太陽電池に比べ、低コストな原材料や製造方法を
用いることができるため注目されているが、安価なプラ
スチックフィルムを用いた連続成膜によってさらなる低
コスト化へ向けた試みがなされている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、色素増
感太陽電池の基材にプラスチックフィルムを用いること
により、基材を透過する水蒸気や酸素等のガスが色素増
感太陽電池を構成する電極や半導体、色素、電解質に作
用し、光電変換特性を劣化させることが明らかとなって
いる。そこで、本発明はプラスチックフィルムのガス透
過を抑制し、色素増感太陽電池の特性劣化を防止する手
段を提供する。また同時に、素子内部への紫外光の侵入
による電解質や色素、封止剤等の劣化を防止し、耐久性
を向上する手段を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、少な
くとも基材上に透明導電層、色素を吸着させた多孔質の
金属酸化物半導体層、電荷輸送層、導電性触媒層及び/
又は導電層を順に形成してなる色素増感太陽電池におい
て、前記基材の少なくとも片面に、無機化合物層及び水
溶性高分子に、(a)1種以上の金属アルコキシド及び
その加水分解物、(b)または塩化錫、の少なくとも一
方を含む被覆層が形成されてなることを特徴とする色素
増感太陽電池である。
【0007】請求項2の発明は、少なくとも基材上に透
明導電層、色素を吸着させた多孔質の金属酸化物半導体
層、電荷輸送層、導電性触媒層及び/又は導電層、基材
を順に形成してなる色素増感太陽電池において、前記2
つの基材のそれぞれにおいて、少なくとも片面に無機化
合物層及び水溶性高分子に、(a)1種以上の金属アル
コキシド及びその加水分解物、(b)または塩化錫、の
少なくとも一方を含む被覆層が形成されてなることを特
徴とする色素増感太陽電池である。
【0008】請求項3の発明は、前記無機化合物層の4
00nm以下の波長領域での光線透過率が、70%以下
であることを特徴とする請求項1または2に記載の色素
増感太陽電池である。
【0009】請求項4の発明は、前記被覆層の400n
m以下の波長領域での光線透過率が、70%以下である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素
増感太陽電池である。
【0010】請求項5の発明は、前記無機化合物がイン
ジウム、ケイ素、錫、亜鉛、セリウム、チタン、バナジ
ウム、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、タン
タル、ニッケル、ニオブ、アルミニウム、マグネシウ
ム、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも1種
類以上の金属を含む酸化物あるいは酸窒化物あるいはフ
ッ化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の色素増感太陽電池である。
【0011】請求項6の発明は、前記被覆層の水溶性高
分子がポリビニルアルコールであることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の色素増感太陽電池であ
る。
【0012】請求項7の発明は、前記被覆層の金属アル
コキシドが、テトライソプロポキシチタンまたはテトラ
ブトキシチタン、あるいはそれらの混合物であることを
特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の色素増感太
陽電池である。
【0013】請求項8の発明は、前記金属酸化物半導体
が亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウ
ム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデ
ン、マンガンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属
の酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
かに記載の色素増感太陽電池である。
【0014】請求項9の発明は、前記電荷輸送層が固体
電解質またはp型半導体を含むことを特徴とする請求項
1〜8のいずれかに記載の色素増感太陽電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。図1は、本発明における色素増感太陽電
池の一実施例の構成を示した断面図である。本発明の色
素増感太陽電池10は、図1に示すように基材1、無機
化合物層2、水溶性高分子に、(a)1種以上の金属ア
ルコキシド及びその加水分解物、(b)または塩化錫、
の少なくとも一方を含む層3(以下、水溶性高分子と金
属化合物により構成される被覆層3、透明導電層4、金
属酸化物半導体5、および金属酸化物半導体5に担持さ
れた色素6、さらには金属酸化物半導体5の空孔を満た
すように形成された電荷輸送層7、導電性触媒層8、透
明導電層4、水溶性高分子と金属化合物により構成され
る層3、無機化合物層2および基材1により形成されて
いる。
【0016】図3は、本発明における色素増感太陽電池
モジュールの一実施例の構成を示した断面図である。本
発明の色素増感太陽電池モジュール30は、図3に示す
ようにプラスチック基材1、無機化合物層2、水溶性高
分子と金属化合物により構成される被覆層3、透明導電
層4、金属酸化物半導体5、および金属酸化物半導体5
に担持された色素6、さらには金属酸化物半導体5の空
孔を満たすように形成された電荷輸送層7、導電性触媒
層8、透明導電層4を立体的かつ一定の間隔で配列され
るように、選択的なめっき、エッチング、PVD、CV
D等の半導体プロセス技術、あるいはレーザスクライビ
ングや研削等の機械的技術を用いてパターニングするこ
とによって作製することができる。さらに、以上の積層
体にガラス基材9を被せて側面を接着剤等で封止するこ
とにより色素図鑑太陽電池モジュール30は形成されて
いる。
【0017】本発明において用いられる基材1として
は、例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエ
ーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセ
ルロース等を用いることができるが、絶縁性、透明性の
ある基材であれば何ら制限されるものではない。さらに
は、太陽電池を使用する環境、寿命の観点から耐光性、
耐熱性を伴う基材が好ましい。このような基材は、必要
に応じて表面がコロナ処理、プラズマ処理、薬品処理な
どによって改質されたものであってもよい
【0018】本発明における無機化合物層2としては、
インジウム、ケイ素、錫、亜鉛、セリウム、チタン、バ
ナジウム、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、
タンタル、ニッケル、ニオブ、アルミニウム、マグネシ
ウム、モリブデン、マンガンから選択される少なくとも
1種類の金属を含む酸化物あるいは酸窒化物あるいはフ
ッ化物を用いることができ、特に亜酸化物や価数の異な
る金属を2種以上含む混合酸化物を用いると高いガスバ
リア性を得られる。
【0019】また、無機化合物層は、400nm以下の
波長領域の光線透過率が、70%以下にすることによ
り、素子内部への紫外線の侵入を妨げ、金属酸化物半導
体の光触媒効果による電解質、色素、封止剤などの劣化
を防止し、耐久性を向上させることが出来る。400n
m以下の波長領域の光線透過率は、金属酸化物あるいは
金属酸窒化物あるいは金属フッ化物に固有の吸収係数に
よって決定される。従って無機化合物層は、400nm
以下の波長領域の吸収係数が大きな材料を含むことが好
ましい。また、光線透過率は、無機化合物層の膜厚によ
っても制御することができる。
【0020】無機化合物2の形成方法としては真空蒸着
法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCV
D法等の真空成膜プロセスによることができるが、いか
なる成膜方法であっても構わない。このような無機化合
物層の膜厚は数nmから500nmの範囲内であること
が望ましいが、5nm以下では島状になって連続膜にな
らない場合があり、300nmを超えると膜自信の内部
応力により、膜にクラックが生じるなどガスバリア性が
得られなくなる可能性があるため、5nm〜300nm
であることがより好ましい。
【0021】本発明における被覆層3は水溶性高分子と
金属化合物により構成される。構成材料を次に示す。水
溶性高分子にとしてはポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどを用い
ることができる。特に、ポリビニルアルコールを本発明
の水溶性高分子として用いた際には優れたバリア性が得
られている。ここで示したポリビニルアルコールとは、
一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるもので、酢酸
基が数10%残存している部分鹸化ポリビニルアルコー
ルから酢酸基が数%しか残存していない完全鹸化ポリビ
ニルアルコールまでを含み、特に限定されるものではな
い。
【0022】金属化合物としては、金属アルコキシドあ
るいは塩化錫を用いることができる。金属アルコキシド
としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウ
ムなどの金属のアルコキシドを用いることができ、アル
コキシドとしては、メトキシド、エトキシド、n−プロ
ポキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシドなどが挙
げられる。金属アルコキシドは単独、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。また、ケイ素、チ
タン、ニオブなどの金属の塩化物も用いることができ
る。
【0023】塩化錫としては塩化第一錫(SnC
2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混
合物を用いることができ、これらは無水物であっても水
和物であっても構わない。
【0024】被覆層3は、以上で示した水溶性高分子と
金属アルコキシドを直接、あるいはあらかじめ加水分解
などの処理を行ったものを水系溶媒に溶解した溶液、あ
るいはこれに塩化錫を混合した溶液、または水溶性高分
子と塩化錫を水系溶媒に溶解した溶液をコーティング、
加熱乾燥することにより形成することができる。
【0025】上述の溶液にはイソシアネート化合物、シ
ランカップリング材、あるいは分散剤、安定化剤、粘度
調整剤、着色剤など公知の添加材を加えることができ
る。
【0026】また、被覆層3は、400nm以下の波長
領域の光線透過率が、70%以下にすることにより、素
子内部への紫外線の侵入を妨げ、金属酸化物半導体の光
触媒効果による電解質、色素、封止剤などの劣化を防止
し、耐久性を向上させることが出来る。400nm以下
の波長領域の光線透過率は、混合する金属化合物によっ
て決定される。従って、チタン酸化物、ニオブ酸化物、
錫酸化物などの400nm以下の波長領域の吸収係数が
大きな金属化合物を含むことが好ましい。また、光線透
過率は、金属化合物の混合量や、水溶性高分子と金属化
合物により構成される層の膜厚によっても制御すること
ができる。また、被覆層3は耐熱特性にも優れており、
熱劣化を低減することができる
【0027】被覆層3の塗工方法としては、ディッピン
グ、スピンコーター、バーコーター、ブレードコータ
ー、ナイフコーター、リバースロールコーター、グラビ
アロールコーター、スクイズコーター、カーテンコータ
ー、スプレイコーター、ダイコーター等の塗工機を用い
ることができるが、連続塗工が可能な方法がより好まし
い。被膜の厚さは乾燥後で0.01〜100μmが好ま
しいが、50μm以上ではクラックの生じる可能性があ
るため、0.01〜50μmがより好ましい。
【0028】本発明の無機化合物層2及び被覆層3は、
どちらか一方のみ形成しても良いし、両方とも積層して
も良い。また、無機化合物層2及び被覆3の両方を積層
する場合には、プラスチック基材1上に無機化合物層2
及び被覆層3の順で形成することができるが、基材1、
被覆層3、無機化合物層2の順に形成してもよい。
【0029】本発明における透明導電層4としては、錫
をドープした酸化インジウム(ITO)、フッ素やイン
ジウムなどをドープされた酸化スズ、アルミニウムやガ
リウムなどをドープした酸化亜鉛、およびその他の可視
光領域の吸収が少なく導電性の透明導電体が好ましい。
【0030】透明導電層4の形成方法としては真空蒸着
法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCV
D法等の真空成膜プロセスによることができるが、いか
なる成膜方法であっても構わない。
【0031】本発明における金属酸化物半導体5として
は、n型半導体の性質を示す金属酸化物を用いることが
できる。具体的には亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジ
ウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニ
ウム、モリブデン、マンガンの酸化物があげられる。ま
た、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgT
iO3、SrNb26のようなペロブスカイト、あるい
はこれらの複合酸化物または酸化物混合物なども使用す
ることができる。
【0032】金属酸化物半導体5の表面は、その上に担
持される色素量を増やすために、その投影面積に対す
る、実際の表面面積が20倍以上、さらに好ましくは5
00倍以上必要である。このように表面粗さの大きな表
面を形成することにより、単位面積当たりの表面積が大
きくなり、吸着色素量が増加することにより、光の吸収
量を十分に増やすことができる。その積層膜厚は1μm
〜40μmの間で任意に選択することができるが、膜厚
が厚くなるほど金属酸化物半導体中に本発明の導電層を
多く形成するとより高い光電変換効率が得られる。
【0033】金属酸化物半導体5の形成方法としては、
金属ハロゲン化物、金属アルコキシドなどを加水分解し
て、焼成するゾルゲル法、あるいは金属、金属酸化物、
金属亜酸化物などを用いた真空蒸着法、スパッタリング
法などの真空成膜法を用いることができる。
【0034】さらに金属酸化物半導体5は形成した後
に、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、酸または塩
基処理、あるいはその他の後処理を行っても良い。
【0035】本発明における色素6は、起電力を発生さ
せることのできる光を吸収するものであれば、任意のも
のを選択することができる。このような色素として、例
えば、ルテニウム−トリス、ルテニウム−ビス、オスミ
ウム−トリス、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、ま
たはルテニウム−シス−ジアクア−ビピリシル錯体、ま
たはフタロシアニンやポルフィリン、ジチオラート錯
体、アセチルアセトナート錯体などのいわゆる金属キレ
ート錯体、およびシアニジン色素、メロシアニン色素、
ローダミン色素などの有機色素、およびオキサジアゾー
ル誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、クマリン誘導体、
スチルベン誘導体、芳香環を有する有機化合物、および
その他が好ましい。これらの色素は、吸光係数が大きく
かつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ま
しい。また色素分子は低分子化合物であってもよいし、
また繰り返し単位を有するポリマーであってもよい。
【0036】また、上記色素は金属酸化物半導体上に化
学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スル
ホン酸基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル
基、ホスフィン基などの官能基を有することが好まし
い。また、このような官能基は色素分子中に複数個ある
方が好ましい。
【0037】本発明における色素6の金属酸化物半導体
5への担持は、使用する色素により水系溶媒、有機系溶
媒から任意に選択された溶媒に色素を溶解した色素溶液
を用意した後、その色素溶液に金属酸化物半導体を浸漬
する。色素が金属酸化物半導体に吸着するのに十分な時
間経過した後に、金属酸化物半導体を色素溶液より引き
上げ、洗浄、乾燥することによって行うことができる。
必要に応じて金属酸化物半導体を色素溶液に浸漬する際
に、加熱してもよいし、色素溶液を酸性または塩基性に
してもよい。
【0038】本発明における電荷輸送層7に含有させる
電解質としては、一般に色素増感電池の電荷輸送層に用
いられる材料を任意に用いることができるが、例えばヨ
ウ素を包含するヨウ化物、臭化物、キノン錯体、テトラ
シアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ジシアノキノン
ジイミン錯体、およびその他が好ましい。
【0039】また、本発明の電荷輸送層7においては、
固体電解質やp型半導体を含む固体状電荷輸送層をもち
いることができる。このような電荷輸送層は、液状の電
荷輸送層を用いた場合に起こり得る液漏れの可能性がな
いため好ましい。
【0040】固体状電荷輸送層に用いることのできる材
料の具体例としては、ドナー骨格としてトリフェニルア
ミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミンなどの芳
香族アミン化合物、ナフタレン、アントラセン、ビレン
などの縮合多環炭化水素、アゾベンゼンなどのアゾ化合
物、スチルベンなどの芳香環をエチレン結合やアセチレ
ン結合で連結した構造を有する化合物、アミノ基で置換
されたヘテロ芳香環化合物、ポルフィリン類、フタロシ
アン類などがあげられ、アクセプター骨格としてはキノ
ン類、テトラシアノキノジメタン類、ジシアノキノンジ
イミン類、テトラシアノエチレン、ビオローゲン類、ジ
チオール金属錯体などが挙げられる。また、その他固体
状電荷輸送層に用いることのできる材料として、Cu
I、AgI、TiI、およびその他の金属ヨウ化物、C
uBr、CuSCNなどがある。また、ポリアルキレン
エーテルなどの高分子ゲルにヨウ化物、キノン錯体等を
抱含させて用いてもよい。これらの材料は、必要に応じ
て任意に組み合わせて用いることができる。
【0041】本発明における電荷輸送層7の形成方法と
しては、ディッピング、スピンコーター、バーコータ
ー、ブレードコーター、ナイフコーター、リバースロー
ルコーター、グラビアロールコーター、スクイズコータ
ー、カーテンコーター、スプレイコーター、ダイコータ
ー等の塗工機を用いることができるが、連続塗工が可能
な方法がより好ましい。固体電解質またはp型半導体を
用いる場合には、任意の溶媒を用いた溶液にした後、上
記方法を用いて塗工し、基材1を任意の温度に加熱して
溶媒を蒸発させるなどにより形成する。
【0042】本発明における導電性触媒層8としては、
任意の導電性材料を用いることができ、白金や金、銀、
銅などの金属、もしくは炭素などが挙げられる。これら
を形成する際には、透明導電層2と同様の真空成膜法、
あるいはこれら材料の微粒子をペーストにしたものをウ
エットコーティングする方法を用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0044】<実施例1>図1の層構成の色素増感太陽
電池10を次のように作製した。まず、基材1としてP
ET(50μm厚)を使用し、この上に無機化合物層2
として酸化ケイ素を、金属ケイ素をターゲットとして酸
素を導入する反応性DCスパッタリング法により膜厚約
30nmで形成し、被覆層3を、テトラエトキシシラン
を0.1N塩酸で加水分解し、固形分3wt%にした溶
液と無水SnCl2の3wt%水/エタノール溶液
(水:エタノール=50wt%:50wt%)とポリビ
ニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール
溶液(水:イソプロピルアルコール=90wt%:10
wt%)を40wt%:30wt%:30wt%で混合
した溶液をマイクログラビアコーティング法により塗工
し、乾燥することにより、膜厚20μmで形成した。こ
の上に透明導電層4としてインジウム錫酸化物(IT
O)を真空スパッタリング法により形成した。得られた
透明導電性基材上に、金属酸化物半導体5として酸化チ
タンを8μm形成した。酸化チタンはチタンテトラt-
ブトキシドを硝酸によって加水分解することによるゾル
ゲル法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化
チタンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、乾燥し、
大気圧下で酸素/ヘリウム混合ガス(酸素:ヘリウム=
10:90)のプラズマで処理することにより形成し
た。以上で得られた積層体は、ビス(4、4−ジカルボ
キシ−2、2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウ
ムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素6とし
て、ビス(4、4−ジカルボキシ−2、2−ビピリジ
ル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及び
エタノール洗浄、及び乾燥を行った。以下の操作を乾燥
アルゴン雰囲気下で行った。電荷輸送層7として0.5
M LiI、0.05M I2、メトキシアセトニトリルか
らなる電解質を金属酸化物半導体5上に形成した。更
に、対向電極として上記と同様にして形成したプラスチ
ック基材1、及び無機化合物2、水溶性高分子と金属化
合物により構成される層3、透明導電層4よりなる積層
体を用意し、この上にスパッタリング法により成膜した
白金を導電性触媒層7として形成することにより対向電
極を作製し、導電性触媒層8と電荷輸送層7を重ね合わ
せるように固定した後、側面をエポキシ系接着剤で封止
することにより色素増感太陽電池を作成した。
【0045】以上で得られた色素増感太陽電池の電流−
電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100m
W/cm2の擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=2
4mA/cm2、開放電圧VOC=0.69V、フィルフ
ァクターFF=0.70で光電変換効率はη=11.6
%であった。更に、大気中で10,000時間、A.
M.1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を照射し
た後、光電変換効率を測定したところ、短絡電流JSC
23mA/cm2、開放電圧VOC=0.70V、フィル
ファクターFF=0.68で光電変換効率はη=10.
9%であり、初期の光電変換効率と疑似太陽光照射後の
光電変換効率から計算した劣化率は6.0%であり、特
性変化はほとんどみられなかった。
【0046】<比較例1>図2の層構成の色素増感太陽
電池30を作製した。無機化合物層2、被覆層3を積層
しないこと以外は、基材1、透明導電層4、金属酸化物
半導体5、色素6、電荷輸送層7、及び導電性触媒層8
はいずれも実施例1と同様に形成した。得られた色素増
感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.
M.1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いた
時、短絡電流JSC=25mA/cm2、開放電圧VOC
0.70V、フィルファクターFF=0.70で光電変
換効率はη=12.3%であった。更に、大気中で1
0,000時間、A.M.1.5、100mW/cm2
の擬似太陽光を照射した後、光電変換効率を測定したと
ころ、短絡電流JSC=6mA/cm2、開放電圧VOC
0.70V、フィルファクターFF=0.52で光電変
換効率はη=2.2%であり、大幅な劣化が生じた。初
期の光電変換効率と疑似太陽光照射後の光電変換効率か
ら計算した劣化率は90.2%であった。
【0047】<実施例2>図1の層構成の色素増感太陽
電池20を次のように作製した。まず、基材1としてP
ET(50μm厚)を使用し、この上に無機化合物層2
として酸化アルミニウムを、金属アルミニウムを蒸着源
として酸素を導入する反応性真空蒸着法により膜厚約3
5nmで形成し、被覆層3を、テトライソプロポキシチ
タンを0.1N硝酸で加水分解し、固形分3wt%にし
た溶液と無水SnCl2の3wt%溶液(水:エタノー
ル=50wt%:50wt%)とポリビニルアルコール
の3wt%溶液(水:イソプロピルアルコール=90w
t%:10wt%)を40wt%:30wt%:30w
t%で混合した溶液をマイクログラビアコーティング法
により塗工し、乾燥することにより、膜厚30μmで形
成した。以上の積層体の光線透過率を測定したところ、
400nmで65%であった。この上に透明導電層4と
してインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリン
グ法により形成した。得られた透明導電性基材上に、金
属酸化物半導体4として酸化ニオブを6μm形成した。
酸化ニオブは水酸化ニオブを塩酸によって加水分解する
ことによるゾルゲル法を用いて酸化ニオブゾルを合成
し、得られた酸化ニオブゾルを上記透明導電層上に塗布
した後、乾燥し、大気圧下で酸素/ヘリウム混合ガス
(酸素:ヘリウム=10:90)のプラズマで処理する
ことにより形成した。以上で得られた積層体は、ビス
(4、4−ジカルボキシ−2、2−ビピリジル)ジチオ
シアネートルテニウムのエタノール溶液に浸漬すること
により、色素6として、ビス(4、4−ジカルボキシ−
2、2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムを担
持した後、水及びエタノール洗浄、及び乾燥を行った。
以下の操作を乾燥アルゴン雰囲気下で行った。電荷輸送
層7としてCuIを、アセトニトリル溶液にして金属酸
化物半導体5上に含浸させ、120℃のホットプレート
上で加熱することで溶媒のアセトニトリルを蒸発させる
ことにより形成した。更に、対向電極として上記と同様
にして形成したプラスチック基材1、及び無機化合物
2、透明導電層4よりなる積層体を用意し、この上にス
パッタリング法により成膜した白金を導電性触媒層7と
して形成することにより対向電極を作製し、導電性触媒
層8と電荷輸送層7を重ね合わせるように固定した後、
側面をエポキシ系接着剤で封止することにより色素増感
太陽電池を作成した。
【0048】以上で得られた色素増感太陽電池の電流−
電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100m
W/cm2の擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=1
8mA/cm2、開放電圧VOC=0.72V、フィルフ
ァクターFF=0.68で光電変換効率はη=8.8%
であった。更に、大気中で10,000時間、A.M.
1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を照射した
後、光電変換効率を測定したところ、短絡電流JSC=1
8mA/cm2、開放電圧VOC=0.71V、フィルフ
ァクターFF=0.68で光電変換効率はη=8.7%
であり、初期の光電変換効率と疑似太陽光照射後の光電
変換効率から計算した劣化率は1.1%であり、特性変
化はほとんどみられなかった。
【0049】<比較例2>図2の層構成の色素増感太陽
電池30を作製した。無機化合物層2、被覆層3を積層
しないこと以外は、基材1、透明導電層4、金属酸化物
半導体5、色素6、電荷輸送層7、及び導電性触媒層8
はいずれも実施例2と同様に形成した。得られた色素増
感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.
M.1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いた
時、短絡電流JSC=19mA/cm2、開放電圧VOC
0.73V、フィルファクターFF=0.68で光電変
換効率はη=9.4%であった。更に、大気中で10,
000時間、A.M.1.5、100mW/cm2の擬
似太陽光を照射した後、光電変換効率を測定したとこ
ろ、短絡電流JSC=14mA/cm2、開放電圧VOC
0.72V、フィルファクターFF=0.64で光電変
換効率はη=6.5%であり、特性劣化が生じた。初期
の光電変換効率と疑似太陽光照射後の光電変換効率から
計算した劣化率は30.9%であった。
【0050】<実施例3>図3の層構成の色素増感太陽
電池モジュール30を次のように作製した。まず、基材
1としてPET(50μm厚)を使用し、この上に無機
化合物層2としてインジウム−セリウム−錫−チタン混
合酸化物を、酸化インジウムに対し、セリウム8.5a
t%、錫3.0at%、チタン0.5at%をそれぞれ
含んだものをターゲットとして酸素を導入する反応性D
Cスパッタリング法により膜厚約30nmで形成し、被
覆層3を、テトラエトキシシランを0.1N塩酸で加水
分解し、固形分3wt%にした溶液とポリビニルアルコ
ールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:
イソプロピルアルコール=90wt%:10wt%)を
60wt%:40wt%で混合した溶液をマイクログラ
ビアコーティング法により塗工し、乾燥することによ
り、膜厚20μmで形成した。以上の積層体の光線透過
率を測定したところ、400nmで66%であった。こ
の上に透明導電層4としてインジウム錫酸化物(IT
O)を真空スパッタリング法により形成した。得られた
透明導電層を幅5mmで規則的に並ぶようにレーザスク
ライビングにより、水溶性高分子と金属化合物により構
成される層3の表面が出るまで削った。得られた透明導
電性基材上に、金属酸化物半導体5として酸化チタンを
10μm形成した。酸化チタンはチタンテトラt-ブト
キシドを硝酸によって加水分解することによるゾルゲル
法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化チタ
ンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、乾燥し、大気
圧下で酸素/ヘリウム混合ガス(酸素:ヘリウム=1
0:90)のプラズマで処理することにより形成した。
得られた金属酸化物半導体を、部分的に水溶性高分子と
金属化合物により構成される層3上に乗るようにレーザ
スクライビングにより削った。ビス(4、4−ジカルボ
キシ−2、2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウ
ムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素6とし
て、ビス(4、4−ジカルボキシ−2、2−ビピリジ
ル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及び
エタノール洗浄、及び乾燥を行った。以下の操作を乾燥
アルゴン雰囲気下で行った。電荷輸送層7としてCuI
を、アセトニトリル溶液にして金属酸化物半導体5上に
含浸させ、120℃のホットプレート上で加熱すること
で溶媒のアセトニトリルを蒸発させることにより形成し
た。更に、得られた電荷輸送層を、金属酸化物半導体と
同様にレーザスクライビングにより削った。続いて得ら
れた積層体上に、スパッタリング法により成膜した白金
を導電性触媒層8として形成した後、スパッタリング法
によりインジウム錫酸化物(ITO)を透明導電層4と
して形成した。更に、最後に形成した透明導電層4をレ
ーザスクライビングで積層体の片側のみに接し、隣接す
る積層体の最下部の透明導電層と接触するように形成し
た。以上の色素増感太陽電池モジュールにガラス基材9
としてバリウムボロシリケートガラス(1mm厚)を被
せ、周囲をエポキシ樹脂で封止することにより色素増感
太陽電池モジュールを作成した。
【0051】以上で得られた色素増感太陽電池モジュー
ルの電流−電圧特性を測定したところ、A.M.1.
5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いた時、短絡
電流JS C=9.0mA/cm2、開放電圧VOC=2.1
6V、フィルファクターFF=0.70で光電変換効率
はη=13.6%であった。更に、大気中で10,00
0時間、A.M.1.5、100mW/cm2の擬似太
陽光を照射した後、光電変換効率を測定したところ、短
絡電流JSC=9.0mA/cm2、開放電圧VOC=2.
15V、フィルファクターFF=0.69で光電変換効
率はη=13.4%であり、初期の光電変換効率と疑似
太陽光照射後の光電変換効率から計算した劣化率は1.
5%であり、特性変化はほとんどみられなかった。
【0052】<比較例3>図4の層構成の色素増感太陽
電池モジュール40を作製した。無機化合物層2、被覆
層3を積層しないこと以外は、基材1、透明導電層4、
金属酸化物半導体5、色素6、電荷輸送層7、及び導電
性触媒層8、ガラス基材9はいずれも実施例3と同様に
形成した。得られた色素増感太陽電池の電流−電圧特性
を測定したところ、A.M.1.5、100mW/cm
2の擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=9.7mA
/cm2、開放電圧VOC=2.16V、フィルファクタ
ーFF=0.69で光電変換効率はη=14.5%であ
った。更に、大気中で10,000時間、A.M.1.
5、100mW/cm2の擬似太陽光を照射した後、光
電変換効率を測定したところ、短絡電流JSC=6.3m
A/cm2、開放電圧VOC=2.16V、フィルファク
ターFF=0.64で光電変換効率はη=8.8%であ
り、特性劣化が生じた。初期の光電変換効率と疑似太陽
光照射後の光電変換効率から計算した劣化率は40.0
%であった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、無機化合物層及び被覆
層を設けることにより、ガス透過を抑制し、電解質や色
素、封止剤などの色素増感太陽電池の特性劣化を押さえ
ることができる。また、紫外光域の光線の侵入を防ぐこ
とにより、電解質や色素、封止剤などの劣化を防止し、
耐久性を向上させることができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における色素増感太陽電池の層構成図の
一例である。
【図2】比較例1、2における色素増感太陽電池の層構
成図である。
【図3】本発明における色素増感太陽電池モジュールの
層構成図の一例である。
【図4】比較例3における色素増感太陽電池モジュール
の層構成図である。
【符号の説明】
1 基材 2 無機化合物層 3 被覆層 4 透明導電層 5 金属酸化物半導体 6 色素 7 電荷輸送層 8 導電性触媒層 9 ガラス基材 10、20 色素増感太陽電池 30、40 色素増感太陽電池モジュール
フロントページの続き (72)発明者 原田 隆宏 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 BA11 FA04 FA06 GA03 GA06 HA20 5H032 AA06 AS06 AS16 CC11 CC14 CC16 EE01 EE02 EE04 EE07 EE15 EE16 HH01 HH07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材上に透明導電層、色素を吸
    着させた多孔質の金属酸化物半導体層、電荷輸送層、導
    電性触媒層及び/又は導電層を順に形成してなる色素増
    感太陽電池において、前記基材の少なくとも片面に、無
    機化合物層及び水溶性高分子に、(a)1種以上の金属
    アルコキシド及びその加水分解物、(b)または塩化
    錫、の少なくとも一方を含む被覆層が形成されてなるこ
    とを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 【請求項2】少なくとも基材上に透明導電層、色素を吸
    着させた多孔質の金属酸化物半導体層、電荷輸送層、導
    電性触媒層及び/又は導電層、基材を順に形成してなる
    色素増感太陽電池において、前記2つの基材のそれぞれ
    において、少なくとも片面に無機化合物層及び水溶性高
    分子に、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加
    水分解物、(b)または塩化錫、の少なくとも一方を含
    む被覆層が形成されてなることを特徴とする色素増感太
    陽電池。
  3. 【請求項3】前記無機化合物層の400nm以下の波長
    領域での光線透過率が、70%以下であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 【請求項4】前記被覆層の400nm以下の波長領域で
    の光線透過率が、70%以下であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  5. 【請求項5】前記無機化合物がインジウム、ケイ素、
    錫、亜鉛、セリウム、チタン、バナジウム、タングステ
    ン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、ニッケル、
    ニオブ、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン、マ
    ンガンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を含む
    酸化物あるいは酸窒化物あるいはフッ化物であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太
    陽電池。
  6. 【請求項6】前記被覆層の水溶性高分子がポリビニルア
    ルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の色素増感太陽電池。
  7. 【請求項7】前記被覆層の金属アルコキシドが、テトラ
    イソプロポキシチタンまたはテトラブトキシチタン、あ
    るいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  8. 【請求項8】前記金属酸化物半導体が亜鉛、ニオブ、
    錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、
    タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガンから選
    ばれる少なくとも1種類以上の金属の酸化物を含むこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の色素増感
    太陽電池。
  9. 【請求項9】前記電荷輸送層が固体電解質またはp型半
    導体を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の色素増感太陽電池。
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